JP3487568B2 - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録媒体及びその製造方法

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JP3487568B2
JP3487568B2 JP12567195A JP12567195A JP3487568B2 JP 3487568 B2 JP3487568 B2 JP 3487568B2 JP 12567195 A JP12567195 A JP 12567195A JP 12567195 A JP12567195 A JP 12567195A JP 3487568 B2 JP3487568 B2 JP 3487568B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報の記録及び再生の少
なくとも一方が行なわれる情報記録媒体及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、情報記録媒体としては、例えば磁
気を用いて情報の記録、再生を行う磁気記録媒体や光を
用いて情報の記録再生を行う光記録媒体が知られてい
る。例えば、光記録媒体としては、図7に示した様に、
基板101上に記録層102、接着層103及び保護基
板104が積層された構成が知られている。
【0003】ところで、このような情報記録媒体に対し
て、例えば可視情報、具体的には例えば媒体のデストリ
ビュタ名やシステムの名称、更には該情報記録媒体がカ
ードの様に個人によって携帯されるものの場合には、該
媒体の所有者の情報、例えば名前や顔写真等を印刷によ
って付加する事が提案されている。
【0004】例えば、特開昭64−16696号公報に
は、図8に示すように、基板101上に記録層102、
接着層103及び保護基板104が順次積層され、該保
護基板104上に印刷層201を設けた情報記録媒体が
開示され、また特開平2−30595号公報には、図9
に示すように、可視情報を示すための印刷層201を保
護基板104の内側に設けた光記録媒体が開示されてい
る。
【0005】しかし、印刷層を設けた情報記録媒体は、
例えば高温高湿の環境下での耐久性が印刷層に含有され
ている溶剤のために低下するという問題点があった。
【0006】一方、情報記録媒体の耐久性を向上させる
一般的な構成としては、例えば図10に示すように、記
録層102の上に無機材料あるいは有機材料を含有する
保護層401(特開昭62−290585号公報)を設
ける方法が知られている。
【0007】しかし、記録層上に無機材料を含有する保
護層を設けるためには無機膜の製膜工程が必要な為、情
報記録媒体のコストアップの要因となり、またその内部
応力の為に情報記録媒体の反りの原因ともなる。また、
有機材料を有する保護層は、印刷層の存在による情報記
録媒体の耐環境性の低下を十分に防ぐ事は困難で、特に
例えば光カード等の携帯用情報記録媒体の様に厚さが
0.76mmと極めて薄く規定されているような場合に
は、保護層の厚さを十分に確保する事ができない事から
印刷層に含有される溶剤による影響を防ぐ事は困難であ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みなされたものであって、印刷層に含有されている溶
剤による耐環境性の低下を抑える事のできる情報記録媒
体を提供する事を目的とするものである。また、本願発
明は、上記の印刷層による耐環境性の低下を抑える事の
できる情報記録媒体の製造方法を提供することを他の目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基板、
記録層及び保護基板がこの順番で積層され、且つ該保護
基板の少なくとも一部に印刷層を有する情報記録媒体に
おいて、前記記録層と印刷層との間に、2層若しくは3
層以上の樹脂膜の積層膜から成り、前記印刷層に含有さ
れる溶剤から記録層を保護するバリア層を設け、前記印
刷層と記録層との間にある層全体の、印刷層の側から記
録層の側に向かう溶剤の透過率が5×10 -12 [cm
3 (STP)・cm/cm 2 ・s・cmHg]以下となる
ように構成したことを特徴とする情報記録媒体である。
【0010】また、本発明は、基板、記録層及び保護基
板がこの順番で積層され、且つ該保護基板の少なくとも
一部に印刷層を有する情報記録媒体の製造方法におい
て、基板上に記録層を形成する工程、少なくとも一部に
印刷層を設けた保護基板と前記基板の記録層を有する面
を対向配置せしめると共にその間に複数の樹脂層から
成り、前記印刷層に含有される溶剤から記録層を保護す
バリア層を配置する工程、及び前記保護基板と基板を
結合する工程から成り、前記印刷層と記録層との間にあ
る層全体の、印刷層の側から記録層の側に向かう溶剤の
透過率が5×10 -12 [cm 3 (STP)・cm/cm 2
・s・cmHg]以下となるように形成することを特徴
とする情報記録媒体の製造方法である。
【0011】次に本発明について図面を用いて詳細に説
明する。
【0012】図1は本発明の情報記録媒体の1実施態様
にかかる光カードの概略断面図である。図1において、
101は基板、102は記録層、103−1,103−
2は接着層、104は保護基板、201は印刷層、そし
て501はバリア層である。該バリア層501は印刷層
201と記録層102の間に挿入され、該印刷層201
が記録層102の耐環境性に与える影響を緩和させるも
のである。
【0013】本発明者等の検討によれば、本実施態様に
おいて、該印刷層の記録層への影響は、印刷層と記録層
との間の、バリア層、保護基板及び接着層からなる積層
体502の印刷層中の溶剤の透過率によって変化し、本
実施態様においては該積層体の、印刷層の側から記録層
の側への溶剤の透過率をできる限り小さくする事が好ま
しい。
【0014】具体的には、印刷に一般的に用いられる溶
剤、例えばシクロヘキサノン、トルエン、酢酸ブチル、
酢酸メチル、メトキシエタノール、イソホロン等の溶剤
に対して、積層体の透過率が5×10-12 [cm3 (S
TP)・cm/cm2 ・s・cmHg]以下、特に1×
10-12 [cm3 (STP)・cm/cm2 ・s・cm
Hg]以下とする事が好ましい。
【0015】本実施態様に用いられるバリア層として
は、積層体が上記の溶剤の透過率を達成できるものであ
れば特に限定されるものではない。
【0016】しかし、個人によって携帯される事を前提
としたカード状情報記録媒体の場合、全体の厚さが約
0.78mmに決められており、基板101の厚さを考
慮した場合、該積層体の厚さは約0.3〜0.4mm程
度である。したがって、本実施態様に用いるバリア層と
しては、できる限り薄い厚さ、例えば0.1〜200μ
m、好ましくは1〜100μm程度で上記の目的を達成
できるものを用いる事が好ましい。
【0017】このような材料としては、例えば樹脂薄膜
が2層若しくは3層以上積層された樹脂積層膜を用いる
事ができる。そして、この樹脂積層膜としては該樹脂積
層膜中の少なくとも1層が光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂
または熱可塑性樹脂を含有しているものを用いる事が好
ましい。
【0018】印刷に用いられる溶剤は、一般的に2種ま
たはそれ以上の種類の溶剤からなる混合溶剤であり、ま
た樹脂の溶剤透過率は溶剤の種類によって異なる。従っ
て、バリア層として上記した樹脂積層膜を用いる場合、
印刷層の形成に用いる混合溶剤の夫々に対してバリア性
に優れた樹脂薄膜を選択し、該樹脂積層膜を形成する事
が好ましい。
【0019】具体的には、例えばウレタンアクリレー
ト、ポリイミド、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン等の樹脂薄膜を適宜
組合わせて樹脂積層膜を構成する事によって溶剤透過率
の低いバリア層を作る事ができる。
【0020】更に具体的に述べれば、印刷層の形成にキ
シレンを含有する溶剤を用いる場合、厚さ約20μm〜
30μmのエチレン−ナイロン−エチレンの3層からな
る樹脂積層膜が好適に利用できる。
【0021】例えば、バリア層に上記の樹脂薄膜を、そ
して保護基板に厚さ0.25mmのアクリル樹脂基板を
用いて、更に接着層として合計の厚さが60μmのエチ
レン−アクリル酸系ホットメルト接着シートを用いた場
合、該積層体の溶剤の透過率は4×10-12 [cm3
(STP)・cm/cm2 ・s・cmHg]以下とな
り、印刷層を有する光カードの耐環境安定性を向上させ
ることができる。
【0022】本実施態様において、基板101としては
積層体の溶剤透過率を上昇させる事がなければ光記録媒
体に一般的に用いられる材料からなる基板を用いる事が
でき、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビスフェノールA系ポリ
カーボネート樹脂、ビニル系樹脂、ポリスルホン系樹
脂、ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリメ
チルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、セルロース誘導体等を用いる事ができる。
【0023】また、本実施態様において、記録層102
としては、光、例えばレーザビームによって情報の記録
が可能な従来より公知の光記録層を用いる事ができる。
例えば、金属や半金属、そして有機色素を含む光記録層
を用いる事ができる。そして、有機色素を含有する記録
層は一般的に耐溶剤性が比較的低い為、本実施態様にか
かる構成は極めて有効である。
【0024】ここで記録層に用いられる有機色素として
は、例えばポリメチン系色素、アントラキノン誘導体、
シアニン系色素、メロシアニン系色素、ナフトキノン系
色素、ジオキサジン化合物、トリフェノジチアジン化合
物、フェナンスレン誘導体、フタロシアニン系色素、ピ
リリウム系色素、クロコニウム系色素、アゾ色素、アズ
レン類等が挙げられる。
【0025】本実施態様において、接着層103として
は積層体の溶剤透過率を上昇させる事がなければ光記録
媒体に一般的に用いられる材料からなる接着剤を用いる
事ができ、例えば酢酸ビニル、アクリル酸エステル、ア
クリル酸、塩化ビニル、エチレン、アクリル酸、アクリ
ルアミド等のビニルモノマーの重合体及び/又は共重合
体、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ系等の熱可塑
性接着剤、アミノ樹脂(ウレア樹脂、メラミン樹脂)、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化
性ビニル樹脂等の熱硬化性接着剤、天然ゴム、ニトリル
ゴム、クロロゴム、シリコーンゴム等のゴム系接着剤が
挙げられる。特にホットメルト型接着剤、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸共重合
体等は本実施態様においては後述する製造プロセスにお
いてバリア層の挿入を極めて容易に行うことができ好ま
しいものである。
【0026】また、本実施態様において印刷層201は
通常のスクリーン印刷やオフセット印刷等の方法で形成
可能な通常のインク、例えばアクリル樹脂、アクリルポ
リオール、そして溶剤としてトルエン、ブタノール、メ
チルエチルケトン、メチルセロソルブ、キシレン、酢酸
イソブチルヘプタン、酢酸エチル等から選ばれる2〜5
種の溶剤を含むインク(商品名:アクリディック;大日
本インキ化学工業株式会社製);ポリイソシアネート、
ポリエステルポリオール、アルキドポリオール、ブロッ
クポリイソシアネート、そして溶剤として酢酸エチル、
酢酸ブチル、トルエン、キシレン、セロソルブアセテー
トなどから選ばれる2種以上の溶剤を含むインク(商品
名:バーノック;大日本インキ化学工業株式会社製);
ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシ
アクリレート、そして溶剤として酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、キシレンから選ばれる2種以上の溶剤を含むインク
(商品名:ユニデイック;大日本インキ化学工業株式会
社製)等から、必要な耐久性等を考慮して適宜選択した
インクを含有する印刷層を用いる事ができる。なお、イ
ンクの保護基板への定着性を向上させる為に保護基板上
に定着層を設けてもよい。
【0027】次に、本発明の情報記録媒体の製造方法の
一実施態様としては、基板、記録層及び保護基板がこの
順番で積層され、且つ該保護基板の少なくとも一部に印
刷層を有する情報記録媒体の製造方法において、記録層
を有する基板を用意する工程、保護基板を用意する工
程、該保護基板と基板の記録層を有する面を対向配置せ
しめると共にその間に複数の樹脂層を有するバリア層を
配置する工程、該保護基板と基板を結合する工程、該保
護基板の少なくとも一部に印刷層を設ける工程を有する
方法が挙げられる。
【0028】以下に、図1に示す本実施態様にかかる光
カードの製造方法について図2を用いて説明する。ま
ず、記録層102を有する基板101、及び保護基板1
04を用意し、該記録層が保護基板と対向するように配
置する。次いで、該記録層102と保護基板104との
間に第1接着層103−1として例えばホットメルト接
着シート、バリア層501及び第2の接着層103−2
としてホットメルト接着シートを保護基板側からこの順
番で配置し、ホットプレスによって基板と保護基板とを
結合し、更に保護基板上に印刷層201を公知の方法に
従って設ける事により、本実施態様の光カードを得る事
ができる。ここで該印刷層の形成は結合工程に先立って
行ってよい事はいうまでもない。
【0029】また、第1接着層は接合工程に先立って保
護基板に、また第2接着層は基板の記録層を有する側に
あらかじめ設けておいてもよい。また、バリア層は結合
工程に先立って保護基板あるいは基板の記録層を有する
側にあらかじめ第1接着層又は第2接着層を設けておい
てもよい。更には、保護基板あるいは基板の記録層上に
第1接着層、バリア層及び第2接着層の積層体を結合工
程に先立って設けておいてもよい。
【0030】また、図3に示すように、バリア層501
を保護基板104上に熱圧着によって接着層を用いるこ
となく形成した後(図3(a)参照)、該保護基板10
4と記録層102を有する基板101の間にバリア層5
01及び接着層103を配して熱圧着によって、基板と
保護基板とをバリア層を介して結合する(図3(b)参
照)ことによっても本実施態様の光カードを得る事がで
きる。この場合、接着層はあらかじめ記録層上に設けて
おいてもよい。
【0031】また、本発明の他の実施態様として、図4
に示した様に、バリア層501を印刷層201と保護基
板104の間に設けてもよい。
【0032】次に、本発明の第3の実施態様を図5を用
いて説明する。図5の光カードは印刷層201が保護基
板104の記録層102と対向する側に設けられている
以外は、図1の光カードと実質的に同一の構成を有する
ものである。そしてこの構成においては、印刷層の影響
はバリア層及び接着層からなる積層体によって抑えられ
る。
【0033】本実施態様において、積層体の溶剤の透過
率としては、前記したのと同様、印刷に一般的に用いら
れる溶剤、例えばシクロヘキサノン、トルエン、酢酸ブ
チル、酢酸メチル、メトキシエタノール、イソホロン等
の溶剤に対して、その透過率が5×10-12 [cm3
(STP)・cm/cm2 ・s・cmHg]以下、特に
1×10-12 [cm3 (STP)・cm/cm2 ・s・
cmHg]以下とすることが好ましい。
【0034】また、本実施態様に用いられる該バリア層
も前記した物と同様の物を用いる事ができるが、図1に
示した実施態様と異なり積層体中に保護基板が含まれて
いない為、該バリア層の厚さを図1に示した実施態様の
バリア層より厚く、例えば75μm程度に設定したり、
接着層に溶剤の透過率の小さい接着剤、例えばシリコー
ン系接着剤等を用いる事が好ましい。
【0035】本実施態様にかかる光カードは前記した図
1に示す実施態様の光カードの製造方法に準じて得る事
ができる。また上記の各実施態様は総て光カードで説明
したが、本発明は光カードに限定されるものでなく、光
ディスクや光磁気ディスクにも適用する事ができる。
【0036】例えば、図6は本発明の第4の実施態様を
示す光ディスクの概略断面図である。図6において、1
01は基板、102は記録層、104は保護基板で基板
と保護基板はスペーサ503を介して結合されている。
従って、印刷層201の影響は実質的にバリア層501
のみによって抑えられている。この構成の場合、バリア
層のみによって上記した溶剤の透過率を達成する事が好
ましい。
【0037】そして本実施態様の光ディスクの場合、光
カードの様にバリア層の厚さが厳しく制限されない為、
バリア層の厚さを厚くしたり、より多くの樹脂膜が積層
された樹脂薄膜をバリア層として用いる事でバリア層の
みで上記の溶剤透過率を達成する事は可能である。具体
的には、例えば厚さ100μm以上の厚いバリア層を設
けたり、樹脂薄膜を例えばポリエチレン−ナイロン−ポ
リエチレン−ウレタンアクリレート−ポリエチレンの様
に5層以上積層した多層の積層膜をバリア層として用い
る事ができる。
【0038】以上説明したように、印刷層と記録層の間
にバリア層を挿入する事によって該記録層の耐環境安定
性のより一層の向上を図る事ができる。また、記録層へ
の影響を考慮することなく印刷層の形成を行なう事がで
きる様になり、光記録媒体への印刷による情報の追加の
自由度を高める事ができる。
【0039】
【実施例】次に、以下の実施例を用いて本発明の実施態
様について更に詳細に説明する。
【0040】実施例1 図1に示した光カードを図2のプロセスに従って作成し
た。まず、基板として厚さ0.25mm、縦54mm、
横85mmのビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂
からなる透明基板を用意した。なおこの基板の一方の表
面にはその長手方向に伸びる、幅3μm、ピッチ12μ
mのトラック溝が形成されている。
【0041】次いで、該基板のトラック溝が形成されて
いる表面にポリメチン系色素(商品名:IR−820;
日本化薬株式会社製)のジアセトンアルコール溶液をグ
ラビアコートし、乾燥膜厚1000Åの記録層を作成し
た。一方、保護基板として、厚さ0.3mm、縦54m
m、横85mmのビスフェノールA系ポリカーボネート
樹脂からなる透明基板を用意した。
【0042】そして、この保護基板と基板の記録層とが
対向するように配置すると共にその間に第1接着層とし
て厚さ30μmのエチレン−アクリル酸共重合体からな
るホットメトル接着シート、バリア層として厚さ10μ
mのポリ塩化ビニリデン及び厚さ30μmのポリエチレ
ンからなる樹脂積層膜、及び第2接着層として厚さ30
μmのエチレン−アクリル酸共重合体からなるホットメ
トル接着シートを保護基板側からこの順番で配置し、熱
圧着によって基板と保護基板とを接着層及びバリア層を
介して結合した。
【0043】次に、保護基板の表面にシクロヘキサノン
及びイソホロンの混合溶剤を含むインク(セリコール・
プロテインWR−HAS:帝国インキ製造株式会社製)
を用いてスクリーン印刷によって乾燥膜厚40μmの印
刷層を形成した。
【0044】この様にして得た光カードを80℃の環境
下に1時間放置して印刷層の溶剤を乾燥させた後、光カ
ード記録・再生装置(キヤノン株式会社製)を用いて、
波長830nmの半導体レーザを基板に通して記録層に
入射せしめ、記録層の初期反射率を測定した。
【0045】次いでこの光カードを85℃、湿度35%
以下の環境に1000時間放置した後、再度記録層の反
射率を測定した。その結果を表1に示す。
【0046】次に、新たに厚さ0.3mm、縦54m
m、横85mmのビスフェノールA系ポリカーボネート
樹脂からなる透明基板を用意した。この基板上に上記光
カードの製造に用いた第1接着層、バリア層及び第2接
着層を順次積層し、該光カードの印刷層と記録層の間の
積層体に相当する構成を作成した。そしてこの積層体の
基板側から第2接着層に向かう方向の溶剤の透過率をカ
ップ法(JIS Z 0208−1976)を利用した
方法を用いて測定した。
【0047】この方法について図11を用いて説明す
る。図11において1101は40℃、湿度50%に制
御されている恒温槽、1102はカップ、1103は透
過率を測定する溶剤である。
【0048】先ず、カップの中に所定量の溶剤を注ぎ、
次いで該カップの上に、印刷層と記録層の間の積層体と
同じ構成を有する積層体502を置き、その周囲をシー
リングワックスでシールする。次に、このカップを40
℃、湿度50%の溶剤を含まないエアーが循環されてい
る恒温槽中に所定の時間(240時間)放置し、次いで
カップ中の該溶剤の重さをはかって所定時間内に該積層
体を透過した溶剤量を測定する。その結果は表1で示す
とおりである。
【0049】比較例1 実施例1において、バリア層を省略した以外は実施例1
の光カードと同様にして光カードを作成した。そして、
この光カードの記録層の初期反射率及び85℃、湿度3
5%以下の環境下に1000時間放置した後の反射率を
測定した。その結果を表1に示す。
【0050】また、比較例1の光カードの印刷層と記録
層との間の積層体と同一の構成を有する積層体を新たに
作成し、実施例1と同様にして溶剤の透過率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0051】実施例2 図2に示す光カードを作成した。まず、基板として厚さ
0.4mm、縦54mm、横85mmのポリメチルメタ
クリレートからなる透明基板を用意した。なおこの基板
の一方の表面にはその長手方向に伸びる、幅3μm、ピ
ッチ12μmのトラック溝が形成されている。
【0052】次いで、該基板のトラック溝が形成されて
いる表面にシアニン系色素(商品名:NK1414;日
本感光色素株式会社製)のジクロロエタン溶液をグラビ
アコートし、乾燥膜厚1000Åの記録層を作成した。
【0053】一方、保護基板として厚さ0.25mm、
縦54mm、横85mmのポリメチルメタクリレートか
らなる透明基板を用意した。次に、該保護基板の表面に
酢酸ブチル及びトルエンの混合溶剤を含むインク(商品
名:A−126−50;大日本インキ化学株式会社製)
を用いてスクリーン印刷によって乾燥膜厚40μmの印
刷層を形成した。
【0054】次に、この保護基板を80℃の環境下に1
時間放置して印刷層の溶剤を乾燥させた後、この保護基
板の印刷層と該基板の記録層とが対向するように配置す
ると共にその間に第1接着層として厚さ30μmのエチ
レン−アクリル酸共重合体からなるホットメルト接着シ
ート、バリア層としてポリエチレン(厚さ10μm)−
ナイロン(厚さ5μm)−ポリエチレン(厚さ10μ
m)の積層体からなる樹脂薄膜、及び第2接着層として
厚さ30μmのエチレン−アクリル酸共重合体からなる
ホットメルト接着シートを保護基板側からこの順番で配
置し、熱圧着によって基板と保護基板とを接着層及びバ
リア層を介して結合した。
【0055】こうして得た光カードを光カード記録・再
生装置(キヤノン株式会社製)を用いて波長830nm
の半導体レーザを基板に通して、記録層に入射せしめ記
録層の初期反射率を測定した。
【0056】次いで、この光カードを85℃、湿度35
%以下の環境下に1000時間放置した後、再度記録層
の反射率を測定した。その結果を表1に示す。また、実
施例2の光カードの印刷層と記録層との間の積層体と同
一の構成を有する積層体を新たに作成し、実施例1と同
様にして溶剤の透過率を測定した。その結果を表1に示
す。
【0057】比較例2 実施例2においてバリア層を省略した以外は実施例2の
光カードと同様にして光カードを作成した。そしてこの
光カードの記録層の初期反射率及び85℃、湿度35%
以下の環境下に1000時間放置した後の反射率を測定
した。その結果を表1に示す。
【0058】また、比較例2の光カードの印刷層と記録
層との間に積層体と同一の構成を有する積層体を新たに
作成し、実施例1と同様にして溶剤の透過率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0059】実施例3 実施例1の光カードにおいて、バリア層を厚さ15μm
のウレタンアクリレート及び厚さ15μmのポリエチレ
ンの積層膜に変えた以外は実施例1と同様にして光カー
ドを作成した。
【0060】この光カードについて実施例1と同様にし
て記録層の初期反射率及び85℃、湿度35%以下の環
境下に1000時間放置した後の反射率を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0061】また、実施例3の光カードの印刷層と記録
層との間の積層体と同一の構成を有する積層体を新たに
作成し、実施例1と同様にして溶剤の透過率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0062】実施例4 実施例2の光カードにおいて、バリア層を厚さ15μm
のポリイミド及び厚さ10μmのポリテトラフルオロレ
ジンの積層膜に変えた以外は実施例2と同様にして光カ
ードを作成した。
【0063】この光カードについて、実施例1と同様に
して記録層の初期反射率及び85℃、湿度35%以下の
環境下に1000時間放置した後の反射率を測定した。
その結果を表1に示す。
【0064】また、実施例4の光カードの印刷層と記録
層との間の積層体と同一の構成を有する積層体を新たに
作成し、実施例1と同様にして溶剤の透過率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】(注) *は500時間放置後の値を示
す。
【0067】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の情報記録媒
体によれば、印刷層と記録層の間にバリア層を挿入する
事によって、印刷層に含有されている溶剤による耐環境
性の低下を抑える事ができ、記録層の耐環境安定性のよ
り一層の向上を図る事ができる。また、記録層への影響
を考慮することなく印刷層の形成を行なう事ができる様
になり、光記録媒体への印刷による情報の追加の自由度
を高める事ができる。また、本願発明の製造方法によれ
ば、上記の印刷層による耐環境性の低下を抑える事がで
きる情報記録媒体を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体の1実施態様にかかる光
カードを示す概略断面図である。
【図2】本発明の図1に示す光カードの製造方法を示す
説明図である。
【図3】本発明の情報記録媒体の他の製造方法を示す説
明図である。
【図4】本発明の情報記録媒体の他の実施態様にかかる
光カードを示す概略断面図である。
【図5】本発明の情報記録媒体の他の実施態様にかかる
光カードを示す概略断面図である。
【図6】本発明の他の実施態様にかかる光ディスクを示
す概略断面図である。
【図7】従来の光記録媒体を示す概略断面図である。
【図8】従来の他の光記録媒体を示す概略断面図であ
る。
【図9】従来の他の光記録媒体を示す概略断面図であ
る。
【図10】従来の他の光記録媒体を示す概略断面図であ
る。
【図11】積層体の溶剤の透過率を測定する装置の説明
図である。
【符号の説明】
101 基板 102 記録層 103,103−1,103−2 接着層 104 保護基板 201 印刷層 501 バリア層 502 積層体 503 スペーサー 1101 恒温槽 1102 カップ 1103 溶剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板、記録層及び保護基板がこの順番で
    積層され、且つ該保護基板の少なくとも一部に印刷層を
    有する情報記録媒体において、前記記録層と印刷層との
    間に、2層若しくは3層以上の樹脂膜の積層膜から成
    り、前記印刷層に含有される溶剤から記録層を保護する
    バリア層を設け、前記印刷層と記録層との間にある層全
    体の、印刷層の側から記録層の側に向かう溶剤の透過率
    が5×10 -12 [cm 3 (STP)・cm/cm 2 ・s・
    cmHg]以下となるように構成したことを特徴とする
    情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記溶剤の透過率が1×10-12[cm3
    (STP)・cm/cm2・s・cmHg]以下である
    請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記バリア層のうちの少なくとも1層が
    光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選ば
    れる少なくとも1つを含有している請求項1記載の情報
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記バリア層のうちの少なくとも1層が
    ウレタンアクリレート、ポリイミド、ナイロン、ポリエ
    チレン、ポリ塩化ビニリデン及びテトラフルオロエチレ
    ンから選ばれる少なくとも1つの材料を含んでいる請求
    項3記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記印刷層と記録層との間にある層の全
    体の厚さが0.4mm以下である請求項1乃至4のいず
    れかの項に記載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記印刷層と記録層との間にある層の全
    体の厚さが0.1mm以下である請求項5記載の情報記
    録媒体。
  7. 【請求項7】 前記バリア層の厚さが0.1〜200μ
    mである請求項1乃至6のいずれかの項に記載の情報記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 前記バリア層の厚さが1〜100μmで
    ある請求項7に記載の情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 基板、記録層及び保護基板がこの順番で
    積層され、且つ該保護基板の少なくとも一部に印刷層を
    有する情報記録媒体の製造方法において、基板上に記録
    層を形成する工程、少なくとも一部に印刷層を設けた保
    護基板と前記基板の記録層を有する面を対向配置せしめ
    ると共にその間に複数の樹脂層から 成り、前記印刷層
    に含有される溶剤から記録層を保護するバリア層を配置
    する工程、及び前記保護基板と基板を結合する工程から
    成り、前記印刷層と記録層との間にある層全体の、印刷
    層の側から記録層の側に向かう溶剤の透過率が5×10
    -12 [cm 3 (STP)・cm/cm 2 ・s・cmHg]
    以下となるように形成することを特徴とする情報記録媒
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記印刷層と記録層の間にある層全体
    の、印刷層の側から記録層の側へ向かう溶剤の透過率が
    1×10-12[cm3(STP)・cm/cm2・s・c
    mHg]以下となるように形成する請求項9記載の情報
    記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記印刷層と記録層の間にある層全体
    の厚さが0.4mm以下となるように形成する請求項9
    または10記載の情報記録媒体の製造方法。
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