JP3499576B2 - 窒素酸化物除去方法およびその装置 - Google Patents

窒素酸化物除去方法およびその装置

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JP3499576B2
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聡 棚沢
小林健一郎
浩昭 林
基伸 小林
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Tokyo Gas Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、固体還元剤を用い、
排ガス中の窒素酸化物(NOx)を触媒と接触させて高
効率で還元して除去する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼ
ルエンジン、加熱炉および各種ボイラ等から排出される
排ガスから窒素酸化物を除去する方法としては、アンモ
ニアを還元剤として用いる選択還元脱硝方法が排ガス中
の酸素濃度の影響を受けずに、窒素酸化物を選択的に高
効率で除去できるために、これまでに各種の固定発生源
の脱硝プロセスに適用されてきた。アンモニアは、液体
アンモニア(液安)、アンモニア水(安水)等の形で供
給される。
【0003】近年、ガスタービン、ガスエンジンおよび
ディーゼルエンジンを駆動源とするコージェネレーショ
ンシステムが地球環境保全や経済性の面から臨海部およ
び都市部において急速に増加する傾向にあり、それに伴
い脱硝プロセスもビル内や居住地域内に設置されること
が必要となる。この場合、還元剤として使用される液体
アンモニアおよびアンモニア水は毒物及び劇物取締法、
高圧ガス取締法、消防法等の規制により使用が制限され
ている上、悪臭の漏洩を防ぐために、その取り扱い、輸
送、貯蔵などに特別の注意を払う必要がある。
【0004】上記問題点を解決するためには、アンモニ
アに代わって取り扱いが安易で安定性の高い還元剤を用
いることが必要である。特開平2−194817号公報
に安定性が高く取り扱いが容易な還元剤として、尿素、
メラミン、シアヌル酸等の固体還元剤を固体または液体
の状態で用いたNOx除去方法が開示されている。固体
還元剤を水溶液にすると輸送、貯蔵等の取扱いが容易で
ある。固体還元剤水溶液をダクト内に設けられたノズル
からダクト内を流れている排ガス中に噴霧して排ガスと
混合し脱硝処理を行う。
【0005】従来の窒素酸化物除去装置では、図7にみ
るように、固体還元剤水溶液噴霧用のノズル100は、
ダクト101の側周面からダクト101を横切るように
延ばした配管102の中央部に取り付けられている。こ
れは、噴霧された固体還元剤水溶液が排ガス中に均一に
混合されるようにするためである。図8にみるように、
従来のノズル100は単管構造を有しており、その管1
00aの中に固体還元剤水溶液23と噴霧ガス21とが
供給されることにより、固体還元剤水溶液23を噴霧す
るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】固体還元剤を用いて排
ガス中の窒素酸化物を脱硝用触媒上で効率良く除去する
ためには、固体還元剤水溶液を排ガス中に安定かつ連続
的に供給し、さらに供給する固体還元剤水溶液が排ガス
中の窒素酸化物と均一に混合されることが重要である。
【0007】図8に示すような従来使用されているノズ
ル100で固体還元剤水溶液を排ガス中に噴霧すると、
高温の排ガスからノズルに伝熱しノズル内で固体還元剤
および固体還元剤の反応物が析出、固化しノズル内部お
よび先端部が閉塞する。しかも、ダクト101の側周面
から中央部まで設置されている配管102は高温の排ガ
ス流に常時さらされているので、該配管102中でも同
様の現象が起こる。
【0008】ノズルから排ガス中に噴霧された固体還元
剤水溶液は未だ液体の微粒子状態である。従来の単管構
造のノズルを用いて固体還元剤水溶液を噴霧すると排ガ
スとの均一な混合が不十分であり、これ故、高脱硝率が
得られず、また未反応アンモニア量も多い。この発明
は、このような事情に鑑みてなされたもので、ノズル内
部および先端部における固体還元剤または固体還元剤の
反応物による閉塞を防止し、固体還元剤水溶液を排ガス
中に安定かつ連続的に噴霧できるようにすると同時に固
体還元剤水溶液を排ガス中に均一に混合させ、排ガス中
の窒素酸化物を高効率で除去する方法および装置を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、ダクト内において、流れている排ガス
に固体還元剤水溶液を噴霧して排ガス中に固体還元剤を
混合し、触媒の存在下に排ガス中の窒素酸化物を選択的
に還元除去する方法において、内管と外管からなる二重
管構造を有しその内管先端部が外管先端部よりも1〜5
mm突出しているノズルを前記ダクトの側周面に設置して
おき、前記ノズルの内管内に固体還元剤水溶液を供給す
るとともに前記内管と外管の間に噴霧ガスを供給するこ
とにより固体還元剤水溶液を排ガスに噴霧することを特
徴とする窒素酸化物除去方法を提供する。
【0010】この発明は、上記課題を解決するために、
排ガスを流すためのダクトに排ガス流の上流から下流に
かけて、ダクト内を流れている排ガスに固体還元剤水溶
液を噴霧するためのノズル、および、排ガス中の窒素酸
化物の還元反応のための触媒が順次設けられている窒素
酸化物除去装置において、前記ノズルが、内管と外管か
らなる二重管構造を有しその内管先端部を外管先端部よ
りも1〜5mm突出しているものであって前記ダクトの側
周面に設置されていて、固体還元剤水溶液をノズルの内
管内に供給するとともに噴霧ガスを内管と外管の間に供
給して固体還元剤水溶液を排ガス中に噴霧するようにな
っていることを特徴とする窒素酸化物除去装置を提供す
る。
【0011】この発明では、通常のごとく、ガスタービ
ン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、加熱炉および
各種ボイラ等から排出される排ガスをダクト内に流す。
ダクト内を流れている排ガスに対して固体還元剤水溶液
を噴霧し、触媒の存在下で排ガス中の窒素酸化物を還元
反応させて除去した後、排ガスを外部へ排出するように
なっている。
【0012】固体還元剤は、常温で固体である還元剤で
あり、尿素、メラミン、炭酸アンモニウム、炭酸水素ア
ンモニウム、シアヌル酸などが使用される。特に還元剤
として尿素を用い、水溶液で取り扱う場合、輸送、貯蔵
等の取り扱いが容易であると同時にメラミン、炭酸アン
モニウム、炭酸水素アンモニウム、シアヌル酸等に比べ
て安価であるため実用上極めて有利である。
【0013】固体還元剤水溶液の濃度は、固体還元剤の
溶解度によって異なるが、0℃における飽和濃度を越え
ない範囲(たとえば、尿素水溶液は40数重量%以下)
が好ましい。この範囲を上回ると気温が0℃付近になる
場合、配管内に固体還元剤が析出するおそれがある。こ
の発明では、ノズル(固体還元剤水溶液注入ノズル)を
ダクトの中央ではなく、その側周面に設置して固体還元
剤水溶液を噴霧することによりノズルまでの配管内の閉
塞を防いでいる。ノズルをダクトの側周面に設置すると
噴霧された固体還元剤水溶液が排ガス中に均一に混合さ
れないおそれがあるが、この発明では、ノズルの構造を
工夫することにより該水溶液の均一混合を図っている。
【0014】すなわち、この発明で用いるノズルは、内
管と外管からなる二重管構造を有し、内管に固体還元剤
水溶液を供給する一方、内管と外管の間に冷却用の噴霧
ガスを供給することにより、ノズル外部からノズル内管
への伝熱が抑制される結果、ノズル先端部において固体
還元剤の結晶化や反応生成物によるノズルの詰まり等の
現象が回避される。
【0015】さらに、ノズル内管の先端部を外管の先端
部よりも1〜5mm突出させた構造を持たせることにより
固体還元剤水溶液を微細化し霧状に噴霧できるようにな
り、水溶液の排ガス中への混合均一化が一層促進され
る。ノズル内管先端部の突出長さが1mmを下回ると水溶
液の液滴が内管の外壁を伝って垂れ落ちるため外管と内
管の間に固化した固体還元剤が蓄積し、ノズルが閉塞す
る。一方、内管先端部の突出長さが5mmを上回ると水溶
液の排ガス中への分散が悪くなる。
【0016】ノズルは、その外管先端部がダクトの内周
面からダクト内に突出しないように、すなわちダクト内
周面と同一面内かまたはダクト内周面よりも外側に下が
った位置に配されるように設置されるのが良い。外管先
端部がダクトの内周面から突出しているとノズルの外管
と内管の間に流れる噴霧ガスによる冷却効果が減少する
ためノズル先端部において内管内に固体還元剤が析出、
固化し、ノズルが閉塞するおそれがある。
【0017】ノズルの内管および内管と外管の間に供給
する噴霧ガスは、空気、水蒸気の他、窒素などの固体還
元剤に対して不活性なガスであれば特に限定されない。
設置するノズルの個数は、1個および複数のいずれでも
よいが、複数が好ましい。複数個のノズルを設けると、
噴霧された固体還元剤水溶液が排ガス中に均一に分散さ
れやすい。
【0018】ノズルの設置は、従来のごとくダクト中央
部で行うのではなく、ダクトの側周面でなされる。ノズ
ルをダクトの側周面に複数個設置する場合、複数のノズ
ルの配置は、ダクトの側周面に周に沿ってほぼ均等な間
隔でなされるのが好ましい。通常、ダクトの1周360
°をノズルの個数で割った角度ごとに設置され、たとえ
ば、4個のノズルは90°ごとに配置される。
【0019】ノズルの向きは、排ガス流の上流向き、下
流向き、排ガス流に対して直角のいずれでもよいが、ノ
ズルから噴霧された固体還元剤水溶液の排ガス中への均
一混合という点からは排ガス流に対して45〜135°
の範囲の角度に設定されるのが好ましい。ノズル内管内
に固体還元剤水溶液と噴霧ガスとを同時に供給し、噴霧
ガスにより該水溶液のノズル内管通過速度を上げると、
水溶液への伝熱が効果的に防止されるためノズル先端部
の詰まりを防止できるのみならず、水溶液の排ガス中へ
の分散を良くすることができる。
【0020】固体還元剤水溶液注入ノズルは、排気ダク
ト内の排ガス流速が15m/s以上を示すゾーンに設置
された場合、排ガス中に水溶液がより均一に分散される
ことになるので、高脱硝率が得られ好ましい結果が得ら
れる。排ガスの流速は、通常、ダクトの断面積を変える
ことにより変えられるので、そのような流速に適した断
面積のダクト側周面にノズルを設置するのが良い。
【0021】ノズル内管内を通過する固体還元剤水溶液
の速度は、0.1m/s以上が好ましい。この範囲を下
回ると高温の排ガスからの伝熱によりノズル内管内で固
体還元剤が結晶化したり重合したりしてノズルが閉塞す
るおそれがある。ノズル内管と外管の間を通過する噴霧
ガスの速度は、水溶液のノズル内管内を通過する速度に
対して10倍以上の数値に設定されるのが好ましい。こ
の範囲を下回るとノズルより噴霧された固体還元剤水溶
液の排ガス中への分散が悪くなると同時にノズルの外管
と内管の間に流れる噴霧ガスによる冷却効果が減少する
ためにノズル内管内に固体還元剤が析出、固化しノズル
が閉塞するおそれがある。
【0022】ノズル内管内に固体還元剤水溶液と噴霧ガ
スの両方を供給する場合、該水溶液と噴霧ガスの比率
は、該水溶液1容量部に対して噴霧ガス20容量部以下
が好ましい。この範囲を上回って噴霧ガス量を増加させ
ても固体還元剤水溶液の排ガス中への分散性向上による
NOx除去性能の向上は期待できない。この発明の方法
および装置は、脱硫の前または後に適用されることがで
き、ボイラー排ガスを処理する場合には、通常、脱硫の
前に設置される。
【0023】
【作用】内管と外管からなる二重管構造を有しその内管
先端部が外管先端部よりも1〜5mm突出しているノズル
をダクトの側周面に設置しておき、前記ノズルの内管内
に固体還元剤水溶液を供給するとともに前記内管と外管
の間に噴霧ガスを供給することにより固体還元剤水溶液
を排ガスに噴霧すると、ノズルが固体還元剤の析出物ま
たは反応物で詰まることなく長期間にわたって連続的に
噴霧でき、固体還元剤水溶液が排ガス中に均一に混合さ
れる。
【0024】ダクトの中央部にノズルを設けると、高温
の排ガス流にさらされるためにノズルおよび配管内に固
体還元剤やその反応物が析出して閉塞を起こすが、ダク
トの側周面上にノズルを設置すると固体還元剤やその反
応物の析出等も起こらず、ノズルのメンテナンスを行い
やすい。
【0025】
【実施例】以下、この発明を、その実施例を表す図面に
基づいて説明するが、この発明は図示されたものに限定
されない。図1は、この発明の窒素酸化物除去装置の1
実施例であって、排ガスが15m/s以上の流速で流れ
る領域に固体還元剤水溶液注入ノズルを設置した場合を
概略的に示す。図1に示す窒素酸化物除去装置では、排
ガス発生源であるガスタービン1からの排ガスがダクト
2内を流れるようになっている。ダクト2は、この実施
例では円形ダクトであり、排ガス流の上流から下流にか
けて、ガスタービン1と同径の高流速領域2a、径が徐
々に拡大している拡大領域2b、径が大きな低流速領域
2cを有している。高流速領域2aでは排ガスは通常1
5m/s以上の流速で流れ、低流速領域2cでは5〜1
0m/sの流速で流れるようになっている。高流速領域
2aにはノズル11が設けられており、低流速領域2c
には排熱回収ボイラ(廃熱ボイラ)3、脱硝触媒層4お
よびエコノマイザー40が順次設けられている。
【0026】図3にもみるように、固体還元剤水溶液2
3が溜められるようになっている貯槽10からノズル1
1まで還元剤水溶液供給用ライン33が設けられてい
る。ポンプ9によって貯槽10から還元剤水溶液供給用
ライン33を通じて供給される該水溶液23は、ノズル
11からダクト2内に噴霧される。ガスタービン1から
流れている排ガスはノズル11から噴霧された固体還元
剤水溶液と混合され、固体還元剤水溶液は熱分解してア
ンモニアを生成する。排ガスは、この状態で排熱回収ボ
イラ3を経て脱硝触媒層4を通る際に窒素酸化物が選択
的に還元を受けて除去された後、エコノマイザー40を
経て煙突5へ導かれ、外部へ排出される。排熱回収ボイ
ラ3およびエコノマイザー40は必要に応じて設けられ
るものである。
【0027】脱硝触媒層4には、TiO2 を担体とし、
活性成分としてV2 5 、WO3 からなるハニカム状触
媒など、窒素酸化物の還元反応を促進する触媒が充填さ
れている。ノズル11は、図2にみるように、ダクト2
の側周面の周に沿ってほぼ均等な間隔で設置されている
ノズル取付座20に取り付けられている。すなわち、4
つのノズル11が90°ごとに配置されている。ノズル
11は、図3にみるように、ダクト2に取り付けられた
ノズル取付座20に取り付けられている。ノズル11
は、その外管先端部がダクト2の内周面よりもダクト内
に突出しないように、たとえば、取付座20のフランジ
に取り付けられる。
【0028】図4および5は、それぞれ、ノズル11の
1例を示す。図4に示すノズル11は二重管構造で、該
ノズル内管内13に固体還元剤水溶液を、内管と外管の
間14に噴霧ガス21を供給するようになっている。図
5に示すノズルは二重管構造の内管の入口部15を二股
構造とし、該内管内13に固体還元剤水溶液と噴霧ガス
21を同時に供給し、内管と外管の間14に噴霧ガス2
1のみを供給するようになっている。内管先端部は外管
先端部よりも長さtだけ突出している。長さtは、上述
のように1〜5mmである。16は内管を支持する部材で
ある。
【0029】ノズル内管内13およびノズル内管と外管
の間14に流通させる噴霧ガス21は、それぞれ流量計
6および流量計7を通って所定量が供給され、同時に固
体還元剤水溶液23は貯槽10からポンプ9で送液さ
れ、流量制御弁(コントロールバルブ)8で所定量の注
入量がコントロールされた後、図4または5に示された
ノズルの内管内に供給され排ガス中に噴霧される。
【0030】26は内管と外管との間14に噴霧ガスを
供給するためのガスライン、27は内管内13に噴霧ガ
スを供給するためのガスラインである。ガスタービン1
での排ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度は、固体還元
剤水溶液注入ノズル11の上流に検出端が設けられたN
Ox計24により測定されるとともに、排ガス量はガス
タービン1の出力信号により求められ、これらのNOx
濃度および排ガス量からNOx量を決定し、得られたN
Ox値に応じて必要な固体還元剤量に基づく制御信号が
制御装置25から流量制御弁8へ送られ、ノズル11よ
り固体還元剤水溶液が排ガス中に噴霧される。
【0031】ノズル11は、図6にみるように、低流速
領域2cに設けられていてもよい。この場合には、固体
還元剤を排ガス中に均一に混合するため、固体還元剤の
拡散混合用の分散板等をダクト2内に設置すると効果的
である。図1〜8中、同じ番号を付しているものは同じ
ものである。以下に、この発明の具体的な実施例および
比較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されな
い。
【0032】(実施例1)図4に示されたノズル11を
図2および3に示すようにダクト2に設置した図1に示
す装置を用いて脱硝試験を行った。ノズル内管の先端部
が外管の先端部より2mm突出したノズル11を4個用
い、アンモニア換算値基準でNH3 /NOxのモル比が
0.9となるように、20重量%の尿素水溶液を0.7
m/sの速度(ノズル11内管を通過する速度)でノズ
ル内管内13に供給すると同時にノズル外管と内管の間
14に空気を、内管内13を流れる尿素水溶液の速度に
対して50倍の速度(ノズル外管と内管の間14を通過
する速度)で供給し、ノズル11から連続的に尿素水溶
液をダクト2内を流れている排ガスに噴霧し、表1に示
す条件下で脱硝試験を行った。
【0033】
【表1】 ────────────────────────────────── 排ガス ガスタービン排ガス(出力1000kW) 燃料 都市ガス(13A) 排ガス量 14,200Nm3/h 排ガス温度 500℃(ノズル設置部) 230℃(触媒入口部) 排ガス中のNOx濃度 43ppm VD(触媒入口部) 還元剤 尿素水溶液(20重量%) 固体還元剤量 NH3 /NOx=0.9(モル比) (ただし、アンモニア換算基準) SV(空間速度) 8,500h-1 排ガス流速 25m/s (ノズル設置部におけるダクト2内において) ノズル設置角度 排ガス流に対して直角 触媒 V2 5 −WO3 −TiO2 系ハニカム状触媒 ────────────────────────────────── (実施例2)図4に示されたノズル11の代わりに図5
に示されたノズル11を用いたこと、および、ノズルの
内管内13に流通させる空気の流量を流量計6で設定し
て内管内13には尿素水溶液と空気を供給したこと以外
は実施例1と同様にして脱硝を行った。ノズルの内管内
13に流通させる空気の流量は尿素水溶液1容量部に対
して噴霧ガス20容量部の割合に設定した。
【0034】(比較例1)図4に示されたノズル11の
代わりに図8に示されたノズル100を用いたこと、お
よび、ノズル100には尿素水溶液のみを供給したこと
以外は実施例1と同様にして脱硝を行った。結果は、図
8に示す比較ノズルでは、尿素水溶液を供給すると同時
に脈動が生じ、数時間後にはノズル内部が尿素および尿
素重合物により閉塞し尿素水溶液が供給できない状態と
なった。一方、図4および5に示すノズルを使用した実
施例では、脈動もなく、また、1000時間以上の長期
間にわたって尿素および尿素重合物によるノズルの詰ま
りがなく、尿素水溶液を連続的に供給することができ
た。
【0035】実施例1,2および比較例1での脱硝結果
を表2に示した。脱硝率は、NOx計24により触媒層
4の入口および出口のNOx濃度を測定して求めた。
【0036】
【表2】 ────────────────────────── ノズル 脱硝率〔%〕 ─────────────────────────── 実施例1 図4に示すノズル11 87.5 実施例2 図5に示すノズル11 89.3 比較例1 図8に示すノズル100 62.2 ─────────────────────────── 表2にみるように、この発明の装置を使用した場合、図
8のノズルを使用した場合に比べ、内管と外管の間を流
通させる空気により尿素水溶液が微細化されて噴霧され
るため、排ガス中で均一に混合され、その結果優れた脱
硝率が得られた。
【0037】(実施例3)ダクト2のダクト直径を変化
させてダクト内排ガス流速を変化させたこと以外は実施
例1と同様にして脱硝を行った。これにより、ノズル設
置場所におけるダクト内排ガス流速と脱硝性能の関係が
調べられた。結果は表3に示した。
【0038】
【表3】 ─────────────────────────── ダクト2の高流速領域2a 脱硝率〔%〕 での排ガス流速〔m/s〕 ─────────────────────────── 5 78.2 10 84.4 15 88.6 20 89.3 25 89.3 30 89.3 ─────────────────────────── 表3にみるように、ダクト2内の排ガス流速が高くなる
につれて脱硝率が向上し、ガス流速が15m/s以上で
は、尿素水溶液と排ガス中の窒素酸化物と均一に混合さ
れていると言える。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、長期間にわたり固体
還元剤水注入ノズルの詰まりがなく、固体還元剤水溶液
を連続的に排ガス中へ噴霧することが可能となり、さら
に固体還元剤水溶液が排ガス中で均一に混合されるため
優れた脱硝性能を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の窒素酸化物除去装置の1実施例の概
略縦断面図である。
【図2】図1に示した装置におけるノズルの配置状態を
示す説明図である。
【図3】図1に示した装置におけるノズルの取付状態を
示す説明図である。
【図4】この発明で使用するノズルの1例の概略断面図
である。
【図5】この発明で使用するノズルの別の1例の概略断
面図である。
【図6】この発明の窒素酸化物除去装置の別の1実施例
の概略縦断面図である。
【図7】従来の窒素酸化物除去装置の1例の概略縦断面
図である。
【図8】従来使用していたノズルの概略断面図である。
【符号の説明】
1 排ガス発生源であるガスタービン 2 ダクト(排ガス煙道) 3 排熱回収ボイラ 4 脱硝触媒層(脱硝反応器) 5 煙突 6 ガス流量計 7 ガス流量計 8 流量制御弁 9 固体還元剤水溶液供給ポンプ 10 固体還元剤水溶液の貯槽 11 固体還元剤水溶液注入ノズル 13 内管内 14 内管と外管の間 23 固体還元剤水溶液 24 NOx計 25 制御装置 26 ガスライン 27 ガスライン 33 還元剤水溶液供給用ライン 40 エコノマイザー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚沢 聡 神奈川県横浜市鶴見区末広町1―7―7 東京瓦斯株式会社 生産技術センター 内 (72)発明者 小林健一郎 神奈川県横浜市鶴見区末広町1―7―7 東京瓦斯株式会社 生産技術センター 内 (72)発明者 林 浩昭 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 株式会社日本触媒 東京本社内 (72)発明者 小林 基伸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 触媒研究所内 (56)参考文献 特開 平4−16216(JP,A) 特開 昭58−223427(JP,A) 特開 昭53−63266(JP,A) 特開 昭62−289257(JP,A) 特開 昭59−120263(JP,A) 実開 昭54−139042(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダクト内において、流れている排ガスに
    固体還元剤水溶液を噴霧して排ガス中に固体還元剤を混
    合し、触媒の存在下に排ガス中の窒素酸化物を選択的に
    還元除去する方法において、内管と外管からなる二重管
    構造を有しその内管先端部が外管先端部よりも1〜5mm
    突出しているノズルを前記ダクトの側周面に設置してお
    き、前記ノズルの内管内に固体還元剤水溶液を供給する
    とともに前記内管と外管の間に噴霧ガスを供給すること
    により固体還元剤水溶液を排ガスに噴霧することを特徴
    とする窒素酸化物除去方法。
  2. 【請求項2】 ノズルの内管内に固体還元剤水溶液とと
    もに噴霧ガスを供給する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 15m/s以上の流速で流れている排ガ
    スに固体還元剤水溶液を噴霧する請求項1または2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 固体還元剤が尿素である請求項1から3
    までのいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 排ガスを流すためのダクトに排ガス流の
    上流から下流にかけて、ダクト内を流れている排ガスに
    固体還元剤水溶液を噴霧するためのノズル、および、排
    ガス中の窒素酸化物の還元反応のための触媒が順次設け
    られている窒素酸化物除去装置において、前記ノズル
    が、内管と外管からなる二重管構造を有しその内管先端
    部を外管先端部よりも1〜5mm突出しているものであっ
    て前記ダクトの側周面に設置されていて、固体還元剤水
    溶液をノズルの内管内に供給するとともに噴霧ガスを内
    管と外管の間に供給して固体還元剤水溶液を排ガス中に
    噴霧するようになっていることを特徴とする窒素酸化物
    除去装置。
  6. 【請求項6】 ノズルの内管内に固体還元剤水溶液とと
    もに噴霧ガスを供給する請求項5記載の装置。
  7. 【請求項7】 排ガスが15m/s以上の流速で流れる
    領域にノズルが設置されている請求項5または6記載の
    装置。
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