JP3490155B2 - セメント用分散剤 - Google Patents
セメント用分散剤Info
- Publication number
- JP3490155B2 JP3490155B2 JP25335194A JP25335194A JP3490155B2 JP 3490155 B2 JP3490155 B2 JP 3490155B2 JP 25335194 A JP25335194 A JP 25335194A JP 25335194 A JP25335194 A JP 25335194A JP 3490155 B2 JP3490155 B2 JP 3490155B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cement
- weight
- parts
- dispersant
- copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B40/00—Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
- C04B40/0028—Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
- C04B40/0039—Premixtures of ingredients
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2103/00—Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
- C04B2103/40—Surface-active agents, dispersants
- C04B2103/406—Surface-active agents, dispersants non-ionic
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2103/00—Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
- C04B2103/40—Surface-active agents, dispersants
- C04B2103/408—Dispersants
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメントスラリー用等
に用いられる分散剤に関するものであり、特には発泡を
制御する効果を持った低起泡性のセメント用分散剤に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、セメント用分散剤としてイソブチ
レン−マレイン酸、イソアミレン−マレイン酸、ジイソ
ブチレン−マレイン酸、スチレン−マレイン酸、酢酸ビ
ニル−マレイン酸、ビニルエーテル−マレイン酸などの
ごとき共重合体のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、多
価金属塩などの、重合性不飽和モノマーと不飽和ジカル
ボン酸無水物との共重合体の水溶性塩が知られている。
これらのうち、炭素数4〜10の重合性不飽和モノマーと
不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体の水溶性塩を土
木、建築分野で使用されるセメントスラリーに用いる
と、セメントスラリー粘度の経時変化が小さく可使時間
が長くなるという効果を発揮する。 【0003】しかし、該共重合体の水溶性塩は一般に起
泡性を有するので、そのままセメント用分散剤として使
用すると、セメントスラリーが発泡する場合がある。こ
のような場合、セメント用分散剤水溶液の使用時に消泡
剤を添加することにより解決するのが一般的である。し
かし、この方法では使用時の作業工程が増え煩雑だし、
また、消泡剤の使用量は一般に少量であるために定量的
な添加が難しく、添加量の多少によるトラブルの原因と
なっていた。これらの問題点は、あらかじめ消泡剤を添
加したセメント用分散剤水溶液を調製することができれ
ば解決可能である。しかし、消泡剤は概して水に溶解し
難く、特にセメント用分散剤水溶液の固形分濃度が10重
量%以上になるとさらに溶解度は低くなり、この場合に
は消泡効果が低下する。この解決の為に、HLB値12以
上のノニオン界面活性剤を使用した分散剤水溶液が提案
されているが発泡抑制の点でまだ満足できるものではな
い。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術が有するような問題点がなく、均一に相溶しかつ
消泡効果も充分に発揮する添加剤を見出し、特性の優れ
たセメント用分散剤を提供するためになされたものであ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のセメント用分散
剤は前記の課題を解決したものであり、これは、1)炭
素数4〜10の重合性不飽和モノマーと不飽和ジカルボン
酸無水物との共重合体のアルカリ金属塩またはアンモニ
ウム塩の固形分換算 100重量部、2)HLB値3〜11の
アセチレングリコール 0.1〜8重量部および3)マグネ
シウム化合物 0.2〜25重量部を含有するものである。 【0006】以下に本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明のセメント用分散剤の第1成分は、炭素数4
〜10の重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物との共重合体から調製される。共重合体の製
造に使用される重合性不飽和モノマーは炭素数4〜10の
ものであるが、例えばオレフィン化合物、芳香族ビニル
化合物、エステル基、エーテル基等の極性基を有する重
合性不飽和モノマーなどがあげられる。 【0007】オレフィン化合物の具体例としてはブテン
−1、ブテン−2、イソブチレン、ペンテン−1、ペン
テン−2、2−メチルブテン−1、2−メチルブテン−
2、シクロペンテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、シクロヘキセン、ジイソブチレン、オクテン−
1等、芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α−メチ
ルスチレン等があげられる。また、エーテル基、エステ
ル基等の極性基を有するものとしてはビニルエーテル、
酢酸ビニル等があげられる。なかでも炭素数4〜5のオ
レフィン化合物が好ましく、また、必要に応じて2種以
上の重合性不飽和モノマーを併用することもできる。 【0008】α,β−不飽和ジカルボン酸無水物として
は、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸等があげられるが、なかでも無水マレイン酸が
好ましい。この重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和
ジカルボン酸無水物とが共重合されて成る共重合体は、
通常、数平均分子量 500〜100,000 、好ましくは 1,000
〜10,000を有し、かつ重合性不飽和モノマー単位20〜80
モル%とα,β−不飽和ジカルボン酸無水物単位80〜20
モル%とから成るものである。 【0009】該共重合体のアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩は、通常はラジカル開始剤の存在下に炭素数4
〜10の重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物との共重合体を合成し、次いで常法に従って
塩基の存在下で該共重合体中の酸無水物基を加水分解す
ることによって製造する。通常、共重合体のカルボキシ
ル基の中和度は20〜 100%である。この際、塩基の使用
量は該共重合体中の酸無水物基1モル当り通常 0.8〜2
モル、好ましくは1〜 1.8モルである。また形成される
塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのア
ルカリ金属塩またはアンモニウム塩が必須である。二価
以上の多価金属塩の場合には起泡性が大きく、かつ安定
性に劣るため好ましくない。さらに共重合体中のα,β
−不飽和ジカルボン酸無水物部分の一部にエステル基、
アミド基、イミド基を導入することも可能である。ま
た、かかる共重合体の塩は、あらかじめα,β−不飽和
ジカルボン酸無水物を塩基の存在下で加水分解したの
ち、これと重合性不飽和モノマーとを共重合することに
より製造することもできる。 【0010】本発明のセメント用分散剤の第2成分はH
LB値が3〜11のアセチレングリコールである。具体例
としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン
−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン
−3,6−ジオールおよび2,4,7,9−テトラメチ
ル−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレン付加
体でHLB値が3〜11のものがあげられる。HLB値が
3に満たないアセチレングリコールは固形分濃度が10重
量%以上の高濃度分散剤水溶液中には溶解し難く、HL
B値が11を超えるアセチレングリコールは起泡性が大き
くなるし、第3成分であるマグネシウム化合物と組み合
せても十分な消泡効果を示さない。かかるHLB値が3
〜11のアセチレングリコールは、炭素数4〜10の重合性
不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボン酸無水物と
の共重合体のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の固
形分換算 100重量部当り、 0.1〜8重量部、好ましくは
0.25〜5重量部の割合で使用される。この際、使用量が
0.1重量部未満では消泡効果に乏しく、逆に8重量部を
超える場合には分散剤水溶液中への溶解性の点で問題が
あり本発明の効果が発揮されない。 【0011】本発明のセメント用分散剤の第3成分はマ
グネシウム化合物であり、例えば塩化マグネシウム MgC
l2、炭酸マグネシウム MgCO3、硫酸マグネシウム MgS
O4、水酸化マグネシウム Mg(OH)2等があげられる。理由
は定かでは無いが、これらのマグネシウム化合物は第2
成分のアセチレングリコールと組み合せられて分散剤水
溶液の消泡効果に大きく寄与するものであり、炭素数4
〜10の重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物との共重合体のアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩の固形分換算 100重量部当り、 0.2〜25重量
部、好ましくは1〜18重量部の割合で使用される。この
際、使用量が 0.2重量部未満では消泡効果に乏しく、逆
に25重量部を超えてもアセチレングリコールとの相乗効
果による消泡性はもはやそれ以上良くならない。 【0012】本発明のセメント用分散剤は、通常固形分
濃度5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の水溶液で
使用される。また、本発明のアセチレングリコールとマ
グネシウム化合物の組合せは、炭素数4〜10の重合性不
飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボン酸無水物との
共重合体のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩以外に
も、グルコン酸、グルコヘプトン酸、乳酸、くえん酸ま
たはそれらのナトリウム塩、カルシウム塩等のオキシカ
ルボン酸系の分散剤に対しても同様に均一に相溶し、か
つ消泡効果を発揮する。 【0013】 【実施例】つぎに、具体的実施例ならびに比較例をあげ
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお例中の部および%は重量部と重量%を示す。 実施例1 ラジカル重合によって合成したイソアミレン50モル%と
無水マレイン酸50モル%の共重合体(数平均分子量 6,0
00)のナトリウム塩(中和度60%)の40%水溶液 250部
にサーフィノール440 [2,4,7,9−テトラメチル
−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレン付加
体、HLB=5〜7、日信化学工業(株)商品名]1.25
部と硫酸マグネシウム 5.0部を添加してセメント用分散
剤水溶液を調製し、共重合体とアセチレングリコールと
マグネシウム化合物との相溶性を評価した。また、セメ
ント分散試験を行い、セメントスラリーに対する消泡効
果を評価した。結果を表1に示す。なお、これらの評価
は下記の方法で行った。 【0014】(相溶性) 〇:透明に相溶、×:2層分
離 (消泡性) セメント分散試験を5℃及び25℃の雰囲気
下で次の方法により行い、セメントスラリーの比重値で
消泡性の評価を行った。ポリエチレン製ビーカーに上記
セメント用分散剤水溶液3部、純水 397部を計量しさら
に市販のポルトランドセメント 400部を加えてホモジナ
イザーで4,000rpmの速度で2分間攪拌する。直ちに得ら
れたセメントスラリーをメスシリンダーに移し、1秒後
のスラリー容積を測定する。そしてスラリー重量とスラ
リー容積から比重を計算する。 【0015】実施例2〜7、比較例1〜5 実施例1と同様にして表1に示される共重合体水溶液、
アセチレングリコール、マグネシウム化合物の種類、量
比でセメント用分散剤水溶液を調製し、同様の方法で相
溶性、消泡性を評価した。結果は表1に示すとおりであ
った。 【0016】 【表1】 【0017】 【発明の効果】本発明により、セメントスラリーに対す
る優れた消泡性、相溶性を発揮するセメント用分散剤が
提供された。
に用いられる分散剤に関するものであり、特には発泡を
制御する効果を持った低起泡性のセメント用分散剤に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、セメント用分散剤としてイソブチ
レン−マレイン酸、イソアミレン−マレイン酸、ジイソ
ブチレン−マレイン酸、スチレン−マレイン酸、酢酸ビ
ニル−マレイン酸、ビニルエーテル−マレイン酸などの
ごとき共重合体のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、多
価金属塩などの、重合性不飽和モノマーと不飽和ジカル
ボン酸無水物との共重合体の水溶性塩が知られている。
これらのうち、炭素数4〜10の重合性不飽和モノマーと
不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体の水溶性塩を土
木、建築分野で使用されるセメントスラリーに用いる
と、セメントスラリー粘度の経時変化が小さく可使時間
が長くなるという効果を発揮する。 【0003】しかし、該共重合体の水溶性塩は一般に起
泡性を有するので、そのままセメント用分散剤として使
用すると、セメントスラリーが発泡する場合がある。こ
のような場合、セメント用分散剤水溶液の使用時に消泡
剤を添加することにより解決するのが一般的である。し
かし、この方法では使用時の作業工程が増え煩雑だし、
また、消泡剤の使用量は一般に少量であるために定量的
な添加が難しく、添加量の多少によるトラブルの原因と
なっていた。これらの問題点は、あらかじめ消泡剤を添
加したセメント用分散剤水溶液を調製することができれ
ば解決可能である。しかし、消泡剤は概して水に溶解し
難く、特にセメント用分散剤水溶液の固形分濃度が10重
量%以上になるとさらに溶解度は低くなり、この場合に
は消泡効果が低下する。この解決の為に、HLB値12以
上のノニオン界面活性剤を使用した分散剤水溶液が提案
されているが発泡抑制の点でまだ満足できるものではな
い。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術が有するような問題点がなく、均一に相溶しかつ
消泡効果も充分に発揮する添加剤を見出し、特性の優れ
たセメント用分散剤を提供するためになされたものであ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のセメント用分散
剤は前記の課題を解決したものであり、これは、1)炭
素数4〜10の重合性不飽和モノマーと不飽和ジカルボン
酸無水物との共重合体のアルカリ金属塩またはアンモニ
ウム塩の固形分換算 100重量部、2)HLB値3〜11の
アセチレングリコール 0.1〜8重量部および3)マグネ
シウム化合物 0.2〜25重量部を含有するものである。 【0006】以下に本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明のセメント用分散剤の第1成分は、炭素数4
〜10の重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物との共重合体から調製される。共重合体の製
造に使用される重合性不飽和モノマーは炭素数4〜10の
ものであるが、例えばオレフィン化合物、芳香族ビニル
化合物、エステル基、エーテル基等の極性基を有する重
合性不飽和モノマーなどがあげられる。 【0007】オレフィン化合物の具体例としてはブテン
−1、ブテン−2、イソブチレン、ペンテン−1、ペン
テン−2、2−メチルブテン−1、2−メチルブテン−
2、シクロペンテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、シクロヘキセン、ジイソブチレン、オクテン−
1等、芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α−メチ
ルスチレン等があげられる。また、エーテル基、エステ
ル基等の極性基を有するものとしてはビニルエーテル、
酢酸ビニル等があげられる。なかでも炭素数4〜5のオ
レフィン化合物が好ましく、また、必要に応じて2種以
上の重合性不飽和モノマーを併用することもできる。 【0008】α,β−不飽和ジカルボン酸無水物として
は、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸等があげられるが、なかでも無水マレイン酸が
好ましい。この重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和
ジカルボン酸無水物とが共重合されて成る共重合体は、
通常、数平均分子量 500〜100,000 、好ましくは 1,000
〜10,000を有し、かつ重合性不飽和モノマー単位20〜80
モル%とα,β−不飽和ジカルボン酸無水物単位80〜20
モル%とから成るものである。 【0009】該共重合体のアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩は、通常はラジカル開始剤の存在下に炭素数4
〜10の重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物との共重合体を合成し、次いで常法に従って
塩基の存在下で該共重合体中の酸無水物基を加水分解す
ることによって製造する。通常、共重合体のカルボキシ
ル基の中和度は20〜 100%である。この際、塩基の使用
量は該共重合体中の酸無水物基1モル当り通常 0.8〜2
モル、好ましくは1〜 1.8モルである。また形成される
塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのア
ルカリ金属塩またはアンモニウム塩が必須である。二価
以上の多価金属塩の場合には起泡性が大きく、かつ安定
性に劣るため好ましくない。さらに共重合体中のα,β
−不飽和ジカルボン酸無水物部分の一部にエステル基、
アミド基、イミド基を導入することも可能である。ま
た、かかる共重合体の塩は、あらかじめα,β−不飽和
ジカルボン酸無水物を塩基の存在下で加水分解したの
ち、これと重合性不飽和モノマーとを共重合することに
より製造することもできる。 【0010】本発明のセメント用分散剤の第2成分はH
LB値が3〜11のアセチレングリコールである。具体例
としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン
−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン
−3,6−ジオールおよび2,4,7,9−テトラメチ
ル−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレン付加
体でHLB値が3〜11のものがあげられる。HLB値が
3に満たないアセチレングリコールは固形分濃度が10重
量%以上の高濃度分散剤水溶液中には溶解し難く、HL
B値が11を超えるアセチレングリコールは起泡性が大き
くなるし、第3成分であるマグネシウム化合物と組み合
せても十分な消泡効果を示さない。かかるHLB値が3
〜11のアセチレングリコールは、炭素数4〜10の重合性
不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボン酸無水物と
の共重合体のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の固
形分換算 100重量部当り、 0.1〜8重量部、好ましくは
0.25〜5重量部の割合で使用される。この際、使用量が
0.1重量部未満では消泡効果に乏しく、逆に8重量部を
超える場合には分散剤水溶液中への溶解性の点で問題が
あり本発明の効果が発揮されない。 【0011】本発明のセメント用分散剤の第3成分はマ
グネシウム化合物であり、例えば塩化マグネシウム MgC
l2、炭酸マグネシウム MgCO3、硫酸マグネシウム MgS
O4、水酸化マグネシウム Mg(OH)2等があげられる。理由
は定かでは無いが、これらのマグネシウム化合物は第2
成分のアセチレングリコールと組み合せられて分散剤水
溶液の消泡効果に大きく寄与するものであり、炭素数4
〜10の重合性不飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物との共重合体のアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩の固形分換算 100重量部当り、 0.2〜25重量
部、好ましくは1〜18重量部の割合で使用される。この
際、使用量が 0.2重量部未満では消泡効果に乏しく、逆
に25重量部を超えてもアセチレングリコールとの相乗効
果による消泡性はもはやそれ以上良くならない。 【0012】本発明のセメント用分散剤は、通常固形分
濃度5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の水溶液で
使用される。また、本発明のアセチレングリコールとマ
グネシウム化合物の組合せは、炭素数4〜10の重合性不
飽和モノマーとα,β−不飽和ジカルボン酸無水物との
共重合体のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩以外に
も、グルコン酸、グルコヘプトン酸、乳酸、くえん酸ま
たはそれらのナトリウム塩、カルシウム塩等のオキシカ
ルボン酸系の分散剤に対しても同様に均一に相溶し、か
つ消泡効果を発揮する。 【0013】 【実施例】つぎに、具体的実施例ならびに比較例をあげ
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお例中の部および%は重量部と重量%を示す。 実施例1 ラジカル重合によって合成したイソアミレン50モル%と
無水マレイン酸50モル%の共重合体(数平均分子量 6,0
00)のナトリウム塩(中和度60%)の40%水溶液 250部
にサーフィノール440 [2,4,7,9−テトラメチル
−5−デシン−4,7−ジオールの酸化エチレン付加
体、HLB=5〜7、日信化学工業(株)商品名]1.25
部と硫酸マグネシウム 5.0部を添加してセメント用分散
剤水溶液を調製し、共重合体とアセチレングリコールと
マグネシウム化合物との相溶性を評価した。また、セメ
ント分散試験を行い、セメントスラリーに対する消泡効
果を評価した。結果を表1に示す。なお、これらの評価
は下記の方法で行った。 【0014】(相溶性) 〇:透明に相溶、×:2層分
離 (消泡性) セメント分散試験を5℃及び25℃の雰囲気
下で次の方法により行い、セメントスラリーの比重値で
消泡性の評価を行った。ポリエチレン製ビーカーに上記
セメント用分散剤水溶液3部、純水 397部を計量しさら
に市販のポルトランドセメント 400部を加えてホモジナ
イザーで4,000rpmの速度で2分間攪拌する。直ちに得ら
れたセメントスラリーをメスシリンダーに移し、1秒後
のスラリー容積を測定する。そしてスラリー重量とスラ
リー容積から比重を計算する。 【0015】実施例2〜7、比較例1〜5 実施例1と同様にして表1に示される共重合体水溶液、
アセチレングリコール、マグネシウム化合物の種類、量
比でセメント用分散剤水溶液を調製し、同様の方法で相
溶性、消泡性を評価した。結果は表1に示すとおりであ
った。 【0016】 【表1】 【0017】 【発明の効果】本発明により、セメントスラリーに対す
る優れた消泡性、相溶性を発揮するセメント用分散剤が
提供された。
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 2/00 - 32/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 1)炭素数4〜10の重合性不飽和モノマ
ーと不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体のアルカリ
金属塩またはアンモニウム塩の固形分換算 100重量部、
2)HLB値3〜11のアセチレングリコール 0.1〜8重
量部および3)マグネシウム化合物 0.2〜25重量部を含
有するセメント用分散剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25335194A JP3490155B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | セメント用分散剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25335194A JP3490155B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | セメント用分散剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08119702A JPH08119702A (ja) | 1996-05-14 |
JP3490155B2 true JP3490155B2 (ja) | 2004-01-26 |
Family
ID=17250129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25335194A Expired - Fee Related JP3490155B2 (ja) | 1994-10-19 | 1994-10-19 | セメント用分散剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3490155B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8529694B2 (en) * | 2006-10-26 | 2013-09-10 | Air Products And Chemicals, Inc. | Powdered acetylenic surfactants and compositions containing them |
-
1994
- 1994-10-19 JP JP25335194A patent/JP3490155B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08119702A (ja) | 1996-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5997630A (en) | Concrete accelerators | |
CN102264665B (zh) | 水硬性密封组合物 | |
JP3217356B2 (ja) | 石灰スケール除去用組成物 | |
AU672625B2 (en) | Stabilised magnesium hydroxide slurries | |
JPH0853522A (ja) | 水系スラリー用分散剤 | |
JP3306255B2 (ja) | コンクリート混和剤 | |
JP3490155B2 (ja) | セメント用分散剤 | |
JP4439816B2 (ja) | コンクリート混和剤 | |
JPH0543288A (ja) | セメント分散剤組成物 | |
JPH09142905A (ja) | コンクリート混和剤 | |
JP2905249B2 (ja) | セメント混和剤の製造法 | |
JP4878857B2 (ja) | ジェットグラウト工法用地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物 | |
JPH0748158A (ja) | セメント系グラウト材用超遅延剤 | |
JPH06256056A (ja) | セメント系グラウト用ブリージング低減剤 | |
JP2926408B2 (ja) | 炭酸カルシウム水分散液及びその製造方法 | |
JP2000026146A (ja) | 粉末状セメント分散剤及びこれを用いたセメント組成物 | |
JPWO2020115790A1 (ja) | 水硬性組成物用添加剤及び水硬性組成物 | |
JPH07187742A (ja) | セメント用添加剤 | |
JP2000086315A (ja) | 水硬性組成物用添加剤 | |
JPH1067549A (ja) | セメント用添加剤 | |
JP2003002714A (ja) | 水硬性組成物用分散剤 | |
JP3537584B2 (ja) | 再分散性粉末樹脂組成物 | |
JPH0339558B2 (ja) | ||
JPH09309755A (ja) | ノロの低減が可能なコンクリート混和剤 | |
JP2000351992A (ja) | 界面活性剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |