JP3493615B2 - 空調装置用ケース - Google Patents

空調装置用ケース

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JP3493615B2 JP30869096A JP30869096A JP3493615B2 JP 3493615 B2 JP3493615 B2 JP 3493615B2 JP 30869096 A JP30869096 A JP 30869096A JP 30869096 A JP30869096 A JP 30869096A JP 3493615 B2 JP3493615 B2 JP 3493615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、車両用空調装置
を構成する空調装置用ケースであって、複数の分割ケー
スを接合して形成されると共に、内部の空気通路を画成
する仕切壁が各々の分割ケースから延出する仕切壁部を
接合して形成されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空調装置用ケースとして、たとえ
ば実公昭61−40589号公報に開示される自動車用
ヒータユニットのヒータケースは、第1、第2及び第3
のケースによって構成されるもので、それぞれのケース
の外側に位置する分割面は複数のクリップによって固定
されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ヒ
ータケースのように、ケース内に複数の送風通路がある
場合、ケース内には通路を画成するための仕切り板若し
くは仕切り壁を形成する必要があり、さらにこれらの仕
切り板若しくは仕切り壁は、通常分割された各々のケー
スに一体に形成された部品をインローにより嵌合させて
形成されるものである。これは、ケース内において冷風
通路と温風通路の温度差が大きく、エアミックスを良好
に行なうためには、送風路の気密性を確保する必要があ
るためである。ところが、ケース内の場合、ケース外側
に設けるような大インローでは仕切り壁が厚肉となる不
具合が生じ、また小インローでは嵌合部分の幅が小さ
く、特にケース内の仕切り壁の嵌合作業は盲作業となる
ことから、組立性が悪いという不具合が生じる。また、
ケース内部の仕切り壁の組付け作業では、仕切り壁が薄
く形成されるために、撓み易いという問題点もあった。
【0004】このため、この発明は、ケース内の仕切り
板若しくは仕切り壁の組立性を向上させ、且つ嵌合部分
の駄肉を抑制することのできる空調装置用ケースを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】したがって、この発明
は、少なくとも2つの分割ケースを接合して形成され、
吸入口及び吹出口が開口すると共に、内部に形成された
仕切り壁によって前記吸入口と吹出口を連通する空気通
路を画成する空調装置用ケースにおいて、前記仕切壁は
各々の分割ケースから一体に延出した対をなす仕切壁部
をそれぞれの接合縁部でつき合わせて構成されており、
一方の仕切壁部にはその接合縁部に嵌合凸部又はこれに
嵌合する嵌合凹部の一方が形成され、他方の仕切壁部に
はその接合縁部に前記嵌合凸部又は前記嵌合凹部の他方
が形成され、さらに前記一方の仕切壁部には該仕切壁部
の両面に設けられて対をなすリブが形成され、この対を
なすリブを前記一方の仕切壁部の接合縁部から延出させ
ると共に、この延出部分に、外方側端から接合縁部近傍
にかけて傾斜するガイド部が形成されていることを特徴
としている(請求項1)。
【0006】よって、この発明によれば、ケース内の仕
切壁を構成する一方の仕切壁部の接合部分を挟み込むよ
うに一対のリブが設けられ、このリブの接合縁部から延
出した部分に他方の仕切壁部をガイドするガイド部が形
成されているので、一方の仕切壁部の接合縁部に形成さ
れた嵌合凸部若しくは嵌合凹部の一方に、他方の仕切壁
部の接合縁部の嵌合凸部若しくは嵌合凹部の他方を容易
に導くことができ、さらにリブを設けることによって仕
切壁部の強度を向上させることができるので、上記課題
を達成することができる。
【0007】さらに、この発明は、前記延出部分のガイ
ド部の内側端部と前記接合縁部との間に、前記他方の仕
切壁部を挟持する所定の長さの平行部が設けられている
ことにある(請求項2)。したがって、前記一方の仕切
壁部に形成されたリブのガイド部に導かれた他方の仕切
壁部を平行部によって挟持固定できるために、一方の仕
切壁部と他方の仕切壁部の嵌合時の剛性を向上させるこ
とができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面により説明する。
【0009】図1及び図2に示す空調装置用ケース1
は、図示しないエバポレータを配設したクーリングユニ
ットの下流側に配されるヒータケースであり、内部には
ヒータコア8が配される。このヒータケース1は、第1
のケース2、第2のケース3及び第3のケース4が各々
の分解面においてインローにより嵌合され、さらに所定
の位置に形成された肉厚の係止部5がネジ6によってネ
ジ止めされることで固定される。
【0010】このヒータケース1には、図示しないクー
リングユニットと連通する吸入開口部7と、デフ吹出口
9、ベント吹出口10、及びフット吹出口11が形成さ
れ、前記吸入開口部7と各々の吹出口9,10,11と
を連通する空気流路がケース内に画成されるものであ
る。また、各々の吹出口9,10,11はそれぞれ開閉
ドア12,13,14によって開閉されるものである。
尚、開閉ドア12,13,14は、アクチュエータ1
5,16,17で駆動される。また、アクチュエータ1
8はエアミックスドア19を駆動するためのものであ
る。
【0011】前記第2のケース3は、図3に示されるよ
うに、前記吸入開口部7の周縁の一部を構成する吸入側
端部31を有し、この吸入側端部31の下流側には、エ
アミックスドア19の回動軸が装着される挿入孔32、
エアミックスドア19の回動範囲を規制する規制壁3
3,34が形成される。一方の規制壁33の近傍には、
前記ヒータコア8を挿着するための挿着用壁35が形成
される。この挿着用壁35の下流側は、略U字状にカー
ブする温風通路40が画成され、さらに前記他方の規制
壁34の下流側には、冷風通路41が画成される。前記
温風通路40と冷風通路部41との交差する部分には、
前記フット吹出口11と連通する開口部45を構成する
部分周縁壁36aが形成される。この部分周縁壁36a
は、第2のケース3側の仕切壁部37,38が第1のケ
ース2側の仕切壁部44,46と噛合して仕切壁80を
形成することによって、前記第1のケース2に形成され
た部分周縁壁36b及び36cと共に、前記開口部45
を形成するものである。尚、42は、前記フット吹出口
11へ至る通路を画成する一方の底部であり、39aは
前記開口部45を開閉するフット吹出口11用の開閉ド
ア14の駆動軸の一方が挿着される挿着孔である。
【0012】前記第1のケース2は、図4に示すよう
に、前記底部42と接合されて前記フット吹出口11へ
至る通路を画成する底部43を有し、この底部42の上
方には、前記部分周縁壁36aと共に前記開口部45を
形成する部分周縁壁36b,36cが形成される。さら
に前記仕切壁部37,38と共に仕切壁80を形成する
仕切壁部44,46が形成される。また、この第1のケ
ース2と前記第2のケース3及び第3のケース4との接
合部分、たとえば、ケース外壁の接合縁部や、第1のケ
ース2と第2のケース3との仕切壁部同士を突き合わせ
た接合縁部には、図5でも示すように、一方の接合縁部
に嵌合凸部71が形成され、また他方の接合縁部に前記
勘合凸部71と嵌合する嵌合凹部72が形成されてい
る。尚、図4において、39bは開閉ドア14の回動軸
の他方が挿入される挿着孔であり、12aはデフ吹出口
9の開閉を行なう開閉ドア12の回動軸の一方が挿着さ
れる挿着孔であり、51はケース同士を固定するための
ピンである。
【0013】以上の構成において、前記ヒータケース1
を組み立てる場合、第1のケース2、第2のケース3、
及び第3のケース4をその接合縁部においてインロー接
合するわけであるが、ケース外壁の接合縁部において
は、嵌合凸部71と嵌合凹部72を嵌合させさらに肉厚
の係止部5に形成されたピン51を接合させることで容
易に嵌合固定できるが、ケース内部に位置する仕切壁を
構成する第2のケース3の前記仕切壁部37,38と前
記第1のケース2の仕切壁部44,46との噛合は、盲
作業となるために、その嵌合作業は難しい。このため、
この発明は、前記仕切壁部の一方、本発明の実施の形態
では仕切壁部44の両面に設けられて前記第1のケース
2の挿着方向に延びる対をなすリブ60,61を、さら
に仕切壁部46にも両面に設けられて対をなすリブ60
a,60bを立設させたことにある。このリブ60,6
1及び60a,60bは、前記仕切壁部44,46の接
合縁部から所定の範囲延出するように形成される。
【0014】さらに、このリブ60,61及び60a,
60bの仕切壁部44,46からの延出部分には、該リ
ブ60,61及び60a,60bの先端外方部分から前
記仕切壁部44,46の縁端近傍にかけて傾斜するガイ
ド部62,63が形成され、さらに前記縁端近傍から仕
切壁部44,46の縁端にかけて、平行部64,65が
形成されるものである。通常、仕切壁部の厚さdは、2
mmであり、ガイド部の最大開口部分の長さLは10m
mに設定される。これによって、仕切壁部44の剛性を
向上できるために仕切壁部44の撓みを防止でき、さら
にガイド部によって確実に他方の仕切壁部38を接合縁
部へ導くことができる。
【0015】また、前記平行部64,65の長さDはで
きるだけ長く設定される。これによって、前記リブ6
0,61及び60a,60bによって他方の仕切壁部3
7,38を挟持固定できるために、前記仕切壁部44と
仕切壁部38及び仕切壁部37と仕切壁部46の嵌合時
の剛性を高めることができる。
【0016】尚、上記リブ60,61及び60a,60
bは、同一のケース側から延出する仕切壁部に形成した
が、同一のケース側に限らず延出幅の長い仕切壁部に形
成するようにしてもよいものである。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ケース内部の仕切壁を構成する一方の仕切壁部に、
該仕切壁部の両面に設けられて対をなすリブを形成し、
この対をなすリブの接合縁部から延出した部分にガイド
部及び平行部を形成したので、他方の仕切壁部を容易に
一方の仕切壁部の嵌合部分に導くことが可能となり、ケ
ースの組立作業性が向上する。さらに、仕切壁部の剛性
を向上できることから、仕切壁部を厚肉化して固定用の
ピンを形成することを省略でき、さらに、確実にケース
内の仕切壁を確実に形成できるために、不良品率を下げ
ることができるので、大幅なコストダウンを達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るヒータケースの側面
図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るヒータケースの図1
と反対側の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るヒータケースを構成
する第2のケースの平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るヒータケースを構成
する第1のケースの斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るリブの構成と、仕切
壁部の接合縁部を示した部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 ヒータケース 2 第1のケース 3 第2のケース 4 第3のケース 37,38,44,46 仕切壁部 60,61,60a,61b リブ 62,63 ガイド部 64,65 平行部 71 嵌合凸部 72 嵌合凹部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの分割ケースを接合して
    形成され、吸入口及び吹出口が開口すると共に、内部に
    形成された仕切り壁によって前記吸入口と吹出口とを連
    通する空気通路を画成する空調装置用ケースにおいて、 前記仕切壁は各々の分割ケースから一体に延出した対を
    なす仕切壁部をそれぞれの接合縁部でつき合わせて構成
    されており、一方の仕切壁部にはその接合縁部に嵌合凸
    部又はこれに嵌合する嵌合凹部の一方が形成され、他方
    の仕切壁部にはその接合縁部に前記嵌合凸部又は前記嵌
    合凹部の他方が形成され、さらに前記一方の仕切壁部に
    は該仕切壁部の両面に設けられて対をなすリブが形成さ
    れ、この対をなすリブを前記一方の仕切壁部の接合縁部
    から延出させると共に、この延出部分に外方側端から接
    合縁部近傍にかけて傾斜するガイド部が形成されている
    ことを特徴とする空調装置用ケース。
  2. 【請求項2】 前記延出部分のガイド部の内側端部と前
    記接合縁部との間に、前記他方の仕切壁部を挟持する所
    定の長さの平行部が設けられていることを特徴とする空
    調装置用ケース。
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