JP3231117B2 - 光ファイバの非線形屈折率の計測法 - Google Patents

光ファイバの非線形屈折率の計測法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバの非線形屈折
率の計測法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信の分野において、光ファイバによ
る伝送距離が延長されるのに伴い、光の伝送損失を補償
する一つの手段として、光ファイバ中を伝搬する光の強
度を一層増大させたいという要望が高まっている。この
ような要望に応えるものとして、最近、エルビウムをド
ープした光ファイバ増幅器(EFDA)が開発され、特
に波長1.55μm帯ではきわめて高い光出力の光信号
が得られるようになった。
【0003】光ファイバの屈折率は光強度に依存してお
り、光強度が比較的小さい場合は、一定波長の光に対し
て屈折率は一定と見なして差し支えないが、光強度が増
大すると非線形分極の影響が顕著に現れて、屈折率が光
強度に依存して変化し、その結果、光伝送中の非線形現
象として、例えば自己位相変調(SPM)や相互位相変
調(XPM)などが現れ、通信に障害を及ぼすようにな
る。特に、上記の光ファイバ増幅器を使用した場合など
は、出力光の強度がきわめて大きいので、よりいっそう
非線形効果が顕著に現れ、長距離無再生中継などに応用
する際の光伝搬特性にさまざまな障害を及ぼすようにな
る。
【0004】また一方で、このような光強度の増大に伴
う非線形効果を積極的に利用したものとして、光パルス
圧縮や光ソリトンなどの研究も進められている。このよ
うに最近では、光ファイバ内で引き起こされる非線形現
象が重要になってきているため、これらの非線形現象を
記述するうえで重要なパラメータの一つである非線形屈
折率の精度に関心が持たれるようになり、また非線形屈
折率の適切な計測方法が求められている。
【0005】従来報告されている非線形屈折率の計測方
法としては、例えば、パルス光源を用いて、シングルモ
ード光ファイバ中の自己位相変調によってもたらされる
光信号のスペクトル分布形状変化から位相変化を測定し
非線形屈折率を求める方法が提案されている(R.H.
ストールン及びC.リン「フィジカルレビューA」第1
7巻4号、1448−1453頁、1978年)。ま
た、例えば、光信号源とそれとは別に用意したASK変
調されたポンプ光を被測定ファイバに入射し、相互変調
効果によってもたらされる位相変化をコヒーレント受信
機を用いて測定することで非線形屈折率を計測する方法
も提案されている(S.ヤマザキほか,IEICE春期
会議,SB−9−7,4−435〜4−436頁,19
92年)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来提案
されている非線形屈折率の計測方法で、例えば、自己位
相変調を用いた方法では、位相変化を出力スペクトル分
布の形状を測定値と理論との比較から求めているが、ス
ペクトル分布形状が光源パルスの形状や群速度分散に依
存して変化するため、これらを除くために煩雑な手続き
が必要になる。山崎らの測定方法は詳細が明かでない
が、しかし一般的にいって、中間周波数信号と正確に同
期する参照信号を位相追尾回路に発生させることは、こ
のIF信号が半導体レーザの場合のように大きなFMノ
イズを有するときは、非常に困難である。さらにASK
による変調に複雑な送信系を必要とすることも問題であ
る。上記のような非線形屈折率の計測法の現状に照らし
て、本発明の課題は、さらに確実かつ簡易な手段によっ
て、光ファイバの固有の特性としての非線形屈折率を計
測する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題は、直線
偏光したプローブ光と、特定周波数ωm の正弦波で強度
変調されかつ直線偏光したポンプ光とを検体となる光フ
ァイバに入射させ、検体内において相互位相変調効果に
よりポンプ光がプローブ光にもたらす位相変化を、検体
光ファイバから出力されるプローブ光を二つの経路に分
岐させ、一方の経路を通過するプローブ光の周波数を一
定周波数ωa だけシフトし、かつこの二つの経路を伝搬
するプローブ光に一定の遅延時間差を与え、これら二つ
の光信号を再び合波して得られる差信号のスペクトルに
おいて、ポンプ光強度を変化させた際の周波数ωa を有
する基本波成分の強度変化及びkを整数としてωa ±k
ωm で表される周波数を有する高調波成分の強度変化か
らポンプ光強度に対する位相変化の割合を求め、この値
と有効ファイバ長及び有効コア断面積とから非線形屈折
率を求める光ファイバの非線形屈折率の計測法によって
解決できる。上記において、プローブ光の光強度がポン
プ光よりも十分小さいことが好ましい。上記において、
ポンプ光の周波数をωm とし、二つの経路の遅延時間差
をτとするとき、ωm とτとの関係を sin(ωm τ/2)=1 とすることが好ましい。
【0008】ここで光ファイバの非線形屈折率とは、光
ファイバ中を伝搬する光強度Iが増大するに従って無視
できない程度に、屈折率nの2次項として現れる、光強
度に比例して変化する光ファイバの屈折率成分である。
この非線形屈折率n2 は、光強度をI、光強度に依存し
ない屈折率成分をn1 、非線形屈折率成分をn2 とする
とき、式1、 n=n1 +n2 I … 式1 におけるn2 として定義できる。
【0009】本発明の計測法においてプローブ光とは、
検体とする光ファイバ(検体光ファイバ)中に入射し、
その入射光と出力との位相を検知することによって、検
体光ファイバの非線形屈折率を計測するための参照光で
ある。ポンプ光とは、検体光ファイバ中で相互位相変調
効果を通して、上記プローブ光に位相変化をもたらすよ
うに、検体光ファイバ中に入射する光である。
【0010】次に本発明の一実施例について、図面を用
いて詳しく説明する。図1は本発明の光ファイバの非線
形屈折率計測法の一実施例を示す回路図である。図1に
おいて、Fは検体となる光ファイバ(以下、「検体」と
称する)を示す。図1において、10は直線偏光された
プローブ光sを出力する回路(以下、「プローブ光発生
装置」と称する)であり、20は正弦波で強度変調さ
れ、かつ直線偏光されたポンプ光pを出力する回路(以
下、「ポンプ光発生装置」と称する)であり、30は合
波器であり、40はポンプ光成分を除去する装置(以
下、「濾波器」と称する)であり、50はプローブ光成
分qを分岐してその一方の光q1 の周波数をシフトさ
せ、他方の光q2 は遅延させ、次いで双方の光を合波す
る回路(以下、「遅延自己ヘテロダイン装置」と称す
る)であり、60は分光分析装置である。
【0011】プローブ光発生装置10において、11は
プローブ光の光源である。この光源11は、例えば、1
550nm帯のレーザ光を輻射する外部共振器付の半導
体レーザである。光源11から輻射されたプローブ光
は、反射光の影響でプローブ光源の動作が不安定になる
ことを避けるためにアイソレータ12を通過される。次
にプローブ光は、偏光状態を調節できるλ/4及びλ/
2波長板からなる偏光制御素子13を通して所望角の直
線偏光に調節される。このプローブ光光源11の出力は
連続波光であり、検体Fの入射端において、その入射光
が後述するポンプ光に比べて十分弱い光強度となるよう
に設定されている。このプローブ光の光強度は、検体F
の入射端において、例えば25μW以下となるように調
整されている。
【0012】ポンプ光発生装置20において、21はポ
ンプ光の光源である。このポンプ光光源21は、例え
ば、1550nm帯のレーザ光を輻射するファブリ・ペ
ロー型の半導体レーザであって、その出力光は発振器2
2によって、例えば、周波数ωm =7.49MHzの正
弦波で強度変調されている。その変調度は例えば49%
である。この正弦波で強度変調されたポンプ光は、例え
ばエルビウムをドープした光ファイバ増幅器(以下、
「EDFA」と称する)23によって直接光増幅され、
アッテネータ24でその光強度が調節され、次いで偏光
角を調節できるλ/4及びλ/2波長板からなる偏光制
御素子25を通して所望角の直線偏光に調節される。ポ
ンプ光発生装置20の出力端において、ポンプ光pは検
体Fの非線形屈折率が顕著に変化するに十分な、強い強
度を有している。その最大ポンプ光強度は検体Fの入射
端において、例えば26mWとなるように調整される。
【0013】プローブ光発生装置10から出力された直
線偏光プローブ光sと、ポンプ光発生装置20から出力
された直線偏光ポンプ光pとは、合波器30において合
波される。合波器30は、例えばポンプ光pとプローブ
光sとの合波比率が9:1のファイバ型カプラである。
この合波器30は分岐した二つの出力ポートを有してい
て、一方の出力ポートは検体光ファイバFの入射端に接
続され、他方の出力ポートはパワーモニタ31に接続さ
れて、ここで検体Fに入射するポンプ光の光強度が計測
される。
【0014】検体Fの長さは任意であるが、光ファイバ
の非線形屈折率の変化に起因する位相変化はその有効フ
ァイバ長に依存して大きくなるので、実施可能な範囲で
長くすることが計測上好ましい。ここで、光ファイバの
有効長とは、光ファイバの伝送損失を考慮にいれた長さ
であって、実測済みファイバ長をL、伝送損失をαとす
るとき、 {1−exp(−αL)}/α で与えられる。この有効長は、例えば34〜42kmで
ある。
【0015】検体Fからの出力光は濾波器40を通し
て、上記の合波に含まれているポンプ光成分を除去す
る。この濾波器40は、例えば半値幅1nmのバンドパ
スフィルタである。濾波器40の透過波長はプローブ光
波長に一致しており、波長の異なるポンプ光成分は除去
さる。
【0016】濾波器40の出力光qは、次に遅延自己ヘ
テロダイン装置50に送られる。遅延自己ヘテロダイン
装置50は概略、光偏向素子51、遅延回路52、偏光
制御素子53、及び合波器54から構成されている。光
偏向素子51は、光qを二波に分岐し、その一方の光q
1 の周波数を周波数ωa だけ変換することができる素子
であって、例えば超音波グレーティングによってそれを
可能とする音響光学素子などが使用できる。光偏向素子
51によって周波数変換を受けなかった方の光q2 は遅
延回路52に入射される。遅延回路52は、例えば長さ
約5kmのシングルモード光ファイバからなり、光がこ
れを通過することによって遅延時間τだけ遅延が行われ
る。遅延回路52を通過した光は、λ/4及びλ/2波
長板からなる偏光制御素子53を通して整波され、合波
器54に入射される。光偏向素子51によって二波に分
岐された一方の、周波数変調を受けた光q1 も同時に合
波器54に入射される。この合波器54は、例えば、合
波器30と同様に、ファイバ型の3dBカプラである。
このように、濾波器40によって得られたプローブ光成
分qは、一方では周波数変換を受け、他方では遅延を受
け、双方が再び合波されることによって遅延自己ヘテロ
ダイン系を形成する。
【0017】遅延自己ヘテロダイン装置50の出力光r
は分光分析装置60に送られる。分光分析装置60に入
射した光rは、例えばフォトダイオードのような光電変
換素子61によって、光電流に変換され、増幅器62で
増幅された上、例えばスペクトラムアナライザ63上に
光強度が周波数の関数として図形表示される。分光分析
装置60によって計測される、プローブ光成分qのスペ
クトルに現れる周波数ωa を有する基本波成分の強度及
びkを整数としてωa ±kωm で表される周波数を有す
る高調波成分の強度のポンプ光強度に対する変化から、
後で説明するように、ポンプ光強度変化に対する位相変
化の割合を求め、この値と有効ファイバ長及び有効コア
断面積とから検体の非線形屈折率を求めることができ
る。
【0018】
【作用】異なる2波の光が1本の光ファイバ中を伝搬す
る場合、一般に、一方の光強度の変化が光カー効果を通
じて他方の光の位相に変化をもたらす。この現象は相互
位相変調(XPM)として知られている。いま、直線偏
光したプローブ光と直線偏光したポンプ光とを同時に検
体に入射した場合の、プローブ光の位相変化φNL は式
2で表される。
【0019】
【数1】
【0020】ここで、n2 は非線形屈折率、Leff は検
体の有効長、λはプローブ光の波長、Aeff はプローブ
光とポンプ光に対する光ファイバの有効コア断面積であ
る。Pprobe 及びPpump はそれぞれ、プローブ光、ポ
ンプ光の光強度である。また、bはこの系のパラメータ
であって、プローブ光とポンプ光との偏光面が検体ファ
イバを通して完全に一致しているときb=1、直交して
いるときb=1/3である。
【0021】ポンプ光pの光強度は十分に大きいことが
好ましい。これが大きいほどプローブ光成分qの位相変
化が強く現れるから、測定が容易になる。また、プロー
ブ光sは、このポンプ光pより十分に小さい光強度を有
していることが好ましい。これによって、検体F内にお
いて、プローブ光pとの相互位相変調による位相変化の
みが検出されるようになる。実際には、例えばポンプ光
pの光強度は約2〜26mW、プローブ光sの光強度は
25μW以下とされる。ここでポンプ光が周波数ωm
強度変調されていて、その強度の変調振幅をΔPpu mp
し、またプローブ光強度がポンプ光強度に比べて十分小
さくプローブ光の自己位相変調による位相変化が無視で
きるとすると、これらの条件を式2に適用することによ
って、ポンプ光強度変化ΔPpumpに対するプローブ光の
位相変化の割合Cは以下の式3のように表せる。
【0022】
【数2】
【0023】実際の計測においては、検体ファイバ入射
端でポンプ光p、プローブ光sの偏波面を完全に一致あ
るいは直交させた状態でこれらを入射させても、ポンプ
光及びプローブ光の偏光状態が検体光ファイバ伝搬中に
変化するため、パラメータbは1あるいは1/3となら
ず、検体光ファイバが長いほど2/3に近づく。しかし
平行入射状態と直交入射状態とのCの平均値
【0024】
【数3】
【0025】は常にb=2/3となるので、式3でb=
2/3、C=Caverage として得られる以下の式5から
非線形屈折率n2 を算出することができる。
【0026】
【数4】
【0027】式5において、光ファイバの有効長Leff
と有効コア断面積Aeff は検体に関して一定である。従
って式5から、本発明の計測目的である非線形屈折率n
2 を計算によって求めることができる。
【0028】本発明の計測法は、基本的には上記の原理
に基づいてなされるものである。本発明の好ましい計測
系においては、検体からの出力プローブ光qは、例えば
音響光学変調素子のような光偏向素子51によって二波
に分岐されると同時に、その一方の光q1 の周波数が周
波数ωa だけ周波数変換され、他方の光q2 は、例えば
長いシングルモード光ファイバなどの遅延回路52によ
って遅延が与えられ、次いで双方の光が合波され合波光
rとされる。このような分岐と合波の過程は遅延自己ヘ
テロダインと呼ばれる。遅延自己ヘテロダインにおいて
は、一つの光qが分割されて一方の光q1 はその周波数
が周波数ωa だけ変換され、他方の光q2 は遅延τが与
えられ、その上で再び合波される。この位相変化の測定
感度は、ポンプ光pの正弦波変調周波数ωm を例えば
7.49MHzに設定し、遅延時間τを sin(ωm τ/2)=1 となるように設定するとき、通常のヘテロダイン装置で
測定する場合の2倍に達する。
【0029】このようにして、遅延自己ヘテロダイン装
置から得られた出力光rは、例えばフォトダイオードの
ような光電変換素子61によって光電変換され、例え
ば、スペクトラムアナライザ63によって光強度の周波
数分布をディスプレイ上に表示することができる。この
スペクトル図の一例を図2に示す。図2はプローブ光s
とポンプ光pとの偏光面が平行な場合の例であるが、図
2a及び図2bにおいて、中心に周波数変換されたプロ
ーブ光qの周波数ωa を有する基本波成分I0 があり、
その両側にポンプ光の変調周波数ωm の間隔で高調波成
分Ik が並んでいる。図2aはポンプ光pが比較的小さ
い場合、図2bは比較的大きい場合に対応している。
【0030】次に、上記のようにして得られた波形デー
タから、ポンプ光変化に対する位相変化を求め、さらに
非線形屈折率を算出する計算方法の一例を示す。この計
算方法は基本的には、上記の波形データから得られるプ
ローブ光rの基本波成分I0 及び高調波成分の光強度I
k のポンプ光pの光強度変化ΔPpumpに対する変化から
光強度変化ΔPpumpに対するプローブ光qの位相変化Δ
φNLの割合Cを求め、これを式5に代入して非線形屈折
率n2 を算出するものである。
【0031】ポンプ光が角周波数ωm の正弦波で強度変
調されていて、 Ppump=ΔPpump sin(ωm t)+Ppump ave ……式6 と表されるとする。この場合、プローブ光は検体ファイ
バ内でXPMを通して正弦波位相変調を受けることにな
り、以下のように表される。 e=A cos(ω0 t+ΔφNL sinωmt +φ) ……式7 ここでω0 はプローブ光の角周波数、ΔφNLはポンプ光
強度がΔPpumpだけ変化したときの位相シフト量、φは
定数位相項である。上式はよく知られているように、第
1種ベッセル関数を用いた級数和で表すことができて式
8のように書ける。
【0032】
【数5】
【0033】この出力を遅延自己ヘテロダイン装置50
を通して分光分析装置60に導いたとき検出される光電
流i(t)はDC成分を除いて以下のように表すことが
できる。
【0034】
【数6】
【0035】ここでkは整数である。いま、ポンプ光の
変調周波数ωm を適当に選ぶことにより sin(ωm τ/
2)=1とすれば、スペクトルの強度変化は最大とな
り、このとき、各高調波成分の相対強度は
【0036】
【数7】
【0037】で表される。ΔPpumpを変化させると、ス
ペクトルの各高調波成分の強度は式10に従って変化す
る。従って、各高調波成分の相対強度をΔPpumpの関数
として測定し、この測定結果にベッセル関数をフィッテ
ィングさせることによりΔφNLとΔPpumpの関係、即
ち、位相シフト増加率Cを求めることができる。このよ
うにして測定した平行入射状態及び直交入射状態の位相
シフト増加率Cparallel及びCorthog onalから式4によ
り平均値Caverage を求め、この値を式5に代入すれば
非線形屈折率n2 が求められる。
【0038】
【実施例】次に本発明の実施例を述べる。図1に示した
ような構成の測定系を用い、3種類のシングルモード光
ファイバの非線形屈折率n2 を測定した。実施例1、
2、及び3で用いた検体の諸特性を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】ポンプ光強度は検体入射時の平均光強度
で、2〜26.4mWの間で変化させた。ポンプ光レー
ザの正弦波の振幅は1.9〜25.6mW、変調度は4
8.6%とした。図3〜図5のグラフに、ポンプ光pの
光強度の変化に対するプローブ光成分qの光強度の測定
結果を示した。図3、4、5に示したそれぞれ実施例
1、2、3において、上段はプローブ光とポンプ光の偏
光面が平行している場合、下段は直交している場合であ
る。また各グラフ中、○は基本成分の、●は第1高調波
成分のピーク強度の測定値を示している。図3〜図5中
の実線は、式10のベッセル関数によるフィッティング
線である。これらのフィッティング線は全ての実施例で
実験値とよい一致を示した。このフィッティングによっ
て得られた平行入射及び直交入射の場合の位相変化のポ
ンプ光強度依存性Cparallel及びCorthogonalを求め、
双方の傾斜の平均値Caverage から、式5によって非線
形屈折率n2 を計算した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】上記の実施例から明らかなように、本発明
の方法を用いれば各種光ファイバの非線形屈折率を精度
よく簡便に測定することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の光ファイバの非線形屈折率の計
測法は、直線偏光されたプローブ光と、特定周波数の正
弦波で強度変調されかつ直線偏光されたポンプ光とを検
体となる光ファイバ中に入射し、この光ファイバから出
力されるプローブ光の位相変化を計測するものであるの
で、相互位相変調による位相変化の計測が可能となり、
従って計測感度が向上し、高精度で検体の非線形屈折率
を求めることができる。上記において、検体からの出力
プローブ光を分岐してその一方の光の周波数を変換し、
他方の光は遅延させ、次いで双方の光を合波し、この合
波光からプローブ光の位相変化を計測するので、計測感
度を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非線形屈折率の計測法の一実施例を示
す回路図である。
【図2】本発明の計測法において、スペクトラムアナラ
イザのディスプレー上に得られる図形の一例である。
【図3】実施例1の非線形屈折率を算出する際に用いる
フィッティング図である。
【図4】実施例2の非線形屈折率を算出する際に用いる
フィッティング図である。
【図5】実施例3の非線形屈折率を算出する際に用いる
フィッティング図である。
【符号の説明】
s…プローブ光、 p…ポンプ光、 F…検体、 q…検体からの出力プローブ光、q1 ,q2 …分岐光、 r…合波光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−82133(JP,A) 特開 平3−160343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの非線形屈折率を計測するに
    際して、直線偏光したプローブ光と、特定周波数ωm
    正弦波で強度変調されかつ直線偏光したポンプ光とを検
    体となる光ファイバに入射させ、検体内において相互位
    相変調効果によりポンプ光がプローブ光にもたらす位相
    変化を、検体光ファイバから出力されるプローブ光を二
    つの経路に分岐させ、一方の経路を通過するプローブ光
    の周波数を一定周波数ωa だけシフトし、かつこの二つ
    の経路を伝搬するプローブ光に一定の遅延時間差を与
    え、これら二つの光信号を再び合波して得られる差信号
    のスペクトルにおいて、ポンプ光強度を変化させた際の
    周波数ωa を有する基本波成分の強度変化及びkを整数
    としてωa ±kωm で表される周波数を有する高調波成
    分の強度変化からポンプ光強度に対する位相変化の割合
    を求め、この値と有効ファイバ長及び有効コア断面積と
    から非線形屈折率を求めることを特徴とする光ファイバ
    の非線形屈折率の計測法。
  2. 【請求項2】 上記のポンプ光の周波数をωm とし、二
    つの経路の遅延時間差をτとするとき、ωm とτとの関
    係を sin(ωm τ/2)=1 とすることを特徴とする、請求項1記載の光ファイバの
    非線形屈折率の計測法。
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