JP3494760B2 - 平板状の成形物の製造方法 - Google Patents

平板状の成形物の製造方法

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JP3494760B2
JP3494760B2 JP16072595A JP16072595A JP3494760B2 JP 3494760 B2 JP3494760 B2 JP 3494760B2 JP 16072595 A JP16072595 A JP 16072595A JP 16072595 A JP16072595 A JP 16072595A JP 3494760 B2 JP3494760 B2 JP 3494760B2
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誠司 加藤
厳 大谷
伸彦 湯川
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エヌ・アンド・エル マーブル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人造大理石等の平板状
の成形物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人造大理石等の柄付きの平板状の成形物
は、その成形物に混合される混合材によって美麗な外観
を有し、システムキッチンの天板やカウンタートップ、
洗面化粧台等に好適に使用されている。
【0003】従来、上記成形物の製造方法では、硬化性
樹脂と、充填剤と、上記成形物に柄を付与するための成
形時の硬化性樹脂の硬化または固化を阻害しない非収縮
材とからなる混合材を、平板成形用の金型にて加熱圧縮
するプレス成形にて成形して成形中間体を得た後、混合
材による柄を美麗に示すために、上記成形中間体の表面
となる一方の面を研磨して成形物を得る方法が用いられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、平板状の成
形物に関する上記従来の製造方法では、混合材による柄
を美麗に示すため、上記成形中間体における表面となる
一方の面を研磨して成形物を得たときに、成形物の反り
により上記成形物の歩留りが劣化するという問題を生じ
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記課題
を鑑み、得られた平板状の成形物の反りを軽減すること
ができて、かつ、成形物の製造の手間を軽減できる平板
状の成形物の製造方法について鋭意検討した。
【0006】まず、図3に示すように、柄を形成するた
めの粒状の非収縮材と合成樹脂とを含む原料を平板状に
成形した成形中間体は厚さ方向に比重がそれぞれ異な
り、特に成形中間体の各表層の比重が、成形中間体の内
部よりそれぞれ低くなっていることが判った。これによ
り、上記成形中間体の各表層では、硬化または固化によ
り収縮する合成樹脂が、成形中間体の内部より多く存在
する樹脂リッチ層が形成されていることが判った。
【0007】このことから、硬化または固化した上記各
樹脂リッチ層に対し面方向の収縮応力が成形中間体の内
部よりそれぞれ多く残留していることにより、柄を美麗
に発現させるために一方の表層である樹脂リッチ層を研
磨により除去して成形中間体から成形物を得ると、得ら
れた成形物は他方の表層の樹脂リッチ層の残留収縮応力
に起因して反ることが判った。そこで、本願発明者は、
上記のような残留収縮応力を用いて、反りの少ない成形
物が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の請求項1記載の平板状
の成形物の製造方法は、粒状の非収縮材と合成樹脂とを
含む原料を平板状に成形して成形中間体を得た後、上記
成形中間体の一方に生じた凹面の表層を、上記凹面の表
面からほぼ一様な深さで除去して成形物を得ることを特
徴としている。
【0009】本発明の請求項2記載の平板状の成形物の
製造方法は、請求項1記載の平板状の成形物の製造方法
において、成形中間体における成形時の両面での温度差
を設定することによって、成形中間体における両面での
硬化時期が互いに異なることを特徴としている。
【0010】本発明の請求項3記載の平板状の成形物の
製造方法は、請求項2記載の平板状の成形物の製造方法
において、合成樹脂として熱硬化型樹脂を用い、成形中
間体における成形時の低温側に生じた凹面の表層を除去
することを特徴としている。
【0011】本発明の請求項4記載の平板状の成形物の
製造方法は、柄を形成するための粒状の非収縮材と合成
樹脂とを含む原料を平板状に成形して成形中間体を得た
後、直ちに、成形中間体の片面を急冷して上記成形中間
体における両面の一方に生じた凹面の表層を、上記凹面
の表面からほぼ一様な深さで除去して成形物を得ること
を特徴としている。
【0012】本発明の請求項5記載の平板状の成形物の
製造方法は、柄を形成するための粒状の非収縮材を含む
合成樹脂と、上記合成樹脂より熱膨張率が小さい材料と
を相互に積層するように平板状に成形して成形中間体を
得た後、上記成形中間体における合成樹脂の表層を上記
表層の表面からほぼ一様な深さで除去して成形物を得る
ことを特徴としている。
【0013】上記合成樹脂としては、(メタ)アクリル
系樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱
可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を挙げられるが、特に限定さ
れるものではなく、従来より人造大理石等の平板状の成
形物として一般的に用いられている合成樹脂を採用する
ことができる。熱硬化性樹脂としては、作業性に優れる
点で不飽和ポリエステル樹脂が望ましい。熱可塑性樹脂
としては、透明度を高くできるのでアクリル系樹脂が好
ましい。
【0014】また、原料は、必要に応じて、架橋剤、消
泡剤や紫外線吸収剤、連鎖移動剤、安定剤、着色剤、内
部離型剤、重合禁止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
尚、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、および充填剤等
の混合方法や順序等は、特に限定されるものではない。
【0015】非収縮材としては、大理石様等の柄を成形
物に付与でき、かつ、硬化収縮や含有成分の蒸散による
収縮を示さない粒状のものであり、その上、成形時にお
ける合成樹脂の硬化または固化を阻害しないものであれ
ば特に限定されないが、例えば、天然石砕石、ガラス粉
砕物、木片、金属、樹脂硬化物などの、粒径20mm以
下で、かつ、1mm以上の不定型の粒状のものを挙げる
ことができる。原料に対する上記非収縮材の配合量とし
ては、体積分率で25〜75vol%に設定されること
が好ましい。
【0016】なお、凹面の表層を除去するのは、得られ
た成形中間体の厚さの5〜15%が好ましく、さらに好
ましくは、8〜12%である。また、成形中間体におけ
る成形時の両面での温度差を設定する場合、その温度差
としては、成形中間体に適度な反りが生じると共に、そ
の反りによる凹面の表層を除去することによって上記反
りを軽減するのに好適な5〜15℃が好ましい。
【0017】得られた成形中間体の片面を急冷する場合
も、急冷された面が凸状に反るため、この成形中間体の
凹面の表層からほぼ一様な深さで除去すればよい。急冷
の程度は、上記成形中間体からその表層を除去して得ら
れた成形体について、反りがなくなる程度に冷却すれば
よい。なお、合成樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場
合、得られた成形中間体は高温側が先に硬化する一方、
熱可塑性樹脂を用いた場合、得られた成形中間体は低温
側が先に固化する。
【0018】合成樹脂と相互に積層する材料としては、
上記合成樹脂より熱膨張率が小さいものであれば特に限
定されないが、例えばベニア板が挙げられる。
【0019】
【作用】上記請求項1および2記載の方法によれば、粒
状の非収縮材と合成樹脂とを含む原料を平板状に成形し
て成形中間体を得たとき、上記成形中間体の両面の各表
層では、粒状の非収縮材が成形中間体の中心部ほど密に
充填されないため、合成樹脂の量が成形中間体の中心部
に対しそれぞれ多くなる。
【0020】また、上記成形中間体における両面での硬
化または固化時期が、例えば温度差によって互いに異な
ることから、図4に示すように、先に硬化または固化す
る表層(図4(a)の斜線部分)の合成樹脂の収縮応力
は、まだ硬化または固化収縮していない表層の合成樹脂
にある程度吸収される。これに対して、後から硬化また
は固化する表層(図4(b)の斜線部分)の合成樹脂に
よる収縮応力は、先に収縮した表層の合成樹脂が既に硬
化または固化しているため、先に硬化または固化収縮し
た表層の合成樹脂によってほとんど吸収できない。
【0021】したがって、上記成形中間体では、後から
硬化または固化した表層の合成樹脂の残留収縮応力が、
先に硬化または固化した表層の合成樹脂の残留収縮応力
よりも強くなり、図4(c)のように、後から硬化また
は固化した表層の表面が、例えば短手方向の成形中間体
の長さが 760mm程度の場合、例えば1mm程度の深さとな
る凹面となるように反ることになる。
【0022】続いて、粒状の非収縮材を美麗に発現させ
るために、上記凹面の表層を表面からほぼ一様な深さで
除去することにより、凹面の表層の残留応力を減少でき
るので、上記凹面と反対面の表層での残留応力によっ
て、成形中間体の反りを軽減する方向に上記成形中間体
から得られた成形物が付勢される。このことから、上記
方法では、非収縮材を美麗に発現させながら、より平板
状の成形物を得ることができる。
【0023】上記請求項3記載の方法によれば、上記成
形中間体において、合成樹脂として熱硬化型樹脂を用い
ているため、成形時に成形中間体の両面での温度差を設
定することによって、高温側表面の表層の合成樹脂が先
に硬化または固化するため、後から硬化または固化した
低温側表面の表層における合成樹脂の面方向の残留応力
によって、高温側の表面が凸面となるように反ることに
なる。
【0024】続いて、上記凹面の表層を、表面からほぼ
一様な深さで除去することにより、凹面の表層の残留応
力を減少できるので、上記凹面と反対面の表層の残留応
力によって、成形物の反りを軽減する方向に上記成形物
を付勢するから、成形時に成形中間体の両面での温度差
を設定しなかった場合と比べて、非収縮材を美麗に発現
させながら、より平板状で、反りが抑制された成形物を
得ることができる。
【0025】上記請求項4記載の方法によれば、上記成
形中間体において、成形直後に上記成形中間体の片面を
急冷すると、急冷側の表面の表層の合成樹脂が先に硬化
し、続いて、急冷側に対して反対面となる徐冷面が硬化
するため、上記徐冷面の残留応力によって、徐冷側の表
面が凹面となるように上記成形中間体が反ることにな
る。
【0026】続いて、上記凹面の表層を、表面からほぼ
一様な深さで除去することにより、凹面の表層の残留応
力を減少できるので、上記凹面と反対面の表層の残留応
力によって、成形中間体の反りを軽減する方向に成形体
を付勢するから、非収縮材を美麗に発現させながら、よ
り平板状で、反りが抑制された成形物を得ることができ
る。
【0027】上記請求項5記載の方法によれば、成形中
間体における合成樹脂部分の表層には、非収縮材によっ
て合成樹脂が多い層が形成されており、また、成形中間
体における合成樹脂部分は材料部分より熱膨張率が大き
い、つまり硬化または固化後の冷却時の収縮率が材料部
分より大きいことから、得られた成形中間体は、合成樹
脂部分の表面が凹面となるように上記成形中間体は、特
に上記表層の収縮応力によって反ることになる。
【0028】続いて、上記凹面の表層を、その表面から
ほぼ一様な深さで除去することにより、凹面の表層の残
留収縮応力を減少できるので、上記方法では、非収縮材
を美麗に発現させながら、より平板状で、ほぼ反りが抑
制された成形物を得ることができる。
【0029】
【実施例】本発明の平板状の成形物の製造方法を、以
下、各実施例、各比較例および図1に基づいて詳細に説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。
【0030】〔実施例1〕スミペックLG−6(住友化
学工業株式会社製、ポリメタクリル酸メチルのビーズ)
40wt%、メタクリル酸メチル60wt%からなる合
成樹脂としてのシラップ75部、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート25部、カップリング剤(KBM
−503、信越化学工業株式会社製)2部、硬化剤(バ
ーヘキサHC、日本油脂株式会社製)1.0部、重合禁止
剤としてのパラベンゾキノン100ppm、充填剤としての水
酸化アルミニウム(ハイジライドH−320、昭和電工
株式会社製)250部、内部離型剤(SZ−2000、
堺化学工業株式会社製)2部、柄を形成するための粒状
の非収縮材としての天然御影石(マホガニー、2分石、
比重2.7)570部、強化ガラス繊維(チョップドス
トランド、ECS06B−144P、日本電気硝子株式
会社製)30部をニーダーで混練してBMC(塊状成形
材料)を原料として得た。
【0031】このBMCを、金型における上下に温度差
を設定した条件、即ち、3070mm×760mmの金
型において、上型温度125°C、下型温度115°
C、プレス圧力85kgf/cm2 、キープ時間10
分、BMCチャージ量72kgの条件でプレス成形し、
厚み13.8mmの平板状の成形中間体(A)を得た。
【0032】図1(a)に示すように、上記成形中間体
(A)としての成形中間体1は、金型低温側の表面が凹
面1aを有する一方、金型高温側の表面が凸面1bを有
しており、合成樹脂2の内部に不定型の粒状の非収縮材
3が充填され、上記各表面1a・1bの表層に樹脂リッ
チ層1c・1dが非収縮材3によってそれぞれ形成され
ていた。
【0033】成形中間体1について、室温まで徐冷した
後、短手方向の反りを測定した結果を表1に示した。成
形中間体1は、金型低温側の表面が凹状となっていた。
このような表面の反りは、図2(a)に示した反り測定
器5を用いて測定された。
【0034】この反り測定器5は、棒状の本体5aの中
央部に上記本体5aに対し垂直方向に移動可能なスピン
ドル5bと、そのスピンドル5bの移動距離を測定して
表示するダイヤルゲージ5cと、上記スピンドル5bと
平行に突出する各突出部5dとを有している。
【0035】このような反り測定器5を用いて、成形中
間体1や成形物4の表面の反りを測定する場合、図2
(b)や図2(c)に示すように、まず、上記表面に対
し上記各突出部5dを当接させた後、上記スピンドル5
bを上記表面に接触するように移動させて、その移動距
離をダイヤルゲージ5cによって測定して、上記表面の
反りを、成形中間体1や成形物4の表面の両端を結ぶ仮
想線6と、上記表面の中央部との高低差として上記移動
距離により測定する。
【0036】本実施例では、スピンドル5bが、図中、
上方にシフトする場合、つまり凸面側から測定したとき
の数値を+にて示す一方、スピンドル5bが、図中、下
方にシフトする場合、つまり凹面側から測定したときの
数値を−にて示した。
【0037】このような成形中間体1に対し、凹面1a
側(低温成形面側)から湿式一軸研磨機で、ダイヤ及び
セメント砥石を用い研磨量が深さ1mmの一様となるよう
に上記樹脂リッチ層1cを除去して、図1(b)に示す
ように、成形物4を得た。
【0038】上記成形物4の短手方向の反りを上記のダ
イヤルゲージ5cにより測定した結果を表1に合わせて
示した。なお、上記の研磨は、研磨面を上に向けて行っ
た。表1に示すように、成形中間体1を凹面1a側から
研磨量が一様になるように研磨して樹脂リッチ層1cを
除去した結果、研磨面の反りが0.00mmとなり、反りの無
い、平板状の成形物4が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】〔実施例2〕最初に、本実施例2にて用い
る熱硬化性樹脂の合成方法について説明すると、攪拌
機、還流冷却機、温度系、窒素導入管を備えたセパラブ
ルフラスコに、部分けん化型ポリビニルアルコール(ゴ
ーセノール、GH−20、日本合成化学工業株式会社
製)を0.5 %溶解している完全脱塩水2000gを仕込
み、窒素雰囲気下80℃に加熱した。
【0041】続いて、攪拌下にスチレンモノマー85重
量部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート15重量
部、n−ドデシルメルカプタン0.1重量部、ベンゾイ
ルパーオキサイド1重量部からなる混合物1000gを
加えた。
【0042】その次に、4時間後に発熱が開始し、その
後においてフラスコ内を85℃以下となるように上記フ
ラスコ内を冷却した。発熱終了後、フラスコ内を90℃
に昇温し、約1時間保持した後、室温まで冷却した。粒
状重合体を60μmのナイロンガーゼを介して吸引ろ過
し、完全脱塩水で洗浄し、真空乾燥機中で60℃にて乾
燥して、粒状のポリマーを得た。
【0043】このポリマー50重量部、トリメチロール
プロパントリメタクリレート15重量部、スチレンモノ
マー35重量部、無水マレイン酸10重量部、カップリ
ング剤(KBM−503、信越化学工業株式会社製)2
部、硬化剤(カヤカルボンBIC−75、化薬アクゾ株
式会社製)1.0部、重合禁止剤としてのパラベンゾキノ
ン100ppm、充填剤としての水酸化アルミニウム(ハイジ
ライドH−320、昭和電工株式会社製)300部、強
化ガラス繊維(チョップドストランド、ECS06B−
144P、日本電気硝子株式会社製)10部をニーダー
で混練してBMCを得た。このBMCを、40℃、
24時間熟成を行った。
【0044】熟成後のBMC25kg、スチレンモノ
マー2.9kg、柄を形成するための粒状の非収縮材と
しての前記の天然御影石(マホガニー、2分石)60k
gをニーダーで混練しBMCを得た。
【0045】このBMCを、金型における上下に温度
差を設定した条件、即ち、3070mm×760mmの
金型において、上型温度135°C、下型温度130°
C、プレス圧力85kgf/cm2 、キープ時間10
分、BMCチャージ量72kgの条件でプレス成形
し、実施例1と同様な、厚み13.8mmの平板状の成
形中間体(B)を得た。
【0046】この成形中間体(B)について、室温まで
徐冷した後、短手方向の反りを実施例1と同様に測定し
た結果を表1に合わせて示した。表1に示すように、得
られた成形中間体(B)は、金型低温側の表面が凹状で
あった。このような成形中間体(B)に対し、前記実施
例1と同様に凹状の面を一様な深さに研磨により除去し
て、成形物を得た。この成形物の短手方向の反りを実施
例1と同様に測定した結果を表1に合わせて示した。表
1から明らかなように、得られた成形中間体(B)の凹
状の表面を深さが一様となるように研磨により除去する
ことにより、研磨面の反りが−0.01mmとなり、反りの少
ない成形物が得られた。
【0047】〔実施例3〕次に、合成樹脂として熱硬化
性樹脂を用いた例を、実施例3として以下に説明する
と、まず、合成樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂
(エポラックNH−111、株式会社日本触媒製、硬化
時の比重0.9〜1.2)85部、熱硬化性の合成樹脂
としての低収縮剤(エポラックAT−600、株式会社
日本触媒製)15部、カップリング剤(KBM−50
3、信越化学工業株式会社製)2部、硬化剤(カヤカル
ボンBIC−75、化薬アクゾ株式会社製)1部、充填
剤としての水酸化アルミニウム(ハイジライトH−32
0、昭和電工株式会社製)250部、前記の天然御影石
(マホガニー、2分石)570部、強化ガラス繊維(チ
ョップドストランドECS06B−144/P、日本電
気硝子株式会社製)30部をニーダーで混練したBMC
(塊状成形材料)を原料として得た。
【0048】このBMCを、実施例2と同じ条件でプレ
ス成形し、平板状の成形中間体(C)を得た。この成形
中間体(C)について、室温まで徐冷した後、短手方向
の反りを実施例1と同様に測定した結果を表1に示し
た。このような成形中間体(C)は、金型低温側の表面
が凹状となっていた。
【0049】成形中間体(C)について、凹面側(低温
成形面側)から、前記実施例1と同様にして研磨量が、
深さ1mmの一様となるように上記凹面側の表面を除去し
て、成形物を得た。
【0050】上記成形物の短手方向の反りを実施例1と
同様に測定した結果を表1に合わせて示した。なお、上
記の研磨は、研磨面を上に向けて行った。表1に示すよ
うに、成形中間体(C)を凹面側から研磨量が一様にな
るように研磨して表面の樹脂リッチ層を除去した結果、
研磨面の反りが−0.05mmとなり、反りの少ない成形物が
得られた。
【0051】〔比較例1〕実施例3における上型金型と
下型金型とを互いに異なる温度設定とした条件に代え
て、比較例1では、下型温度と上型金型とを相等しい温
度、つまり下型金型を、上型温度と等しい135°Cに
変更し、他は実施例3と同一の条件でBMCを成形した
結果、厚み13.8mmの平板状の成形中間体(イ)を
得た。
【0052】成形中間体(イ)について、室温まで徐冷
した後、短手方向の反りを実施例1と同様に測定した結
果を表2に合わせて示した。表2に示すように、得られ
た成形中間体(イ)は、ほぼ反りが無い成形中間体
(イ)であった。
【0053】成形中間体(イ)について、天然御影石に
て形成される柄を美麗に発現させるために、片面を実施
例1と同じ条件で研磨し、短手方向の反りを実施例1と
同様に測定した結果を表2に示した。表2に示すよう
に、成形中間体(イ)を研磨量が一様になるように研磨
した結果、研磨面の反りが0.45mmとなり、研磨面が凸状
である成形物が得られた。これにより、研磨面と反対面
の表層に、面方向に沿った大きな収縮応力が残留してい
ることが判る。
【0054】
【表2】
【0055】〔比較例2〕実施例3と同一条件でBMC
を作成し、そのBMCを実施例3と同様に成形した結
果、成形中間体(ウ)を得た。成形中間体(ウ)につい
て、室温まで徐冷した後、短手方向の反りを実施例1と
同様に測定した結果を表2に合わせて示した。表2に示
すように、得られた成形中間体(ウ)は、金型低温側が
凹状である成形中間体であった。
【0056】成形中間体(ウ)について、凸面側(高温
成形面側)から、実施例1と同じ条件で研磨し、短手方
向の反りを実施例1と同様に測定した結果を表2に合わ
せて示した。表2に示すように、成形中間体(ウ)を凸
面側から研磨量が一様になるように研磨した結果、研磨
面の反りが0.85mmとなり、反りが増大した成形物が得ら
れた。これにより、成形中間体(ウ)における凹面側の
表層に面方向に沿った大きな収縮応力が残留しているこ
とが判る。
【0057】〔実施例4〕実施例3における上型金型と
下型金型の温度を互いに異なるように設定することに代
えて、上型金型温度と下型温度とを互いに等しい130
°Cに変更し、他は実施例3と同じ条件でBMCを成形
して、厚み13.8mmの平板状の樹脂成形品を得た
後、金型から脱型直後の上記の樹脂成形品に対し、上記
樹脂成形品の片側面のみに水を散布して急冷して、成形
中間体(D)を得た。
【0058】上記成形中間体(D)における短手方向の
反りを実施例1と同様に測定した結果を表1に合わせて
示した。表1に示すように、得られた成形中間体(D)
は、急冷した表面の反対面に凹面を有していた。成形中
間体(D)について、凹面側の表面から、実施例1と同
じ条件で研磨して成形物を得た。上記成形物の短手方向
の反りを実施例1と同様に測定した結果を表1に合わせ
て示した。表1に示すように、成形中間体(D)を凹面
側から研磨量が一様になるように研磨した結果、研磨面
の反りが−0.06mmとなり、反りの少ない成形物が得られ
た。
【0059】〔実施例5〕実施例3と同じ条件で作成し
たBMCの67kgを、プレス金型下側面に厚み1mm
であるベニヤ板をひいた上にチャージし、上型温度13
5°C、下型温度135°Cで他は実施例1と同一条件
でプレス成形した結果、ベニヤ板と一体になった厚み1
3.8mmの平板状の成形中間体(E)を得た。
【0060】成形中間体(E)について、室温まで徐冷
した後、その短手方向の反りを実施例1と同様に測定し
た結果を表2に合わせて示した。表2に示すように、得
られた成形中間体(E)は、ベニヤ板側の表面が凸状で
あった。
【0061】成形中間体(E)について.凹面側(ベニ
ヤ板の逆側の樹脂側)の表面を、実施例1と同じ条件で
研磨して成形物を得た後、上記成形物の短手方向の反り
を実施例1と同様に測定した結果を表2に合わせて示し
た。表2に示すように、成形中間体(E)を凹面側から
研磨量が一様になるように研磨して、凹面側の表層を除
去した結果、研磨面の反りが−0.03mmとなり、反りの少
ない成形物が得られた。
【0062】このように上記各実施例の方法では、凹面
1aをその表面から一様な深さ、例えば成形中間体1の
厚さ13.8mmに対し、約7%となる約1mmにて除去するこ
とにより、非収縮材としての天然御影石により形成され
た柄を美麗に発現できると共に、成形中間体1の反りを
矯正する操作を特に行わなくとも、成形中間体1の反り
を大幅に軽減でき、反りの少ない成形物4を安定に製造
できる。
【0063】また、比較例1に示すように、柄を美麗に
発現させるために片面を研磨して反った成形物を、より
平板状とするためには、研磨した化粧面と反対面も研磨
する場合、そのような成形物を得るために両面をそれぞ
れ研磨する必要があり、その製造に手間取っていた。
【0064】しかしながら、本発明の方法では、柄を美
麗に発現させるために、得られた成形中間体1の片面で
ある凹面1aのみを研磨するだけにより、平面性に優れ
た柄付きの成形物4を容易に製造できる。
【0065】
【発明の効果】本発明の請求項1ないし3記載の平板状
の成形物の製造方法は、粒状の非収縮材と合成樹脂とを
含む原料を平板状に成形して成形中間体を得る際に、上
記成形中間体における両面での硬化または固化時期が互
いに異なるように設定して、上記成形中間体を反らせ、
続いて、生じた凹面の表層を、上記凹面の表面からほぼ
一様な深さで除去する方法である。
【0066】それゆえ、上記方法では、凹面をその表面
から一様に除去することにより、非収縮材を美麗に発現
できると共に、成形中間体の反りを矯正する操作を行わ
なくとも、反った成形中間体から得られた成形物の反り
を大幅に軽減でき、平面性の優れた成形物を安定に製造
できるという効果を奏する。
【0067】本発明の請求項4記載の平板状の成形物の
製造方法は、さらに、成形中間体を得た後、直ちに、成
形中間体の片面を急冷して上記成形中間体における両面
の一方に生じた凹面の表層を、上記凹面の表面からほぼ
一様な深さで除去して成形物を得る方法である。
【0068】それゆえ、上記方法では、凹面の表層を、
表面からほぼ一様な深さで除去することにより、凹面の
表層の残留応力を減少できるので、上記凹面と反対面の
表層の残留応力によって、成形中間体の反りを軽減する
方向に上記成形中間体を付勢するから、非収縮材を美麗
に発現させながら、より平板状で、反りが抑制された成
形物を安定に得ることができるという効果を奏する。
【0069】本発明の請求項5記載の平板状の成形物の
製造方法は、柄を形成するための粒状の非収縮材を含む
合成樹脂と、上記合成樹脂より熱膨張率が小さい材料と
を相互に積層するように平板状に成形して成形中間体を
得た後、上記成形中間体における合成樹脂の表層を上記
表層の表面からほぼ一様な深さで除去して成形物を得る
方法である。
【0070】それゆえ、上記方法では、凹面の表層を、
その表面からほぼ一様な深さで除去することにより、凹
面の表層の残留収縮応力を減少できるので、上記方法で
は、非収縮材を美麗に発現させながら、より平板状で、
ほぼ反りが抑制された成形物を安定に得ることができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平板状の成形物の製造方法の工程図で
あって、凹面を有する成形中間体を、上記凹面からほぼ
一様な深さで除去して上記成形物を得る工程を示す概略
断面図である。
【図2】上記成形中間体および成形物における反りの測
定方法を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる成形中間体における
表面からの各深さと、それらの位置での成形中間体の各
比重との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の製造方法において、粒状の非収縮材と
合成樹脂とを含む原料を平板状に成形した成形中間体
が、両面での硬化時期が互いに異なることによる収縮応
力の残留によって反ることを示す説明図である。
【符号の説明】
1 成形中間体 1a 凹面 2 合成樹脂 3 非収縮材 4 成形物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 105:16 B29K 105:16 B29L 31:10 B29L 31:10 C04B 111:54 C04B 111:54 (56)参考文献 特開 平5−285911(JP,A) 特開 平6−157120(JP,A) 特開 平6−218829(JP,A) 特開 昭51−119067(JP,A) 特開 昭63−154310(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58 C04B 26/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状の非収縮材と合成樹脂とを含む原料を
    平板状に成形して成形中間体を得る際に、上記成形中間
    体における両面での硬化または固化時期が互いに異なる
    ように設定して成形中間体を反らせ、上記成形中間体の
    一方に生じた凹面の表層を、上記凹面の表面からほぼ一
    様な深さで除去して成形物を得ることを特徴とする平板
    状の成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】成形中間体における成形時の両面での温度
    差を設定することによって、成形中間体における両面で
    の硬化または固化時期が互いに異なることを特徴とする
    請求項1記載の平板状の成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】合成樹脂として熱硬化型樹脂を用い、成形
    中間体における成形時の低温側に生じた凹面の表層を除
    去することを特徴とする請求項2記載の平板状の成形物
    の製造方法。
  4. 【請求項4】柄を形成するための粒状の非収縮材と合成
    樹脂とを含む原料を平板状に成形して成形中間体を得た
    後、直ちに、成形中間体の片面を急冷して上記成形中間
    体における両面の一方に生じた凹面の表層を、上記凹面
    の表面からほぼ一様な深さで除去して成形物を得ること
    を特徴とする平板状の成形物の製造方法。
  5. 【請求項5】柄を形成するための粒状の非収縮材を含む
    合成樹脂と、上記合成樹脂より熱膨張率が小さい材料と
    を相互に積層するように平板状に成形して成形中間体を
    得た後、上記成形中間体において凹面となる合成樹脂の
    表層を上記表層の表面からほぼ一様な深さで除去して成
    形物を得ることを特徴とする平板状の成形物の製造方
    法。
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