JP3494735B2 - 竪型直火加熱炉による鋼帯の連続加熱方法 - Google Patents

竪型直火加熱炉による鋼帯の連続加熱方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続焼鈍ラインや連続
溶融めっきラインに組み込まれた竪型直火加炉を使用
し、冷延鋼板,ステンレス鋼板等を連続加熱する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】竪型直火加熱炉では、鋼帯の幅方向及び
進行方向に関して千鳥状又は平行に複数本のバーナが配
列されている。この竪型直火加熱炉は、ラジアントチュ
ーブによる輻射加熱方式やゼンジマータイプの溶融めっ
きラインに適用されている鋼帯に対して平行に設置され
たバーナによる無酸化加熱方式に比較し、バーナーから
の火炎で鋼帯が直接加熱されるため、熱効率が優れてい
る。しかし、鋼帯のエッジ部が中心部に比べて過度に昇
温し易い欠点をもっている。竪型直火加熱炉における鋼
帯の板幅方向に関する温度ムラを解消するため、従来か
ら種々の方法が提案されている。たとえば、板幅方向に
関してバーナの燃焼本数を、加熱炉入側である前段より
も加熱炉出側である後段で多くする方法,バーナの燃焼
量をエッジ部より炉中心部で多くする方法等がある。ま
た、特開平6−17148号公報では、板幅方向に関す
るバーナの燃焼本数を前段より後段で多くし、且つバー
ナの燃焼量をエッジ部より炉中心部で多くすることが紹
介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】竪型直火加熱炉で鋼帯
のエッジ部が中心部に比較して過度に昇温される要因の
一つに、鋼帯に対面する炉壁からの輻射熱のみで鋼帯中
心部が加熱されるのに対し、鋼帯エッジ部では鋼帯に対
面する炉壁及び側壁の三方向から輻射加熱されることが
ある。また、ドラフトによって上方に流れる高温の燃焼
排ガスが抵抗の少ない側部の排ガス流路を優先的に通過
するため、エッジ部を通る排ガスの流速が中心部より大
きくなり、対流熱伝達係数が高くなることもエッジ部過
熱の要因である。鋼帯のエッジ部が中心部に比較して過
度に高い温度に加熱されると、鋼帯の強度,延性等の機
械的性質がエッジ部と中心部で異なり、板幅方向に関し
て製品品質にバラツキが生じる。また、連続溶融めっき
ラインの竪型直火加熱炉でこのようなエッジ部の過熱が
生じると、燃焼量変更時等において炉内雰囲気の変動に
よって高温のエッジ部にFe系酸化物が生成する場合が
ある。Fe系酸化物は、後続する還元炉で完全に還元さ
れないままで溶融めっき槽に持ち込まれると、不めっき
や密着性不良等の欠陥を発生させる原因となる。
【0004】板幅方向に関してバーナの燃焼本数を前段
より後段側で多くした特開平6−17148号公報の方
法では、前段では燃焼領域を狭くしている。しかし、鋼
帯の温度が最も高くなる後段、すなわち加熱炉出側でバ
ーナ燃焼本数が多く、燃焼領域が板幅方向に広くなって
いる。そのため、鋼帯エッジ部への入熱量が多くなり、
エッジ部の過熱を十分に解消できない。また、エッジ部
より中心部におけるバーナの燃焼量を多くする方法で
は、製品の板幅や板厚が変更した場合、それに対応して
バーナの燃焼量を変化させる。しかし、熱容量の大きな
炉壁の温度変化は遅いため、炉壁からの輻射熱によって
鋼帯に与えられる入熱量は極めて緩慢に変化する。その
結果、板幅方向の温度分布を均一化するために長時間が
必要となり、製品寸法が頻繁に変動する実ラインに実操
業面から適用できない。また、前段より後段側でバーナ
の燃焼本数を多くする方法とエッジ部より中心部におけ
るバーナの燃焼量を多くする方法とを組み合わせても、
依然としてエッジ部の過熱を効果的に抑制できないのが
現状である。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、竪型直火加熱炉において鋼帯との
温度差が特定範囲にある冷却ガスを噴出させることによ
り、鋼帯エッジ部が過度に昇温することを防止し、板幅
方向に関する温度分布を均一化し、板幅方向に関して機
械的性質等が一定化された品質をもつ鋼帯製品を得るこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の連続加熱方法
は、その目的を達成するため、鋼帯の幅方向及び進行方
向に沿って複数のバーナが配列された竪型直火加熱炉に
おいて、鋼帯の板幅方向に関する温度偏差が目標範囲内
になるように、鋼帯との相対温度が−100℃以下にあ
る冷却ガスを竪型直火加熱炉に噴出させることを特徴と
する。冷却ガス噴出用に専用のノズルを使用するとき、
竪型直火加熱炉の幅方向に冷却ガスを噴出するように鋼
帯の進行方向に冷却ガス噴出ノズルを一段又は複数段配
置する。この場合、板温計等で連続的に検出した板幅方
向に関する温度偏差情報に基づき、板温の高い部分に対
応するガスノズルから冷却ガスを噴出することにより、
板温が迅速に均一化される。噴出された冷却ガスは、ド
ラフトによって上方に流れ、鋼帯エッジ部を冷却し、板
幅方向の温度分布を速やかに均一化する。冷却ガスの流
量は、鋼帯の板幅方向に関する温度偏差が目標範囲内に
なるように設定されることが好ましい。
【0006】或いは、バーナの一部又は全部を燃焼用及
び冷却ガス噴出用に兼用し、鋼帯の板幅方向に関する温
度偏差が目標範囲内になるように、バーナを燃焼用又は
冷却ガス噴出用に切り替えることもできる。たとえば、
鋼帯のエッジ部近傍が過度に昇温した場合、エッジ部に
対応する燃焼中のバーナを消火し、このバーナから冷却
ガスを噴出させて鋼帯を冷却することにより、板幅方向
に関する温度分布を均一化する。更に、板幅方向に関す
る温度偏差が目標範囲内になるように、バーナの燃焼量
を制御しても良い。すなわち、板幅方向に関する温度偏
差に対応して冷却ガスの流量と共にバーナの燃焼量を調
整するとき、加熱・冷却が相俟つて板幅方向の温度分布
が一層迅速に均一化される。本発明で使用される冷却ガ
スとしては、竪型直火加熱炉本来の機能を阻害しない限
り、ガスの種類に制約を受けるものではない。しかし、
製造コストを考慮したとき、竪型直火加熱炉や手近かに
ある加熱炉の燃焼排ガスを利用することが好ましい。
【0007】
【作用】本発明においては、竪型直火加熱炉に設置した
冷却専用のノズル又は燃焼−冷却兼用のノズルから、板
幅方向に関する温度偏差に対応した流量で冷却ガスを噴
出させている。噴出した冷却ガスは、ドラフトによって
上方に流れ、鋼帯を冷却することにより、板幅方向に関
して板温を迅速に均一化する。そのため、製品寸法が変
化した場合でも、迅速に板幅方向に関する温度偏差を目
標範囲内に抑えることが可能となる。更に、板幅方向の
温度偏差に対応して冷却ガス流量及びバーナの燃焼量を
共に変化させるとき、更に高い応答性で板温が均一化さ
れる。幅方向に関する冷却ガスの噴出は、幅方向に沿っ
て配置した複数のノズル,幅方向にスリットを設けたノ
ズル等を使用して行われる。また、竪型直火加熱炉では
鋼帯のエッジ部が過熱され易いことから、エッジ部近傍
にのみガスノズルを配置することによっても板幅方向に
関する温度偏差が解消できる。噴射される冷却ガスは、
板温に対する相対温度で−100℃以下、すなわち板温
との温度差が100℃以上であるガスが使用される。相
対温度が−100℃に満たないガスでは、冷却効果が小
さく、鋼帯温度を迅速に均一化できない。
【0008】
【実施例】
実施例1:本実施例では、連続焼鈍ラインの竪型直火加
熱炉において、図1に示すようにバーナを配列した。こ
の竪型直火加熱炉は、鋼帯の進行方向に沿って三つの燃
焼ゾーン1〜3を備えている。各燃焼ゾーン1〜3のバ
ーナ4は、鋼帯5から200mm離れた位置に設置され
ている。各燃焼ゾーン1〜3について、幅方向に200
mm間隔で片面当り6本のバーナ4を、進行方向に関し
て4段配置した。バーナ4の配列は、千鳥状又は平行の
何れの形態でも良いが、本実施例では千鳥状配列を採用
した。また、燃焼ゾーン3の下流側に冷却ガスノズル6
を配置した。冷却ガスノズル6としてはノズル径が50
mmのノズルを使用し、幅方向に100mm間隔で片面
当り14本配置した。このようにバーナ4及び冷却ガス
ノズル6を配置した竪型直火加熱炉を使用して、板幅1
200mm及び板厚1.5mmの鋼帯と板幅900mm
及び板厚1.0mmの鋼帯とを連続して加熱した。加熱
される鋼帯が板幅1200mmから板幅900mmに切
り替わった後で、板幅方向に沿った数点で板温を10分
間測定した。板幅方向に関する温度偏差を求め、その最
大値によって温度分布の如何を判定した。なお、冷却ガ
スの流量及びバーナ燃焼量は、鋼帯の中心部温度が70
0℃で、板幅方向に関する温度偏差が10℃以内となる
ように制御された。また、製品寸法が変わる直前では、
鋼帯中心部の温度が700℃で、板幅方向に関する温度
偏差が10℃以内となるように加熱冷却条件が設定され
ていた。バーナ燃焼量を制御せずに、冷却ガスとしてN
2 ,He,燃焼排ガス等を使用したとき、冷却ガスの種
類や温度は、表1に示すように鋼帯の幅方向に関する温
度偏差に影響を与えた。表1から、冷却ガスの温度が鋼
帯温度700℃よりも100℃以上低い冷却ガスを使用
することにより、バーナ燃焼量を制御しなくても温度偏
差が35℃以下に抑えられることが判る。
【0009】
【表1】
【0010】また、バーナ燃焼量を制御すると、表2に
示すように温度偏差の最大値を22℃以下に抑えること
ができた。このことから、冷却ガスの流量と共にバーナ
燃焼量を制御するとき、更に優れた板温均一化が図られ
ることが判る。
【0011】
【表2】
【0012】これに対し、冷却ガスの流量制御及びバー
ナの燃焼量制御の何れをも使用しない場合、表3の試験
番号17にみられるように、温度偏差の最大値が145
℃と大きくなっていた。このような大きな温度偏差は、
加熱処理された鋼帯の板幅方向に関する特性に変動をき
たし、品質を不安定にする。バーナ燃焼量のみを制御し
た場合でも、試験番号18にみられるように、温度偏差
の最大値が116℃と大きく、板温均一化能力に劣って
いた。また、冷却ガスとしてN2 や燃焼排ガスを使用し
ても、鋼帯との相対温度差が−100℃に満たないと
き、バーナ燃焼量制御の有無に拘らず、温度偏差が72
〜105℃と非常に大きくなっていた。
【0013】
【表3】
【0014】表3の結果を表1及び表2と対比すると
き、冷却ガスの流量制御,又は冷却ガスの流量制御とバ
ーナ燃焼量制御とを組み合わせた本発明方法は、竪型直
火加熱炉で鋼帯の板温を均一に加熱する上で非常に優れ
た作用を呈することが判る。試験番号5〜9及び試験番
号20の温度偏差をプロットし、温度偏差に及ぼす燃焼
排ガス温度の影響を整理したところ、図2に示す関係が
成立していることが判った。図2から、燃焼排ガス温度
を鋼帯温度700℃より100℃以上低くすることによ
り、温度偏差が40℃程度に抑えられることが判る。他
方、相対温度が−100℃未満になると、温度偏差に急
激な上昇傾向がみられる。特に、製品の品質を厳しく管
理するような場合、図2から、鋼帯の温度偏差を30℃
以下に抑えるため、冷却ガスの温度を鋼帯との相対温度
で−200℃以下にすることが望ましいといえる。
【0015】実施例2:本実施例では、連続焼鈍ライン
の竪型直火加熱炉において、図3に示すようにバーナを
配列した。この竪型直火加熱炉は、鋼帯の進行方向に沿
って四つの燃焼ゾーン1〜3,7を備えている。各燃焼
ゾーン1〜3,7とも、バーナ4と鋼帯5との間隔を2
50mmに維持し、幅方向に200mm間隔で片面当り
6本のバーナ4を進行方向に関して4段配置した。バー
ナ4の配列は、千鳥状又は平行の何れの形態でも良い
が、本実施例では千鳥状配列を採用した。また、燃焼ゾ
ーン3の下流側に冷却ガスノズル6を、燃焼ゾーン7の
下流側に冷却ガスノズル8を二段配置した。冷却ガスノ
ズル6,8としてはノズル径が50mmのノズルを使用
し、幅方向に100mm間隔で片面当り一段につき14
本配置した。このようにバーナ4及び冷却ガスノズル
6,8を配置した竪型直火加熱炉を使用して、板幅11
00mm及び板厚1.6mmの鋼帯と板幅850mm及
び板厚0.8mmの鋼帯とを連続して加熱した。加熱さ
れる鋼帯が板幅1100mmから板幅850mmに切り
替わった後で、板幅方向に関する温度偏差が10℃以内
に戻るまでの時間を測定した。測定結果を表4に示す。
なお、冷却ガスの流量及びバーナ燃焼量は、鋼帯中心部
の温度が700℃で、板幅方向に関する温度偏差が10
℃以内になるように制御された。また、製品寸法が変わ
る直前では、鋼帯中心部の温度が700℃で、板幅方向
に関する温度偏差が10℃以内となるように加熱冷却条
件が設定されていた。他方、冷却ガスを使用しない場合
や相対温度が−100℃未満の冷却ガスを使用した場合
を、比較例として表5に示す。
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】表4から明らかなように、冷却ガス制御に
加えてバーナ燃焼量を制御したとき、冷却ガスの温度が
高いほど温度偏差が10℃以内に戻るまでの時間が長く
なっているものの、何れの場合でも3分弱で板幅方向に
関する温度偏差が10℃以内に戻った。これに対し、冷
却ガス制御及びバーナ燃焼量制御の何れをも行わない
と、表5の試験番号29にみられるように、温度偏差が
次第に大きくなり、再び温度偏差が10℃以内に戻るこ
とはなかった。バーナ燃焼量制御のみを行った場合に
は、試験番号30にみられるように、温度偏差が10℃
以内に戻るまでに25分55秒と非常に長い時間がかか
った。また、冷却ガスとしてN2や燃焼排ガスを使用し
ても、鋼帯との相対温度差が−100℃に満たない場合
では、試験番号31〜34にみられるように、温度偏差
が10℃以内に戻るまでにバーナ燃焼量制御の有無に拘
らず10分以上の長時間を要した。これらの対比から、
冷却ガスの流量制御や、冷却ガスの流量制御とバーナ燃
焼量の制御とを組み合わせた本発明法によるとき、竪型
直火加熱炉において製品寸法の変更時等に必然的に生じ
る鋼帯の板幅方向に関する温度偏差を迅速に解消できる
ことが確認された。
【0019】実施例3:本実施例では、連続溶融Znめ
っきラインの竪型直火加熱炉において、図4に示すよう
にバーナを配列した。この竪型直火加熱炉は、鋼帯の進
行方向に沿って四つの燃焼ゾーン1〜3,7を備えてい
る。各燃焼ゾーン1〜3,7とも、バーナ4と鋼帯5と
の間隔を200mmに維持し、幅方向に180mm間隔
で片面当り7本のバーナ4を進行方向に関して4段配置
した。また、各燃焼ゾーン1〜3,7とも、両端から二
つのバーナ9を燃焼・冷却兼用バーナとした。このよう
にバーナ4,9を配置した竪型直火加熱炉を使用して、
板幅1200mm及び板厚1.6mmの鋼帯と板幅80
0mm及び板厚1.1mmの鋼帯とを連続して加熱した
後、溶融Znめっき浴に導入した。ここで、冷却ガス流
量及びバーナ燃焼量は、鋼帯中心部の温度が550℃で
板幅方向に関する温度偏差が10℃以内になるように制
御された。また、製品寸法が変わる直前の鋼帯中心部温
度を550℃,板幅方向に関する温度偏差を10℃以内
に設定した。この条件下で、加熱される鋼帯が板幅12
00mmから板幅800mmに切り替わった後、板幅方
向に沿った複数の測定点で板温を10分間検出すること
により、板幅方向に関する温度偏差の最大値を求めた。
また、溶融Znめっき後に、密着曲げテープ試験でエッ
ジ部100mmに発生しためっき層の剥離幅を測定し
た。測定結果を表6及び表7に示す。
【0020】
【表6】
【0021】
【表7】
【0022】鋼帯より100℃以上温度が低いN2 ,H
e,燃焼排ガス等の冷却ガスを燃焼・冷却兼用バーナ9
から噴出させたとき、表6の試験番号35〜41にみら
れるように、板幅方向に関する温度偏差の最大値が36
℃以下に抑えられた。また、溶融めっき後の剥離テスト
においても、めっき層の剥離が検出されなかった。これ
に対し、N2 や燃焼排ガスを冷却ガスとして使用して
も、鋼帯との相対温度が−100℃に満たない場合に
は、試験番号42,43にみられるように、温度偏差の
最大値が60℃以上と大きくなり、溶融めっき後の剥離
テストでも10mm以下のめっき層の剥離が発生した。
バーナ燃焼量の制御も行った場合には、表7の試験番号
44〜48にみられるように、温度偏差の最大値が25
℃以下に抑えられ、溶融めっき層に剥離が生じなかっ
た。他方、冷却ガスの温度が本発明で規定した範囲から
外れる場合には、バーナ燃焼量を併せて制御しても、試
験番号49,50にみられるように、温度偏差の最大値
が60℃以上になり、めっき層の剥離が発生した。この
ことから、燃焼・冷却兼用バーナ9を使用し、バーナ9
から噴出される冷却ガスの流量を制御すること、及び冷
却ガスの流量制御及びバーナ燃焼量の制御を組み合わせ
た本発明法は、竪型直火加熱炉で鋼帯を加熱する場合に
板幅方向に関する温度分布を均一化する上で有効な手段
であることが確認された。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、板幅方向に関して特定された箇所に向けて冷却ガス
を吹き付けることにより、竪型直火加熱炉の欠点である
鋼帯エッジ部が過度に昇温することを防止し、板幅方向
に関して均一な温度分布で鋼帯を連続的に加熱できる。
また、製品寸法が変化した場合でも、板温が迅速に均一
化されることから、過度の昇温に起因する鋼帯幅方向に
関する機械的性質のバラツキや、溶融めっき製品にみら
れがちなめっき層の剥離が抑制され、高品質を維持しな
がら高い歩留まりで焼鈍,溶融めっき等が実施される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で採用した竪型直火加熱炉
のバーナ及び冷却ガスノズルの配列を示す図
【図2】 冷却ガスとして燃焼排ガスを使用した場合の
燃焼排ガス温度と鋼帯の温度偏差との関係を示すグラフ
【図3】 本発明の実施例2で採用した竪型直火加熱炉
のバーナ及び冷却ガスノズルの配列を示す図
【図4】 本発明の実施例3で採用した竪型直火加熱炉
のバーナ及び燃焼・冷却兼用バーナの配列を示す図
【符号の説明】
1〜3,7:燃焼ゾーン 4:バーナ 5:鋼帯
6,8:冷却ガスノズル 9:燃焼・冷却兼用バー

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯の幅方向及び進行方向に沿って複数
    のバーナが配列された竪型直火加熱炉において、鋼帯の
    板幅方向に関する温度偏差が目標範囲内になるように、
    鋼帯との相対温度が−100℃以下にある冷却ガスを竪
    型直火加熱炉に噴出させることを特徴とする鋼帯の連続
    加熱方法。
  2. 【請求項2】 鋼帯の幅方向及び進行方向に沿って複数
    のバーナが配列された竪型直火加熱炉において、竪型直
    火加熱炉の幅方向に冷却ガスを噴出する複数のガスノズ
    ルを鋼帯の進行方向に一段又は複数段配置し、鋼帯の板
    幅方向に関する温度偏差が目標範囲内になるように、鋼
    帯との相対温度が−100℃以下にある冷却ガスを竪型
    直火加熱炉に噴出させ、且つ冷却ガスの流量を制御する
    ことを特徴とする鋼帯の連続加熱方法。
  3. 【請求項3】 鋼帯の幅方向及び進行方向に沿って複数
    のバーナが配列された竪型直火加熱炉において、バーナ
    の一部又は全部を燃焼用及び冷却ガス噴出用に兼用し、
    鋼帯の板幅方向に関する温度偏差が目標範囲内になるよ
    うに、バーナを燃焼用又は冷却ガス噴出用に切り替え、
    鋼帯との相対温度が−100℃以下にある冷却ガスを竪
    型直火加熱炉に噴出させ、且つ冷却ガスの流量を制御す
    ることを特徴とする鋼帯の連続加熱方法。
  4. 【請求項4】 板幅方向に関する温度偏差が目標範囲内
    になるようにバーナの燃焼量を制御する請求項1〜3の
    何れかに記載の鋼帯の連続加熱方法。
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