JP3498998B2 - 多機能研磨装置 - Google Patents

多機能研磨装置

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JP3498998B2
JP3498998B2 JP10851794A JP10851794A JP3498998B2 JP 3498998 B2 JP3498998 B2 JP 3498998B2 JP 10851794 A JP10851794 A JP 10851794A JP 10851794 A JP10851794 A JP 10851794A JP 3498998 B2 JP3498998 B2 JP 3498998B2
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裕 今井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多機能研磨装置に関
し、特に、装置本体に対する研磨部材の運動の種類を随
時に切り換えて、作用の異なる研磨処理を1台の装置で
実施できる多機能研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】研磨装置、特に手持形の研磨装置は、例
えば自動車車体外板の仕上げ作業や補修作業等、多様な
立体的広がりを有する物体表面を所望形状に研削したり
所望粗さに磨いたりする作業において、手軽に操作でき
ることから広く使用されている。この種の研磨装置は、
装置本体に対する研磨部材の運動の種類によって、異な
る研磨作用を物体表面に及ぼす幾つかの異なる形式の装
置に分類される。特に、作用面を板状研磨部材の軸方向
端面に有するとともに、研磨部材の軸を研磨装置の駆動
軸に対し偏心して配置し、研磨部材の作用面が一平面上
で所定の回転運動を行なうことにより研磨作用を生じる
形式のものは、一般に高能率の研磨装置として知られて
いる。このような偏心配置された研磨部材を備える研磨
装置では、駆動軸を中心に偏心距離を半径とした円軌道
に沿って移動する偏心軸線に対し、研磨部材が固定され
たものと自転するものとがある。本明細書では便宜的
に、前者をオービタル式研磨装置、後者をダブルアクシ
ョン式研磨装置と称し、また前者の研磨部材の動作をオ
ービタル動作、後者の研磨部材の動作をダブルアクショ
ン動作と称する。
【0003】オービタル式及びダブルアクション式研磨
装置はいずれも、駆動軸に対して所定距離だけ偏心した
位置に研磨部材の軸を配置して構成される。研磨部材の
軸は、駆動軸の回転に伴って駆動軸の周りを公転運動す
る軸受に支持される。この軸受は通常、釣合い重り部分
を有して駆動軸に直結された釣合い部材に第1軌道輪が
固定され、第2軌道輪が研磨部材の軸に固定される。こ
のとき、第2軌道輪が第1軌道輪に対し自由回転可能な
状態では、第2軌道輪に支持された研磨部材等の各質量
部分の慣性により、第1軌道輪が公転すると同時に第2
軌道輪及び研磨部材は第1軌道輪に対して公転と同一方
向への自転を生じる。このような作用を利用して、研磨
部材に遊星(自公転)運動を行なわせるものがダブルア
クション式研磨装置であり、駆動軸から見た研磨部材の
自転運動を強制的に止め、研磨部材に公転運動のみ行な
わせるものがオービタル式研磨装置である。したがって
オービタル動作では、軸受の第2軌道輪は第1軌道輪に
対して公転の逆方向へ回転する。オービタル式研磨装置
において研磨部材の自転を止める機構は、一般に、装置
本体と研磨部材との間を研磨部材の偏心移動を可能にし
つつ連結する弾性部材から構成される。
【0004】オービタル式研磨装置は、研磨部材が駆動
軸に対する公転運動のみを行なうので、比較的研磨量が
少なく、一般に物体表面の仕上げ加工に使用される。こ
れに対しダブルアクション式研磨装置は、研磨部材が駆
動軸に対する遊星運動を行なうので、比較的研磨量が多
く、荒研ぎや面取り等の荒加工に使用される。したがっ
て一般に作業者は、研磨作業の加工種類に応じてこれら
の異なる研磨装置を使い分けていた。
【0005】加工種類に応じた研磨装置の使い分けに伴
う作業効率や経済性の低下を解消するために、研磨部材
のオービタル動作とダブルアクション動作とを随時に切
り換えて作業できる多機能の研磨装置に対する利用者の
要求は高く、幾つかの解決策が既に提案されている。例
えば、特開昭60−135171号公報に開示される研
磨装置は、研磨部材の自転運動を強制的に止めるための
弾性支柱を、研磨部材に連結される作用位置と研磨部材
から離脱される非作用位置との間で移動させることによ
り、オービタル動作とダブルアクション動作との切り換
えを可能にしている。この装置は、弾性支柱を移動させ
るためのエアシリンダ装置を本体に組み込んでいる。ま
た、米国特許第4,924,636号では、ダブルアク
ション式研磨装置において、軸受を介して研磨部材を支
持する釣合い部材に対し、研磨部材の回転を止める構造
が開示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭60−1351
71号公報に開示される研磨装置では、研磨部材とその
自転を係止する弾性支柱との連結部分を直接的に開閉す
るので、自転係止時に弾性支柱の連結部位すなわち研磨
部材に接触する先端部に応力が集中し易く、オービタル
動作での作業中に弾性支柱と研磨部材との連結が外れた
り、長期に使用するうちに弾性支柱の特に先端部が破損
したりする恐れがあった。また、弾性支柱と研磨部材と
は凹部及び凸部からなる噛み合い構造により連結される
が、研磨部材のトルクに対する充分な係止力を得るため
に凹部及び凸部は研磨部材の周縁部近傍に配置されるの
で、凹部と凸部とを正確に噛み合わせるための研磨部材
と弾性支柱との相対的位置合せが困難であった。さら
に、弾性支柱を移動させるためのエアシリンダ装置を搭
載するので、研磨装置の寸法及び重量が手持形装置とし
ては不適当なまでに増加する課題があった。
【0007】米国特許第4,924,636号に開示さ
れる研磨装置は、ボルトによって偏心軸に取着される研
磨部材の交換を容易にするために、偏心軸を釣合い部材
に対して固定するものである。したがってこの研磨装置
では、研磨部材のオービタル動作を実現することはでき
ない。
【0008】本発明の目的は、研磨部材の動作をオービ
タル動作とダブルアクション動作との間で容易かつ正確
に切り換え可能であって、装置の寸法及び重量の増加を
可及的に防止できる単純構造かつ耐久性に優れた切り換
え機構を有し、仕上げ加工と荒加工とを1台の装置で随
時に切り換えて実施できる多機能研磨装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、本体と、駆動軸を有して本体に支持され
る駆動部と、駆動軸に対し偏心した位置で自転可能に駆
動軸に連結されるとともに、駆動部の作動により駆動軸
を中心として公転運動する研磨部材と、研磨部材の自転
運動を係止する係合手段とを具備した研磨装置におい
て、係合手段は、研磨部材に連結される第1要素と、第
1要素に対して回転する第2要素とを備えて、研磨部材
に同心配置される軸受手段と、軸受手段の第2要素に固
定的に連結されるとともに本体に固定され、以て軸受手
段を介して研磨部材に相対回転可能に連結され、研磨部
材の公転運動に伴って弾性変形する弾性連結部材と、研
磨部材に設けられ、軸受手段の第2要素に係合して研磨
部材の自転運動を係止する係合部材とを具備し、係合部
材を備えた第1研磨部材と、係合部材を持たない第2研
磨部材とが、選択的に軸受手段の第1要素に連結される
ことを特徴とする多機能研磨装置を提供する。
【0010】好適な実施例によれば、軸受手段は、半径
方向に並置された一対の軌道輪を有する軸受を具備し、
軸受手段の第2要素は、軸受の一方の軌道輪と、研磨部
材の自転軸線を包囲してこの軌道輪と弾性連結部材とに
固定される環状支持部材とを備え、環状支持部材に軸方
向へ延びる壁が設けられ、係合部材は、環状支持部材の
壁に接触可能な位置で研磨部材に設けられた軸方向へ延
びる対応壁を備える。
【0011】
【作用】係合部材を備えた第1研磨部材を軸受手段の第
1要素に連結すると、係合部材は軸受手段の第2要素に
係合する。それにより、第1要素は第2要素に固定的に
連結される。したがって第1研磨部材は、軸受手段の第
1要素及び第2要素、並びに弾性連結部材を介し、自転
運動に関して本体に固定的に連結される。他方、弾性連
結部材は弾性変形により第1研磨部材の公転運動を許容
する。このようにして第1研磨部材は、駆動部の作動に
よりオービタル動作を行なう。第1研磨部材の代わり
に、係合部材を持たない第2研磨部材を軸受手段の第1
要素に連結すると、第2研磨部材は軸受手段の第2要素
に対し自由に回転する。したがって第2研磨部材は、駆
動軸を中心として公転運動すると同時に、第2研磨部材
の慣性により駆動軸に対し偏心した位置で自転運動す
る。このようにして第2研磨部材は、駆動部の作動によ
りダブルアクション動作を行なう。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明をその好
適な実施例に基づき詳細に説明する。全図を通して、同
一又は類似の構成要素には共通の参照番号を付す。図面
を参照すると、図1及び図2は本発明の第1実施例によ
る多機能研磨装置10を示す。多機能研磨装置10は、
本体12と、駆動軸14を有して本体12に支持される
駆動部16と、駆動軸14に対し偏心した位置で自転可
能に駆動軸14に連結される第1研磨部材18と、第1
研磨部材18の自転運動を係止する係合手段20とを備
える。
【0013】多機能研磨装置10は、従来の研磨装置と
同様に手持ち作業に適した構成を有する。例えば本体1
2は、作業者が好ましくは片手で握持可能な握持部22
を備える。また駆動部16は、例えばエアモータ等の周
知の駆動装置からなる。駆動部16に適用される駆動装
置としては、電動機や油圧モータ等も利用できるが、構
造が簡単で小形化及び軽量化が容易な点でエアモータが
好適に利用される。さらに第1研磨部材18は、従来の
手持形研磨装置に使用可能な周知の部材であり、研磨布
紙を担持する円板状又は矩形板状のパッド部24とパッ
ド部24を支持する基部26とを備える。
【0014】駆動軸14には、釣合い重り部分を有した
釣合い部材28が固定される。釣合い部材28は、駆動
軸14の下方で駆動軸14に対し距離dだけ偏心して軸
方向に延びる円筒状の凹部29を備え、凹部29内に第
1の軸受30が配置される。第1の軸受30は、好まし
くは転がり軸受であり、半径方向に並置された一対の軌
道輪を有する。この実施例では、第1の軸受30の外輪
30aが釣合い部材28の凹部29に固定され、内輪3
0bには第1研磨部材18を支持する偏心軸32が固定
される。したがって偏心軸32は、駆動軸14の軸線に
平行にかつ相互に距離dだけ離間して延びる軸線を有し
て、第1の軸受30を介して釣合い部材28に回転可能
に連結される。第1研磨部材18は、研磨装置10の作
動時に第1研磨部材18と偏心軸32との間の相対移動
が生じないように、偏心軸32に強固に連結される。
【0015】ここまでの構成は従来のオービタル式又は
ダブルアクション式研磨装置と同様であり、駆動部16
の作動により、偏心軸32及び第1研磨部材18は駆動
軸14を中心として公転運動する。前述のように、偏心
軸32が釣合い部材28に対して自由に回転する場合、
偏心軸32及び第1研磨部材18は公転運動と同時に自
転運動を生じる。
【0016】多機能研磨装置10は、第1研磨部材18
の自転運動を係止する係合手段20として、第1研磨部
材18に同心に取着される第2の軸受34と、本体12
に固定されるとともに第2の軸受34を介して第1研磨
部材18に相対回転可能に連結される弾性連結部材36
と、第1研磨部材18に設けられる係合部材38とを備
える。第2の軸受34は、好ましくは転がり軸受であ
り、半径方向に並置された一対の軌道輪を有する。図示
実施例では、玉軸受からなる第2の軸受34は、偏心軸
32の外周面に固定される内輪40と、環状支持部材4
2に固定される外輪44とを備える。環状支持部材42
は、内周面に軸受34の外輪44を支持するスリーブ部
46と、スリーブ部46の一端から半径方向外方に延び
るフランジ部48とを備える。なお偏心軸32は、2つ
の軸受30,34を同心に取着する観点から、軸方向へ
2つの部分32a,32bに分割されることが望まし
い。この場合、これらの部分32a,32bは例えばボ
ルト35によって相互に固定される。
【0017】弾性連結部材36は、上端で例えば締着帯
50によって本体12に固定される円筒状の弾性部分5
2と、弾性部分52の下端から半径方向内方に延長され
る環板状の剛性部分54とを備える。弾性部分52は、
好ましくはゴムからなり、偏心軸32及び第1研磨部材
18の公転運動に伴って弾性変形する(図1参照)。剛
性部分54は、好ましくはアルミニウム等の金属材料か
らなり、偏心軸32の公転運動を弾性部分52に確実に
伝達する。弾性部分52と剛性部分54とは、ボルト留
め、接着、溶接等の周知の方法によって固定できるが、
好適な実施例では弾性部分52の射出成形時に剛性部分
54をインサートすることによって両者が一体的に連結
される。
【0018】環状支持部材42のフランジ部48は、例
えばねじ56によって弾性連結部材36の剛性部分54
に固定される。なお、剛性部分54を省略して、弾性部
分52を直接に環状支持部材42のフランジ部48に連
結することもできる。また、弾性連結部材36の弾性部
分52は、ベローズ状部材、複数の柱状部材、複数のつ
る巻ばね等から構成することもできる。いずれの場合
も、偏心軸32及び第1研磨部材18の公転運動に追従
して変形できるとともに、それらの自転運動を係止可能
な弾性力を有することが肝要である。また、回転部分の
振動を減衰するために、弾性連結部材36の弾性部分5
2に粘弾性材料を用いることは好都合である。
【0019】図3に明示されるように、係合部材38
は、第1研磨部材18の基部26に固定される皿状部材
からなり、基部26に接触する円板状の底部58と、第
1研磨部材18の自転軸線を中心に底部58から軸方向
へ延長される環状凸部60とを備える。環状凸部60の
軸方向端面には、複数の溝62が設けられる。したがっ
て環状凸部60には、その軸方向端面と各溝62の底面
との間に、軸方向へ延びる複数の壁64が形成される。
環状支持部材42のスリーブ部46の軸方向端面には、
係合部材38の溝62に嵌合可能な位置で軸方向に延び
る複数の突起66が設けられる(図1)。したがってス
リーブ部46には、その軸方向端面と各突起66の頂面
との間に、軸方向へ延びる複数の壁68が形成される。
係合部材38の複数の溝62と環状支持部材42の複数
の突起66とは、少なくとも隙間嵌めの関係を有する寸
法及び形状に形成される。また好ましくは、溝62によ
って形成される少なくとも2つの壁64が、突起66に
よって形成される少なくとも2つの壁68に同時に接触
するように、溝62及び突起66の寸法及び形状が決め
られる。それにより、第1研磨部材18の自転運動がさ
らに確実に係止される。
【0020】係合部材38を備えた第1研磨部材18
は、第1研磨部材18の自転軸線を通って係合部材38
の底部58を貫通するボルト70によって偏心軸32に
固定される。このとき、多様なねじ部を有するボルトを
偏心軸32に取着できるように、第1研磨部材18と偏
心軸32との間にアダプタ72を介在させることができ
る。その場合、第1研磨部材18はアダプタ72に固定
され、アダプタ72が別体のねじ(図示せず)やアダプ
タ自体に設けたねじ部74によって偏心軸32に固定さ
れる。
【0021】係合部材38の複数の溝62と環状支持部
材42の複数の突起66とを軸方向へ整列させた状態
で、第1研磨部材18をボルト70によって偏心軸32
に強固に固定すると、溝62に突起66が嵌入され、壁
64と壁68とが相互に係合する。それにより、偏心軸
32と環状支持部材42とが相互に固定的に連結され
る。したがって第1研磨部材18は、係合手段20を介
して弾性連結部材36の作用により自転運動を係止さ
れ、このとき研磨装置10はオービタル式研磨装置とし
て作用する。ただし従来のオービタル式研磨装置と同様
に、自転運動の係止時にも、第1研磨部材18は釣合い
部材28に対し第1の軸受30を介して公転の逆方向へ
回転する。
【0022】図4に示すように、多機能研磨装置10で
は、第1研磨部材18を偏心軸32から脱離して、その
代わりに、係合部材38を持たない第2研磨部材76を
偏心軸32に固定することにより、第2研磨部材76に
ダブルアクション動作を行なわせることができる。第2
研磨部材76は、従来の手持形研磨装置に使用可能な周
知の部材であり、研磨布紙を担持する円板状のパッド部
78とパッド部78を支持する基部80とを備える(図
5参照)。第2研磨部材76は、その自転軸線を有して
基部80から軸方向へ延長されたねじ部82によって、
例えばアダプタ72を介して偏心軸32に固定される。
第2研磨部材76は係合部材38を持たないので、環状
支持部材42に対し自由に回転する。したがって第2研
磨部材76は、駆動部16の作動により駆動軸14を中
心として公転運動すると同時に、第2研磨部材76の慣
性により駆動軸14に対し偏心した位置で自転運動す
る。このようにして第2研磨部材76はダブルアクショ
ン動作を行なう。
【0023】上記構成を有する多機能研磨装置10は、
第1研磨部材18が固定される偏心軸32と弾性連結部
材36との間に第2の軸受34を配置し、第2の軸受3
4の内輪40と外輪44との相対移動を、外輪44に直
接に固定された環状支持部材42に係合する第1研磨部
材18の係合部材38によって係止する構成としたの
で、係合部材38の溝62の個数を増やす等の方法によ
って自転係止時の係止部位への応力集中を容易に防止す
ることができる。また、係合部材38を自転軸線に近接
して配置したので、溝62と環状支持部材42の突起6
6との位置合せが容易である。しかも、係合部材38は
第1研磨部材18に固定されるので、エアシリンダ等の
駆動装置を研磨装置10に搭載する必要がなく、装置の
小形化及び軽量化が促進される。さらに、第1研磨部材
18と第2研磨部材76とを交換するだけで、研磨部材
の動作をオービタル動作とダブルアクション動作との間
で容易かつ正確に切り換えることができる。なお、偏心
軸32、第2の軸受34、弾性連結部材36の剛性部分
54、係合部材38、及び環状支持部材42を、ジュラ
ルミン等のアルミニウム合金、硬質プラスチック、セラ
ミック等の軽量で機械的強度の高い材料から形成するこ
とにより、係合手段20の機械的強度を損なうことなく
研磨装置10の軽量化がさらに促進される。
【0024】図6は、本発明の第2実施例による多機能
研磨装置110を示す。多機能研磨装置110では、多
機能研磨装置10における第1の軸受30及び第2の軸
受34の代わりに、それらの作用を1つの軸受で実現可
能な複式軸受112が使用される。複式軸受112は、
好ましくは転がり軸受であり、半径方向に並置された3
つの軌道輪を有する。また、駆動軸14に固定される釣
合い部材114は、駆動軸14の下方で駆動軸14に対
し距離dだけ偏心して軸方向に突出する円筒状の凸部1
15を備える。
【0025】複式軸受112の内輪116は、釣合い部
材114の凸部115の外表面に固定される。複式軸受
112の外輪118は、環状支持部材42のスリーブ部
46の内表面に固定される。複式軸受112の中間輪1
20は、駆動軸14の軸線に平行にかつ相互に距離dだ
け離間して延びる軸線を有して、内輪116及び釣合い
部材114に対して回転する部材であり、図1の多機能
研磨装置10における偏心軸32に相当する。したがっ
て第1研磨部材18は、複式軸受112の中間輪120
に強固に連結される。なお第1研磨部材18は、複式軸
受112の中間輪120のみによって支持されるので、
中間輪120に充分な剛性を付与するとともに、アンギ
ュラ構造等のスラスト荷重に耐える構造を複式軸受11
2に適用することが望ましい。
【0026】多機能研磨装置110は、弾性部分のみか
らなる弾性連結部材122を備える。なお、研磨装置1
10における係合手段の構成は、複式軸受112及び弾
性連結部材122以外は実質的に図1の研磨装置10と
同じである。弾性連結部材122の下端には、環状支持
部材42のフランジ部48が例えばねじ56によって直
接に固定される。第1研磨部材18はアダプタ124に
固定され、アダプタ124が例えばねじ126によって
複式軸受112の中間輪120に固定される。
【0027】第1研磨部材18を複式軸受112の中間
輪120に強固に固定すると、係合部材38の溝62に
環状支持部材42の突起66が嵌入され、中間輪120
と環状支持部材42とが相互に固定的に連結される。し
たがって第1研磨部材18は自転運動を係止され、この
とき研磨装置110はオービタル式研磨装置として作用
する。また、第1研磨部材18の代わりに第2研磨部材
76(図5)を複式軸受112の中間輪120に固定す
ることにより、研磨装置110はダブルアクション式研
磨装置として作用する。このような構造によれば、釣合
い部材の軸方向寸法を低減できるので、作業者の手元か
ら研磨される物体表面までの距離が短くなり、研磨装置
の作業性が向上する。
【0028】図7は、本発明の第3実施例による多機能
研磨装置130を示す。多機能研磨装置130では、本
体12は釣合い部材28を包囲しつつ軸方向へ延びる略
円筒状の延長部132を有する。そして延長部132の
下端と環状支持部材42のフランジ部48との間に、駆
動軸14及び偏心軸32に略直交して延びる弾性連結部
材134が配置される。弾性連結部材134は弾性部分
のみからなる環状の円板部材であり、その外縁部及び内
縁部で例えばねじ136及び138によって延長部13
2及びフランジ部48にそれぞれ固定される。
【0029】好ましくは、弾性連結部材134に設けた
各ねじ136及び138の貫通穴140及び142への
応力集中を防止するために、金属等からなる環状の補強
部材144及び146が弾性連結部材134の外縁部及
び内縁部にそれぞれ配置される。また弾性連結部材13
4は、波板状部材、複数の帯状部材、複数のつる巻ばね
等から構成することもできる。なお、研磨装置130に
おける係合手段の構成は、弾性連結部材134以外は実
質的に図1の研磨装置10と同じである。
【0030】このような構造によれば、例えば図6の研
磨装置110の複式軸受112を使用することにより、
釣合い部材28の軸方向寸法をさらに低減することがで
きる。その場合、本体12の延長部132によって釣合
い部材28の周囲に充分な空間を形成できるので、釣合
い部材28の釣合い重り部分を半径方向へ延長すること
により、確実な釣合い作用を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、研磨装置の本体に固定される弾性連結部材と回転駆
動される研磨部材との間に、研磨部材に固定的に連結さ
れる第1要素と弾性連結部材に固定的に連結される第2
要素とを備える軸受手段を研磨部材の自転軸線に同心配
置し、これら第1要素と第2要素との相対回転を研磨部
材に設けられる係合部材によって係止する構成としたの
で、係合部材を研磨部材の自転軸線の近傍に配置でき、
その結果、自転係止時の係合部材への応力集中が軽減さ
れるとともに、第2要素に対する係合部材の位置決めが
容易になる。また、係合部材は研磨部材に固定されるの
で、エアシリンダ等の駆動装置を研磨装置に搭載する必
要がなく、装置の小形化及び軽量化が促進される。さら
に、第1研磨部材の代わりに、係合部材を持たない第2
研磨部材を軸受手段の第1要素に連結することにより、
研磨部材の動作をオービタル動作からダブルアクション
動作へと容易に切り換えることができる。したがって本
発明によれば、研磨部材の動作をオービタル動作とダブ
ルアクション動作との間で容易かつ正確に切り換え可能
であって、装置の寸法及び重量の増加を可及的に防止で
きる単純構造かつ耐久性に優れた切り換え機構を有し、
仕上げ加工と荒加工とを1台の装置で随時に切り換えて
実施できる高性能の多機能研磨装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による多機能研磨装置の部
分断面正面図である。
【図2】図1の多機能研磨装置の部分断面側面図であ
る。
【図3】図1の多機能研磨装置に使用される第1研磨部
材の斜視図である。
【図4】第1研磨部材の代わりに第2研磨部材を装着し
た図1の多機能研磨装置の部分断面正面図である。
【図5】第2研磨部材の斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例による多機能研磨装置の部
分断面正面図である。
【図7】本発明の第3実施例による多機能研磨装置の部
分断面正面図である。
【符号の説明】
10,110,130…多機能研磨装置 12…本体 14…駆動軸 16…駆動部 18…第1研磨部材 20…係合手段 28…釣合い部材 30…第1の軸受 32…偏心軸 34…第2の軸受 36,122,134…弾性連結部材 38…係合部材 40,116…内輪 42…環状支持部材 44,118…外輪 60…環状凸部 62…溝 66…突起 72,124…アダプタ 112…複式軸受 120…中間輪 132…延長部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−277260(JP,A) 特開 昭60−135171(JP,A) 実開 平6−75651(JP,U) 実開 平2−43154(JP,U) 実開 昭48−15693(JP,U) 実公 昭51−3989(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 23/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体と、駆動軸を有して該本体に支持さ
    れる駆動部と、該駆動軸に対し偏心した位置で自転可能
    に該駆動軸に連結されるとともに、該駆動部の作動によ
    り該駆動軸を中心として公転運動する研磨部材と、該研
    磨部材の自転運動を係止する係合手段とを具備した研磨
    装置において、 前記係合手段は、 前記研磨部材に連結される第1要素と、該第1要素に対
    して回転する第2要素とを備えて、該研磨部材に同心配
    置される軸受手段と、 前記軸受手段の前記第2要素に固定的に連結されるとと
    もに前記本体に固定され、以て該軸受手段を介して前記
    研磨部材に相対回転可能に連結され、該研磨部材の公転
    運動に伴って弾性変形する弾性連結部材と、 前記研磨部材に設けられ、前記軸受手段の前記第2要素
    に係合して該研磨部材の自転運動を係止する係合部材、
    とを具備し、 前記係合部材を備えた第1研磨部材と、前記係合部材を
    持たない第2研磨部材とが、選択的に前記軸受手段の前
    記第1要素に連結されることを特徴とする多機能研磨装
    置。
  2. 【請求項2】 前記軸受手段は、半径方向に並置された
    一対の軌道輪を有する軸受を具備し、該軸受手段の前記
    第2要素は、該軸受の一方の軌道輪と、前記研磨部材の
    自転軸線を包囲して該軌道輪と前記弾性連結部材とに固
    定される環状支持部材とを備え、該環状支持部材に軸方
    向へ延びる壁が設けられ、前記係合部材は、該環状支持
    部材の該壁に接触可能な位置で前記研磨部材に設けられ
    た軸方向へ延びる対応壁を備える請求項1に記載の多機
    能研磨装置。
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