JP3488974B2 - 土質安定処理用組成物 - Google Patents
土質安定処理用組成物Info
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Description
処理に用いられる組成物に関する。特に高含水比の軟弱
土、汚泥等の土の固化に効果のある土質安定処理用組成
物を提供するものである。
弱地盤に添加することによって、土粒子とイオン交換反
応、ポゾラン反応等を生じ、土の力学的及び水理学的性
質を改善するものであり、従来より関東ロームや粘性土
土壌には石灰系組成物、シルトや砂質系土壌にはセメン
ト系組成物が主として用いられている。しかし高有機質
土や高含水比の汚泥には、前記組成物では添加量が多く
必要になり、場合によっては実用に適さない状況になる
こともある。このような場合には、消石灰又はセメント
に、高炉水砕スラグ、フライアッシュ等のポゾラン材、
石膏、硫酸ソーダ等のセメント水和の刺激材を混合した
複合系の組成物、又はアルミナセメント系化合物、アウ
イン系組成物の強度増進材を主体とした特殊セメント系
組成物が使用されている。
ミナセメント系化合物を主成分とする特殊セメント系組
成物は、アウイン系組成物やアルミナセメントが高温焼
成により製造されるため、必然的に高価にならざるを得
ない欠点を有している。また施工面においても、深層混
合工法や表層混合で湿式工法を採用する場合は、アウイ
ン系化合物は水の存在下で急結硬化性を呈するため、土
壌との混合中にゲル化を生じ作業性の悪化や混合不良の
状態となる。これらの欠陥を補うため凝結遅延剤を添加
する方法も採られているが、添加量の設定に複雑な操作
を必要とし、且つコストアップの要因となっている。
メントや、高価なアウイン系化合物を用いることなく、
高含水比の軟弱土、汚泥に対して通常のセメントよりも
安価で、また生石灰、消石灰よりも土質安定効果のある
安価な組成物を提供することを目的とする。
定処理用組成物は、4CaO・Al2 O3 ・xH2 O
(x=13又は19)[以下C4 AHx と略記]の熱分
解生成物を主成分として含むことを特徴とする。
であるカルシウムアルミネート系化合物が通常のポルト
ランドセメントに比較して速硬性を有し、且つ強度発現
効果が高いことに着目し検討を重ねた結果、C4 AHx
の熱分解生成物、特に200℃以上の熱分解生成物が高
含水比の軟弱土や汚泥処理用の組成物として優れた強度
発現効果を示すことを見出して本発明を完成した。先ず
本発明において出発物質として用いるC4 AHx の合成
について説明し、次いでC4 AHx の熱分解反応、更に
C4 AHx の熱分解生成物の再水和性について説明す
る。
混合物)は、Al(OH)3 とCa(OH)2 に水を加
えて混合することにより簡単に合成できる。反応時の温
度は常温(10〜20℃)に設定し、十分に撹拌を行な
うことで反応を進行させる。反応式は下記の通りであ
る。 4Ca(OH)2 + 2Al(OH)3 + 12H2O → 4CaO・Al2O3・19H2O (以下C4AH19と略記) 4Ca(OH)2 + 2Al(OH)3 + 6H2O → 4CaO・Al2O3・13H2O (以下C4AH13と略記)
H13を100〜200℃に加熱すると、4CaO・Al
2 O3 ・13H2 O(以下C4 AH13と略記)、又は4
CaO・Al2 O3 ・11H2 O(以下C4 AH11と略
記)が得られる。反応式は下記の通りである。 C4AH19 → C4AH13 + 6H2O↑ C4AH13 → C4AH11 + 2H2O↑
00℃で熱分解すると、4CaO・Al2 O3 ・7H2
O(以下C4 AH7 と略記)が得られる。反応式は下記
の通りである。 C4AH13 → C4AH7 + 6H2O ↑ C4AH11 → C4AH7 + 4H2O ↑
で、12CaO・7Al2 O3 ・H2O(以下C12A7
Hと略記) とCa(OH)2 の混合物が得られる。反応
式は、 7C4AH7 → C12A7H + 16Ca(OH)2 + 32H2O ↑ となる。400℃以上ではCa(OH)2 が脱水しCa
Oが生成する。C12A7Hは300℃以上で安定であ
り、1100℃以上になるまで結晶の状態が保たれる。
1100℃を越えると、C12A7 Hは3CaO・Al2
O3 (以下C3 Aと略記する) とAl2 O3 に分解す
る。
4 AH7 、C12A7 Hの存在は、R.Turrizianiによる
「ザ、カルシウム、アルミネート、ハイドレイツ、アン
ド、リレイテッド、コンパウンヅ」(The Calusium Alu
minate Hydrates and RelatedCompounds: THE CHEMISTR
Y OF CEMENTS」, 1964, ACADEMIC PRESS. LONDON andNEW
YORK)で述べられており公知である。
H7 、C12A7 Hは、再水和性があり、水和温度が10
〜20℃、反応時間が1日以上でC4 AH19又はC4 A
H13となる。C4 AH11、C4 AH7 、C12A7 Hは水
和後の強度が高いため、土質安定処理材として利用でき
る。
つである3CaO・Al2 O3 ・6H2 O(以下C3 A
H6 と略記する) を熱分解することによってもC12A7
HとCa(OH)2 との混合物が得られるが、C4 AH
x からC12A7 HとCa(OH)2 の混合物が得られる
温度より50℃以上の高温(350℃以上)での熱処理
が必要となる。
ミニウムAl(OH)3 は、試薬の水酸化アルミニウム
を用いることができるが、安価で大量に入手できるアル
ミスラッジを利用することも可能である。アルミスラッ
ジは主としてアルミニウム製品の表面処理工程によって
できるアルミニウム塩類を多量に含有した廃液を中和し
て排水する際に副生するスラッジであり、多量の水酸化
アルミニウムをゲル状の形で含有している。しかし、水
酸化アルミニウム以外にも不純物を多く含有しており、
一部でセメント等の窯業原料として使用されているもの
の、殆どは産業廃棄物として埋め立て処分されているの
が現状であり、用途開発が望まれている。アルミスラッ
ジの利用を推薦するもう一つの理由としては、多量の水
酸化アルミニウムがゲル状の形で含有していることか
ら、水中での反応性が非常に高く反応時間の短縮につな
がることである。Ca源については、通常市販されてい
る消石灰が原料として利用できる。
〜20℃)で反応させる。反応中での加熱は必要とせ
ず、エネルギーの節約につながる。反応温度が20℃以
上、特に50℃を越えた温度で反応させた場合、安定物
であるC3 AH6 が生成するため注意が必要となる。反
応時間は1日間、長くて2〜3日間必要とする。また、
アルミスラッジに水分を添加しスラリー状にしてから消
石灰を添加し、反応を速く進行させる方法も有効であ
る。カルシウム源とアルミニウム源の割合はCaO/A
l2 O3 モル換算比が4〜6が適当であり、それ以上の
割合では消石灰が、それ以下の割合では、水酸化アルミ
ニウムが未反応物質としての残る。反応温度やCaとA
lの割合などの条件を変えることによって、C4 AH
x 、C8 AH6 、Ca(OH)2 、Al(OH)3 、或
いは準安定物質である2CaO・Al2 O3 ・8H2 O
等との混合物を得る。
℃以上の温度で熱分解して得られた生成物(C4 AH7
或はC12A7 HとCa(OH)2 の混合物)の土質安定
処理用組成物としての効果について説明する。この組成
物は、水と反応して1〜3日間でC4 AHx (x=19
又は13)にもどり強度発現効果を呈する。なおこのと
きの養生温度は常温(10〜20℃)が最適であり、こ
れ以上の温度、特に30〜50℃にした場合、C3AH6 の
生成により、C4 AHx の結合水が遊離水に変わってし
まい硬化体の空隙率が大きくなる。
るので、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、石膏、硫酸ソーダ、
硫酸鉄、消石灰などで反応を促進させることも可能であ
り、遅延剤として食塩、塩化カリ、塩化バリウム、硝酸
ソーダや、有機剤としてグリセリン、砂糖を用いること
ができる。実際の使用においては、本発明の土質安定処
理用組成物にフライアッシュ、石粉、水溶性高分子、高
吸水性樹脂、下水汚泥焼却処理灰等を添加して脱水性の
向上や凝固速度の調整をはかることも可能となる。本発
明の組成物の添加量は対象土1立方メートル(m3)当り
に20〜200kgの範囲が適当である。以下実施例に
よって本発明組成物の具体例及びその効果を説明する
が、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
L)に、表1に示した成分のアルミスラッジ1.84k
g、消石灰(Ca(OH)2 :91.0%)0.98k
g及び蒸留水20Lを入れ常温(20℃)で1日間撹拌
しながら反応させた。このとき反応熱による温度の上昇
を防ぐ手段としてステンレス容器の周りから水道水によ
って冷却を行なった。反応後の組成物をX線回析装置に
よって調査したところC4 AHx (x=19又は13)
の生成を確認した。反応物を吸引濾過し乾燥器内(11
0℃)で乾燥させた後、電気炉中で250℃で2時間加
熱し、熱分解を行ないX線回析によって同定を行なった
ところC4 AH7 の生成が認められた。得られたC4 A
H7 をディスクミルにより粉砕し粒度を1mm以下に調
整した。この混合物を含水比30%のシルト質土1.8
kgに対して0.2kgの割合で添加し土質安定処理を
行なった。土質安定処理の評価は「セメント系組成物に
よる安定処理土の試験法」により、1日後、3日後、7
日後の一軸圧縮強度を測定した。結果を表2に示す。
あるC3AH6 を250℃、2時間加熱した物(物質の主立
った変化はなく非晶質相も含有、比較例1)又は生石灰
(比較例2)を実施例と同じ対象土に同量添加して安定
処理を行ない同様に一軸圧縮強度を測定、安定処理効果
の比較を行なった。結果を表2に示す。
50℃における加熱分解物(比較例1)又は生石灰(比
較例2)を使用した場合に比べて、実施例1のC4 AH
7 を使用した場合は一軸圧縮強度は向上した。初期の強
度発現は実施例の熱分解生成物が優れており、比較例
1,2の1.5〜2倍近い高い値を示している。これら
が起こりうる原因としては、本実施例の場合、C4 AH
7 が土中の水分によって水和し、C4 AHx (x=19
又は13)が生成することに起因すると考えられる。ま
た比較例1の場合、出発物質であるC3 AH6 のほかに
X線回析では確認できなかった若干量の非晶質の物質が
強度発現に関わっていると考えられる。
%の関東ローム1.8kgに対して0.2kgの割合で
添加し土質安定処理を行なった。結果を表3に示す。
組成物である生石灰(比較例3)又は普通ポルトランド
セメント(比較例4)を実施例2と同じ対象土に同じ量
を添加して混合を行ない同様に一軸圧縮強度を測定し、
安定処理効果の比較を行なった。結果を表3に示す。
石灰系の土質安定材が有効であり、実施例2のC4 AH
7 及び比較例3の生石灰については土質安定効果による
強度が得られた。両者を比較した場合C4 AH7 の方が
強度が高く約1.5倍であった。また、比較例4の普通
ポルトランドセメントは、関東ロームに対してほとんど
強度が得られなかった。
り使用されているセメント、生石灰、消石灰よりも優れ
た安定処理効果が得られ、施工上、処理用組成物の添加
量の削減などの経済的効果が期待される。
Claims (2)
- 【請求項1】 4CaO・Al2 O3 ・xH2 O(x=
13又は19)の熱分解生成物を主成分として含むこと
を特徴とする土質安定処理用組成物。 - 【請求項2】 4CaO・Al2 O3 ・xH2 O(x=
13又は19)の熱分解温度が200℃以上である請求
項1に記載の土質安定処理用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17897896A JP3488974B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 土質安定処理用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17897896A JP3488974B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 土質安定処理用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1025474A JPH1025474A (ja) | 1998-01-27 |
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ID=16057984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17897896A Expired - Lifetime JP3488974B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 土質安定処理用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3488974B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3969617B2 (ja) * | 1998-07-21 | 2007-09-05 | 不二倉業株式会社 | 有害物質固定化材 |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP17897896A patent/JP3488974B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1025474A (ja) | 1998-01-27 |
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