JP3498434B2 - 開口面アンテナ、アンテナ駆動回路、及びレーダ装置 - Google Patents

開口面アンテナ、アンテナ駆動回路、及びレーダ装置

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JP3498434B2
JP3498434B2 JP18920195A JP18920195A JP3498434B2 JP 3498434 B2 JP3498434 B2 JP 3498434B2 JP 18920195 A JP18920195 A JP 18920195A JP 18920195 A JP18920195 A JP 18920195A JP 3498434 B2 JP3498434 B2 JP 3498434B2
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佐々木  邦彦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の外部に存
在する物標をレーダ波の送受信により検出するレーダ装
置、及び該レーダ装置に使用される開口面アンテナ,ア
ンテナ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種のレーダ装置において
は、装置の小型化のために、アンテナを送受信で共用す
るものが知られており、この場合、例えば、特開昭61
−167890号公報に開示されているように、アンテ
ナと、アンテナを介してレーダ波を送受信する送信器及
び受信器との間に、信号の進行方向によって信号を結合
/分離するサーキューレータを設けることにより、送信
器からの送信信号をアンテナに供給すると共に、アンテ
ナからの受信信号を受信器に供給するようにされてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、回路の
集積化技術の進歩に伴い、送信器や受信器の高周波回路
部分をモノリシック集積回路化することにより、装置の
より一層の小型化を図ることが望まれているが、サーキ
ュレータは磁生体にて構成されているため、このサーキ
ュレータを含む高周波回路部分をモノリシック集積回路
化することができないという問題があった。
【0004】また、モノリシック集積回路化するため
に、送受信器をサーキュレータを用いないで構成した場
合、送信信号と受信信号とが同じ伝送線路にて入出力さ
れる送受信共用のアンテナを使用することができず、せ
っかく送受信器を小型化できたとしても、アンテナが複
数必要となるため、結局、レーダ装置全体を考えると小
型化することができないという問題があった。
【0005】更に、高周波回路部分を集積化するには、
サーキュレータを省略するだけでなく、高周波信号の伝
送線路が交差することのないように平面回路にて構成し
なければならないが、サーキュレータを用いないで高周
波回路を構成した場合、高周波信号を伝送する伝送線路
が増加してしまい、伝送線路の配線が難しくなるという
問題があった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するために、
サーキュレータを用いることなくセンサ装置の小型化が
可能な開口面アンテナ,アンテナ駆動回路、及びこれら
を用いたセンサ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、送信波を放射し、
該送信波の反射波を受信する送受信部と、上記送信波及
び反射波を反射或は屈折させることにより、上記送信波
のビーム幅を絞ると共に上記反射波を上記送受信部に収
束させる反射鏡或はレンズからなる変換器と、を備えた
開口面アンテナにおいて、上記送受信部は、上記変換器
の焦点位置付近に配設され、上記変換器の焦点及び上記
変換器の中心を結ぶ中心軸上に位置する送信素子と、受
信ビームが互いに重なり合うよう上記中心軸に対して対
称な位置に配置される一対の受信素子と、からなり、上
記送信素子及び上記一対の受信素子が、誘電体基板上に
薄膜導体を形成してなる平面回路型共振素子にて構成さ
れ、且つ、上記送信素子の共振電磁界の磁界方向の幅
が、上記受信素子より広く設定されていることを特徴と
する。
【0008】このように構成された開口面アンテナにお
いては、送信部を構成する送信素子が送信波を放射する
と、変換器がそのビーム幅を絞って外部に送出すると共
に、送信波の放射方向に位置する物標に反射して当該開
口面アンテナに戻ってくる反射波を、送受信部を構成す
る一対の受信素子上に収束させる。
【0009】従って、本発明によれば、単一の開口面に
て送信波及び反射波を送受信でき、しかも送信素子と受
信素子とは別体に形成されているので、送信素子に供給
する送信信号と受信素子から出力される受信信号とを、
別々の伝送線路にて入出力できる。
【0010】その結果、当該開口面アンテナを用いれ
ば、サーキュレータを用いることなく、アンテナが単一
の開口面からなるレーダ装置を構成でき、装置を小型化
できる。また、本発明の開口面アンテナにおいて、変換
器の焦点及び該変換器の中心を結ぶ中心軸に対して対称
な位置に配置された一対の受信素子は、互いに異なった
指向性(受信ビーム)を有し、また、中心軸上に配置さ
れた送信素子の指向性(送信ビーム)は、少なくとも一
対の受信ビームの互いに重なり合う領域をカバーする。
【0011】 従って、本発明の開口面アンテナは、指
向性の異なる二つのアンテナにて同時に受信する場合と
同等の機能を有するため、2つの受信信号の差から物標
の存在する方角を検出するモノパルス方式のレーダ装置
のアンテナとして使用できる。また、本発明の開口面ア
ンテナにおいては、送信素子及び一対の受信素子が、誘
電体基板上に薄膜導体を形成してなる平面回路型共振素
子にて構成され、且つ、送信素子の共振電磁界の磁界方
向の幅が、上記受信素子より広く設定されている。
【0012】 従って、本発明によれば、送信素子及び
受信素子が簡易な構成をしているため、開口面アンテナ
の送受信部を容易に構成できる
【0013】 また、本発明によれば、送信ビームの幅
が受信ビームの幅より広くなる。即ち、磁界方向の幅が
広いほど、送信素子から変換器に向かう送信ビームの幅
は狭くなり、この送信ビームに対する変換器の有効開口
面積が小さくなる。その結果、変換器を介して外部に表
れる送信ビームの幅は広くなるのである。
【0014】 従って、本発明によれば、送信ビームに
て、受信ビームをカバーできる領域を広くでき、受信ビ
ームを有効に利用できる。また、請求項に記載の発明
は、請求項1に記載の開口面アンテナにおいて、上記送
信素子を、上記変換器の焦点から上記中心軸方向にずら
して配置することを特徴とする。
【0015】 このように構成された開口面アンテナに
おいては、送信素子が変換器の焦点に配置されている場
合に比べて、送信ビームの幅が広くなる。従って、本発
明によれば、送信ビームにて、受信ビームをカバーでき
る領域を広くでき、受信ビームを有効に利用できる。
【0016】 一方、請求項に記載の発明は、送信素
子を介して空間に放射するための高周波信号を生成する
高周波発振器と、一対の受信素子からの各受信信号に、
上記高周波発振器の出力を夫々混合し検波する一対のミ
キサと、上記高周波発振器の出力を、上記送信素子及び
上記一対のミキサに供給するため3方向に電力分配する
電力分配器と、を備え、これらを2次元の回路基板上に
形成してなるアンテナ駆動回路において、上記電力分配
器の両側に上記各ミキサを配置し、該電力分配器の中心
位置からの出力を上記送信素子に供給し、両側からの出
力を上記一対のミキサに夫々供給することにより、上記
電力分配器と上記高周波発振器,上記送信素子,上記一
対のミキサとの間、及び上記一対のミキサと上記一対の
受信素子との間の高周波信号の伝送線路が交差しないよ
うに構成したことを特徴とする。
【0017】このように構成されたアンテナ駆動回路に
おいては、高周波発振器が高周波信号を生成すると、こ
の高周波信号を電力分配器が3方向に電力分配し、該電
力分配器の中心位置からの出力を送信波を放射させるた
めの信号として送信素子に供給し、両側からの出力を、
電力分配器の両側に配置された一対のミキサに供給す
る。そして各ミキサでは、一対の受信素子からの各受信
信号に、電力分配器からの高周波信号を夫々混合して検
波する。
【0018】なお、当該アンテナ駆動回路は、2次元の
回路基板上に形成されており、電力分配器の両側にミキ
サを配置することにより、電力分配器と高周波発振器,
送信素子,一対のミキサとの間、及び一対のミキサと一
対の受信素子との間の高周波信号の伝送線路が互いに交
差しないようにされている。
【0019】 従って、本発明によれば、当該アンテナ
駆動回路を平面回路にて構成でき、延いては、モノリシ
ック集積回路化することができる。その結果、当該アン
テナ駆動回路を用いてレーダ装置を構成すれば、装置を
小型化できる。更に、請求項に記載の発明は、所定の
送信波を送出し該送信波の反射波を受信することによ
り、上記送信波の放射方向に位置する物標の有無,或は
位置を検出するレーダ装置であって、請求項1又は請求
項2に記載の開口面アンテナと、請求項に記載のアン
テナ駆動回路と、を備え、上記アンテナ駆動回路によ
り、上記開口面アンテナの送信素子及び受信素子を駆動
することを特徴とする。
【0020】従って、本発明によれば、アンテナ駆動回
路にてサーキュレータを用いることなく、単一の開口面
アンテナにて送信波及び反射波を送受信できると共に、
レーダ装置の高周波回路部分であるアンテナ駆動回路を
モノリシック集積回路化することができるので、当該レ
ーダ装置を最大限に小型化できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、本発明が適用された実施例の障害
物検出用のレーダ装置の全体構成を表すブロック図であ
る。
【0022】図1に示すように、レーダ波を放射する送
信素子36、レーダ波を受信する受信素子38,40を
備えた送受信部10、及び送信素子36から放射される
レーダ波のビーム幅を絞って外部に送出すると共に、外
部からのレーダ波を受信素子38、40上に収束させる
誘電体レンズ12からなる開口面アンテナ6と、この開
口面アンテナ6を駆動してレーダ波を送受信するアンテ
ナ駆動回路14と、アンテナ駆動回路14を制御する電
子制御装置(ECU)16と、ECU16の制御に従い
警報を発する警報装置18とから構成されている。
【0023】そして、本実施例では、レーダ装置により
自動車前方の障害物を検出するために、開口面アンテナ
6,及びアンテナ駆動回路14からなるレーダユニット
8が、自動車の前面に取り付けられ、ECU16及び警
報装置18が、車室内又は車室近傍の所定位置に取り付
けられている。
【0024】ここで、アンテナ駆動回路14は、開口面
アンテナ6からレーダ波として送出するためのミリ波帯
の高周波信号Sを生成する高周波発振器20と、この高
周波信号Sを3方向に電力分配し、送信信号T及びロー
カル信号L1,L2として各部に供給する電力分配器2
6と、電力分配器26からのローカル信号L1及び受信
素子38からの受信信号R1を混合検波し、中間周波数
の検波信号IF1を出力する第1のミキサ22と、電力
分配器26からのローカル信号L2及び受信素子40か
らの受信信号R2を混合検波し、中間周波数の検波信号
IF2を出力する第2のミキサ24と、各ミキサ22,
24からの検波信号IF1,IF2を夫々増幅して、E
CU16に供給する増幅回路28,30とにより構成さ
れている。なお、高周波発振器20は、入力信号の電圧
値に応じて発振周波数が変化する電圧制御発振器からな
り、ECU16からの制御信号TXに応じて高周波信号
Sを周波数変調するように構成され、また、電力分配器
26は、側結合型の方向性結合器からなり、送信信号T
及びローカル信号L1,L2を出力する出力端側からの
信号が、互いに他の出力端に出力されないようにされて
いる。更に、送信信号Tは、送受信部10の送信素子3
6に供給されるように接続されている。
【0025】また、このアンテナ駆動回路14は、2次
元基板上に形成されており、電力分配器26の両側に第
1及び第2のミキサ22,24を配置し、電力分配器2
6の3方向の出力のうち、中心の出力を送信素子36に
送信信号Tを供給する出力端子に、両側の出力を夫々第
1及び第2のミキサ22,24に接続するように配線す
ることにより、ミリ波帯の信号、即ち高周波信号S、送
信信号T、受信信号R1,R2、ローカル信号L1,L
2を伝送する各伝送線路が、互いに交差することがない
ようにされている。
【0026】次に、開口面アンテナ6の送受信部10
は、図2に示すように、一面(裏面)全体に接地導体3
4が形成された誘電体基板32からなり、更に、この誘
電体基板32の接地導体34が形成されていない側の面
(表面)には、その略中央部に四角形の薄膜導体からな
る送信素子36が、また送信素子36の両側に同じく四
角形の薄膜導体からなる受信素子38,40が形成され
ている。
【0027】そして、各素子36,38,40には、所
定位置に夫々給電点36a,38a,40aが設けら
れ、夫々が周知の平面回路型共振素子を構成している。
なお、送信素子36は、各素子36,38,40の配列
方向に沿った幅(以後、単に横幅という)が、受信素子
38,40より広く形成されている。
【0028】このように構成された送信素子36では、
給電点36aから給電を受けると、配列方向に磁界成
分、これと直交する方向に電界成分を有する電磁界が生
起され、電磁波(レーダ波)が放射される。また受信素
子38,40では、これと同様のレーダ波が受信され、
給電点38a,40aから受信信号R1,R2が出力さ
れる。
【0029】また、送信素子36及び受信素子38,4
0からの送信ビーム及び受信ビームの幅は、素子に発生
する共振電磁界の磁界方向の幅,即ちここでは素子の横
幅により決定され、横幅が広いほど狭くなる。次に、図
3は、送受信部10と誘電体レンズ12との位置関係を
表す説明図である。
【0030】図3に示すように、送受信部10は、誘電
体レンズ12の焦点Fに送信素子36が位置するように
配設され、その結果、受信素子38,40は、焦点Fと
誘電体レンズ12の中心とを結ぶ中心軸Cに対称な位置
に配置される。そして、このように誘電体レンズ12と
送受信部10とを配置してなる開口面アンテナ6の特性
は、送信素子36及び受信素子38,40の横幅を適当
に設計することにより、図4に示すように、送信素子3
6による送信ビームSBが、受信素子38,40による
受信ビームRB1,RB2の略全領域をカバーするよう
に設定されている。
【0031】即ち、誘電体レンズ12における有効開口
幅を狭くすれば、誘電体レンズ12を介して外部に放射
されるビーム幅は広くなるので、送信素子36の横幅を
広くして送信素子36から誘電体レンズ12へのビーム
幅を狭くすることにより、誘電体レンズ12における有
効開口幅を狭くでき、延いては、送信ビームSBの幅を
広くできるのである。
【0032】なお、開口面アンテナ6は、当該レーダ装
置にて水平方向に位置する障害物の検出が可能なよう
に、車両への取付の際には、送受信部10の各素子3
6,38,40が水平方向に並ぶように配置される。次
に、ECU16は、CPU,ROM,RAMからなるマ
イクロコンピュータを中心に構成され、更に検波信号I
F1,IF2をデジタル値にして取り込むためのA/D
変換器を備えている。
【0033】ここで、ECU16のCPUにて実行され
る障害物検出処理を、図5に示すフローチャートに沿っ
て説明する。なお、ECU16では、この障害物検出処
理と平行して制御信号TXを生成する処理が行われてい
る。そして、この制御信号TXが入力されたアンテナ駆
動回路14では、開口面アンテナ6を介して、制御信号
TXに応じて周波数変調された高周波信号Sに基づきレ
ーダ波を放射すると共に、障害物までの距離を往復する
ことによる時間遅れと、障害物との相対速度による周波
数偏位とを受けた反射波を受信し、その受信信号R1,
R2と高周波信号Sを電力分配してなるローカル信号L
1,L2とをミキシングすることにより、この時間遅れ
に基づく周波数成分と、相対速度に基づく周波数成分と
からなる検波信号IF1,IF2を生成し、この検波信
号IF1,IF2をECU16に入力する。
【0034】そしてECU16において障害物検出処理
が起動されると、先ずステップ110にて、このように
して得られた検波信号IF1,IF2をA/D変換器に
てデジタル値に変換して一定期間蓄積し、所定数のデー
タが蓄積されると、ステップ120に移行し、蓄積され
たデータに対して高速フーリエ変換処理を施すことによ
り、周波数データを算出する。
【0035】続くステップ130では、検波信号IF1
から得られた周波数データに基づき、受信ビームRB1
の範囲内に障害物があるか否かを判断し、障害物あれば
ステップ140に移行する。ステップ140では、検波
信号IF2から得られた周波数データに基づき、受信ビ
ームRB2の範囲内に障害物があるか否かを判断し、障
害物があれば、障害物は受信ビームRB1,RB2が重
なり合うエリア存在するものとして、ステップ150に
移行する。
【0036】ステップ150では、周波数データに基づ
き、周知のFMCW方式にて、時間遅れによる周波数成
分と、相対速度による周波数成分とから、当該レーダ装
置が搭載された自動車と障害物との距離及び相対速度を
算出し、続くステップ160では、2つの検波信号IF
1,IF2に基づき、障害物の存在する方角を算出して
ステップ190に進む。
【0037】なお、方角を算出する方法としては、両信
号IF1,IF2の振幅差から求める振幅モノパルス方
式、また両信号IF1,IF2の位相差から求める位相
モノパルス方式等を使用することができる。一方、先の
ステップ130にて、受信ビームRB1の領域内に障害
物はないと判断された場合には、ステップ170に移行
して、先のステップ140と同様に、受信ビームRB2
の領域内に障害物があるか否かを判断し、この領域にも
障害物がなければ、障害物はないものとして、ステップ
110に戻る。
【0038】また、先のステップ140にて受信ビーム
RB2の領域内に障害物はないと判断されるか、或はス
テップ170にて受信ビームRB2の領域内に障害物が
あると判断された場合には、受信ビームRB1,RB2
のいずれかの一方のみに含まれる領域に障害物があるも
のとして、ステップ180に移行する。
【0039】ステップ180では、先のステップ150
と同様に、当該レーダ装置と障害物との距離及び相対速
度を算出し、ステップ190に進む。なお、この場合、
検波信号IF1,IF2のいずれか一方にしか反射波の
情報が含まれていないので、方角の検出はできない。
【0040】ステップ190では、ステップ150或は
ステップ180にて算出された距離、及び相対速度、ま
たステップ160が実行されている場合には更に方角に
基づいて、危険の有無を判断し、危険がなければ、その
ままステップ110に戻り、危険であると判断された場
合には、警報装置18を作動させ、運転者に危険を知ら
せた後、ステップ110に戻る。
【0041】以上説明したように、本実施例の障害物検
出用のレーダ装置においては、開口面アンテナ6が、誘
電体レンズ12と誘電体レンズ12の焦点付近に配置さ
れた送受信部10とからなり、しかも送受信部10にお
いて送信素子36と受信素子38,40とは別体に形成
されていることにより、単一の開口面でのレーダ波の送
受信が可能にされていると共に、送信素子36に供給す
る送信信号Tと受信素子38,40から出力される受信
信号R1,R2とを、別々の伝送線路を用いて入出力で
きるようにされている。
【0042】また、アンテナ駆動回路14では、2次元
回路基板上にて電力分配器26の両側に第1及び第2の
ミキサ22,24を配置することにより、電力分配器2
6と高周波発振器20,送信素子36,一対のミキサ2
2,24との間、及び一対のミキサ22,24と一対の
受信素子38,40との間の高周波信号S,T,L1,
L2,R1,R2の伝送線路が交差しないようにされて
いる。
【0043】従って、本実施例のレーダ装置によれば、
単一の開口面を有するアンテナにてレーダ波を送受信さ
せるために、従来装置のように送信信号Tと受信信号R
1,R2とを結合/分離させる必要がないので、アンテ
ナ駆動回路14を、サーキュレータ、即ち磁生体からな
る素子を用いることなく構成でき、しかもこのアンテナ
駆動回路14を平面回路にて構成できる。その結果、ア
ンテナ駆動回路14のモノリシック集積回路化が可能な
ため、延いてはレーダ装置を小型化できる。また、アン
テナ駆動回路14は、平面回路に構成され、即ち高周波
信号の伝送において損失の大きい伝送線路の交差がない
ように構成されているので、効率よくアンテナを駆動で
きる。
【0044】更に、本実施例においては、開口面アンテ
ナ6の送受信部10を構成する一対の受信素子38,4
0が、誘電体レンズ12の中心軸Cに対して対称な位置
に配置され、互いに異なった受信ビームRB1,RB2
を有し、しかもこの受信ビームは互いに重なり合う領域
を有するようにされている。
【0045】従って、本実施例のレーダ装置によれば、
障害物の検出の際に、受信ビームRB1,RB2が重な
り合う領域に障害物が存在した場合、モノパルス方式の
検出を行うことができ、単に、障害物との距離や相対速
度だけでなく、障害物の存在する方角も検出でき、高精
度な検出を行うことができる。
【0046】また、本実施例によれば、送信ビームSB
が、受信ビームRB1,RB2の略全域をカバーするよ
うにされ、受信ビームRB1,RB2を最大限に利用で
きるようにされているので、受信ビームRB1,RB2
の領域内に障害物があれば必ずこれを検出することがで
きる。
【0047】更に、本実施例では、送信素子36として
平面回路型共振素子を使用しているので、送信ビームS
Bのビーム幅を広げるには、何等特別な装置を追加する
ことなく、単に送信素子36に発生する共振電磁界の磁
界方向に沿った横幅を大きくするだけでよく簡単に実現
できる。
【0048】なお、上記実施例では、送信素子36の横
幅を大きくすることで、送信ビームSBのビーム幅を広
げるようにしているが、図6に示すように構成された送
受信部41を用いることにより実現してもよい。即ち、
送受信部41は、上記実施例の送受信部10と同様に、
誘電体基板42,接地導体44,送信素子46,受信素
子48,50からなり、このうち誘電体基板42が、送
信素子46が形成された中央部42aが、受信素子48
が形成された両側部42b,42cより、送信素子46
が形成された面側に向けて突出するように形成されてい
る。なお、各素子46,48,50は、すべて同じ大き
さに形成されている。
【0049】そして、図7に示すように、両側部42
b,42c上に形成された受信素子48,50を、焦点
Fを挟んで対称となる位置に配置することにより、両側
部42b,42cより突出した中央部42a上に形成さ
れた送信素子46を、焦点Fから誘電体レンズ12側に
ずれた位置に配置する。
【0050】これにより、誘電体レンズ12における送
信素子46の有効開口面積は、受信素子48,50に比
べて小さくなるので、誘電体レンズ12を介した送信素
子46の送信ビームは、受信素子48,50の受信ビー
ムより広いものとなる。つまり、誘電体基板42の中央
部42aと両側部42b,42cとの段差の大きさを適
度に設計することにより、図4に示すような、送信ビー
ムが受信ビームの全領域をカバーする特性を実現するこ
とができ、上記実施例と同様に、受信ビームを有効利用
できる。
【0051】なお、送信素子46を、焦点Fから誘電体
レンズ12から離れる側にずらして配置した場合でも同
様の効果が得られる。また、送受信部41において、送
信素子46の横幅を、受信素子48,50より大きく形
成してもよい。次に、上記実施例では、開口面アンテナ
6として、誘電体レンズ12を用いて構成されたものを
使用しているが、誘電体レンズ12の代わりに、例えば
ルーネブルグレンズ等を用いたその他のレンズアンテナ
や、誘電体レンズ12の代わりに反射鏡を用いたリフレ
クタアンテナ(例えばパラボラアンテナ等)を使用して
もよい。
【0052】また、アンテナ駆動回路14にて駆動され
るアンテナは、本実施例の開口面アンテナ6に限らず、
どのようなものでもよく、例えば、送信素子、受信素子
が夫々別の開口面を持つものや、アレイアンテナ等でも
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の障害物検出用レーダ装置の全体構成
を表すブロック図である。
【図2】 開口面アンテナ6の送受信部10の構成を表
す平面図、及び正面図である。
【図3】 送受信部10を構成する各素子36,38,
40の配置、及びその作用を表す説明図である。
【図4】 開口面アンテナ6の特性を表すグラフであ
る。
【図5】 ECU16にて実行される障害物検出処理を
表すフローチャートである。
【図6】 開口面アンテナ6の送受信部10の他の構成
を表す平面図、及び正面図である。
【図7】 送受信部41を構成する各素子46,48,
50の配置、及びその作用を表す説明図である。
【符号の説明】
6…開口面アンテナ 8…レーダユニット 1
0,41…送受信部 12…誘電体レンズ 14…アンテナ駆動回路
16…ECU 18…警報装置 20…高周波発振器 22,
24…ミキサ 26…電力分配器 28,30…増幅回路 32,
42…誘電体基板 34,44…接地導体 36,46…送信素子 38,40,48,50…受信素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 広 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−160804(JP,A) 特開 平6−77729(JP,A) 特開 平7−38332(JP,A) 特開 昭52−19047(JP,A) 特開 昭49−115792(JP,A) 特開 昭56−70480(JP,A) 実開 昭63−125408(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95 H01Q 3/00 H01Q 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信波を放射し、該送信波の反射波を受
    信する送受信部と、 上記送信波及び反射波を反射或は屈折させることによ
    り、上記送信波のビーム幅を絞ると共に上記反射波を上
    記送受信部に収束させる反射鏡或はレンズからなる変換
    器と、 を備えた開口面アンテナにおいて、 上記送受信部は、上記変換器の焦点位置付近に配設さ
    れ、 上記変換器の焦点及び上記変換器の中心を結ぶ中心軸上
    に位置する送信素子と、 受信ビームが互いに重なり合うよう上記中心軸に対して
    対称な位置に配置される一対の受信素子と、 からなり、 上記送信素子及び上記一対の受信素子が、誘電体基板上
    に薄膜導体を形成してなる平面回路型共振素子にて構成
    され、且つ、上記送信素子の共振電磁界の磁界方向の幅
    が、上記受信素子より広く設定されている ことを特徴と
    する開口面アンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の開口面アンテナにおい
    て、 上記送信素子を、上記変換器の焦点から上記中心軸方向
    にずらして配置することを特徴とする開口面アンテナ。
  3. 【請求項3】 送信素子を介して空間に放射するための
    高周波信号を生成する高周波発振器と、 一対の受信素子からの各受信信号に、上記高周波発振器
    の出力を夫々混合し検波する一対のミキサと、 上記高周波発振器の出力を、上記送信素子及び上記一対
    のミキサに供給するため3方向に電力分配する電力分配
    器と、 を備え、これらを2次元の回路基板上に形成してなるア
    ンテナ駆動回路において、 上記電力分配器の両側に上記各ミキサを配置し、該電力
    分配器の中心位置からの出力を上記送信素子に供給し、
    両側からの出力を上記一対のミキサに夫々供給すること
    により、上記電力分配器と上記高周波発振器,上記送信
    素子,上記一対のミキサとの間、及び上記一対のミキサ
    と上記一対の受信素子との間の高周波信号の伝送線路が
    交差しないように構成したことを特徴とするアンテナ駆
    動回路。
  4. 【請求項4】 所定の送信波を送出し該送信波の反射波
    を受信することにより、上記送信波の放射方向に位置す
    る物標の有無,或は位置を検出するレーダ装置であっ
    て、 請求項1又は請求項2に記載の開口面アンテナと、 請求項に記載のアンテナ駆動回路と、 を備え、上記アンテナ駆動回路により、上記開口面アン
    テナの送信素子及び受信素子を駆動することを特徴とす
    るレーダ装置。
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