JP3494107B2 - バンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板およびその製造方法 - Google Patents
バンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板およびその製造方法Info
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- JP3494107B2 JP3494107B2 JP2000044199A JP2000044199A JP3494107B2 JP 3494107 B2 JP3494107 B2 JP 3494107B2 JP 2000044199 A JP2000044199 A JP 2000044199A JP 2000044199 A JP2000044199 A JP 2000044199A JP 3494107 B2 JP3494107 B2 JP 3494107B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビなどのカラ
ー陰極線管において、パネル周囲を緊締するヒートシュ
リンク用バンド用鋼板およびその製造方法に関する。
ー陰極線管において、パネル周囲を緊締するヒートシュ
リンク用バンド用鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管では、管体内が1.0×10
-7Torr程度の高真空状態であることから、パネル面の変
形防止および管体の内爆防止といった処理を必要として
いる。このような観点から、バンド状に成形した鋼板か
らなるヒートシュリンクバンドを400℃から600℃程度の
温度域で数秒〜数十秒間加熱・膨張させ、カラー陰極線
管ガラスパネルにはめこみ、冷却・収縮によって張力を
付与する、いわゆる焼きばめ処理によってパネル面の変
形を補正している。
-7Torr程度の高真空状態であることから、パネル面の変
形防止および管体の内爆防止といった処理を必要として
いる。このような観点から、バンド状に成形した鋼板か
らなるヒートシュリンクバンドを400℃から600℃程度の
温度域で数秒〜数十秒間加熱・膨張させ、カラー陰極線
管ガラスパネルにはめこみ、冷却・収縮によって張力を
付与する、いわゆる焼きばめ処理によってパネル面の変
形を補正している。
【0003】このヒートシュリンクバンドによる締付け
力を一定に保つ方法として、たとえば、特開昭59−1690
40号公報や特公平5−6788号公報には、弾性限界を超え
る伸び率でヒートシュリンクバンドを使用し、伸び量の
変化に対する締付け応力の変化が少なくなるように緊締
する技術が開示されている。
力を一定に保つ方法として、たとえば、特開昭59−1690
40号公報や特公平5−6788号公報には、弾性限界を超え
る伸び率でヒートシュリンクバンドを使用し、伸び量の
変化に対する締付け応力の変化が少なくなるように緊締
する技術が開示されている。
【0004】さらに、締付け応力の変化が少ない伸び量
の具体的範囲としては、特開昭59−169040号公報には略
0.13%から略0.9%、特公平5−6788号公報には0.3内至
0.5%、と開示されている。
の具体的範囲としては、特開昭59−169040号公報には略
0.13%から略0.9%、特公平5−6788号公報には0.3内至
0.5%、と開示されている。
【0005】また、特開平4−98741号公報には、ヒート
シュリンクバンドを環状に成形した後、焼きばめ処理の
前にこの環状のバンドを張り出し加工により0.15〜0.3
%伸延させて塑性変形させることにより、陰極線管の最
大径部周長と環状バンドの内周長との差を精度よく制御
し、バラつきの小さい安定した緊締力を得る技術が開示
されている。
シュリンクバンドを環状に成形した後、焼きばめ処理の
前にこの環状のバンドを張り出し加工により0.15〜0.3
%伸延させて塑性変形させることにより、陰極線管の最
大径部周長と環状バンドの内周長との差を精度よく制御
し、バラつきの小さい安定した緊締力を得る技術が開示
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記先行技
術では、パネルやヒートシュリンクバンド材サイズの製
造時におけるバラつきを考慮すると、締付け応力の変化
が少ない伸び量範囲は必ずしも充分に広いものではな
く、バンド伸延作業性の点で不十分であった。
術では、パネルやヒートシュリンクバンド材サイズの製
造時におけるバラつきを考慮すると、締付け応力の変化
が少ない伸び量範囲は必ずしも充分に広いものではな
く、バンド伸延作業性の点で不十分であった。
【0007】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、防爆性に問題を生じないレベルの強度を保ち
つつ、大きな降伏点伸びを有する、バンド伸延作業性に
優れたヒートシュリンクバンド用鋼板およびその製造方
法を提供することを目的とする。
であって、防爆性に問題を生じないレベルの強度を保ち
つつ、大きな降伏点伸びを有する、バンド伸延作業性に
優れたヒートシュリンクバンド用鋼板およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、以下の知見を得た。 (1)焼きばめ前の降伏点伸びが1.0%以上であれば、バ
ンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板
が得られること。
を解決すべく研究を重ねた結果、以下の知見を得た。 (1)焼きばめ前の降伏点伸びが1.0%以上であれば、バ
ンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板
が得られること。
【0009】(2)大きな降伏点伸びを確保する1つの方
法としては、冷間圧延、焼鈍の後、調質圧延を施さない
か、あるいは、圧延率0.5%以下の調質圧延を施すこと
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、以下のよ
うな構成を有する。
法としては、冷間圧延、焼鈍の後、調質圧延を施さない
か、あるいは、圧延率0.5%以下の調質圧延を施すこと
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、以下のよ
うな構成を有する。
【0010】[1] 焼きばめ前の降伏点伸びが1.0%以上
であることを特徴とするバンド伸延作業性に優れたヒー
トシュリンクバンド用鋼板。
であることを特徴とするバンド伸延作業性に優れたヒー
トシュリンクバンド用鋼板。
【0011】[2]上記[1]に記載のヒートシュリンクバ
ンド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.00
5%以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 Mn :
0.1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下で
ある鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:650℃以上8
75℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%以下
(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバンド
伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板の製
造方法。[ 3 ] 上記 [ 1 ] に記載のヒートシュリンクバンド
用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.005%
以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 Mn :0.
1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下であ
り、 Ti :0.01〜0.06%、 Nb :0.005〜0.
04%、 B :0.0003〜0.005%のいずれか1
種を含む鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:700℃以
上875℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%
以下(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバ
ンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板
の製造方法。[4]上記 [ 1 ] に記載のヒートシュリンク
バンド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.0
05%以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 M
n :0.1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下
であり、 Ti :0.01〜0.06%、 Nb :0.005〜
0.04%、 B :0.0003〜0.005%のうち2
種を含む鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:750℃以
上875℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%
以下(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバ
ンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板
の製造方法。[5]上記 [ 1 ] に記載のヒートシュリンク
バンド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.0
05%超0.06%以下、 Si :2%以下、 Mn :0.1%
〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下である鋼を
熱間圧延、冷間圧延及び温度:620℃以上875℃の
以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%以下(0を含
む)の調質圧延を施すことを特徴とするバンド伸延作業
性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%はすべて重
量%である。
ンド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.00
5%以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 Mn :
0.1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下で
ある鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:650℃以上8
75℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%以下
(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバンド
伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板の製
造方法。[ 3 ] 上記 [ 1 ] に記載のヒートシュリンクバンド
用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.005%
以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 Mn :0.
1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下であ
り、 Ti :0.01〜0.06%、 Nb :0.005〜0.
04%、 B :0.0003〜0.005%のいずれか1
種を含む鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:700℃以
上875℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%
以下(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバ
ンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板
の製造方法。[4]上記 [ 1 ] に記載のヒートシュリンク
バンド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.0
05%以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 M
n :0.1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下
であり、 Ti :0.01〜0.06%、 Nb :0.005〜
0.04%、 B :0.0003〜0.005%のうち2
種を含む鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:750℃以
上875℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%
以下(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバ
ンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板
の製造方法。[5]上記 [ 1 ] に記載のヒートシュリンク
バンド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.0
05%超0.06%以下、 Si :2%以下、 Mn :0.1%
〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下である鋼を
熱間圧延、冷間圧延及び温度:620℃以上875℃の
以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%以下(0を含
む)の調質圧延を施すことを特徴とするバンド伸延作業
性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%はすべて重
量%である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細をその限定理
由とともに説明する。本発明において、焼きばめ前の降
伏点伸びは1.0%以上とする。パネル外周長やヒートシ
ュリンクバンド材サイズの製造時におけるバラつきを考
慮すると、1.0%未満では締付け応力の変化が少ない伸
び量範囲が必ずしも充分に広いものではないため、好ま
しくない。
由とともに説明する。本発明において、焼きばめ前の降
伏点伸びは1.0%以上とする。パネル外周長やヒートシ
ュリンクバンド材サイズの製造時におけるバラつきを考
慮すると、1.0%未満では締付け応力の変化が少ない伸
び量範囲が必ずしも充分に広いものではないため、好ま
しくない。
【0013】
【0014】例としては、重量%で、C:0.005%以下、
N:0.005%以下、のいわゆる極低炭素鋼に固溶強化元素
であるSi、Mn、Pなどを所望強度に応じて、たとえば、S
i:2%以下、Mn:0.1%〜2%、P:0.15%以下、Al:1%
以下、などを添加した鋼、あるいは、これらに、Ti:0.
01〜0.06%、Nb:0.005〜0.04%、B:0.0003〜0.005%
など、固溶Cや固溶Nなどを析出物として固定する元素を
1種あるいは2種以上添加した鋼、などが挙げられる。
N:0.005%以下、のいわゆる極低炭素鋼に固溶強化元素
であるSi、Mn、Pなどを所望強度に応じて、たとえば、S
i:2%以下、Mn:0.1%〜2%、P:0.15%以下、Al:1%
以下、などを添加した鋼、あるいは、これらに、Ti:0.
01〜0.06%、Nb:0.005〜0.04%、B:0.0003〜0.005%
など、固溶Cや固溶Nなどを析出物として固定する元素を
1種あるいは2種以上添加した鋼、などが挙げられる。
【0015】また、上述の極低炭素鋼ばかりでなく、重
量%で、C:0.005%超0.06%以下、のいわゆる低炭素鋼
に固溶強化元素であるSi、Mn、Pなどを所望強度に応じ
て、たとえば、Si:2%以下、Mn:0.1%〜2%、P:0.15
%以下、Al:1%以下、などを添加した鋼でも、所要特
性を得ることができる。
量%で、C:0.005%超0.06%以下、のいわゆる低炭素鋼
に固溶強化元素であるSi、Mn、Pなどを所望強度に応じ
て、たとえば、Si:2%以下、Mn:0.1%〜2%、P:0.15
%以下、Al:1%以下、などを添加した鋼でも、所要特
性を得ることができる。
【0016】本発明の鋼板の製造方法において、製鋼・
鋳造・熱間圧延・冷間圧延は、常法に従えばよい。最終
板厚は、特に限定されるものではないが、たとえば、0.
6〜2.0mmの範囲が好ましい。
鋳造・熱間圧延・冷間圧延は、常法に従えばよい。最終
板厚は、特に限定されるものではないが、たとえば、0.
6〜2.0mmの範囲が好ましい。
【0017】冷間圧延後の焼鈍は、連続焼鈍が好まし
い。これは、バッチ焼鈍の場合には、焼鈍後に形状矯正
のため高伸長率の調質圧延が必須となり、鋼板に圧延ひ
ずみが導入され、その状態での、そして焼きばめ後の磁
気特性が劣化するためである。
い。これは、バッチ焼鈍の場合には、焼鈍後に形状矯正
のため高伸長率の調質圧延が必須となり、鋼板に圧延ひ
ずみが導入され、その状態での、そして焼きばめ後の磁
気特性が劣化するためである。
【0018】なお、焼鈍温度の適正範囲は鋼の化学成分
に応じて決定されるべきである。たとえば、C:0.0
05%以下、N:0.005%以下の極低炭素鋼で、Ti
・Nb・Bなどの炭化物・窒化物等形成元素が含まれない
場合、焼鈍温度は、高温域での材質安定性を考慮する
と、焼鈍温度は650℃以上875℃以下である。
に応じて決定されるべきである。たとえば、C:0.0
05%以下、N:0.005%以下の極低炭素鋼で、Ti
・Nb・Bなどの炭化物・窒化物等形成元素が含まれない
場合、焼鈍温度は、高温域での材質安定性を考慮する
と、焼鈍温度は650℃以上875℃以下である。
【0019】Ti・Nb・Bのうち1種を含む極低炭素鋼の
場合には、焼鈍温度は、高温域での材質安定性を考慮す
ると、焼鈍温度は700℃以上875℃以下である。
場合には、焼鈍温度は、高温域での材質安定性を考慮す
ると、焼鈍温度は700℃以上875℃以下である。
【0020】Ti・Nb・Bのうち二種以上を含む極低炭素
鋼の場合には、焼鈍温度は、高温域での材質安定性を考
慮すると、焼鈍温度は750℃以上875℃以下であ
る。
鋼の場合には、焼鈍温度は、高温域での材質安定性を考
慮すると、焼鈍温度は750℃以上875℃以下であ
る。
【0021】C:0.005%超0.06%以下、のい
わゆる低炭素鋼の場合には、焼鈍温度は、高温域での材
質安定性を考慮すると、焼鈍温度は620℃以上875
℃以下であり、この温度範囲内で、強度の観点から適宜
焼鈍温度を選択することができる。
わゆる低炭素鋼の場合には、焼鈍温度は、高温域での材
質安定性を考慮すると、焼鈍温度は620℃以上875
℃以下であり、この温度範囲内で、強度の観点から適宜
焼鈍温度を選択することができる。
【0022】焼鈍後、本発明では、上記降伏点伸びを確
保する1つの方法として、圧延率0.3%以下(0=す
なわち調質圧延なしを含む)の調質圧延を施す。調質圧
延の圧延率が0.3%を超えると、調質圧延に伴い導入
される歪みの増加により、降伏点伸び量が大幅に減少も
しくは消失するため、好ましくない。
保する1つの方法として、圧延率0.3%以下(0=す
なわち調質圧延なしを含む)の調質圧延を施す。調質圧
延の圧延率が0.3%を超えると、調質圧延に伴い導入
される歪みの増加により、降伏点伸び量が大幅に減少も
しくは消失するため、好ましくない。
【0023】この種の鋼板において、調質圧延は、一般
的に加工成形後のストレッチャ・ストレインマークと呼
ばれる表面不良を防止する目的で行われるものである
が、ヒートシュリンクバンドの場合、バンドとするため
の成形・加工はもともと厳しいものではないため、調質
圧延を施さずとも著しい表面不良は発生しない。むし
ろ、大きな降伏点伸びを得るという観点からは、外観上
問題ない場合には、調質圧延を省略することが望まし
い。以上より、調質圧延を実施する場合には、圧延率は
0.3%未満(調質圧延を施さない場合も含む)とす
る。
的に加工成形後のストレッチャ・ストレインマークと呼
ばれる表面不良を防止する目的で行われるものである
が、ヒートシュリンクバンドの場合、バンドとするため
の成形・加工はもともと厳しいものではないため、調質
圧延を施さずとも著しい表面不良は発生しない。むし
ろ、大きな降伏点伸びを得るという観点からは、外観上
問題ない場合には、調質圧延を省略することが望まし
い。以上より、調質圧延を実施する場合には、圧延率は
0.3%未満(調質圧延を施さない場合も含む)とす
る。
【0024】なお、ヒートシュリンクバンドには、耐食
性の観点からめっきを施してもよい。例えば、電気めっ
きの場合には、上述の方法で製造された鋼板に、常法に
従って電気めっきを施せばよい。めっき種は、特に限定
されるものではなく、たとえば、Zn、Zn-Ni合金、Ni、S
n、Crなどの単層めっき、またはこれらの複層めっき、
などが適用可能である。
性の観点からめっきを施してもよい。例えば、電気めっ
きの場合には、上述の方法で製造された鋼板に、常法に
従って電気めっきを施せばよい。めっき種は、特に限定
されるものではなく、たとえば、Zn、Zn-Ni合金、Ni、S
n、Crなどの単層めっき、またはこれらの複層めっき、
などが適用可能である。
【0025】また、溶融めっきの場合もめっき種は特に
限定されるものではなく、たとえば、Zn、Zn-Al合金、A
lなどの単層めっき、これらの複層めっき、あるいは、
めっき層と地鉄とを一部または全部合金化させためっ
き、などが適用可能である。
限定されるものではなく、たとえば、Zn、Zn-Al合金、A
lなどの単層めっき、これらの複層めっき、あるいは、
めっき層と地鉄とを一部または全部合金化させためっ
き、などが適用可能である。
【0026】一方、鋼板表面、あるいはめっき表面に各
種の化成処理皮膜を形成することも可能である。
種の化成処理皮膜を形成することも可能である。
【0027】
【実施例】表1の供試鋼を溶製後、1200℃〜1280℃に加
熱し、仕上温度890℃、巻取温度640℃にて板厚3.2mmに
熱間圧延した。得られた熱延板を酸洗後、板厚0.8mm〜
1.6mmまで冷間圧延した後、700℃〜850℃にて90秒間焼
鈍した。その後、一部の試料については調質圧延を施し
た。
熱し、仕上温度890℃、巻取温度640℃にて板厚3.2mmに
熱間圧延した。得られた熱延板を酸洗後、板厚0.8mm〜
1.6mmまで冷間圧延した後、700℃〜850℃にて90秒間焼
鈍した。その後、一部の試料については調質圧延を施し
た。
【0028】
【表1】
【0029】これらの鋼板から、JIS5号引張試験片を圧
延方向について採取して引張試験を実施し、降伏応力お
よび降伏点伸びを測定した。
延方向について採取して引張試験を実施し、降伏応力お
よび降伏点伸びを測定した。
【0030】
【表2】
【0031】表2に示すように、調質圧延の圧延率が本
発明範囲にある本発明例にあっては、1.0%を大きく上
回る降伏点伸びを有し、バンド伸延作業性に優れた特性
を示すことが確認された。
発明範囲にある本発明例にあっては、1.0%を大きく上
回る降伏点伸びを有し、バンド伸延作業性に優れた特性
を示すことが確認された。
【0032】一方、本発明範囲を外れた比較例にあって
は、降伏点伸びが本発明範囲を外れており、本発明例に
比べてバンド伸延作業性に劣るため、バンド加工・装着
時に特別な配慮が必要となる。
は、降伏点伸びが本発明範囲を外れており、本発明例に
比べてバンド伸延作業性に劣るため、バンド加工・装着
時に特別な配慮が必要となる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、大きな降伏点伸びを有
するため、バンド伸延作業性に優れた鋼板を得ることが
できる。その結果、本発明によれば、バンド材の長さ精
度緩和、延伸作業時の機械精度緩和など、製造装置に対
する寸法精度要求レベルを緩和することが可能となる。
また、本発明の鋼板はヒートシュリンクバンドとして好
適であり、本発明による鋼板を陰極線管のヒートシュリ
ンクバンドに用いることによって、充分な防爆性が確保
される。
するため、バンド伸延作業性に優れた鋼板を得ることが
できる。その結果、本発明によれば、バンド材の長さ精
度緩和、延伸作業時の機械精度緩和など、製造装置に対
する寸法精度要求レベルを緩和することが可能となる。
また、本発明の鋼板はヒートシュリンクバンドとして好
適であり、本発明による鋼板を陰極線管のヒートシュリ
ンクバンドに用いることによって、充分な防爆性が確保
される。
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フロントページの続き
(72)発明者 高田 康幸
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号
日本鋼管株式会社内
(72)発明者 田原 健司
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号
日本鋼管株式会社内
(56)参考文献 特開 平11−286726(JP,A)
特開 平10−214578(JP,A)
特開2001−32040(JP,A)
特開 平11−158548(JP,A)
特開2000−313945(JP,A)
国際公開01/012863(WO,A1)
国際公開01/007669(WO,A1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C21D 9/46 - 9/48
C21D 8/00 - 8/12
B21B 1/00 - 3/02
H01J 29/87
Claims (5)
- 【請求項1】 焼きばめ前の降伏点伸びが1.0%以上
であることを特徴とするバンド伸延作業性に優れたヒー
トシュリンクバンド用鋼板。 - 【請求項2】 請求項1に記載のヒートシュリンクバン
ド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.005
%以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 Mn :
0.1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下で
ある鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:650℃以上8
75℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%以下
(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバンド
伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板の製
造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のヒートシュリンクバン
ド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.005
%以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 Mn :
0.1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下で
あり、 Ti :0.01〜0.06%、 Nb :0.005〜
0.04%、 B :0.0003〜0.005%のいずれ
か1種を含む鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:700
℃以上875℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.
3%以下(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とす
るバンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用
鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載のヒートシュリンクバン
ド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.005
%以下、 N :0.005%以下、 Si :2%以下、 Mn :
0.1%〜2%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下で
あり、 Ti :0.01〜0.06%、 Nb :0.005〜
0.04%、 B :0.0003〜0.005%のうち2
種を含む鋼を熱間圧延、冷間圧延及び温度:750℃以
上875℃の以下の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%
以下(0を含む)の調質圧延を施すことを特徴とするバ
ンド伸延作業性に優れたヒートシュリンクバンド用鋼板
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載のヒートシュリンクバン
ド用鋼板を製造するに際し、重量%で、 C :0.005
%超0.06%以下、 Si :2%以下、 Mn :0.1%〜2
%、 P :0.15%以下、 Al :1%以下である鋼を熱間
圧延、冷間圧延及び温度:620℃以上875℃の以下
の焼鈍をして、次いで圧延率0.3%以下(0を含む)
の調質圧延を施すことを特徴とするバンド伸延作業性に
優れたヒートシュリンクバンド用鋼板の製造方法。
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