JP3489828B1 - 研磨シート用ポリウレタン発泡体の製造方法、ポリウレタン発泡体、研磨シート、及び研磨パッド - Google Patents

研磨シート用ポリウレタン発泡体の製造方法、ポリウレタン発泡体、研磨シート、及び研磨パッド

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JP3489828B1
JP3489828B1 JP2002279363A JP2002279363A JP3489828B1 JP 3489828 B1 JP3489828 B1 JP 3489828B1 JP 2002279363 A JP2002279363 A JP 2002279363A JP 2002279363 A JP2002279363 A JP 2002279363A JP 3489828 B1 JP3489828 B1 JP 3489828B1
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雅彦 中森
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東洋ゴム工業株式会社
東洋紡績株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 スクラッチの発生を効果的に抑制することの
できる研磨シート及び研磨パッドを提供すること。ま
た、該研磨シート及び研磨パッドに用いられるポリウレ
タン発泡体、その製造方法、並びに半導体デバイスの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 イソシアネート基含有化合物を含む第1
成分と活性水素基含有化合物を含む第2成分とを混合す
る工程を含む研磨シート用ポリウレタン発泡体の製造方
法であって、前記両成分の原料に含まれている異物を2
00メッシュ以上(ふるい目の開き74μm以下)のフ
ィルターを用いて除去し、その後に両成分を混合するこ
とを特徴とする研磨シート用ポリウレタン発泡体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハ表面の凹凸
をケミカルメカニカルポリシング(CMP)で平坦化す
る際に使用される研磨シート、及び研磨パッドに関す
る。また、研磨シート用ポリウレタン発泡体、及びその
製造方法、並びに該研磨シート又は研磨パッドを用いた
半導体デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を製造する際には、ウエハ表
面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチ
ング等をすることにより配線層を形成する形成する工程
や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行わ
れ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体
や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路
の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進
んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化す
る技術が重要となってきた。
【0003】ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法として
は、一般的にCMP法が採用されている。CMPは、ウ
エハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態
で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラ
リーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一
般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すよう
に、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材
(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッ
ド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材
と、研磨剤3の供給機構を備えている。研磨パッド1
は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨
定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それ
ぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向する
ように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えてい
る。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1
に押し付けるための加圧機構が設けてある。
【0004】このようなCMPプロセスを行なう上で、
研磨パッド(研磨シート)を用いるが、この研磨パッド
にはこれまで様々のものが開発され実用化されている。
例えば、下記に示す研磨パッドである。
【0005】(1)弾性ポリウレタン層に研磨層である
合成皮革層が積層されたもの(特許文献1参照)。 (2)発泡ポリウレタン層にポリウレタン含浸不織布を
貼り合わせた構成のもの(特許文献2参照)。 (3)研磨表面が設けられており、研磨表面に隣接し選
択した厚さ及び剛性の剛性要素が設けられており、剛性
要素へ実質的に一様な力を付与するために剛性要素に隣
接して弾性要素が設けられており、剛性要素及び弾性要
素が研磨表面へ弾性的屈曲力を付与して研磨表面に制御
した屈曲を誘起させ、それが加工物の表面の全体的な形
状に適合し、且つ加工物表面の局所的な形状に関して制
御した剛性を維持することを特徴とする研磨用パッド
(特許文献3参照)。 (4)縦弾性係数EAの大きい表層Aと、縦弾性係数E
Bの小さい下層Bとを有し、両層A、Bとの間に上記B
層よりも少なくとも縦弾性係数の大きい中間層Mを設け
たことを特徴とする研磨布(特許文献4参照)。 (5)研磨層と、研磨層より弾性の高い中間層と、柔ら
かい下地層の構成で、中間層が分割されているパッド
(特許文献5参照)。
【0006】
【特許文献1】米国特許3,504,457号明細書
【特許文献2】特開平6−21028号公報
【特許文献3】特開平6−077185号公報
【特許文献4】特開平10−156724号公報
【特許文献5】特開平11−48131号公報
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の各種研
磨パッドでは、スクラッチの発生を十分に抑制すること
ができない。本発明の目的は、上記課題を解決するもの
であって、スクラッチの発生を効果的に抑制することの
できる研磨シート及び研磨パッドを提供することにあ
る。また、該研磨シート及び研磨パッドに用いられるポ
リウレタン発泡体、その製造方法、並びにそれらを用い
た半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述のよ
うな現状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、異物を極力除
去したポリウレタン発泡体からなる研磨パッド(研磨シ
ート)により上記課題を解決できることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、イソシアネートプレポリ
マーを含む第1成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合
する工程を含む研磨シート用ポリウレタン発泡体の製造
方法であって、前記両成分の原料に含まれている異物を
200メッシュ以上(ふるい目の開き74μm以下)の
フィルターを用いて除去し、その後に両成分を混合する
ことを特徴とする研磨シート用ポリウレタン発泡体の製
造方法、に関する。
【0009】近年の半導体の配線パターンは極めて微細
化されており、その半導体ウエハ表面を研磨する研磨パ
ッドに異物が含まれている場合には、微細な配線パター
ンをスクラッチによって破壊してしまう恐れがある。本
発明は、研磨シートに用いられるポリウレタン発泡体に
含まれる異物を低減させるために前記方法にて製造する
ことを特徴とする。
【0010】フィルターのメッシュサイズは280メッ
シュ以上(ふるい目の開き53μm以下)であることが
好ましく、特に400メッシュ以上(ふるい目の開き3
7μm以下)であることが好ましい。前記方法で製造さ
れたポリウレタン発泡体を用いた研磨シートは、スクラ
ッチの発生を効果的に抑制することができ、微細化され
た配線パターンを有する半導体ウエハの研磨に好適に用
いられる。
【0011】本発明においては、前記第1成分がシリコ
ーン系界面活性剤を含有することが好ましい。
【0012】ここで、CMPプロセスを行う上で、ウエ
ハの金属汚染の問題がある。CMPプロセスにおいて、
被研磨材であるウエハを研磨すると、研磨パッド内に含
まれてた金属粒子がウエハ表面に残留する。このような
ウエハの金属汚染は、絶縁膜の信頼性の低下・リーク電
流の発生・成膜の異常などを誘発し、半導体デバイスに
大きな悪影響を及ぼし、さらに歩留まりの低下も起こ
す。これまでウエハの金属汚染を低減させるためにCM
P後にウエハ洗浄工程を行っていた。しかし、ウエハの
洗浄は、配線の酸化などのデメリットも多い。特にFe
イオンなどの金属は、洗浄による除去が難しく、ウエハ
に残留しやすい。
【0013】そのため本発明においては、前記フィルタ
ーの形成材料が非金属であることが好ましい。特に、前
記フィルターの形成材料が変性PPE樹脂又はフッ素樹
脂であることが好ましい。フィルターの形成材料とし
て、変性PPE樹脂又はフッ素樹脂などの非金属材料を
用いることにより、ろ過中に金属粒子が混入することを
防止でき、ウエハの金属汚染を低減させることができ
る。これによりウエハ洗浄工程を省略でき、又は簡易に
行うことができるため作業工程の効率化、製造コストの
削減を図ることができる。また、ウエハ洗浄工程におい
てウエハへの負荷を減らすことができるため、半導体デ
バイスの歩留まりを向上させることもできる。
【0014】また、本発明においては、前記フィルター
の形成材料の耐熱温度が120℃以上であることが好ま
しく、特に150℃以上であることが好ましい。耐熱温
度が120℃未満である場合には、120〜140℃程
度に溶融させたポリウレタン原料をろ過する場合に、フ
ィルターが変形して目詰まりしてろ過が困難になった
り、フィルターが変形して目が開きすぎて異物を十分に
捕らえられない傾向にある。
【0015】本発明は、前記製造方法により得られる研
磨シート用ポリウレタン発泡体、に関する。
【0016】また、本発明は、前記ポリウレタン発泡体
からなる研磨シート、に関する。
【0017】また、本発明は、前記研磨シートとクッシ
ョンシートとを貼り合わせてなる研磨パッド、に関す
る。
【0018】さらに、本発明は、前記研磨シート又は研
磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を
含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の研磨シート用ポリウレタ
ン発泡体は、イソシアネートプレポリマーを含む第1成
分と鎖延長剤を含む第2成分を主成分としている。
【0020】本発明に使用するイソシアネートプレポリ
マーとしては、ポリウレタンの分野において公知のイソ
シアネートプレポリマーを特に限定なく使用できる。イ
ソシアネートプレポリマーを使用すると、得られるポリ
ウレタン樹脂の物理的特性が優れたものとなる。
【0021】前記イソシアネートプレポリマーは、イソ
シアネート化合物と活性水素基含有化合物との反応物で
ある。活性水素基含有化合物としては、後述するポリオ
ール化合物や鎖延長剤が使用され、イソシアネート基
(NCO)と活性水素(H * )の当量比NCO/H *
1.2〜5.0、好ましくは1.6〜2.6の範囲で加
熱反応して、イソシアネート基末端のオリゴマーである
イソシアネートプレポリマーが製造される。本発明に使
用可能な有機イソシアネートとしては、2,4−トルエ
ンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネー
ト、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナ
フタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリ
レンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト等の芳香族ジイソシアネート類、エチレンジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等の脂肪族ジイソシアネート類、1,4−シクロヘキサ
ンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタ
ンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、
ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネ
ート類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0022】有機イソシアネートとしては、上記ジイソ
シアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソ
シアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシア
ネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル
社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として
一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されて
いる。これら3官能以上のポリイソシアネート化合物
は、単独で使用するとプレポリマー合成に際して、ゲル
化しやすいため、ジイソシアネート化合物に添加して使
用することが好ましい。
【0023】
【0024】本発明に使用する活性水素基含有化合物
は、少なくとも2以上の活性水素原子を有する有機化合
物であり、ポリウレタンの技術分野において通常ポリオ
ール化合物、鎖延長剤と称される化合物である。
【0025】活性水素基とは、イソシアネート基と反応
する水素を含む官能基であり、水酸基、第1級もしくは
第2級アミノ基、チオール基(SH)などが例示され
る。
【0026】ポリオール化合物としては、ポリウレタン
の技術分野において、通常用いられるものを挙げること
ができる。例えば、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ
−ル、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエ−
テルポリオール、ポリブチレンアジペ−トに代表される
ポリエステルポリオ−ル、ポリカプロラクトンポリオ−
ル、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコ−
ルとアルキレンカ−ボネ−トとの反応物などで例示され
るポリエステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、エチレン
カ−ボネ−トを多価アルコ−ルと反応させ、次いでえら
れた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエ
ステルポリカ−ボネ−トポリオ−ル、ポリヒドロキシル
化合物とアリ−ルカ−ボネ−トとのエステル交換反応に
より得られるポリカ−ボネ−トポリオ−ルなどが挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0027】なお、これらポリオール化合物の数平均分
子量は、特に限定されないが、得られるポリウレタン発
泡体の弾性特性等の観点から、500〜2000程度で
あることが望ましい。ポリオール化合物の数平均分子量
が500未満であると、これを用いて得られるポリウレ
タン発泡体は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーと
なり易く、このポリウレタン発泡体からなる研磨シート
が硬くなりすぎ、研磨対象加工物の研磨面のスクラッチ
の原因となる場合がある。また摩耗しやすくなるため、
研磨シートの寿命の観点からも好ましくない。一方、数
平均分子量が2000を超えると、これを用いて得られ
るポリウレタン発泡体からなる研磨シートが軟らかくな
り、十分に満足できるプラナリティーが得られにくいた
め好ましくない。
【0028】また、ポリオール化合物としては、上述し
た高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
等の低分子量ポリオールを併用しても構わない。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】活性水素基含有化合物のうちで、鎖延長剤
と称されるものは、分子量が500程度以下の化合物で
ある。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメ
チロールプロパン等に代表される脂肪族系低分子グリコ
ールやトリオール類、1,4−ビス(2−ヒドロキシエ
トキシ)ベンゼン、m−キシリレンジオール等に代表さ
れる芳香族系ジオール類、4,4’−メチレンビス(o
−クロロアニリン)、2,6−ジクロロ−p−フェニレ
ンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロ
ロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−
トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,
6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−
2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6
−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノ
ベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチ
オ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル
−5,5’−ジメチルジフェニルメタン等に代表される
ポリアミン類等を挙げることができる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】本発明における有機イソシアネート、ポリ
オール化合物、鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれら
から製造される研磨パッドの所望物性などにより種々変
え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るた
めには、ポリオール化合物と鎖延長剤の合計官能基数に
対する有機イソシアネートのイソシアネート基数は、
0.95〜1.15の範囲が好ましく、さらに好ましく
は0.99〜1.10である。
【0031】ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など
公知のウレタン化技術を応用して製造することができる
が、本発明のポリウレタン発泡体に関しては、気孔(気
泡)をポリウレタン中に取り込む必要があること、さら
にコスト、作業環境などを考慮して溶融法で製造するこ
とが好ましい。
【0032】本発明のポリウレタン発泡体の製造方法
は、イソシアネートプレポリマーを含む第1成分と前記
鎖延長剤を含む第2成分とを混合する工程を含む。
【0033】本発明においては、前記両成分を混合する
前に、両成分の原料に含まれている異物をフィルターを
用いて除去する。
【0034】フィルターの形成材料は特に制限されず、
例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属、P
FA(パーフルオロアルコキシアルカン)、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、及びPFEP(パー
フルオロエチレンプロピレンコーポリマー)などのフッ
素樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、変性PPE樹
脂(変性ポリフェニレンエーテル)、カーボンファイバ
ーなどが挙げられるが、本発明においては非金属材料で
あることが好ましく、特に耐熱性等の観点から変性PP
E樹脂又はフッ素樹脂からなるフィルターが好ましい。
【0035】本発明において、フィルターのメッシュサ
イズは200メッシュ以上(ふるい目の開き74μm以
下)である。メッシュサイズが200メッシュ未満の場
合には、メッシュの目開きが大きくなり、微細な異物を
十分に除去できない。
【0036】ポリウレタン樹脂の発泡体の製造方法とし
ては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化
学的発泡法などが挙げられる。なお、中空ビーズを添加
させる方法においては、両成分の原料に含まれている異
物を除去後、両成分を混合する際に中空ビーズを添加す
ることが好ましい。
【0037】特に、ポリアルキルシロキサンとポリエー
テルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコー
ン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。か
かるシリコーン系界面活性剤としては、SH−192
(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物と
して例示される。
【0038】シリコーン系界面活性剤は、第1成分又は
第2成分のいずれに添加してもよいが、第1成分に添加
することが好ましい。
【0039】なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定
剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤
を加えてもよい。これらは、第1成分又は第2成分のい
ずれに添加してもよいが、両成分を混合する際に添加す
ることが好ましい。
【0040】研磨シートを構成する微細気泡タイプのポ
リウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説
明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下
の工程を有する。
【0041】1)イソシアネートプレポリマーの気泡分散
液を作製する発泡工程 フィルタリング(ろ過)したイソシアネートプレポリマ
ーにフィルタリングしたシリコーン系界面活性剤を添加
し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微
細気泡として分散させて気泡分散液とする。プレポリマ
ーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融し
て使用する。 2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程 上記の気泡分散液にフィルタリングした鎖延長剤を添
加、混合、撹拌して発泡反応液とする。 3)注型工程 上記の発泡反応液を金型に流し込む。 4)硬化工程 金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させ
る。
【0042】ポリウレタン発泡体の製造工程において、
発泡体原料と直接接触する表面が金属でない計量容器、
重合容器、撹拌翼、及び注型容器を用いて製造すること
が好ましい。例えば、フッ素樹脂のようなポリマーで表
面をコーティングしたものが挙げられる。これらを用い
ることにより発泡体に混入する金属量をさらに低減させ
ることができ、該発泡体からなる研磨シートを使用した
場合には、さらにスクラッチの発生及び研磨後のウエハ
の金属汚染を防止することができる。
【0043】前記微細気泡を形成するために使用される
非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、
具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン
等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水
分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
【0044】非反応性気体を微細気泡状にしてシリコー
ン系界面活性剤を含むイソシアネートプレポリマーに分
散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定
なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディ
ゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサ
ー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限
定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気
泡が得られ好ましい。
【0045】なお、発泡工程において気泡分散液を作成
する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合
する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい
態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成す
る撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌
装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、
遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹
拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要
に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調
整を行って使用することも好適である。
【0046】該ポリウレタン発泡体の製造方法において
は、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反
応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡
体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適で
ある。金型に発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブ
ン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そ
のような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されない
ので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常
圧で行うことが気泡形状が安定するために好ましい。
【0047】該ポリウレタン発泡体において、第3級ア
ミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使
用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程
後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択す
る。
【0048】該ポリウレタン発泡体の製造は、フィルタ
リング後の各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバ
ッチ方式であっても、また撹拌装置にフィルタリング後
の各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気
泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式で
あってもよい。
【0049】本発明において、研磨シートを作製する方
法は特に制限されるものではなく一般的な方法を用いる
ことができる。例えば、研磨シートの原料となるフィル
タリング後のプレポリマーを反応容器に入れ、フィルタ
リング後の硬化剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型
に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あ
るいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする
方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても
良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し
出し成形し直接シート状の発泡体を得ても良い。
【0050】本発明において、前記ポリウレタン発泡体
の平均気泡径は、70μm以下であることが好ましい。
この範囲から逸脱する場合は、研磨後の被研磨材のプラ
ナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
【0051】本発明において、前記ポリウレタン発泡体
の比重は、0.5〜1.0g/cm 3 であることが好ま
しい。比重が0.5g/cm3 未満の場合、研磨シート
の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下す
る傾向にある。また、1.0g/cm3 より大きい場合
は、研磨シート表面の気泡数が少なくなり、プラナリテ
ィは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
【0052】本発明において、前記ポリウレタン発泡体
の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜65度である
ことが好ましい。アスカーD硬度が45度未満の場合に
は、被研磨材のプラナリティが低下し、また、65度よ
り大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨
材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にあ
る。
【0053】本発明において、前記ポリウレタン発泡体
の圧縮率は、0.5〜5.0%であることが好ましい。
前記範囲に圧縮率があることにより、研磨後の被研磨材
のプラナリティとユニフォミティを両立させることが可
能となる。
【0054】本発明において、前記ポリウレタン発泡体
の圧縮回復率は、50〜100%であることが好まし
い。圧縮回復率が50%未満の場合には、被研磨材によ
る繰り返しの荷重が研磨中に研磨シートにかかるにつれ
て、研磨シートの厚みに大きな変化が現れ、研磨特性の
安定性が低下する傾向にある。
【0055】本発明において、前記ポリウレタン発泡体
の貯蔵弾性率は、測定温度40℃、測定周波数1Hzに
おいて、200MPa以上であることが好ましい。貯蔵
弾性率とは、発泡体に、動的粘弾性測定装置を用いて引
っ張り試験用治具を用い、正弦波振動を加えて測定した
弾性率のことをいう。貯蔵弾性率が200MPa未満の
場合には、研磨シートの表面強度が低下し、研磨後の被
研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。
【0056】本発明の研磨シートの被研磨材と接触する
研磨表面には、スラリーを保持・更新する表面形状を有
することが好ましい。発泡体からなる研磨シートは、研
磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する
働きを持っているが、更なるスラリーの保持性とスラリ
ーの更新を効率よく行うため、また被研磨材との吸着に
よる被研磨材の破壊を防ぐためにも、研磨表面に凹凸構
造を有することが好ましい。凹凸構造は、スラリーを保
持・更新する形状であれば特に限定されるものではな
く、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通し
ていない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放
射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられ
る。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般
的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものに
するため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を
変化させることも可能である。
【0057】前記凹凸構造の作製方法は特に限定される
ものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような
治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した
金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する
方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレス
し作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する
方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザ
ーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げら
れる。
【0058】また、前記研磨シートの厚みバラツキは1
00μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが1
00μmを越えるものは、研磨シートに大きなうねりを
持ったものとなり、被研磨材に対する接触状態が異なる
部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨シ
ートの厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨
初期に研磨シート表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着
させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範
囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産
効率を低下させるものとなる。
【0059】研磨シートの厚みのバラツキを抑える方法
としては、所定厚みにスライスした研磨シート表面をバ
フィングする方法が挙げられる。また、バフィングする
際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが
好ましい。
【0060】本発明の研磨パッドは、前記研磨シートと
クッションシートとを貼り合わせてなるものである。
【0061】前記クッションシート(クッション層)
は、研磨シートの特性を補うものである。クッションシ
ートは、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプ
ラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるため
に必要なものである。プラナリティとは、パターン形成
時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパ
ターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研
磨材全体の均一性をいう。研磨シートの特性によって、
プラナリティを改善し、クッションシートの特性によっ
てユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドに
おいては、クッションシートは研磨シートより柔らかい
ものを用いる。
【0062】前記クッションシートに使用されるものと
しては、研磨シートより柔らかいものであれば特に限定
されるものではない。例えば、ポリエステル不織布、ナ
イロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリ
ウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含
浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォー
ムなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられ
る。
【0063】研磨シートとクッションシートとを貼り合
わせる手段としては、例えば、研磨シートとクッション
シートとを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられ
る。
【0064】前記両面テープは、不織布やフィルム等の
基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するもの
である。クッションシートへのスラリーの浸透等を防ぐ
ことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ま
しい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接
着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの
含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン
含有量が少ないため好ましい。また、研磨シートとクッ
ションシートは組成が異なることもあるため、両面テー
プの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を
適正化することも可能である。
【0065】本発明の研磨パッドは、クッションシート
のプラテンと接着する面に両面テープが設けられていて
もよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両
面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いる
ことができる。基材としては、例えば不織布やフィルム
等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの
剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ま
しい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接
着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの
含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン
含有量が少ないため好ましい。また、クッションシート
とプラテンは組成が異なることが多く、両面テープの各
接着層の組成を異なるものとし、クッションシート、及
びプラテンへの接着力を適正化することも可能である。
【0066】半導体デバイスは、前記研磨シート又は研
磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を
経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウ
エハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半
導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例
えば、図1に示すように研磨パッド(研磨シート)1を
支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持
台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行う
ためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研
磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例え
ば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に
装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支
持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するよう
に配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。ま
た、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に
押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際して
は、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエ
ハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しなが
ら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回
転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整し
て行う。
【0067】これにより半導体ウエハ4の表面の突出し
た部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイ
シング、ボンディング、パッケージング等することによ
り半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演
算処理装置やメモリー等に用いられる。
【0068】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例等における評価
項目は下記のようにして測定した。
【0069】(平均気泡径測定)作製したポリウレタン
発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカ
ッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料
とした。試料をスライドガラス上に固定し、画像処理装
置(東洋紡社製、Image AnalyzerV1
0)を用いて、任意の0.2mm×0.2mm範囲の全
気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。測定結果を表
1に示す。
【0070】(比重測定)JIS Z8807−197
6に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4
cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出した
ものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度5
0%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計
(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。測定結
果を表1に示す。
【0071】(硬度測定)JIS K6253−199
7に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を2
cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したもの
を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%
±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を
重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計
器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定し
た。測定結果を表1に示す。
【0072】(圧縮率及び圧縮回復率測定)研磨シート
を直径7mmの円(厚み:任意)に切り出したものを圧
縮率及び圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2
℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定
には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRU
MENTS製、SS6000)を用い、圧縮率と圧縮回
復率を測定した。測定結果を表1に示す。なお、圧縮率
と圧縮回復率の計算式を下記に示す。
【0073】 圧縮率(%)={(T1―T2)/T1}×100 T1:研磨シートに無負荷状態から30KPa (300
g/cm2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シ
ートの厚み T2:T1の状態から180KPa (1800g/cm
2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シートの厚
み 圧縮回復率(%)={(T3―T2)/(T1―T
2)}×100 T1:研磨シートに無負荷状態から30KPa (300
g/cm2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シ
ートの厚み T2:T1の状態から180KPa (1800g/cm
2 )の応力負荷を60秒間保持した時の研磨シートの厚
み T3:T2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、そ
の後、30KPa (300g/cm2 )の応力負荷を6
0秒間保持した時の研磨シートの厚み (貯蔵弾性率測定)JIS K7198−1991に準
拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を3mm×
40mmの短冊状(厚み;任意)に切り出したものを動
的粘弾性測定用試料とし、23℃の環境条件で、シリカ
ゲルを入れた容器内に4日間静置した。切り出した後の
各シートの正確な幅および厚みの計測は、マイクロメー
タにて行った。測定には動的粘弾性スペクトロメーター
(岩本製作所製、現アイエス技研)を用い、貯蔵弾性率
E’を測定した。その際の測定条件を下記に示す。ま
た、測定結果を表1に示す。 <測定条件> 測定温度 :40℃ 印加歪 :0.03% 初期荷重 :20g 周波数 :1Hz (研磨特性の評価)研磨装置としてSPP600S(岡
本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用い
て、研磨特性の評価を行った。研磨速度は、8インチの
シリコンウエハに熱酸化膜を1μm製膜したものを、約
0.5μm研磨して、このときの時間から算出した。酸
化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社
製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シ
リカスラリー(SS12 キャボット社製)を研磨中に
流量150ml/min添加した。研磨荷重としては3
50g/cm2、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回
転数30rpmとした。平坦化特性の評価では、8イン
チシリコンウエハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた
後、所定のパターニングを行った後、p−TEOSにて
酸化膜を1μm堆積させ、初期段差0.5μmのパター
ン付きウエハを作製し、このウエハを前述条件にて研磨
を行い、研磨後、各段差を測定し平坦化特性を評価し
た。平坦化特性としては2つの段差を測定した。一つは
ローカル段差であり、これは幅270μmのラインが3
0μmのスペースで並んだパターンにおける段差であ
り、1分後の段差を測定した。もう一つは削れ量であ
り、幅270μmのラインが30μmのスペースで並ん
だパターンと幅30μmのラインが270μmのスペー
スで並んだパターンにおいて、上記の2種のパターンの
ライン上部の段差が2000Å以下になるときの270
μmのスペースの削れ量を測定した。ローカル段差の数
値が低いとウエハ上のパターン依存により発生した酸化
膜の凹凸に対し、ある時間において平坦になる速度が速
いことを示す。また、スペースの削れ量が少ないと削れ
て欲しくない部分の削れ量が少なく平坦性が高いことを
示す。測定結果を表2に示す。
【0074】(スクラッチ数の測定)トプコン社製のウ
エハ表面検査装置(WM2500)を用いて、ウエハ上
に0.2μm以上の条痕がいくつあるかを測定した。測
定結果を表2に示す。
【0075】<研磨パッドの作製> 実施例1 フッ素コーティングした反応容器内に、変性PPE樹脂
製で♯400メッシュのフィルター(耐熱温度:150
℃)を用いてフィルタリングしたポリエーテル系プレポ
リマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、イ
ソシアネート基濃度:2.22meq/g)100重量
部と、前記フィルターを用いてフィルタリングしたシリ
コーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社
製、SH192)3重量部とを混合し、反応温度を80
℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌翼を用い
て、回転数900rpmにて撹拌し、発泡体密度が0.
82g/cm3 となる液面高さをレーザー変位計にて検
知し、撹拌翼の回転速度を600rpmに低下させると
共に120℃に調整しながら撹拌を行った。そこへ予め
120℃の温度で溶融させ、前記フィルターを用いてフ
ィルタリングした4,4’−メチレンビス(o−クロロ
アニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンM
T)26重量部を添加した。約1分間撹拌を続けた後、
フッ素コーティングしたパン型のオープンモールドへ反
応溶液を流し込んだ。そして、反応溶液の流動性がなく
なった時点で、オーブン内に入れ、110℃で6時間ポ
ストキュアを行いポリウレタン発泡体ブロックを得た。
このポリウレタン発泡体ブロックからバンドソータイプ
のスライサー(フェッケン社製)を使用してポリウレタ
ン発泡体シートを得た。次にこのシートをバフ機(アミ
テック社製)を使用して、1.27mmの厚さになるよ
うに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした。こ
のバフ処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち
抜き、溝加工機(テクノ社製)を用いて表面に溝幅0.
25mm、溝ピッチ1.50mm、溝深さ0.40mm
の同心円状の溝加工を行った。この研磨シートの溝加工
面と反対側の面にラミ機を使用して、両面テープ(積水
化学工業社製、ダブルタックテープ)を貼り、更に、コ
ロナ処理をしたクッションシート(東レ社製、ポリエチ
レンフォーム、トーレペフ、厚み0.8mm)の表面を
バフがけ、ラミ機を使用して前記両面テープに貼り合わ
せた。さらに、クッションシートの他面にラミ機を使用
して両面テープを貼り合わせて研磨パッドを作製した。
【0076】実施例2 実施例1において、変性PPE樹脂製で♯200メッシ
ュのフィルター(耐熱温度:150℃)を用いてフィル
タリングした以外は実施例1と同様の方法により研磨パ
ッドを作製した。
【0077】比較例1 実施例1において、各原料をフィルタリングせずに使用
した以外は実施例1と同様の方法により研磨パッドを作
製した。
【0078】比較例2 実施例1において、サス製で♯100メッシュのフィル
ターを用いてフィルタリングした以外は実施例1と同様
の方法により研磨パッドを作製した。
【0079】
【表1】
【表2】 以上に示すように、200メッシュ以上のフィルターを
用いて異物を除去して製造したポリウレタン発泡体から
なる研磨パッドは、研磨後のウエハ表面に発生するスク
ラッチを効果的に抑制することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概
略構成図
【符号の説明】
1:研磨パッド(研磨シート) 2:研磨定盤 3:研磨剤(スラリー) 4:被研磨材(半導体ウエハ) 5:支持台(ポリシングヘッド) 6、7:回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 101:00) C08G 18/08 C08L 75:04 (72)発明者 下村 哲生 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社総合研究所内 (72)発明者 中森 雅彦 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 孝敏 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開2000−212226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08L 75/04 - 75/12 C08J 5/14 CFF B24B 37/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアネートプレポリマーを含む第1
    成分と鎖延長剤を含む第2成分とを混合する工程を含む
    研磨シート用ポリウレタン発泡体の製造方法であって、
    前記両成分の原料に含まれている異物を200メッシュ
    以上(ふるい目の開き74μm以下)のフィルターを用
    いて除去し、その後に両成分を混合することを特徴とす
    る研磨シート用ポリウレタン発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1成分が、シリコーン系界面活性
    剤を含有する請求項1記載の研磨シート用ポリウレタン
    発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 フィルターの形成材料が非金属である請
    求項1又は2記載の研磨シート用ポリウレタン発泡体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 形成材料が変性PPE樹脂又はフッ素樹
    脂である請求項3記載の研磨シート用ポリウレタン発泡
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 フィルターの形成材料の耐熱温度が12
    0℃以上である請求項1〜4のいずれかに記載の研磨シ
    ート用ポリウレタン発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方
    法により得られる研磨シート用ポリウレタン発泡体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のポリウレタン発泡体から
    なる研磨シート。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の研磨シートとクッション
    シートとを貼り合わせてなる研磨パッド。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の研磨シート又は請求項8
    記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨す
    る工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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