JP3499448B2 - 無線通信端末装置及び送信電力制御方法 - Google Patents

無線通信端末装置及び送信電力制御方法

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JP3499448B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話や自動車
電話等の無線通信システムにおける無線通信端末装置及
び送信電力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、急激に普及してきた携帯電話や自
動車電話等の無線通信システムにおいて良好な通信を行
うためには、基地局及び端末装置において送信電力をき
め細かく制御することが必須である。
【0003】以下、従来の無線通信装置の動作につい
て、図面を用いて説明する。図6は、従来の無線通信端
末装置の構成を示すブロック図である。
【0004】アンテナ601で受信された信号は、共用
器602を通じて受信RF部603に入力され、受信R
F部603にて、受信信号の電力が増幅され、受信信号
の周波数が変換されてベースバンド信号が取り出され
る。このベースバンド信号は、復調部604にて復調さ
れ、自局の個別チャネルの信号が取り出される。
【0005】また、受信電力測定部605にて、復調部
604から出力された自局の個別チャネルの受信電力が
測定され、送信電力制御部606にて、受信電力に基づ
いて送信増幅器の利得が算出される。
【0006】送信信号は、変調部607にて変調され、
送信RF部608にて周波数を変換され、送信増幅器の
利得に基づいて電力を増幅され、共用器602を通じて
アンテナ601から送信される。
【0007】ここで、無線送信された信号は伝搬路にお
いて減衰するため、通信装置は、減衰量を考慮して送信
電力を制御する必要がある。無線通信端末装置は、基地
局において受信電力が一定となるように送信電力を制御
する。
【0008】時刻t1において、基地局の送信増幅器の利
得をGB(t1)、下り回線の減衰量をLD(t1)とすると、無線
通信端末装置が受信した自局の個別チャネルの受信電力
RM(t1)は、以下に示す式(1)により算出される。
【0009】また、時刻t2において、無線通信端末装置
の送信増幅器の利得をGM(t2)、上り回線の減衰量をLU(t
2)とすると、基地局の受信電力RB(t2)は、以下に示す式
(2)により算出される。なお、以下の説明における各
電力値は、利得を扱うのでdB表現で統一し、加減算で算
出する。
【0010】RM(t1) = GB(t1) - LD(t1) (1) RB(t2) = GM(t2) - LU(t2) (2) ここで、TDD(Time Division Duplex)通信方式では、
上り回線と下り回線で同一の周波数を用いているので、
受信スロットと送信スロットの時間間隔が短い場合には
伝搬路を同一とみなすことができ、時刻t1の下り回線の
減衰量LD(t1)と時刻t2の上り回線の減衰量LU(t2)を同一
と扱うことができる。
【0011】よって、無線通信端末装置の送信増幅器の
利得GM(t2)は、目標利得である予想する基地局の受信電
力RB(t2)に下り回線の減衰量LD(t1)を加算した値とな
り、以下に示す式(3)として表現できる。
【0012】GM(t2) = RB(t2) + LD(t1) (3) ここで、基地局の送信増幅器の利得GM(t1)が一定であ
り、予想する基地局の受信電力RB(t2)を一定に制御する
場合、これらの加算値を固定利得G0とすると、無線通信
端末装置の送信増幅器の利得GM(t2)は、式(1)及び式
(3)から以下に示す式(4)にて算出される。
【0013】GM(t2) = G0 - RM(t1) (4) このように、従来の無線通信端末装置は、測定した受信
電力RM(t1)に基づいて、基地局の受信電力RB(t2)が一定
となるように送信増幅器の利得GM(t2)を制御している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ここで、基地局が狭い
指向性で信号を送信している場合、伝搬路における受信
電力の減衰の他に、無線通信端末装置に対する指向性の
ずれによっても受信電力は低下する。
【0015】この場合、上記の従来の無線通信端末装置
は、指向性のずれによって受信信号が低下した場合であ
っても伝搬路における減衰とみなし、過剰な電力で信号
を送信してしまうため、周辺の他の端末装置に対する干
渉量が増加して周辺の他の端末装置が通信不能となり、
しかも、バッテリ寿命が短くなるという問題を有しい
る。
【0016】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、基地局が狭い指向性で信号を送信している場合で
も、受信電力が低下した原因を的確に判断し、送信電力
を精度良く制御することができる無線通信端末装置及び
送信電力制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、個別チャネルの受信電力から送信利得を
算出し、個別チャネルの平均受信電力と共通チャネルの
平均受信電力比から指向性のずれの有無を判定し、指向
性のずれがある場合に補正値を算出して送信利得を補正
する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様における無線
通信端末装置は、広指向性の共通チャネル信号の受信電
力を測定する第1電力測定手段と、狭指向性の個別チャ
ネル信号の受信電力を測定する第2電力測定手段と、前
記第1電力測定手段及び前記第2電力測定手段の測定結
果に基づいて指向性のずれの有無を判定する判定手段
と、前記判定手段の判定結果に基づいて送信電力制御を
行う送信電力制御手段と、を具備する構成を採る。
【0019】本発明の第2の態様は、第1の態様の無線
通信端末装置において、判定手段は、共通チャネル信号
の平均受信電力から個別チャネル信号の平均受信電力を
減算した値が閾値を越えた場合に指向性がずれていると
判定する構成を採る。
【0020】この構成によれば、指向性のずれの有無を
検知して的確に送信電力を制御することができるため、
過剰な送信電力を防ぐことができ、他基地局への干渉を
抑圧し、装置のバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0021】本発明の第3の態様は、第1の態様又は第
2の態様の無線通信端末装置において、送信電力制御手
段は、指向性が合っている場合、初期設定利得から個別
チャネル信号の受信電力を減算した値を送信利得とする
構成を採る。
【0022】この構成によれば、個別チャネルの指向性
が合っている場合、個別チャネルの受信電力に基いて送
信電力制御を行うことができるため、過剰な送信電力を
防ぐことができ、他基地局への干渉を抑圧し、装置のバ
ッテリ寿命を延ばすことができる。
【0023】本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第
3の態様のいずれかの無線通信端末装置において、送信
電力制御手段は、指向性がずれている場合、初期設定利
得から個別チャネル信号の受信電力を減算し、さらに補
正値を減算した値を送信利得とする構成を採る。
【0024】この構成によれば、個別チャネルの指向性
がずれている場合、個別チャネルの指向性が合っている
場合の送信利得に対して補正することができるため、過
剰な送信電力を防ぐことができ、他基地局への干渉を抑
圧し、装置のバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0025】本発明の第5の態様は、第4の態様の無線
通信端末装置において、送信電力制御手段は、閾値に個
別チャネル信号の平均受信電力を加算し、共通チャネル
信号の平均受信電力を減算した値を補正値とする構成を
採る。
【0026】この構成によれば、個別チャネルの指向性
がずれている場合に個別チャネルの指向性ずれに基づい
て補正値を算出できるため、送信電力を細かく制御する
ことができる。
【0027】本発明の第6の態様は、第1の態様乃至第
3の態様のいずれかの無線通信端末装置において、送信
電力制御手段は、指向性がずれている場合、初期設定利
得から共通チャネル信号の受信電力を減算した値を送信
利得とする構成を採る。
【0028】この構成によれば、個別チャネルの指向性
がずれている場合に共通チャネルの受信電力に基づいて
送信利得を算出できるため、個別チャネルの指向性が大
きくずれて可変指向性の信号を受信できなくなった場合
でも送信電力制御を実行できる。
【0029】本発明の第7の態様は、第1の態様乃至第
6の態様のいずれかの無線通信端末装置において、指向
性のずれの有無に関する情報を送信信号に多重する多重
手段を具備する構成を採る。
【0030】この構成によれば、指向性のずれを考慮し
て的確に送信電力制御を行うことができるとともに、指
向性のずれを基地局に報知できるため、基地局において
指向性の方向を制御できる。
【0031】本発明の第8の態様における基地局装置
は、広指向性で共通チャネル信号を送信し、狭指向性で
個別チャネル信号を送信し、請求項1乃至請求項7のい
ずれかに記載の無線通信端末装置と無線通信を行う構成
を採る。
【0032】本発明の第9の態様における無線通信シス
テムは、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の無線
通信端末装置と請求項8記載の基地局装置とにより無線
通信を行う構成を採る。
【0033】本発明の第10の態様における送信電力制
御方法は、広指向性の共通チャネル信号の受信電力と狭
指向性の個別チャネル信号の受信電力に基づいて指向性
のずれの有無を判定し、判定結果に基づいて送信電力制
御を行う構成を採る。
【0034】本発明の第11の態様は、第10の態様の
送信電力制御方法において、共通チャネル信号の平均受
信電力から個別チャネル信号の平均受信電力を減算した
値が閾値を越えた場合に指向性がずれていると判定する
方法を採る。
【0035】この方法によれば、指向性のずれの有無を
検知して的確に送信電力を制御することができるため、
過剰な送信電力を防ぐことができ、他基地局への干渉を
抑圧し、装置のバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0036】本発明の第12の態様は、第10の態様又
は第11の態様の送信電力制御方法において、指向性が
合っている場合、初期設定利得から個別チャネル信号の
受信電力を減算した値を送信利得とする方法を採る。
【0037】この方法によれば、個別チャネルの指向性
が合っている場合、個別チャネルの受信電力に基いて送
信電力制御を行うことができるため、過剰な送信電力を
防ぐことができ、他基地局への干渉を抑圧し、装置のバ
ッテリ寿命を延ばすことができる。
【0038】本発明の第13の態様は、第10の態様乃
至第12の態様のいずれかの送信電力制御方法におい
て、指向性がずれている場合、初期設定利得から個別チ
ャネル信号の受信電力を減算し、さらに補正値を減算し
た値を送信利得とする方法を採る。
【0039】この方法によれば、個別チャネルの指向性
がずれている場合、個別チャネルの指向性が合っている
場合の送信利得に対して補正することができるため、過
剰な送信電力を防ぐことができ、他基地局への干渉を抑
圧し、装置のバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0040】本発明の第14の態様は、第13の態様の
送信電力制御方法において、閾値に個別チャネル信号の
平均受信電力を加算し、共通チャネル信号の平均受信電
力を減算した値を補正値とする方法を採る。
【0041】この方法によれば、個別チャネルの指向性
がずれている場合に個別チャネルの指向性ずれに基づい
て補正値を算出できるため、送信電力を細かく制御する
ことができる。
【0042】本発明の第15の態様は、第10の態様乃
至第12の態様のいずれかの送信電力制御方法におい
て、指向性がずれている場合、初期設定利得から共通チ
ャネル信号の受信電力を減算した値を送信利得とする方
法を採る。
【0043】この方法によれば、個別チャネルの指向性
がずれている場合に共通チャネルの受信電力に基づいて
送信利得を算出できるため、個別チャネルの指向性が大
きくずれて可変指向性の信号を受信できなくなった場合
でも送信電力制御を実行できる。
【0044】以下、本発明の実施の形態について、添付
図面を参照して詳細に説明する。
【0045】図1は、本発明の無線通信端末装置を含む
無線通信システムのシステム構成図である。基地局11
は、アンテナ101から広い送信指向性で共通チャネル
信号を送信し、同時に、各端末装置に対して狭い指向性
で個別チャネル信号を送信する。なお、システムに応
じ、共通チャネルとして止まり木チャネルや報知チャネ
ル等が使用される。
【0046】無線通信端末装置21は、アンテナ201
から広い送信指向性の共通チャネル信号及び狭い指向性
の個別チャネル信号を受信する。
【0047】なお、以下の実施の形態においては、CD
MA方式で通信する場合について説明する。CDMA方
式は、各端末装置に互いに直交する拡散符号を割り当
て、その拡散符号で送信データを拡散して送信する。複
数の端末装置間で直交した符号を採用することにより同
一エリア、同一時刻で同じ周波数を用いて複数の端末装
置と通信することができる。
【0048】(実施の形態1)図2は、実施の形態1に
おける無線通信端末装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0049】共用器202は、送信時と受信時において
信号が通過する経路を切替え、アンテナ201から受信
された信号を受信RF部203に出力し、送信RF部2
13から出力された送信信号をアンテナ201に出力す
る。
【0050】受信RF部203は、受信電力を増幅し、
受信信号の周波数を変換しベースバンド信号を出力す
る。個別チャネル復調部204は、ベースバンド信号を
個別チャネル用拡散符号で逆拡散し、復調して自局の個
別チャネルの信号を取り出す。共通チャネル復調部20
5は、ベースバンド信号を共通チャネル用拡散符号で逆
拡散する。
【0051】第1受信電力測定部206は、逆拡散され
た個別チャネルの受信電力RMD(t1)を測定する。第2受
信電力測定部207は、逆拡散された共通チャネルの受
信電力RMC(t1)を測定する。第1平均電力算出部208
は、測定された個別チャネルの受信電力RMD(t1)の平均
値ARMD(t1)を算出する。第2平均電力算出部209は、
測定された共通チャネルRMC(t1)の受信電力の平均値AR
MC(t1)を算出する。
【0052】判定部210は、個別チャネルの平均受信
電力ARMD(t1)と共通チャネルの平均受信電力ARMC(t1)の
差が閾値Cより大きいか否かにより、個別チャネルの指
向性が無線通信端末装置に対してずれているか否かを判
定する。閾値Cは、システムとして設定することもでき
るし、個別チャネルの通信開始時に基地局から報知する
こともできる。
【0053】共通チャネルの平均受信電力ARMC(t1)と個
別チャネルの平均受信電力ARMD(t1)の差が、閾値Cより
も小さい場合には個別チャネルの指向性が無線通信端末
装置に対して合っていると判定でき、閾値Cよりも大き
い場合には個別チャネルの指向性が無線通信端末装置に
対してずれていると判定できる。
【0054】なお、指向性の有無の判定において平均受
信電力を用いるのは、フェージングによる瞬時変動を抑
圧するためである。
【0055】送信電力制御部211は、判定部210の
判定結果に基づいて、個別チャネルの受信電力と共通チ
ャネルの受信電力とを用いて、送信増幅器の利得GM(t2)
を算出し、送信RF部213における増幅器を制御す
る。
【0056】ここで、基地局は、通常、複数の指向性で
受信して、受信後の信号を合成するため、下り回線にお
ける指向性がずれている場合でも信号を正しく受信でき
る。
【0057】個別チャネルの指向性が合っていて指向性
利得が大きい場合、個別チャネルの受信電力が予想到達
電力よりも大きくなるので、個別チャネルの受信電力に
基づいて送信電力制御を行うと、基地局における受信電
力が小さくなり、基地局にて正しく受信できない場合が
生じる。
【0058】よって、指向性が合っていると判定された
場合、送信電力制御部211は、固定利得G0と自局の個
別チャネルの受信電力RMD(t1)に基づいて、以下に示す
式(5)により送信増幅器の利得GM(t2)を制御する。な
お、固定利得G0は、基地局の送信増幅器の利得GB(t1)と
予想される基地局の受信電力RB(t2)の加算値である。
【0059】GM(t2) = G0 - RMD(t1) (5) 一方、個別チャネルの指向性がずれていて指向性利得が
小さい場合、個別チャネルの受信電力が予想到達で電力
よりも小さくなるので、個別チャネルの受信電力に基づ
いて送信電力制御を行うと、基地局に届く電力は、指向
性のずれによって受信信号が低下した分だけ大きくなっ
てしまう。
【0060】よって、指向性がずれていると判定された
場合、送信電力制御部211は、以下に示す式(6)の
ように、指向性が合っていると判定された場合と比較し
て、無線通信端末装置の送信増幅器の利得GM(t2)を定数
G1だけ小さく設定する。
【0061】GM(t2) = G0 - RMD(t1) - G1(6) 変調部212は、送信信号に対してPSKやQAM等の
一次変調を行い、拡散符号による二次変調を行う。送信
RF部213は、変調された送信信号の周波数を変換
し、送信増幅器の利得GM(t2)に基づいて送信電力を増幅
する。
【0062】以下、実施の形態1の無線通信端末装置に
おける信号の流れについて説明する。
【0063】アンテナ201で受信された信号は、共用
器202を通じて受信RF部203に入力され、受信R
F部203にて、受信信号の電力が増幅され、受信信号
の周波数が変換されてベースバンド信号が取り出され
る。
【0064】ベースバンド信号は、個別チャネル復調部
204にて、個別チャネル用拡散符号で逆拡散され、復
調されて自局の個別チャネルの信号が取り出される。ま
た、ベースバンド信号は、共通チャネル復調部205に
て、共通チャネル用拡散符号で逆拡散される。
【0065】そして、個別チャネルの受信電力RMD(t1)
と共通チャネルの受信電力RMC(t1)とから第1受信電力
測定部206、第2受信電力測定部207、第1平均電
力算出部208、第2平均電力算出部209、判定部2
10、及び、送信電力制御部211にて、後述する送信
電力制御がなされ、送信増幅器の利得GM(t2)が算出され
る。
【0066】送信信号は、変調部212にて変調され、
送信RF部213にて周波数を変換され、送信増幅器の
利得GM(t2)に基づいて増幅され、共用器202を通じて
アンテナ201から送信される。
【0067】次に、実施の形態1における無線通信端末
装置の送信電力制御について、図3のフロー図を用いて
説明する。
【0068】まず、第1受信電力測定部206にて、自
局の個別チャネルの受信電力RMD(t1)が測定され(ST
301)、同様に、第2受信電力測定部207にて、逆
拡散された共通チャネルの受信電力RMC(t1)が測定され
る(ST302)。
【0069】次に、第1平均電力算出部208にて、個
別チャネルの平均受信電力ARMD(t1)が算出され(ST3
03)、同様に、第2平均電力算出部209にて、共通
チャネルの平均受信電力ARMC(t1)が算出される(ST3
04)。
【0070】次に、判定部210にて、共通チャネルの
平均受信電力ARMC(t1)から個別チャネルの平均受信電力
ARMD(t1)を減算した値が閾値Cより大きいか否かによ
り、個別チャネルの指向性がずれているか否かが判定さ
れる(ST305)。
【0071】そして、指向性が合っていると判定された
場合、送信電力制御部211にて、式(5)より送信増
幅器の利得GM(t2)が算出され(ST306)、指向性が
ずれていると判定された場合、送信電力制御部211に
て、式(6)より送信増幅器の利得GM(t2)が算出される
(ST307)。
【0072】このように、共通チャネルの平均受信電力
と個別チャネルの平均受信電力から指向性のずれの有無
を判定し、個別チャネルの指向性がずれている場合、定
数にて送信利得を補正することにより、送信電力を過剰
に高くすることを防ぎ、他局に対する干渉を抑圧し、無
線通信端末装置のバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0073】(実施の形態2)実施の形態2は、個別チ
ャネルの指向性がずれている場合、共通チャネルの平均
受信電力と個別チャネルの平均受信電力に基づいて送信
利得を補正する形態である。
【0074】実施の形態2における無線通信端末装置の
構成は、図1に示したものと同様であるので説明を省略
する。
【0075】指向性がずれていると判定された場合、送
信電力制御部211は、以下に示す式(7)のように、
指向性が合っていると判定された場合と比較して、無線
通信端末装置の送信増幅器の利得GM(t2)を共通チャネル
の平均受信電力ARMC(t1)と個別チャネルの平均受信電力
ARMD(t1)の差を閾値Cから減算した値だけ小さく設定す
る。
【0076】 GM(t2) = G0 - RMD(t1) - (C - (ARMC(t1) - ARMD(t1))) (7) 以下、実施の形態2における無線通信端末装置の送信電
力制御の流れをについて、図4に示すフロー図を用いて
説明する。
【0077】まず、第1受信電力測定部206にて、逆
拡散された自局の個別チャネルの受信電力が測定され
(ST401)、同様に、第2受信電力測定部207に
て、逆拡散された共通チャネルの受信電力が測定される
(ST402)。
【0078】次に、第1平均電力算出部208にて、個
別チャネルの平均受信電力が算出され(ST403)、
同様に、第2平均電力算出部209にて、共通チャネル
の平均受信電力が算出される(ST404)。
【0079】次に、判定部210にて、共通チャネルの
平均受信電力から個別チャネルの平均受信電力を減算し
た値が閾値より大きいか否かにより、個別チャネルの指
向性がずれているか否かが判定される(ST405)。
【0080】そして、指向性が合っていると判定された
場合、送信電力制御部211にて、式(5)より送信増
幅器の利得GM(t2)が算出され(ST406)、指向性が
ずれていると判定された場合、送信電力制御部211に
て、式(8)より送信増幅器の利得GM(t2)が算出される
(ST407)。
【0081】このように、個別チャネルの指向性がずれ
ている場合、指向性のずれによる共通チャネルと個別チ
ャネルとの平均受信電力の差に基づいて送信利得を補正
することにより、定数を用いて補正した場合と比較し
て、送信電力制御の精度を高くすることができる。
【0082】(実施の形態3)実施の形態3は、個別チ
ャネルの指向性がずれている場合、共通チャネルの受信
電力に基づいて送信利得を算出する形態である。
【0083】実施の形態3における無線通信端末装置の
構成は、図1に示したものと同様であるので説明を省略
する。
【0084】指向性がずれていると判定された場合、送
信電力制御部211は、以下に示す式(8)のように、
固定利得G0と、測定した共通チャネルの受信電力RMC(t
1)に基づいて、以下に示す式により送信増幅器の利得GM
(t2)を制御する。
【0085】GM(t2) = G0 - RMC(t1) (8) 以下、実施の形態3における無線通信端末装置の送信電
力制御の流れをについて、図5に示すフロー図を用いて
説明する。
【0086】まず、第1受信電力測定部206にて、逆
拡散された自局の個別チャネルの受信電力が測定され
(ST501)、同様に、第2受信電力測定部207に
て、逆拡散された共通チャネルの受信電力が測定される
(ST502)。
【0087】次に、第1平均電力算出部208にて、個
別チャネルの平均受信電力が算出され(ST503)、
同様に、第2平均電力算出部209にて、共通チャネル
の平均受信電力が算出される(ST504)。
【0088】次に、判定部210にて、共通チャネルの
平均受信電力から個別チャネルの平均受信電力を減算し
た値が閾値より大きいか否かにより、個別チャネルの指
向性がずれているか否かが判定される(ST505)。
【0089】そして、指向性が合っていると判定された
場合、送信電力制御部211にて、式(5)より送信増
幅器の利得GM(t2)が算出され(ST506)、指向性が
ずれていると判定された場合、送信電力制御部211に
て、式(8)より送信増幅器の利得GM(t2)が算出される
(ST507)。
【0090】このように、個別チャネルの指向性がずれ
ている場合、共通チャネルの受信電力に基づいて送信利
得を算出することにより、無線通信端末装置は、指向性
が大きくずれて可変指向性の信号を受信できなくなった
場合でも送信電力制御を実行することができる。
【0091】なお、上記の各実施の形態において、指向
性のずれに関する情報を送信フレームに多重化して基地
局に送信することもできる。これにより、送信電力を精
度良く制御することができ、同時に、基地局に指向性が
ずれているか否かを報告することができる。
【0092】また、上記の各実施の形態においては、C
DMA方式で通信する場合について説明したが、本発明
はこれに限られるものではなく、他の多元接続方式を用
いても同様の効果を得ることができる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の無線通信
端末装置及び送信電力制御方法によれば、基地局が狭い
指向性で信号を送信している場合において、受信電力の
低下した原因を的確に判断し、送信電力を精度良く制御
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無線通信端末装置を含むシステム構成
【図2】実施の形態1における無線通信端末装置の構成
を示すブロック図
【図3】実施の形態1における無線通信端末装置の送信
電力制御を示すフロー図
【図4】実施の形態2における無線通信端末装置の送信
電力制御を示すフロー図
【図5】実施の形態3における無線通信端末装置の送信
電力制御を示すフロー図
【図6】従来の無線通信端末装置の構成を示すブロック
【符号の説明】
11 基地局 21 無線通信端末装置 101 アンテナ 201 アンテナ 202 共用器 203 受信RF部 204 個別チャネル復調部 205 共通チャネル復調部 206 第1受信電力測定部 207 第2受信電力測定部 208 第1平均電力算出部 209 第2平均電力算出部 210 判定部 211 送信電力制御部 212 変調部 213 送信RF部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−284565(JP,A) 特開 平7−193848(JP,A) 実開 平10−56421(JP,U) 実開 平10−51380(JP,U) 実開 平7−87011(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/24 - 7/26 102 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広指向性の共通チャネル信号の受信電力
    を測定する第1電力測定手段と、狭指向性の個別チャネ
    ル信号の受信電力を測定する第2電力測定手段と、前記
    第1電力測定手段及び前記第2電力測定手段の測定結果
    に基づいて指向性のずれの有無を判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて送信電力制御を行う
    送信電力制御手段と、を具備することを特徴とする無線
    通信端末装置。
  2. 【請求項2】 判定手段は、共通チャネル信号の平均受
    信電力から個別チャネル信号の平均受信電力を減算した
    値が閾値を越えた場合に指向性がずれていると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末装置。
  3. 【請求項3】 送信電力制御手段は、指向性が合ってい
    る場合、初期設定利得から個別チャネル信号の受信電力
    を減算した値を送信利得とすることを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の無線通信端末装置。
  4. 【請求項4】 送信電力制御手段は、指向性がずれてい
    る場合、初期設定利得から個別チャネル信号の受信電力
    を減算し、さらに補正値を減算した値を送信利得とする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の無線通信端末装置。
  5. 【請求項5】 送信電力制御手段は、閾値に個別チャネ
    ル信号の平均受信電力を加算し、共通チャネル信号の平
    均受信電力を減算した値を補正値とすることを特徴とす
    る請求項4記載の無線通信端末装置。
  6. 【請求項6】 送信電力制御手段は、指向性がずれてい
    る場合、初期設定利得から共通チャネル信号の受信電力
    を減算した値を送信利得とすることを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれかに記載の無線通信端末装置。
  7. 【請求項7】 指向性のずれに関する情報を送信信号に
    多重する多重手段を具備することを特徴とする請求項1
    乃至請求項6のいずれかに記載の無線通信端末装置。
  8. 【請求項8】 広指向性で共通チャネル信号を送信し、
    狭指向性で個別チャネル信号を送信し、請求項1乃至請
    求項7のいずれかに記載の無線通信端末装置と無線通信
    を行う基地局装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の無線通信端末装置と請求項8記載の基地局装置とによ
    り無線通信を行う無線通信システム。
  10. 【請求項10】 広指向性の共通チャネル信号の受信電
    力と狭指向性の個別チャネル信号の受信電力に基づいて
    指向性のずれの有無を判定し、判定結果に基づいて送信
    電力制御を行うことを特徴とする送信電力制御方法。
  11. 【請求項11】 共通チャネル信号の平均受信電力から
    個別チャネル信号の平均受信電力を減算した値が閾値を
    越えた場合に指向性がずれていると判定することを特徴
    とする請求項10記載の送信電力制御方法。
  12. 【請求項12】 指向性が合っている場合、初期設定利
    得から個別チャネル信号の受信電力を減算した値を送信
    利得とすることを特徴とする請求項10又は請求項11
    記載の送信電力制御方法。
  13. 【請求項13】 指向性がずれている場合、初期設定利
    得から個別チャネル信号の受信電力を減算し、さらに補
    正値を減算した値を送信利得とすることを特徴とする請
    求項10乃至請求項12のいずれかに記載の送信電力制
    御方法。
  14. 【請求項14】 閾値に個別チャネル信号の平均受信電
    力を加算し、共通チャネル信号の平均受信電力を減算し
    た値を補正値とすることを特徴とする請求項13記載の
    送信電力制御方法。
  15. 【請求項15】 指向性がずれている場合、初期設定利
    得から共通チャネル信号の受信電力を減算した値を送信
    利得とすることを特徴とする請求項10乃至請求項12
    のいずれかに記載の送信電力制御方法。
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