JP3493431B2 - スピネル型酸窒化ケイ素粉末及びその製造法 - Google Patents

スピネル型酸窒化ケイ素粉末及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来全く知られて
いなかった高圧相スピネル型酸窒化ケイ素およびその粉
末の製造法に関し、詳しくは従来知られている種々の圧
縮法を用いて低圧相酸窒化ケイ素を立方晶スピネル型酸
窒化ケイ素に変換させる所謂高圧合成法によるスピネル
型酸窒化ケイ素の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スピネル型酸窒化ケイ素の存在や
合成法は全く知られていなかった。ダイヤモンドアンビ
ルセル中でSiとN2 流体を反応させたり、あるいは低
圧相窒化ケイ素(α−Si3 4 、β−Si3 4 、ア
モルファスSi3 4 など)を15GPa、2000K
以上に加圧加熱することにより、または低圧相窒化ケイ
素を20GPa以上で衝撃処理することでスピネル型窒
化ケイ素を合成する方法は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
ある衝撃波を利用した衝撃処理技術を利用してスピネル
型窒化ケイ素系の新規物質を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、低圧相酸窒化ケイ
素粉末に適量の銅粉を混合し、適当な密度に加圧成形
し、その成形体に適当な圧力、温度の衝撃圧縮をある程
度以上の短時間加えるようにすれば、出発原料の酸窒化
ケイ素粉末の組成を変えることなく、スピネル型窒化ケ
イ素に酸化物SiO2 を固溶させ高圧相スピネル型酸窒
化ケイ素粉末に変換させ得ることを見い出した。
【0005】すなわち、本発明は、組成式Si3+x 2x
4 (=Si3 4 ・xSiO2 ,0<x<1)で表さ
れる低圧相酸窒化ケイ素粉末と銅粉との混合物からなる
加圧成形体を20GPa以上の圧力で、加圧時間5マイ
クロ秒以下の衝撃波による瞬間的加圧で低圧相酸窒化ケ
イ素を高圧相のスピネル型相酸窒化ケイ素に相転移させ
ることを特徴とするスピネル型相酸窒化ケイ素粉末の製
造法である。
【0006】本発明の高圧相のスピネル型酸窒化ケイ素
は、高密度であり酸化雰囲気下での安定性に優れてい
る。また、酸素がスピネル構造に入ることで格子欠陥の
構造を取り電気的性質において特異な性質を示し、構造
材料以外にも電子材料等の用途が期待される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の高圧相のスピネル型酸窒
化ケイ素の製造法においては、瞬間的な衝撃圧縮で発生
する高温高圧状態を利用して物質合成を行う既知の衝撃
加圧法を利用することができる。この衝撃加圧法におい
ては、火薬を利用して飛翔体を高速で出発原料容器に衝
突させ、その際に発生する衝撃波の伝播により出発原料
に圧力を加える装置を用いる。あるいは爆薬を利用した
衝撃加圧法も利用できる。
【0008】図1は、本発明の方法を実施するための衝
撃波の発生および衝撃処理試料を例示したものである。
具体的には、出発原料(2)を衝撃波の破壊から保護す
るための銅製回収容器(3)内に入れ、銅製ネジ蓋
(4)で出発原料の背後から押さえた後、大型の鉄製円
形収納体(1)に埋め込み、ターゲットとする。一方、
高速衝突による衝撃波を発生させるため、火薬銃を使用
する。衝撃圧力を高めるために、飛翔体は高密度ポリエ
チレン製サーボ(6)の前面に銅製の飛翔板(7)が付
いている。
【0009】この衝撃加圧法においては、加圧成形体を
形成する条件と衝撃加圧条件が重要である。加圧成形体
を形成する条件としては、出発原料である低圧相酸窒化
ケイ素粉末と銅粉の選択、銅粉との混合条件、加圧成形
体の見かけ密度、その圧成形体中での空隙の分布等が挙
げられる。
【0010】出発原料の低圧相酸窒化ケイ素は成分元素
が均一に分布しているものが良く、粒径は10ミクロン
以下が望ましい。この低圧相酸窒化ケイ素粉末は、アモ
ルファス窒化ケイ素Si3 4 やアモルファスSi3
4 −SC系物質を作る方法で不純物として酸素が混入す
ることで作れる。または、微粉末状アモルファス窒化ケ
イ素Si3 4 と微粉末状アモルファスSiO2 と混合
して使用しても良い。あるいは微粉末状の結晶窒化ケイ
素Si3 4 (α型やβ型)と微粉末状結晶Si2 ON
2 やSiO2 の混合物を使用しても良い。
【0011】出発原料の低圧相酸窒化ケイ素を銅粉と混
合して加圧成形体とするのは、衝撃条件を均一にするた
めに、また衝撃圧力を高めるために必要である。銅粉は
低圧相酸窒化ケイ素を粉末に対して99〜80重量%程
度を混合する。銅粉としては、市販品で粒径が100μ
m以下のものを使用する。加圧成形体は、出発原料を容
器中に入れて油圧プレスなどで加圧することによって準
備する。
【0012】回収容器(3)は、酸窒化ケイ素と反応し
ない金属が最適であるが、十分に衝撃波からの破壊から
試料を保護できなければならず、通常は銅製容器が使わ
れる。圧成形体の見かけ密度は、衝撃温度を制御するの
に重要であり、十分に反応速度を高め、しかも酸窒化ケ
イ素が分解したり溶融しない温度以下でなければならな
いので、理論密度の50%から80%程度が適当であ
る。しかも、その圧成形体中での空隙の分布ができるだ
け均一であることが望ましい。そのためには、金属粉の
粒径は50μm以下が望ましい。より好ましくは10μ
m程度である。
【0013】衝撃環境の条件は、圧力とし20GPa以
上が必要である。100GPa以上にあげると、容器の
変形が大きくなると同時に試料が分解したり部分溶融し
たりして、圧力解放時に試料の回収が難しくなる。温度
は1000℃以上3000℃以下とし、より好ましくは
2000℃程度である。
【0014】
【実施例】実施例1 粒径50〜100nmの非晶質酸窒化ケイ素(組成式S
3+x 2x4 、x=0.4)粉末10重量%と銅粉9
0重量%の混合物によって、みかけ密度5.70g/c
3 (空隙率30%)の直径12mm×厚さ2mmの加
圧成形体を作成した。酸窒化ケイ素と銅粉の混合物の加
圧成形体のみかけの密度はプレスによる成形圧の増減で
調節した。厚み6mmの円筒状の銅製の回収容器に加圧
成形体を収容し、銅製ネジ蓋で加圧成形体を背後から隙
間なく押さえた後、大型の鉄製円形収納体の中心に埋め
込み、ターゲットとした。
【0015】飛翔体として高密度ポリエチレン製の本体
に衝突板の銅製デスクを張り付け、必要な衝撃圧の発生
に供した。火薬銃で飛翔体速度を2km/秒に加速し衝
突させることで、51GPaの衝撃処理を行った。衝撃
温度は熱力学的な解析を通して算出され、約2000℃
であった。衝撃圧は飛翔体速度の測定から、インピーダ
ンスマッチ法で一元的な解析から計算した。
【0016】衝撃処理後に回収容器から加圧成形体を取
り出し、その加圧成形体は硝酸溶液中で5時間以上の処
理で除去した後、沈殿物を水で洗浄後に乾燥して粉末を
得た。得られた粉末をX線粉末回折で同定した。
【0017】その得られた回折図は図2に示されるよう
に、ほぼ100%の立方晶のスピネル型酸窒化ケイ素で
あることが明らかになった。(1)は、出発原料の非晶
質の酸窒化ケイ素(組成式Si3+x 2x4 、x=0.
4)のX線回折図で、(2)は、衝撃処理で得られた立
方晶のスピネル型酸窒化ケイ素である。また、電子顕微
鏡での観察結果から製造した立方晶のスピネル型酸窒化
ケイ素の粒径は、10〜30nm程度であった。電子エ
ネルギー損失分光法により立方晶のスピネル型酸窒化ケ
イ素の組成は、出発原料の組成式Si3+x 2x4 (x
=0.4)に近いことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造法を実施する装置の実施
形態を示す概略側面図である。
【図2】図2は、実施例1によって得られた粉末のX線
粉末回折結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三友 護 茨城県つくば市並木1丁目1番科学技術 庁無機材質研究所内 (56)参考文献 特開 平8−2908(JP,A) 特開 昭62−297270(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/082

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式Si3+x 2x4 (=Si3 4
    ・xSiO2 ,0<x<1)で表される高圧相のスピネ
    ル型酸窒化ケイ素。
  2. 【請求項2】 衝撃波によって低圧相の結晶混合粉末な
    いし非晶質酸窒化ケイ素(組成式Si3+x 2x4 ,0
    <x<1)を応力加圧し高圧相のスピネル型酸窒化ケイ
    素を合成する方法において、低圧相酸窒化ケイ素粉末と
    銅粉との混合物の加圧成形体に20GPa以上、加圧時
    間5マイクロ秒以下の衝撃波による瞬間的加圧を行うこ
    とを特徴とするスピネル型酸窒化ケイ素の粉末の製造
    法。
JP2000377010A 2000-10-12 2000-12-12 スピネル型酸窒化ケイ素粉末及びその製造法 Expired - Lifetime JP3493431B2 (ja)

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