JP3489767B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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JP3489767B2
JP3489767B2 JP02168596A JP2168596A JP3489767B2 JP 3489767 B2 JP3489767 B2 JP 3489767B2 JP 02168596 A JP02168596 A JP 02168596A JP 2168596 A JP2168596 A JP 2168596A JP 3489767 B2 JP3489767 B2 JP 3489767B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は極めて薄い偏光子、
偏光板、該偏光子を有する液晶表示装置およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に用いられる偏光板は、従
来ポリビニルアルコールなどの高分子物質からなる配向
制御体に、ヨウ素または染料などの二色性分子を溶解又
は吸着させ、その膜を1方向に引き延ばして二色性分子
を配列させる方法、および1軸方向に延伸したフィルム
に上記の二色性分子を吸着させる方法によって得られる
た偏光素子をトリアセチルセルロースなどの保護フィル
ムにより挟持して得られる。
【0003】しかしながら、上記の方法では二色性分子
を配向させるための配向制御体を必ず延伸しなくてはな
らず、そのために一方向にしか配向していない偏光板し
か製造できないなどの制約を受けていた。
【0004】これに対して、近年、特開平7−2610
24のように、基板上に設けられた光活性分子を有する
層、またはラビング処理された基板、または複屈折性を
有する基板等の配向制御体上に二色性を示す分子層を設
けることにより、延伸工程を全く必要とせず、しかも任
意の偏光軸を有する偏光板が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶表示装置は
薄型、軽量化が進み、表示体に関わるあらゆる部材が小
型化、薄型化、軽量化されてきた。しかしながら、その
中で従来の製法および特開平7−261024による偏
光板は、いずれも二色性分子を特定の方向に配向させる
ための配向制御体が常に存在し、そのために偏光板の部
分だけは薄型化を十分に行うことができなかった。特に
従来の配向制御体としてポリビニルアルコールフィルム
等を用いて偏光板を作成する方法は、延伸されたポリビ
ニルアルコールフィルムが延伸方向に裂けやすいため、
さらに両側に保護層を設けなければならず、液晶表示装
置全体の厚みを増してしまうという問題があった。さら
に、従来のポリビニルアルコールを延伸して偏光板を作
成する方法では、延伸されたポリビニルアルコールフィ
ルムが、熱や湿度により収縮するため、液晶セルのガラ
ス面と偏光板の間にある粘着剤が剥離してしまうという
問題もあり、その解決が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこのような
状況に鑑み鋭意検討した結果、本発明を完成した。即ち
本発明は、(1)配向した二色性分子層の両面に接着剤
層を有する偏光子、(2)(1)の偏光子の一方の外面
に光透過性または光反射性の基材を有し、他方の外面に
剥離性の基材を有する偏光板、(3)光透過性の基材の
全光線透過率が20%以上である(2)に記載の偏光
板、(4)二色性分子を配向させる性質を有する基板上
に二色性分子層設けて二色性分子を配向させた後、該二
色性分子層上に、接着剤層を有する剥離性の基材の接着
剤層面を積層し、次いで基材を剥離することによって該
二色性分子層を該接着剤層に転写し、その後転写された
二色性分子層面上に接着剤層を有する光透過性または光
反射性の基材の接着剤層面を積層することを特徴とする
偏光板の製造方法、(5)(1)の偏光子を、光透過性
または光反射性の基材面と液晶セルのガラス面との間に
有することを特徴とする透過型または反射型液晶表示装
置、(6)(2)または(3)の偏光板上の剥離性の基
材を剥がして接着剤層を露出させた後、該偏光板の該接
着剤層を液晶セルのガラス面に積層することを特徴とす
る透過型または反射型液晶表示装置の製造方法、に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における二色性分子層は、
二色性分子が配向した層であり、この層の存在により、
本発明の偏光子は偏向性能を発揮する。この二色性分子
層は二色性分子、及び必要に応じて添加される界面活性
剤等の添加剤、からなり、従来の偏光素子や偏光板と異
なり、ポリビニルアルコール等の配向制御物質が存在し
ない層である。
【0008】本発明において、二色性分子層に用いられ
る二色性分子は、それ自身または集合体で一定方向に配
列することにより、偏光性を示す化合物であり、例えば
芳香族系環構造を有する化合物が好ましい。芳香族系環
構造としては、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、
フェナントレンのほかに、チアゾール、ピリジン、ピリ
ミジン、ピリダジン、ピラジン、キノリンなどの複素環
あるいはこれらの4級塩、さらにはこれらとベンゼンや
ナフタリンなどとの縮合環が特に好ましい。又、これら
の芳香族系環にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの
親水性置換基が導入されていることが好ましい。
【0009】二色性分子の具体例としては、例えばアゾ
系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフ
ェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色
素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系
化合物をあげることができる。水溶性のものが好ましい
が、この限りではない。又、これらの二色性分子にスル
ホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入
されていることが好ましい。二色性分子の具体例として
は、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シ
ー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダ
イレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダイレクト.レ
ッド 39、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シ
ー.アイ.ダイレクト.レッド 81、シー.アイ.ダ
イレクト.レッド 83、シー.アイ.ダイレクト.レ
ッド 89 、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット
48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー 67、シ
ー.アイ.ダイレクト.ブルー 90、シー.アイ.ダ
イレクト.グリーン 59、シー.アイ.アシッド.レ
ッド 37等が挙げられ、さらに特開平1−16120
2号、特開平1−172906号、特開平1−1729
07号、特開平1−183602号、特開平1−248
105号、特開平1−265205号、特開平7−26
1024号、の各公報記載の色素等が挙げられる。これ
らの二色性分子は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。これら
の二色性分子は2種以上を配合することにより、各種の
色相を有する偏光子を製造することができる。偏光素子
または偏光板として偏光軸を直交させた時に黒色を呈す
る化合物(色素)や黒色を呈するように各種の二色性分
子を配合したものが単板透過率、偏光率とも優れており
好ましい。
【0010】本発明における接着剤層は透明であること
が望ましいが、本発明の偏光子に存在する二つの接着剤
層のうち一つの層は、接着剤中に真珠顔料等を分散させ
て不透明にしたものでも良い。この不透明な接着剤層は
本発明の偏光板において、光透過性または光反射性の基
材を接着させる層として使用される。又、本発明におけ
る接着剤層の厚さは、得られる液晶表示装置を薄型化す
る上で薄くすることが好ましく、例えば100μm以
下、より好ましくは10〜50μm程度が良い。
【0011】本発明において、接着剤層に用いられる接
着剤としては、もの同士を接着しうるものであれば特に
制限はないが、感圧性の接着剤が好ましい。その具体例
としては、例えばアクリル樹脂系粘着剤があげられる。
アクリル樹脂系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルと他の重合性モノマーとの共重合
体があげられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル等があげられ
る。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは1
種または2種以上使用してもよい。他の重合性モノマー
としては、例えば分子中にカルボキシル基を有する重合
性モノマー、分子中に水酸基を有する重合性モノマー、
分子中にアミド基を有する重合性モノマー、官能基不含
有のモノマー等があげられる。これらの他の重合性モノ
マーは通常2種以上使用される。本発明で使用されるア
クリル樹脂系粘着剤は、使用するモノマーを有機溶剤に
溶解し、一般的な周知方法によりラジカル共重合させる
ことにより容易に製造できる。
【0012】本発明の偏光子の一方の外面に光透過性ま
たは光反射性の基材層を設け、他方の外面に剥離性の基
材層を設けることにより、所望の場所に貼付しうる偏光
板を得ることができる。光透過性または光反射性の基材
層の厚さは、得られる液晶表示装置を薄型化する上で薄
くすることが好ましく、例えば500μm以下、より好
ましくは10〜200μm、さらに好ましくは50〜1
00μm程度が良い。
【0013】光透過性または光反射性の基材は、例えば
透明なプラスチックフィルム、該フィルムを加工したも
の、乳白色のフィルム等があげられる。プラスチックフ
ィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート
等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、
塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ア
クリレート樹脂製のフィルム等があげられ、該フィルム
を加工したフィルムとしては、フィルム内に微小な気泡
を形成させたフィルムがあげられる。また、乳白色のフ
ィルムとしては、例えばこれらのプラスチックに酸化チ
タン等の金属酸化物を添加してフィルム化したもの等が
あげられる。また、上記のフィルムは可視光領域におけ
る全光線透過率が20%以上、透過型および反射型を兼
ね備えた液晶表示装置に用いる場合には、30〜60%
が好ましい。
【0014】光反射性の基材は、例えば上記のプラスチ
ックフィルム上に微粒子を分散させた紫外線硬化樹脂を
塗布した後紫外線を照射して硬化させて微細な凸凹を有
する表面を形成し、さらにその表面に反射する物質、例
えばアルミニウム、銀などの金属物質を蒸着させる方法
や圧延した金属箔をプラスチックフィルムに積層させる
方法等の方法により得られる。
【0015】剥離性の基材としては、例えばプラスチッ
クフィルムの表面にシリコーン系樹脂やフッ素樹脂等に
より離型処理を施したフィルム等があげられる。
【0016】本発明の偏光子、偏光板は例えば次のよう
にして製造される。即ち、二色性分子を配向させる性質
を有する基板(配向制御体)上に、二色性分子層を設け
て二色性分子を配向させた後、該二色性分子層上に、接
着剤層を有する剥離性の基材の接着剤層面を積層し、次
いで基板を剥離することによって該二色性分子層を該接
着剤層に転写し、その後転写された二色性分子層面上に
接着剤層を有する光透過性または光反射性の基材の接着
剤層面を積層すればよい。なお、剥離された二色性分子
を配向させる性質を有する基板は再び偏光子、偏光板を
作成する際に用いることができる。
【0017】二色性分子を配向させる性質を有する基板
(配向制御体)としては、例えば直線偏光を照射して分
子軸配向変化を起こさせた光活性分子層を有する基板、
ラビング処理された基板、または複屈折性を有する基板
等があげられる。複屈折性を有する基板としては、例え
ばポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチ
レン系樹脂等の基板(フィルム)があげられるが、これ
らの樹脂基板を延伸処理したものが好ましい。
【0018】光活性分子層を設ける基板、ラビング処理
される基板としては、光活性分子が結合もしくは塗布し
うるもの、あるいはラビング処理できるものであればよ
く、例えばシリカ系ガラス、硬質ガラス等のガラス板、
石英板等や、ABS樹脂、アセタール樹脂、(メタ)ア
クリル樹脂、トリアセチルセルロース、塩素化ポリエー
テル、エチレン−酢ビ共重合体、ふっ素樹脂、アイオノ
マー、メチルペンテンポリマー、ナイロン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイ
ミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスル
フィド、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホ
ン、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AS樹脂、
塩化ビニル樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、アミノ樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、
ポリウレタン等の各種素材のプラスチック板やシート
(フィルム)、あるいはそれらの表面に、酸化珪素、酸
化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化珪
素、炭化珪素などを被覆したものが用いられる。あるい
はまた、反射能の高い金属薄膜で表面を被覆した基板
(フィルム)も用いることができる。
【0019】二色性分子を配向させる性質を有する基板
上に二色性分子層を設けるには、例えば次のようにすれ
ばよい。上記の二色性分子の単独物又は複数の混合物を
水、メタノール、エタノールなどの親水性溶媒もしくは
その含水溶媒に溶解して二色性分子の溶液をうる。濃度
は、好ましくは0.1〜15w/w%、より好ましくは
2.0〜12w/w%程度である。又、この溶液に界面
活性剤を加えることもできる。界面活性剤としては、カ
チオン系、ノニオン系、アニオン系のいずれでも使用で
きるが、ノニオン界面活性剤が好ましい。次に、この二
色性分子の溶液を、二色性分子を配向させる性質を有す
る基板上にグラビアコーター等により、又は該基板表面
に滴下してから、回転塗布法により均一に塗布し、乾燥
して上記色素からなる均一の厚みを持つ二色性分子の層
を設ける。あるいは、この二色性分子の溶液に、該基板
を浸漬した後、これを引き上げる。均一の二色性分子の
濃度を得るために、引き上げる速度は一定に保つことが
好ましい。二色性分子層の厚さは、偏光特性の向上とい
う観点から、薄い方が好ましく、例えば10μ以下、特
に0.1〜2μであることが好ましい。
【0020】上記の二色性分子の溶液を付着させた基板
は乾燥され、固体状態の二色性分子層が形成される。溶
媒の種類、二色性分子の種類、塗布した二色性分子の溶
液の量、二色性分子の濃度などによって乾燥条件は異な
るが、温度としては室温〜100℃、好ましくは室温〜
60℃、湿度は20〜80%RH、好ましくは30〜7
0%RH程度がよい。
【0021】このように二色性分子を配向させる性質を
有する基板上に二色性分子を吸着させるだけで、二色性
分子の分子軸が基板上の規定された方向に配列し、偏光
素子としての性質が発揮される。この異方性吸着二色性
分子層は、例えばアモルフォスや結晶等の固体状態にあ
り、剥がれやすいので、該二色性分子層に接着剤層を積
層したのち基板を剥がすことにより、該二色性分子層は
配向を保持したまま接着剤層に転写される。
【0022】本発明の偏光子、偏光板を製造するために
使用される、分子軸配向変化を起こさせた光活性分子層
を有する基板は、例えば基板上に設けられた光活性分子
層に直線偏光を照射することにより得られる。照射する
偏光の波長は、光活性分子が吸収する波長であれば特に
制限はなく、例えば可視光線のみならず紫外線や赤外線
の領域の光線でもよい。光源としては、水銀灯、キセノ
ン灯、蛍光灯、ケミカルランプ、ヘリウム−カドミウム
レーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム
−ネオンレーザ、半導体レーザ、さらには、太陽光など
のいずれでもよく、光活性分子の吸収波長領域や光照射
時間、あるいは照射面積などによって選択すればよい。
直線偏光とするには、これらの光源から発する光に直線
偏光素子や直線偏光板を組み合わせればよい。このため
の偏光素子や偏光板としては、例えばグラントムソンプ
リズムなどのプリズム系素子、二色性分子を溶解または
吸着して延伸した高分子膜からなる偏光素子や偏光板が
あげられる。さらには、本発明によって製造される偏光
素子(板)も利用することができる。ここで使用する直
線偏光の露光エネルギーは、波長、光活性分子の構造、
結合状態、照射温度などにより異なるが、1mJ/cm
2 から10J/cm2 の範囲が望ましい。尚、レーザを
光源とする場合は、レーザビーム自体が直線偏光であれ
ば偏光素子(板)を必要としない。
【0023】光活性分子層に分子軸配向変化を起こさせ
るためには、希望するマスクパターンを通して直線偏光
を光活性分子層に照射すればよい。レンズ等を用いて直
線偏光を発散させたり集光することにより、パターンを
大きく拡大したり、逆にきわめて微細なパターンとする
ことができる。又、レーザを光源とする場合であって、
レーザビーム自体が直線偏光であれば、ファラデー素子
のような偏光面回転素子と組み合わせることによって、
きわめて微細なパターンを自在に描画できる。さらに、
光活性分子の直線偏光による分子軸配向変化は可逆的で
あるから、マスクパターンごとに異なる偏光軸の直線偏
光を照射することによりパターンを自由に重ね書きする
ことができる。
【0024】尚、上記の光活性分子層に存在する光活性
分子は直線偏光によって分子軸配向変化を起こす分子の
ことである。ここでいう分子軸配向変化とは、直線偏光
の光エネルギーを吸収したのちに、その分子軸の方向が
変わる現象である。このための光活性分子としては、C
=C、C=N、N=Nから選ばれた少なくとも一つの二
重結合を含み、その二重結合が非芳香族性である分子が
有効に使用される。この光活性分子の吸収する光の波長
は可視光域のものにとどまらず、肉眼では観察されない
紫外線や赤外線の領域のものも含まれる。この光活性分
子の層に、該分子が吸収する波長範囲を含む直線偏光を
照射すると容易に分子軸配向変化を起こす。このような
光活性分子やこの光活性分子を基板上に設ける方法の具
体例は、例えばWO 95/07474号に記載されて
いる。
【0025】本発明の偏光子、偏光板を製造するために
使用される、ラビング処理された基板は、未処理の基板
をラビング剤で一定方向にラビング(擦る)することに
より得られる。ラビング剤としては、布、紙、皮革、
綿、フェルト、バフ等を、場合によりクレー、ジルコニ
ア、アルミナ等の研磨剤と共に用いることができる。
又、ラビングの程度はラビング剤によって異なるが、ラ
ビングの回数は1〜30回が望ましい。
【0026】上記の二色性分子層を設ける際に、直線偏
光照射前の光活性分子層やラビング処理面にコロナ放電
処理や紫外線照射を行うことによってさらに二色性分子
の配向特性を高めることが可能である。コロナ放電処理
を行う装置としては市販の各種コロナ放電処理機が適用
可能である。コロナ放電処理の条件は、基板の種類、コ
ロナ放電処理後に塗布する二色性分子層の組成や膜厚、
光活性分子層を処理する場合その組成や厚さ等の条件に
よって異なるが、1回当たりの処理に際しては、エネル
ギー密度として20〜400W・min/m2 、好まし
くは50〜300W・min/m2 程度である。又は1
回の処理で不十分な場合は2回以上処理を行うことがで
きる。又、紫外線照射を行う場合、使用する紫外線の波
長は、特に制限はないが、例えば300nm以下の遠紫
外線が好ましい。又、紫外線照射は酸素気流下に行なう
ことが好ましい。紫外線照射を行う装置としては市販の
各種紫外線照射器が適用可能である。紫外線照射の条件
は、基板の種類、紫外線照射後に塗布する二色性分子層
の組成や膜厚、光活性分子層を処理する場合その組成や
厚さ等の条件によって異なるが、照射時間は長くても数
分程度で十分である。
【0027】本発明の液晶表示装置は、上記の偏光子を
光透過性または光反射性の基材面と液晶セルのガラス面
との間に有する。この液晶表示装置の一実施例の部分断
面図を図1に示す。図1は反射型液晶表示装置の部分断
面図である。図1において、1は反射板、2は接着剤
層、3は二色性分子のみからなる偏光子、4は液晶セル
部、5は偏光板である。反射型液晶表示装置は外光を光
源とするため光源部が不要となるが、透過型液晶表示装
置の場合には光源部が必要となる。
【0028】本発明に用いられる液晶表示装置の液晶セ
ル部4は例えば、スペーサーにより一定の間隔を隔てて
設けられた2枚のガラス基板の間に液晶が充填されてお
り、上部ガラス基板の内側と下部のガラス基板の内面に
はそれぞれ内部電極が設けられている。内部電極は、微
小な画素電極が多数縦横に配列されて構成されている。
【0029】本発明の液晶表示装置に用いられる偏光板
5は従来より使用されている種々の偏光板を用いること
ができるが、例えば、ポリビニルアルコールなどの高分
子物質からなる配向制御フィルムに、ヨウ素または染料
などの二色性分子を溶解又は吸着させ、その膜を1方向
に引き延ばして二色性分子を配列させた後、トリアセチ
ルセルロースなどの保護フィルムを適当な接着剤を用い
て挟持することにより得られる偏光板等が挙げられる。
本発明の偏光子や偏光板が使用できることはもちろんで
ある。
【0030】本発明の液晶表示装置は上記の本発明の偏
光板上の離型処理されたフィルムを剥がして粘着剤層を
露出させた後、該偏光板上の粘着剤層を液晶セルのガラ
ス面に積層することにより得ることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例 光活性分子を有するフィルム状の基板の光学活性分子面
に、コロナ放電処理を施した後、偏光板を介して500
W/hの超高圧水銀ランプを照射した。この光学活性分
子面にC.I.Direct Orange 72、
C.I.Direct Blue 67、C.I.Di
rect Green 51よりなる黒色混合染料(B
lackl)10部、ノニオン系界面活性剤エマルゲン
108((株)花王製)0.1部を水89.9部に溶解
した水溶液を塗布した後乾燥させて配向した二色性分子
層を有する基板を得た。次に得られた基板の二色性分子
層面に、離型処理されたフィルム上に厚さ20μmのア
クリル系粘着剤を有するシートを貼り付けた後、光学活
性分子を有する基板を剥離した。次に粘着層に転写され
た二色性分子層上に厚さ20μmのアクリル系粘着剤層
を設けた厚さ100μmの反射シートを貼り付け本発明
の偏光子を有する偏光板を得た。この偏光板の偏光率は
90.0%であった。この偏光板上の離型処理されたフ
ィルムを剥がし、厚さ2190μmの片面に偏光板を有
する液晶セルのガラス面に貼り付けて本発明の反射型液
晶表示装置を得た。この液晶表示装置の厚さは2330
μmであった。
【0032】比較例 本発明の偏光子を有する偏光板の代わりに従来のトリア
セチルセルロースに挟持された180μmの偏光板を用
いた以外は実施例と同様にして反射型液晶表示装置を得
た。この液晶表示装置の厚さは2.510mmであっ
た。
【0033】実施例と比較例から分かるように、本発明
の液晶表示装置は比較例に比べて表示装置全体の厚さが
大幅に薄くなっていることが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明の液晶表示装置は透過または反射
フィルムと液晶セルのガラス面との間に、配向した二色
性分子層の両面に接着剤層を有する偏光子を挟持したも
のであって、この液晶表示装置を用いることにより装置
の薄型化、部材の削減および接着剤層の液晶セルのガラ
ス面からの剥離防止が図れる。又、本発明の偏光子、偏
光板はこのような液晶表示装置の薄型化、部材の削減用
の一部品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の一実施例の部分断面
図。
【符号の説明】
1:反射板 2:接着剤層 3:偏光子 4:液晶セル部 5:偏光板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配向した二色性分子層の両面に接着剤層を
    有する偏光子の一方の面に光透過性または光反射性の基
    材を有し、他方の面に剥離性の基材を有する偏光板上の
    剥離性の基材を剥がして接着剤層を露出させた後、該偏
    光板の該接着剤層を液晶セルのガラス面に積層すること
    を特徴とする透過型または反射型液晶表示装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】光透過性の基材の全光線透過率が20%以
    上である請求項1記載の透過型または反射型液晶表示装
    置の製造方法。
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