JP3487561B2 - 顆粒球コロニー刺激因子誘導体 - Google Patents
顆粒球コロニー刺激因子誘導体Info
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Description
子(以下、G−CSFという)の誘導体に関する。
±1000の生理活性物質であり、顆粒球系前駆細胞に
作用して末梢血白血球中の好中球数を特異的かつ用量依
存的に増加させる働きを持つことが知られている。そし
て、G−CSFは好中球減少症治療薬として、「骨髄移
植時の好中球増加促進」、「悪性リンパ腫、肺癌、卵巣
癌および神経芽細胞腫における癌化学療法による好中球
減少症」、「先天性および突発性好中球減少症」などの
各適応症について、既に臨床応用されている(癌と化学
療法,Vol.17,P65-71,1990)。
F20〜40μgを健常人に静脈内投与したときの血清
中のG−CSF濃度半減期は約1時間、末梢血好中球数
増加持続時間は24〜48時間であり、また同様に皮下
投与したときの血清中のG−CSF濃度半減期は約4時
間、末梢血好中球数増加持続時間は48〜72時間であ
った。
床応用においては、静脈内投与に比べて皮下投与の方は
薬効の持続性が見られるとはいうものの、必ずしも充分
とはいえない。特に上記疾患の治療には数日から数週間
に亘って毎日あるいは隔日ごとにG−CSFを投与する
必要があることから、投与量の低減および投与による苦
痛を軽減するためにも、薬効の持続性を延長するような
G−CSF誘導体の開発が望まれていた。
−CSFに比べて末梢血好中球数の増加作用が強く、且
つ血清中のG−CSF濃度が持続するようなG−CSF
誘導体を発見することで、上記疾患の治療に対するG−
CSFの投与回数および投与量を減少させることを目的
とする。
ットにG−CSFの10μg/Kgを静脈内投与したと
ころ、血漿中のG−CSF濃度半減期が約4.9時間、
平均滞留時間が約5.1時間であることを認めた。これ
は、従来の実験において両腎動静脈を結さつしないラッ
トに対して同様の静脈内投与した場合の血漿中のG−C
SF濃度半減期が約0.9時間、平均滞留時間が約1.
0時間に比べてG−CSFの血漿中濃度の大幅な延長で
あり、本発明者らは、この結果からG−CSFが生体内
から消失するのに腎臓におけるクリアランス(消失機
構)が大きく関与していることを発見した。
SFの腎臓におけるクリアランスを低下させることによ
り、in vivoにおけるG−CSFの末梢血好中球
数増加作用を増強させ或いは持続させることができると
考え、ポリ(スチレンマレイン酸)を用いてG−CSF
の誘導体化を試み、調製に成功したことで本発明に至っ
たものである。
ングリコールによるG−CSFの誘導体化が提案されて
いる(Cancer Resesrch Vol.51,P3710-3714,1991)。G
−CSFの腎臓におけるクリアランスを低下させるには
分子量を約60000以上にする必要があるが、上記の
方法ではG−CSF1分子当たり4モル以上のポリエチ
レングリコール(分子量約10000)を結合させなけ
ればならないために、G−CSFの生物活性を大きく低
下させるおそれがあった。この点、本発明に係るポリ
(スチレンマレイン酸)によるG−CSFの誘導体は、
それ自身の分子量は約21000と推定されるが、生体
内でアルブミンと可逆的に結合し得ることから血流中で
は分子量が約90000となり、腎臓でのクリアランス
を受けることなく長時間に亘って体循環血中に留まるこ
とが可能になると考えられる(参考文献,蛋白質・核酸
・酵素,Vol.33,P33-41,1988)。
酸)によるG−CSFの誘導体化は、例えば次の方法で
行うことができる。先ず、ポリ(スチレンマレイン酸)
19μgと2−2’−ジチオビス(5−ニトロピリジ
ン)10mlをジメチルスルホキサイドに溶解させ、室
温で24時間反応させたのち、これに10μMのG−C
SF溶液1mlを加えて室温で3時間反応させて調製す
る。次いで、上記で調製したG−CSF−ポリ(スチレ
ンマレイン酸)誘導体(以下、SM−G−CSFとい
う)をゲルろ過で脱塩したのち、さらに未反応のG−C
SFを除くためイオン交換クロマトグラフィを行うこと
で、精製されたSM−G−CSFを得ることができる。
SFにおいて、ポリ(スチレンマレイン酸)は、G−C
SFの遊離チオール基にジスルフィド結合によって1:
1のモル比で結合していると推定される。これはポリ
(スチレンマレイン酸)が、2−2’−ジチオビス(5
−ニトロピリジン)を介してジスルフィド結合によりG
−CSFと結合するが、G−CSFの構造からジスルフ
ィド結合を構成できる遊離チオール基が1箇所のみであ
るからである。
1000であり、これに分子量約1900のポリ(スチ
レンマレイン酸)が1:1のモル比で結合していること
から、SM−G−CSFの分子量は約21000と推測
されるが、SM−G−CSFは、中性条件下において、
スチレン残基を介してアルブミンのワーファリン結合部
位に結合すると推定される。なお、SM−G−CSFと
アルブミンとの結合体分子量はゲルろ過より約9000
0と計算された。その結果、この結合によってG−CS
Fの腎臓におけるクリアランスが小さくなり、長時間に
亘って血中に留まり末梢血白血球数増加作用等が増大す
ることになる。
レイン酸)とのモル比は、上述のように必ずしも1:1
である必要はなく、利用されるG−CSFの遊離チオー
ル基の数によって種々のモル比をとり得る。また、上述
では2−2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)を介
してG−CSFにポリ(スチレンマレイン酸)を結合さ
せているが、その他、種々の架橋剤を使用することがで
きる。例えば、2−2’−ジチオビス(5−ニトロピリ
ジン)の代わりにマレイミドを含むα−4−{〔6−
(N−マレイミド)ヘキサノイロキシメチル〕クミル}
ハーフ−ブチルエステリファイド ポリ(スチレン−コ
ーマレイック アシッド)を用いることもできる。
ては、下記のアミノ酸配列で表されるG−CSF活性を
有するポリペプチド又はこれと糖鎖部を有する糖蛋白質
を挙げることができる。
は1を表す)さらに、上記アミノ酸配列の一部に別のア
ミノ酸を付加し又は置換して改変したもの、或いはアミ
ノ酸配列の一部を欠損させたもの等のG−CSF活性を
有するポリペプチド類も本発明の範囲に含まれる。
に出願した特開昭61−227526号のほか遺伝子組
換え技術を利用した製造法、例えば特開昭62−236
497号、特開昭62−236488号の各明細書に記
載の方法によって製造することができる。また、その他
の方法としてG−CSF産生細胞と自己増殖能を有する
悪性腫瘍とを細胞融合して得られるハイブリドーマをマ
イトジェンの存在または非存在下で培養することによっ
て得ることもでき、何らその製造法に限定されるもので
はない。したがって、これらの方法で得たG−CSFは
全て本発明に含まれる。
公知の手段でさらに精製、濃縮したのち、ミリポアフィ
ルタ等で無菌濾過して凍結保存とするか又は凍結乾燥、
真空乾燥などの手段により水分を除去して保存すること
ができる。
マレイン酸)は、ラジカル重合反応によって得られるス
チレンと無水マレイン酸との共重合体である。得られた
共重合体の組成比は、反応に使用するスチレンと無水マ
レイン酸の比を変化させてもほぼ1:1となるが、勿論
それ以外の組成比率であっても構わない。また、得られ
た共重合体がスチレンとマレイン酸との完全なホモ重合
体である必要はない。なお、共重合体の平均分子量は上
述した約1900に限定されず、適宜種々の分子量を取
り得ることができる。
特にこれを有効成分とする白血球減少症治療剤に適用で
きるが、その他の治療剤としても利用され得る。その製
剤化には、その目的に応じて希釈剤、溶解補助剤、等張
化剤、賦形剤、pH調整剤、無痛化剤、緩衝剤、含硫還
元剤、酸化防止剤を含有してもよい。例えば、含硫還元
剤としては、N−アセチルシステイン、N−アセチルホ
モシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエ
タノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトー
ル、チオグリコール酸およびその塩、チオ硫酸ナトリウ
ム、グルタチオン、並びに炭素原子数1〜7のチオアル
カン酸などのスルフヒドリル基を有するものなどを例示
できる。
酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシア
ニソール、α−トコフェロール、L−アスコルビン酸お
よびその塩、L−アスコルビン酸パルミテート、L−ア
スコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、亜
硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピ
ル、あるいはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(E
DTA)、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウ
ムの如きキレート剤などを例示できる。
システイン、スレオニン、シスチン、トリプトファン、
メチオニン、リジン、ヒドロキシリジン、ヒスチジン、
アルギニンなどのアミノ酸を添加してもよい。
効成分とする製剤は、経口、各種注射などの非経口等各
種の投与形式で使用でき、該投与形式に応じた様々な剤
形で実現できる。例えば、投与剤形としては錠剤、丸
剤、カプセル剤、顆粒剤、懸濁液等の経口投与剤、ある
いは静注、筋注、皮下注、皮内注等の溶液、懸濁注射
剤、凍結乾燥剤、あるいは座剤、経鼻剤、膣剤等の経粘
膜投与剤形を典型的なものとして例示できる。また、投
与量は年齢、体重、症状、治療効果、投与方法等により
異なるが、通常は成人一人当たり、1回に0.1〜10
00μgの範囲が好ましい。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
下rG−CSFという)を静脈内投与し、その時の血漿
中のrG−CSF濃度を擬手術対照ラットとの比較で調
べた。
社製)をエーテル麻酔下において背部より切開し、左右
腎臓の動静脈を縫合糸で結さつすることにより腎動静脈
結さつラットを作成した後、大腿動静脈にポリエチレン
チューブ(PE−31)でカニュレーションを施した。
次いで、rG−CSF投与液を10μg/Kgの用量で
上記大腿静脈カニューレより投与した。投与後2,5,
10,20,30分毎に、また1,2,4,6,8,2
4時間毎に上記大腿動脈カニューレから200μlの血
液を採取し、15000rpmで5分間遠心した後に血
漿を分離した。得られた血漿中のrG−CSF濃度をサ
ンドイッチ型EIA法(J.Immunol.Method, Vol.118,P1
87-192,1989 )により測定した。なお、擬手術対照ラッ
トは、SD系雄性ラット(8週齢)(日本クレア社製)
を背部より切開したのみで、腎動静脈結さつは施さなか
った。
20 0.1%及びラット血清アルブミン(シグマ社
製)0.1%を含む生理食塩溶液でrG−CSF溶液を
希釈し、rG−CSF濃度を4μg/mlとして調製し
た。
照ラットの血漿中のrG−CSF濃度を示したものであ
る。図1によれば、腎動静脈結さつラットの血漿中のr
G−CSF濃度は、擬手術対照ラットに比べてその半減
期が長く、また平均滞留時間も大幅に延長されている。
この結果から、生体内からのrG−CSFの消失には腎
臓におけるクリアランスが大きく関与していくことがわ
かった。
導体(SM−rG−CSF)の存在を確認するための実
験を行った。
−2’−ジチオビス(5−ニトロピリジン)2μgを1
0mlのジメチルスルホキサイドに溶解させ、室温で2
4時間反応させたのち、これに10μMのrG−CSF
溶液1mlを加えて室温で3時間反応させて調製した。
次いで、調製したSM−rG−CSFをゲルろ過で脱塩
したのち吸光度を測定してSM−rG−CSFの存在を
確認した。
G−25カラム(1×15cm)を用いた。また、溶
出液にはTween20 0.1%及び塩化ナトリウム
0.9%を含む0.1M−リン酸緩衝液(pH7.4)
を用い、溶出は1ml/minの流速で行った。
mlづつ分取し、280nmにおける吸光度を測定した
ときの結果を示したものである。図2によれば、容量7
ml付近にSM−rG−CSFのピークが検出された。
−CSFをさらにイオン交換クロマトグラフィを行って
精製し、SM−rG−CSFに相当するフラクションを
分取し、Bio-Rad 法でSM−rG−CSFの存在を確認
する実験を行った。イオン交換クロマトグラフィにはD
EAE Sepharose CL−6Bカラム(1.
5×50cm)を用いた。Tween20 0.1%、
20mM−トリエタノ−ルアミン及び塩化ナトリウム
0.9%を含む0.1M−リン酸緩衝液(pH7.4)
で平衡化させたカラムに試料を添加した後、試料の溶出
は0.3M−塩化ナトリウムを含む同緩衝液を用いた直
線濃度勾配法により行った。溶出は1ml/minの流
速で行った。
0nmにおける吸光度を測定したときの結果を示したも
のである。図3によれば、4箇所にそれぞれピークが検
出されたが、SM−rG−CSFのピークは容量85m
l付近に存在した。因みに、容量50ml付近のピーク
はasialo−rG−CSF、容量60ml付近のピークは
monoasialo−rG−CSF、容量67ml付近のピーク
はdisialo −rG−CSFとそれぞれ推定される。
G−CSFであることは以下の方法によって確認した。
即ち、容量85mlの位置の溶出液を分取後、Twee
n20 0.05%及び塩化ナトリウム0.9%を含む
0.1M−リン酸緩衝液(pH7.4)によって、蛋白
濃度(Bio-Rad 法で測定)が1,10,100ng/m
lとなるように希釈した。各希釈液中のSM−rG−C
SF濃度をrG−CSF抗体を用いたサンドイッチ型E
IA法により測定したところ、Bio-Rad 法で得られた蛋
白濃度に対して70〜80%に相当する値を示した。従
って、容量85mlの位置にある溶出液はrG−CSF
に由来する蛋白質を含むことは明らかであり、恐らくポ
リ(スチレンマレイン酸)との結合によってEIAに対
する反応性が低下したSM−rG−CSFと考えられ
る。
との複合体(以下、SM−rG−CSF−BSA複合体
という)、及びSM−rG−CSFの分子量を測定し
た。
-rG-CSF )は、ラクトパーオキシダーゼ・グルコースオ
キシダーゼ法によって調製し、これをSuperose12カラ
ムを用いたゲルろ過で精製した。また、SM−rG−C
SFの放射性ヨード標識体(SM-1 25I-rG-CSF)は、12 5I
-rG-CSF を用いて調製した。この実施例ではSM-1 25I-rG
-CSFを用いて行い、Tween20 0.1%を含む
0.1M−リン酸緩衝液(pH7.4)200μlにSM
-1 25I-rG-CSF溶液200μlとBSA溶液400μlを
加え、20℃で3時間反応させてSM−rG−CSF−
BSA複合体を調製した。
phadex G-50 カラムを用いたゲルろ過により行った。分
子量マーカとして、ブルーデキストラン(分子量200
0000)、BSA(同68000)、スーパーオキサ
イドジスムターゼ(SOD)(同16000)を用い
た。SM−rG−CSFの分子量は各マーカの溶出位置
と、SM−rG−CSF(放射能)の溶出位置から絶対
検量線法により算出した。
ルろ過によるSM−rG−CSFの分子量を示したもの
である。図4によれば、試験管番号20番付近のピーク
がSM−rG−CSF−BSA複合体と推定され、分子
量は約90000と算出された。また、試験管番号46
番付近のピークがSM−rG−CSFと推定され、分子
量は約21000と算出された。なお、試験管番号10
5番付近のピークは遊離ヨードイオンと推定される。
rG−CSFの腎臓におけるクリアランスの比較実験を
行った。
たものである。この図において、符号1は腎臓、2は腎
動脈カニューレ、3は静脈カニューレ、4は尿管カニュ
ーレ、5はポンプ、6は灌流液である。また、下行大静
脈7,腸管静脈8および下行大動脈9,10は縫合糸に
よってそれぞれ結さつしてある。なお、ラット摘出腎灌
流系の作製は、(J.Pharma. Sci.,Vol.77,P6-11,1988)
を参考とした。
-rG-CSF 溶液とSM-1 25I-rG-CSF溶液の二種類である。前
者は、12 5I-rG-CSF 溶液の原液に等容量の0.2%牛血
清アルブミン溶液を加えて12.85μCi/mlに調
製し、後者は、Sephadex G-25 カラムを用いたゲルろ過
により精製したもの(0.0772μg/9.87μC
i/ml)をそのまま用いた。投与液は、12 5I-rG-CSF
溶液あるいはSM-1 25I-rG-CSF溶液50μlに0.2%の
牛血清アルブミン溶液を20μl、所定液(塩化ナトリ
ウム108g、塩化カリウム5.52g、塩化カルシウ
ム4.392g、リン酸二水素カリウム2.532g、
硫酸マグネシウム−7水塩、4.584gを蒸留水に溶
かして全量を2600mlとした)を10μl、2.1
%の炭酸水素ナトリウム溶液10μlおよび3H−イヌリ
ン10μlを加えて調製した。
ーレから125I-rG-CSF 投与液あるいはSM-125I-rG-CSF投
与液を100μl投与した。血液は薬液投与後0〜1,
1〜2,2〜15分の間隔で静脈カニューレから採取
し、尿は薬液投与後0〜5,5〜10,10〜15分の
間隔で尿管カニューレから採取した。また、腎臓は薬液
投与15分後に摘出した。
ween20 0.2%を含む0.1M−リン酸緩衝
液、pH7.4)4mlを加え、ポッターホモジェナイ
ザでホモジェネートし、20%ホモジェネートを調製し
た。次いで、20%ホモジェネートを試料として、腎ホ
モジェネート中における3H−イヌリンの残存量に対する
腎ホモジェネート中における12 5I-rG-CSF あるいはSM-1
25I-rG-CSFの残存量、即ち腎分布比率を測定した。
rG−CSFの腎分布比率の測定結果を示したものであ
る。一般に、G−CSFは糸球体ろ過によって腎臓内に
移行するが、上記結果によれば、SM−rG−CSFは
ポリ(スチレンマレイン酸)による高分子化によって腎
臓内への移行が少なく、SM−rG−CSFの腎臓に対
する分布量がrG−CSFの約1/15となっている。
従って、この結果からSM−rG−CSFはrG−CS
Fに比べて腎臓におけるクリアランスが小さいことが示
唆される。
るいはrG−CSFを0.5,5,50μg/Kgの用
量でそれぞれ静脈内投与し、その時の末梢血白血球数の
経時的変化を調べた。
−CSF溶液あるいはrG−CSF溶液を投与液溶媒
(Tween20 0.05%及び塩化ナトリウム0.
9%を含む0.1M−リン酸ナトリウム緩衝液,pH
7.4)で1μg/100μlに希釈したものである。
そして、この投与液をWistar系雄性ラット(約2
00g)の尾静脈より、0.5,5,50μg/Kgの
用量で投与した(各群6匹)。採血は投与前および投与
後6,12,24,48時間毎に行い、尾静脈および背
側中足静脈から採取した血液を採血管に50μl分取し
た。次いで、分取した血液に1mlのLysing reagent
を混合し、撹拌した後10分間室内で放置し、液が透明
になったのを確認してからミクロセルカウンタ(東亜電
子工業社製)で白血球数を測定した。なお、上記Lysing
reagent とは、塩化アンモニウム8,26g、エチレ
ンジアミン四酢酸四ナトリウム37mg及び炭酸水素カ
リウム1gを蒸留水に溶かして1lとしたものである
(pH7.3)。
の結果によれば、SM−rG−CSFはrG−CSFに
比べて約1/10の投与量で同程度の末梢血白血球数増
加作用を示し、また0.5,5,50μg/Kgのいず
れでもrG−CSFより末梢血白血球数増加時間の持続
が認められた。
球コロニー刺激因子誘導体によれば、G−CSFをポリ
(スチレンマレイン酸)によって高分子化したことで、
アルブミンとの複合化が可能となり、G−CSFの腎臓
におけるクリアランスを小さくすることができた。その
結果、誘導体であるSM−G−CSFを投与した場合に
は、G−CSFに比べ末梢血白血球数が増加すると共
に、その増加時間の持続を図ることができるといった効
果があることにより、本発明のSM−G−CSFは白血
球減少症治療剤として極めて有効である。
る。
示すグラフである。
−CSFのピークを示すグラフである。
量を示すグラフである。
きの腎分布比率を示すグラフである。
数の経時的変化を示すグラフである。
経時的変化を示すグラフである。
の経時的変化を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 顆粒球コロニー刺激因子とポリ(スチレ
ンマレイン酸)との結合体からなる顆粒球コロニー刺激
因子誘導体。 - 【請求項2】 顆粒球コロニー刺激因子とポリ(スチレ
ンマレイン酸)との結合体を有効成分とする白血球減少
症治療剤。
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