JP3498141B2 - 光パルス評価方法、光パルス評価装置、及び光通信システム - Google Patents

光パルス評価方法、光パルス評価装置、及び光通信システム

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JP3498141B2 JP2001212009A JP2001212009A JP3498141B2 JP 3498141 B2 JP3498141 B2 JP 3498141B2 JP 2001212009 A JP2001212009 A JP 2001212009A JP 2001212009 A JP2001212009 A JP 2001212009A JP 3498141 B2 JP3498141 B2 JP 3498141B2
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憲介 小川
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J11/00Measuring the characteristics of individual optical pulses or of optical pulse trains

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、任意の偏光状態
にある光パルスの時間や周波数(波長)特性を解析する
偏波無依存光パルス評価装置及びこれを用いた光伝送シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】遅延時間および周波数または波長の関数
であるスペクトログラムを測定することにより光パルス
の時間・周波数特性を解析する技術として、周波数分解
光ゲート法(FROG:frequency-resolved optical g
ating)という方法が開発された。スペクトログラムか
ら被測定光パルスの強度と位相の時間変化あるいは周波
数(もしくは波長)変化を得ることができる。以上は、
レビュー・オブ・サイエンテイフィック・インスツルメ
ンツ1997年第68巻9号3277?3295ページ
(Review of scientific Instruments Vol.68、
No.9、pp.3277−3295、1997)、フィジ
カ・ステイタス・ソリデイ(シリーズb)1998年第
206巻119?124ページ(Physica Status Soli
di (b) Vol.206, pp.119−124、199
8)あるいはアイトリプルイー・ジャーナル・オブ・ク
アンタム・エレクトロニクス1999年第35巻4号4
21−431ページ(IEEE Journal of Quantum El
ectronics Vol.35、No.4、pp.421−431、
1999)に報告されている。
【0003】光ファイバー伝送時における微弱な超短光
パルスを高感度かつ高時間分解能で評価するための技術
として、半導体中における二光子吸収を光ゲートとして
応用したFROGが開発され、オプテイックス・エクス
プレス2000年第7巻第135?140ページ(Optic
s Express Vol.7、pp.135−140、200
0)に報告されている。この技術では、互いに直交した
直線偏光状態にあるプローブ光パルスとゲート光パルス
を共線上に二光子吸収媒質に入射してゲート光パルスと
プローブ光パルスとの遅延時間および周波数または波長
の関数としてスペクトログラム測定を行なう方法につい
て開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】長距離光ファイバー伝
送システムでは、光ファイバー中の複屈折によって生ず
る偏波混合や偏波モード分散が信号劣化に深刻な影響を
およぼすことが予想される。従って、光ファイバー中の
偏波混合や偏波モード分散が超短光パルス伝送に与える
影響を評価することは、超短光パルスを用いた長距離光
ファイバー伝送システムの性能向上には欠かせない。し
かし、半導体中における二光子吸収を光ゲートとして応
用したFROGを用いて光パルス評価を行なう従来の方
法では、被測定光パルスおよびゲート光パルスは直線偏
光状態に限定されるため、任意の偏光の光パルスに対し
て適用することはできず、偏波混合や偏波モード分散の
もとでランダム偏光化した光パルスや波形が歪んだ光パ
ルスの正確な評価は不可能である。
【0005】本願発明の目的は、信号のエラー発生率の
小さな光伝送システムを提供するにある。本願発明の別
な目的は、こうした光システムを提供するために有用な
光パルス評価装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明の代表的な第1
の形態は、被測定光パルスと4光波混合による光パルス
とを識別して被測定光パルスと4光波混合による光パル
スとの干渉によるノイズを除去し、任意の偏光状態にあ
る被測定光パルスのスペクトログラムを高感度で計測す
ると同時に、スペクトログラムを独立あるいは直交した
2つの偏光成分に分離することにより、偏波モード分散
に伴う光パルス特性を解析することを可能とした光パル
ス評価装置を提供する。
【0007】本願発明の代表的な第2の形態は、測定対
象として二光子吸収により強度が変化した被測定光パル
スと4光波混合により発生した第3の光パルスとを選択
することにより、測定感度の高い方法を選択することを
可能とした光パルス評価装置を提供する。
【0008】本願発明の光伝送システムは、前述の光パ
ルス評価装置を用いることによって実現することが出来
る。
【0009】即ち、本願発明の主形態は、二光子遷移の
効率が偏光に依存しない二光子遷移媒質を用意し、被測
定光パルスを偏波無依存ビームスプリッターで被測定光
パルス自身(プローブ光パルス)とゲート光パルスに分
割する。このゲート光パルスに可変の遅延時間を加えた
後、プローブおよびゲート光パルスを高効率二光子吸収
媒質に交差して入射する。そして、通過したプローブ光
パルス自身とプローブ光パルスとゲート光パルスとの4
光波混合により発生した、新たな光パルスを空間的に分
離することにより両者を識別した状態で、光ゲート機能
を発生させ、透過したプローブ光パルスもしくは4光波
混合による光パルスをスペクトル分解し光検出器で検知
する。この光検知によって、被測定光パルスの電界吸収
強度を遅延時間および周波数の関数として計測する。こ
うして、任意の偏光状態にある被測定光パルスの時間・
周波数特性の測定による評価が可能なようにした。
【0010】更に、被測定光パルスをプローブ光パルス
とし、被測定パルスとは独立した光パルスをゲート光パ
ルスとし、両光パルスを上記二光子遷移媒質に入射する
ことによっても、光パルスの評価を行なうことができ
る。この場合、ゲート光パルスとして強度および位相に
歪みのない光パルスを使用することができ、測定精度を
上昇することが可能である。更に、同時に、波長多重通
信などにおいて異なる波長成分の光パルスのスペクトロ
グラムを共通のゲート光パルスに対して一括して測定す
ることができる。
【0011】更に、プローブ光パルスとゲート光パルス
を上記二光子遷移媒質に共線上に入射し、プローブ光パ
ルスとはキャリア周波数が異なる参照光パルスとの干渉
によるビート周波数の相違を利用して被測定光パルスと
4光波混合による光パルスとを識別し、高感度光パルス
評価を行なうことができる。
【0012】本願発明の光通信システムの第1の形態
は、光パルスが伝播する光伝送線路と、波長分散もしく
は偏波モード分散を補償する素子と、当該光伝送線路か
ら光パワーの一部を分岐することにより、評価用光パル
スを取り出す部分と、当該評価用光パルスを取り出す部
分に接続された、請求項2より請求項8のいずれかに記
載の光パルス評価装置の少なくとも一者と、前記光パル
ス評価装置から出力される光パルスの波形の特性を読み
取ることにより、前記光伝送線路の波長分散及び偏波モ
ード分散の少なくとも一者を測定し、例えば、当該光伝
送線路の波長分散及び偏波モード分散の少なくとも一者
が最小となるように、前記波長分散及び偏波モード分散
の少なくとも一者を補償する素子において生ずる波長分
散及び偏波モード分散の少なくとも一者を制御する制御
部と、を有することを特徴とする光通信システムであ
る。
【0013】本願発明の光通信システムの第2の形態
は、波長多重伝送に関わるものである。即ち、それは、
波長多重された光パルスが伝送される波長多重伝送用光
伝送線路と、波長分散、偏波モード分散及び波長多重チ
ャネル間の伝播時間の少なくとも一者を補償する素子
と、当該光伝送線路から光パワーの一部を分岐すること
により、評価用光パルスを取り出す部分と、当該評価用
光パルスを取り出す部分に接続された請求項2より請求
項8のいずれかに記載の光パルス評価装置の少なくとも
一者と、前記光パルス評価装置から出力される光パルス
の波形の特性を読み取ることにより前記光伝送線路の波
長分散、偏波モード分散及び波長多重チャネル間のクロ
ストークの少なくとも一者を測定し、例えば前記光伝送
線路の波長分散、偏波モード分散及び波長多重チャネル
間のクロストークの少なくとも一者が最小となるよう
に、前記波長分散、偏波モード分散及び波長多重チャネ
ル間のクロストークの少なくとも一者を補償する素子に
おいて生ずる波長分散、偏波モード分散及び波長多重チ
ャネル間のクロストークの少なくとも一者を制御する制
御部と、を有することを特徴とする光通信システムであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】先ず、本願発明の原理を詳細に説
明し、次いで本願発明の具体的実施の形態を説明する。 <本願発明の基礎となる二光子吸収媒体を用いた光パル
ス評価の原理>超高速光ファイバー伝送システムおよび
超高速光エレクトロニクス素子を開発するには、光ファ
イバー中を伝送する光パルスおよび超高速光エレクトロ
ニクス材料・構造から出射される光パルスの評価を行な
うことが不可欠である。光パルスは、光波の正弦波振動
の振幅が限られた時間領域でのみゼロでない値を持つ状
態である。したがって、光パルスの評価を行なうには、
光パルスの強度と位相を求める必要がある。数式的に表
現すると、光パルスの電界E(t)は、時間tの関数と
して次式であらわされる。
【0015】
【数1】
【0016】 ここで、|E(t)|は光パルスの電界の
強度、iは虚数単位、fは周波数、φ(t)は位相であ
る。式(1)に基づくと、光パルスを評価することは、
|E(t)|およびφ(t)を求めその時間依存性を議論
することである。本発明では、歪みのない光パルスと
は、次の(i)および(ii)の特徴を持つ光パルスと
する。(i)|E(t)|がガウス型関数のような時間的に
対称で、かつ単峰性である。(ii)φ(t)が時間依
存性を持たない、すなわち一定である。逆に、歪みがあ
れば、|E(t)|は対称的でなくなり、いくつもピーク
を持つようになる。また、φ(t)は時間に依存するよ
うになり、次式のようにあらわされる。
【0017】
【数2】
【0018】 ここで、tの1次の係数φ ( )は群速
度、2次以上の係数φ ( )はn次の群速度分散に関係す
る量であり、φ SPM(t)は光パルスの自己位相変調
による位相シフトに対応する。通常、φ SPM(t)
は、|E(t)|の微分に比例する。これらの係数が大
きくなる程、光パルスの歪みは大きくなる。式(1)お
よび(2)より、光パルスを評価するために求めるべき
量は、|E(t)|、φ ( )φ ( )、およびφ
SPM(t)中の比例係数である。
【0019】光パルスの時間幅が1psよりも短い、す
なわちフェムト秒(1fs=10-1 5s)の時間スケー
ルでは、分光器と高速光検出器を組み合わせた電気的計
測器では追従できない。そこで、光パルス間の相関によ
る時間・周波数分解からスペクトログラムを測定し、ス
ペクトログラムから被測定光パルスの強度および位相を
再構築アルゴリズムにより再現する。これが、FROG
で用いられる解析手法である。
【0020】従来、二光子吸収で光ゲート機能を達成す
るには、100nJ程度の光パルスエネルギーが必要と
されていた。しかし、測定対象領域の波長に応じて、材
料および構造を選択することにより、100fJ以下の
パルスエネルギーもしくは1W以下のピークパワーに対
しても、光ゲート機能を実現することができる。
【0021】以下、図1に基づいて、二光子吸収を利用
した光ゲート機能に基づき、光パルスのスペクトログラ
ムを測定する原理について説明する。
【0022】被測定光パルスをビームスプリッターで被
測定光パルスであるプローブ光パルスおよびゲート光パ
ルスに分離する。図1に、プローブ光パルスのスペクト
ログラムを計測する装置の構成を、模式的に示す。
【0023】 時間・周波数分解の基本プロセスである
光ゲート機能を発生する媒体として、二光子吸収媒質1
を用いる。二光子吸収は、光カー効果と相補する非線形
効果で、非線形屈折率の虚部に依存する過程である(光
カー効果はその実部に依存する)。二光子吸収媒質1に
プローブ光パルス2およびゲート光パルス3を交差して
入射する。プローブ光パルス2の電界をE
probe(t)、ゲート光パルス3のパワーをI
gate(t−τ)とする。ここで、tおよびτは時間
および遅延時間をあらわす。ゲート光パルスのタイミン
グは、可変の時間遅延により掃引されている。二光子吸
収媒質中1で、プローブ光パルス2およびゲート光パル
ス3が時間的に重なっている部分がある時、両パルス間
で二光子吸収が発生し、プローブ光パルス2の透過強度
が減少する。二光子吸収パワーPTPAは式(3)であ
らわされる。
【0024】
【数3】
【0025】 ここで、βは二光子吸収効率である。な
お、二光子吸収媒質中1の入射面および出射面(透過
面)は無反射コートされ、反射および多重反射による干
渉は無視できるものとする。ゲート光パルスとして被測
定光パルスとは独立の光パルスを用いることもできる。
【0026】この方法では、ゲート光パルスに歪みのな
いパルスを用いることが可能となるため、測定精度を向
上することができる。ただし、被測定光パルスとゲート
光パルスとの間のタイミング同期をパルスの自己相関幅
の100分の1以下にしなければならない。よって、実
験室内の光学テーブル上で光路長補正が可能な長さの測
定サンプルに適用することが容易である。
【0027】入射する光パルスをプローブおよびゲート
光パルスに分離するような装置構成では、一定の入射パ
ワーに対して、ゲートおよびプローブ光パルスのパワー
が等しいように分離すると、PTPAが最大となる。ま
た、|Eprobe|に対する二光子吸収係数をできるだけ大
きくしたい場合は、ノイズレベルが信号の1/10以下
になる範囲内でゲート光パルスの方にパワーを分配する
ようにすれば良い。信号の特性に応じて、最適の分配比
のものを使用する。ゲートおよびプローブ光パルスへの
パワーの分配比は、ビームスプリッターの反射および透
過率を変化させることによって行なう。例えば、光パル
スのエネルギーが1pJ以下の場合、分配比を1:1に
設定する。また、光パルスのエネルギーが1pJよりも
高い場合、プローブ光パルス自身の二光子吸収を除去す
るため、プローブ光パルスへのパワー分配をノイズレベ
ルの100倍以上の限度内で制限する。分配比を選択す
るには、反射および透過率の異なるビームスプリッター
に逐次交換する。後者は使い勝手に優れるが、使用する
光学部品の総厚みが増すため、光学部品の分散によるパ
ルス幅拡がりが問題となる場合がある。
【0028】 本願発明の光パルス評価装置では、原理
から明らかなように、二光子遷移による透過率変化もし
くは光パルス発生を生じさせる媒質からなる構造体の一
部あるいは全体を構成する要素の基礎吸収端周波数が、
任意の偏光状態にある被測定光パルスの中心周波数の2
倍以下であり、かつ当該中心周波数と被測定光パルスの
スペクトルの半値全幅周波数の和以上となるように構成
される。前記二光子吸収媒質1は、測定対象の光パルス
の周波数帯で効率が高いものを選ぶ。波長1300nm
〜1600nmの光通信領域では、InP結晶を用いる
と、厚み300μm以下の面型の形状で無反射コートす
ることにより、1pJのエネルギーの光パルスのスペク
トログラムが測定できる。波長1500nmでは、この
光パルスエネルギーは、光子数にして約7.5x10
個に対応する。InP結晶の二光子吸収効率が高い理由
は、双極子能率の高い一光子直接遷移が中間状態に近い
ためであると考えられる。二光子吸収の効率をさらに上
げるため、光パルスは二光子吸収媒質上で集光されるよ
うにする。集光ビーム径は2〜5μmとする。測定対象
となる光パルスの強度が弱い時、例えば、パルスエネル
ギーが100fJ以下もしくはピークパワーが1W以下
であるとき、測定感度を向上するには、以下で説明する
構造の二光子吸収媒体を用いて光増幅を同時に行なえば
良い。それには、光あるいは電流注入により利得を生ず
るためのポンプ源7が必要となる。以下で説明するよう
に、100mAの電流注入により長さ200μmのIn
GaAs/InP量子井戸光導波路構造において光増幅
を行なった場合、プローブ光パルス2およびゲート光パ
ルス3のパルスエネルギーをおのおの50fJとする
と、二光子吸収媒質1おけるプローブ光パルス2の電界
吸収強度は入射時の電界強度の10%、パワーに換算す
ると19%となる。それにともなう検出器6での検出電
圧の変化分は、波長1500nmで5mV以上である。
検出電圧のノイズレベルは50mV以下とすることがで
きるので、S/N比は100:1以上となる。
【0029】図2および図3に、二光子吸収媒質1で生
ずる過程を、バンド構造図を用いて模式的に示す。二光
子吸収媒質がInPのような固体の場合、二光子遷移は
価電子帯と伝導帯の間で起こる。図2に、価電子帯の頂
上および伝導帯の底の状態をおのおの|0>および|1>
とし、遷移過程を矢印で示した。図2で対象とする媒質
の場合、バンドギャップエネルギーは被測定光パルスの
一光子エネルギーよりも高く二光子エネルギーよりも低
い。まず、ゲート光パルスによる遷移8で中間状態|m
>への遷移が起こる。バンドギャップ内では定常状態は
存在せず、無限小の寿命の仮想状態のみが存在する。寿
命が無限に小さいことが、超高速の光ゲート機能を可能
としている原因である。中間状態|m>から伝導帯への
遷移が、プローブ光パルスによる遷移9として生ずる。
逆に、プローブ光パルスによる遷移が価電子帯から中間
状態、ゲート光パルスによる遷移が中間状態から伝導帯
への遷移となっても、得られる応答は同じである。前者
および後者の過程は、物理的には縮退している。
【0030】 二光子吸収媒質の厚みまたは長さは、媒
質の群速度分散による光パルスの拡がりが入射する光パ
ルスのスペクトル幅および自己相関幅と比較して、無視
できる程度(1/50以下)に抑える必要がある。それ
には、例えば、K. Naganuma and H. Yasaka(IEE
E J. Quantum Electron.Vol.27、pp.1280
-1287、(1991))が記述しているような分散測
定を行ない、媒質長の上限の目安を得る必要がある。I
nP結晶を用いる場合、波長1500nmにおいてスペ
クトル幅20nm、自己相関によるパルス幅100fs
の光パルスでは、厚みは300μm以下にする必要があ
る。
【0031】 二光子吸収は3次の非線形光学効果であ
り、3次の非線形係数の虚部(吸収)が関与する。しか
し、吸収係数が強度依存性を持つと、実部である屈折率
にも強度依存性があらわれ、屈折率が光パルスの強度の
時間変化に応じて変化する。屈折率が時間変化すること
は、光路長が時間変化しているのと等価であり、光波の
ドップラーシフトによる光パルスのスペクトル変調が生
じ、出射する光パルスのスペクトルは入射パルスのもの
とは異なってくる。この自己位相変調と呼ばれる効果
は、非線形光学効果を光ゲートに用いる限り不可避であ
るが、光パルスのエネルギーを抑えることにより、低減
することができる。透過するプローブおよびゲート光パ
ルスのスペクトルを入射前と比較し、ノイズレベルの範
囲内で変化がないように、入射パルスエネルギーを調整
する。この点に関して、InP結晶を使用する場合のパ
ルスエネルギー上限の目安は、集光ビーム径が2μm
μmでは100〜500pJである。ところで、二光
子吸収媒質がInP系材料で、同時に光増幅を行なう場
合、この上限の目安値は利得に反比例する。
【0032】光増幅を同時に行なう場合、増幅媒質を同
時に埋め込む必要がある。増幅媒質では、価電子帯の頂
上|0'>と伝導帯の底|1'>とのバンドギャップは図3
のように、一光子エネルギーよりも小さいことが必要で
あり、利得領域10のなかにある。利得エネルギー幅D
gainおよび利得領域のエネルギー位置は、被測定光パ
ルスのスペクトル幅に対応するエネルギー領域をカバー
するように設定する。二光子吸収は増幅媒質の中でも起
こり得る。その場合、伝導帯内の仮想状態を中間状態|
m'>として、ゲート光パルスおよびプローブ光パルス
による遷移8および9が起こる。
【0033】 二光子吸収媒質1の構造について、3通
りの場合を図4、図5、および図6に示す。増幅をとも
なわない場合、図4のように二光子吸収体11の入射面
12および透過面13をおのおの反射防止コートしたも
のを用いる。二光子吸収体11として、上述の光通信帯
では、厚み200μmのInPを用いる。異なる波長領
域では、一光子エネルギーよりも大きく二光子エネルギ
ーよりも小さいもので、二光子吸収の効率が高いものを
使用する。たとえば、波長800nm〜1000nm付
近では、GaAs、ZnSe、In1−xAlAsや
In1−xGaPが適当である。対象とする波長に応
じて、組成比1−x:xを設定する。尚、図中、inは
光の入射、outは光の出射を示す。以下の図において
も同様である。
【0034】増幅媒質をともなう場合に用い得る例を図
5および図6に示す。図の各々が面型、及び導波路型の
構造である。光通信帯では、In1-xGaxAs/InP
量子井戸が面型構造として適当である。50周期積層し
たものを用いる。
【0035】図5で、二光子吸収層14および増幅層1
5は、おのおの主としてInPバリアおよびIn1-x
xAs量子井戸である。ただし、量子井戸層でも二光
子吸収は同時に生ずる。ここで、x=0.47で、In
Pと格子整合している。波長1500nmでは、量子井
戸の厚みは7nm、バリアは10nmの厚みとする。利
得を生ずるために光注入16を行なう。入射面および透
過面は、図4と同様に反射防止コートする。
【0036】単一モード光導波路型の場合を、図6に例
示した。活性領域17は、図5と同じIn1-xGaxAs
/InP量子井戸である。ただし、5周期とする。量子
井戸を増幅媒質とするため、電流注入18を行なう。導
波路中には、電流注入方向にPIN接合が形成されてい
る。この構造は、半導体導波路型光増幅器として機能す
る。プローブおよびゲート光パルス入射によって利得飽
和が生じないよう、注入電流レベルを調整する。入射面
および透過面は、内部反射を低減するため、導波路中の
光の進行方向に垂直な面から傾斜させており(q=5
°)、図4と同様に反射防止コートする。導波路長は、
200mmである。
【0037】 測定される特性について、図7に概要を
示す。測定する物理量は、プローブ光パルスの二光子吸
収による電界吸収強度|A(f、τ)|で、周波数fおよ
び遅延時間τの関数となっている。周波数fおよび遅延
時間τを繰り返し掃引するが、遅延時間よりも周波数を
高速に掃引するものとする。その場合、ある一定の遅延
時間に対し、|A(f、τ)|が測定される。
【0038】 その際得られる波形は、図7の左のグラ
フとなる。次々と遅延時間を変えながら、|A(f、
τ)|を測定することにより、時間・周波数分解された|
A(f、τ)|の特性が図1Gの右のグラフとして得ら
れる。ところで、スペクトログラムS(f、τ)は、図
7内に示した表式であらわされる。
【0039】
【数4】
【0040】この表式は、S(f、τ)は|A(f、
τ)|に比例するため、プローブ光パルスの二光子吸収
における電界強度の時間・周波数分解データから、被測
定光パルスの時間・周波数特性が得られる。これを従来
技術のように強度と位相に再構築することによって、光
パルスの評価を行なうことができる。 <被測定光パルスとゲート光パルスを二光子吸収媒質に
共線上に入射させた技術の難点> ところで、測定感度を向上する方法として、従来、ゲー
ト及びプローブ光パルスを同軸上に重ねた、共線上配置
が採用されている。しかし、共線上配置では、従来、無
視されていた問題が発生することに注意し、それへの対
策を施す必要がある。その問題とは、二光子遷移で励起
された状態が、位相攪乱を受けないコヒーレントな状態
を形成し、他の光パルスに誘導されて、基底状態に緩和
する際に、第3の光パルス、即ち、4光波混合による光
パルスを発生することに起因する。例えば、ゲート光パ
ルスの二光子遷移によって生じたコヒーレントな状態
が、プローブ光パルス(被測定光パルス)の電界に誘導
され、4光波混合による光パルスが発生する。この4光
波混合による第3の光パルスは、プローブ光パルスと同
じ偏光状態にある。共線上配置では、この第3の光パル
スは、プローブ光パルスと同方向に伝搬するため、互い
に干渉し、ノイズが発生してしまう。これまで、コヒー
レントな状態が生ずる割合は、低いとみなされ、二光子
吸収と4光波混合の競合によるノイズは、無視されてい
た。しかし、4光波混合による第3の光パルスの強度
は、二光子吸収によるプローブ光パルスの強度変化分の
絶対値と同程度になることがわかった。そこで、感度向
上のため、共線上配置を採用すると、プローブ光パルス
と、4光波混合による第3の光パルスとを識別するため
の、新たな手段を設ける必要がある。本願発明では、新
たに、参照光パルスを用いて、参照光パルスとの干渉に
より生ずるビート周波数の相違により、プローブ光パル
スと第3の光パルスを識別する手段を提供する。これに
より、共線上配置による従来の微弱光パルス評価技術に
おいて発生する、プローブ光パルスと4光波は混合によ
る第3の光パルスとの干渉によるノイズを除去すること
が出来る。 <実施の形態1> 先ず、任意の偏光状態にある被測定光パルスをプローブ
およびゲート光パルスとして使用する構成により、スペ
クトログラムを測定する例および偏波無依存スペクトロ
グラム計測の原理について、図8および図9に基づいて
説明する。図8は本例の光パルス評価装置の構成例を示
す図、図9は二光子吸収過程(a)及び4光波混合の場
合(b)の量子過程を説明する図である。前記被測定光
パルスの仕様は、中心波長1550nm、パルス幅20
0fs、スペクトル幅15nm、パルスエネルギー10
pJ、パルス繰り返しレート10GHzである。
【0041】任意の偏光状態にある被測定光パルス10
1を偏波無依存ビームスプリッター102で被測定光パ
ルスであるプローブ光パルス103およびゲート光パル
ス104に分離する。偏波無依存ビームスプリッター1
02の仕様は、波長1550nmでs偏光およびp偏光
の透過および反射率がともに48%(誤差±1%)であ
り、1550nmを中心として波長幅50nmの範囲内
でsおよびp偏光に対する透過および反射率変動が5%
以内である。ゲート光パルス104には、前後に並進駆
動する偏波無依存ルーフ型レトロレフレクター105を
通して、可変の遅延時間を加える。ロックイン検出によ
る背景成分除去とノイズ低減のため、プローブ光パルス
103およびゲート光パルス104のおのおの光強度変
調器106および107、もしくはゲート光パルス10
4のみを光強度変調器107で変調する。ゲート光パル
スの残留光強度が強く、それによる背景の成分が測定上
問題となる場合には、両パルスを変調し、そうでない場
合は、ゲート光パルス104のみを変調すれば良い。前
者の場合、変調電気周波数は、プローブ光パルス103
およびゲート光パルス104に対して、おのおの102
0kHzおよび850kHzとした。ロックイン検出の
参照電気周波数(ref.)は差周波である170kH
zとした。ゲート光パルス104のみの変調では、変調
電気周波数および参照電気周波数ともに170kHzと
した。図8の略上半分は二光子相関光学系を示すもので
あり、記号Mは偏波無依存全反射ミラーをあらわす。
【0042】プローブ光パルス103およびゲート光パ
ルス104を、集光レンズ108を通して集光し、二光
子遷移媒質109に入射する。集光レンズ108は、焦
点距離10mmの非球面レンズである。集光ビーム直径
は、10μmである。二光子遷移媒質109は、入射お
よび出射面に無反射被覆を施した厚み0.3mmのIn
P結晶である。プローブ光パルス103およびゲート光
パルス104の入射角が、無反射被覆したInP結晶の
表面に対する法線からおのおの5度以内であれば、二光
子遷移のほぼ偏波無依存である(変化分6%以内)。無
反射被覆のため、二光子遷移媒質109からの反射は無
視できる。
【0043】透過したゲート光パルスはビームブロック
111により遮蔽する。他に出射する光パルスとして、
通過プローブ光パルス112および4光波混合による第
3の光パルス113がある。
【0044】通過プローブ光パルス112は二光子遷移
媒質109中の二光子吸収により強度変化している。図
9の(a)に、通過プローブ光パルス112の強度変化
の原因となる二光子吸収過程を模式的に示した。ゲート
光パルス201およびプローブ光パルス202が同時に
入射すると二光子吸収が生じ電子が初期状態|0>から
終状態|1>へと遷移する。中間状態|m>は仮想状態で
ある。つまり、中間状態付近の波長あるいは周波数帯に
は、実状態はなく、一光子による遷移は生じない。ただ
し、中間状態の波長もしくは周波数が二光子遷移媒質中
の一光子遷移による基礎吸収端の波長もしくは周波数に
近い程、二光子遷移の効率は上昇する。ただし、あまり
に近いと、一光子による実励起や多体効果による吸収端
シフトが発生し、光ゲート機能が損なわれる。効率良い
二光子遷移による光ゲート機能を得るための目安は、二
光子遷移媒質の基礎吸収端周波数が入射する光パルスの
中心周波数の2倍以下であり、かつ光パルスの中心周波
数とスペクトルの半値全幅周波数を10倍した値との和
以上となることである。なお、ゲート光パルス201と
プローブ光パルス202とが図9の(a)で上下入れ代
わっても、生ずる現象は等価である。二光子遷移媒質の
厚みを決めるには、二光子遷移媒質中の波長分散により
光パルスが拡がらないことを確認する。
【0045】4光波混合により第3の光パルス113が
発生する過程を、図9の(b)に模式的に示した。ゲー
ト光パルス203により、初期状態|0>から仮想中間
状態|m>を介して終状態|1>への二光子遷移が生ず
る。終状態のコヒーレンスが保持されている場合、プロ
ーブ光パルス204に誘導された初期状態への輻射緩和
が発生し、第3の光パルス205が発生する。プローブ
光パルス204と第3の光パルス205が上下入れ代わ
っても、過程は等価である。室温にある二光子遷移媒質
では、終状態のコヒーレンスが保持される時間は極めて
短く、パルス幅100fs程度では、実質的には、ゲー
ト光パルス203とプローブ光パルス204が同時に入
射した時のみ、コヒーレンスが保持される。このこと
は、当該4光波混合が超高速光ゲートとして機能するこ
とを示している。ここで記述した二光子吸収と4光波混
合は競合する過程である。ゲート光パルスとプローブ光
パルスの強度が同程度である場合には、両者の過程は同
程度に達し得る。ただし、4光波混合は、終状態のコヒ
ーレンスが要求されるため、二光子吸収よりは強度が低
いのが一般的である。よって、二光子吸収による強度変
化を受けたプローブ光パルス112を測定対象光パルス
として使用する方が、感度は高くなる場合が多い。ただ
し、二光子吸収強度の測定では、プローブ光パルス11
2の透過強度をロックイン検出により除去する必要があ
り、透過強度の残留ノイズによる感度劣化の恐れがあ
る。このような感度劣化は、被測定光パルスがペデスタ
ルのようなノイズとなる残留背景成分を含んでいる場合
に深刻になる。ペデスタルによる背景ノイズが問題とな
るような場合は、4光波混合による第3のパルス113
を測定対象光パルス114としてもよい。但し、図9の
(a)の過程では、スペクトログラムの遅延時間軸の符
号が反転することに注意する必要がある。また、4光波
混合では透過光の背景成分がないため、光検出感度が高
い場合には、ロックイン検出を行なう必要が無い。その
場合、光強度変調器およびロックインアンプを除いた構
成により、光パルス評価を行なうことができる。この場
合、ロックインアンプにおける信号積分時定数による掃
引時間制限がないので、遅延時間およびスペクトル掃引
系が応答する限り、高速掃引することができる。
【0046】偏波モード分散の影響を解析する場合に
は、偏光分離素子115を用いて、測定対象光パルス1
14の特定の偏光成分のみを取り出す。偏光分離素子の
偏光軸を回転させることにより、独立もしくは直交した
偏光2成分に対するスペクトログラムを測定すれば、偏
波にともなう光パルス特性の違いを調べることができ、
偏波モード分散に関する評価が可能となる。偏光成分に
分解することなく全偏光成分を測定する場合には、偏光
分離素子115を測定対象光パルスの光路より除けば良
い。ここでは、偏光分離素子115として直線偏光子を
用い、直交する2成分の直線偏光に対するスペクトログ
ラムを測定し、偏光依存性を解析する。
【0047】図8の下部は、波長分散部を示している。
測定対象光パルスの一部のあるいはすべての偏光成分
は、集光レンズ116により波長分散部の入射スリット
117上に集光される。入射スリット117を通過した
測定対象光パルス114は、入射側球面ミラー118に
より平行光束となって偏波無依存回折格子119上で波
長分散される。波長分散された測定対象光パルス114
は、出射側球面ミラー120によって、回転ミラー12
1で反射され、出射スリット122上に波長分散像とし
て結像される。回転ミラー121は、1軸周りに反復回
転運動するモーターの回転軸に、回転軸の中心を含んで
それに平行な面内に反射面を持つよう、偏波無依存全反
射平板ミラーを取り付けたものである。出射側球面ミラ
ー120で反射された測定対象光パルス114の進行方
向の中心軸と回転ミラー121の回転軸が直交する状態
で、回転ミラー121を固定する。当該ミラーの回転と
同期して出射スリット122を通過する測定対象光パル
ス114の強度を光検出器123で検知することによっ
て、波長掃引にともなう光強度変化測定を行なうことが
できる。光検出器123からの検出電気信号をロックイ
ンアンプ124に入力し、光強度変調器106および1
07からの参照電気周波数(ref.)に対してロック
イン検出を行なう。ロックインアンプ124における積
分時定数は、0.1msとした。ロックインアンプ12
4からの出力電圧を波長基準信号(λ−base)およ
び遅延時間基準信号(τ−base)の関数として測定
することによりスペクトログラムが得られる。ロックイ
ンアンプ124からの出力信号は、測定対象光パルス1
14が通過プローブ光パルス112の場合には、二光子
吸収強度に比例する。測定対象光パルス114が4光波
混合による第3の光パルス113の場合には、4光波混
合による過渡回折光強度に比例する。表示解析部125
は、スペクトログラムのリアルタイム表示と、スペクト
ログラムから光パルスの強度および位相の時間変化と波
長(または周波数)変化を算出する作業を担う。波長基
準信号は、回転ミラー122の回転軸に取り付けられた
角度センサーの出力信号を波長に変換・構成することに
より得られる。遅延時間基準信号は、偏波無依存ルーフ
型レトロレフレクター105の並進駆動部に取り付けら
れた位置センサーの出力信号を遅延時間に変換・構成す
ることにより得られる。掃引レートは、波長掃引は80
Hz、遅延時間掃引は0.56Hzである。よって、
1.8秒毎に1フレームのスペクトログラムを取得する
ことができる。ピクセル数は、波長、遅延時間とも12
8である。4光波混合を光ゲートとして用いた測定で、
ロックイン検出を使用しない場合、積分時定数による掃
引時間の制約が無く、0.1秒毎に1フレームのスペク
トログラム取得が可能である。 <実施の形態2>被測定光パルスのエネルギーが低く、
スペクトログラム測定が困難な場合、二光子遷移媒質と
同時に光増幅媒質を設けることにより、測定感度を上昇
させることができる。光増幅媒質は、波長1550nm
では、例えば厚み10nmのIn 0.53Ga0.47As量子
井戸がある。この量子井戸に電流注入あるいは光注入す
ることにより、反転分布を生じさせると、当該波長領域
での増幅媒質として機能する。又、同じ波長領域に基礎
吸収端を有するInGaAsP4元化合物薄膜を用いる
こともできる。増幅媒質が存在する場合の電子状態図を
図10に示した。InP二光子遷移媒質の初期状態|0
>、仮想中間状態|m>、終状態|1>に対して、光増幅
領域301は仮想中間状態|m>を含む領域(図内に斜
線で示される)に分布する。光増幅領域301の波長幅
Δλを被測定光パルスの波長幅の3倍以上確保すること
により被測定光パルスのスペクトル形状が保存された状
態で増幅される。また、光増幅媒質の利得が飽和しない
ように注意する必要がある。利得が飽和すると、被測定
光パルスの波形が歪み、正確な測定ができなくなる。
【0048】光増幅媒質を含んだ二光子遷移遷移媒質の
斜視図を、図12および図13に示した。図11は、こ
れと比較する為に示した光増幅媒質を含まない場合の媒
体の斜視図である。光増幅媒質を含まない場合は、二光
子遷移媒質は、例えば実施の形態1で述べた無反射被覆
を施したInP結晶400である。光増幅媒質を含む面
型構造を模式的にあらわしたものが図12である。これ
は、InP結晶(厚み0.2mm)400上に光増幅媒
質を含む層403を積層したものである。光増幅媒質を
含む層403を入射面側にする。尚、入射面および出射
面は、図11と同じく、無反射被覆を施してある。光増
幅媒質を含む層403の具体例は、厚み10nmのIn
0.53Ga0.47As量子井戸と基礎吸収端波長が1250
nmにあるInGaAsP(厚み10nm)をバリアと
して50周期積層したものである。この構造に、励起光
源406からの励起光407を入射することにより、図
10の仮想中間状態を中心とした領域に利得を生ずるこ
とができる。励起光源406には、波長980nm付近
で発振するレーザーダイオードを用いた。この構造を、
実施の形態1で記述した二光子遷移媒質109の代わり
に用いることにより、測定感度を10倍上昇させること
ができる。
【0049】同様の感度上昇は、図13に示したスラブ
型構造を用いても可能である。光増幅媒質を含む層40
8には、中央に5周期の厚み10nmのIn0.53Ga
0.47As量子井戸/基礎吸収端波長が1250nmにあ
るInGaAsP(厚み10nm)バリア対を含んだ光
導波層を用いる。尚、符号400はInP結晶である。
光注入により利得を発生する場合には、励起光源411
からの励起光412を用いる。励起光源411の仕様は
図12と同じものを用いる。光導波電流注入により利得
を生ずる場合には、光導波層は電流注入接合を形成して
いることが必要で、これらの層を積層した基板であるI
nP結晶は、導電性のものを用いなければならない。光
増幅媒質を含む層408の上面に電流注入源413から
の電流注入用リード線414を接続する。基板裏面はア
ース接続するスラブ構造の入射面および出射面は無反射
被覆を施す。実施の形態1で説明したように、プローブ
光パルス409およびゲート光パルス410は横方向す
なわち基板面に平行な面内で交差して入射し、通過プロ
ーブ光パルスおよび4光波混合による第3の光パルスを
取りだせるようにスラブ導波層の横方向の幅を決める必
要がある。図12におけるスラブ導波層の横方向の幅
は、長さ0.2mmの構造では、0.04mm以上必要
である。
【0050】以上で述べた光増幅媒質を含む層におい
て、増幅媒質となるInGaAs量子井戸が無く、In
GaAsPバリアのみでも測定感度は上昇する。その理
由は、InGaAsPバリアの基礎吸収端波長がInP
よりも長波長側にあり、被測定光パルスの中心波長に近
いため、仮想中間状態を介した遷移における振動子強度
が増加するためである。よって、InP基板上に上記バ
リアとして用いたInGaAsPを厚み1μm程度積層
するだけでも、測定感度上昇が達成される。 <実施の形態3>ゲート光パルスとしてプローブ光パル
スとは異なる光パルスを用いる場合について、図14に
基づいて説明する。ゲート光パルス501は被測定光パ
ルスであるプローブ光パルス502と同じ繰り返しレー
トであることが必要である。そのため、被測定光パルス
の繰り返しレートをクロック抽出し、そのクロックを用
いてゲート光パルス501を発生させる。被測定光パル
スの時間幅が広い場合(例えば10ps以上)、あるい
は、被測定光パルスが独立したパルスが連なった状態に
なっているような場合、実施の形態1のようにゲート光
パルスとして被測定光パルスを使用していたのでは、ス
ペクトログラムが複雑となって、光パルス特性の解析が
困難となる。このような場合、ゲート光パルス501に
フーリエ変換極限にある単一の超短光パルスを用いて、
図14の構成を用いた装置でスペクトログラムを計測す
れば、光パルス特性の解析が容易になる。欠点は、測定
時間分解能が被測定光パルスからのクロック抽出の精度
に依存するこという点である。ゲート光パルス501が
プローブ光パルス502とは独立しているため、偏波無
依存ビームスプリッターを必要としない。それ以外の部
分は、図8の装置構成と同じであり、実施の形態2で述
べた感度向上の方法が適用できる。 <実施の形態4>実施の形態1から3において説明した
偏波無依存光パルス評価装置を、光ファイバー伝送路を
伝搬する光パルスの評価に使用した事例について、図1
5より図17に基づいて説明する。図15は本例の光フ
ァイバ伝送路での光パルス評価の構成例を示す図、図1
6は光パルスの時間波長特性と偏光成分との関係例を示
す図、図17は波長多重通信の場合の光ファイバ伝送路
での光パルス評価の構成例を示す図、図18は光パルス
の遅延時間と波長との関係を示す図である。
【0051】図15は、実施の形態1において説明した
構成の装置を用いる場合であり、ゲート光パルスは、被
測定光パルスを偏波無依存ビームスプリッターを通して
生成する。光ファイバー伝送路601は、分散補償単一
モード光ファイバー、分散シフト単一モード光ファイバ
ーおよび標準分散の単一モード光ファイバーを接続した
総延長100kmの伝送線路であり、トータルの群速度
分散はゼロであり、非線形効果による光パルス変形も抑
圧されている。この伝送路では、波長分散は3次項によ
って支配される。また、距離が長いため、偏波モード分
散の影響が無視できない。長距離伝送では、光ファイバ
ー中の損失による光パルスエネルギーの低下も著しいた
め、スペクトログラム測定前に光増幅器602で光パル
スを波形の変化無く増幅しておく。損失が問題とならな
い場合は、光増幅器602は省略して良い。光ファイバ
ー接続部603で被測定光パルスを平行光束とし、スペ
クトログラム測定解析部604に入射する。スペクトロ
グラム測定解析部604の構成は、図8に示したもので
ある。感度向上のため、二光子遷移媒質には、図12の
構造を採用した。偏光分離素子を使用しない測定から、
光ファイバー伝送路601を伝搬した光パルスは、2成
分あり、おのおの主として3次の波長分散により放物線
状に波形が歪むことがわかる。また、偏光分離素子であ
る直線偏光素子を90度回転して、直交する2成分の直
線偏光に対するスペクトログラムを測定した。その結
果、光パルスの時間波長特性は偏光成分によって分離さ
れ、波長分散と同時に偏波モード分散による波形歪みが
評価できる。図16の例では、偏波が直交するとパルス
成分が遅延時間軸上で完全に分離していることから、1
次の偏波モード分散によることをしめしている。この方
法は、2次の偏波モード分散の評価にも有効である。そ
の場合、偏波が異なるにともない、波長成分が異なるこ
とにより判別される。
【0052】図17に示したものは、各チャンネルの波
長がλ1〜λNと異なるN個の光パルスが伝搬する波長多
重光ファイバー伝送路701におけるパルス伝搬特性を
評価するための構成である。波長多重光パルス列は、実
施の形態3において述べた、独立したパルス列が連なっ
て被測定光パルスを構成する場合に相当する。そこで、
ある1チャンネルの光パルス(例えば、λ1)のエネル
ギーの一部をクロック参光パルス抽出用ポート702か
ら抽出し、クロック光パルス抽出用光ファイバー703
を通じて、ゲート光パルス発生部704に入射し、チャ
ンネル1のパルスからフーリエ変換極限の光パルスをゲ
ート光パルスとして生成し、ゲート光パルス入力用光フ
ァイバー705を通してゲート光パルス用光ファイバー
接続部706で平行光束として、スペクトログラム測定
解析部709に入射する。スペクトログラム測定解析部
709は、実施の形態3に記述の構成である。一方、波
長多重光パルスからなる被測定光パルスは、強度が弱い
場合には光増幅器707で光パルス波形の歪みが無いよ
うに強度増幅し、被測定光パルス用光ファイバー接続部
708で平行光束として、スペクトログラム測定解析部
709に入射する。この構成によって、各チャネル毎の
光パルスの群速度分散や偏波モード分散による時間波長
特性の違いや、チャンネル間パルス遅延を評価すること
ができる。 <実施の形態5>以上の実施例では、二光子吸収と4光
波混合による光ゲート動作を区別するために、ゲート光
パルスおよびプローブ光パルスを二光子遷移媒質に交差
して入射し、通過プローブ光パルスと4光波混合による
第3の光パルスとを空間分離させていた。しかし、交差
入射では、ゲートおよびプローブ光パルスのビーム重な
りが二光子遷移媒質中の一部に限られてしまい、光ゲー
トの効率を増して測定感度を上昇させるのが困難であ
る。そこで、ゲートおよびプローブ光パルスを同軸線上
に入射し、二光子遷移媒質全領域でゲートおよびプロー
ブ光パルスを相互作用させて光ゲート効率を増大させた
配置で高感度評価を行なう事例について、図19に基づ
いて説明する。本事例では、通過プローブ光パルスと4
光波混合による第3の光パルスの分離は、空間上ではで
きない。そこで、光周波数シフターを通した後に参照光
パルスと干渉させ、干渉による生ずるビート周波数の違
いにより分離する。
【0053】被測定光パルス801を光周波数シフター
802に通し、参照光パルス803を取り出す。光周波
数シフター802は、例えば音響光学結晶を使用したも
ので、測定するスペクトル域で偏波依存性が無いものを
選ぶ。参照光パルス803のキャリア周波数は、80M
Hzだけ上方シフトする。光周波数シフター802を通
過した被測定光パルスを別の光周波数シフター804
(802と同等のもの)に通して、プローブ光パルス8
05とゲート光パルス806に分離する。プローブ光パ
ルスのキャリア周波数は、81MHzだけ上方シフトす
る。ゲート光パルス806は、光強度変調器807によ
り周波数170kHzで強度変調し、前後に並進駆動す
る偏波無依存ルーフ型レトロレフレクター808を通し
て、可変の遅延時間を加える。ロックイン検出の参照周
波数は、170kHzとなる。図19で記号Mは、偏波
無依存全反射ミラーをあらわす。プローブ光パルス80
5およびゲート光パルス806を偏波無依存ビームカプ
ラー809で同軸線上に配置し、集光レンズ810によ
り二光子遷移媒質811の入射面に集光する。二光子遷
移媒質811の出射面から出射されるあらゆる光パルス
は、コリメーションレンズ812によりすべて平行光束
となる。二光子遷移媒質811は単一横モードの半導体
光導波路型増幅器(偏波依存度1dB以下)を用いる。
図10の光増幅領域301は被測定光パルス801のス
ペクトル領域をカバーしている。別の偏光ビームカプラ
ー813を通して、二光子遷移媒質811から出射した
あらゆる光パルスを参照光パルス803と干渉させる。
光周波数シフター802および804によって、各々の
キャリア周波数が異なっているため、異なる周波数でビ
ートが生ずる。参照光パルス803と干渉する相手が、
通過プローブ光パルス、通過ゲート光パルス、プローブ
光パルス二光子遷移による4光波混合光パルス、そして
プゲート光パルス二光子遷移による4光波混合光パルス
に対して、おのおの1MHz、80MHz、82MH
z、そして161MHzとなる。
【0054】以下、二光子吸収による光ゲートを利用す
る場合の事例について述べる。4光波混合による光ゲー
トを用いる場合には、以下で記述するバンドパスフィル
ターの透過中心周波数を対応するビート周波数に一致す
るものに変更し、実施例1に記載した留意点に従って計
測を行なえばよい。
【0055】まず、干渉によって生ずるビートの位相を
安定化する必要がある。それには、光検出器814で受
光した光強度成分のうち二光子吸収による強度変動を受
けたプローブ光パルスのビート成分をバンドパスフィル
ター815を通して抽出する。バンドパスフィルター8
15は中心周波数1MHz、幅200kHzの透過帯を
持つ。当該ビート成分の位相を参照して位相コントロー
ラー816により参照位相の反転成分を位相制御用偏波
無依存ルーフ型レトロレフレクター817にフィードバ
ックすることにより、ビート位相を安定化する。もとも
と当該ビート成分の位相が安定である場合、このフィー
ドバックは必要無い。
【0056】偏波無依存ビームカプラー813で発生す
るもう一方の同等のビームを図1と同様の波長分散部に
導き、光検出器819で受光した光信号のうち、上記ビ
ート成分のみをバンドパスフィルター820で抽出し、
ゲート光パルスの強度変調信号を参照してロックインア
ンプ821でロックイン検出し、表示解析部822上に
二光子吸収スペクトログラムを表示する。これにより、
パルス幅200fsの被測定光パルスに対して、最低検
出可能パルスエネルギー10fJまで高感度化すること
が可能である。 <実施の形態6>実施の形態4および図15では、光フ
ァイバー伝送路を伝搬するパルスを評価する方法につい
て、記述した。本実施例では、さらに、評価した波形デ
ータに基づいて、光ファイバー伝送システムにおける分
散補償もしくは光パルス波形の最適化を行ない、信号伝
送時のエラー発生率を減少させるための構成について、
説明する。図20は光ファイバの分散補償を行う為の光
通信システムの構成例を示す図である。ここで、分散と
は、波長分散分散もしくは偏波モード分散をさす。分散
補償前の光パルス901が、対象とする伝送システムを
構成する光ファイバー伝送路902中を、左から右に伝
搬しているとする。光ファイバー伝送路の途中には、波
長分散もしくは偏波モード分散を補償する目的で、分散
補償器903が接続されている。分散補償器903の後
方に、光パルスモニター用ポート904を設け、モニタ
ー用光パルス905を取り出す。モニター用光パルス9
05を、モニター用光ファイバー906を通して3経路
に分配し、スペクトログラム測定解析部907〜909
へと導く。モニター用光ファイバー906において発生
する分散は、光ファイバー伝送路902で生ずる分散量
にくらべて、無視できる程度に押さえる。スペクトログ
ラム測定解析部907〜909の構成は、おのおの、図
8もしくは図19に示した光パルス評価装置である。モ
ニター用光ファイバー906との接続は、図15の構成
に従う。スペクトログラム測定解析部907は、全偏波
成分での波長分散評価に用いる。スペクトログラム測定
解析部907の偏波依存性をさらに低減する必要がある
場合、偏波解消素子910をスペクトログラム測定解析
部907の前部に接続すればよい。波長分散のみを評価
する場合は、スペクトログラム測定解析部907のみで
よく、その他2台のスペクトログラム測定解析部908
および909への接続は、省略できる。偏波モード分散
による光パルス歪みを評価するには、互いに直交する2
軸の偏波成分におけるスペクトログラムを計測する必要
がある。ここでは、偏光ビームスプリッター911を通
して、紙面に平行・垂直という2成分の直線偏光成分に
分解することとする。紙面に垂直な成分は、スペクトロ
グラム測定解析部908で、平行な成分は、スペクトロ
グラム測定解析部909で評価する。スペクトログラム
もしくはスペクトログラムにおけるピーク強度の時間、
スペクトル依存特性を波形データとして、分散制御部9
12に送信する。分散制御部912では、スペクトログ
ラム測定解析部907〜909からの波形データに基づ
き、分散補償用フィードバック信号を分散補償器903
に送信し、光パルスモニター用ポート後方での分散補償
後の光パルス913では、分散が除去される、あるいは
光ファイバー伝送システム全体の特性に応じて波形が最
適化される。
【0057】分散補償器903において行なわれる分散
補償の手順について、説明する。波長分散を補償するに
は、補償対象の光パルスを回折格子などの波長分散体に
通して光パルスを波長成分に分解したあと平行光束と
し、各波長成分の位相を位相変調器を通すことにより波
長分散を解消する。さらに別の波長分散体を逆方向に通
すことにより、波長成分への分解の逆過程を通して、波
長分散が補償された光パルスに変換する。このような補
償を可能とするものとして、回折格子・レンズ・液晶空
間変調器・レンズ・回折格子がおのおのレンズの焦点距
離だけ隔てて直列に配置された、波長分散型光遅延器を
分散補償器として用いる方法がある。また、同様の機能
を光導波路型素子で実現するには、アレイ型導波路回折
格子による波長分離の後に同等の要素数を持つ位相変調
器アレイを置き分散解消し、その後に別のアレイ型導波
路回折格子を波長多重カプラーとして用いればよい。以
上では、分散制御部912から分散補償器903にフィ
ードバックされる情報は、各波長成分での位相シフト量
である。
【0058】偏波モード分散を補償する場合、2通りの
方法が考えられる。ひとつの方法ではは、分散補償器9
03は4分の1波長板の後に2分の1波長板を設けたも
のとなる。この構成では、4分の1波長板で光パルスの
偏波は直線に変換され、直線偏波の角度が2分の1波長
板で調整される。フィードバックされる情報は、おのお
のの波長板の回転角度である。この手順で分散補償可能
となるのは、主として、光パルス評価装置908および
909で計測されるスペクトログラムにおいて、光パル
スの時間−スペクトル特性が互いに変化しない場合、あ
るいは、スペクトログラム測定解析部907で計測され
る全偏波成分のスペクトログラムから得られる時間−ス
ペクトル特性とそれらが同等である場合である。もう一
つの場合、すなわち、スペクトログラム測定解析部90
8および909から得られる光パルスの時間−スペクト
ル特性が互いに異なる場合、この手順で分散補償できな
い場合がある。その場合、波長分散補償の手順で述べた
液晶空間変調器を含む波長分散型光遅延器を用いる。液
晶空間変調器では、各波長成分の偏波を変化させること
ができる。この特性を使い、波長に応じた偏波制御を行
ない、スペクトログラム測定解析部908および909
から得られる光パルスの時間−スペクトル特性を同一化
し、その後4分の1および2分の1波長板による制御を
行なえばよい。 <実施の形態7>波長多重伝送システムにおける分散補
償もしくはクロストーク解消を行ない、波長多重伝送時
の信号エラー発生率を減少させるための構成について、
図17および図21に基づいて、説明する。本実施例に
おいても、分散とは、波長分散もしくは偏波モード分散
をさす。分散補償もしくはクロストーク解消前の波長多
重光パルス1001が対象とする波長多重伝送システム
を構成する波長多重光ファイバー伝送路1002を左か
ら右に伝搬している。分散補償もしくはクロストーク解
消前の波長多重光パルス1001は、分散補償器もしく
はクロストーク解消器1003において、各波長チャネ
ルごとに分離され、スペクトル計測後に各チャネル独立
に分散補償もしくはクロストーク解消される。波長多重
光パルスモニターポート1004より、モニター用波長
多重光パルス1005を取り出し、モニター用光ファイ
バー1006を通して3経路に分配し、スペクトログラ
ム測定解析部1007〜1009へと導く。偏波モード
分散を補償する必要が無い場合は、スペクトログラム測
定解析部1007で全偏波成分の測定を行なうのみでよ
い。偏波依存性をさらに低減する必要がある場合、偏波
解消素子1010を使用する。偏波モード分散計測のた
めには、偏光ビームスプリッター1011で直交する直
線偏波に分離し、おのおのの成分をスペクトログラム測
定解析部1008および1009で測定する。測定した
スペクトログラム、もしくは、スペクトログラムにおけ
るピークの時間−スペクトル特性を波形データとして、
偏波もしくはクロストーク制御部1012に送信し、さ
らに分散補償器もしくはクロストーク解消器1003へ
とフィードバックする。以上の手順により、分散補償も
しくはクロストーク解消後の波長多重光パルス1013
では、分散もしくはクロストークが除去される。
【0059】分散補償では、スペクトログラム測定解析
部1007〜1009として、図17および実施の形態
4で記述された構成を使用する。また、実施の形態6お
よび図9において分散補償器903に波長分解された光
パルスの各波長成分に位相シフト量もしくは偏波回転角
度をフィードバックすることに代えて、本実施例では、
分散補償器もしくはクロストーク解消器1003の各波
長チャネルに対して、フィードバック情報を与え、分散
補償を行なう。それ以外の点は、実施の形態6において
記述の手順と同じでよい。
【0060】一方、クロストーク解消では、スペクトロ
グラム計測の際、被測定光パルスおよびゲート光パルス
として、おのおの互いには異なる特定の1チャネルのみ
を抽出する必要がある。したがって、図17の構成をス
ペクトログラム測定解析部1007に用いるためには、
クロック光パルス抽出用ポート702では、被測定光パ
ルスおよびクロック光パルスとして抽出する波長チャネ
ルが独立して選択できることが必要である。このために
は、クロック光パルス抽出用ポート702に、被測定光
パルス用およびクロック光パルス用として、互いに独立
した波長可変光バンドパスフィルターが装備されている
必要がある。さらに、選択されたチャネルの光パルス
が、強度を除いてそのままの状態でゲート光パルスとし
て用いられなければならない。ただし、強度は、ゲート
光パルス発生部704において増幅されてもよい。以上
より、スペクトログラム測定解析部709において測定
されるスペクトログラムには、被測定光パルスとして抽
出されたチャネル成分の波形、および被測定光パルスと
して抽出されたチャネル成分とゲート光パルスとして抽
出されたチャネル成分のクロストークにより生じた光パ
ルスに対応する波形があらわれる。この波形が最小とな
るように、フィードバックを行なう。
【0061】以上、詳細に説明した通り、本発明によれ
ば、半導体中の二光子吸収もしくは4光波混合を光ゲー
トに応用することにより、任意の偏光状態にある被測定
光パルスの時間・周波数特性の高感度測定による偏波無
依存光パルス評価装置を提供することができる。
【0062】
【発明の効果】本願発明は、信号のエラー発生率の小さ
な光伝送システム、並びにこうした光システムを提供す
るために有用な光パルス評価装置を提供することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の光パルス評価装置の動作原理を
示すための模式図である。
【図2】図2は光ゲート動作を生ずる物理過程を説明す
るためのバンド構造図である。
【図3】図3は光ゲート動作を生ずる物理過程を説明す
るためのバンド構造図である。
【図4】図4は二光子吸収媒質として使用する構造の模
式図である。
【図5】図5は二光子吸収媒質として使用する別な構造
の模式図である。
【図6】図6は二光子吸収媒質として使用する別な構造
の模式図である。
【図7】図7は本願発明に係る光パルス評価装置を用い
ての測定により得られる結果を示す模式図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態1における偏波無依
存光パルス評価装置の構成を示す模式図である。
【図9】図9は二光子吸収の過程並びに4光波混合によ
る第3の光パルス発生の過程を説明するための模式図で
ある。
【図10】図10は二光子遷移に関与する電子状態と光
増幅領域との関係を説明するための模式図である。
【図11】図11は二光子遷移媒質において光増幅媒質
が存在しない場合の構造の模式図である。
【図12】図12は光増幅媒質を含む二光子遷移媒質の
面型構造の模式図である。
【図13】図13は光増幅媒質を含む二光子遷移媒質の
スラブ型構造の模式図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態3における偏波
無依存光パルス評価装置の構成を示す模式図である。
【図15】図15は偏波無依存光パルス評価装置を用い
て光ファイバー伝送路における光パルス特性の偏波依存
性の評価を行なう構成を説明するための模式図である。
【図16】図16は光パルスの遅延時間と波長の関係例
を示す図である。
【図17】図17は偏波無依存光パルス評価装置を用い
て波長多重光ファイバー伝送路における光パルス特性評
価を行なう構成を説明するための模式図である。
【図18】図18は光パルスの遅延時間と波長の関係例
を示す図である。
【図19】図19は本発明の実施の形態5における偏波
無依存高感度光パルス評価装置の構成を示す模式図であ
る。
【図20】図20は本発明の実施の形態6において、光
ファイバー伝送システムにおける分散補償を行なうため
の構成を例示する図である。
【図21】図21は本発明の実施の形態7において、波
長多重光ファイバー伝送システムにおける分散補償また
はクロストーク解消を行なうための構成を例示する図で
ある。
【符号の説明】
101:被測定光パルス、102:偏波無依存ビームス
プリッター、103:プローブ光パルス、104:ゲー
ト光パルス、105:偏波無依存ルーフ型レトロレフレ
クター、106:光強度変調器、107:光強度変調
器、108:集光レンズ、109:二光子遷移媒質、1
10:コリメーションレンズ、、111:ビームブロッ
ク、112:通過プローブ光パルス、113:4光波混
合による第3の光パルス、114:測定対象光パルス、
115:偏光分離素子、116:集光レンズ、117:
入射スリット、118:入射側球面ミラー、119:偏
波無依存回折格子、120:出射側球面ミラー、12
1:回転ミラー、122:出射スリット、123:光検
出器、124:ロックインアンプ、125:表示解析
部、201:ゲート光パルス、202:プローブ光パル
ス、203:ゲート光パルス、204:プローブ光パル
ス、205:4光波混合による第3の光パルス、30
1:光増幅領域、401:プローブ光パルス、402:
ゲート光パルス、403:光増幅媒質を含む層、40
4:プローブ光パルス、405:ゲート光パルス、40
6:励起光源、407:励起光、408:光増幅媒質を
含む層、409:プローブ光パルス、410:ゲート光
パルス、411:励起光源、412:励起光、413:
電流注入源、414:電流注入用リード線、501:ゲ
ート光パルス、502:プローブ光パルス、503:偏
波無依存ルーフ型レトロレフレクター、504:光強度
変調器、505:光強度変調器、506:集光レンズ、
507:二光子遷移媒質、508:コリメーションレン
ズ、509:ビームブロック、510:通過プローブ光
パルス、511:4光波混合による第3の光パルス、5
12:測定対象光パルス、513:偏光分離素子、51
4:集光レンズ、515:入射スリット、516:入射
側球面ミラー、517:偏波無依存回折格子、518:
出射側球面ミラー、519:回転ミラー、520:出射
スリット、521:光検出器、522:ロックインアン
プ、523:表示解析部、601:光ファイバー伝送
路、602:光増幅器、603:光ファイバー接続部、
604:スペクトログラム測定解析部、701:波長多
重光ファイバー伝送路、702:クロック参光パルス抽
出用ポート、703:クロック光パルス抽出用光ファイ
バー、704:ゲート光パルス発生部、705:ゲート
光パルス入力用光ファイバー、706:ゲート光パルス
用光ファイバー接続部、707:光増幅器、708:被
測定光パルス用光ファイバー接続部、709:スペクト
ログラム測定解析部、801:被測定光パルス、80
2:光周波数シフター、803:参照光パルス、80
4:光周波数シフター、805:プローブ光パルス、8
06:ゲート光パルス、807:光強度変調器、80
8:偏波無依存ルーフ型レトロレフレクター、809:
偏波無依存ビームカプラー、810:集光レンズ、81
1:二光子遷移媒質、812:コリメーションレンズ、
813:偏波無依存ビームカプラー、814:光検出
器、815:バンドパスフィルター、816:位相コン
トローラー、817:位相制御用偏波無依存ルーフ型レ
トロレフレクター、818:波長分散部、819:光検
出器、820:バンドパスフィルター、821:ロック
インアンプ、822:表示解析部、901:分散補償前
の光パルス、902:光ファイバー伝送路、903:分
散補償器、904:光パルスモニター用ポート、90
5:モニター用光パルス、906:モニター用光ファイ
バー、907:スペクトログラム測定解析部、908:
スペクトログラム測定解析部、909:スペクトログラ
ム測定解析部、910:偏波解消素子、911:偏光ビ
ームスプリッター、912:分散制御部、913:分散
補償後の光パルス、1001:分散補償もしくはクロス
トーク解消前の波長多重光パルス、1002:波長多重
光ファイバー伝送路、1003:分散補償器もしくはク
ロストーク解消器、1004:波長多重光パルスモニタ
ー用ポート、1005:モニター用波長多重光パルス、
1006:モニター用光ファイバー、1007:スペク
トログラム測定解析部、1008:スペクトログラム測
定解析部、1009:スペクトログラム測定解析部、1
010:偏波解消素子、1011:偏光ビームスプリッ
ター、1012:分散もしくはクロストーク制御部、1
013:分散補償もしくはクロストーク解消後の波長多
重光パルス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−272279(JP,A) 特開 平5−45230(JP,A) Journal of Optica l Sosciety of Amer ica.B Optical Phys ics,米国,1990年,vol.7 n o.11,p.2192〜2203 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 11/00 G01J 1/00 G02F 1/35 - 1/39 H04B 10/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の偏光状態にある被測定光パルスと
    測定用ゲートとなる任意の偏光状態にあるゲート光パル
    スとを、二光子吸収による透過率変化と同時に二光子遷
    移の下で生ずる4光波混合を生じさせる媒質からなる構
    造体に入射し、通過した被測定光パルスと4光波混合に
    より新たに発生する光パルスとを分離することにより、
    被測定光パルスと4光波混合による光パルスとの干渉を
    除去することを可能とし、被測定光パルスの透過率もし
    くは4光波混合による光パルスの強度をゲート光パルス
    のパワーの関数として変化させ、被測定光パルスに対す
    るゲート光パルスの遅延時間を変化させることによりゲ
    ート光パルスを時間掃引し、被測定光パルスもしくは4
    光波混合による光パルスの時間分解を行ない、偏光依存
    性のないスペクトル分散部を通して被測定光パルスもし
    くは4光波混合による光パルスの周波数または波長分解
    を行ない、遅延時間および周波数または波長の関数であ
    るスペクトログラムとして、任意の偏光状態にある被測
    定光パルスの強度および位相の時間変化を測定すること
    を可能としたことを特徴とする光パルス評価方法。
  2. 【請求項2】 任意の偏光状態にある被測定光パルスと
    測定用ゲートとなる任意の偏光状態にあるゲート光パル
    スとを、二光子吸収による透過率変化と同時に二光子遷
    移の下で生ずる4光波混合を生じさせる媒質からなる構
    造体に入射する手段と、二光子吸収による透過率変化と
    同時に二光子遷移の下で生ずる4光波混合を生じさせる
    媒質からなる構造体と、通過した被測定光パルスと4光
    波混合により新たに発生する光パルスとを分離する手段
    と、被測定光パルスの透過率もしくは4光波混合による
    光パルスの強度をゲート光パルスのパワーの関数として
    変化させ、被測定光パルスに対するゲート光パルスの遅
    延時間を変化させることによりゲート光パルスを時間掃
    引し、被測定光パルスもしくは4光波混合による光パル
    スの時間分解を行なう手段と、偏光依存性のないスペク
    トル分散部を通して被測定光パルスもしくは4光波混合
    による光パルスの周波数または波長分解を行なう手段
    と、遅延時間および周波数または波長の関数であるスペ
    クトログラムとして、任意の偏光状態にある被測定光パ
    ルスの強度および位相の時間変化を測定する手段と、を
    有することを特徴とする光パルス評価装置。
  3. 【請求項3】 任意の偏光の被測定光パルスを偏光依存
    性のないビームスプリッターを有し、当該ビームスプリ
    ッターを通して2方向に分岐することにより、被測定光
    パルス自身からゲート光パルスを生成することを可能と
    したことを特徴とする請求項2に記載の光パルス評価装
    置。
  4. 【請求項4】 二光子吸収による透過率変化と同時に二
    光子遷移の下で生ずる4光波混合を生じさせる媒質から
    なる構造体に被測定光パルスとゲート光パルスを互いに
    交差して入射し、通過した被測定光パルスと4光波混合
    による光パルスとを空間的に分離することにより、被測
    定光パルスと4光波混合による光パルスを識別すること
    を可能としたことを特徴とする請求項2及び請求項3の
    いずれかに記載の光パルス評価装置。
  5. 【請求項5】 当該光パルス評価装置に入射する被測定
    光パルスを被測定光パルス自身および被測定光パルスと
    はキャリア周波数のみが異なる参照光パルスに分離し、
    さらに被測定光パルスとゲート光パルスのキャリア周波
    数を互いおよび参照光パルスとも異なるようにし、参照
    光パルスとの干渉により生ずるビート周波数が被測定光
    パルス、ゲート光パルスあるいは4光波混合により発生
    する光パルスに対してすべて異なるように設定し、検出
    の対象とする信号のビート周波数の選択により被測定光
    パルスと4光波混合による光パルスとを識別することを
    可能としたことを特徴とする請求項2及び請求項3のい
    ずれかに記載の光パルス評価装置。
  6. 【請求項6】 スペクトル分散部の後部に、スペクトル
    分散した被測定光パルスの進行方向の中心軸と直交する
    軸を中心として回転する偏光依存性のない反射体を有
    し、回転反射体からの周波数または波長分解された被測
    定光パルスの強度の一部のみを通過させるスリットを光
    検出器の前部に設置し、回転反射体の軸周りの角度が被
    測定光パルスの選択した周波数または波長成分を示し、
    回転反射体の角度を周波数または波長の基準信号として
    被測定光パルスの周波数分解を行なうことを可能とした
    ことを特徴とする請求項2より請求項5のいずれかに記
    載の光パルス評価装置。
  7. 【請求項7】 二光子遷移による透過率変化もしくは光
    パルス発生を生じさせる媒質からなる構造体が電流注入
    あるいは光照射による光利得を有し、当該構造体内での
    光増幅可能なことを特徴とする請求項2より請求項6
    のいずれかに記載の光パルス評価装置。
  8. 【請求項8】 二光子遷移による透過率変化もしくは光
    パルス発生を生じさせる媒質からなる構造体を通過した
    被測定光パルスの強度を、偏光が独立もしくは直交する
    2成分に分離して検出することにより、被測定光パルス
    のスペクトログラムを偏光の当該2成分に分離して測定
    し、光ファイバー中の偏波モード分散にともなう光パル
    ス特性の変化の評価を行なうことを可能としたことを特
    徴とする請求項2より請求項7のいずれかに記載の光パ
    ルス評価装置。
  9. 【請求項9】 光伝送線路と、波長分散もしくは偏波モ
    ード分散を補償する素子と、当該光伝送線路から光パワ
    ーの一部を分岐することにより、評価用光パルスを取り
    出す部分と、当該評価用光パルスを取り出す部分に接続
    された請求項2より請求項8のいずれかに記載の光パル
    ス評価装置の少なくとも一者と、前記光パルス評価装置
    から出力される光パルスの波形の特性を読み取ることに
    より、前記光伝送線路の波長分散もしくは偏波モード分
    散を測定し、前記波長分散もしくは偏波モード分散を補
    償する素子において生ずる波長分散及び偏波モード分散
    の少なくとも一者を制御する制御部と、を有することを
    特徴とする光通信システム。
  10. 【請求項10】 波長多重伝送用光伝送線路と、波長分
    散、偏波モード分散及び波長多重チャネル間の伝播時間
    の少なくとも一者を補償する素子と、当該光伝送線路か
    ら光パワーの一部を分岐することにより、評価用光パル
    スを取り出す部分と、当該評価用光パルスを取り出す部
    分に接続された請求項2より請求項8のいずれかに記載
    の光パルス評価装置の少なくとも一者と、前記光パルス
    評価装置から出力される光パルスの波形の特性を読み取
    ることにより前記光伝送線路の波長分散、偏波モード分
    散及び波長多重チャネル間のクロストークの少なくとも
    一者を測定し、前記光伝送線路の前記波長分散、偏波モ
    ード分散及び波長多重チャネル間のクロストークの少な
    くとも一者を補償する素子において生ずる波長分散、偏
    波モード分散及び波長多重チャネル間のクロストークの
    少なくとも一者を制御する制御部と、を有することを特
    徴とする光通信システム。
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