JP3486634B2 - ジヒドロキシジフェニルスルホンのアルカリ金属塩 - Google Patents
ジヒドロキシジフェニルスルホンのアルカリ金属塩Info
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Description
シジフェニルスルホンのアルカリ金属塩およびその製造
方法に関する。
色剤として有用な新規ジヒドロキシジフェニルスルホン
のアルカリ金属塩を提供することを課題とする。
フェニルスルホンのアルカリ金属塩は、文献未記載の新
規化合物であって、一般式
Csを表し、m、nは1以上の整数で、1<(m+n)
/m≦6である。)で表される。
のアルカリ金属塩を製造するには、ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンを、アルカリ金属原子換算でm/(m+
n)当量の塩基性アルカリ金属化合物と反応させる。
アルカリ金属原子であり、具体的にはNa(ナトリウ
ム)、K(カリウム)、Li(リチウム)、Rb(ルビ
ジウム)またはCs(セシウム)である。また、式中の
OH基およびO-基の位置は、特に限定されないが、
2,4′位または4,4′位であるのが好ましい。
+n)/m≦6である。例えば、mが1でnが1の場合
は、ジヒドロキシジフェニルスルホンの1/2アルカリ
金属塩である。また、例えば、mが1でnが3の場合
は、ジヒドロキシジフェニルスルホンの1/4アルカリ
金属塩である。
本発明の化合物は結晶水を含んでもよい。
のアルカリ金属塩を製造するには、ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンを水系溶媒中で懸濁させ、これに塩基性ア
ルカリ金属化合物を加え、加熱して懸濁状態または溶解
状態とした後に、冷却して析出結晶を単離する。
は、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられ
る。
a、K、Li、Rb、Cs等のアルカリ金属の水酸化物
や炭酸塩等が挙げられ、好ましくはアルカリ金属水酸化
物である。
(m+n)アルカリ金属塩を得るには、ジヒドロキシジ
フェニルスルホンに対して、理論的には、アルカリ金属
原子換算でm/(m+n)当量の塩基性アルカリ金属化
合物を反応させる。例えば、ジヒドロキシジフェニルス
ルホンの1/2アルカリ金属塩を得るには、ジヒドロキ
シジフェニルスルホンに対して、理論的には、アルカリ
金属原子換算で1/2当量の塩基性アルカリ金属化合物
を反応させ、1/4アルカリ金属塩を得るには、理論的
には、アルカリ金属原子換算で1/4当量の塩基性アル
カリ金属化合物を反応させ、1/6アルカリ金属塩を得
るには、理論的には、アルカリ金属原子換算で1/6当
量の塩基性アルカリ金属化合物を反応させる。
量は、例えば、ジヒドロキシジフェニルスルホンの1/
2アルカリ金属塩を得るには、ジヒドロキシジフェニル
スルホンに対して、アルカリ金属原子換算で0.4〜
0.6当量となる値である。すなわち、アルカリ金属水
酸化物を用いる場合には、ジヒドロキシジフェニルスル
ホン1モルに対して0.4〜0.6モルの使用量であ
り、アルカリ金属炭酸塩を用いる場合には、ジヒドロキ
シジフェニルスルホン1モルに対して0.2〜0.3モ
ルの使用量である。
ルホンの1/4アルカリ金属塩を得るには、塩基性アル
カリ金属化合物の好ましい使用量は、ジヒドロキシジフ
ェニルスルホンに対して、アルカリ金属原子換算で0.
2〜0.3当量となる値である。すなわち、アルカリ金
属水酸化物を用いる場合には、ジヒドロキシジフェニル
スルホン1モルに対して0.2〜0.3モルの使用量で
あり、アルカリ金属炭酸塩を用いる場合には、ジヒドロ
キシジフェニルスルホン1モルに対して0.1〜0.1
5モルの使用量である。
ルホンの1/6アルカリ金属塩を得るには、塩基性アル
カリ金属化合物の好ましい使用量は、ジヒドロキシジフ
ェニルスルホンに対して、アルカリ金属原子換算で0.
15〜0.18当量となる値である。すなわち、アルカ
リ金属水酸化物を用いる場合には、ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン1モルに対して0.15〜0.18モルの
使用量であり、アルカリ金属炭酸塩を用いる場合には、
ジヒドロキシジフェニルスルホン1モルに対して0.0
75〜0.09モルの使用量である。
を用いることができる。アルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等が好まし
い。アルコールの濃度は、30重量%以下であるのが好
ましい。
が、ジヒドロキシジフェニルスルホンに対して1〜5重
量倍とするのが好ましい。
後の加熱温度は、特に限定されないが、60〜100℃
が好ましい。
に、反応液を10〜50℃に冷却し、析出した結晶を濾
過等により単離する。冷却しても結晶が析出しない場合
には、反応液を濃縮乾固して目的物を得ることができ
る。
モノアルカリ金属塩とジヒドロキシジフェニルスルホン
との混合物を溶融させても、本発明の化合物を得ること
ができる。
モノアルカリ金属塩は融点を有さないが、上記のように
して得られた本発明の化合物は融点を有するので、明ら
かに別の化合物である。本発明の化合物の大部分は、対
応するジヒドロキシジフェニルスルホン自体よりも低い
融点を示す。詳しくいえば、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルホンのm/(m+n)アルカリ金属塩の場
合はNa、Li、Rb、Cs塩が、2,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホンのm/(m+n)アルカリ金属
塩の場合はLi、Rb、Cs塩が、それぞれ対応するジ
ヒドロキシジフェニルスルホン自体よりも低い融点を示
す。
ホンのモノアルカリ金属塩に比べて、本発明の化合物は
水に対する溶解度が小さく、ジヒドロキシジフェニルス
ルホン自体の溶解度とほぼ同程度である。さらに、ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン自体に比べて、本発明の化
合物は有機溶媒に対する溶解度が小さい。
溶解度が小さいので、感熱紙用顕色剤として有用であ
る。また、有機溶媒に対する溶解度も小さいので、耐溶
剤性や保存性等に優れている。
ロキシジフェニルスルホンのm/(m+n)アルカリ金
属塩は、水に対する溶解度が特に小さいので、2,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホンと4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルホンとの混合物から、2,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホンを分離するための中間
体として有用である。すなわち、例えば、2,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホンと4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルホンとの混合物を、塩基性アルカリ金
属化合物の水溶液に懸濁または溶解処理した後、冷却し
て2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのm/
(m+n)アルカリ金属塩のみを析出させて、分離し、
次いでこれを酸処理することにより、高純度の2,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホンを得ることができ
る。
に説明する。
Na塩の製造]100ml反応器に2,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン15.0g(0.06モル)お
よび水75.0gを仕込み、撹拌しながら48%NaO
H水溶液2.5g(0.03モル)を加えた後に昇温し
た。内温が95℃に到達したとき、系内は懸濁状態であ
った。次いで、30℃まで冷却して析出結晶を濾別し
た。得られた結晶17.5gを風乾すると、結晶の重量
は14.9gとなった。
と1N−硫酸で滴定した。
ルスルホン2分子とNa1原子とからなり、結晶水1分
子を含む塩であることが確認された。
Cs塩の製造]50ml反応器に4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン10.0g(0.04モル)およ
び水20.0gを仕込み、撹拌しながら水酸化セシウム
1.5g(0.01モル)を加えた後に昇温した。内温
が90℃に到達したとき、系内は溶解状態となった。そ
の後、放冷したところ内温85℃で結晶が析出し始め、
30℃で析出結晶を濾別した。得られた結晶13.2g
を風乾すると、結晶の重量は10.7gとなった。
と1N−硫酸で滴定した。
ルスルホン4分子とCs1原子とからなり、結晶水3分
子を含む塩であることが確認された。
基性アルカリ金属化合物の種類およびその使用量(対D
DS1モル)を表1に示すように変更した以外は、実施
例1と同様にしてDDSのアルカリ金属塩を得た。
果を表2に示す。参考のために、実施例1、2の分析結
果も併記する。また、参考例1、2として、4,4′−
DDSと2,4′−DDSの融点と分解点を併記する。
す。図1は2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン
の1/2K塩(実施例7)のX線回折チャート、図2は
2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのモノカリ
ウム塩(比較例5)のX線回折チャート、図3は2,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(参考例2)の
X線回折チャート、図4は2,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホンの1/2Cs塩(実施例8)のX線回折
チャート、図5は2,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホンのモノセシウム塩(比較例6)のX線回折チャー
トである。
Na塩の製造]実施例1の水を30重量%メタノール水
溶液に変えた以外は同様に行った結果、内温が85℃に
到達したとき、系内は溶解状態となり、その後、冷却し
たところ内温45℃で結晶が析出し始め、25℃で析出
結晶を濾別した。得られた結晶14.1gを風乾する
と、結晶の重量は12.0gとなった。
ルスルホン2分子とNa1原子とからなり、結晶水1分
子を含む塩であることが確認された。
Cs塩の製造]実施例2の水を20重量%メタノール水
溶液に変えた以外は同様に行った結果、内温が70℃に
到達したとき、系内は溶解状態となり、その後、冷却し
たところ内温46℃で結晶が析出し始め、25℃で析出
結晶を濾別した。得られた結晶10.6gを風乾する
と、結晶の重量は8.6gとなった。
ルスルホン4分子とCs1原子とからなり、結晶水3分
子を含む塩であることが確認された。
ンのアルカリ金属塩は、水や有機溶媒に対する溶解度が
小さいため、感熱紙用顕色剤等として有用である。
である。
モノカリウム塩のX線回折チャートである。
X線回折チャートである。
である。
モノセシウム塩のX線回折チャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、MはNa、K、Li、RbまたはCsを表し、
mは1で、nは1、3または5である。)で表されるジ
ヒドロキシジフェニルスルホンのアルカリ金属塩。 - 【請求項2】 ジヒドロキシジフェニルスルホンを、ア
ルカリ金属原子換算でm/(m+n)当量の塩基性アル
カリ金属化合物と反応させることを特徴とする請求項1
に記載のジヒドロキシジフェニルスルホンのアルカリ金
属塩の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13142597A JP3486634B2 (ja) | 1996-05-27 | 1997-05-21 | ジヒドロキシジフェニルスルホンのアルカリ金属塩 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP13226796 | 1996-05-27 | ||
JP13142597A JP3486634B2 (ja) | 1996-05-27 | 1997-05-21 | ジヒドロキシジフェニルスルホンのアルカリ金属塩 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13142597A Expired - Fee Related JP3486634B2 (ja) | 1996-05-27 | 1997-05-21 | ジヒドロキシジフェニルスルホンのアルカリ金属塩 |
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1997
- 1997-05-21 JP JP13142597A patent/JP3486634B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1053574A (ja) | 1998-02-24 |
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