JP3493517B2 - ローラ連結体及びこのローラ連結体を組み込んだ直線運動案内装置 - Google Patents

ローラ連結体及びこのローラ連結体を組み込んだ直線運動案内装置

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JP3493517B2 JP23304799A JP23304799A JP3493517B2 JP 3493517 B2 JP3493517 B2 JP 3493517B2 JP 23304799 A JP23304799 A JP 23304799A JP 23304799 A JP23304799 A JP 23304799A JP 3493517 B2 JP3493517 B2 JP 3493517B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械をはじ
め産業用ロボットや精密計測器等の各種分野において、
軌道軸に沿う移動自在に設けられた移動体の案内に用い
られるローラ連結体、並びに、このローラ連結体を利用
した直線運動案内装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械や産業用ロボット等の分野にお
いては、移動体を一の方向に亙って往復移動自在とする
技術が不可欠である。例えば、半導体製造装置を構成す
るウエハ研削盤においては、研削装置を、水平方向に亙
って設けられた軌道軸に沿って移動自在とし、この軌道
軸の所定位置で荒研削を行い、他の所定位置で仕上げ研
削を行うように構成している。このように研削装置を一
の方向に亙って往復移動自在とするための装置として、
従来から直線運動案内装置が広く利用されている。
【0003】上記直線運動案内装置としては種々の構成
のものが知られているが、基本的には、長尺な軌道軸
と、本体及びこの本体の両端に固定された側蓋から構成
され上記軌道軸に沿って移動自在な移動体と、これら移
動体及び軌道軸に形成された循環路に組み込まれ上記移
動体を軌道軸に支承する多数のローラと、を備えてい
る。
【0004】そして、上記移動体を構成する本体は、上
記軌道軸に跨架自在な形状を有している。上記本体と上
記軌道軸との互いに対向する面には、互いに対向する転
走面が形成されており、これら各対の転走面によって、
ローラが転走自在な転走路が形成される。また、上記本
体には、この本体の長さ方向に亙って設けられた通孔内
に形成された戻し通路と、この戻し通路の両端にそれぞ
れ連続する方向転換路内周部と、を設けている。更に、
上記移動体を構成する側蓋は、上記本体の縦断面形状と
同形状の縦断面形状を有し、その内側面に方向転換路外
周部を形成している。そして、上記循環路は、上記転走
路と、上記戻し通路と、上記方向転換路内周部及び方向
転換路外周部によって形成される方向転換路と、から構
成される長円形(トラック状)の形状を有する。そし
て、上記ローラは、この循環路を循環自在に装填されて
いる。
【0005】尚、上記ローラに代えて球(鋼球)を使用
することもできる。但し、上記球は軌道面に点接触する
のに対して、ローラは軌道面に対して線接触する。この
ため、ローラを使用した場合は、上記球を使用した場合
と比較して、支承すべき荷重を大きくすることができ
る。従って、比較的大きな荷重を支承する必要がある装
置においては、上述したようにローラを使用するのが一
般的であり、需要性も高い。
【0006】上述のように構成される、従来知られた直
線運動案内装置の作用は、次のとおりである。即ち、上
記移動体が上記軌道軸上を摺動するのに伴い、上記ロー
ラは上記循環路を循環しつつ、この移動体を軌道軸上に
支承する。即ち、ローラは、上記転走路の始端から終端
まで転走した後、一方の方向転換路を介して戻し通路に
送られる。更に、この戻し通路を移行した後、他方の方
向転換路を通じて上記転走路の始端に送り出される。上
記多数のローラのうち、上記転走路に位置するローラ
が、上記移動体を支承する。他のローラは、移動体の移
動に伴って方向転換路及び戻し通路を移行する。従っ
て、本明細書では、説明の便宜上、ローラが移動体を支
承する上記転走路部分を荷重負荷域(以下、単に負荷域
という。)とし、ローラが移動体を支承せず単に移行さ
れる部分(上記方向転換路及び戻し通路)を荷重無負荷
域(以下、単に無負荷域という。)とする。尚、上述し
たように、多数のローラが上記循環路を循環しつつ移動
体を支承するため、上記移動体は上記軌道軸に沿って円
滑に移動自在である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成されてなる直線運動案内装置の円滑な作動を行わ
せるためには、上記ローラの循環を円滑に行わせること
が最も重要である。ローラの円滑な循環を妨げる要因と
しては、ローラと循環路や構成各部材との接触部におけ
る摩擦抵抗の増大やスキュー(ローラ回転軸の振れ)が
考えられる。尚、本明細書において、ローラ回転軸の振
れとは、ローラの回転軸(中心軸)が、循環路(転走路
及び方向転換路並びに戻し通路)内において、計画した
自転軸に対して角度を持つことをいう。
【0008】例えば、図53に示すように、ローラ(図
示の例の場合、円筒ローラ)14aが無負荷域βである
方向転換路10の終端から負荷域αである転走路5の始
端に移動する際にスキューした(図53に実線で示す状
態となるべきところをローラ回転軸γが振れ同図に鎖線
で示す状態となった)場合、当該ローラ14aの一半部
が他半部よりも先に負荷域αに衝突してしまい、一時的
にローラ14aの循環が停止してしまう。このため、ロ
ーラ14aの円滑な移動が阻害されてしまう。
【0009】更には、上記スキューが発生した場合、上
記一半部側に極集中荷重が発生するために、所謂エッジ
ロードが生じてしまい、ローラ14a及び上記転走路5
が損傷し、耐久性が劣化してしまう。しかも、このよう
な損傷の発生は、ローラ14aが循環路12を循環する
際に、振動や転がり抵抗の変化をもたらし、この点から
もローラ14aの円滑な移動を妨げてしまう。
【0010】また、例えばローラ同士の接触やローラと
循環路の一部との滑らかでない接触に起因する摩擦抵抗
の増大等によっても、ローラの円滑な循環が阻害されて
しまう。このようなローラ同士の接触等による摩擦抵抗
の増大は、一般に上記方向転換路において多く発生す
る。
【0011】従って、上記移動体を円滑に移動させるた
めには、ローラのスキューや摩擦抵抗の増大を防止する
必要がある。しかしながら、上述した従来構造において
は、上記ローラ同士の接触等を防止するための対策を特
に講じているわけではないため、方向転換路等において
ローラの整列状態が乱され当該個所でローラ同士が接触
する傾向となり、円滑な循環性能を得ることが難しかっ
た。
【0012】更に、上記従来構造の場合、戻し通路を構
成するそれぞれの側壁を、ローラを案内するための案内
面としている。しかしながら、上記側壁を案内面として
機能させるためには、ローラの両端面と上記側壁との間
に一定寸法の間隙を設ける必要がある。ところが、この
ような間隙を設けると、この間隙の存在に起因して当該
間隙分だけローラのがたつきが許容されてしまう。この
ようながたつきは、ローラ14aのスキューを発生させ
る原因となってしまう。尚、上述した各種不都合は、上
記ローラ14cに代えて球面ローラや面取りローラを採
用した場合でも同様に生じる。
【0013】このような不都合を解消すべく、例えば、
特開平10−110728号公報には図54に示すよう
なスキュー防止を図った先行技術が記載されている。こ
の先行技術は、保持部材25によりローラ14aを連結
させたものである。即ち、図示のようなはしご状に形成
された保持部材25のローラ保持孔26、26にローラ
14aを1個ずつ保持している。また、上記保持部材2
5の両外側面に、その長さ方向(図54(A)の矢印イ
方向、同図(B)の表裏方向)に亙って凸部27、27
を形成するとともに、戻し通路及び方向転換路のそれぞ
れ側壁に凹部(図示せず)を形成し、これら凸部27、
27と上記凹部との摺接によりローラ14aを案内する
ようにしている。尚、図54で符号18は間座部であ
る。
【0014】しかしながら、上記先行技術においては、
上述した従来構造に比較してスキュー防止効果は向上す
るが、新たに、以下のような不都合が生じる。即ち、こ
の先行技術の場合、上記ローラ14aが半円弧形状の方
向転換路部分を通過する際に、当該方向転換路部分でロ
ーラ14aが内周側に引き寄せられた状態で移行するた
め、隣り合うローラ14a同士の間隔がずれる等して、
その整列状態が上記戻し通路等における整列状態とは、
ずれてしまう。このため、上記方向転換路において上記
保持部材25の一部(ローラ保持孔26の一部)にロー
ラ14aが強く接触して円滑な循環が規制されてしまい
易い、という課題を有していた。
【0015】しかも、上記先行技術では、ローラ14a
の円滑な移行を行わせるため、案内面として機能する上
記凹部を、循環路を構成する方向転換路及び戻し通路の
全体に亙って、その平行度や間隔を高精度に形成しなけ
ればならない。勿論、この凹部に案内される凸部27も
上記凹部と同様、その平行度や間隔を高精度に形成しな
ければならない。従って、上記凹部及び凸部27の形成
に高度の熟練性が必要となり、また、コストも嵩んでし
まうという問題も有していた。
【0016】更には、上記方向転換路において、上記凸
部27は、この方向転換路の曲率に応じて弾性変形した
状態(湾曲した状態)で上記凹部に案内されるので、上
記凸27部は上記凹部に比較的強く摺接されるため、当
該摺接部分において摩擦抵抗が増大してしまうことか
ら、この点においても、ローラ14aの円滑な循環が妨
げられてしまい、直線運動案内装置の円滑な作動を妨げ
る結果となる。
【0017】この発明は、上述した不都合をいずれも解
消すべく創案されたもので、その目的とするところは、
ローラの円滑な循環を妨げる原因となるスキュー等を可
及的に防止し、円滑な循環案内を行い得るローラ連結体
を提供することにある。また、このようなローラ連結体
を用いることによって移動体の円滑な移動を可能とした
直線運動案内装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係るローラ連結体及びこのローラ連結体
を用いた直線運動案内装置のうち、ローラ連結体に係る
発明にあっては、請求項1に記載したように、多数のロ
ーラと、可撓性を有する滑り易い材料により造られ、上
記多数のローラを互いに整列した状態で保持する保持部
材と、を備え、案内軸受装置を構成する移動体を、軌道
軸に沿って移動自在に支承するものである。
【0019】特に、請求項1に記載したローラ連結体に
おいては、上記保持部材は、互いに間隔をあけて直列状
に配設された多数の間座部と、隣り合う間座部のそれぞ
れ長さ方向両端部同士を連結する側板部と、隣り合う一
対の間座部及びこれら間座部に連結する互いに対向する
一対の側板部によって形成されるローラ保持孔と、を備
えている。また、上記側板部は、その内外両側面が平坦
面に形成されており、上記ローラの端面の少なくとも外
周側部分にその内側面を、上記ローラ連結体が組み込ま
れる矩形状の循環路の側壁面にその外側面を、それぞれ
摺接自在に配設したことを特徴とするものである。
【0020】上述のように構成される請求項1に記載の
ローラ連結体が、移動体を軌道軸上に支承する際の基本
的な作用は、前述した従来構造と殆ど同様であるが、こ
の請求項1に記載したローラ連結体においては、特に、
使用時(ローラ連結体が循環路を循環する状態時)に、
ローラが保持部材に導かれて循環路を転走或いは滑動す
る際に、平坦に形成されたローラの端面は、同じく平坦
に形成された側板部の内面に摺接しつつ転走或いは滑動
する。このとき、ローラの両端面に摺接自在な一対の側
板部同士の間隔は、予め定められた一定値であり途中で
変化することはないため、ローラの姿勢は常に一定に保
持され、ローラの回転中心軸がローラの進行方向に対し
て上下左右に振れることはない。即ち、本発明では、上
記側板部の存在により、ローラのスキューが規正され
る。特に、上記側板部は、ローラ端面の少なくとも外周
側部分に摺接するため、ローラの姿勢保持が確実に行わ
れ、ローラの回転中心軸の振れが可及的に防止される。
【0021】しかも、本発明において、上記各側板部の
外側面は、循環路を構成する方向転換路及び戻し通路の
各側壁部分に摺接しつつ移動するが、上記側板部の外側
面及び側壁は、いずれも平坦面で形成されているため、
前述した先行技術のものと比較しても、その製造が容易
となる。即ち、上記先行技術のものの場合、循環路を構
成する戻し通路と一対の方向転換路との両側壁に凹部
を、また、保持部材の両側部に凸部を、それぞれ寸法や
平行度を高精度に形成しなければならないのに対し、本
発明では、上記戻し通路と一対の方向転換路との各両側
壁および側板部の外側面を、単に平坦面で形成すればよ
いため、その製造はきわめて容易となる。
【0022】また、本発明では、側板部外側面と上記両
側壁との接触面積を増大させることができるため、保持
部材自体の進行方向に対する振れが上記両側壁によって
規正されるので、この点からもローラのスキューを有効
に防止することができる。
【0023】さらに、上記方向転換路を通過する際、ロ
ーラは方向転換路内周側に引き寄せられた傾向となる
が、本発明では、ローラ端面の外周側部分と側板部の内
側面とが常に接触しているため、ローラの姿勢は、その
回転中心軸が進行方向と直交する方向に規正されるた
め、この点においてもロータのスキューを防止すること
ができる。
【0024】また、上記ローラは、上述のように保持部
材によってその姿勢を規正されつつ、転走或いは滑動
し、また、上記保持部材は、その側板部内側面と上記ロ
ーラの端面とが摺接することにより、このローラに導か
れつつ移動する。従って、上記ローラと保持部材とは、
その姿勢を相互に規正しつつ互いの移動を円滑に行うよ
うに作用するため、従来からローラのスキューの原因と
されているローラの振れや保持部材の振れを相互に規正
して、ローラ連結体が円滑に作動させることができる。
【0025】尚、互いに接触するローラの各部と保持部
材の各部との間には、潤滑剤(グリース)を介在させる
ことは勿論である。このような潤滑剤の存在と、保持部
材を可撓性を有する滑り易い材料によって製造すること
により、互いの摩擦抵抗が増大することを防止し、ロー
ラ連結体全体としての円滑な移動が図られる。また、こ
の発明に係るローラ連結体の場合、上記潤滑剤は、保持
部材の間座部と、この間座部を介して隣接するローラと
の間部分(所謂、グリースポケット)に保持されて循環
する。このため、ローラの相互摩擦が防止されることは
勿論、潤滑油の保持性能が向上し、ローラ連結体全体と
しての耐久性を大幅に向上させることができる。
【0026】尚、この発明にあっては、請求項2に記載
したように、上記間座部のローラ保持孔を構成する面
を、ローラ側面の曲率とほぼ等しい曲率を有する凹曲面
に形成する構成を採用することもできる。このように構
成することにより、ローラ保持孔を構成する一対の間座
部がローラを脱落しないように保持するため、保守・点
検時等にローラが保持部材から脱落する虞れがない。
【0027】更に、この発明にあっては、請求項3に記
載したように、上記側板部に代えて、その内側面に上記
ローラの端部を遊嵌する凹部を設けるとともに、その外
側面をこのローラ連結体が組み込まれる断面矩形状の循
環路の側壁面に摺接自在とした側板部を採用することも
できる。このような構成を採用することにより、やはり
ローラのスキューが規制される。すなわち、上記側板部
は、ローラの端面を遊嵌しているため、ローラの姿勢保
持が確実に行われ、ローラの回転軸の振れが可及的に防
止される。
【0028】又、請求項1では、上記ローラの両端面中
央部に、係合凹部若しくは係合凸部を設けるとともに、
上記側板部の内側面中央部で、上記係合凹部若しくは係
合凸部に整合する位置に、この係合凹部若しくは係合凸
部に係合自在な係合凸部若しくは係合凹部を設ける構成
を採用することもできる。上記ローラの端面若しくは側
板部に設ける係合凸部としては、種々の形状のものが考
えられる。例えば、短円筒状のものや短円錐形状のもの
が考えられる。上記係合凹部は、上記係合凸部の形状に
合致する形状とするのは勿論である。
【0029】このように係合凹部と係合凸部とを係合さ
せることにより、ローラの整列状態が強制的に保持され
てローラの回転中心軸の振れが規正されるためスキュー
防止効果が増大する。特に、半円弧形状を有する方向転
換路部分を通過する際において、ローラは、循環路を構
成する他の部分を通過する際と同様の姿勢を保持し、か
つ、保持部材に対するローラの保持位置が上記凹凸部の
係合により維持されるため、スキューを有効に防止する
ことができ、しかも、ローラの保持部材の一部に対する
接触面圧の増大を抑制でき、ローラ連結体の循環をより
一層円滑に行わせることが可能になる。また、上記凹凸
部の係合は、ローラが保持部材から脱落するのを防止す
る機能も有する。このため、ローラ連結体の保守・点検
作業等が容易となる。
【0030】尚、この発明においては、上記間座部に、
長さ方向両端縁からそれぞれ中央部に向けて形成された
括れ部を設けた構成を採用することもできる。このよう
な括れ部を設けることにより、保持部材は、ローラ連結
体の短手方向に対して、括れ部の切れ込みの深さに応じ
た量だけ曲がることが可能になるため、戻し通路の位置
の選択自由度が増し、移動体の形状を使用用途に応じて
自由に選択することができる。又、上記括れ部を設ける
ことにより、ローラ連結体がその短手方向に多少曲がっ
て移動しなければならないような循環路であっても、該
括れ部から簡単に曲がるので、方向転換路部分でも円滑
に移動させることができ、循環路の設計の自由度を増大
させることができる。
【0031】尚、上述した各請求項に記載した保持部材
を構成する材料としては、弗化系樹脂等の合成樹脂を利
用することができる。このような合成樹脂を採用すれ
ば、ローラ連結体を、予めローラを保持部材の型枠内に
インサートした状態で、キャビティ内に樹脂材料を射出
する(インサート成形)ことにより製造できる。尚、ロ
ーラは、樹脂の硬化時のひけによって、或は、全体を油
槽等内へと浸漬することによって、ローラと保持部材と
の間に微少な隙間が生じるため、保持部材との間の摺動
抵抗は小さい。従って、このような射出成形の一種であ
るインサート成形を本発明で採用した場合には、保持部
材にローラを組み込む工程が不要となり、生産性を向上
させることができ、ローラ連結体の製造の容易化、簡略
化を図れる。
【0032】また、この発明においては、上記ローラと
して、円筒ローラを採用しても、或いは、球面ローラを
採用してもよい。
【0033】また、この発明にあっては、上記側板部
を、ローラの端面の面積の80%乃至95%程度の面積
を有する円板で形成することで、該側板部はローラの端
面のほぼ全面に亙って摺接することになるため、該ロー
ラの回転軸振れを可及的に減少させることができる。
【0034】更に、上記側板部の一部と前記循環路の少
なくとも一部とを、摺動を自在として当接する形状とす
ることもできる。このように構成することにより、上記
側板の一部が上記循環路の一部に当接した状態で摺動す
るため、スキュー防止効果が向上する。
【0035】又、上記ローラ連結体の端部同士を連結自
在な連結部を設けることにより、上記循環路に組み付け
後にこのローラ連結体を無端環状とすることもできる。
この連結部として具体的には、上記ローラ連結体の一端
部に形成した係止凸部と、上記ローラ連結体の他端部に
形成した係止凹部とから成り、且つ、これら係止凸部と
係止凹部とを重ね合わせた状態で、例えばプラスチック
ウェルダにより溶着されて成るものとすることができ
る。
【0036】このように、ローラ連結体を無端環状とす
ることにより、例えばローラが循環路を構成する方向転
換路から同じく負荷軌道路に移行する場合等において、
いずれのローラもその前後のローラの引き寄せ力若しく
は押し出し力によって円滑に移行できるようになり、ロ
ーラの円滑な移行とこれに伴う移動ブロックの円滑な移
送が可能となって、移動ブロックの停止精度の向上等を
図れる。
【0037】尚、上記連結部を溶着する場合、上記ロー
ラ連結体が組み付けられる前記循環路のうち、前記移動
体を構成する一の側蓋を外した状態で移動体の端部に露
出する方向転換路部分に、互いに重ね合わされた上記ロ
ーラ連結体の両端部を位置させ、更に、従来から知られ
たウエルダ等を利用して上記重ね合わせた部分を溶融固
着させることにより行う。更には、上記側板部の一部に
被保持部を形成するとともに、上記循環路のうちの少な
くとも負荷側の通路に、上記被保持部を保持するための
保持部を形成した構成を採用することができる。このよ
うな構成を採用することにより、ローラ連結体が循環路
内を循環する際に、安定した案内がなされ、振動や騒音
が有効に防止される。
【0038】次に、この発明に係るローラ連結体及びこ
のローラ連結体を用いた直線運動案内装置のうち、直線
運動案内装置に係る発明は、長尺な軌道軸と、水平部の
両端側に一対の垂下部を設けた略コ字状の本体及びこの
本体の両端に固定された側蓋を有し、上記軌道軸に沿う
移動自在な移動体と、これら移動体及び軌道軸に形成さ
れた循環路に組み込まれ上記移動体を軌道軸に支承する
ローラ連結体と、を備えて構成されている。更に、上記
循環路は、上記軌道軸と上記本体との互いに対向する面
にそれぞれ形成された一対の転走面によって形成される
転走路と、上記本体を貫通して設けられた戻し通路と、
この戻し通路の両端に連続して形成された方向転換路内
周部及び上記側蓋の内側面に形成された方向転換路外周
部とによって形成される方向転換路と、から構成されて
いる。そして、上記ローラ連結体は、前記ローラ連結体
で構成されており、上記循環路を循環自在に装填されて
いる。
【0039】上述したように構成される直線運動案内装
置における基本的な作用は、前述した従来構造とほぼ同
様であるが、特に、この発明に係る直線運動案内装置に
おいては、ローラ連結体として、上述したローラ連結体
を採用しているため、ローラのスキューを有効に防止で
き、ローラ連結体の円滑な移動を図れる。この結果、直
線運動案内装置の円滑な作動が可能になる。しかも、ス
キューが有効に防止されることに伴い、ローラをはじめ
構成各部材、ひいては直線運動案内装置全体としての耐
久性が向上する。
【0040】尚、上述したような直線運動案内装置にお
いては、荷重の均等な分配を図るとともに移動体の円滑
な移動を行うために、複数のローラ連結体の配設位置を
考慮する必要がある。このようなローラ連結体の配設位
置としては、上記軌道軸上面と前記本体の水平部下面と
の間に2列に亙って設けるとともに、上記軌道軸の幅方
向両側面と上記本体に形成した一対の垂下部のそれぞれ
内側面との間に1列ずつ設ける構成を採用できる。
【0041】一般に、直線運動案内装置は、移動体上面
に各種装置を固定して使用する形態を取ることが多い。
このような場合、移動体には鉛直下方に向かう荷重が加
わる。上記した構成は、このような使用形態に用いる場
合に有効である。この場合、上記軌道軸上面と上記本体
の水平部下面との間に介在されるローラ連結体を構成す
るローラの接触角を、水平面に対してほぼ90度傾斜さ
せるとともに、上記軌道軸の幅方向両側面と上記本体に
形成した一対の垂下部のそれぞれ内側面との間に介在さ
れるローラ連結体を構成するローラの接触角を、水平面
に対して斜め下方にほぼ30度傾斜させる構成を採用す
れば、上記鉛直下方に加わる荷重を十分に支承できる。
【0042】また、ローラ連結体の配設位置として、上
記軌道軸の幅方向両側面と上記本体に形成した一対の垂
下部のそれぞれ内側面との間に、上下方向に2列ずつ合
計4列のローラ連結体を装着した構成を採用できる。
【0043】さらに、このような構成の場合、上記合計
4列のローラ連結体のうち、上側に位置するローラ連結
体を構成するローラの接触角を、水平面に対して前記軌
道軸側から前記本体に形成した垂下部に向かって斜め上
向きにほぼ45度傾斜させるとともに、下側に位置する
ローラ連結体を構成するローラの接触角を、水平面に対
して斜め下向きにほぼ45度傾斜させた構成を採用でき
る。或いは、他の例として、上記合計4列のローラ連結
体のうち、上側に位置するローラ連結体を構成するロー
ラの接触角を、水平面に対して前記軌道軸側から前記本
体に形成した垂下部に向かって斜め下向きにほぼ45度
傾斜させるとともに、下側に位置するローラ連結体を構
成するローラの接触角を、水平面に対して斜め上向きに
ほぼ45度傾斜させる構成を採用することもできる。こ
のような構成においては、鉛直下方及び水平方向にそれ
ぞれ加わる荷重を互いに等しく支承できるので、移動体
の移動をより一層円滑にすることができる。
【0044】尚、特に上記ローラ連結体の端部同士を連
結自在な連結部を設けることにより、上記循環路に組み
付け後にこのローラ連結体を無端環状としており、この
連結部は、ローラ連結体の一端部に形成した係止凸部
と、上記ローラ連結体の他端部に形成した係止凹部とか
ら成り、且つ、これら係止凸部と係止凹部とを係合させ
た状態において、当該連結部の両側面がローラ連結体の
他の部分の両側面と同一平面となるようにするととも
に、互いに係合する係止凹部と係止凸部とを、且つ、溶
着されて成るものであり、この溶着は、上記ローラ連結
体が組み付けられる上記循環路のうち、移動体を構成す
る一の側蓋を外した状態で移動体の端部に露出する方向
転換路部分に、互いに係合された上記ローラ連結体の両
端部を位置させ、当該端部を溶融固着させることにより
行うものであり、更に、前記側板部の一部に被保持部を
形成するとともに、前記循環路のうちの少なくとも負荷
側の通路に、上記被保持部を保持するための保持部を形
成して成る構成を採用することができる。このような構
成の場合、スキュー防止効果の向上と併せて、移動体の
円滑な移動及び正確な停止を行えるようになる。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態例に
ついて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1乃至図
13は、この発明の実施の第一形態例に係る直線運動案
内装置Mを示している。この直線運動案内装置Mは、長
尺な軌道軸1と、水平部7aの幅方向(図2の左右方
向、図3の上下方向、図4の左右方向)両端側に一対の
垂下部7b、7bを設けた本体7及びこの本体7の長さ
方向(図2の表裏方向、図3の左右方向、図4の表裏方
向)両端に固定された側蓋8、8から構成され上記軌道
軸1に沿って移動自在な移動体2と、これら移動体2及
び軌道軸1に形成された無限循環路12に組み込まれ上
記移動体2を軌道軸1に支承するローラ連結体13a
と、を備えている。
【0046】上記軌道軸1は、図1及び図2に示すよう
に、その上端部両側面(図2の左右両側面)にそれぞれ
略三角形状の凹部3、3を形成している。そして、上記
凹部3、3の一表側面と軌道軸1の上面両端部(図2の
左右両端部)とを、転走面5a、5aとしている。
【0047】従って、図示の例における軌道軸1におい
ては、4条のローラ連結体13a、13aが装着され、
且つ、その縦断面形状が中心軸a(図2)に対して対称
となるように形成されている。
【0048】一方、上記移動体2は、図1乃至図10に
示すように、金属製の本体7と、この本体7の長さ方向
両端面に取り付けられる側蓋8、8(図1及び図6乃至
図10参照)と、を備えている。このうち、本体7は、
断面略コ字形状の高剛性のブロック体で、軌道軸1の上
面に対向する水平部7aと、この水平部7aの幅方向両
端から軌道軸1の幅方向(図2の左右方向)両側面を挟
み込むように垂下する一対の垂下部7b、7bと、を備
えている。
【0049】上記水平部7aの下面には、軌道軸1の上
面に形成された一対の転走面5a、5aに対応する一対
の転走面5b、5bを形成する。また、垂下部7b、7
bの内側面には、上記軌道軸1の凹部3、3に形成され
た転走面5a、5aに対応する転走面5b、5bが一条
ずつ設けられている。また、上記本体7には、上記転走
面5b、5bに連続する方向転換路内周部10a、10
aと、本体7の長さ方向に亙って設けられた断面円形の
通孔9、9内に形成された上記方向転換路内周部10
a、10aに連続する断面矩形状の戻し通路9a、9a
と、を設けている。
【0050】上記戻し通路9a、9a及び上記方向転換
路内周部10a、10aは、上記通孔9、9内に、所定
形状の中子を配置した状態で溶融した合成樹脂を射出す
ることにより形成する。上記中子の通孔9、9内に位置
する部分は、断面矩形とすることにより、戻し通路9a
の両側壁部分を平坦面で形成することができる。
【0051】尚、図1乃至図3で、符号23、23は、
上記移動体2上面に、前記研削装置やテーブル等の部材
を固定するためのねじ孔である。また、符号24、24
は、側蓋8、8取り付け用のねじ孔である。
【0052】更に、上記一対の側蓋8、8は、図6乃至
図9に示すように、その外形を上記本体7の端部形状と
同形状とされ、内部に上記無限循環路12、12を構成
する方向転換路外周部10b、10bを形成している。
そして、この側蓋8、8を上記本体7に固定すべく本体
7の長さ方向両端面にそれぞれ形成したねじ孔24、2
4に対向する位置に透孔11、11を設けている。従っ
て、本体7の長さ方向両端面にそれぞれ側蓋8、8を取
り付け、更に、上記透孔11、11に挿通したボルト
(図示せず)を上記ねじ孔24、24に螺合することに
より、側蓋8、8を本体7に固定できる。上述のように
して本体7と側蓋8、8とにより移動体2を構成する。
【0053】更に、図1、図2に示すように、上記移動
体2を軌道軸1に跨架させることにより、上記本体7及
び軌道軸1にそれぞれ形成した各転走面5a、5bによ
り、転走路5、5が得られる。これら転走路5、5は、
上記戻し通路9a及び方向転換路内外両周部10a、1
0bから成る方向転換路10とともに、無限循環路1
2、12を構成する。この無限循環路12、12のう
ち、上記転走路5、5部分が図10に示すように負荷部
αをなし、上記本体7に設けた戻し通路9a、9a及び
方向転換路10、10部分が図10に示すように無負荷
部βをなす。図示の例の構造の場合、図2の記載から明
らかなように、合計4条の無限循環路12、12が形成
されている。
【0054】上記無限循環路12、12には、それぞれ
次述するようなローラ連結体13a、13aが組み込ま
れる。本形態例の構造の場合、上記ローラ連結体13a
は、図10乃至図13に示すように、上記軌道軸1上面
と上記本体7の水平部7a、7a下面との間に2列に亙
って設けるとともに、上記軌道軸1の幅方向両側面と上
記本体7に形成した一対の垂下部7b、7bのそれぞれ
内側面との間に1列ずつ設けている。
【0055】図11および図12に示すように、本形態
例に係るローラ連結体13aは、複数の円筒ローラ14
a、14aと、これら円筒ローラ14a、14aを保持
する保持部材15とを備えている。このうち、上記円筒
ローラ14a、14aは、その両端面を平坦に形成する
とともに、その中央部に係合凹部16、16を形成して
成る。
【0056】また、上記保持部材15は、互いに間隔を
あけて直列状に配設された多数の間座部18、18と、
隣り合う間座部18、18のそれぞれ長さ方向(図11
(A)の上下方向、図12(A)の上下方向)両端部同
士を連結する円形の側板部20、20と、隣り合う一対
の間座部18、18及びこれら間座部18、18に連結
する互いに対向する一対の側板部20、20によって形
成されるローラ保持孔19、19と、を備えて有端帯状
に構成されている。
【0057】更に、上記側板部20、20の内側面中央
部で、上記係合凹部16、16に整合する位置には、こ
の係合凹部16、16に係合自在な係合凸部21、21
を設けている。この例の場合、上記係合凸部16の形状
を短軸状のものとしているが、短円錐状のものにする
等、種種の形状のものを採用できる。係合凹部21を、
係合凸部16の形状に合致する形状の凹部とするのは勿
論である。
【0058】尚、上記ローラ連結体13aは、図示しな
い型枠内に円筒ローラ14a、14aを載置した(イン
サートした)状態で、この型枠内に形成されたキャビテ
ィ内に溶融した合成樹脂を射出することことにより製造
する(所謂、インサート成形)。このようなインサート
成形を採用することにより、保持部材15に円筒ローラ
14a、14aを組み込む工程を施す必要がなくなり生
産性が向上するため、ローラ連結体13aの製造の容易
化、簡略化を図れる。
【0059】尚、円筒ローラ14aが保持部材15のロ
ーラ保持孔19内で転動自在とするためには、円筒ロー
ラ14aとローラ保持孔19周縁との間に、間隙が必要
である。このような間隙は、上記インサート成形の後、
保持部材15(勿論、円筒ローラ14aも一体であ
る。)を油等に浸漬することにより、保持部材15を拡
張させることで形成する。また、上述のように保持部材
15を有端帯状に形成することにより、このローラ連結
体13aを本体7へ容易に装着可能となる。
【0060】更に、無限循環路12、12の側壁17、
17はローラ連結体13aを案内する案内壁として機能
するが、当該側壁17、17にはローラ連結体13aを
構成する保持部材15の側板部20、20の外側面が摺
接する。これら側板部20、20及び側壁17、17
は、上述したように合成樹脂製であるため、滑り易い。
このため、上記側壁17、17と側板部20、20との
摺接時に抵抗となることがなく、滑らかな摺動が可能で
ある。また、上記側板部20及び側壁17、17は、と
もに平坦面であるため、加工が容易で、しかも、前述し
た先行技術の有する不都合が解消される。
【0061】尚、本形態例の場合、上記軌道軸1上面と
上記本体7の水平部7a下面との間に介在されるローラ
連結体13aを構成する円筒ローラ14aの接触角は、
水平面に対してほぼ90度傾斜させている。
【0062】また、上記軌道軸1の幅方向両側面と上記
本体7に形成した一対の垂下部7bのそれぞれ内側面と
の間に介在されるローラ連結体13aを構成する円筒ロ
ーラ14aの接触角は、水平面に対して斜め下方にほぼ
30度傾斜させている。各接触角を上述のように設定す
ることにより、本形態例に係る直線運動案内装置を、鉛
直下方に加わる荷重を十分に支承可能なものとすること
ができる。尚、これら接触角の大きさは、支承する荷重
の大きさ等に応じて適宜定めることができる。
【0063】上述したように構成される本形態例に係る
直線運動案内装置Mにおける基本的な作用は、前述した
従来構造とほぼ同様である。特に、この形態例に係る直
線運動案内装置Mにおいては、上述したようなローラ連
結体13aを採用しているため、円筒ローラ14aの無
負荷域βから負荷域αへの円滑な転送と、円筒ローラ1
4aのスキュー防止を図れる。即ち、上記ローラ連結体
13aにおいては、多数の円筒ローラ14a、14aを
所定の間隔で保持する保持部材15を設けているため、
これら円筒ローラ14a、14a同士が接触することが
ないため、円筒ローラ14a、14a同士が擦れ合うこ
とに起因する騒音が抑制されるとともに、円筒ローラ1
4a、14aの摩耗の進行が早くなることが防止され
る。
【0064】また、円筒ローラ14a、14aは、1個
ずつ上記ローラ保持孔19、19に保持されているた
め、各円筒ローラ14a、14aの中心軸が互いに平行
状態に保持された状態で、所定の間隔を保ちながら無負
荷域βから負荷域αに円滑に転走する。即ち、円筒ロー
ラ14a、14aは、無限循環路12、12の無負荷域
βから負荷域αに入り込む際に抵抗が高くなって滞る傾
向となるが、既に負荷域αに位置する円筒ローラ14
a、14aの転走に伴って移動する上記保持部材15を
介して残りの円筒ローラ14a、14aが負荷域αに引
き込まれるため、ローラ連結体13aは上記無限循環路
12、12を円滑に循環する。
【0065】また、上記円筒ローラ14a、14aは、
その中心軸と直角な方向に移行(転走)することが、ス
キュー防止上重要である。本形態例の構造の場合、上記
一対の側板部20、20が、円筒ローラ14a、14a
の軸振れを防止する。即ち、平坦に形成された円筒ロー
ラ14a、14aの端面は、同じく平坦に形成された側
板部20、20の内面に摺接しつつ転走成いは滑動する
ため、これら円筒ローラ14a、14aの回転中心軸γ
が該両側板部20、20によって円筒ローラ14a、1
4aの進行方向に対して振れないように規正される。
【0066】また、本形態例の場合、円筒ローラ14a
に設けた係合凹部16、16と側板部20に設けた係合
凸部21とを係合させているため、この点からも円筒ロ
ーラ14aの姿勢が保持され、スキューの防止が図られ
る。従って、上記円筒ローラ14a、14aは、上記一
対の側板部20、20の存在及び係合凹部16と係合凸
部21との係合に基づき、その姿勢を規正され維持され
て移行(転走)する。この結果、上記円筒ローラ14
a、14aは、上記無限循環路12を上記円筒ローラ1
4aの中心軸と直角な向きに移行し、スキューが確実に
防止される。
【0067】特に、本形態例の場合、上記側板部20、
20を円筒ローラ14a、14aの端面よりも少し小さ
い面積の円板としている。このため、側板部20、20
は円筒ローラ14a、14aの端面のほぼ全面に亙って
摺接することになる。従って、円筒ローラ14a、14
aの回転軸振れは、可及的に減少される。
【0068】尚、側板部20の形状及び大きさは、円筒
ローラ14aの端面の外周側部分に摺接できれば、特に
は問わない。但し、製造の容易性等を考慮すれば、図示
のような円板で、上記円筒ローラ14aの端面の面積の
80%乃至95%程度の面積を有するものを好ましく採
用できる。単に、上記端面の中心部に摺接する程度の形
状や大きさであれば、円筒ローラ14aの姿勢が多少ず
れることが許容される。即ち、円筒ローラのスキューが
発生してしまうことになる。このため、側板部20の形
状や大きさを上述のように構成する。
【0069】また、上記ローラ連結体13aは、インサ
ート成形によって製造されることに伴い、上記間座部1
8、18の円筒ローラ14aと対向する面は、この円筒
ローラ14aの側面(円筒面)の曲率とほぼ等しい曲率
を有する凹曲面に形成される。言い換えれば、円筒ロー
ラ14a側面を微少隙間を介して間座部18の凹曲面が
覆う状態とする。従って、この間座部18、18によっ
ても、円筒ローラ14aの軸振れが防止される。尚、上
記曲率とは、曲線の与えられた点でのその曲線に最も良
く近似する円の半径の逆数をいう。上記円筒ローラ14
aの側面は凸曲面であり、上記間座部18の側面は凹曲
面であるが、「曲率がほぼ等しい」とは、本明細書で
は、上記凸曲面における曲率と凹曲面における曲率とが
ほぼ等しく、上記凸曲面を上記凹曲面が包み込む状態を
指す。
【0070】本形態例に係るローラ連結体13aは、上
記側板部20、20及び間座部18、18並びに係合凹
部16と係合凸部21との係合による相乗的なスキュー
防止機能が相俟って、スキューを確実に防止できる。
【0071】更に、上記側板部20、20の内面に形成
した係合凸部21、21と上記円筒ローラ14a、14
aの両端面に形成した係合凹部16、16との係合、並
びに、上記間座部18の湾曲面により、保持部材15か
らの円筒ローラ14a、14aの脱落を防止している。
このため、移動体2を軌道軸1から抜き出した際に、円
筒ローラ14a、14aが脱落するのが確実に防止され
る。
【0072】更に、上記側板部20、20は、ローラ連
結体13aが循環移動する際に、循環路12、12の両
側に存在する側壁17、17に摺接しつつ案内される。
側板部20、20及び側壁17、17は滑り易い合成樹
脂により造られているため、その移動は円滑なものとな
り、ローラ連結体13a全体としての良好な転走及びス
キューの防止に寄与する。しかも、上記側板部20、2
0の外側面は、無限循環路12、12を構成する方向転
換路10、10及び戻し通路9a、9aのそれぞれ側壁
部分に摺接しつつ移動する。そして、上記側板部20、
20の外側面及び側壁17、17は、いずれも平坦面と
されているため、製造が容易である。
【0073】また、上記側板部20、20と側壁17、
17との接触面積が大きいため、保持部材15自体の進
行方向に対する振れが抑制され、この点からもローラの
スキューが防止される。
【0074】さらに、上記方向転換路10、10を通過
する際、円筒ローラ14a、14aは方向転換路10、
10の内周側に引き寄せられる傾向となるが、この場合
においても、円筒ローラ14a、14aの端面と側板部
20、20の内側面とが接触し、かつ、係合凹部16と
係合凸部21とが係合しているため、円筒ローラ14
a、14aの姿勢は、その回転中心軸γが進行方向と直
交する方向に規正され、やはりスキューの防止が図られ
る。
【0075】更に、上記円筒ローラ14a、14aは、
上述のように保持部材15によってその姿勢を規正され
つつ、転走或いは滑動する。また、上記保持部材15
は、その側板部20、20内側面と上記円筒ローラ14
a、14aの端面とが摺接することにより、この円筒ロ
ーラ14a、14aに導かれつつ移動する。従って、上
記円筒ローラ14a、14aと保持部材15とは、互い
に姿勢を規正されつつ互いの移動を促す。このため、円
筒ローラ14a、14aのスキューにつながる円筒ロー
ラ14a、14aの振れや保持部材15の振れが防止さ
れ、ローラ連結体13aが円滑に無限循環路12を循環
する。
【0076】尚、互いに接触する円筒ローラ14a、1
4aの各部と保持部材15の各部との間には、潤滑剤
(グリース)を介在させる。上記潤滑剤は、保持部材1
5の間座部18、18と、この間座部18、18を介し
て隣接する円筒ローラ14a、14aとの間部分(所
謂、グリースポケット)に保持されて循環する。このた
め、円筒ローラ14a、14aの相互摩擦が防止される
ことは勿論、潤滑油の保持性能が向上し、ローラ連結体
13a全体としての耐久性を向上させることができる。
このような潤滑剤の存在と、保持部材15を可撓性を有
する滑り易い材料によって製造することと、により、互
いの摩擦抵抗が増大することを防止し、ローラ連結体1
3a全体としての円滑な移動を図ることができる。
【0077】次に、図14乃至図16は、この発明に係
る直線運動案内装置の実施の第二形態例を示している。
本形態例に係るローラ連結体13bは、上述した第一形
態例の構造における円筒ローラ14a、14a(図12
参照)に代えて、球面ローラ14b、14bを採用して
いる。上記球面ローラ14bは、図示のように、その外
形をビア樽型としたものである。本形態例の場合、上記
球面ローラ14bを採用したことに伴い、循環路12を
構成する転走路5、方向転換部10、戻し通路9aのそ
れぞれを、上記球面ローラ14bの外形に合致した凹面
としている。このような構成の場合、上記循環路12形
成位置のずれ、移動体の軌道軸への取り付け面の平行度
の誤差、直線運動案内装置の大荷重による捩じれや変
形、が生じたとしても、上記球面ローラ14bは、その
自動調整作用に基づき、球面ローラ14bの全長に亙り
転走面に対して線接触する。このため、荷重の支承並び
に円滑な転動が可能となる。又、ローラの長寿命化もも
たらす。更に、上記球面ローラ14bの自動調整作用に
より、転走面の形成精度をそれほど向上させる必要がな
いため、転走面の製造が容易になる。その他の構成並び
に作用・効果は、上述した第一形態例の場合と同様であ
るため、図面には第一形態例で用いた符号を付して、そ
の詳細な説明をここでは省略する。
【0078】次に、図17はこの発明の実施の第三形態
例を示している。本形態例においては、ローラとして、
両端部を先端に向かうに従って小径となるようテーパさ
せて成る面取り円筒ローラ14cを採用している。これ
とともに、上記側板部20の内面に形成した係合凹部2
0aに上記ローラ14cの両端部を遊嵌している。この
ようなローラ連結体13cを採用することにより、やは
りローラのスキューが規制される。すなわち、上記側板
部20は、ローラ14cの端面を遊嵌しているため、ロ
ーラ14cの姿勢保持が確実に行われ、ローラ14cの
回転軸の振れが可及的に防止される。
【0079】次に、図18は、この発明の実施の第四形
態例を示している。本形態例では、上記軌道軸1の幅方
向(図18の左右方向)両側面と上記本体7に形成した
一対の垂下部7bのそれぞれ内側面との間に、上下方向
に2列ずつ合計4列のローラ連結体13aを装着した場
合を示している。この場合、各ローラ連結体13aを構
成する円筒ローラ14aの接触角を、例えば、次のよう
に設定する。即ち、合計4列のローラ連結体13aのう
ち、上側に位置するローラ連結体13aを構成する円筒
ローラ14aの接触角を、水平面に対して上記軌道軸1
側から上記垂下部7bに向かって斜め上向きにほぼ45
度傾斜させる。一方、下側に位置するローラ連結体13
aを構成する円筒ローラ14aの接触角を、水平面に対
して斜め下向きにほぼ45度傾斜させる。このような構
成においては、鉛直下方及び水平方向にそれぞれ加わる
荷重を互いに等しく支承できるので、滑り抵抗を均等化
することができ、より一層の円滑な移動を得ることがで
きる。
【0080】次に、図19はこの発明の実施の第五形態
例を示している。この形態例では、上記軌道軸1の幅方
向(図19の左右方向)両側面と上記本体7に形成した
一対の垂下部7bのそれぞれ内側面との間に、上下方向
に2列ずつ合計4列のローラ連結体13bを装着した構
成において、上側に位置するローラ連結体13bを構成
する球面ローラ14bの接触角を、水平面に対して軌道
軸1側から上記垂下部7bに向かって斜め下向きにほぼ
45度傾斜させるとともに、下側に位置するローラ連結
体13bを構成する球面ローラ14bの接触角を、水平
面に対して斜め上向きにほぼ45度傾斜させる設定とし
た場合を示している。このように構成することで、本形
態例の場合も、上述した第四形態例の構造と同様、鉛直
下方及び水平方向にそれぞれ加わる荷重を互いに等しく
支承できるので、滑り抵抗を均等化することができ、よ
り一層の円滑な移動を得ることができる。
【0081】尚、上記第四、第五形態例において、上記
各接触角は、支承する荷重等に応じて定めることができ
る。また、上記第一形態例乃至第五形態例において、ロ
ーラ連結体13a、13b、13cの配設位置や個数
は、やはり支承すべき荷重の大きさや装置の形状等に応
じて適宜定めることができる。
【0082】次に、図20乃至図21は、この発明の実
施の第六形態例を示している。本形態例に係るローラ連
結体13aは、前述した第一形態例の構造において、保
持部材15を構成する間座部18、18の幅方向(図2
0(A)、図21(A)の上下方向、図20(B)、図
21(B)の表裏方向)両端部に、それぞれの両端縁か
ら中央部に向け形成された括れ部22、22を設けてた
ものである。このように構成することにより、保持部材
15は、ローラ連結体13aの短手方向(図20、図2
1の上下方向)に対して、括れ部22、22の切れ込み
の深さに応じた量だけ曲がることが可能になる。
【0083】即ち、上記ローラ14aの進行方向は、上
記戻し通路9aから転走路5へ向かう(或いは、その逆
に転走路5から戻し通路9aに向かう)方向転換路10
部分において、この進行方向と直交する方向(ローラ連
結体13aの短手方向)に若干曲がることになるため、
ローラの回転中心軸γをこの曲がり分に応じて傾かせな
ければならないが、本形態例の構造では、上記括れ部2
2、22を設けることにより、ローラ連結体13aがそ
の短手方向に多少曲がって移動しなければならないよう
な無限循環路12であっても、円滑に移動可能となる。
このため、上記戻し通路9aの位置選択の自由度が増
し、移動体2の形状を使用用途に応じて自由に設定する
ことが可能となる。尚、本形態例において、その他の構
成並びに作用・効果は、前述した第一形態例の場合と同
様であるので、図面には第一形態例で用いた符号と同一
の符号を付して、その詳細な説明をここでは省略する。
【0084】次に、図22および図23は、この発明の
実施の第七形態例を示している。本形態例は、前述した
第二形態例の構造において、保持部材15を構成する間
座部18、18の両端部に、それぞれの両端縁から中央
部に向け形成された括れ部22、22を設けている。こ
のように構成することにより、上述した第六形態例と同
様の効果を得ることができる。尚、本形態例において、
その他の構成並びに作用・効果は、前述した第二形態例
の場合と同様であるので、図面には第二形態例で用いた
符号と同一の符号を付して、その詳細な説明をここでは
省略する。
【0085】尚、上述した各形態例においては、上記保
持部材15を弗化系樹脂等の滑りやすい合成樹脂材によ
り製造しているが、この発明においては上述した各形態
例に限定されるものではなく、他の材料により構成する
こともできる。但し、上記保持部材15を合成樹脂製と
すれば、インサート成形による一体成形が可能となると
ともに、他の材料によって製造した場合に比較して円滑
な摺動が可能となるため、上記各実施の形態例の構造が
好ましい。また、上述の第一、第二、第四、第五各形態
例等の場合、ローラ14a、14bに係合凹部16、1
6を、側板部20、20に係合凸部21、21を、それ
ぞれ設けた例について説明したが、これとは逆に、ロー
ラ14a、14bに係合凸部を、側板部20、20に係
合凹部をそれぞれ設けた構成としても同様の効果が得ら
れる。
【0086】また、上述した各形態例において、保持部
材15を構成する側板部20、20に、係合凸部21、
21を設けない構造を採用することもできる。即ち、上
記側板20、20は、それ自体にローラ14a、14b
の姿勢を規正する機能を有する。但し、ローラ14a、
14bの脱落防止や、方向転換路10を通過する際にお
ける保持部材15に対する位置を規正する機能は失われ
てしまう。上記脱落防止は、ローラ14a、14bに対
向する面をローラ14a、14bの湾曲した側面とほぼ
等しい湾曲面とした間座部18、18により図れる。ま
た、上記保持部材15に対する位置規正が失われたとし
ても、円滑な滑動は行われるため、実用上の問題はな
い。従って、上記側板部20、20に係合凸部21、2
1を設けない構成でも、実用上問題のない円滑な循環が
可能になる。また、この場合、ローラ14a、14bと
しては、係合凹部16、16を設けたものであっても、
設けないものであっても、いずれのものでも採用でき
る。係合凹部16、16を設けたローラ14a、14b
の場合、この係合凹部16、16を潤滑油溜りとして機
能させることができる。
【0087】また、上述の各実施例では、ローラ連結体
13a、13b、13cをインサート成形によって製造
した例を示したが、保持部材15にローラ14a、14
b、14cを組み込む工程を行うことでローラ連結体1
3a、13b、13cを製造しても良い。この場合、上
記側板部20、20に係合凸部或いは係合凹部を形成し
ない例を除き、上記間座部18、18のローラ14a、
14bと対向する面を平坦面とすることができる。
【0088】尚、図24、図25に示す変形例、及び図
26、図27に示す変形例のように、ローラ14a、1
4bを、その長さ方向全域に亙って覆う覆い部18aを
間座部18に連続して設けることもできる。このような
覆い部18aの存在により、スキュー防止効果の向上を
期待できる。
【0089】次に、図28乃至図30は、この発明の実
施の第八形態例を示している。本形態例は、ローラ連結
体を図28、図29に示すように構成した以外、前述し
た第一形態例と同様である。すなわち、本形態例に係る
ローラ連結体13bは、図28及び図29に示すよう
に、複数の球面ローラ14b、14bと、これら球面ロ
ーラ14b、14bを保持する保持部材15とを備えて
いる。このうち、上記球面ローラ14b、14bは略た
る型の形状を有する。又、上記保持部材15は、互いに
間隔をあけて直列状に配設された多数の間座部18、1
8と、隣り合う間座部18、18のそれぞれ長さ方向
(図28(A)の上下方向、図29(A)の上下方向)
両端部同士を連結する円形の側板部20、20と、隣り
合う一対の間座部18、18及びこれら間座部18、1
8に連結する互いに対向する一対の側板部20、20に
よって形成されるローラ保持孔19、19と、を備えた
有端帯状に構成されている。このような構成において
も、やはりスキュー防止効果の向上を期待できる。
【0090】尚、図31に示す、この発明の実施の第九
形態例の構造のように、上記軌道軸1の幅方向(図31
の左右方向)両側面と上記本体7に形成した一対の垂下
部7bのそれぞれ内側面との間に、上下方向に2列ずつ
合計4列のローラ連結体13bを装着することもでき
る。又、図32に示す第十形態例のように、左右一対の
ローラ連結体13bのうち、同じ側の各一対のローラ連
結体13bに互いに交叉する状態で移行するように、各
循環路12を定めても良い。これらの各状態は、移動体
が支承する荷重の大小等に応じて定める。
【0091】尚、このような構造においても、図33乃
至図34に示すように面取り円筒ローラ14cを採用し
たり、図35乃至図36に示すように球面ローラ14b
を採用したり、或いは図37、図38に示すように、上
記図33乃至図34に示すように、覆い部18aを設け
たりすることができる。又、上記図33乃至図34に示
した例、図35乃至図36に示した例、図37乃至図3
8に示した例において、各ローラ14b、14cに代え
て、図39に示すような、球面ローラ14bの両端を面
取りして成る面取り球面ローラ14dを採用することも
できる。更に、図示は省略したが、これら各連結体の間
座部18、18の幅方向両端部に、それぞれの両端縁か
ら中央部に向け形成された括れ部22、22を設けても
良い。
【0092】次に、図40乃至図45は、この発明の実
施の第十一形態例を示している。本形態例の場合、上記
ローラ連結体13aの端部同士を連結自在な連結部50
を設けることにより、上記無限循環路12に組み付け後
にこのローラ連結体13aを無端環状としている。更
に、上記側板部20の一部であってローラ連結体13a
を無端環状とした場合にその内側に位置する部分20a
を水平に切り欠くことにより、図40乃至図45に示す
ように被保持部51を形成するとともに、上記無限循環
路12を構成する転走路5、方向転換路10、戻し通路
9に、図44乃至図45に示すように上記被保持部51
に摺接する保持部52を形成している。この保持部52
は、無限循環路12を形成する際に使用する中子を所定
形状とすることにより、容易に形成できる。尚、本形態
例においては、無限循環路12の全域に亙って保持部5
2を形成しているが、少なくとも負荷域αをなす転走路
5に設ければ効果がある。
【0093】上述のような構成を採用することにより、
ローラ連結体13aが無限循環路12内を循環する際
に、被保持部51が保持部52に対して摺接するため姿
勢保持効果が向上して、安定した案内がなされ、振動や
騒音が有効に防止される。更に、上記連結部50は、ロ
ーラ連結体13aの一端に形成した半割れ部50aと、
他端に形成した半割れ部50bとを互いに当接させるこ
とで形成している。上記半割れ部50a、50bは、そ
れぞれ一の側板部20を2分割した形状であり、これら
各半割れ部50a、50bを当接させることにより他の
側板部20と同形状の側板部が形成される。このよう
に、ローラ連結体13dを無端環状とすることにより、
例えばローラ14aが無限循環路12を構成する方向転
換路10から負荷域である転走路5に移行する場合等に
おいて、いずれのローラ14aもその前後のローラ14
aの引き寄せ力若しくは押し出し力によって円滑に移行
できるようになり、ローラ14aの円滑な移行とこれに
伴う移動体2の円滑な移送が可能となって、移動体2の
停止精度の向上等を図れる。
【0094】尚、上記半割れ部50a、50b同士を連
結する場合、一の側蓋8を取り外した状態でローラ連結
体13dを無限循環路12に組み込んだ後、一の方向転
換路10部分において連結する。連結後は上記側蓋8を
組み付ける。この側蓋8を組み付けることにより、無限
循環路12内に組み込まれた上記ローラ連結体13a
は、その側板部20の外側面が無限循環路12の側壁1
7部分に摺接する。このため、上記連結部50が外れて
しまい、ローラ連結体13dが無端環状でなくなってし
まうことはない。
【0095】又、図43(A)に示すように、上記連結
部50は、各半割れ部50a、50bを当接することに
よって、他の側板部20、20に形成したのと同様の係
合凸部21が形成される形状とする。この係合凸部21
は、特許請求の範囲に記載した係合凸部をなすもので、
円筒ローラ14aに設けた係合凹部16に係合し、円筒
ローラ14aの姿勢保持を図り、もってスキュー防止を
図るものである。上記係合凸部21及び係合凹部16を
設けた効果については、前述した第一形態例に説明して
あるため、ここでは詳細な説明を省略する。又、その他
の構成並びに作用についても、上述した第一形態例と同
様である。
【0096】尚、図46に示すように、上述した第十一
形態例におけるローラを球面ローラ14bとすることも
できる。その他の構成並びに作用は、上記第十一形態例
と同様である。
【0097】次に、図47乃至図48は、この発明の実
施の第十二形態例を示している。本形態例は、連結部5
0を、上記ローラ連結体13aの一端部に形成した係止
凸部である係止凸片54と、上記ローラ連結体13aの
他端部に形成した係止凹部55を有する重ね合わせ片5
6とから構成している。尚、これら係止凸片54を係止
凹部55に係合させた状態において、図47(C)に示
すように、当該連結部50の両側面がローラ連結体13
aの他の部分の両側面と同一平面となる。更に、本形態
例においては、上記連結部50を構成する係止凸片54
を係止凹部55に互いに重ね合わせた後、溶着すること
により固着させている。この溶着は、一の側蓋を取り外
した状態でローラ連結体13dを無限循環路12に組み
込んだ後、ローラ連結体13dの両端部が上記側蓋8を
取り外した方向転換路10部分に露出した状態(図47
(A)の右端側に示す状態)で、図48に示すように従
来から知られたプラスチックウエルダ60を利用して行
なう。すなわち、上記連結部50を、側蓋8を外した状
態にある一の方向転換路10部分に位置させ、更に、プ
ラスチックウエルダ60の一対の挟持片61、61によ
って図48に示すように一対の重ね合わせ部分を挟持す
る。そして、上記プラスチックウエルダ60に通電する
ことにより上記一対の重ね合わせ部分を溶着させる。こ
の結果、ローラ連結対13aは無端環状となる。無端環
状のローラ連結体13aの効果は、上述した第十一形態
例と同様である。又、本形態例においては、側板部20
に被保持部50を、無限循環路12に保持部51を、そ
れぞれ形成しているが、これら被保持部50、保持部5
1を設けることの効果も上述した第十一形態例と同様で
ある。尚、上記連結部50は上述した溶着の他、従来か
ら知られた接合方法によって固着させることができる。
【0098】次に、図49は、この発明の実施の第十三
形態例を示している。本形態例は、連結部50を、上記
ローラ連結体13aの一端部に形成した係止凸部である
係止凸片54aと、上記ローラ連結体13aの他端部に
形成した係止凹部55aを有する重ね合わせ片56aと
から構成している。尚、これら係止凸片54aを係止凹
部55aに係合させた状態において、当該連結部50の
両側面がローラ連結体13aの他の部分の両側面と同一
平面となる。又、上記重ね合わせ片56aの内面には、
第三形態例と同様の凹部20aを設け、面取り円筒ロー
ラ14cの両端部を遊嵌できるようにしている。ローラ
連結体13aを無端環状にして成る作用・効果、並び
に、被保持部51及び保持部52を形成する作用・効果
は、第十一形態例と、その他の作用・効果は第三形態例
と、それぞれ同様である。又、本形態例の場合も上記連
結部50を溶着しているが、この溶着を行う際の手段や
作用・効果は、上記第十二形態例と同様である。
【0099】次に、図50に示した構造は、この発明の
実施の第十四形態例を示している。本形態例の場合、連
結部50を、上記ローラ連結体13aの一端部に形成し
た係止凹部55bを有する重ね合わせ片56bと、上記
ローラ連結体13aの他端部に形成した係止凸部である
係止凸片54bと、から構成している。もちろん、これ
ら係止凸片54bを係止凹部55bに係合させた状態に
おいて、当該連結部50の両側面がローラ連結体13a
の他の部分の両側面と同一平面となるようにする。又、
上記重ね合わせ片56bの内面には、第三形態例と同様
の凹部20aを設け、面取り円筒ローラ14cの両端部
を遊嵌できるようにしている。その他の構成並びに作用
は、上述した第十三形態例と同様である。
【0100】次に、図51は、この発明の実施の第十五
形態例を示している。本形態例の場合、連結部50を、
上記ローラ連結体13aの一端部に形成した係止凹部5
5cを有する重ね合わせ片56cと、上記ローラ連結体
13dの他端部に形成した係止凸部である係止凸片54
bcと、から構成している。もちろん、これら係止凸片
54cを係止凹部55cに係合させた状態において、当
該連結部50の両側面がローラ連結体13aの他の部分
の両側面と同一平面となるようにする。又、上記重ね合
わせ片56cの内面には、第一形態例と同様の係合凸部
21を設け、両端に係合凹部16を設けた円筒ローラ1
4aの両端部を遊嵌できるようにしている。その他の構
成並びに作用は、上述した第十三形態例と同様である。
【0101】次に、図52は、この発明の実施の第十六
形態例を示している。本形態例の場合、連結部50を、
上記ローラ連結体13bの一端部に形成した係止凹部5
5dを有する重ね合わせ片56dと、上記ローラ連結体
13bの他端部に形成した係止凸部である係止凸片54
dと、から構成している。もちろん、これら係止凸片5
4dを係止凹部55dに係合させた状態において、当該
連結部50の両側面がローラ連結体13bの他の部分の
両側面と同一平面となるようにする。又、上記重ね合わ
せ片56dの内面には、第三形態例と同様の凹部20a
を設け、球面ローラ14bの両端部を遊嵌できるように
している。その他の構成並びに作用は、上述した第十三
形態例と同様である。
【0102】尚、これら以外にも、種々の変形例が考え
られる。要は、ローラ連結体を容易に無端環状とできる
よう、その端部同士を重ね合わせた状態で接合可能であ
れば、本発明に含まれる。ローラ連結体を無端環状とし
た場合、例えばローラ14a、14b、14c、14d
が無限循環路12を構成する方向転換路10から同じく
負荷域である転走路5に移行する際等において、いずれ
のローラ14a、14b、14c、14dもその前後の
ローラ14a、14b、14c、14dの引き寄せ力若
しくは押し出し力によって円滑に移行できるようにな
り、ローラ14a、14b、14c、14dの円滑な移
行とこれに伴う移動体2の円滑な移送が可能となって、
移動体2の停止精度の向上等を図れる。ローラ連結体を
無端環状にしていない場合、ローラ14a、14b、1
4c、14dが無限循環路12を構成する方向転換路1
0から同じく負荷域である転走路5に移行する際等に
は、ローラ連結体を構成する各ローラ14a、14b、
14c、14dに予圧を付与しているとローラ14a、
14b、14c、14dが変形(ごくわずかな変形であ
るが)して負荷域に入るため、一時的にローラ14a、
14b、14c、14dの移行が停止し、ローラ14
a、14b、14c、14dの移行が円滑に行われなく
なる恐れがある。しかしながら、ローラ連結体を無端環
状とした場合には、上述したように、ローラ14a、1
4b、14c、14dもその前後のローラ14a、14
b、14c、14dの引き寄せ力若しくは押し出し力に
よって円滑に移行できるようになり、ローラ14a、1
4b、14c、14dの円滑な移行とこれに伴う移動体
2の円滑な移送が可能となって、移動体2の停止精度の
向上等を図れるのである。
【0103】
【発明の効果】この発明に係るローラ連結体及びこのロ
ーラ連結体を用いた直線運動案内装置は、上述したよう
に構成され作用するため、それぞれ以下のような効果を
有する。先ず、この発明に係るローラ連結体のうち請求
項1に記載したものにあっては、使用時(ローラ連結体
が循環路を循環する状態時)に、ローラが保持部材に導
かれて循環路を転走或いは滑動する際に、平坦に形成さ
れたローラの端面は、同じく平坦に形成された側板部の
内面に摺接しつつ転走或いは滑動する。このとき、ロー
ラの両端面に摺接自在な一対の側板部同士の間隔は、予
め定められた一定値であり途中で変化することはないた
め、ローラの姿勢は常に一定に保持され、ローラの回転
中心軸がローラの進行方向に対して上下左右に振れるこ
とはない。即ち、上記側板部の存在により、ローラのス
キューが規正される。特に、上記側板部は、ローラ端面
の少なくとも外周側部分に摺接するため、ローラの姿勢
保持が確実に行われ、ローラの回転中心軸の振れが可及
的に防止される。
【0104】しかも、上記各側板部の外側面は、循環路
を構成する方向転換路及び戻し通路の各側壁部分に摺接
しつつ移動するが、上記側板部の外側面及び側壁は、い
ずれも平坦面で形成されているため、前述した先行技術
のものと比較して、その製造が容易となる。即ち、上記
戻し通路と一対の方向転換路との各両側壁および側板部
の外側面を、単に平坦面で形成すればよいため、その製
造はきわめて容易となる。
【0105】また、本発明では、側板部外側面と上記両
側壁との接触面積を増大させることができるため、保持
部材自体の進行方向に対する振れが上記両側壁によって
規正されるので、この点からもローラのスキューを有効
に防止することができる。
【0106】さらに、上記方向転換路を通過する際、ロ
ーラは方向転換路内周側に引き寄せられた傾向となる
が、この発明では、ローラ端面の外周側部分と側板部の
内側面とが常に接触しているため、ローラの姿勢は、そ
の回転中心軸が進行方向と直交する方向に規正されるた
め、この点においてもロータのスキューを防止すること
ができる。
【0107】また、上記ローラは、上述のように保持部
材によってその姿勢を規正されつつ、転走或いは滑動
し、また、上記保持部材は、その側板部内側面と上記ロ
ーラの端面とが摺接することにより、このローラに導か
れつつ移動する。従って、上記ローラと保持部材とは、
その姿勢を相互に規正しつつ互いの移動を円滑に行うよ
うに作用するため、従来からローラのスキューの原因と
されているローラの振れや保持部材の振れを相互に規正
して、ローラ連結体が円滑に作動させることができる。
【0108】次に、請求項2に記載した発明にあって
は、間座部のローラ保持孔を構成する面を、ローラ側面
の曲率とほぼ等しい曲率を有する凹曲面に形成する構成
を採用していることにより、ローラ保持孔を構成する一
対の間座部がローラを脱落しないように保持するため、
保守・点検時等にローラが保持部材から脱落する虞れが
ない。
【0109】次に、請求項3に記載した発明にあって
は、上記側板部に代えて、その内側面に上記ローラの端
部を遊嵌する凹部を設けるとともに、その外側面をこの
ローラ連結体が組み込まれる断面矩形状の循環路の側壁
面に摺接自在とした側板部を採用しているため、やはり
ローラのスキューが有効に防止される。すなわち、上記
側板部は、ローラの端面を遊嵌しているため、ローラの
姿勢保持が確実に行われ、ローラの回転軸の振れが可及
的に防止される。
【0110】次に、係合凹部と係合凸部とを係合させる
ことにより、ローラの整列状態が強制的に保持されてロ
ーラの回転中心軸の振れが規正されるためスキュー防止
効果が増大する。特に、半円弧形状を有する方向転換路
部分を通過する際において、ローラは、循環路を構成す
る他の部分を通過する際と同様の姿勢を保持し、かつ、
保持部材に対するローラの保持位置が上記凹凸部の係合
により維持されるため、スキューを有効に防止すること
ができ、しかも、ローラの保持部材の一部に対する接触
面圧の増大を抑制でき、ローラ連結体の循環をより一層
円滑に行わせることが可能になる。また、上記凹凸部の
係合は、ローラが保持部材から脱落するのを防止する機
能も有する。このため、ローラ連結体の保守・点検作業
等が容易となる。
【0111】次に、ローラ連結体を、予めローラを保持
部材の型枠内にインサートした状態で、キャビティ内に
樹脂材料を射出する(インサート成形)ことにより製造
でき、製造の容易化に寄与する。
【0112】次に、円筒ローラ、球面ローラを採用する
ことに伴い、従来使用されていたボールに比較して支承
力が向上し、実用上の効果が大きい。
【0113】次に、上記側板部を、ローラの端面の面積
の80%乃至95%程度の面積を有する円板で形成する
ことで、該側板部はローラの端面のほぼ全面に亙って摺
接することになるため、該ローラの回転軸振れを可及的
に減少させることができる。
【0114】次に、側板部の一部と前記循環路の少なく
とも一部とを、摺動を自在として当接する形状とするこ
とにより、上記側板の一部が上記循環路の一部に当接し
た状態で摺動するため、スキュー防止効果が向上する。
【0115】次に、上記ローラ連結体の端部同士を連結
自在な連結部を設けることにより、上記循環路に組み付
け後にこのローラ連結体を無端環状としているため、例
えばローラが循環路を構成する方向転換路から同じく負
荷軌道路に移行する場合等において、いずれのローラも
その前後のローラの引き寄せ力若しくは押し出し力によ
って円滑に移行できるようになり、ローラの円滑な移行
とこれに伴う移動ブロックの円滑な移送が可能となっ
て、移動ブロックの停止精度の向上等を図れる。
【0116】次に、上記連結部は、上記ローラ連結体の
一端部に形成した係止凸部と、上記ローラ連結体の他端
部に形成した係止凹部とから成り、且つ、これら係止凸
部と係止凹部とを係合させた状態において、当該連結部
の両側面がローラ連結体の他の部分の両側面と同一平面
となるようにしているため、連結作業の容易化を図れ
る。又、上記連結部を、上記ローラ連結体の両端部を重
ね合わせた状態で溶着されて成るため、連結部の固着が
容易であるとともに連結部が不用意に外れてしまうこと
が有効に防止され、ローラ連結体を無端環状とした効果
を長期間に亙って維持できる。更に、上記ローラ連結体
が組み付けられる循環路のうち、移動体を構成する一の
側蓋を外した状態で移動体の端部に露出する方向転換路
部分に、互いに重ね合わされた上記ローラ連結体の両端
部を位置させ、更に、従来から知られたウエルダ等を利
用して上記重ね合わせた部分を溶融固着させることによ
り行うため、ローラ連結体の無端環状とすることを容易
且つ確実に行うことが可能となる。
【0117】次に、上記側板部の一部に被保持部を形成
するとともに、上記循環路のうちの少なくとも負荷側の
通路に、上記被保持部を保持するための保持部を形成し
た構成を採用しているため、ローラ連結体が循環路内を
循環する際に、安定した案内がなされ、振動や騒音が有
効に防止される。
【0118】次に、ローラ連結体を用いた直線運動案内
装置のうち、ローラ連結体として上記ローラ連結体を採
用しているため、ローラのスキューを有効に防止でき、
ローラ連結体の円滑な移動を図れる。この結果、直線運
動案内装置の円滑な作動が可能になる。しかも、スキュ
ーが有効に防止されることに伴い、ローラをはじめ構成
各部材、ひいては直線運動案内装置全体としての耐久性
が向上する。
【0119】次に、請求項12、請求項13、請求項1
4、請求項15に記載した発明にあっては、移動体に鉛
直下方に向かう荷重が加わっても、これを十分に支承で
きるため、耐久性が向上するとともに実用上の効果が大
きい。又、請求項16に記載した発明にあっては、鉛直
下方及び水平方向にそれぞれ加わる荷重を互いに等しく
支承できるので、移動体の移動をより一層円滑にするこ
とができる
【0120】次に、請求項17に記載した発明にあって
は、移動体の軌道軸に沿う移動を円滑に行え、当該案内
装置の円滑な作動が確保される。また、ローラ連結体の
スキュー防止効果が向上することに伴って圧痕等が生じ
にくくなるため、装置全体としての耐久性の向上も図れ
る。従って、スキュー防止効果の向上と併せて、移動体
の円滑な移動及び正確な停止を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第一形態例に係る直線運動案
内装置の概観形状を一部を省略して示す、略斜視図であ
る。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】移動体を構成する本体の平面図である。
【図4】同じく、正面図である。
【図5】図1のB−B断面に相当する、本体の縦断面図
である。
【図6】側蓋の正面図である。
【図7】同じく背面図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【図9】図7のD−D断面図である。
【図10】ローラ連結体を装着した状態で示す、図1の
B−B断面に相当する図である。
【図11】保持部材を示しており、(A)は平面図、
(B)は側面図である。
【図12】ローラ連結体を示しており、(A)は平面
図、(B)は側面図、(C)は正面図である。
【図13】ローラ連結体を使用時の状態で示す側面図で
ある。
【図14】この発明の実施の第二形態例に係る保持部材
を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図であ
る。
【図15】ローラ連結体を示しており、(A)は平面
図、(B)は側面図、(C)は正面図である。
【図16】使用状態を示す、図1のA−A断面に相当す
る図である。
【図17】この発明の実施の第三形態例を示す、図1の
A−A断面に相当する図である。
【図18】この発明の実施の第四形態例を示す、図1の
A−A断面に相当する図である。
【図19】この発明の実施の第五形態例を示す、図1の
A−A断面に相当する図である。
【図20】この発明の実施の第六形態例に係る保持部材
を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図であ
る。
【図21】ローラ連結体を示しており、(A)は平面
図、(B)は側面図である。
【図22】この発明の実施の第七形態例に係る保持部材
を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図であ
る。
【図23】ローラ連結体を示しており、(A)は平面
図、(B)は側面図である。
【図24】ローラ連結体を構成する保持器の別例を示し
ており、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図25】ローラ連結体の別例を示しており、(A)は
平面図、(B)は側面図である。
【図26】ローラ連結体を構成する保持器の更に別例を
示しており、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図27】ローラ連結体の更に別例を示しており、
(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図28】この発明の実施の第八形態例を示す、ローラ
連結体の保持部材を示しており、(A)は平面図、
(B)は側面図である。
【図29】ローラ連結体を示しており、(A)は平面
図、(B)は側面図、(C)は正面図である。
【図30】使用状態を示す、図1のA−A断面に相当す
る図である。
【図31】この発明の実施の第九形態例を示す、図1の
A−A断面に相当する図である。
【図32】この発明の実施の第十形態例を示す、図1の
A−A断面に相当する図である。
【図33】各形態例における保持器の変形例を示してお
り、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図34】各形態例におけるローラ連結体の変形例を示
しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は
正面図である。
【図35】保持器の他の変形例を示しており、(A)は
平面図、(B)は側面図である。
【図36】ローラ連結体の他の変形例を示しており、
(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図であ
る。
【図37】保持器の更に他の変形例を示しており、
(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図38】ローラ連結体の更に他の変形例を示してお
り、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図
である。
【図39】別の変形例の要部を示す図である。
【図40】この発明の実施の第十一形態例におけるロー
ラ連結体を、使用時の状態で示す側面図である。
【図41】保持部材を示しており、(A)は平面図、
(B)は側面図である。
【図42】ローラ連結体を示しており、(A)は平面
図、(B)は側面図である。
【図43】連結部を示しており、(A)は要部断面図、
(B)は要部側面図である。
【図44】ローラ連結体を組み込んだ状態で示す、図1
のB−B断面に相当する図である。
【図45】図1のA−A断面に相当する図である。
【図46】第十一形態例の変形例を示しており、(A)
は平面図、(B)は側面図である。
【図47】この発明の実施の第十一形態例における溶着
作業を説明するための図であって、(A)は図1のB−
B断面に相当する図、(B)は溶着後に側蓋を取り付け
た状態を示す要部断面図、(C)は同図(A)のF−F
断面図である。
【図48】溶着作業を説明するための要部断面図であ
る。
【図49】この発明の実施の第十三形態例を示してお
り、(A)は要部断面図、(B)は要部側面図である。
【図50】この発明の実施の第十四形態例を示してお
り、(A)は要部断面図、(B)は要部側面図である。
【図51】この発明の実施の第十五形態例を示してお
り、(A)は要部断面図、(B)は要部側面図である。
【図52】この発明の実施の第十六形態例を示してお
り、(A)は要部断面図、(B)は要部側面図である。
【図53】従来構造における課題を説明するための、無
限循環路の一部を示す部分縦断斜視図である。
【図54】先発明構造を示しており、(A)は一部を切
断して示す斜視図、(B)は(A)のE−E断面図であ
る。
【符号の説明】
M 直線運動案内装置 1 軌道軸 2 移動体 3 凹部 5a、5b 転走面 5 転走路 7 本体 7a 水平部 7b 垂下部 8 側蓋 9 通孔 9a 戻し通路 10 方向転換路 10a 方向転換路内周部 10b 方向転換路外周部 11 透孔 12 無限循環路 13a、13b、13c、13d ローラ連結体 14a 円筒ローラ 14b 球面ローラ 14c 面取り円筒ローラ 14d 面取り球面ローラ 15 保持部材 16 係合凹部 17 側壁 18 間座部 18a 覆い部 19 ローラ保持孔 20 側板部 20a 係合凹部 20b 部分 21 係合凸部 22 括れ部 23、24 ねじ孔 50 連結部 50a、50b 半割れ部 51 被保持部 52 保持部 54、54a、54b、54c、54d 係止凸片 55、55a、55b、55c、55d 係止凹部 56、56a、56b、56c、56d 重ね合わせ片 60 プラスチックウエルダ 61 挟持片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/06

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数のローラと、可撓性を有する滑り易い
    合成樹脂材料により造られ、上記多数のローラを互いに
    整列した状態で保持する保持部材と、を備え、案内軸受
    装置を構成する移動体を軌道軸に沿って移動自在に支承
    するローラ連結体において、 上記保持部材は、互いに間隔をあけて直列状に配設され
    た多数の間座部と、隣り合う間座部のそれぞれ長さ方向
    両端部同士を連結する側板部と、隣り合う一対の間座部
    及びこれら間座部に連結する互いに対向する一対の側板
    部によって形成されるローラ保持孔と、を備え、 上記側板部は、ローラの端面の面積の80%乃至95%
    程度を面積を有する円板で、その内外両側面が平坦面に
    形成されており、上記ローラの端面のほぼ全面にその内
    側面を、上記ローラ連結体が組み込まれる矩形状の循環
    路の側壁面にその外側面を、それぞれ摺接自在に配設
    し、 前記ローラの両端面中央部に、係合凹部若しくは係合凸
    部を設けるとともに、前記側板部の内側面中央部で、上
    記係合凹部若しくは係合凸部に整合する位置に、この係
    合凹部若しくは係合凸部に係合白在な係合凸部若しくは
    係合凹部を設けたことを特徴とするローラ連結体。
  2. 【請求項2】前記間座部の前記ローラ保持孔を構成する
    面を、前記ローラ側面の曲率とほぼ等しい曲率を有する
    凹曲面に形成したことを特徴とする請求項1に記載のロ
    ーラ連結体。
  3. 【請求項3】前記側板部に代えて、その内側面に上記ロ
    ーラの端部を遊嵌する凹部を設けるとともに、その外側
    面をこのローラ連結体が組み込まれる矩形状の循環路の
    側壁面に摺接自在とした側板部を設けたことを特徴とす
    る、請求項1乃至請求項2のいずれかに記載のローラ連
    結体。
  4. 【請求項4】前記ローラが、円筒ローラであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロー
    ラ連結体。
  5. 【請求項5】前記ローラが、球面ローラであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のロー
    ラ連結体。
  6. 【請求項6】前記側板部の一部と前記循環路の少なくと
    も一部とを、それぞれ摺動自在として当接する形状とし
    たことを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか
    に記載のローラ連結体。
  7. 【請求項7】前記ローラ連結体の端部同士を連結自在な
    連結部を設けることにより、前記循環路に組み付け後に
    このローラ連結体を無端環状としたことを特徴とする、
    請求項1乃至請求項のいずれかに記載のローラ連結
    体。
  8. 【請求項8】前記連結部は、前記ローラ連結体の一端部
    に形成した係止凸部と、上記ローラ連結体の他端部に形
    成した係止凹部とから成り、且つ、これら係止凸部と係
    止凹部とを重ね合わせた状態で溶着したことを特徴とす
    る、請求項に記載のローラ連結体。
  9. 【請求項9】前記溶着は、前記ローラ連結体が組み付け
    られる前記循環路のうち、前記移動体を構成する一の側
    蓋を外した状態で移動体の端部に露出する方向転換路部
    分に、互いに重ね合わされた上記ローラ連結体の両端部
    を位置させ、上記重ね合わせた部分を溶融固着させるこ
    とにより行うことを特徴とする、請求項に記載のロー
    ラ連結体。
  10. 【請求項10】前記側板部の一部に被保持部を形成する
    とともに、前記循環路のうちの少なくとも負荷側の通路
    に、上記被保持部を保持するための保持部を形成したこ
    とを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか記裁
    のローラ連結体。
  11. 【請求項11】長尺な軌道軸と、水平部の両端側に一対
    の垂下部を設けた略コ字状の本体及びこの本体の両端に
    固定された側蓋を有し上記軌道軸に沿って移動自在な移
    動体と、これら移動体に形成された循環路に組み込まれ
    て上記移動体を軌道軸に支承するローラ連結体と、を備
    え、 上記循環路は、上記軌道軸と上記本体との互いに対向す
    る面にそれぞれ形成された一対の転走面によって形成さ
    れる転走路と、上記本体を貫通して設けられた戻し通路
    と、この戻し通路の両端に連続して形成された方向転換
    路内周部及び上記側蓋の内側面に形成された方向転換路
    外周部によって形成される方向転換路と、から構成さ
    れ、上記ローラ連結体は、この循環路に循環自在に配設
    されてなる直線運動案内装置において、 上記ローラ連結体を、前記請求項1乃至請求項10のい
    ずれかに記載のローラ連結体としたことを特徴とする直
    線運動案内装置。
  12. 【請求項12】前記ローラ連結体を、前記軌道軸上面と
    前記本体の水平部下面との間に2列に亙って設けるとと
    もに、上記軌道軸の幅方向両側面と上記本体に形成した
    一対の垂下部のそれぞれ内側面との間に1列ずつ設けた
    ことを特徴とする請求項11に記載の直線運動案内装
    置。
  13. 【請求項13】前記軌道軸上面と前記本体の水平部下面
    との間に介在されるローラ連結体を構成するローラの接
    触角が、水平面に対してほぼ90度傾斜しており、上記
    軌道軸の幅方向両側面と前記本体に形成した一対の垂下
    部のそれぞれ内側面との間に介在されるローラ連結体を
    構成するローラの接触角が、水平面に対して斜め下方に
    ほぼ30度傾斜していることを特徴とする請求項12
    記載の直線運動案内装置。
  14. 【請求項14】前記軌道軸の幅方向両側面と前記本体に
    形成した一対の垂下部のそれぞれ内側面との間に、上下
    方向に2列ずつ合計4列のローラ連結体を装着したこと
    を特徴とする請求項11に記載の直線運動案内装置。
  15. 【請求項15】前記合計4列のローラ連結体のうち、上
    側に位置するローラ連結体を構成するローラの接触角
    が、水平面に対して前記軌道軸側から前記垂下部に向か
    って斜め上向きにほぽ45度傾斜しており、下側に位置
    するローラ連結体を構成するローラの接触角が、水平面
    に対して斜め下向きにほぼ45度僚斜していることを特
    徴とする請求項14に記載の直線運動案内装置。
  16. 【請求項16】前記合計4列のローラ連結体のうち、上
    側に位置するローラ連結体を構成するローラの接触角
    が、水平面に対して前記軌道軸側から前記垂下部に向か
    って斜め下向きにほぼ45度傾斜しており、下側に位置
    するローラ連結体を構成するローラの接触角が、水平面
    に対して斜め上向きにほぼ45度傾斜していること特徴
    とする請求項14に記載の直線運動案内装置。
  17. 【請求項17】前記ローラ連結体の端部同土を連結自在
    な連結部を設けることにより、前記循環路に組み付け後
    にこのローラ運結体を無端環状としており、この連結部
    は、ローラ連結体の一端部に形成した係止凸部と、上記
    ローラ連結体の他端部に形成した係止凹部とから成り、
    且つ、これら係止凸部と係止凹部とを互いに重ね合わせ
    た後溶着して成るものであり、この溶着は、上記ローラ
    連結体が組み付けられる前記循環路のうち、移動体を構
    成する一の側蓋を外した状態で移動体の端部に露出する
    方向転換路部分に、互いに係合された上記ローラ連結体
    の両端部を位置させ、当該端部を溶融圃着させることに
    より行うものであり、更に、前記側坂部の一部に被保持
    部を形成するとともに、前記循環路のうちの少なくとも
    負荷側の通路に、上記被保持部を保持するための保持部
    を形成したことを特徴とする、請求項12乃至請求項
    のいずれか記載の直線運動案内装置。
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