JP3500246B2 - 高さ調整金具および高さ調整金具付コンクリート二次製品 - Google Patents

高さ調整金具および高さ調整金具付コンクリート二次製品

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JP3500246B2
JP3500246B2 JP03203596A JP3203596A JP3500246B2 JP 3500246 B2 JP3500246 B2 JP 3500246B2 JP 03203596 A JP03203596 A JP 03203596A JP 3203596 A JP3203596 A JP 3203596A JP 3500246 B2 JP3500246 B2 JP 3500246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート二次製
品を敷設するための高さ調整金具および高さ調整金具付
コンクリート二次製品に関する。さらに詳しくは、とく
にコンクリート二次製品への取り付け作業が簡便であっ
て、コンクリート二次製品の精度の良い敷設を簡単かつ
確実に行なうことができ、しかも工期短縮とコストダウ
ンを図ることのできる、コンクリート二次製品を敷設す
るための高さ調整金具および高さ調整金具付コンクリー
ト二次製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンクリートボックスカルバ
ート、擁壁ブロック、U字型水路ブロック、L字型水路
ブロック、道路用側溝ブロックなど、工場において製造
されるコンクリート二次製品にあっては、一定の長さを
有するコンクリート二次製品を順次トラッククレーンな
どを用いて敷設面上に吊り下ろし、吊り下げた状態で前
後方向に動かして前後面の位置合わせを行ない、さらに
敷設面とコンクリート二次製品の底面とのあいだに介在
物を介入して勾配や高さ合わせを行なったのち、敷設面
とコンクリート二次製品の底面とのあいだにモルタルな
どの充填材を注入してコンクリート二次製品を敷設面上
に固定していた。
【0003】しかしながら、前記作業においては、重量
物を数人の作業者が狭くて深い掘穴の中で取り扱うばあ
いが多くあり、作業性がわるい。
【0004】また、敷設面とコンクリート二次製品の底
面とのあいだの空間を充分に確保できないために、充填
材をコンクリート二次製品の底面全体にゆきわたるよう
に注入することが困難であった。その結果、コンクリー
ト二次製品の底面の中央部付近は中空状態のままであ
り、このような状態で放置するとコンクリート二次製品
に偏荷重が作用し易かった。
【0005】以上の欠点を解決するものとして、実公昭
63-32211号公報に示されるように、コンクリート二次製
品中に長ナットを埋設し、該長ナットにメネジを螺合さ
せて該メネジの回転により敷設面とコンクリート二次製
品の底面との間隔を調整することのできる高さ調整機構
付コンクリート二次製品がある。しかしながら、該コン
クリート二次製品においては、工場での製造段階で予め
長ナットを埋設しておく必要があることに起因して種々
の問題が発生する。たとえば、コンクリート二次製品の
設置施工時に土砂、木片、小石などの異物が長ナット内
部に混入するおそれが多分にあり、こういった異物が混
入したばあいには長ナットとメネジとのかみ合いが不具
合となり、その結果、コンクリート二次製品の高さ調整
も難しくなる。
【0006】このような問題を解決するものとして、本
出願人は先に、特開平2-104829号公報に示される高さ調
整金具などを提案した。該高さ調整金具は、図8に示す
ように、頭部と反対側の端部が略球面状に加工されてお
り、コンクリート二次製品の底版部31aに形成された
孔32に挿入されるボルト36と、該ボルト36に螺合
されるナット34と、前記ボルト36に挿通される座金
33と、前記ボルト36のオネジ部と螺合するメネジ部
を有する略板状の自在調整金具37とからなり、使用に
際し、前記座金33およびナット34は、この順序で前
記底版部31aの孔32の上面に当該孔32と同心に固
着され、前記自在調整金具37は、前記孔32の下面に
設けられて前記ボルト36に螺合されることを特徴とし
ている。
【0007】また、かかる高さ調整金具を用いたコンク
リート二次製品31は、図9に示されるように底版部3
1aの適宜の位置にボルト挿入用の孔32が形成されて
おり、該孔32の上面側に座金33およびナット34が
この順序で前記孔32と同心に固着されており、該孔3
2の下面側にはメネジ部を有する略板状の自在調整金具
37が設けられており、前記ナット34および自在調整
金具37に下端部が略球面状に加工されたボルト36が
螺合されており、かつ前記底版部31aの適宜の位置に
充填材注入用の透孔20が形成されており、前記ボルト
36の回転により敷設面である基礎コンクリート22の
上面とコンクリート二次製品31の底版部31aの底面
との間隔が調整可能なことを特徴としている。
【0008】かかる高さ調整金具を使用するには、孔3
2の下面側から突出したボルト36の下端部に自在調整
金具37を螺合させ、この状態でコンクリート二次製品
31を基礎コンクリート22上の所定の敷設面の位置に
載置する。このとき、ボルト36の下端部の下方に位置
する基礎コンクリート22上に鉄板やステンレス板から
なるライナープレート25を設けておくことが好まし
く、コンクリート二次製品31は、ボルト36の下端部
がこのライナープレート25上にくるように載置され
る。ボルト36の下端部は前述したごとく略球面状に加
工されており、ライナープレート25上を良好に滑るこ
とができ、これによりコンクリート二次製品31の前後
左右の位置合わせが小さな力で容易に行なえる。前後左
右の位置合わせを行なったのちに、ボルト36の回転に
より部材の高さ調整が行なわれる。
【0009】最終的に、敷設面となる基礎コンクリート
22の上面と底版部31aの底面とのあいだに確保され
た空間21中に、前記透孔20から注入された充填材を
充填させて一連の作業が完了する。
【0010】このようにして、先に提案した高さ調整金
具および高さ調整金具付コンクリート二次製品では、従
来にないつぎのような効果がえられる。
【0011】コンクリート二次製品製造後に高さ調整
金具(ボルト、ナット、座金および自在調整金具)を取
り付けることができ、特殊な型枠を用いる必要がないの
で製造施設を簡素化できる。
【0012】かみ合いを確認した上で部材に取り付け
ることができるので高さ調整部分に欠陥を有する部材の
発生を防ぐことができる。
【0013】現場にてコンクリート二次製品を設置す
る際にナットや自在調整金具を固着することができ、ナ
ット内に砂や小石などの異物が侵入してボルトとのかみ
合いが阻害されるのを防ぎ、確実に高さ調整を行なうこ
とができる。
【0014】部材設置後に、ボルトなどを取りはずす
ことが可能であるので、コンクリート二次製品中にさび
や腐食を生じることがなく、コンクリート二次製品の品
質を永年にわたり良好な状態に保つことができる。
【0015】工場において製造するばあい、構造が極
めて簡単であるので精度の高い製品を大量かつ迅速に製
作供給できる。
【0016】使用する器材が極めて安価に入手できる
ものであるので製造単価を低く押えることができる。
【0017】ボルトの下端部が略球面状に加工されて
おりライナープレート上を極めてなめらかに滑るように
しているので、容易にかつ小さな力でしかも従来の埋込
み型に比べて極めて高い精度で前後左右の位置合わせを
行なうことができる。
【0018】自在調整金具が帽子状の金具のばあい、
下端(ライナープレートと接する部分)をアールを有す
るパイプ断面状に加工して摩擦係数を小さくすることが
できるので、ボルトを通さない状態でも前後左右の位置
合わせができる。
【0019】自在調整金具の座金に面する側の板状部
表面に突起を設けるばあい、圧着によって該金具がコン
クリート二次製品に強固に固定されるので、金具をコン
クリート二次製品に取り付けた直後に高さ調整を行なう
ことができ、工期を大幅に短縮化することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
特開平2-104829号公報に示される高さ調整金具を用いる
ばあいは、コンクリート二次製品の敷設に先立ち、コン
クリート二次製品の底版部に形成された孔の上面に、座
金およびナットをこの順序で孔と同心に接着剤などで予
め固着しておくことが必要である。このとき、座金、ナ
ットおよびボルトと孔との中心位置のズレおよび中心軸
同士の傾きが許容される値よりも大きいばあいには、該
ナットと螺合させながらボルトを前記孔の中心に真直ぐ
に挿入することができない。その結果、該ボルトの頭部
と反対側に螺合された自在調整金具が、コンクリート二
次製品の自重により敷設面とのあいだに挟まれてコンク
リート二次製品の下面に密着、固定されたばあいに、ナ
ットおよび自在調整金具とボルトとの2カ所の螺合部で
の円滑なボルトの動きが阻害されたり、ボルトの回転中
に生じる偏心力により座金およびナットの接着部が外れ
たりすることがある。さらに、ボルトと孔との中心位置
のズレおよび中心軸同士の傾きが極端に大きいばあいに
は、ボルトが孔の途中の壁面に接触するなどして、ボル
トが孔を完全に貫通しずらいなどの事態が生じる。
【0021】このような問題は、底版部の厚さが大きく
なり、長いボルトを使用しなければならないばあいに、
とくに顕著である。
【0022】本発明は、叙上の事情に鑑み、前記従来技
術の有する欠点が解消された高さ調整金具および高さ調
整金具付コンクリート二次製品を提供することを目的と
する。すなわち、本発明の目的は、厚さの大きなコンク
リート二次製品に対しても取り付けが簡便であって、そ
の製造も容易であり、敷設時には小さな力で確実にコン
クリート二次製品の高さ調整ができるとともに、敷設後
にはボルトを確実に抜くことができる高さ調整金具およ
びこれを用いた高さ調整金具付コンクリート二次製品を
提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の高さ調整金具
は、コンクリート二次製品の高さ調整に用いられる金具
であって、(a) 頭部と、該頭部の反対側の、先端が略球
面状に加工された端部とのあいだにオネジ部が刻設され
たボルトと、(b) 該ボルトに挿通される略円錐台状の貫
通孔付コッターと、(c) 前記コンクリート二次製品の底
版部に形成された孔に嵌合する円筒部と前記底版部の下
面と接するフランジ部からなるとともに、前記ボルトの
オネジ部と螺合されるメネジ部を前記円筒部に有する内
ネジ付自在調整金具とからなり、使用に際し、前記コッ
ターを前記ボルトの頭部側に挿通したのち、当該ボルト
を前記コンクリート二次製品の底版部に形成された孔に
挿入し、前記コッターの外径の小さい方の端部が、前記
底版部の孔の上面側に嵌合されて該孔と同心に固定さ
れ、前記自在調整金具が、前記孔の下面側に設けられて
前記ボルトに螺合されることを特徴としている。
【0024】 また、(a) 頭部と、該頭部の反対側の、
先端が略球面状に加工された端部とのあいだにオネジ部
が刻設されたボルトと、(b) 該ボルトのオネジ部に螺合
される略円錐台状の内ネジ付コッターと、(c) 前記コン
クリート二次製品の底版部に形成された孔に嵌合する円
筒部と前記底版部の下面と接するフランジ部からなると
ともに、前記ボルトのオネジ部と螺合されるメネジ部を
前記円筒部に有する内ネジ付自在調整金具とからなり、
使用に際し、前記コッターを前記ボルトの頭部側に螺合
したのち、当該ボルトを前記コンクリート二次製品の底
版部に形成された孔に挿入し、前記コッターの外径の小
さい方の端部が、前記底版部の孔の上面側に嵌合されて
該孔と同心に固定され、前記自在調整金具が、前記孔の
下面側に設けられて前記ボルトに螺合されることを特徴
としている。
【0025】 さらに、本発明の高さ調整金具付コンク
リート二次製品は、底版部の適宜の位置にボルト挿入用
の孔が形成されており、該孔の上面側に略円錐台状の貫
通孔付コッターの外径の小さい方の端部が嵌合されてお
り、該孔の下面側には、該孔に嵌合する円筒部と前記底
版部の下面と接するフランジ部からなり、該円筒部に
ネジ部を有する内ネジ付自在調整金具が設けられてお
り、該自在調整金具に前記コッターを挿通するボルトが
螺合されており、かつ前記底版部の適宜の位置に充填材
注入用の透孔が形成されており、前記ボルトの回転によ
り敷設面とコンクリート二次製品の底面との間隔が調整
可能なことを特徴としている。
【0026】 また、底版部の適宜の位置にボルト挿入
用の孔が形成されており、該孔の上面側に略円錐台状の
内ネジ付コッターの外径の小さい方の端部が嵌合されて
おり、該孔の下面側には、該孔に嵌合する円筒部と前記
底版部の下面と接するフランジ部からなり、該円筒部に
メネジ部を有する内ネジ付自在調整金具が設けられてお
り、該自在調整金具に前記コッターを螺合するボルトが
螺合されており、かつ前記底版部の適宜の位置に充填材
注入用の透孔が形成されており、前記ボルトの回転によ
り敷設面とコンクリート二次製品の底面との間隔が調整
可能なことを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき本発明の
高さ調整金具およびこれを用いた高さ調整金具付コンク
リート二次製品を説明する。
【0028】図1は本発明の高さ調整金具の一実施例を
示す正面図、図2は図1における貫通孔付コッターを示
す斜視図、図3は図1における内ネジ付自在調整金具
(以下、自在調整金具という)を示す斜視図、図4は自
在調整金具の他の実施例を示す斜視図、図5は高さ調整
金具付コンクリート二次製品を示す断面図、図6は本発
明の高さ調整金具の他の実施例を示す正面図、図7は図
6における内ネジ付コッターを示す斜視図である。
【0029】図1〜3に示すように、本発明の高さ調整
金具Aは、頭部1と、該頭部1の反対側の、先端2が略
球面状に加工された端部3とのあいだにオネジ部4が刻
設されたボルト5と、該ボルト5に挿通される略円錐台
状の貫通孔付コッター6と、前記ボルト5のオネジ部4
と螺合されるメネジ部7を有する自在調整金具8とから
構成されている。
【0030】前記頭部1は、ボルト5を回転しやすくす
るために、六角形の回し部1aが形成しており、また前
記端部3の外径は、前記オネジ部4の外径よりも小さく
し、前記自在調整金具8がオネジ部4に螺合しやすくさ
れている。
【0031】前記コッター6は、貫通孔6bを有してお
り、外径の小さい端部6aと外径の大きい端部6cから
構成されている。また前記自在調整金具8は、図5に示
されるコンクリート二次製品31の孔32に嵌合する円
筒部8aと底版部31aの下面と接するフランジ部8b
から構成され、前記底版部31aの下面と接するフラン
ジ部8bの表面側に4個の突起8cが設けられている。
前記円筒部8aにより、ボルト5は、後述するように、
支持され、ふらつきが防止される。この突起8cは、前
記コンクリート二次製品31を敷設面上に載置したとき
にコンクリート二次製品31の自重によって底版部31
aにくい込み、前記ボルト5を回転したときに確実に前
記自在調整金具8と螺合するようにされている。本実施
例では、突起は4個設けられているが、本発明において
は、これに限定されるものではなく、少なくとも1個設
けるようにしてもよい。また前記突起の形状は、本実施
例のごとく円錐状に限定されるものではなく、たとえば
図4に示すように、自在調整金具18の隅角部Cを底版
部の下面側に折り曲げた三角状の突起18cに形成して
もよい。
【0032】そして、前記高さ調整金具の組付構造は、
図5に示すように、コンクリート二次製品31の底版部
31aに設けたボルト挿入用の孔32の上面側に、前記
コッター6の外径の小さい方の端部6aが嵌合され、ま
た、コッター6の外径の大きい方の端部6cから、コッ
ター6に設けられた貫通孔6bを通ってボルト5が挿入
されている。さらに孔32の下面側にはメネジ部7を有
する自在調整金具8が配設され、該自在調整金具8にボ
ルト5が螺合されている。
【0033】つぎに前記高さ調整金具Aの敷設作業につ
いて説明する。図1および図5に示すように、まず、高
さ調整金具Aを底版部31aに据え付ける前に、自在調
整金具8を取り外しコッター6をボルト5に挿通した状
態にする。つぎに、底版部31aに設けた孔2の上面側
に、ボルト5をその端部3から挿入し、これらの全体の
自重によりコッター6の外径の小さい方の端部6aを孔
32に嵌合させて、高さ調整金具Aの位置決めおよび固
定を行なう。これだけの単純な作業で、ボルト5の中心
軸を孔32の中心軸にほぼ一致させることができるだけ
でなく、コッター6は孔32にくさび状に嵌合し、さら
に嵌合が締まる方向に全体の自重が作用しているので、
とくに接着剤でコッター6を孔32に固着しなくとも、
その後の作業を円滑に行なう上で必要な固定度を確保す
ることができる。
【0034】さらに、コッター6と底版部31aの孔3
2とは完全には固定されておらず摺動が可能であり、か
つコッター6とボルト5とは、従来のナットとボルトと
のばあいよりも両者のあいだの相対的な動きに余裕があ
るので、たとえコンクリート二次製品31の底版部31
aの上下面の平行性およびこれらに対する孔32の垂直
性が充分に確保されていないばあいであっても、ボルト
5を挿入する過程で、孔32に対するコッター6および
ボルト5の適正な位置への調整が自動的に行なわれて、
従来のごとくボルトを孔に貫通させることができない、
または過大な偏心力が作用するなどの不都合な事態の発
生を防止することができる。
【0035】なお、前述の作業手順においては、高さ調
整金具Aを底版部31aに据え付ける直前に、コッター
6をボルト5に挿通したが、予め加工段階において、ボ
ルト5の下端部にオネジ部4を切る前にコッター6をボ
ルト5に挿通し、その後にボルト5の下端部にオネジ部
4を切るという加工手順をとり、さらに、そのオネジ部
4の外径をコッター6の貫通孔6bの径より大きくし
て、コッター6がボルト5から抜け出ることがないよう
にしておくことが好ましい。すなわち、ボルト5とコッ
ター6を加工段階で一体化しておくことにより、現場に
おいて部品の数をそれぞれに管理する手間が簡素化でき
るとともに、ボルト5にコッター6を装着しなければな
らない煩雑さを解消することもできる。しかも、ボルト
5を底版部31aの孔32の上面側から下方に向かって
挿入し、孔32に据え付ける作業においても、コッター
6がボルト5から抜け落ちることがなく、抜け落ちを防
止するために現場の作業者に必要とされる注意や手間が
全く不要であるので、作業性が良好である。このこと
は、作業環境が劣悪な狭くて深い堀穴の中での敷設作業
において、とくに重要である。
【0036】ついで、前記孔32の下面側から突出した
ボルト5の端部3側のオネジ部4に自在調整金具5を螺
合しつつ、円筒部8aを孔32内に嵌合させる。この状
態でコンクリート二次製品31を基礎コンクリート22
上の所定の敷設面の位置に載置する。このとき、ボルト
5の端部3の下方に位置する基礎コンクリート22上に
鉄板やステンレス板からなるライナープレート25を設
けておくことが好ましく、コンクリート二次製品31
は、ボルト5の端部3がこのライナープレート25上に
くるように載置される。ボルト5の先端2は前述したご
とく略球面状に加工されており、ライナープレート25
上を良好に滑ることができ、これによりコンクリート二
次製品31の前後左右の位置合わせが小さな力で容易に
行なえる。なお、ライナープレート25上に自己潤滑性
材料、たとえばフッ素樹脂を形成することにより、さら
に摩擦抵抗が少なくなる。前後左右の位置合わせを行な
ったのちに、ボルト5の回転によりコンクリート二次製
品31の高さ調整が行なわれるが、このばあいにおいて
も、ボルト5の頭部1側は、円錐台状のコッター6に案
内されて調芯作用を受けており、孔32に対するコッタ
ー6およびボルト5の自由度が比較的大きく、またボル
ト5の端部3側は、自在調整金具5の円筒部8aが孔3
2内に支持されているため、ボルト5の回転が円滑とな
り、過大な偏心力が作用することがない。そして、最終
的に、敷設面となる基礎コンクリート22の上面と底版
部31aの底面とのあいだに確保された空間21中に、
透孔20から注入されるモルタルなどの充填材を充填さ
せて一連の作業が完了する。
【0037】つぎに前記充填作業が完了したのち、前記
ボルト5を回転して、引き抜く。このとき、ボルト5の
端部3にはオネジ部を刻設していないので、充填材がオ
ネジ部に詰まり、ボルトが回転しなくなる不具合は発生
せず、ボルト5を確実に回転して、引き抜くことができ
る。
【0038】なお、図5において、23は基礎栗石を、
24は基礎地盤を表わしている。基礎コンクリート22
および基礎栗石23の種類や厚さなどはコンクリート二
次製品1の種類や基礎の状況に応じて適宜選択すればよ
い。
【0039】つぎに本発明の高さ調整金具の他の実施例
を説明する。図6〜7に示すように、本実施例の高さ調
整金具Bは、前記高さ調整金具Aとは、頭部11と端部
13とのあいだに刻設されるオネジ部14が長尺である
点と、コッターが前記オネジ部14に螺合するメネジ部
17を有する内ネジ付コッター16である点で相違す
る。本実施例では、高さ調整金具Bを敷設する際に、予
めコッター16を頭部11側のオネジ部14に螺着して
おくことにより、ボルト15をコンクリート二次製品の
孔に据え付ける作業が前記高さ調整金具Aよりも簡便に
行える。
【0040】なお、ボルトは引き抜かずにコンクリート
二次製品に挿通したままにしておいてもよく、このばあ
いボルトは一種のアンカーボルトとして機能し、コンク
リート二次製品をより強固に所定の箇所に固定すること
ができる。
【0041】本発明は、実施例として示したコンクリー
ト二次製品の擁壁ブロック以外にもボックスカルバー
ト、道路用側溝ブロック、大型水路などあらゆるコンク
リート二次製品に適用が可能であり、また本発明の要旨
の範囲内において種々の改良、変更が考えられる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の高さ調整
金具および高さ調整金具付コンクリート二次製品によれ
ば、以下のごとき効果を奏しうる。
【0043】コッターをコンクリート二次製品の孔に
自重で落とし込み、嵌合させるだけで、ボルトと孔との
中心位置のズレおよび中心軸同士の傾きを小さく抑える
ことができるとともに適度な固定度がえられるので、据
え付け作業が容易である。
【0044】コンクリート二次製品の底版部の上下面
の平行性およびこれらに対する孔の垂直性が充分に確保
されていないばあいであっても、孔に対してコッターお
よびボルトの位置の自由度が高いので、ボルトの挿入時
および締め付け時において孔に対するコッターおよびボ
ルトの位置が適正に調整されるため、従来のごとくボル
トを孔に完全に貫通させることができない、またはボル
ト締め付け時に過大な偏心力が作用するなど事態の発生
を防止することができる。
【0045】さらに、加工段階において、予めコッター
をボルトと一体化するか、またはコッターとボルトを螺
着することにより、ボルトから抜け落ちることがないよ
うにしておくと、 現場において、部品の数をそれぞれに管理する手間が
簡素化できるとともに、ボルトにコッターを装着しなけ
ればならない煩雑さを解消することができ、さらに、 ボルトを底版部の孔の上面側から下方に向かって挿入
し、孔に据え付ける作業において、コッターがボルトか
ら抜け落ちることがないので、抜け落ちを防止するため
に現場の作業者に必要とされる注意や手間が全く不要で
あり、良好な作業性がえられる。
【0046】また、ボルトの端部には、オネジ部が刻
設されていないため、敷設作業後に、端部周辺に充填材
が固化していても、簡単にボルトを回転して引き抜くこ
とができる。
【0047】さらに、自在調整金具の円筒部がコンク
リート二次製品の孔に嵌合して、ボルトの下部を支持し
ているため、敷設作業におけるコンクリート二次製品の
前後左右の位置合わせを行なっても、ボルトのふらつき
が防止される。その結果、ボルトの回転によりコンクリ
ート二次製品の高さ調整が確実に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高さ調整金具の一実施例を示す正面図
である。
【図2】図1における貫通孔付コッターを示す斜視図で
ある。
【図3】図1における内ネジ付自在調整金具を示す斜視
図である。
【図4】自在調整金具の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図5】高さ調整金具付コンクリート二次製品を示す断
面図である。
【図6】本発明の高さ調整金具の他の実施例を示す正面
図である。
【図7】図6における内ネジ付コッターを示す斜視図で
ある。
【図8】従来の高さ調整金具を示す断面図である。
【図9】従来の高さ調整金具付コンクリート二次製品を
示す断面図である。
【符号の説明】
1、11 頭部 2 先端 3、13 端部 4、14 オネジ部 5、15 ボルト 6 貫通孔付コッター 6a、6c 端部 6b 貫通孔 7、17 メネジ部 8 内ネジ付自在調整金具 8a 円筒部 8b フランジ部 8c 突起 16 内ネジ付コッター 31 コンクリート二次製品 31a 底版部 32 孔 A、B 高さ調整金具

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート二次製品の高さ調整に用い
    られる金具であって、 (a) 頭部と、該頭部の反対側の、先端が略球面状に加工
    された端部とのあいだにオネジ部が刻設されたボルト
    と、 (b) 該ボルトに挿通される略円錐台状の貫通孔付コッタ
    ーと、 (c) 前記コンクリート二次製品の底版部に形成された孔
    に嵌合する円筒部と前記底版部の下面と接するフランジ
    部からなるとともに、前記ボルトのオネジ部と螺合され
    るメネジ部を前記円筒部に有する内ネジ付自在調整金具
    とからなり、使用に際し、前記コッターを前記ボルトの
    頭部側に挿通したのち、当該ボルトを前記コンクリート
    二次製品の底版部に形成された孔に挿入し、前記コッタ
    ーの外径の小さい方の端部が、前記底版部の孔の上面側
    に嵌合されて該孔と同心に固定され、前記自在調整金具
    が、前記孔の下面側に設けられて前記ボルトに螺合され
    ることを特徴とする高さ調整金具。
  2. 【請求項2】 コンクリート二次製品の高さ調整に用い
    られる金具であって、 (a) 頭部と、該頭部の反対側の、先端が略球面状に加工
    された端部とのあいだにオネジ部が刻設されたボルト
    と、 (b) 該ボルトのオネジ部に螺合される略円錐台状の内ネ
    ジ付コッターと、 (c) 前記コンクリート二次製品の底版部に形成された孔
    に嵌合する円筒部と前記底版部の下面と接するフランジ
    部からなるとともに、前記ボルトのオネジ部と螺合され
    るメネジ部を前記円筒部に有する内ネジ付自在調整金具
    とからなり、使用に際し、前記コッターを前記ボルトの
    頭部側に螺合したのち、当該ボルトを前記コンクリート
    二次製品の底版部に形成された孔に挿入し、前記コッタ
    ーの外径の小さい方の端部が、前記底版部の孔の上面側
    に嵌合されて該孔と同心に固定され、前記自在調整金具
    が、前記孔の下面側に設けられて前記ボルトに螺合され
    ることを特徴とする高さ調整金具。
  3. 【請求項3】 前記底版部の下面と接するフランジ部の
    表面側に少なくとも1個の突起が設けられてなる請求項
    1または2記載の高さ調整金具。
  4. 【請求項4】 底版部の適宜の位置にボルト挿入用の孔
    が形成されており、該孔の上面側に略円錐台状の貫通孔
    付コッターの外径の小さい方の端部が嵌合されており、
    該孔の下面側には、該孔に嵌合する円筒部と前記底版部
    の下面と接するフランジ部からなり、該円筒部にメネジ
    部を有する内ネジ付自在調整金具が設けられており、該
    自在調整金具に前記コッターを挿通するボルトが螺合さ
    れており、かつ前記底版部の適宜の位置に充填材注入用
    の透孔が形成されており、前記ボルトの回転により敷設
    面とコンクリート二次製品の底面との間隔が調整可能な
    ことを特徴とする高さ調整金具付コンクリート二次製
    品。
  5. 【請求項5】 底版部の適宜の位置にボルト挿入用の孔
    が形成されており、該孔の上面側に略円錐台状の内ネジ
    付コッターの外径の小さい方の端部が嵌合されており、
    該孔の下面側には、該孔に嵌合する円筒部と前記底版部
    の下面と接するフランジ部からなり、該円筒部にメネジ
    部を有する内ネジ付自在調整金具が設けられており、該
    自在調整金具に前記コッターを螺合するボルトが螺合さ
    れており、かつ前記底版部の適宜の位置に充填材注入用
    の透孔が形成されており、前記ボルトの回転により敷設
    面とコンクリート二次製品の底面との間隔が調整可能な
    ことを特徴とする高さ調整金具付コンクリート二次製
    品。
  6. 【請求項6】 前記底版部の下面と接するフランジ部の
    表面側に少なくとも1個の突起が設けられてなる請求項
    4または5記載の高さ調整金具付コンクリート二次製
    品。
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