JP3499022B2 - スピンターン機構 - Google Patents

スピンターン機構

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JP3499022B2
JP3499022B2 JP28479494A JP28479494A JP3499022B2 JP 3499022 B2 JP3499022 B2 JP 3499022B2 JP 28479494 A JP28479494 A JP 28479494A JP 28479494 A JP28479494 A JP 28479494A JP 3499022 B2 JP3499022 B2 JP 3499022B2
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健史 山中
睦 町田
保 山崎
昭人 西村
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セイレイ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右旋回およびスピン
旋回ができるスピンターン機構を備えた走行装置の構成
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバイン等の走行車両に装備し
たクローラ式走行装置において、操向操作レバーを左右
方向に傾倒させることによって、ミッションケース内の
左右のサイドクラッチの一方(レバー傾倒側)を切り、
ブレーキを作動させて左右に旋回可能とし、さらに、前
記操向操作レバーを後方に傾倒させることによって、逆
転クラッチを入れ、傾倒させた側の車軸を逆転させ、他
方の車軸を正転させて左右に一定回転比のスピン旋回可
能としたスピンターン機構は、公知のものとされてい
る。例えば、特開昭61−89175号の公報に記載の
技術の如くである。また、クローラ走行装置の主変速装
置にHST式走行装置を用い、左右旋回およびスピン旋
回を油圧によって行い、操作容易とした構成も公知のも
のとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
において、操向操作レバーを左右傾倒させてから一定回
転比の点旋回を作動させるように構成しているので、左
右の旋回を行うときに操向操作レバーを端までいっぱい
に傾倒させると、運転者の意に反してスピン旋回を実行
してしまうことがあり、安定した旋回操作を行うことが
できず、安全性に問題があった。また、一定回転比によ
ってスピン旋回可能とされていたので、任意に左右の車
軸の回転比を変更して、圃場や路面等の地上面の状態に
適した旋回速度を得ることができなかった。
【0004】さらに、クローラ走行装置の主変速装置に
HST式走行装置を用いて左右旋回およびスピン旋回を
油圧にて操作可能とした構成では、スピン旋回時である
低速域において、高畝や軟弱圃場等で旋回抵抗が大とな
って旋回負荷が一定値を越え、HST式変速装置が過負
荷状態となった場合、HST式変速装置のリリーフバル
ブ(安全装置)が働き、回転数が0となりスピン旋回不
能となる恐れがあり、この状態ではエンジン回転数が低
下せず、旋回もしないために苦情の原因となり好ましく
ない。そこで、本発明は、操向操作レバーを左右に傾倒
して左右の旋回およびスピン旋回可能な走行装置におい
て、左右旋回およびスピン旋回の移行操作を簡単かつ容
易に行うことができるとともに、地上面の状態に適した
スピン旋回速度を任意に選択でき、さらに、スピン旋回
時に旋回不能とならないターン機構を構成することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段として、本発明は、次の如く構成したものであ
る。請求項1においては、操向操作レバーを左右に傾
倒させることによって、左右走行装置に回転差を生じさ
せることによる左右旋回、及び、左右走行装置の逆転に
よるスピン旋回を可能とした走行装置であって、操向操
作レバーを傾倒させるに従って、ミッションケース
内の傾倒側のサイドクラッチ「切」からサイドブレーキ
「入」となるように構成し、前記操向操作レバーをサ
イドブレーキ「入」の位置から左右方向とは異なる方向
に操作することによってスピン旋回クラッチ「入」とな
るとともに、この異なる方向への操作移動量に応じて、
左右の車軸9の逆動回転比を変更可能に構成したことを
特徴とするスピンターン機構である。請求項2において
は、請求項1記載のスピンターン機構において、ミッシ
ョンケースMの軸上に回転数センサーS1を設けてコン
トローラCと接続し、該回転数センサーS1により実回
転数を検出し、スピン旋回時に設定回転数に対して一定
値以上減速すると、コントローラCからの信号によりス
ピン旋回からサイドブレーキによる旋回に切り換わるよ
うに構成したことを特徴とするスピンターン機構であ
る。
【0006】請求項3においては、請求項1記載のスピ
ンターン機構において、ミッションケースMに動力を入
力するHST式変速装置Hに圧力センサーS2を設けて
コントローラと接続し、前記圧力センサーS2をHST
式変速装置のリリーフ圧より低い所定圧力でONするよ
うに設定し、スピン旋回時に前記圧力センサーがONす
ると、サイドブレーキによる旋回に切り換わることを特
徴とするスピンターン機構である。請求項4において
、請求項2または3に記載のスピンターン機構におい
て、コントローラCにタイマーを付設し、スピン旋回を
開始した後に、軸回転数または圧力の変動によってスピ
ン旋回からサイドブレーキによる旋回に移行すると、一
定時間、サイドブレーキによる旋回状態を保持すべく構
成したことを特徴とするスピンターン機構である。
【0007】
【作用】請求項1の如く構成したことによって、操向操
作レバーの操作範囲を左右旋回とスピン旋回とで異なら
せて、不本意にスピン旋回に移行することなく、円滑に
左右旋回からスピン旋回に操作できるとともに、前記操
向操作レバーの操作量に応じてスピン旋回速度を速くし
たり、遅くしたりできる。また、請求項2および3の如
く構成したことによって、スピン旋回時に地上面の状態
により旋回負荷が大きくなって、回転数が0に近づいて
も、スピン旋回からブレーキ旋回に自動的に切り換わり
旋回不能状態を回避できる。このとき、請求項4の如く
構成したことによって、タイマーにてブレーキ旋回状態
を一定時間(例えば通常の旋回が完了するとおもわれる
5秒間)保持することができ、その間に再度スピン旋回
可能な状態になっても切り換わらない。
【0008】
【実施例】次に、実施例を説明する。 図1は、コンバインの全体側面図、 図2は、スピンターン機構の操向操作レバーの操作範囲
を示す斜視図、 図3は、回転数センサーを設けたスピンターン機構を示
すスケルトン図と油圧回路図、 図4は、スピンターン機構の油圧回路図、 図5は、同じく制御回路図、 図6は、スピン旋回とブレーキ旋回の自動切換手順を示
すフローチャート図、 図7は、HST式変速装置に圧力スイッチを設けたスピ
ンターン機構を示すスケルトン図と油圧回路図である。
【0009】本発明のスピンターン機構の実施例を図1
に示すコンバインに装備されているクローラ式走行装置
において説明する。コンバインはクローラ式走行装置1
0にて走行部が構成されており、機体前方に刈取装置1
1を突設し、該刈取装置11にて刈り取った穀稈を後方
に搬送して脱穀装置12にて脱粒し、選別後の精粒をグ
レンタンク13に貯留し、排藁を機体後方の排藁処理装
置14にて処理して圃場に排出し、前記グレンタンク1
3に貯留した精粒を排出オーガ15にて機外に取り出す
ことができるように構成されている。前記グレンタンク
13の前側には運転席16が配設され、その下方にはエ
ンジンEが配設され、さらに下方の機体中心位置にはミ
ッションケースMが配設されており、前記運転席16の
前側および側方の操作部には操向操作レバー1、主変速
レバー36、副変速レバー37等が配設されている。
【0010】前記操向操作レバー1は、図2に示す如
く、前後左右方向に傾倒可能に構成されており、中立位
置Nから前方に倒すと刈取装置11が下降し、後方へ倒
すと刈取装置11が上昇し、該刈取装置11を上下位置
調節できるとともに、中立位置Nから旋回したい左右方
向のどちらか一方に倒すと、ミッションケースM内の傾
倒側のサイドクラッチが「切」となり、サイドブレーキ
が作動して傾倒側の片側のクローラ式走行装置の車軸9
がロックされる。操向操作レバー1を旋回方向に倒して
いくに従いサイドブレーキの利きが強まり、クローラ駆
動が100%から0%になって旋回半径が小さくなり、
傾倒角度に応じた所定の旋回半径をもって旋回できるよ
うに構成されている。
【0011】さらに、前記操向操作レバー1を左右方向
のどちらか一方にいっぱいに倒した状態(サイドブレー
キが完全に利いた状態)から後方に倒すと、ミッション
ケースM内のスピン旋回クラッチが「入」となり、サイ
ドブレーキの利きが後方に倒していくに従い弱まり、ク
ローラ駆動が0%から100%になって傾倒側の車軸9
が逆回転し、後方へいっぱいに倒した状態(サイドブレ
ーキが完全に利いていない状態)のときが最速の逆回転
(最速の旋回速度)となり、傾倒角度に応じて左右の車
軸9・9の回転比を変更して所望の旋回速度をもってそ
の場でスピン旋回(点旋回)できるように構成されてい
る。
【0012】なお、前記操向操作レバー1のスピン旋回
を行うための操作範囲は、本実施例では最傾倒位置から
後方の前後範囲となっているが、特に限定するものでは
なく、左右旋回を行うための操作範囲である左右方向と
異なる方向であればよく、例えば前方向や斜め方向に操
作範囲を設定してもよい。すなわち、前記操向操作レバ
ー1のスピン旋回操作範囲を左右旋回操作範囲と異なる
方向に設定し、スピン旋回の誤作動を防止できる構成で
あればよい。また、前記スピン旋回は、車体が転倒した
り、運転者が投げ出されたりする恐れがある高速走行の
状態のときには行うことができないように、減速する
か、低速走行のときだけ行うことができるように構成さ
れており、前記操向操作レバー1の先端の握り部には、
曲がりたい方向に軽く倒すことによってゆるやかに旋回
可能としたレバースイッチ17が付設されている。
【0013】次に、図3・図4・図5において、スピン
ターン機構を備えたクローラ式走行装置における動力伝
達制御機構について説明する。エンジンEからの動力
は、ミッションケースMに付設されているHST式変速
装置Hにて主変速され、ミッションケースM内のチェン
ジ軸22とブレーキ軸23にて副変速され、サイドクラ
ッチ軸24のセンター歯車25に伝達される。該センタ
ー歯車25の両側および対向位置に設けた摺動歯車26
・26の側面側にはサイドクラッチ4L・4Rが構成さ
れ、該サイドクラッチ4L・4Rを「入」にすることに
よって、前記サイドクラッチ軸24に伝達された動力が
リダクション軸35を介して左右の車軸9L・9Rに伝
達される。また、前記摺動歯車26・26の端部にはサ
イドブレーキ5L・5Rが構成されている。
【0014】前記リダクション軸35の軸上には左右の
二連歯車29・29が遊嵌されており、それらの中で摺
動歯車26・26と常時噛合している内の一方の歯車2
9aにはアイドラ軸30上に固設されている中間歯車3
1が噛合され、該中間歯車31にはスピン旋回軸32の
一方に固設されている歯車33が噛合されている。そし
て、前記スピン旋回軸32の他方に固設されている歯車
34は、前記二連歯車29の中で摺動歯車26・26と
常時噛合している内の他方の歯車29aに噛合されてお
り、前記スピン旋回軸32の端部にはスピン旋回クラッ
チ6が構成されている。なお、図3に示すサイドクラッ
チ4L・4Rは爪クラッチ(湿式多板式でもよい)で、
スピン旋回クラッチ6は湿式多板式クラッチである。
【0015】前記左右のサイドクラッチ4L・4Rおよ
びサイドブレーキ5L・5Rは、サイドクラッチ用アク
チュエータ7L・7Rを作動させることによってそれぞ
れ切換可能に構成され、該サイドクラッチ用アクチュエ
ータ7L・7Rは、操向電磁弁18を切換操作し、可変
リリーフバルブ20を操作することによって作動可能に
構成されており、前記スピン旋回クラッチ6は、スピン
旋回クラッチ用アクチュエータ8を作動させることによ
って「入」「切」可能に構成され、該スピン旋回クラッ
チ用アクチュエータ8は、スピン電磁弁19を切換操作
することによって作動可能に構成されている。なお、前
記サイドクラッチ用アクチュエータ7L・7Rおよびス
ピン旋回クラッチ用アクチュエータ8は、油圧でも空圧
でもよいが、本実施例では油圧シリンダーが用いられて
いる。以下この油圧駆動系および電気制御系について説
明する。
【0016】前記エンジンEにて駆動される油圧ポンプ
PはタンクTから油を吸入して操向電磁弁18側に吐出
するように構成されており、前記操向電磁弁18は、操
向操作レバー1を左右に傾倒させ、左右のステアリング
スイッチ2L・2RをONし、コントローラCを介して
ソレノイド18a・18bをONすることによって切換
可能とし、前記可変リリーフバルブ20は、操向操作レ
バー1の傾倒角度に対応して開閉操作可能とし、前記ス
ピン電磁弁19は、副変速レバー37が標準または低速
位置で、スピンターンスイッチ3がONの状態で、操向
操作レバー1を旋回方向の左右いっぱいに倒した状態か
ら、さらに後方へ倒してソレノイド19aをONするこ
とによって切換可能としている。また、前記ミッション
ケースM内のブレーキ軸23には回転数センサーS1が
設けられており、該回転数センサーS1にてクローラ式
走行装置10の走行速度を検出可能としている。
【0017】このような構成において、直進走行すると
きには、操向操作レバー1を中立位置Nとして、左右の
ステアリングスイッチ2L・2RをOFF、操向電磁弁
18のソレノイド18a・18bおよびスピン電磁弁1
9のソレノイド19aをOFFの状態とし、可変リリー
フバルブ20を閉じた状態とし、サイドクラッチ用アク
チュエータ7L・7Rおよびスピン旋回用アクチュエー
タ8を作動させず、左右のサイドクラッチ4L・4Rを
「入」、左右のサイドブレーキ5L・5Rを「切」、ス
ピン旋回用クラッチ6を「切」の状態とすることによっ
て、エンジンEの動力をHST式変速装置H、ミッショ
ンケースM内の主軸21、チェンジ軸22、ブレーキ軸
23、サイドクラッチ軸24、リダクション軸35、左
右車軸9L・9Rに伝達し、左右クローラを正転駆動さ
せる。
【0018】そして、左右のどちらかに旋回するとき、
例えば右旋回したいときには、操向操作レバー1を中立
位置Nから右方向に少し倒してステアリングスイッチ2
RをONし、操向電磁弁18のソレノイド18aをON
して切り換えてサイドクラッチ用アクチュエータ7Rを
作動させ、サイドクラッチ4Rを「切」の状態にし、さ
らに操向操作レバー1を倒して可変リリーフバルブ20
を作動させて前記サイドクラッチ用アクチュエータ7R
に圧油を供給し、サイドブレーキ5Rを「入」の状態に
することによって、右クローラに動力が伝達されないよ
うにしてロックし、左クローラを直進時と同様に正転駆
動させる。
【0019】さらに、左右どちらかにスピン旋回すると
き、例えば右にスピン旋回したいときには、スピンター
ンスイッチ3をONした状態で、操向操作レバー1を右
いっぱいに倒した(右旋回と同じ)状態から後方に倒し
てスピン電磁弁19のソレノイド19aをONして切り
換えて可変リリーフバルブ20を作動させて前記サイド
クラッチ用アクチュエータ7Rに供給していた圧油の流
れを変えて、サイドクラッチ4Rとサイドブレーキ5R
を「切」の状態にすると同時にスピン旋回用アクチュエ
ータ8を作動させ、スピン旋回用クラッチ6を「入」の
状態にすることによって、右クローラのロックを解除
し、左クローラを正転駆動している動力をスピン旋回軸
32、アイドラ軸30側から右車軸9Rに伝達して右ク
ローラを逆転駆動させる。
【0020】このとき、右スピン旋回を行う地上面の状
態(高畝、軟弱圃場等)によって旋回抵抗が増大し、旋
回負荷が一定値を越え、HST式走行装置Hが過負荷状
態になってリリーフバルブ38が働き、回転数が0に近
づくと、回転数センサーS1にて検出した回転数をもと
にして、コントローラCを介してスピン電磁弁19を切
り換えて自動的にスピン旋回からブレーキクラッチ5R
を「入」とした右旋回(ブレーキ旋回)に切り換え、旋
回不能状態を回避することができるように構成されてい
る。
【0021】すなわち、図6のフローチャートに示す如
く、スピンターンスイッチ3がONの状態で、主変速レ
バー36や副変速レバー37による設定回転数位置の検
出値aと回転数センサーS1からの検出値bとをコント
ローラCにて演算処理し(b/aまたはb−a)、その
値がコントローラCに予め設定されている一定値(X)
以上(1≧b/a≧X)のときにはスピン電磁弁19の
ONの状態を維持してスピン旋回可能とし、一定値
(X)以下(b/a<X)のときにはスピン電磁弁19
をOFFとし、スピン旋回不作動としてブレーキ旋回に
自動的に切換制御される。言い換えれば、ブレーキ旋回
からスピン旋回の移行時に生じる負荷によって、どれだ
回転数がダウンしたかを検出し、設定回転数に対する
旋回時の減速実速度の差が一定以上となると、スピン旋
回からブレーキ旋回に自動的に切換制御される。
【0022】他に、図7に示す如く、前記回転数センサ
ーS1に代えて、HST式変速装置Hにリリーフバルブ
38の設定圧より低い圧力で作動する圧力センサー(圧
力スイッチ)S2を設け、スピン旋回を行う地上面の状
態によって旋回抵抗が増大し、HST式走行装置Hが過
負荷状態になって、一定圧に適すると、前記圧力センサ
ーS2がONし、コントローラCを介してスピン電磁弁
19をOFFとし、スピン旋回不作動としてブレーキ旋
回に自動的に切換制御する構成も可能である。なお、図
7は右スピン旋回時の状態を示している。
【0023】また、前記コントローラCにはタイマーが
付設されており、該タイマーは、前述の如く回転数のダ
ウンまたは圧力上昇によってブレーキ旋回に切り換わっ
た後、回転数差が一定以下または圧力センサーS2のO
N圧力以下になっても、再度スピン旋回に切り換わらな
いように、一定時間、例えば5秒程度の通常の旋回を完
了し得る時間、ブレーキ旋回状態を保持しておくために
設けられている。これは、再度スピン旋回可能にしてお
くと、またすぐに回転数ダウンまたは圧力上昇によりブ
レーキ旋回に切り換わり、スピン旋回時にスピン旋回と
ブレーキ旋回との間でハンチング現象が発生するからで
ある。さらに、タイマー制御を一定時間としたのは、タ
イマーを設けずにスピンターンスイッチ3をOFFとし
て完全にスピン旋回不作動とすると、再度スピンターン
スイッチ3をONする操作を必要とし、手間がかかり無
駄だからである。
【0024】なお、図4に示す如く、前記油圧ポンプP
からの圧油は、各電磁弁44・45L・45R・46等
を介して、刈取装置昇降用シリンダー41、車体水平制
御用シリンダー42L・42Rおよびオーガ旋回用シリ
ンダー43に供給されており、前記各電磁弁44・45
L・45R・46を切り換えることによって、刈取装置
11の上下位置調節、クローラ式走行装置10の左右ク
ローラの上下位置調節および排出オーガ15の旋回操作
が可能とされている。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏する。即ち、請求項1の如く構成したこ
とにより、操向操作レバーの操作範囲を左右旋回とスピ
ン旋回とで異ならせて、不本意にスピン旋回に移行する
ことなく、円滑に左右旋回からスピン旋回に操作できる
ので、運転者の意に反して不用意にスピン旋回に移行す
ることがなくなり、安全に操向操作を行うことができる
とともに、前記操向操作レバーの操作量に応じてスピン
旋回速度を速くしたり、遅くしたりできるので、圃場面
や路面等の地上面の状況に適したスピン旋回速度を任意
に選択して得ることができ、スピン旋回性能の向上を図
ることができる。
【0026】また、請求項2および3の如く構成したこ
とにより、スピン旋回時に地上面の状態により旋回負荷
が大きくなって、回転数が0に近づいても、スピン旋回
からブレーキ旋回に自動的に切り換わり旋回不能状態を
回避できる構造を簡単に構成することができるととも
に、旋回不能を回避できるので、安定した旋回を行うこ
とができ、不快感がなくなる。また、HST式変速装置
に設けた圧力センサーがHST式変速装置の過負荷に対
する保護装置としての働きを有し、HST式変速装置の
油温の上昇を抑制し、エンジンの冷却能力を向上を図る
ことができる。
【0027】また、請求項4の如く構成したことによ
り、スピン旋回からブレーキ旋回に切り換わった後、タ
イマー制御にて通常の旋回が完了するとおもわれる一定
時間ブレーキ旋回状態を保持することができるので、再
度スピン旋回可能な状態となってもスピン旋回に切り換
わることがなく、スピン旋回時にスピン旋回とブレーキ
旋回との間で、不意のハンチング現象が発生するのを防
止することができ、スムーズな旋回を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】スピンターン機構の操向操作レバーの操作範囲
を示す斜視図である。
【図3】回転数センサーを設けたスピンターン機構を示
すスケルトン図と油圧回路図である。
【図4】スピンターン機構の油圧回路図である。
【図5】同じく制御回路図である。
【図6】スピン旋回とブレーキ旋回の自動切換手順を示
すフローチャート図である。
【図7】HST式変速装置に圧力スイッチを設けたスピ
ンターン機構を示すスケルトン図と油圧回路図である。
【符号の説明】
1 操向操作レバー 4 サイドクラッチ 5 サイドブレーキ 6 スピン旋回クラッチ 9 車軸 10 クローラ式走行装置 C コントローラ H HST式変速装置 M ミッションケース S1 回転数センサー S2 圧力センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 昭人 岡山市江並428番地 セイレイ工業株式 会社内 (56)参考文献 特開 平5−254456(JP,A) 特開 昭61−89175(JP,A) 特開 平2−85078(JP,A) 特開 平6−40347(JP,A) 特開 平5−301580(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向操作レバーを左右に傾倒させるこ
    とによって、左右走行装置に回転差を生じさせることに
    よる左右旋回、及び、左右走行装置の逆転によるスピン
    旋回を可能とした走行装置であって、操向操作レバー
    を傾倒させるに従って、ミッションケース内の傾倒側
    のサイドクラッチ「切」からサイドブレーキ「入」とな
    るように構成し、前記操向操作レバーをサイドブレー
    キ「入」の位置から左右方向とは異なる方向に操作する
    ことによってスピン旋回クラッチ「入」となると共に、
    この異なる方向への操作移動量に応じて、左右の車軸9
    の逆動回転比を変更可能に構成したことを特徴とするス
    ピンターン機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスピンターン機構におい
    て、ミッションケースMの軸上に回転数センサーS1を
    設けてコントローラCと接続し、該回転数センサーS1
    により実回転数を検出し、スピン旋回時に設定回転数に
    対して一定値以上減速すると、コントローラCからの信
    号によりスピン旋回からサイドブレーキによる旋回に切
    り換わるように構成したことを特徴とするスピンターン
    機構。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスピンターン機構におい
    て、ミッションケースMに動力を入力するHST式変速
    装置Hに圧力センサーS2を設けてコントローラと接続
    し、前記圧力センサーS2をHST式変速装置のリリー
    フ圧より低い所定圧力でONするように設定し、スピン
    旋回時に前記圧力センサーがONすると、サイドブレー
    キによる旋回に切り換わることを特徴とするスピンター
    ン機構。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載のスピンターン
    機構において、コントローラCにタイマーを付設し、ス
    ピン旋回を開始した後に、軸回転数または圧力の変動に
    よってスピン旋回からサイドブレーキによる旋回に移行
    すると、一定時間、サイドブレーキによる旋回状態を保
    持すべく構成したことを特徴とするスピンターン機構。
JP28479494A 1994-11-18 1994-11-18 スピンターン機構 Expired - Fee Related JP3499022B2 (ja)

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