JP3494027B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JP3494027B2
JP3494027B2 JP23901598A JP23901598A JP3494027B2 JP 3494027 B2 JP3494027 B2 JP 3494027B2 JP 23901598 A JP23901598 A JP 23901598A JP 23901598 A JP23901598 A JP 23901598A JP 3494027 B2 JP3494027 B2 JP 3494027B2
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braking force
regenerative
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abs
wheel
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T2270/00Further aspects of brake control systems not otherwise provided for
    • B60T2270/60Regenerative braking
    • B60T2270/602ABS features related thereto

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動力制御装置に
係り、特に、機械的に制動力を発生させる第1の制動手
段と、回生制動力を発生する第2の制動手段とを備え、
第1の制動手段が発生する制動力に基づいてアンチロッ
クブレーキ制御を実行する機能を有する制動力制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平6−17148
9号に開示される如く、電気自動車に搭載される制動力
制御装置が知られている。この制動力制御装置は、油圧
制動力を発生する油圧制動手段と回生制動力を発生する
回生制動手段とを備えている。従って、上記制動力制御
装置によれば、回生制動力と機械制動力の和が全制動力
として車両に作用する。制動力制御装置は、また、車輪
のロックを防止するアンチロックブレーキ制御(ABS
制御)を実行する機能を有している。ABS制御は、車
輪のスリップ率が所定値を越えないように油圧制動力を
増減させることにより実現される。
【0003】ABS制御の実行中に、回生制動力が発生
されていると、ABS制御輪には、ABS制御に応じて
増減する油圧制動力と、回生制動力とが共に付与され
る。この場合、回生制動力の影響によってABS制御の
制御性が低下してしまう。かかる不都合を回避するた
め、上記従来の制動力制御装置は、ABS制御の実行中
には回生制動力をゼロとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、車両には
回生制動力と油圧制動力の和が全制動力として作用す
る。このため、ABS制御の実行時に回生制動力をゼロ
にすると、全制動力が減少し、十分な制動力を確保する
ことができなくなる。また、ABS制御輪について回生
制動力がゼロとされると、その車輪に付与される制動力
が減少することでロック傾向が解消し、ABS制御を継
続して実行することができなくなる。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ABS制御の実行時に回生制動力を減少させた
場合にも、回生制動力の減少に伴う制動性能の低下を防
止し、また、ABS制御の実行状態を維持することが可
能な制動力制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、各車輪に作用する第1の制動力を発生
する第1の制動手段と、所定の車輪に作用する第2の制
動力を発生する第2の制動手段と、前記第1の制動力を
増減させることによりアンチロックブレーキ制御を実行
するABS手段と、前記第2の制動力が働く車輪におい
前記アンチロックブレーキ制御が開始されると、前記
第2の制動力を減少させるABS時減少手段とを備える
制動力制御装置であって、前記ABS時減少手段により
前記第2の制動力が減少されると、前記第1の制動力を
前記第2の制動力の減少分よりも大きな増加分だけ増加
させるABS時増加手段を備える制動力制御装置により
達成される。
【0007】本発明において、ABS時減少手段は、ア
ンチロックブレーキ制御が開始されると第2の制動力を
減少させる。ABS時減少手段により第2の制動力が減
少されると、ABS時増加手段は、前記第2の制動力の
減少分よりも大きな増加分だけ、第1の制動力を増加さ
せる。従って、本発明によれば、アンチロックブレーキ
制御が開始されることにより、第2の制動力が減少され
ても、第1の制動力に第2の制動力の減少分よりも大き
な制動力を付加することで、全制動力をドライバーの要
求に近づけることができる。また、上記の目的は、請求
項2に記載する如く、請求項1記載の制動力制御装置に
おいて、前記ABS時増加手段は、前記第2の制動力が
付与され得る車輪前記第1の制動力に、前記第2の制
動力の減少分よりも大きな制動力を付加する制動力制御
装置により達成される。
【0008】本発明において、ABS時増加手段は、第
2の制動力が付与され得る車輪の前記第1の制動力に、
前記第2の制動力の減少分よりも大きな制動力を付加す
る。このため、アンチロックブレーキ制御が開始される
ことにより、第2の制動力が減少されても、当該車輪に
ついての第1の制動力に第2の制動力の減少分よりも大
きな制動力を付加することで、全制動力をドライバーの
要求に近づけることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である制
動力制御装置のシステム構成図を示す。本実施例の制動
力制御装置は、回生制御用電子制御ユニット10(以
下、回生ECU10と称す)及びブレーキ制御用電子制
御ユニット12(以下、ブレーキECU12と称す)を
備えている。回生ECU10とブレーキECU12とは
通信ラインを介して相互に接続されている。
【0010】回生ECU10には、回生装置14が接続
されている。回生装置14は、駆動モータを備えてい
る。本実施例のシステムにおいて、左右前輪FL,FR
が駆動輪、左右後輪RR,RLが非駆動輪とされてい
る。左右前輪FL,FRには、それぞれ、ドライブシャ
フト20、22及び図示しないギヤ機構を介して駆動モ
ータのロータが連結されている。従って、左右前輪F
L,FRには、それぞれ、ドライブシャフト20、22
を介して駆動モータの発する駆動力が伝達される。
【0011】駆動モータにはバッテリ24が接続されて
いる。駆動モータは、バッテリ24から供給される電力
に応じた駆動トルクを発生すると共に、左右前輪FL,
FRから入力されるトルクを動力源として回生エネルギ
ーを発生する機能を備えている。駆動モータの内部に
は、所定強度の磁場を発生させる磁場発生機構、及び、
その磁場を横切って回転するコイルが内蔵されている。
磁場発生機構によって発生される磁場は、回生ECU1
0から供給される指令信号に応じて変化する。また、磁
場とコイルとは車輪が回転する際に相対的に回転する。
【0012】駆動モータの発生する回生エネルギーの大
きさは、磁場発生機構により発生される磁場の強さ、及
び、磁場とコイルとの相対的な回転速度、すなわち、左
右前輪FL,FRの車輪速に応じた値となる。従って、
回生エネルギーの大きさを、回生ECU10から供給す
る指令信号の値に応じて制御することができる。駆動モ
ータが回生エネルギーを発生する場合、左右前輪FL,
FRには、その回転を制動しようとする回生トルクが作
用する。すなわち、駆動モータが発生する回生トルク
は、左右前輪FL,FRに対して制動力として作用す
る。以下、回生トルクにより発生される制動力を、回生
制動力と称する。
【0013】駆動モータが発生する回生エネルギーは、
バッテリ24に対して充電電流として供給される。従っ
て、大きな回生トルクが発生されるほど、バッテリ24
は大きな充電電流で充電される。バッテリ24が受け入
れることが可能な回生エネルギーの上限は、バッテリ2
4の充電状態及び温度によって制限される。また、駆動
モータが発生し得る回生エネルギーの上限は、左右前輪
FL,FRの車輪速によって制限される。従って、回生
制動力の上限は、バッテリ24の充電状態、温度、及
び、左右前輪FL,FRの車輪速によって制限される。
以下、回生制動力の上限値を最大回生制動力Fvと称す
る。
【0014】ブレーキECU12には、第1ドライバ2
6及び第2ドライバ28が接続されている。第1ドライ
バ28には、左前輪FL及び右前輪FRにそれぞれ対応
して設けられたブレーキモータ30及び32が接続され
ている。また、第2ドライバ28には、左後輪RL及び
右後輪RRに対応して設けられたブレーキモータ34及
び36が接続されている。第1ドライバ26及び第2ド
ライバ28は、それぞれ、ブレーキECU12から供給
される制御信号に応じて、ブレーキモータ30、32及
びブレーキモータ34、36に駆動信号を供給する。ブ
レーキモータ30〜36は、それぞれ、第1ドライバ2
6又は第2ドライバ28から供給される駆動信号に応じ
た力で、図示しないブレーキパッドを各輪に設けられた
ディスクロータ38、40、42、44に押圧する。従
って、本実施例の制動力制御装置によれば、ブレーキE
CU12から第1ドライバ26及び第2ドライバ28に
供給される制御信号に応じた制動力を発生することがで
きる。以下、ブレーキモータ30〜36がブレーキパッ
ドをディスクロータ38〜44に押圧することにより機
械的に発生される制動力を、機械制動力と称す。
【0015】車輪FL、FR、RL、RRの近傍には、
それぞれ、車輪速センサ46、48、50、52が配設
されている。車輪速センサ46〜52は、各車輪が所定
角回転する毎にパルス信号をブレーキECU12に向け
て出力する。ブレーキECU12は車輪速センサ46〜
52の出力信号に基づいて各車輪の車輪速VWを検出す
る。
【0016】制動力制御装置は、また、ブレーキペダル
54を備えている。ブレーキペダル54には、ストロー
クシミュレータ56が連結されている。ストロークシミ
ュレータ56は、ブレーキペダル54に付与される踏力
に応じたペダルストロークSTを発生させる。また、ブ
レーキペダル54にはストロークセンサ58が連結され
ている。ストロークセンサ58は、ペダルストロークS
Tに応じた電気信号をブレーキECU12に向けて出力
する。ブレーキECU12は、ストロークセンサ58の
出力信号に基づいてペダルストロークSTを検出する。
【0017】運転者は、大きな制動力を要求するほど、
大きな踏力でブレーキペダル46を踏み込む。従って、
ブレーキペダル46には、ストロークシミュレータ56
によって、運転者が要求する制動力(以下、要求制動力
Fbと称す)に応じたペダルストロークSTが発生す
る。ブレーキECU12は、ペダルストロークSTに基
づいて要求制動力Fbを検出する。
【0018】本実施例において、ブレーキペダルが踏み
込まれ、かつ、何れの車輪にもロック傾向が生じていな
い場合は、要求制動力Fbに等しい制動力を発生する通
常ブレーキ制御が実行される。上記の如く、本実施例の
制動力制御装置は、左右前輪FL、FRに機械制動力と
回生制動力とを付与することができると共に、左右後輪
RL,RRに機械制動力を付与することができる。この
ため、通常ブレーキ制御では、機械制動力及び回生制動
力の総和(以下、全制動力と称す)を要求制動力Fbに
等しくする制御(以下、回生協調制御と称す)が実行さ
れる。上記の如く、回生エネルギーはバッテリー24に
対して充電電流として供給される。従って、バッテリー
24の充電状態を確保する観点から、なるべく大きな回
生制動力を発生することが望ましい。このため、制動力
制御装置は、回生協調制御において、要求制動力が最大
回生制動力Fvを越えない場合は、要求制動力に等しい
回生制動力を発生し、要求制動力が最大回生制動力Fv
を越えた場合に、その差に等しい機械制動力を発生す
る。
【0019】何れかの車輪にロック傾向が生ずると、そ
の車輪についてアンチロックブレーキ制御(ABS制
御)が開始される。以下、ABS制御の対象とされた車
輪をABS制御輪と称す。ABS制御では、ABS制御
輪のスリップ率が所定値を越えないように、ABS制御
輪に付与される機械制動力を減少させる減モード、機械
制動力を一定に保持する保持モード、及び、機械制動力
を増加させる増モードを適宜切り替えることにより実現
される。
【0020】上述の如く、ABS制御は機械制動力を増
減させることにより実現され、一方、回生協調制御中に
は、常に回生制動力が発生されている。従って、回生協
調制御が実行された状態でABS制御が開始されると、
ABS制御輪には、ABS制御の実行に伴って増減され
る機械制動力と、回生制動力とが共に付与される。この
場合、回生制動力の影響によってABS制御の制御性が
低下してしまう。そこで、本実施例では、ABS制御の
良好な制御性を確保すべく、ABS制御が開始された時
点で回生協調制御を終了し、回生制動力の値をゼロにす
ることとしている。
【0021】しかしながら、ABS制御の開始時に単に
回生制動力をゼロとすることのみでは、車両に作用する
全制動力が減少し、制動性能の低下を招く。また、回生
協調制御において回生制動力が付与されていた前輪F
L、FRについては、回生制動力がゼロにされるのに伴
ってロック傾向が収束し、ABS制御の実行状態を維持
できなくなる。これに対して、本実施例の制動力制御装
置は、ABS制御の開始時に回生制動力をゼロにした場
合に、制動性能の低下を防止することができ、更に、A
BS制御の実行状態を維持することができる点に特徴を
有している。
【0022】図2は、本実施例の制動力制御装置におい
て、制動操作に伴って要求制動力Fbが増加する場合
の、前輪FR、FLについて発生される全制動力(以
下、前輪制動力と称す)Pf及び後輪RR、RLについ
て発生される全制動力(以下、後輪制動力と称す)Pr
の変化の一例を示す図である。図2において、横軸は前
輪制動力Pfを、また、縦軸は後輪制動力Prをそれぞ
れ示している。なお、前輪制動力Pf及び後輪制動力P
rは、それぞれ、前輪側及び後輪側について左右2輪の
制動力の和を意味するものとする。
【0023】また、図2において、実線は回生協調制
御が実行されている場合のPfとPrの関係を示す曲線
(以下、回生協調曲線と称す)を表し、実線は回生
協調制御が実行されていない場合(以下、非回生協調時
と称す)のPfとPrの関係を示す曲線(以下、非回生
曲線と称す)を表す。非回生曲線は、折点Qに達す
るまでは1にほぼ等しい勾配を有し、折点Qを越えると
勾配が減少する折線状の曲線である。また、回生協調曲
線は、前輪制動力Pfが最大回生制動力Fvに達する
までは横軸(Pf軸)に一致し、PfがFvを越えた領
域では、折点Rを有する折線形状となる曲線である。
【0024】更に、図2において、一点鎖線で示す曲
線群(以下、減速度一定曲線と称す)は車両に一定の減
速度を生じさせる(すなわち、PfとPrとの和が一定
となる)PfとPrの関係を表す。また、破線及び破
線は、それぞれ、前輪FL、FR及び後輪RL、RR
にロック傾向を生じさせるようなPfとPrの関係を示
す曲線(以下、それぞれ、前輪ロック線及び後輪ロッ
ク線と称す)を表す。
【0025】上述の如く、回生協調制御によれば、要求
制動力Fbが最大回生制動力Fvを越えるまでは、要求
制動力Fbに等しい回生制動力が発生される。このた
め、図2に矢印Iで示す如く、ブレーキ操作の開始に伴
って要求制動力Fbが増加すると、回生協調曲線に沿
って、先ず、後輪制動力Prがゼロに維持されたまま前
輪制動力Pfが増加される。要求制動力Fbが最大回生
制動力Fvを越えると、要求制動力Fbに対する不足分
を補うべく、機械制動力が発生され始める。このため、
以後、矢印IIで示す如く、前輪制動力Pf及び後輪制動
力Prは回生協調曲線上を増加する。そして、回生協
調曲線が前輪ロック曲線と交わるA点に達すると、
前輪にロック傾向が生ずることにより、前輪についてA
BS制御が開始される。この時点で、上述の如くABS
制御の性能低下を防止するため回生協調制御は終了さ
れ、回生制動力はゼロとされる。この場合、単に回生制
動力をゼロとするのみでは、制動性能の低下を招くこと
は上記した通りである。
【0026】本実施例では、A点において回生制動力が
ゼロとされると、車両の減速度を一定に確保したまま非
回生曲線に移行すべく、矢印III に示す如く、A点か
ら、A点を通る減速度一定曲線と非回生曲線との交
点Cへ向けて移動するよう、Pf及びPrが変化され
る。ところで、本実施例において、非回生協調時におけ
る要求制動力Fbの前輪側及び後輪側への配分は、図2
に示す非回生曲線に基づいて決定される。すなわち、
C点での前輪側及び後輪側の要求制動力Fbf及びFb
r(Fb=Fbf+Fbr)は、C点での前輪制動力P
f及び後輪制動力Prの値となる。また、本実施例にお
いて、機械制動力は、その前輪側と後輪側との比が常に
(非回生協調時であるか回生協調制御時であるかにかか
わらず)一定となるように制御される。従って、A点に
おいて、前輪側及び後輪側において発生される機械制動
力をそれぞれFsf及びFsrとすると、Fsf及びF
srは次式で表される。
【0027】 Fsf=(Fb−Fv)・Fbr/Fb ・・・(1) Fsr=(Fb−Fv)・Fbf/Fb ・・・(2) 従って、A点からC点へ移動する場合の、前輪制動力P
fの変化量ΔF及び後輪制動力Prの変化量ΔRは、次
式で表される。 ΔF=Fbf−(Fv+Fsf) =−Fv・Fbr/Fb ・・・(3) ΔR=Fbr−Fsr =Fv・Fbr/Fb ・・・(4) (3)、(4)式より、 ΔF+ΔR=0 ・・・(5) が成立する。すなわち、A点からC点へ移動しても前輪
駆動力Pfと後輪駆動力Prの和は変化しない。
【0028】また、A点からC点へ移動する場合の、前
輪側の機械制動力の変化量ΔFM及び後輪側の機械制動
力の変化量ΔRMは、次式で表される。 ΔFM=ΔF+Fv =Fv・Fbf/Fb ・・・(6) ΔRM=ΔR =Fv・Fbr/Fb ・・・(7) すなわち、ABS制御の開始時に、回生制動力がゼロに
減少されると同時に、前輪側及び後輪側の機械制動力が
それぞれΔFM及びΔRMだけ増加されることにより、
図2中C点に移動し、車両全体の制動力(Pf+Pr)
が一定に確保されることになる。
【0029】しかしながら、図2からわかるように、C
点は前輪ロック曲線よりも図中左側に位置している。
すなわち、C点における前輪制動力Pfは前輪にロック
傾向を生じさせる制動力よりも小さい。このため、A点
からC点に移動するのみでは、運転者がブレーキ操作量
を更に増加させない限り、A点で開始されたABS制御
は直ちに終了してしまう。このように、ABS制御の開
始時に回生制動力をゼロとした場合、機械制動力を上記
ΔFM及びΔRMだけ増加させて、非回生曲線に沿っ
た前輪制動力Pf及び後輪制動力Prを発生するのみで
は、全制動力は確保できるものの、ABS制御の実行状
態を維持できないという問題が生ずることになる。
【0030】そこで、本実施例では、ABS制御の開始
に伴って回生制動力をゼロとした場合に、前輪制動力P
fをC点から更に増加させることとしている。すなわ
ち、図2の矢印IVで示す如く、C点から、前輪ロック曲
線上のB点に達するように前輪制動力Pfを増加させ
ることで、前輪のロック傾向を継続させ、これにより、
ABS制御の実行状態を維持することが可能となるので
ある。
【0031】本実施例の制動力制御装置が有する上記の
機能は、ブレーキECU12が所定のルーチンを実行す
ることにより実現される。以下、本実施例においてブレ
ーキECU12が実行するルーチンの内容を説明する。
図3は、本実施例においてブレーキECU12が実行す
るブレーキ制御ルーチンの全体構成を示すフローチャー
トである。図3に示す如く、ブレーキECU12が実行
するブレーキ制御ルーチンは、要求制動力演算ルーチン
200、ABS制御ルーチン300、前輪制動力補正制
御ルーチン400、回生協調制御ルーチン500、及
び、制動力発生ルーチン600より構成されている。ブ
レーキ制御ルーチンが起動されると、先ず、要求制動力
演算ルーチン200が実行される。
【0032】図4は、要求制動力演算ルーチン200の
フローチャートを示す。基本制動力演算ルーチン200
が起動されると、先ずステップ202の処理が実行され
る。ステップ202では、ペダルストロークSTが読み
込まれる。続くステップ204では、ペダルストローク
STに基づいて、各車輪FL,FR,RL,RRの要求
制動力FbFL,FbFR,FbRL,FbRRが演算
される。具体的には、本ステップ202では、ペダルス
トロークSTに基づいて、車両全体において発生される
べき要求制動力Fbが決定され、次に、図2に示す非回
生曲線に基づいて、Fbが前輪側の要求制動力Fbf
と後輪側の要求制動力Fbrとに配分される。そして、
左右前輪FL、FRの要求制動力FbFL及びFbFR
は共にFbf/2に設定され、また、左右後輪RL、R
Rの要求制動力FbRL及びFbRRは共にFbr/2
に設定される。ステップ204の処理が終了されると、
今回の基本制動力演算ルーチン200は終了される。
【0033】ブレーキECU12は、要求制動力演算ル
ーチン200を終了すると、次にABS制御ルーチン3
00を実行する。図5は、ABS制御ルーチン300の
フローチャートを示す。図5に示すABS制御ルーチン
300は、各車輪についてそれぞれ独立に実行される。
なお、ABS制御ルーチン300の対象とされる車輪
を、以下、対象輪と称す。また、ABS制御ルーチン3
00に関する記載において、記号「**」は、左前輪F
Lについて実行されるルーチンについては「FL」を、
右前輪FRについて実行されるルーチンについては「F
R」を、左後輪RLについて実行されるルーチンについ
ては「RL」を、右後輪RRについて実行されるルーチ
ンについては「RR」を、それぞれ表すものとする。A
BS制御ルーチン300が起動されると、先ず、ステッ
プ302の処理が実行される。
【0034】ステップ302では、対象輪の車輪速VW
**、対象輪の車輪加速度DVW**、推定車体速度V
S0、及び、推定車体減速度DVS0が演算される。ス
テップ304では、対象輪がABS許可状態であるか否
かが判別される。具体的には、ステップ304では、例
えば、システムに故障が生じておらず、対象輪の車輪速
VW**が所定値以上であり、かつ、ブレーキペダルが
踏み込まれている場合に、ABS許可状態であると判別
される。ステップ304において、ABS許可状態であ
れば次にステップ306の処理が実行される。
【0035】ステップ306では、対象輪のABS制御
中フラグX**absがオン状態であるか否か判別され
る。ABS制御中フラグX**absは、ABS制御の
開始時にオンされ、終了時にオフされるフラグである。
従って、ステップ306において、ABS制御中フラグ
X**absがオン状態でなければ、ABS制御の実行
中ではないと判断される。この場合、次にステップ30
8において、ABS制御開始条件が成立するか否かが判
別される。具体的には、ステップ308では、対象輪の
スリップ率が所定値を越えた場合、すなわち、対象輪に
ロック傾向が検出された場合にABS制御開始条件が成
立すると判別される。ステップ308でABS制御開始
条件が成立すれば、次にステップ310においてABS
制御中フラグX**absがオンされた後、ステップ3
12の処理が実行される。
【0036】一方、上記ステップ306において、AB
S制御中フラグX**absがオン状態であれば、次に
ステップ314において、ABS制御終了条件が成立す
るか否かが判別される。具体的には、ステップ314で
は、例えば、対象輪のスリップ率が所定値を下回った場
合、ABS制御における増圧時間が所定時間を上回った
場合、対象輪の要求制動力Fb**が所定値を下回った
場合等にABS制御終了条件が成立すると判別される。
ステップ314においてABS制御終了条件が不成立で
あれば、次にステップ312の処理が実行される。
【0037】ステップ312では、対象輪について増モ
ード、減モード、又は保持モードのうち実行すべきモー
ド(実行モード)が決定される。上述の如く、ABS制
御では、対象輪のロックを防止すべく、ABS輪につい
て増モード、減モード、及び、保持モードが切り替えて
実現される。ステップ312では、現在実行されている
モードの継続時間を示すモード継続時間カウンタCTに
基づいて、実行モードが決定される。なお、ABS制御
開始直後は、実行モードは減モードに設定される。
【0038】ステップ312に続くステップ316で
は、実行モードが減モードであるか否かが判別される。
その結果、実行モードが減モードであれば、ステップ3
18において、減モードでの制動力の減少勾配ΔFdw
nが演算され、続くステップ320において、目標制動
力Fa**が、前回のFa**からΔFdwnだけ減じ
た値に設定される。目標制動力Fa**は対象輪につい
て実際に発生されるべき制動力を示す。
【0039】ステップ316において実行モードが減モ
ードでなければ、次にステップ322において、実行モ
ードが保持モードであるか否かが判別される。その結
果、実行モードが保持モードであれば、ステップ324
において、目標制動力Fa**が、前回のFa**に等
しい値に設定される。一方、ステップ322において、
実行モードが保持モードでなければ、実行モードは増モ
ードであることになる。この場合、ステップ326にお
いて、増モードでの制動力の増加勾配ΔFupが演算さ
れ、続くステップ328において、目標制動力Fa**
が、前回のFa**の値にΔFupを加えた値に設定さ
れる。
【0040】上記ステップ300、324、又は328
の処理が終了されると、次にステップ330において、
モード継続時間カウンタCTがインクリメントされる。
そして、続くステップ332において、目標制動力Fa
**について、下限ガード値をゼロ、上限ガード値を要
求制動力Fb**とするガード処理が実行された後、今
回のルーチンは終了される。
【0041】一方、上記ステップ304においてABS
許可状態でない場合、上記ステップ308においてAB
S制御開始条件が成立しない場合、又は上記ステップ3
14においてABS制御終了条件が成立する場合は、次
にステップ334において、ABS実行中フラグX**
absがオフされる。そして、続くステップ334にお
いて、目標制動力Fa**が要求制動力Fb**に等し
い値に設定され、上記ステップ332においてガード処
理が実行された後、今回のABS制御ルーチン300は
終了される。
【0042】ブレーキECU12は、ABS制御ルーチ
ン300を終了すると、次に前輪制動力補正制御ルーチ
ン400を実行する。図6は前輪制動力補正制御ルーチ
ン400のフローチャートを示す。前輪制動力補正制御
ルーチン400が起動されると、先ずステップ402の
処理が実行される。ステップ402では、(a) 回生協調
中フラグXcoがオン状態であり、かつ、ABS制御中
フラグXFRabs又はXFLabsの少なくとも一方
がオン状態である(すなわち、左右前輪FL,FRのう
ち少なくとも一方についてABS制御が実行中である)
か、又は、(b) 前輪補正許可フラグXfがオン状態であ
るか否かが判別される。その結果、(a) 又は(b) の条件
が成立すれば、ステップ404以降において、前輪制動
力Pfに対する補正値を決定する処理(以下、前輪補正
処理と称す)が実行される。なお、回生協調中フラグX
coは、後述する回生協調制御ルーチン500におい
て、回生協調制御が実行されている場合にオン状態とさ
れるフラグである。従って、上記(a) の条件は、回生協
調制御の実行中に、左右前輪FL,FRの少なくとも一
方についてABS制御が開始された場合に成立する。ま
た、前輪補正許可フラグXfは、前輪補正処理が開始さ
れる際にオン状態とされ、前輪補正処理における補正値
がゼロとなった時点でオフ状態とされるフラグである。
従って、前輪補正処理は、回生協調制御の実行中に左右
前輪FL、FRの少なくとも一方についてABS制御が
開始された時点で開始され、以後、補正値がゼロとなる
まで継続して実行される。
【0043】ステップ404では、前輪補正許可フラグ
Xfがオン状態とされる。続くステップ406では、前
輪補正処理は今回の処理サイクルで開始されたか否かが
判別される。その結果、肯定判別されたならば、ステッ
プ408の処理が実行される。ステップ408では、左
前輪についての補正値FhFL及び右前輪についての補
正値FhFRが共に、{Fv・Fbf/Fb}/2(=
ΔF/2)に初期化される。上記の如く、ΔFは、上記
図2においてA点からC点まで移動する場合の前輪制動
力Pfの減少量に相当する。ΔFの2分の1の値を用い
るのは、ΔFが左右2輪分の値であるのに対して、補正
値FhFL、FhFRは左右各輪に対応した一輪分の値
に相当するからである。従って、ステップ406の初期
化処理によれば、補正値FhFL、FhFRは、図2に
おけるA点からC点への移動に伴う前輪制動力Pfの減
少を相殺する値に初期化されることになる。ステップ4
08の処理が終了するとステップ410へ進む。また、
上記ステップ406で否定判別された場合は、ステップ
408をスキップしてステップ410へ進む。
【0044】ステップ410では、ペダルストロークS
Tの現在値が前回の処理サイクルでの値STt-1 以上で
あるか否かが判別される。その結果、ST≧STt-1
成立するならば、運転者によるブレーキ操作が維持又は
増加されていることになる。この場合、次にステップ4
12において左右前輪のABS制御中フラグXFRab
s及びXFLabsが共にオフ状態であるか否かが判別
される。その結果、肯定判別されれば、前輪側のABS
制御は終了したことになる。この場合、ABS制御の実
行状態を維持するためには、前輪制動力Pfを増加させ
る必要があると判断され、次にステップ414におい
て、補正値FhFL、FhFRを所定値αfだけ増加さ
せる処理が実行される。所定値αfは、補正値FhF
L、FhFRの増加勾配に相当する値であり、実験的に
適合される。一方、ステップ412において否定判別さ
れれば、左右前輪の少なくとも一方についてABS制御
が継続中であり、従って、補正値FhFL、FhFRを
変更する必要はないと判断される。この場合、ステップ
416においてFhFL、FhFRの値は維持される。
【0045】上記ステップ410において、ST≧ST
t-1 が不成立であれば、ブレーキ操作量は減少されてい
ることになる。この場合、次にステップ418におい
て、ペダルストロークSTがゼロであるか否かが判別さ
れる。その結果、ST=0が成立すれば、ブレーキ操作
は解除されたと判断されて、ステップ420において補
正値FhFL、FhFRは共にゼロとされ、続くステッ
プ422において前輪補正許可フラグXfがオフ状態と
される。
【0046】ステップ418においてST=0が不成立
であれば、ブレーキ操作量の減少に応じて、補正値Fh
FL、FhFRも減少すべきと判断される。この場合、
ステップ424において補正値FhFL、FhFRが正
値であれば、ステップ426において、補正値FhF
L、FhFRを所定値βfだけ減少させる処理が実行さ
れる。所定値βfは補正値FhFL、FhFRの減少勾
配に相当する値であり、実験的に適合される。一方、ス
テップ424において補正値FhFL、FhFRが正値
でなければ、上記ステップ420において補正値FhF
L、FhFRは共にゼロとされる。
【0047】上記ステップ402において否定判別され
た場合は、前輪制動力Pfの補正を行う必要はないと判
断される。この場合、ステップ428において、補正値
FhFL、FhFRが共にゼロとされた後、ステップ4
30において、前輪補正許可フラグXfがオフ状態とさ
れる。上記したステップ414、416、422、42
6、及び430の処理が終了されると、ステップ432
の処理が実行される。ステップ432では、補正値Fh
FL、FhFRを、0を下限値とし、γf・Fbr・
(Fv/Fb)/2(=γf・ΔF/2)を上限値とす
るガード処理が実行される。γfは実験的に適合された
所定の係数である。ステップ432の処理が終了される
と、今回の前輪制動力補正制御ルーチン400は終了さ
れる。
【0048】ブレーキECU12は、前輪制動力補正制
御ルーチン400を終了すると、次に回生協調制御ルー
チン500を実行する。図7は、回生協調制御ルーチン
500のフローチャートを示す。回生協調制御ルーチン
500が起動されると、先ずステップ502の処理が実
行される。ステップ502では、要求制動力演算ルーチ
ン200で演算された各輪の要求制動力FbFL,Fb
FR,FbRL,FbRRが読み込まれる。続くステッ
プ504では、「回生協調制御の実行が許可された状態
にあり、かつ、何れの車輪についてもABS制御が実行
されていない」が成立するか否かが判別される。その結
果、上記条件が成立すれば、ステップ506において回
生ECU10に対して、回生制動力を発生すべき旨の信
号が要求制動力Fbの値と共に送信される。回生ECU
はこの信号を受信すると、要求制動力Fbを越えない範
囲で、発生し得る最大の回生制動力FGを発生させる。
すなわち、回生ECU10は、目標制動力Fbが最大回
生制動力Fvよりも小さい場合は、Fbに等しい回生制
動力FGを発生させ、FbがFvを越える場合は最大回
生制動力Fvに等しい回生制動力FGを発生させる。回
生ECU10は、発生させた回生制動力の値FGをブレ
ーキECUに向けて送信し、ブレーキECU12は、こ
の値FGをステップ508において受信する。
【0049】ステップ510では、次式(8)〜(1
)に従って、右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR、
及び左後輪RLについてそれぞれ発生されるべき機械制
動力の目標値(目標機械制動力)FkFR、FkFL、
FkRR、及びFkRLが演算される。 FkFL={(Fb−FG)・Fbf/Fb}/2 ・・・(8) FkFR=FkFL ・・・(9) FkRL={(Fb−FG)・Fbr/Fb}/2 ・・・(10) FkRR=FkRL ・・・(11) (8)〜(11)式からわかるように、Fb≦Fであ
る場合は、FG=Fbとなるため、目標機械制動力は全
てゼロとされる。一方、Fb>Fである場合は、FG
=Fvとなり、上記の如く、前輪側の目標機械制動力F
kFL、FkFR及び後輪側の目標機械制動力FkR
L、FkRRは、要求制動力Fbに対する最大回生制動
力Fvの不足量を、前輪側の要求制動力Fbfと後輪側
の目標制動力Fbrの比率で前輪側及び後輪側に配分し
て得られた値となる。
【0050】ステップ510の処理が終了されると、次
にステップ512において回生協調中フラグXcoがオ
ンされた後、今回のルーチンは終了される。一方、上記
ステップ504で否定判別された場合は、次にステップ
514において、回生ECU10に向けて回生制動力を
ゼロとすべき旨の信号が送信される。回生ECU10は
この信号を受信すると、回生制動力をゼロとする。ステ
ップ514の処理が終了されると、ステップ516にお
いて回生協調中フラグXcoがオフされた後、今回の回
生協調制御ルーチン500は終了される。
【0051】ブレーキECU12は、回生協調制御ルー
チン500を終了すると、次に制動力発生ルーチン60
0を実行する。制動力発生ルーチン600が起動される
と、先ずステップ602の処理が実行される。ステップ
602では、回生協調中フラグXcoがオン状態である
か否かが判別される。その結果、フラグXcoがオン状
態であれば、ステップ604の処理が実行される。
【0052】ステップ604では、各輪について目標機
械制動力FkFR、FkFL、FkRR、FkRLに等
しい機械制動力を発生させるべく、第1ドライバ26及
び第2ドライバ28に制御信号が供給される。すなわ
ち、回生協調制御の実行中は、回生協調制御ルーチンに
おいて決定された目標機械制動力に等しい機械制動力が
発生される。ステップ604の処理が終了されると、今
回の制動力発生ルーチン600は終了される。一方、ス
テップ602において、回生制御中フラグXcoがオン
状態でなければ、ステップ606の処理が実行される。
【0053】ステップ606では、左右前輪FL、FR
において、それぞれ(FaFL+FhFL)及び(Fa
FR+FhFR)に等しい機械制動力を発生させると共
に、左右後輪RL、RRにおいて、それぞれFaRL及
びFaRRに等しい制動力を発生させるべく、第1ドラ
イバ26及び第2ドライバ28に制御信号が供給され
る。すなわち、回生協調制御の実行中でない場合は、前
輪側については、目標制動力Fa**に補正値Fh**
を加えた制動力が発生されると共に、後輪側については
目標制動力Fa**に等しい制動力が発生される。
【0054】ステップ606において、前輪FL、FR
についても、後輪RL、RRと同様に、それぞれ、目標
制動力FaFL及びFaFRに等しい機械制動力を発生
させることとすれば、図2におけるA点からC点に移動
することで、全制動力を一定に確保することができる。
これに対して、本実施例では、上記ステップ606にお
いて、前輪FL、FRについて、FaFL、FaFRに
それぞれ補正値FhFL、FhFRを加えた大きさの機
械制動力を発生させることで、図2におけるC点からB
点へ移動し、これにより、ABS制御の実行状態を維持
することが可能となっている。ステップ606の処理が
終了されると、今回のルーチンは終了される。
【0055】上述の如く、本実施例によれば、ABS制
御の開始に伴って回生協調制御が終了された際に機械制
動力を増加させることで、回生制動力の減少を補って、
十分な全制動力を確保することができる。この場合、上
述の如く、回生制動力が付与される前輪FL、FRの機
械制動力は、要求制動力FbFL、FbFRに基づいて
決定された目標制動力FaFL、FaFRよりも更に補
正値FhFL、FhFRだけ増加される。従って、本実
施例の制動力制御装置によれば、前輪FL、FRについ
てABS制御が開始された場合に、それらの車輪のロッ
ク傾向を継続させることができ、これにより、ABS制
御の実行状態を維持することが可能となっている。
【0056】なお、上記実施例においては、ブレーキモ
ータ30〜36、第1ドライバ26、及び第2ドライバ
28が請求項に記載した第1の制動手段に、回生装置1
4が請求項に記載した第2の制動手段にそれぞれ相当
し、また、ブレーキECU12がABS制御ルーチン3
00を実行することにより請求項に記載したABS手段
が、回生ECU10が回生協調制御ルーチン500のス
テップ514においてブレーキECU12から送信され
る回生制動力をゼロとすべき旨の信号に応じて回生制動
力をゼロとすることにより請求項に記載したABS時減
少手段が、ブレーキECU12が制動力発生ルーチン6
00のステップ606の処理を実行することにより請求
項に記載したABS時増加手段が、それぞれ実現されて
いる。
【0057】なお、上記実施例では、ABS制御が開始
された場合に回生制動力をゼロとするものとしたが、本
発明はこれに限らず、ABS制御が開始された場合に回
生制動力を所定量だけ減少させる場合にも適用すること
ができる。また、上記実施例では、ブレーキモータ30
〜36を用いてブレーキパッドを駆動することにより機
械制動力を発生するものとしたが、本発明はこれに限定
されるものではなく、油圧により機械制動力を発生させ
るシステムにも適用することができる。また、上記実施
例では、ディスク式ブレーキにより機械制動力を発生さ
せるものとしたが、ドラム式ブレーキにより機械制動力
を発生させることとしてもよい。
【0058】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ABS制御の開始に伴って第2の制動力を減少させ
た場合に、第1の制動力を増加させることで、車両全体
の制動力を確保することができる。また、請求項2記載
の発明によれば、第2の制動力を減少させた車輪につい
て、第1の制動力を増加させることにより、ABS制御
の実行状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である制動力制御装置の全体
構成図である。
【図2】本実施例における前輪制動力Pfと後輪制動力
Prとの関係を示す図である。
【図3】本実施例においてブレーキECUが実行するブ
レーキ制御ルーチンの全体構成を示すフローチャートで
ある。
【図4】ブレーキ制御ルーチンを構成する要求制動力演
算ルーチンのフローチャートである。
【図5】ブレーキ制御ルーチンを構成するABS制御ル
ーチンのフローチャートである。
【図6】ブレーキ制御ルーチンを構成する前輪制動力補
正制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】ブレーキ制御ルーチンを構成する回生協調制御
ルーチンのフローチャートである。
【図8】ブレーキ制御ルーチンを構成する制動力発生ル
ーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 回生ECU 12 ブレーキECU 14 回生装置 26 第1ドライバ 28 第2ドライバ 30、32、34、36 ブレーキモータ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪に作用する第1の制動力を発生す
    る第1の制動手段と、所定の車輪に作用する第2の制動
    力を発生する第2の制動手段と、前記第1の制動力に基
    づいてアンチロックブレーキ制御を実行するABS手段
    と、前記第2の制動力が働く車輪において前記アンチロ
    ックブレーキ制御が開始されると、前記第2の制動力を
    減少させるABS時減少手段とを備える制動力制御装置
    であって、 前記ABS時減少手段により前記第2の制動力が減少さ
    れると、前記第1の制動力を前記第2の制動力の減少分
    よりも大きな増加分だけ増加させるABS時増加手段を
    備えることを特徴とする制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ABS時増加手段は、前記第2の制
    動力が付与され得る車輪の前記第1の制動力に、前記第
    2の制動力の減少分よりも大きな制動力を付加すること
    を特徴とする請求項1記載の制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ABS時減少手段は、前記第2の制
    動力をゼロに減少させることを特徴とする請求項1記載
    の制動力制御装置。
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