JP3492404B2 - 音響効果装置 - Google Patents

音響効果装置

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JP3492404B2
JP3492404B2 JP32846693A JP32846693A JP3492404B2 JP 3492404 B2 JP3492404 B2 JP 3492404B2 JP 32846693 A JP32846693 A JP 32846693A JP 32846693 A JP32846693 A JP 32846693A JP 3492404 B2 JP3492404 B2 JP 3492404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された音響信号
を、三次元空間上の所定の音像定位位置に音像が定位さ
れた音響信号に変換して出力する音響効果装置に関し、
詳細には、複数の音響信号それぞれを、時間的に移動す
る各音像定位位置に音像が定位された各音響信号に変換
して出力する音響効果装置に関する。
【0002】
【従来の技術】三次元空間の、受聴者を中心とした所定
方向に音像を定位させる音響効果装置が知られており
(特開平4−30700号参照)、この方向のみ定位さ
せる音響効果装置に、床からの反射音等を組み合わせる
ことにより、方向のほか距離をも定位させる音響効果装
置も考えられている(特願平4−180931号参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような音響効果
装置において、広がりのある音をどのように定位させる
かが問題となる。図1は、この問題を説明するための、
列車の音の定位を示す模式図である。従来は、図1
(A)に示すように、1つの列車全体を機関車で代表さ
せて、機関車の動きに合わせて列車の音を移動させてい
た。ところが実際の列車は機関車のみから音が発せられ
るものではなく、各車両の各車輪等からも音が発せら
れ、したがって機関車のみで代表させた従来手法では聴
感上貧弱な印象を与えてしまうという問題がある。
【0004】そこで、図1(B)に示すように、列車の
各車両にそれら各車両から発せられる音をそれぞれ当て
嵌めることが考えられる。こうすることにより受聴者に
対し臨場感に溢れる音を伝えることができる。このよう
に複数の音像を、時間的に移動する各音像定位位置に定
位させる場合に、各音像の移動をそれぞれ独立に指定し
たのでは、音像どうしの互いの位置関係を把握しにく
く、例えば図1(B)に示すような例の場合、音像1〜
音像3の互いの間の各距離は不変であり、かつそれらの
音像1〜音像3はほぼ直線上に並んでいるにも拘らず、
音像定位上列車が伸縮し、あるいは音像1〜音像3が直
線上からずれてしまう等の指定間違いを生じる場合があ
る。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、例えば図1
(B)に示すように互いに関連して移動する複数の音像
の、時間的に変化する音像定位位置を、容易に、かつ互
いに関連づけて指定することのできる音響効果装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の音響効果装置のうちの第1の音響効果装置は、複数
の音響信号を入力する手段と、前記複数の音響信号のう
ちの所定の代表信号の音像の定位位置を表した代表位置
情報を時間経過に従って入力する代表位置入力手段と、
前記複数の音響信号のうちの前記代表信号以外の信号の
音像の定位位置を、前記代表信号の音像の位置からの相
対位置で表す相対位置情報を入力する相対位置入力手段
と、前記入力された複数の音響信号が、前記代表位置情
報および相対位置情報に応じた空間上の位置にそれぞれ
音像が時間経過に従って定位されるように音像定位処理
を施す音像定位処理手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の音響効果装置のうちの第2の音響効果装
置は、複数の音像位置のうち所定の代表点の位置を表し
た代表位置情報を時間経過に従って入力する代表位置入
力手段と、前記複数の音像位置のうち代表点以外の音像
の位置を代表点からの相対位置で表わす相対位置情報を
時間経過に従って入力する相対位置入力手段と、音響信
号が入力され、前記代表位置情報および相対位置情報に
応じた空間上の位置にそれぞれ音像が時間経過に従って
定位されるように音像定位処理を施す音像定位処理手段
とを備えたことを特徴とする。ここで、上記第1の音響
効果装置において、相対位置情報は時間経過に従って入
力されることが好ましい。
【0007】
【作用】例えば図1(B)に示す音像1〜音像3のよう
に互いに関連して移動する複数の音像は、互いに関連し
て移動するものであるため、それらの音像の代表点を定
めることができる。そこで本発明の音響効果装置のうち
の第1の音響効果装置では、複数の音響信号それぞれに
対応して各音像位置が定められており、それらの音像位
置のうちの1つを代表点とし、他の音像位置をその代表
点からの相対位置で定めている。図1(B)の例では、
音像1〜音像3の中心、例えば音源2の位置に代表点を
定めたとすると、その代表点を基準とした音像1〜音像
3の位置は不変であり、代表点が列車が走る線路に沿っ
て直線的に移動するように入力される。
【0008】これにより、互いに関連して移動する複数
の音像の時間的位置変化を、互いの関連を崩すことなく
容易に指定することができる。このようにして、互いに
分離して指定された、代表点を基準とした複数の音像の
相対位置情報と、その代表点の位置情報は、複数の音像
それぞれの位置情報に変換される。また、本発明の音響
効果装置のうちの第2の音響効果装置では、音響信号に
対応して複数の音像位置が定められており、それらの音
像位置のうちの1つを代表点とし、他の音像位置をその
代表点からの相対位置で定めるとともに、その代表点か
らの相対位置を表わす相対位置情報を時間経過に従って
入力するものであるため、代表点が時間経過に従って移
動するとともに、その代表点以外の音像点もその代表点
からの相対位置が時間経過に従って移動し、バリエーシ
ョン豊かな音像定位が行なわれる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
2は、本発明の音響効果装置の一実施例を示すブロック
図である。この音響効果装置10は、複数の音像の定位
位置を順次移動させるデータをMIDIデータとして発
生する手段を有する一つのシーケンサ12と、外部から
の定位に関するデータによって音像を定位させる複数の
音像ロケータ14_1,14_2,…,14_nと、そ
れら複数の音像ロケータ14_1,14_2,…,14
_nから出力される各音響信号をミックスする一つのミ
キサー16からなる。
【0010】ミキサー16から出力される左(L),右
(R)の各音響信号は、この音響効果装置10から出力
され、図示しないアンプ等を経由し、最終的に左右のス
ピーカ20L,20Rから、複数の音像ロケータ14_
1,14_2,…,14_nによりそれぞれ定位された
位置に音像を有する音が空間に放音される。音像ロケー
タ14_1,14_2,…,14_nは、音像として定
位させるべき1チャンネルの音響信号の入力端子と、音
像を定位させるためのデータを受け取るMIDI入力端
子と、MIDI入力により受け取ったデータによって定
位させた音像を2チャンネルの音響信号として出力する
端子を備えている。音像ロケータ14_1,14_2,
…,14_nがMIDI入力として受け取るのは、キー
プレッシャ、コントロールチェンジ、ピッチベンドの情
報であり、各々には受聴位置に対する音像の水平方向の
角度であるアジマス、受聴位置に対する音像の鉛直方向
の角度であるエレべーション、受聴位置から音像の位置
までの距離であるディスタンスの値が割りつけられてい
る。各音像ロケータ14_1,14_2,…,14_n
は、これらの値をもとに音像を定位させ、同時にディス
タンスの値に応じた音のレベル、ディレイタイム、周波
数特性の設定も行う。
【0011】シーケンサ12は各音像ロケータ14_
1,14_2,…,14_nをMIDI信号で制御する
ための複数のMIDI出力端子と、直線や円、自由曲線
などの図形を入力するマウスあるいはペンタブレット、
数値を入力するキーボードなどの入力手段を備えてい
る。シーケンサ12は、各音像を定位させるためのパラ
メータとして、音像群を代表する代表点の座標、この代
表点から各音像までの距離、各音像の、代表点を基準と
した水平方向の角度、各音像の、代表点を基準とした鉛
直方向の角度、発生時刻を持ち、これらは時間に伴って
変化する時間関数として扱われ、各関数は外部からの入
力される初期値と時間変化項で表現されるので、これに
よって各音像の定位の発生時間や定位位置を関連して操
作できる。さらに、シーケンサ12は、パラメータとし
て受聴位置の座標、時間増分(Δt)を持つ。シーケン
サ12はこれらのパラメータの値から各発生時刻(発生
時刻はシーケンスのスタート時刻と時間増分Δtによっ
て決まる)ごとに、受聴位置に対する音像の水平方向の
角度であるアジマス、受聴位置に対する鉛直方向の角度
であるエレベーション、受聴位置から音像までの距離で
あるディスタンスを算出して記憶しておき、シーケンス
実行の際に、各々をMIDI情報のキープレッシャ、コ
ントロールチェンジ、ピッチベンドの値に割り当てて各
々の音像ロケータ14_1,14_2,…,14_nに
送信する。
【0012】図3は、シーケンサで実行される、送信デ
ータ生成ルーチンのフローチャート、図4はシーケンサ
で実行される、生成されたデータの送信ルーチンのフロ
ーチャート、図5は、シーケンサで生成され、シーケン
サ内に記憶されたデータの配列を表わすメモリマップで
ある。先ず、シーケンサに、代表点0を基準としたとき
の、複数の各音像の位置,時間的な移動を表わす音像デ
ータが入力される(図3ステップ1_1)。次に、この
シーケンサに、受聴位置Lを基準としたときの代表点0
の位置,時間的な移動を表わすデータが入力される(ス
テップ1_2)。
【0013】シーケンサでは、これらのデータが入力さ
れると、ステップ1_3において、シーケンス開始から
のデータ発生時刻tn =t0 +Δt・nが算出され、n
がインクリメントされる。ここで、t0 はシーケンス開
始時刻を表し、Δtは時間増分を表わす。次に、ステッ
プ1_4において、ステップ1_3で求められたデータ
発生時刻tn を、シーケンスデータの継続時間Time
と比較し、Time>tn であるか否かが判定される。
Time>tn の場合、ステップ1_5に進み、Tim
e≦tn の場合、終了する。
【0014】ステップ1_5では、ステップ1_1で入
力された、代表点0を基準とした各音像の位置,時間的
な移動を表わすデータに基づいて、データ発生時刻tn
における、代表点0から各音像Sn に向かうベクトル<
OSn >が算出される。また、ステップ1_6では、ス
テップ1_2で入力された、受聴位置Lを基準とした代
表点0の位置,時間的な移動を表わすデータに基づい
て、データ発生時刻tn における、受聴位置Lから代表
点0に向かうベクトル<L0>が算出される。
【0015】ステップ1_7においては、ステップ1_
5,ステップ1_6で求められた、各ベクトル<OSn
>,<L0>に基づいて、各音像Sn の、データ発生時
刻t n におけるアジマスAZ(tn ),エレベーション
EL(tn ),ディスタンスDIS(tn )が算出さ
れ、図5に示すように、シーケンサ内のメモリに、デー
タ発生時刻tn の順に格納される。その後ステップ1_
3に戻り、以下同様にしてTime≦tn となるまで、
アジマスAZ(tn ),エレベーションEL(t n ),
ディスタンスDIS(tn )の算出,格納が繰り返され
る。尚、図5は、1つの音像についてのデータであり、
図3に示すルーチンでは複数の音像それぞれについて図
5に示すデータが生成される。
【0016】図4は、前述したように、シーケンサから
のデータの送出を担う送信ルーチンのフローチャートで
ある。この送信ルーチンは、所定の時間間隔毎に起動さ
れるタイマ割込みルーチンである。この送信ルーチンが
起動されると、先ずステップ2_1において、演奏中
(プレイ中)であるか否かを示すフラグPFlagが参
照され、プレイ中であればステップ2_2に進み、プレ
イ中でなければ何もせず終了する。
【0017】ステップ2_2では、現在時刻Trとシー
ケンス終了時刻Tとが比較され、Tr>Tの場合、即
ち、シーケンスが終了した場合は、ステップ2_3に進
み、プレイ中か否かを示すフラグPFlagがプレイ終
了を示す値にリセットされて終了する。またステップ2
_2でまだシーケンスの途中の時刻であると判定された
場合、次にステップ2_4に進む。ステップ2_4で
は、現在時刻Trと次のデータを送信すべき時刻tn
が比較され、現在時刻Trが次のデータの送信時刻tn
に達していないと判定された場合はステップ2_8にジ
ャンプし、現在時刻Trが、この図13に示す割り込み
ルーチンの割り込み周期Δiだけインクリメントされて
終了する。
【0018】ステップ2_4で、Tr≧tn 、即ち現在
時刻Trがデータ送出時刻tn に達していると判定され
ると、ステップ2_5に進み、図5に示す、データ送出
時刻tn に対応するアジマスAZ(tn ),エレベーシ
ョンEL(tn ),ディスタンスDIS(tn )の各デ
ータが、音像ロケータ14_1,14_2,…,14_
nに向けて送信される。なお、前述したように、図5は
1つの音像ロケータについてのデータマップである。各
音像ロケータ14_1,14_2,…,14_nでは、
前述したように、シーケンサ12から送信されてきたデ
ータに基づいて、各音響信号に音像が付与される。
【0019】次にステップ2_6において、次に読み出
すべきデータアドレスが計算されデータポインタがイン
クリメントされる。ステップ2_7では次のデータ送信
時刻tn が設定され、ステップ2_8では前述したよう
に現在時刻Trが設定されて終了する。以上のようにし
て、データ送信時刻tn 毎に、シーケンサ12から各音
像ロケータ14_1,14_2,…,14_nに向けて
音像定位のためのデータが送信される。
【0020】以下、代表点を基準とした複数の音像の相
対位置と代表点の位置との関係、およびそれらに基づい
てシーケンサで演算される、複数の音像の位置算出例等
について説明する。図6は、シーケンサにおける複数音
像の関連付けを示した模式図であり、図6(A),
(B)は、それぞれ、音像群の、代表点を基準とした初
期値による静的な位置関係(図6(A))およびシーケ
ンススタート後の時間的に変化する係数による動的な位
置関係(図6(B))を例示した模式図である。
【0021】本装置のシーケンサは、複数の音像を互い
に関連付けて移動させることを特徴とするが、この”関
連付け”とはシーケンサで扱う時間関数で表される各パ
ラメータの初期値と時間変化係数の与え方にほかならな
い。すなわち、各音像のパラメータの初期値によって各
音像の静的な位置関係を表現し、時間関数によって各音
像の動的な位置関係を表現しているわけである。
【0022】以下、各種の関連付けについて例示する。
図7は複数音像の定位の放射状の移動を例示する模式図
である。複数音像を同一円周上に定位させ、各音像を互
いに同じタイミングで音像群の代表点方向、またはその
逆方向に移動させる。図8は音像群を代表する代表点の
軌跡に従った移動を例示する模式図である。
【0023】複数音像を同一円周上に定位させ、各音像
を円周上で同一方向に同じ速度で回転させながら、また
は静止させたまま音像群を代表する代表点の軌跡に沿っ
て移動させる。図9は音像群を代表する代表点の軌跡に
従った移動の他の例を示す模式図である。
【0024】複数音像を同一直線上に定位させ、静止さ
せたまま音像群を代表する代表点の軌跡に沿って移動さ
せる。次に、シーケンサにおけるアジマス、エレベーシ
ョン、ディスタンスの算出手法について説明する。図1
0は、この算出手法の説明図である。
【0025】受聴位置をL(0,0,0)、音像群を代
表する位置をO(ro、θo、φo)とする。但し、r
oは受聴位置Lとの距離、θoは受聴位置Lに対する水
平角、φoは受聴位置Lに対する鉛直角を表わす。ま
た、音像群を代表する位置Oを原点とした各音像位置n
の座標Sn を Sn (dn(t)、θn(t)、φn(t)) dn(t)=dnO+dfn(t):Oとの距離 θn(t)=θnO+θfn(t):Oに対する水平角 φn(t)=φnO+φfn(t):Oと対する鉛直角 で表わす。ここで、dnO、θnO、φnOは初期値、
dfn(t)、θfn(t)、φfn(t)は時間tの
N次式などで表わされる時間関数である。
【0026】受聴位置Lを原点とした音像nの座標Sn
は次のような単純なベクトルの計算により算出される。 <LSn >=<LO>+<OSn > 但し、<LSn >:受聴位置Lから音像nへのベクトル <LO>:受聴位置Lから音像Oへのベクトル <OSn >:Oから音像nへのベクトル である。受聴位置Lを原点とした音像nの座標Sn は、 Sn (Dn(t)、Θn(t)、Φn(t)) ただし、Dn(t):受聴位置Lと音像nとの距離=デ
ィスタンス Θn(t):受聴位置Lに対する水平角=アジマス Φn(t):受聴位置Lに対する鉛直角=エレベーショ
ン と表わされる。
【0027】以下、シーケンサにおけるアジマス、エレ
ベーション、ディスタンスの算出例について説明する。
図11は、代表点を基準とした各音像の位置を例示した
模式図、図12は代表点の移動を例示した模式図、図1
3は、ベクトル演算による、受聴位置Lを基準とした音
像位置の演算例を示した模式図である。ここでは、代表
点を基準としたときの各音像位置が固定されている場合
について説明する。
【0028】シーケンサに外部から与えられるパラメー
タとしては、受聴位置の高さ:Lh、シーケンス継続時
間:Time、データ送信周期:Δt、各音像の座標:
n、音像の代表点の移動データ:O(t)がある。図
11に示すような、代表点0を基準とした各音像の座標
n は、直交座標系で表現すると、 <OSn >=(Xn ,Yn ,Zn ) となる。このとき、代表点0は、0(0,0,0)と表
現される。尚、各音像の座標Sn は極座標系で表現して
もよく、このときには各音像の座標Sn は、Sn(γ
n ,θn ,φn )と表現される。
【0029】また、音像の代表点の移動データO(t)
は各時刻tn の代表点の座標O(t n )=(xtn
tn,ztn)またはO(tn )=(rtn,θtn,φtn
として表わされる。受聴位置Lの座標をL(0,0,
0)とすると、時刻tn における、受聴位置Lから代表
点O(tn )へのベクトルLO(tn )は、 <LO(tn )>=(xtn,ytn,ztn) となる。ただし、 tn =t0 +n・Δt (Δtは時間の単位増分)である。
【0030】これらのデータを用いて、アジマス、エレ
べーション、ディスタンスは以下のようにして算出され
る。ここでは、上記二つのベクトル<OSn >、<LO
(t n )>から、時刻tn における音像Sn のアジマ
ス、エレべーション、ディスタンスを求める。まず、受
聴位置Lから音像Sn へのベクトルは、 <LSn >=<LO(tn )>+<OSn > で表わされるので、 <LSn >=(xtn+xn ,ytn+yn ,ztn+zn ) となる。これより、アジマスAZ(tn )、エレベーシ
ョンEL(tn )、ディスタンスDIS(tn )は AZ(tn )=atan[(xtn+xn )/√{(ytn
+yn2 +(ztn+zn2 }] El(tn )=atan[(ztn+zn )/√{(xtn
+xn2 +(ytn+yn2 }] DIS(tn )=√{(xtn+xn2 +(ytn+y
n2 +(ztn+zn2 } となる。これをTime≧tn の条件で繰り返す。
【0031】次に、複数の音像が代表点を基準として移
動する場合の、シーケンサにおけるアジマス、エレベー
ション、ディスタンスの算出例について説明する。図1
4は、代表点を基準とした各音像の移動を例示した模式
図である。ここでは、複数の音像が、音像の代表点を中
心とする円上を回転しながら、音像の代表点が移動する
場合について説明する。
【0032】シーケンサに外部から与えられるパラメー
タとしては、受聴位置の高さ:Lh、シーケンス継続時
間:Time、データ送信周期:Δt、各音像の座標の
初期値:Sn O、各音像の時間変化関数:Fn(t)、
音像の代表点の移動データ:O(t)がある。音像nの
座標の初期値Sn Oは、Sn O=(xnO,ynO,z
nO)(直交座標系)またはSn O=(rnO,θn
O,φnO)(極座標系)で表わされる。音像nの座標
の時間変化はOnを用いて表すことができるので、音像
nの座標Sn は、直交座標系で表すと、 Sn =(xnO+Fxn(t),ynO+Fyn
(t),znO+Fzn(t)) すなわち、O(0,0,0)として <OSn >=(xnO+Fxn(t),ynO+Fyn
(t),znO+Fzn(t)) となる。ここで、 Fxn(t):Fn(t)のx成分 Fyn(t):Fn(t)のy成分 Fzn(t):Fn(t)のz成分 であり、例えば、各関数が一次式の場合、音像は等速度
回転を行い、二次式の場合、音像は等加速度回転を行
う。
【0033】音像の代表点の移動データO(t)につい
ては、複数音像が回転しない場合と同一の計算式で表わ
される。また、アジマス、エレベーション、ディスタン
スについては、複数音像が回転しない場合と比べ音像の
座標Sn の表現は異なるが、計算式そのものは同一であ
る。次に、音像群を代表する位置の軌跡O(t)の各種
関数例について説明する。
【0034】音像群を代表する位置の軌跡は、マウスや
ペンタブレット等を用いて自由曲線としてユーザからデ
ータそのものが直接与えられたり、直線や円弧などの数
式から得られる。一般的には時間を変数として以下のよ
うに表現することができる。一般的な軌跡の座標O(x
(t),y(t),z(t))は以下のように表現され
る。
【0035】x(t)=Fx(t)+a y(t)=Fy(t)+b z(t)=Fz(t)+c 但し、Fx(t),Fy(t),Fz(t)は、x,
y,z軸方向の時間変化関数、a,b,cは初期座標、
tは時間変数を表わす。
【0036】以下に、x,y,z軸方向の時間関数Fx
(t),Fy(t),Fz(t)の例を挙げる。 (等速度直線運動の軌跡) Fx(t)=d・t Fy(t)=e・t Fz(t)=f・t d、e、fは各軸方向の速度、tは時間の変数を表わ
す。d〜fは任意の実数を表わす。 (等加速度運動の軌跡) Fx(t)=d・t2 +g・t Fy(t)=e・t2 +h・t Fz(t)=f・t2 +i・t d、e、fは各軸方向の加速度、g、h、iは各軸方向
の速度、tは時間の変数を表わす。d〜iは任意の実数
である。 (等角速度楕円運動の軌跡) Fx(t)=d・sin(θ・t+α) Fy(t)=e・cos(θ・t+α) Fz(t)=f・t d、eはx、y軸方向の径、θは角速度、αは初期位相
角、fはz軸方向の速度、tは時間の変数を表わす。d
〜f、θ、αは任意の実数である。 (等角加速度楕円運動の軌跡) Fx(t)=d・sin(φ・t2 +θ・t+α) Fy(t)=e・cos(φ・t2 +θ・t+α) Fz(t)=f・t d、eはx、y軸方向の径、θは角速度、φは角加速
度、αは初期位相角、fはz軸方向の速度、tは時間の
変数を表わす。d〜f、φ、θ、αは任意の実数であ
る。
【0037】前記二つの楕円運動でx、y軸方向の半径
d、eが等しいとき円運動になる。また、f=0のとき
x−y平面上での運動となり、f≠0のときは回転しな
がらz軸方向に移動する(z軸方向に螺旋階段状に移動
する)。 (スパイラル曲線の軌跡(同心円状の螺旋)) Fx(t)=d・t・sin(φ・t2 +θ・t+α) Fy(t)=e・t・cos(φ・t2 +θ・t+α) Fz(t)=f・t d、eはx、y軸方向の径、θは角速度、φは角加速
度、αは初期位相角、fはz軸方向の速度、tは時間の
変数を表わす。
【0038】d〜f、φ、θ、αは任意の実数である。 (リサージュ曲線の軌跡) Fx(t)=d・sin(φ・t2 +θ・t+α) Fy(t)=e・cos(φ・t2 +γ・t+α) Fz(t)=f・t d、eはx、y軸方向の径、φは角加速度、θ、γは角
速度、αは初期位相角、fはz軸方向の速度、tは時間
変数を表わす。
【0039】d〜f、φ、θ、γ、αは任意の実数であ
る。 (正弦曲線の軌跡) Fx(t)=d・t Fy(t)=e・sin(θ・t+α) Fz(t)=f・t d、fはx、z軸方向速度、eは正弦曲線の振幅、θは
角速度、αは初期位相角、tは時間変数を表わす。
【0040】d〜f、θ、αは任意の実数である。 (乱数を用いた曲線の軌跡) Fx(tn )=Fx(tn-1 )+Rand(tn ) Fy(tn )=Fy(tn-1 )+Rand(tn ) Fz(tn )=Fz(tn-1 )+Rand(tn ) ただし、x(O)=a、y(O)=b、z(O)=c、
Rand(tn ) は乱数、tn-1 、tn は時間の変数を表わす。 (自由曲線)自由曲線については、ユーザによって外部
からマウスやペンタブレット等で入力された座標データ
を使用する。
【0041】次に音像群を構成する各音像の位置Sn
(t)を表わす各種関数例について説明する。”音像
群”は互いにある関係を持つ音像の集まり”と定義され
る。各音像の座標は、音像群を代表する位置の軌跡O
(t)の座標を用いると一般的に次のように表わすこと
ができる。
【0042】各音像の座標Sn (xn 、yn 、zn )は
一般的には以下のように表現される。 xn =Gxn (t)+an +x(t) yn =Gyn (t)+bn +y(t) zn =Gzn (t)+cn +z(t) 但し、Gxn (t)、Gyn (t)、Gzn (t)は
x、y、z軸方向の時間変化関数、an 、bn 、cn
O(t)を原点としたときの初期座標、x(t)、y
(t)、z(t)は音像群を代表する位置の軌跡のx、
y、z座標、tは時間に関する変数を表わす。
【0043】以下に様々な場合の時間変化関数Gxn
(t)、Gyn (t)、Gzn (t)の例を示す。 (各音像が直線上に並ぶ場合(時間変化しない)) Gxn (t)=d・gn Gyn (t)=e・hn Gzn (t)=f・in d、e、fは各音像間のx、y、z軸方向の距離の差
分、gn 、hn 、in は各音像の直線上における位置を
決定する変数を表わす。d〜f、gn 、hn 、in は任
意の実数である。 (各音像が同一円周上に並ぶ場合(時間変化しない)) Gxn (t)=d・sin(αn ) Gyn (t)=e・cos(αn ) Gzn (t)=0 d、eは各音像のx、y軸方向の径、αは各音像の初期
位相角、tは時間の変数を表わす。
【0044】d、e、αn は任意の実数である。 (各音像が円周上を回転する場合) Gxn(t)=dn ・sin(θn ・t+αn ) Gyn(t)=en ・cos(θn ・t+αn ) Gzn(t)=O dn 、en は各音像のx、y軸方向の径、θn は各音像
の角速度、αn は各音像の初期位相角、tは時間に関す
る変数を表わす。dn 、en 、θn 、αn は任意の実数
である。
【0045】各音像のdn 、en が全て等しいとき同一
円周上に並び、異なる場合は個々の円周上に位置する。
さらに、θn が0でないときは設定された角速度で回転
し、0のときは回転しない。 (各音像が放射状に動く場合) Gxn(t)=(dn ・t+fn )・sin(θn ・t+
αn ) Gyn(t)=(en ・t+gn )・cos(θn ・t+
αn ) Gzn(t)=0 dn 、en は各音像のx、y軸方向の径の変化の速度、
n 、gn は各音像のx、y軸方向の径の初期値、θn
は各音像の角速度、α n は各音像の初期位相角、tは時
間の変数を表わすdn 、en 、fn 、gn 、θ n 、αn
は任意の実数である。
【0046】dn 、en が0でないとき放射状に移動
し、0のときは移動しない。さらに、θn が0でないと
きは回転し、0のときは回転しない。 (自由配置)自由配置は、ユーザが直接各々の音像の座
標を設定する。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の音響効果
装置は、互いに関連して移動する複数の音像の時間的位
置変化を、互いの関連を崩すことなく、容易に指定する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】列車の音の定位を示す模式図である。
【図2】本発明の音響効果装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図3】シーケンサで実行される、送信データ生成ルー
チンのフローチャートである。
【図4】シーケンサで実行される、生成されたデータの
送信ルーチンのフローチャートである。
【図5】シーケンサで生成され、シーケンサ内に記憶さ
れたデータの配列を表わすメモリマップである。
【図6】シーケンサによる複数音像の関連付けを示した
模式図である。
【図7】複数音像の定位の放射状の移動を例示する模式
図である。
【図8】音像群を代表する代表点の軌跡に従った移動を
例示する模式図である。
【図9】音像群を代表する代表点の軌跡に従った移動を
例示する他の例を示す模式図である。
【図10】シーケンサにおけるアジマス、エレベーショ
ン、ディスタンスの算出手法の説明図である。
【図11】代表点を基準とした各音像の位置を例示した
模式図である。
【図12】代表点の移動を例示した模式図である。
【図13】ベクトル演算による、受聴位置Lを基準とし
た音像位置の演算例を示した模式図である。
【図14】代表点を基準とした各音像の移動を例示した
模式図である。
【符号の説明】
10 音響効果装置 12 シーケンサ 14_1,14_2,…,14_n 音像ロケータ 16 ミキサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−303382(JP,A) 特開 平4−30700(JP,A) 特開 平1−300700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04S 7/00 H04S 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の音響信号を入力する手段と、 前記複数の音響信号のうちの所定の代表信号の音像の定
    位位置を表した代表位置情報を時間経過に従って入力す
    る代表位置入力手段と、 前記複数の音響信号のうちの前記代表信号以外の信号の
    音像の定位位置を、前記代表信号の音像の位置からの相
    対位置で表す相対位置情報を入力する相対位置入力手段
    と、 前記入力された複数の音響信号が、前記代表位置情報お
    よび相対位置情報に応じた空間上の位置にそれぞれ音像
    が時間経過に従って定位されるように音像定位処理を施
    す音像定位処理手段とを備えたことを特徴とする音響効
    果装置。
  2. 【請求項2】 複数の音像位置のうち所定の代表点の位
    置を表した代表位置情報を時間経過に従って入力する代
    表位置入力手段と、 前記複数の音像位置のうち代表点以外の音像の位置を代
    表点からの相対位置で表わす相対位置情報を時間経過に
    従って入力する相対位置入力手段と、 音響信号が入力され、前記代表位置情報および相対位置
    情報に応じた空間上の位置にそれぞれ音像が時間経過に
    従って定位されるように音像定位処理を施す音像定位処
    理手段とを備えたことを特徴とする音響効果装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、相対位置情報は時間
    経過に従って入力されることを特徴とする音響効果装
    置。
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