JP3494186B2 - フィラー粉末の製造方法 - Google Patents
フィラー粉末の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィラー粉末の製造方
法に関し、具体的にはICパッケージや表示デバイス等
の電子部品を封着する封着材料に用いられるフィラー粉
末の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、ICパッケージや表示デバイ
ス等の電子部品を封着する封着材料には、低融点ガラス
粉末とともに、熱膨張係数の調整等のためにフィラー粉
末が使用される。 【0003】フィラー粉末を製造する方法の一つとし
て、結晶化ガラス法と呼ばれる方法が一般に知られてい
る。この結晶化ガラス法は、まず所望の化学組成を有す
るように調合されたガラス原料を溶融し、成形、粉砕し
て結晶性ガラス粉末を作製した後、これらを焼成して結
晶化させる方法であり、ウイレマイト、β−クォーツ固
溶体、コーディエライト、β−ユークリプタイト、亜鉛
ペタライト、ガーナイト等のフィラー粉末を作製する際
に利用される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ような方法では、結晶性ガラス粉末の焼成工程でこれら
が互いに熔着して強く焼き締まり、堅い結晶物の塊とな
ってしまうため、再粉砕する必要があり、製造コストが
高いという欠点がある。 【0005】また再粉砕工程で、粒径が0.5μm以下
の結晶物の微粉が発生するが、この微粉を取り除くため
に分級すると、フィラー粉末の収率が低下してコストが
非常に高くなり好ましくない。それゆえ通常は微粉を含
んだ状態で低融点ガラス粉末と混合される。ところがこ
のような微粉が封着材料中に存在すると、フィラーの比
表面積が増える(即ち、ガラスとの反応面積が大きくな
り、低融点ガラスに溶け込み易くなる)ため、封着材料
の流動性を低下させてしまうという問題を有している。 【0006】本発明の目的は、安価に製造することがで
き、しかも封着材料の流動性を損なわないフィラー粉末
の製造方法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の実験
を行った結果、結晶性ガラス粉末同士の接触を防止した
状態で焼成し、結晶化させることにより、上記目的が達
成できることを見いだし、本発明として提案するもので
ある。 【0008】即ち、本発明のフィラー粉末の製造方法
は、結晶性ガラス粉末に耐火性物質粉末を添加混合して
混合粉末とする工程と、混合粉末が10体積%以上の空
隙を有する焼結体となり且つ結晶性ガラス粉末が結晶化
するのに十分な温度で焼成する工程と、得られた焼結体
を解砕する工程とを含むことを特徴とする。 【0009】 【作用】本発明のフィラー粉末の製造方法においては、
まず結晶性ガラス粉末に耐火性物質粉末を添加し、均一
に混合する。耐火性物質粉末の添加量は、結晶性ガラス
粉末100重量部に対して0.1重量部以上、より好ま
しくは1〜70重量部であることが望ましい。なお耐火
性物質粉末の添加量が0.1重量部より少ないと結晶性
ガラス粉末同士の接触を妨げる効果が殆どなくなってし
まう。 【0010】使用する結晶性ガラス粉末は、所望の化学
組成を有するように調合されたガラス原料を溶融した
後、成形、粉砕して作製されるものであり、フィラー粉
末の作製に用いられるガラスであれば種々の組成を有す
るものを使用することが可能である。このようなものと
して例えばウイレマイト、β−クォーツ固溶体、コーデ
ィエライト、β−ユークリプタイト、亜鉛ペタライト、
ガーナイト等の結晶物となるものを使用することができ
る。なお結晶性ガラスの組成がこれらの結晶の理論組成
値から多少ずれていても差し支えない。また結晶性ガラ
ス粉末は、45μm以下の粒径を有するものを使用する
ことが望ましい。 【0011】また耐火性物質粉末は、結晶性ガラス粉末
同士の接触を妨げるために混合されるものであり、結晶
性ガラス粉末を焼成して得られる結晶物と同等以上の高
い融点を有するとともに結晶性ガラス粉末と反応し難い
性質のものを使用する。このようなものとしては、ウイ
レマイト系セラミックス、ジルコン系セラミックス、酸
化錫系セラミックス、ジルコニア、アルミナ、コーディ
エライト、酸化チタン、シリカ、β−クォーツ固溶体、
β−ユークリプタイト、亜鉛ペタライト、ガーナイトが
好ましく、またこれ以外にもチタン酸鉛系セラミック
ス、ムライト系セラミックス、酸化ニオブ、クリストバ
ライト等の結晶物粉末を使用することができる。なお耐
火性物質粉末は、45μm以下の粒径を有するものを使
用することが望ましい。 【0012】続いて、これらの混合粉末が10体積%以
上の空隙を有する焼結体となり且つ結晶性ガラス粉末が
結晶化するのに十分な温度で焼成する。このような条件
で混合粉末を焼成すると、耐火性物質粉末の存在によっ
て結晶性ガラス粉末同士の接触が妨げられ、結晶性ガラ
ス粉末が耐火性物質粉末と部分的に熔着した状態で結晶
化する。なお得られる焼結体の空隙率が10体積%未満
になると、粉末同士が強固に熔着して堅く焼き締まり、
解砕不可能になるため好ましくない。 【0013】その後、焼結体を解砕することにより、封
着材料用のフィラー粉末を得る。なお結晶性ガラス粉末
を用意する際の粉砕工程で発生するガラス微粉や、耐火
性物質粉末中に含まれる微粉が混合粉末中に混入してし
まう場合もあるが、このような微粉は混合粉末を焼成す
る過程で粒径の大きな結晶性ガラス粉末表面に熔着す
る。さらに解砕工程では微粉は殆ど発生しないため、得
られるフィラー粉末中には微粉は殆ど存在しない。 【0014】なお本発明の方法において、得られたフィ
ラー粉末を結晶性ガラス粉末の結晶物と耐火性物質粉末
とに分離するのは事実上困難である。それゆえ単一の材
質からなるフィラー粉末を得たい場合には、結晶性ガラ
ス粉末と同一結晶相を有する耐火性物質粉末を用いる必
要がある。 【0015】次に本発明の方法で得られるフィラー粉末
を用いた封着材料について説明する。 【0016】このような封着材料は、低融点ガラス粉末
と上記のようにして作製したフィラー粉末とからなる。
両者の割合は、低融点ガラス粉末:フィラー粉末が体積
%で45:55〜95:5の範囲であることが好まし
い。 【0017】低融点ガラス粉末としては、ガラス転移点
が350℃以下のものを使用することが好ましく、この
ようなものとして、PbO−B2 O3 系、PbO−Bi
2 O3 −Fe2 O3 系、PbO−Bi2 O3 −CuO
系、PbO−B2 O3 −ZnO系、PbO−B2 O3 −
Bi2 O3 系、PbO−V2 O5 系等の非晶質又は結晶
性のガラスを使用することが可能である。 【0018】またこの封着材料には、上記のようにして
作製したフィラー粉末以外にも、必要に応じて通常の方
法で作製した同種又は異種のフィラー粉末を添加しても
よい。このようなフィラー粉末としては、例えばウイレ
マイト系セラミックス、ジルコン系セラミックス、酸化
錫系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、ジルコ
ニア、アルミナ、コーディエライト、ムライト系セラミ
ックス、酸化ニオブ、β−ユークリプタイト、酸化チタ
ン、シリカ、ガーナイト、石英ガラス、クリストバライ
ト等を使用することができる。 【0019】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 【0020】表1及び表2は本発明の実施例(試料A〜
H)及び比較例(試料I、J)を示している。 【0021】 【表1】 【0022】 【表2】【0023】まず表中の組成となるように、純珪粉、酸
化アルミニウム、亜鉛華、ジルコニア、酸化チタン、酸
化リチウム、酸化マグネシウム、燐酸アルミニウムを調
合、混合し、この混合物を白金坩堝に入れて1500〜
1650℃で3時間溶融した。次いで溶融ガラスを板状
に成形し、粉砕した後、350メッシュのステンレス製
篩を通過させて45μm以下の粒径を有する結晶性ガラ
ス粉末を得た。 【0024】次いで表中に示す割合で、耐火性物質粉末
を添加し、混合した後、表に示す焼成条件で焼成した。
なお試料Iは耐火性物質粉末を添加せずに焼成した。 【0025】さらに得られた焼結体を解砕器にて解砕し
たところ、本発明の方法を用いて作製した試料A〜Hに
ついては空隙率が13体積%以上であったため、1〜2
分間解砕することにより、粒径45μm以下のフィラー
粉末が得られた。これに対して試料I及びJは、焼成に
よって強く焼き締まり、空隙率がそれぞれ4体積%、7
体積%の堅い塊状の結晶物であったため、解砕器での解
砕は不可能であった。そこでボールミルにて粉砕したと
ころ、粒径45μm以下の同一量のフィラー粉末を得る
ためには、試料Iは12時間、試料Jは15時間を要し
た。 【0026】また試料A〜Hについて、焼成前の結晶性
ガラス粉末と解砕後のフィラー粉末の比表面積を流体式
比表面積測定装置で測定し、平均粒径をマイクロトラッ
ク粒度分析計にて行ったところ、平均粒径(D50値)に
殆ど変化がなかったにも関わらず、解砕後の比表面積は
大きく減少していた。一方、試料I及びJについては再
粉砕後に比表面積及び平均粒径の測定を行った。その結
果、平均粒径(D50値)は実施例と同等であったもの
の、比表面積は解砕後の各実施例の値に比べて大きかっ
た。これらの事実から、本発明の方法にて作製したフィ
ラー粉末は、焼成時に微粉が結晶性ガラス粉末表面に熔
着したために、比表面積が小さくなったものと推測でき
る。 【0027】この微粉の熔着の有無を確認するために、
試料A〜Hのフィラー粉末を、各々樹脂に混練して硬化
させた後、硬化物の断面を研磨し、電子顕微鏡で観察し
たところ、各試料ともフィラー粉末の表面に微粉が熔着
しているのが認められた。 【0028】なお得られたフィラー粉末は、試料Aがβ
ークォーツ固溶体粉末とジルコン系セラミックス粉末と
の混合物、試料Bがβ−クォーツ固溶体粉末とウイレマ
イト系セラミックス粉末との混合物、試料Cがコーディ
エライト粉末とジルコニア粉末との混合物、試料Dがβ
−ユークリプタイト粉末と酸化錫系セラミックス粉末と
の混合物、試料Eが亜鉛ペタライト粉末とコーディエラ
イト粉末との混合物、試料Fがガーナイト粉末、ジルコ
ニア粉末及び酸化チタン粉末からなる混合物、試料Gが
ウイレマイト系セラミックス粉末、アルミナ粉末及びシ
リカ粉末からなる混合物、試料H〜Jが何れもウイレマ
イト系セラミックス粉末であった。 【0029】次に、得られた試料A〜Jのフィラー粉末
を用いて封着材料を作製した。 【0030】表3は使用する低融点ガラス粉末(試料a
〜c)を示している。また表4及び表5は、上記フィラ
ー粉末を用いて作製した封着材料の実施例(試料No.
1〜8)及び比較例(試料No.9、10)を示すもの
である。 【0031】 【表3】 【0032】 【表4】 【0033】 【表5】【0034】表3の低融点ガラスは次のようにして調製
した。 【0035】まず表3に示す組成となるように光明丹、
酸化ビスマス、酸化鉄、硼酸、亜鉛華、純珪粉、酸化ア
ルミニウム、炭酸バリウムを調合、混合し、この混合物
を白金坩堝に入れて900℃で1時間溶融した。次いで
溶融ガラスを板状に成形し、粉砕した後、350メッシ
ュのステンレス製篩を通過させて45μm以下の粒径を
有する低融点ガラス粉末を得た。このようにして得られ
た試料a〜cは、ガラス転移点が290〜300℃、3
0〜250℃における熱膨張係数が108〜115×1
0-7/℃であった。 【0036】続いて表4及び表5に示す割合で、低融点
ガラス粉末とフィラー粉末とを混合して封着材料を作製
した。 【0037】このようにして作製した封着材料につい
て、封着温度、熱膨張係数、抗折強度、絶縁抵抗及び流
動性を評価したところ、試料A〜Hのフィラーを用いた
試料No.1〜8の封着材料は、封着温度が390〜4
00℃、30〜250℃における熱膨張係数が50〜7
5×10-7/℃、抗折強度が550〜662kg/cm
2 、150℃での絶縁抵抗が13.2〜14.2Ω・c
mであり、また流動性が良好であった。これに対して試
料I及びJのフィラー粉末を用いた試料No.は、30
〜250℃における熱膨張係数が68×10-7/℃、抗
折強度が600kg/cm2 、150℃での絶縁抵抗が
13.3Ω・cmであり、実施例の各試料と同等の値を
示したものの、封着温度及び流動性については、同種の
フィラー粉末を同じ割合で用いた試料No.8に比べて
何れも悪かった。これは、試料I及びJのフィラー粉末
中に含まれる微粉が流動性に悪影響を及ぼしたものと思
われる。 【0038】なお焼結体の空隙率はアルキメデス法にて
測定した。ガラス転移点及び熱膨張係数は、押棒式熱膨
張測定装置を用いて測定した。抗折強度は、各試料を1
0×10×50mmの角柱に成形した後、焼成し、次い
で三点荷重測定法にて測定した。絶縁抵抗はメガオーム
メーターを用いて測定した。また流動性は、各試料から
作製した外径20mm、高さ5mmの円柱を400℃で
10分間加熱流動させた後、その流動径が21mm未満
のものを不可、21〜22mmのものを可、22mmを
超えるものを良とした。 【0039】また耐火性物質粉末及びその他のフィラー
粉末として使用した結晶物については次のようにして用
意した。 【0040】ウイレマイト系セラミックスiは、亜鉛
華、光学石粉、酸化アルミニウムを重量比でZnO70
%、SiO2 25%、Al2 O3 5%の組成となるよう
に調合し、混合後、1440℃で15時間焼成し、粉砕
して、350メッシュのステンレス製篩を通過させた粒
径45μm以下の粉末を使用した。 【0041】ウイレマイト系セラミックスiiは、試料
Hに使用する結晶性ガラス粉末を予め1200℃で10
時間焼成した後、粉砕し、350メッシュのステンレス
製篩を通過させたものを使用した。 【0042】ジルコン系セラミックスは、まず天然ジル
コンサンドを一旦ソーダ分解し、塩酸に溶解した後、濃
縮結晶化を繰り返すことによって、α線放出物質である
U、Thの極めて少ないオキシ塩化ジルコニウムにし、
次いでアルカリ中和後、加熱して精製ZrO2 を得た。
続いてこれに高純度珪石粉、酸化第二鉄を重量比でZr
O2 66%、SiO2 32%、Fe2 O3 2%の組成に
なるように調合し、混合後、1400℃で16時間焼成
し、さらに粉砕して、350メッシュのステンレス製篩
を通過させたものを使用した。 【0043】酸化錫系セラミックスは、重量比でSnO
2 93%、TiO2 2%、MnO25%の組成になるよ
うに酸化錫、酸化チタン、二酸化マンガンを調合し、混
合後、1400℃で16時間焼成し、次いで粉砕し、3
50メッシュのステンレス製篩を通過させたものを使用
した。 【0044】チタン酸鉛系セラミックスは、リサージ、
酸化チタン、炭酸カルシウムを重量比でPbO70%、
TiO 20%、CaO10%の組成になるように調合
し、混合後、1100℃で5時間焼成し、次いでこの焼
成物を粉砕し、350メッシュのステンレス製篩を通過
させたものを使用した。 【0045】ジルコニア、アルミナ、コーディエライ
ト、酸化チタン及びシリカは、350メッシュパスの市
販品を使用した。 【0046】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、焼成後に簡単な解砕を行うだけでフィラー粉末が
得られるために、従来の方法に比べて低コストで製造す
ることが可能である。また本発明の方法で作製したフィ
ラー粉末は、比表面積が小さいために、封着材料の流動
性を損なうことがなく、封着材料用のフィラー粉末の製
造方法として好適である。
法に関し、具体的にはICパッケージや表示デバイス等
の電子部品を封着する封着材料に用いられるフィラー粉
末の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、ICパッケージや表示デバイ
ス等の電子部品を封着する封着材料には、低融点ガラス
粉末とともに、熱膨張係数の調整等のためにフィラー粉
末が使用される。 【0003】フィラー粉末を製造する方法の一つとし
て、結晶化ガラス法と呼ばれる方法が一般に知られてい
る。この結晶化ガラス法は、まず所望の化学組成を有す
るように調合されたガラス原料を溶融し、成形、粉砕し
て結晶性ガラス粉末を作製した後、これらを焼成して結
晶化させる方法であり、ウイレマイト、β−クォーツ固
溶体、コーディエライト、β−ユークリプタイト、亜鉛
ペタライト、ガーナイト等のフィラー粉末を作製する際
に利用される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ような方法では、結晶性ガラス粉末の焼成工程でこれら
が互いに熔着して強く焼き締まり、堅い結晶物の塊とな
ってしまうため、再粉砕する必要があり、製造コストが
高いという欠点がある。 【0005】また再粉砕工程で、粒径が0.5μm以下
の結晶物の微粉が発生するが、この微粉を取り除くため
に分級すると、フィラー粉末の収率が低下してコストが
非常に高くなり好ましくない。それゆえ通常は微粉を含
んだ状態で低融点ガラス粉末と混合される。ところがこ
のような微粉が封着材料中に存在すると、フィラーの比
表面積が増える(即ち、ガラスとの反応面積が大きくな
り、低融点ガラスに溶け込み易くなる)ため、封着材料
の流動性を低下させてしまうという問題を有している。 【0006】本発明の目的は、安価に製造することがで
き、しかも封着材料の流動性を損なわないフィラー粉末
の製造方法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の実験
を行った結果、結晶性ガラス粉末同士の接触を防止した
状態で焼成し、結晶化させることにより、上記目的が達
成できることを見いだし、本発明として提案するもので
ある。 【0008】即ち、本発明のフィラー粉末の製造方法
は、結晶性ガラス粉末に耐火性物質粉末を添加混合して
混合粉末とする工程と、混合粉末が10体積%以上の空
隙を有する焼結体となり且つ結晶性ガラス粉末が結晶化
するのに十分な温度で焼成する工程と、得られた焼結体
を解砕する工程とを含むことを特徴とする。 【0009】 【作用】本発明のフィラー粉末の製造方法においては、
まず結晶性ガラス粉末に耐火性物質粉末を添加し、均一
に混合する。耐火性物質粉末の添加量は、結晶性ガラス
粉末100重量部に対して0.1重量部以上、より好ま
しくは1〜70重量部であることが望ましい。なお耐火
性物質粉末の添加量が0.1重量部より少ないと結晶性
ガラス粉末同士の接触を妨げる効果が殆どなくなってし
まう。 【0010】使用する結晶性ガラス粉末は、所望の化学
組成を有するように調合されたガラス原料を溶融した
後、成形、粉砕して作製されるものであり、フィラー粉
末の作製に用いられるガラスであれば種々の組成を有す
るものを使用することが可能である。このようなものと
して例えばウイレマイト、β−クォーツ固溶体、コーデ
ィエライト、β−ユークリプタイト、亜鉛ペタライト、
ガーナイト等の結晶物となるものを使用することができ
る。なお結晶性ガラスの組成がこれらの結晶の理論組成
値から多少ずれていても差し支えない。また結晶性ガラ
ス粉末は、45μm以下の粒径を有するものを使用する
ことが望ましい。 【0011】また耐火性物質粉末は、結晶性ガラス粉末
同士の接触を妨げるために混合されるものであり、結晶
性ガラス粉末を焼成して得られる結晶物と同等以上の高
い融点を有するとともに結晶性ガラス粉末と反応し難い
性質のものを使用する。このようなものとしては、ウイ
レマイト系セラミックス、ジルコン系セラミックス、酸
化錫系セラミックス、ジルコニア、アルミナ、コーディ
エライト、酸化チタン、シリカ、β−クォーツ固溶体、
β−ユークリプタイト、亜鉛ペタライト、ガーナイトが
好ましく、またこれ以外にもチタン酸鉛系セラミック
ス、ムライト系セラミックス、酸化ニオブ、クリストバ
ライト等の結晶物粉末を使用することができる。なお耐
火性物質粉末は、45μm以下の粒径を有するものを使
用することが望ましい。 【0012】続いて、これらの混合粉末が10体積%以
上の空隙を有する焼結体となり且つ結晶性ガラス粉末が
結晶化するのに十分な温度で焼成する。このような条件
で混合粉末を焼成すると、耐火性物質粉末の存在によっ
て結晶性ガラス粉末同士の接触が妨げられ、結晶性ガラ
ス粉末が耐火性物質粉末と部分的に熔着した状態で結晶
化する。なお得られる焼結体の空隙率が10体積%未満
になると、粉末同士が強固に熔着して堅く焼き締まり、
解砕不可能になるため好ましくない。 【0013】その後、焼結体を解砕することにより、封
着材料用のフィラー粉末を得る。なお結晶性ガラス粉末
を用意する際の粉砕工程で発生するガラス微粉や、耐火
性物質粉末中に含まれる微粉が混合粉末中に混入してし
まう場合もあるが、このような微粉は混合粉末を焼成す
る過程で粒径の大きな結晶性ガラス粉末表面に熔着す
る。さらに解砕工程では微粉は殆ど発生しないため、得
られるフィラー粉末中には微粉は殆ど存在しない。 【0014】なお本発明の方法において、得られたフィ
ラー粉末を結晶性ガラス粉末の結晶物と耐火性物質粉末
とに分離するのは事実上困難である。それゆえ単一の材
質からなるフィラー粉末を得たい場合には、結晶性ガラ
ス粉末と同一結晶相を有する耐火性物質粉末を用いる必
要がある。 【0015】次に本発明の方法で得られるフィラー粉末
を用いた封着材料について説明する。 【0016】このような封着材料は、低融点ガラス粉末
と上記のようにして作製したフィラー粉末とからなる。
両者の割合は、低融点ガラス粉末:フィラー粉末が体積
%で45:55〜95:5の範囲であることが好まし
い。 【0017】低融点ガラス粉末としては、ガラス転移点
が350℃以下のものを使用することが好ましく、この
ようなものとして、PbO−B2 O3 系、PbO−Bi
2 O3 −Fe2 O3 系、PbO−Bi2 O3 −CuO
系、PbO−B2 O3 −ZnO系、PbO−B2 O3 −
Bi2 O3 系、PbO−V2 O5 系等の非晶質又は結晶
性のガラスを使用することが可能である。 【0018】またこの封着材料には、上記のようにして
作製したフィラー粉末以外にも、必要に応じて通常の方
法で作製した同種又は異種のフィラー粉末を添加しても
よい。このようなフィラー粉末としては、例えばウイレ
マイト系セラミックス、ジルコン系セラミックス、酸化
錫系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、ジルコ
ニア、アルミナ、コーディエライト、ムライト系セラミ
ックス、酸化ニオブ、β−ユークリプタイト、酸化チタ
ン、シリカ、ガーナイト、石英ガラス、クリストバライ
ト等を使用することができる。 【0019】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 【0020】表1及び表2は本発明の実施例(試料A〜
H)及び比較例(試料I、J)を示している。 【0021】 【表1】 【0022】 【表2】【0023】まず表中の組成となるように、純珪粉、酸
化アルミニウム、亜鉛華、ジルコニア、酸化チタン、酸
化リチウム、酸化マグネシウム、燐酸アルミニウムを調
合、混合し、この混合物を白金坩堝に入れて1500〜
1650℃で3時間溶融した。次いで溶融ガラスを板状
に成形し、粉砕した後、350メッシュのステンレス製
篩を通過させて45μm以下の粒径を有する結晶性ガラ
ス粉末を得た。 【0024】次いで表中に示す割合で、耐火性物質粉末
を添加し、混合した後、表に示す焼成条件で焼成した。
なお試料Iは耐火性物質粉末を添加せずに焼成した。 【0025】さらに得られた焼結体を解砕器にて解砕し
たところ、本発明の方法を用いて作製した試料A〜Hに
ついては空隙率が13体積%以上であったため、1〜2
分間解砕することにより、粒径45μm以下のフィラー
粉末が得られた。これに対して試料I及びJは、焼成に
よって強く焼き締まり、空隙率がそれぞれ4体積%、7
体積%の堅い塊状の結晶物であったため、解砕器での解
砕は不可能であった。そこでボールミルにて粉砕したと
ころ、粒径45μm以下の同一量のフィラー粉末を得る
ためには、試料Iは12時間、試料Jは15時間を要し
た。 【0026】また試料A〜Hについて、焼成前の結晶性
ガラス粉末と解砕後のフィラー粉末の比表面積を流体式
比表面積測定装置で測定し、平均粒径をマイクロトラッ
ク粒度分析計にて行ったところ、平均粒径(D50値)に
殆ど変化がなかったにも関わらず、解砕後の比表面積は
大きく減少していた。一方、試料I及びJについては再
粉砕後に比表面積及び平均粒径の測定を行った。その結
果、平均粒径(D50値)は実施例と同等であったもの
の、比表面積は解砕後の各実施例の値に比べて大きかっ
た。これらの事実から、本発明の方法にて作製したフィ
ラー粉末は、焼成時に微粉が結晶性ガラス粉末表面に熔
着したために、比表面積が小さくなったものと推測でき
る。 【0027】この微粉の熔着の有無を確認するために、
試料A〜Hのフィラー粉末を、各々樹脂に混練して硬化
させた後、硬化物の断面を研磨し、電子顕微鏡で観察し
たところ、各試料ともフィラー粉末の表面に微粉が熔着
しているのが認められた。 【0028】なお得られたフィラー粉末は、試料Aがβ
ークォーツ固溶体粉末とジルコン系セラミックス粉末と
の混合物、試料Bがβ−クォーツ固溶体粉末とウイレマ
イト系セラミックス粉末との混合物、試料Cがコーディ
エライト粉末とジルコニア粉末との混合物、試料Dがβ
−ユークリプタイト粉末と酸化錫系セラミックス粉末と
の混合物、試料Eが亜鉛ペタライト粉末とコーディエラ
イト粉末との混合物、試料Fがガーナイト粉末、ジルコ
ニア粉末及び酸化チタン粉末からなる混合物、試料Gが
ウイレマイト系セラミックス粉末、アルミナ粉末及びシ
リカ粉末からなる混合物、試料H〜Jが何れもウイレマ
イト系セラミックス粉末であった。 【0029】次に、得られた試料A〜Jのフィラー粉末
を用いて封着材料を作製した。 【0030】表3は使用する低融点ガラス粉末(試料a
〜c)を示している。また表4及び表5は、上記フィラ
ー粉末を用いて作製した封着材料の実施例(試料No.
1〜8)及び比較例(試料No.9、10)を示すもの
である。 【0031】 【表3】 【0032】 【表4】 【0033】 【表5】【0034】表3の低融点ガラスは次のようにして調製
した。 【0035】まず表3に示す組成となるように光明丹、
酸化ビスマス、酸化鉄、硼酸、亜鉛華、純珪粉、酸化ア
ルミニウム、炭酸バリウムを調合、混合し、この混合物
を白金坩堝に入れて900℃で1時間溶融した。次いで
溶融ガラスを板状に成形し、粉砕した後、350メッシ
ュのステンレス製篩を通過させて45μm以下の粒径を
有する低融点ガラス粉末を得た。このようにして得られ
た試料a〜cは、ガラス転移点が290〜300℃、3
0〜250℃における熱膨張係数が108〜115×1
0-7/℃であった。 【0036】続いて表4及び表5に示す割合で、低融点
ガラス粉末とフィラー粉末とを混合して封着材料を作製
した。 【0037】このようにして作製した封着材料につい
て、封着温度、熱膨張係数、抗折強度、絶縁抵抗及び流
動性を評価したところ、試料A〜Hのフィラーを用いた
試料No.1〜8の封着材料は、封着温度が390〜4
00℃、30〜250℃における熱膨張係数が50〜7
5×10-7/℃、抗折強度が550〜662kg/cm
2 、150℃での絶縁抵抗が13.2〜14.2Ω・c
mであり、また流動性が良好であった。これに対して試
料I及びJのフィラー粉末を用いた試料No.は、30
〜250℃における熱膨張係数が68×10-7/℃、抗
折強度が600kg/cm2 、150℃での絶縁抵抗が
13.3Ω・cmであり、実施例の各試料と同等の値を
示したものの、封着温度及び流動性については、同種の
フィラー粉末を同じ割合で用いた試料No.8に比べて
何れも悪かった。これは、試料I及びJのフィラー粉末
中に含まれる微粉が流動性に悪影響を及ぼしたものと思
われる。 【0038】なお焼結体の空隙率はアルキメデス法にて
測定した。ガラス転移点及び熱膨張係数は、押棒式熱膨
張測定装置を用いて測定した。抗折強度は、各試料を1
0×10×50mmの角柱に成形した後、焼成し、次い
で三点荷重測定法にて測定した。絶縁抵抗はメガオーム
メーターを用いて測定した。また流動性は、各試料から
作製した外径20mm、高さ5mmの円柱を400℃で
10分間加熱流動させた後、その流動径が21mm未満
のものを不可、21〜22mmのものを可、22mmを
超えるものを良とした。 【0039】また耐火性物質粉末及びその他のフィラー
粉末として使用した結晶物については次のようにして用
意した。 【0040】ウイレマイト系セラミックスiは、亜鉛
華、光学石粉、酸化アルミニウムを重量比でZnO70
%、SiO2 25%、Al2 O3 5%の組成となるよう
に調合し、混合後、1440℃で15時間焼成し、粉砕
して、350メッシュのステンレス製篩を通過させた粒
径45μm以下の粉末を使用した。 【0041】ウイレマイト系セラミックスiiは、試料
Hに使用する結晶性ガラス粉末を予め1200℃で10
時間焼成した後、粉砕し、350メッシュのステンレス
製篩を通過させたものを使用した。 【0042】ジルコン系セラミックスは、まず天然ジル
コンサンドを一旦ソーダ分解し、塩酸に溶解した後、濃
縮結晶化を繰り返すことによって、α線放出物質である
U、Thの極めて少ないオキシ塩化ジルコニウムにし、
次いでアルカリ中和後、加熱して精製ZrO2 を得た。
続いてこれに高純度珪石粉、酸化第二鉄を重量比でZr
O2 66%、SiO2 32%、Fe2 O3 2%の組成に
なるように調合し、混合後、1400℃で16時間焼成
し、さらに粉砕して、350メッシュのステンレス製篩
を通過させたものを使用した。 【0043】酸化錫系セラミックスは、重量比でSnO
2 93%、TiO2 2%、MnO25%の組成になるよ
うに酸化錫、酸化チタン、二酸化マンガンを調合し、混
合後、1400℃で16時間焼成し、次いで粉砕し、3
50メッシュのステンレス製篩を通過させたものを使用
した。 【0044】チタン酸鉛系セラミックスは、リサージ、
酸化チタン、炭酸カルシウムを重量比でPbO70%、
TiO 20%、CaO10%の組成になるように調合
し、混合後、1100℃で5時間焼成し、次いでこの焼
成物を粉砕し、350メッシュのステンレス製篩を通過
させたものを使用した。 【0045】ジルコニア、アルミナ、コーディエライ
ト、酸化チタン及びシリカは、350メッシュパスの市
販品を使用した。 【0046】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、焼成後に簡単な解砕を行うだけでフィラー粉末が
得られるために、従来の方法に比べて低コストで製造す
ることが可能である。また本発明の方法で作製したフィ
ラー粉末は、比表面積が小さいために、封着材料の流動
性を損なうことがなく、封着材料用のフィラー粉末の製
造方法として好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C03C 1/00 - 14/00
C04B 35/00 - 35/22
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 結晶性ガラス粉末に耐火性物質粉末を添
加混合して混合粉末とする工程と、混合粉末が10体積
%以上の空隙を有する焼結体となり且つ結晶性ガラス粉
末が結晶化するのに十分な温度で焼成する工程と、得ら
れた焼結体を解砕する工程とを含むことを特徴とするフ
ィラー粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP35364693A JP3494186B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | フィラー粉末の製造方法 |
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JP35364693A JP3494186B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | フィラー粉末の製造方法 |
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1993
- 1993-12-28 JP JP35364693A patent/JP3494186B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07196339A (ja) | 1995-08-01 |
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