JP3493958B2 - 同軸型誘電体共振器とその製造方法 - Google Patents

同軸型誘電体共振器とその製造方法

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JP3493958B2 JP16981297A JP16981297A JP3493958B2 JP 3493958 B2 JP3493958 B2 JP 3493958B2 JP 16981297 A JP16981297 A JP 16981297A JP 16981297 A JP16981297 A JP 16981297A JP 3493958 B2 JP3493958 B2 JP 3493958B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話及び無線
電話の通信機器等の電子機器に用いられる同軸型誘電体
共振器とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、同軸型誘電体共振器は、携帯電話
及び無線電話の通信機器等の電子機器に広く利用されて
いる。次に、従来の同軸型誘電体共振器について、以下
図面を参照しながら説明する。
【0003】図14は従来の同軸型誘電体共振器の斜視
図である。1は誘電体材料で長方体に形成された同軸型
誘電体基体、2は同軸型誘電体基体1の中央部に貫設さ
れた貫通孔、3は同軸型誘電体基体1の各側面に形成さ
れ各々が各接線において接合された側面導体、4は貫通
孔2の表面に形成された内部導体、5は側面導体3と内
部導体4と接合して同軸型誘電体基体1の下面に形成さ
れた短絡導体、6は同軸型誘電体基体1の上面の開放
面、7は同軸型誘電体基体1の一側面に側面導体3から
絶縁され方形状に形成された部分電極、8は内部導体4
と部分電極7との絶縁ギャップである。部分電極7と側
面導体3間及び開放面6は同軸型誘電体基体1の素地が
露出している構造となっている。
【0004】以上のように構成された同軸型誘電体共振
器は、他の回路と容量結合で接続する場合において、同
軸型誘電体共振器の構造および、電極構造も簡単で量産
部品点数を削減できるために生産工数を下げ低原価で量
産性に優れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、同軸型誘電体共振器の共振周波数は誘電体
共振器の形状及びその誘電率によっておおよそ決定さ
れ、部分電極容量は誘電率及び部分電極面積及び部分電
極と内部導体とのギャップによって決定される。共振周
波数は、開放面を研磨し同軸型誘電体共振器の全長(共
振長)を所定の長さに形成することによって得られる。
また部分電極容量についても開放面を研磨することで、
方形状の部分電極を研磨で切削し部分電極を所定の長さ
にすることによって得られる。このように同軸型誘電体
共振器の共振周波数と容量の調整は、開放面を研磨する
ことによって同時に得られる。しかしながら、同軸型誘
電体共振器の形状及びその誘電率および部分電極の面積
および部分電極と内部導体とのギャップは製造上ばらつ
きが生じる。そこで、共振周波数を優先して共振器の共
振長(全長の寸法)を調整する場合は結合容量が必要な
定数から外れるという問題点があった。
【0006】また部分電極容量が必要な定数より大きい
方に外れた場合は、再度結合部分電極を削除しなければ
ならない。という課題があった。また、部分電極容量が
必要な定数より小さい方に外れた場合は、不良品となり
製品得率を下げるという課題があった。
【0007】逆に、部分電極容量を優先して共振器の全
長の寸法を調整する場合は、共振周波数が必要な定数か
ら大きく外れるという課題があった。
【0008】また、共振周波数が必要とする定数より低
い方に外れた場合は、再度共振周波数のみを調整しなけ
ればならないという課題があり、共振周波数が必要とす
る定数より高い方に外れた場合、不良品となり製品得率
を下げるという課題があった。
【0009】このため一方の共振周波数だけを調整する
際に、他方の容量を大きく変動させることとなり、両方
を精度よく得ることができないという問題があった。ま
た同軸型誘電体共振器において、容量の範囲を広くする
ため、又は一定の容量を得るために、上記理由により部
分電極の面積が大きくなり、結果的に小型化やコンパク
ト化が困難であった。
【0010】また従来の製造方法では、各工程毎に容量
及び共振周波数を測定して不良品を取り除く作業を要
し、多大の作業工数を要し作業性、生産性に欠けるとい
う問題点があった。
【0011】本発明は前記従来の問題を解決するもの
で、所望する同軸型誘電体共振器の共振周波数および容
量を高精度で得られ、容量の範囲が広く、コンパクト化
できる同軸型誘電体共振器の提供、及び高精度でコンパ
クトな同軸型誘電体共振器を高い生産性で低原価で量産
できる同軸型誘電体共振器の製造方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の同軸型誘電体共振器は部分電極が開放面側
に端部が開放面と面一に形成された1以上の凸状部を備
えた構成としたものである。
【0013】この構成によれば、共振周波数を調整する
際に部分電極の細い凸状部だけが切削されるので、部分
電極の容量の変化は最小限に抑えられるので、同軸型誘
電体共振器において所望する共振周波数及び容量を高精
度で得ることができる。
【0014】また、本発明の同軸型誘電体共振器の製造
方法は、共振周波数と部分電極容量を平面研磨によって
調整する調整工程を備えた構成よりなる。
【0015】この構成により、部分電極の凸状部を平面
研磨によって共に切削するので、共振周波数と部分電極
容量を一度に調整でき、作業工数が少なく生産性に優れ
るとともに精度の高い同軸型誘電体共振器を高い製品得
率で量産できる生産コストを抑えた同軸型誘電体共振器
の製造方法を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、開放面に直交して形成された貫通孔を有する同軸型
誘電体基体と、前記貫通孔の表面を被覆する内部導体
と、前記内部導体と連設し前記開放面の対向面を被覆す
る短絡導体と、前記短絡導体と連設し前記同軸型誘電体
基体の外周面を被覆する側面導体と、前記同軸型誘電体
基体の一側面に前記側面導体と絶縁された部分電極と、
前記部分電極と一体に形成され開放面側に端部が前記開
放面と面一に形成され共振周波数調整のために開放面側
の端部から切削される1以上の凸状部と、を備え、前記
凸状部の幅Wが前記部分電極の幅Lに対して、0.1≦
W/L≦0.5、かつ前記凸状部の幅Wが0.2≦W≦
1.0mmである構成を有している。これにより、凸状
部の細い部分を切削するだけで共振周波数の調整を行う
ことができるとともに、部分電極の容量変化を最小限に
抑えることができるという作用を有する。かつ電解メッ
キ時において凸状部分電極を確実に形成することができ
る。当該W/Lが0.1より小さい場合には、凸状部の
細い部分が断線してメッキが形成され難いという傾向が
あり、0.5より大きい場合には、共振周波数と容量の
精度が悪くなる傾向がある。また当該凸状部の幅Wが
0.1mmより小さくなると、凸状部の電極形成が不安
定になるという傾向があり、またWが1.0より大きく
なると、共振周波数と容量の精度が低下する傾向があ
り、いずれも好ましくない。
【0017】ここで、凸状部としては、1乃至複数設け
てもよい。複数設けることにより、フィルタ−を多段に
構成することができるとともに、フィルタ−のコンパク
ト化、小型化が可能になる。
【0018】 請求項2に記載の発明は、前記凸状部が
前記開放面側が大きい逆三角形状、もしくは開放面側が
小さい三角形状に形成されていることを特徴とする請求
項1に記載の同軸方誘電体共振器であって、開放面を研
磨する長さに対する容量の変化の割合を穏やかにするも
しくは容量の変化の割合を急峻にするという作用を有す
る。
【0019】 請求項3に記載の発明は、貫通孔が孔径
の異なる2種の孔からなる構成を有している。これによ
り、共振器長を短くすることができ、容量範囲を広く、
コンパクト化することができる。
【0020】
【0021】 請求項に記載の発明は、原料を混合、
粒径を調整し造粒する造粒工程と、前記造粒した造粒物
を形成、焼結して同軸型誘電体基体を形成する成型工程
と、前記成型工程で得られた同軸型誘電体基体に導体膜
を形成するメッキ工程と、次いで共振周波数及び部分電
極容量を平面研磨によって調整する調整工程と、を備え
て請求項1〜4いずれか1の同軸型誘電体共振器を製造
する構成を有している。これにより、平面研磨だけで共
振周波数の調整を行うことができるとともに平面研磨で
凸状部を切削するだけで高い精度で共振周波数を調整で
きるので高い製品得率を得ることができるという作用を
有する。
【0022】以下、本発明の実施の形態について図1〜
8を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1におけ
る同軸型誘電体共振器の斜視図であり、図2は図1A−
A’線の断面図である。1は同軸型誘電体基体、2は貫
通孔、3は側面導体、4は内部導体、5は短絡導体、6
は開放面、7は部分電極、8は絶縁ギャップで従来例と
形状が同様のものなので、同一の符号を付して説明を省
略する。
【0023】ここで、同軸型誘電体基体は本実施の形態
では外形形状を方形としたが、これに限られるものでは
なく、円形、多角形でもよい。同軸型誘電体基体1の構
成材料としては、高周波における無負荷Qが高く、温度
特性の小さい、Ba−TiO 2−NbO3、Ba−TiO
2、ZrO2−SnO2−TiO2、BaO−SmO3−T
iO2、CaO−MgO−TiO2系等の誘電体材料が用
いられる。
【0024】次に本実施の形態における同軸型誘電体共
振器について、以下その動作について説明する。
【0025】以上のように構成された同軸型誘電体共振
器は、共振周波数及び部分電極容量を必要とする定数に
なるように平面研磨で開放面側を切削して調整し、誘電
体フィルタ及び電圧制御発振器等の部品及び単品として
使用される。例えば、900MHz帯における誘電体フ
ィルターに必要な共振周波数の精度は±0.1%であ
り、容量の精度は±1%である。しかし、誘電体材料の
誘電率および形状にはばらつきがある。そこで共振周波
数の調整を共振器長によって調整する。すなわち開放面
6を平面研磨することによって共振器長を短くする。こ
の時周波数は、高い方へシフトする。同時に開放面6を
研磨することによって、部分電極7の面積が減縮するこ
とになるが、部分電極7の凸状部7aだけが削除される
ので部分電極7の面積変化は少なく、結果として部分電
極7による容量の変化は、最小限に抑えられる。この結
果、共振周波数及び部分電極容量において精度に優れた
同軸型誘電体共振器が得られる。
【0026】次に本実施の形態における同軸型誘電体共
振器について、以下その製造方法を説明する。
【0027】図3は本発明の実施の形態1の同軸型誘電
体共振器の同軸型誘電体基体の斜視図であり、図4は本
発明の実施の形態1の同軸型誘電体共振器の平面研磨処
理前の斜視図である。
【0028】図中、7bはピアス導体、9は開放面導体
であり、他の符号は図1、図2と同一なので同一の符号
を付し説明を省略する。
【0029】まず、造粒工程において、原料(BaO、
TiO2、Nd23)を所定量ずつ配合し、ミル等を用
いて混合する。次にこの混合物をスプレードライヤ等を
用いて成型体の形状に最適の粒径に調整およびバインダ
ーの添加を行い、造粒する。
【0030】次いで、成型工程において、造粒物を乾式
プレスを用いて所定の形状に成形し、その成形物を焼成
炉で1300〜1400℃の温度で焼結させ、図3に示
すような筒型の同軸型誘電体基体1を作成する。
【0031】その後に、同軸型誘電体基体1の成形バ
リ、およびコーナの面取りのために、バレル研磨を行
う。
【0032】次いで、メッキ工程において、同軸型誘電
体基体1上に内部導体4、短絡導体5、側面導体3、部
分電極7、凸状部7aを形成する為に、導体膜を形成す
る。
【0033】形成方法としては、誘電体基体の表面をエ
ッチング処理によって表面粗度を調整する。この時エッ
チング液としては、HF−HNO2系のものを用いる。
次に表面に塩化第1錫等を用いて感受性処理を行った後
に、全表面に触媒金属となるパラジウムを付着させる。
次に同軸型誘電体基体1表面に導体膜を形成しない部分
にレジスト膜を形成する。レジスト膜は、スクリーン印
刷、転写印刷等を用いて同軸型誘電体基体1上に塗布
し、そのレジストインクを乾燥硬化させることによって
成形される。次に、レジストの塗布された同軸型誘電体
基体1を無電解銅メッキ方法を用いて、同軸型誘電体基
体1上に導体膜として銅膜を形成する。この時銅膜は、
レジスト膜が形成されていない部分のみに選択的に形成
され、図10に示す同軸型誘電体基体1が得られる。無
電解メッキ後、電解銅メッキにて銅膜を積層し導体膜を
形成する。この時銅の膜厚は、3〜7μm程度になるよ
うに形成され最終的に部分電極7は、細いピアス導体7
bによって開放面導体9と接続されている。ピアス導体
7bによって、電解メッキ時の電圧が部分電極7と開放
面導体9で等電位となり、部分電極7の電極厚みは開放
面導体9と同じ厚みになる。次に導体のはんだ食われ防
止のために約3μmの電解Niメッキを行い、さらに電
解はんだメッキを行う。この電解はんだは、錫と鉛の重
量比をそれぞれ9:1もしくは鉛をそれ以下の高温はん
だにすることによって、はんだの伸びを抑えることがで
きる。はんだメッキの膜厚は、3〜7μmとする。
【0034】調整工程において、共振周波数を必要とす
る値にするために、開放面導体9を平面研磨機等によっ
て平面研磨面Cの位置まで切削し、凸状部7aの先端部
を切り離し、部分電極7及び凸状部7aを形成するとと
もに、所定の共振器長にする。
【0035】以上の本発明の製造方法によれば、部分電
極が凸状部を有しているので、平面研磨で共振周波数を
高い精度で調整でき生産性を上げるとともに、不良品の
ない極めて高い製品得率で高品質の同軸型誘電体共振器
を低原価で量産できるという作用を有する。
【0036】(実施の形態2〜6)図5は本発明の実施
の形態2における同軸型誘電体共振器の斜視図であり、
図6は本発明の実施の形態3における同軸形誘電体共振
器の斜視図であり、図7は本発明の実施の形態4におけ
る同軸型誘電体共振器の斜視図であり、図8は本発明の
実施の形態5における同軸形誘電体共振器の斜視図であ
り、図9は本発明の実施の形態6における同軸形誘電体
共振器の斜視図である。
【0037】実施の形態2が実施の形態1と異なる点
は、凸状部7aが開放面6側が大きい逆三角形状に形成
されている点である。これにより、更に開放面を研磨す
る長さに対する容量の変化の割合を穏やかにするという
作用を有する。これに対し実施の形態3は凸状部7aが
開放面6側が小さい三角形状に形成されている。これに
より、実施の形態1で得られる作用の他開放面を研磨す
る長さに対する容量の変化の割合を急峻にするという作
用を有する。
【0038】また、実施の形態4は凸状部7aが部分電
極7の上端部の一方側に片寄って形成されている点であ
る。これにより実施の形態1で得られる作用の他内部導
体4とのギャップを大きくできるという作用を有する。
【0039】実施の形態5、6が実施の形態1と異なる
点は部分電極が円形状又は楕円形状に形成されている点
である。これにより、実施の形態1の作用の他コ−ナ−
部を持たないために、部分電極のピ−リング強度を向上
させ、信頼性を高めるという作用が得られる。
【0040】(実施の形態7)図10は、本発明の実施
の形態7における同軸型誘電体共振器の斜視図であり、
図11は図10B−B’線の断面図であり、図12は実
施の形態7における同軸型誘電体共振器の等価回路図で
ある。図10及び図11において、1は同軸型誘電体基
体、2は貫通孔、3は側面導体、4は内部導体、5は短
絡導体、6は開放面、7は部分電極、7aは凸状部、8
は絶縁ギャップであり、これらは実施の形態1と同様の
ものであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
図12において、10は部分電極7の等価回路上の電気
容量である。
【0041】本実施の形態における同軸型誘電体共振器
が、第1実施の形態と異なっている点は、貫通孔2が段
差部2aを介して孔径の異なる2種の孔から形成されて
いることである。
【0042】以上のように構成された、本実施の形態に
おける同軸型誘電体共振器について、以下その動作につ
いて説明する。上記同軸型誘電体共振器において、貫通
孔2は段差がある円筒形に形成されているために、貫通
孔2の一部を部分的に孔径を大きくし、部分電極7付近
の同軸型誘電体基体1の厚みを薄くすることで、内部導
体4と部分電極7及び凸状部7aとの間隔が狭くなるこ
とから、部分電極容量が増加する。ここで、同一共振周
波数、同一容量の同軸型誘電体を得る場合において、部
分電極7を小さくできることから、共振器長を短く、小
型化することができる。更に視点を変えると、容量範囲
を広くすることが可能となる。これは図13から明らか
なように、内部導体4と部分電極7との電極間ギャップ
Dが狭くなることによって、部分電極7が同じ面積の場
合において電気容量10が段差部2aのない時と比べて
大きくする事ができる。その結果、電極容量の範囲を広
くとることができる。
【0043】以上のように本実施の形態の同軸型誘電体
共振器によれば、誘電体フィルタに必要な同軸型誘電体
共振器の共振周波数および部分電極容量を同時に得ら
れ、一段とコンパクト化が可能で、容量範囲が広く、安
価で高精度の同軸型誘電体共振器を得ることができると
いう作用を有する。
【0044】(実施の形態8)図13は、本発明の実施
の形態8における同軸型誘電体共振器を示す斜視図であ
る。図13において、1は同軸型誘電体基体、2は貫通
孔、3は側面導体、4は内部導体、5は短絡導体、6は
開放面、7は部分電極、7aは凸状部、8は絶縁ギャッ
プであり、これらは実施の形態1と同様のものであるの
で、同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】本実施の形態における同軸型誘電体共振器
が、第1及び第2実施の形態と異なっているのは、部分
電極7と凸状部7aにおいて、凸状部7aの幅Wが部分
電極7の最大幅Lに対して、0.01≦W/L<1好ま
しくは、0.1≦W/L≦0.5、かつ凸状部7aの幅
Wが0.1≦W≦3mm、好ましくは0.2≦W≦1.
0mmとなるように形成されていることである。
【0046】ここで、凸状部7aの幅Wが0.1mmよ
りも狭くなるにつれ、生産工程におけるレジスト印刷の
精度が得られず、凸状部7aの細い電極部の線幅が細く
なり過ぎてしまう。このことによって電解メッキの際に
部分電極7の電位が側面導体3の電位よりも低く成って
しまい部分電極7の電解銅メッキの厚みが側面導体3に
比べて薄く成ったりまた、形成されない事態が発生す
る。さらに、研磨時の機械的ストレスが凸状部7aの上
部の線幅に加わり、部分電極7が同軸型誘電体基体1か
ら剥離することが発生する。このことによって部分電極
容量の変化が大きくなってしまう。また、貫通孔2は段
差がある円筒形に形成されているために、同一共振周波
数において、共振器長を短くすることができ、コンパク
ト化することができる。さらに部分電極容量において
は、電極間ギャップを狭くすることができるので容量範
囲を広くすることができる。という作用を有する。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下の優
れた同軸型誘電体共振器及びその製造方法を実現でき
る。
【0048】本発明の請求項1に記載の同軸型誘電体共
振器によれば、凸状部の細い部分を切削するだけで共振
周波数の調整を高い精度で行うことができるとともに、
部分電極の容量変化を最小限に抑えることができ、製品
得率を上げることができる。
【0049】請求項2に記載の同軸型誘電体共振器は、
請求項1により得られる効果の他、共振器長を短くする
ことができ、容量範囲を広く、コンパクト化することが
でき、携帯電話等の同軸型誘電体共振器を搭載する機器
をコンパクト化できる。
【0050】請求項3に記載の同軸型誘電体共振器は、
請求項1又は2で得られる効果の他、共振周波数の調整
時に開放面を平面研磨する際に、凸状部の細い部分だけ
を切削するので、部分電極の容量変化を最小限に抑える
ことができ、共振周波数と容量を高精度化することがで
きる。かつ電解メッキ時において凸状部分電極を確実に
形成することができ、生産性を高めるとともに、製品得
率を上げることができる。
【0051】請求項4に記載の同軸型誘電体共振器の製
造方法は、平面研磨だけで共振周波数の調整を行うこと
ができるとともに平面研磨で凸状部を切削するだけで、
高い精度で共振周波数を調整できるので高い製品得率を
得ることができ低原価で高品質の同軸型誘電体共振器を
量産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における同軸型誘電体共
振器の斜視図
【図2】図1A−A’線の断面図
【図3】本発明の実施の形態1の同軸型誘電体共振器の
同軸型誘電体基体の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1の同軸型誘電体共振器の
平面研磨処理前の斜視図
【図5】本発明の実施の形態2における同軸型誘電体共
振器の斜視図
【図6】本発明の実施の形態3における同軸型誘電体共
振器の斜視図
【図7】本発明の実施の形態4における同軸型誘電体共
振器の斜視図
【図8】本発明の実施の形態5における同軸型誘電体共
振器の斜視図
【図9】本発明の実施の形態6における同軸型誘電体基
体の斜視図
【図10】本発明の実施の形態7における同軸型誘電体
共振器の斜視図
【図11】図10B−B’線の断面図
【図12】本発明の実施の形態7における同軸型誘電体
共振器の等価回路図
【図13】本発明の実施の形態8における同軸型誘電体
共振器の斜視図
【図14】従来の同軸型誘電体共振器の斜視図
【符号の説明】
1 同軸型誘電体基体 2 貫通孔 2a 段差部 3 側面導体 4 内部導体 5 短絡導体 6 開放面 7 部分電極 7a 凸状部 7b ピアス導体 8 絶縁ギャップ 9 開放面導体 10 電気容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泉 泰博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 内山 忠信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−51302(JP,A) 特開 平5−167317(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 7/04 H01P 1/212 H01P 11/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開放面に直交して形成された貫通孔を有す
    る同軸型誘電体基体と、前記貫通孔の表面を被覆する内
    部導体と、前記内部導体と連設し前記開放面の対向面を
    被覆する短絡導体と、前記短絡導体と連設し前記同軸型
    誘電体基体の外周面を被覆する側面導体と、前記同軸型
    誘電体基体の一側面に前記側面導体と絶縁された部分電
    極と、前記部分電極と一体に形成され開放面側に端部が
    前記開放面と面一に形成され共振周波数調整のために開
    放面側の端部から切削される1以上の凸状部と、を有
    し、前記凸状部の幅Wが前記部分電極の幅Lに対して、
    0.1≦W/L≦0.5、かつ前記凸状部の幅Wが0.
    2≦W≦1.0mmであることを特徴とする同軸型誘電
    体共振器。
  2. 【請求項2】前記凸状部が前記開放面側が大きい逆三角
    形状、もしくは開放面側が小さい三角形状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の同軸方誘電体共
    振器。
  3. 【請求項3】前記貫通孔が孔径の異なる2種の孔からな
    ることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の
    同軸型誘電体共振器。
  4. 【請求項4】前記貫通孔が円筒状であることを特徴とす
    る請求項1〜3いずれか1に記載の同軸型誘電体共振
    器。
  5. 【請求項5】原料を混合、粒径を調整し造粒する造粒工
    程と、前記造粒した造粒物を形成、焼結して同軸型誘電
    体基体を形成する成型工程と、前記成型工程で得られた
    同軸型誘電体基体に導体膜を形成するメッキ工程と、次
    いで共振周波数及び部分電極容量を平面研磨によって調
    整する調整工程と、を備えたことを特徴とする請求項1
    4いずれか1に記載の同軸型誘電体共振器の製造方
    法。
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