JP3486619B2 - ペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着剤 - Google Patents

ペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着剤

Info

Publication number
JP3486619B2
JP3486619B2 JP2001390841A JP2001390841A JP3486619B2 JP 3486619 B2 JP3486619 B2 JP 3486619B2 JP 2001390841 A JP2001390841 A JP 2001390841A JP 2001390841 A JP2001390841 A JP 2001390841A JP 3486619 B2 JP3486619 B2 JP 3486619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pellicle
adhesive
film
frame
fluoropolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001390841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002258465A (ja
Inventor
洋行 倉田
英登 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001390841A priority Critical patent/JP3486619B2/ja
Publication of JP2002258465A publication Critical patent/JP2002258465A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3486619B2 publication Critical patent/JP3486619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペリクル、ペリク
ルの製造方法およびペリクル用接着剤に関し、特に、集
積回路の製造工程におけるフォトリソグラフィ工程で使
用されるマスク或いはレチクル(以下、単にマスク等と
いう)に塵埃等が付着するのを防止する目的で用いられ
るペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の線幅の微細化等が求められて
いることから、極めて短波長の露光光源を用いることが
望まれており、このような短波長の紫外線を用いた場合
には、セルロース等の従来のペリクル膜では劣化が激し
く、充分な耐久性を得ることができなかった。そのため
近年、フッ素系ポリマーからなるペリクル膜が使用され
ているが、フッ素系ポリマーは剥離性に優れているため
従来ペリクル膜をペリクル枠に接着するのに用いられて
いたエポキシ系接着剤では、実用的な接着力を得ること
ができなかった。また、エポキシ系接着剤では、短波長
の紫外線に対して充分な耐光性を有していなかった。
【0003】このようなフッ素系ポリマーからなるペリ
クル膜の接着剤についての問題を解決するために、フッ
素系有機物からなるペリクル膜を同じフッ素系有機物か
らなる接着剤でペリクル枠に接着してなるペリクルも提
案されている(特開平6−67409)。しかしなが
ら、この従来の接着剤では、フッ素系有機物を溶剤に溶
解した物を枠上に塗布した後、3時間風乾が必要であ
り、更に、膜と接着剤を接着させる際には100℃以上
に加熱する必要がある。このため、接着工程に手間がか
かり、更に、熱をかけるため枠等の部材に歪みを生じさ
せる問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
目的は、短波長の紫外線に対して充分な耐光性を備え、
且つ接着時に加熱の必要が無く、且つ充分な接着強度を
もつペリクル用接着剤ならびにそのような接着剤を用い
た接着層を備えるペリクルおよびペリクルの製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、フッ素
系ポリマーからなるペリクル膜とペリクル枠とを接着す
るペリクル用接着剤であって、下記一般式(1)、
(2)および(3)
【化1】
【化2】
【化3】 (但し、式中、R1、R4はそれぞれ独立に水素または
メチル基、R2、R3はそれぞれ独立に水素または水酸
基、Rfはフッ素含有基であり、l,m,nはそれぞれ
1乃至8の整数である。)からなる群より選ばれる1種
以上の紫外線硬化型フッ素系モノマーと、フッ素系ポリ
マーであって、下記式(4)、(5)および(6)
【化4】 −C 2 4 − …(4)
【化5】 −C 3 6 − …(5)
【化6】 −C 2 2 2 …(6) で表される構造単位からなる共重合体と、 を含むことを
特徴とするペリクル用接着剤が提供される。
【0006】 また、本発明によれば、フッ素系ポリマ
ーからなるペリクル膜と前記ペリクル膜を支持するペリ
クル枠とを備えるペリクルであって、前記ペリクル膜
が、上記接着剤を用いて前記ペリクル枠に接着されてい
ることを特徴とするペリクルが提供される。
【0007】 また、本発明によれば、フッ素系ポリマ
ーからなるペリクル膜と前記ペリクル膜を支持するペリ
クル枠とを備えるペリクルの製造方法であって、前記ペ
リクル膜を、上記接着剤を用いて前記ペリクル枠に接着
する工程を備えることを特徴とするペリクルの製造方法
提供される。
【0008】ペリクル膜をペリクル枠に接着する接着剤
として紫外線硬化型フッ素系モノマーを含むものを用い
ることにより、紫外線を照射してフッ素系接着剤を重合
硬化させて、ペリクル膜をペリクル枠に接着することが
可能となるため、工程を簡略化でき、接着時の加熱の必
要もなくなり、ペリクル膜にダメージを与えることも有
効に防止できるようになる。また、接着剤中には、紫外
線硬化型フッ素系モノマーのみならず、フッ素系ポリマ
ーも含まれているので、接着剤の接着強度をさらに向上
させることができる。また、ペリクル膜をペリクル枠に
接着する接着層として、フッ素系ポリマーと紫外線硬化
型フッ素系モノマーを硬化させたものを含んでおり、短
波長の紫外線に対して耐光性を備えている。
【0009】上記接着剤で接着されるペリクル膜はフッ
素系ポリマーから成ることが好ましい。フッ素系ポリマ
ーから成るペリクル膜をペリクル枠に接着するのに、フ
ッ素系ポリマーと紫外線硬化型フッ素系モノマーとを含
む上記接着剤を使用すれば、フッ素系ポリマーから成る
ペリクル膜の接着性を向上させることが可能となるので
ある。
【0010】
【0011】接着剤に用いるフッ素系ポリマーの好まし
い分子量は、極限粘度[η]=0.20〜0.80(d
l/g)となる分子量である。なお、[η]の測定条件
は、溶媒がTHF、温度は30℃である。極限粘度
[η]が高すぎる(分子量が高い)場合、膜を張り付けた
とき接着剤の枠上での拡がりが悪くなり、外観が良く接
着することが困難になる。逆に、極限粘度[η]が低す
ぎる(分子量が低い)場合、硬化したあとの接着剤の強
度が低くなり、膜の張力により接着剤層が変形する。
【0012】ましくは、この共重合体のフッ素系ポリ
マーが、下記式(7)
【化10】 −(C24a−(C36b−(C222c− …(7) (ただし、a、b、cは、それぞれ正の整数である)で
表されるフッ素ポリマーであり、さらにより好ましく
は、1,1−ジフルオロエチレン・テトラフルオロエチ
レン・プロピレン共重合物であり、[η]=0.30〜
0.45(dl/g)である。
【0013】ペリクル膜をペリクル枠に接着するのに用
いる接着剤に好ましく含まれる紫外線硬化型フッ素系モ
ノマーとしては、フッ素系モノマーの(メタ)アクリル
酸エステルや水酸基を含有するフッ素系モノマーである
ことが望ましく、下記一般式(1)、(2)および
(3)
【化11】
【化12】
【化13】 (但し、式中、R、Rはそれぞれ独立に水素または
メチル基、R、Rはそれぞれ独立に水素または水酸
基、Rfはフッ素含有基であり、l,m,nはそれぞれ
1乃至8の整数である。)からなる群より選ばれる1種
以上のモノマーを好適に使用することができる。
【0014】接着剤に好ましく含まれるフッ素系ポリマ
ーと紫外線硬化型フッ素系モノマーとの好ましい割合
は、上記一般式(2)で表される、モノアクリレートフ
ッ素系モノマーの場合は、フッ素系ポリマー:紫外線硬
化型フッ素系モノマー=1:0.25〜0.5(重量
比)であり、上記一般式(3)、(4)で表される、ジ
アクリレートフッ素系モノマーの場合は、フッ素系ポリ
マー:紫外線硬化型フッ素系モノマー=1:0.25〜
3(重量比)である。フッ素系モノマーが多すぎると、
接着強度が低くなり、逆に少なすぎると、膜を張り付け
たとき接着剤の枠上での拡がりが悪くなり、外観が良く
接着することが困難になる。
【0015】ペリクル膜をペリクル枠に接着するのに用
いる接着剤に好ましく含まれる紫外線硬化型フッ素系モ
ノマーのうち、下記一般式(1)
【化14】 (但し、式中、Rは水素またはメチル基、Rは水素
または水酸基、Rfはフッ素含有基であり、lは整数で
ある。)で表される紫外線硬化型フッ素系モノマーにお
いては、好ましくは、lは1〜8の整数である。また、
フッ素含有基Rfとしては、好ましくは、−(CF
CF,−(CFCF,−(CF
,−(CFCF(CF,−(CF
,−(CFCFH,−(CFCF
−(CFCF(CF等を挙げることがで
き、具体的には、下記のフッ素系モノマーを例示でき
る。
【0016】
【化15】
【0017】
【化16】
【0018】
【化17】
【0019】
【化18】
【0020】
【化19】
【0021】
【化20】
【0022】
【化21】 CH2=CH−CO2−CH2−CH2−(CF29CF3
【0023】
【化22】
【0024】
【化23】 CH2=CH−CO2−CH2(CF24CH2OH
【0025】
【化24】
【0026】
【化25】 CH2=CH−CO2−(CH26−(CF25CF3
【0027】
【化26】
【0028】
【化27】 CH2=CH−CO2−CH2−(CF25CF2
【0029】
【化28】 CH2=CH−CO2−(CH26(CF23CF3
【0030】
【化29】
【0031】ペリクル膜をペリクル枠に接着するのに用
いる接着剤に好ましく含まれる紫外線硬化型フッ素系モ
ノマーのうち、下記一般式(2)
【化30】 (但し、式中、R、Rはそれぞれ独立に水素または
メチル基、R、Rはそれぞれ独立に水素または水酸
基、Rfはフッ素含有基であり、m、nは整数であ
る。)で表される紫外線硬化型フッ素系モノマーにおい
ては、好ましくは、mは1〜8の整数であり、nは1〜
8の整数である。また、フッ素含有基Rfとしては、好
ましくは、−CF−,−(CF−,−(C
−,−(CF−,−(CF−,−
CFCF−,−(CFCFCF−,−(CF
CFCF−,−(CFCFCF−等を
挙げることができ、具体的には、下記のフッ素系モノマ
ーを例示できる。
【0032】
【化31】CH2=CH−CO2−CH2−(CF22
CH2−CO2−CH=CH2
【0033】
【化32】CH2=CH−CO2−CH2−(CF24
CH2−CO2−CH=CH2
【0034】
【化33】CH2=CH−CO2−CH2−(CF26
CH2−CO2−CH=CH2
【0035】
【化34】CH2=CH−CO2−CH2−(CF28
CH2−CO2−CH=CH2
【0036】
【化35】 CH2=CH−CO2−(CH2n−(CF24−(CH
2m−CO2−CH=CH2
(n,mは1〜3)
【0037】
【化36】 CH2=C(CH3)−CO2−(CH2n−(CF24
−(CH2m−CO2−CH=CH2
(n,mは1〜3)
【0038】
【化37】 CH2=C(CH3)−CO2−(CH2n−(CF24
−(CH2m−CO2−C(CH3)=CH2
(n,mは1〜3)
【0039】
【化38】 CH2=CH−CO2−CH(OH)−(CF24−(C
H)n−CO2−CH=CH2
(nは1〜3)
【0040】ペリクル膜をペリクル枠に接着するのに用
いる接着剤に好ましく含まれる紫外線硬化型フッ素系モ
ノマーのうち、下記一般式(3)
【化39】 (但し、式中、R、Rはそれぞれ独立に水素または
メチル基、R、Rはそれぞれ独立に水素または水酸
基、Rfはフッ素含有基であり、m,nは整数であ
る。)で表される紫外線硬化型フッ素系モノマーにおい
ては、好ましくは、mは1〜8の整数であり、nは1〜
8の整数である。また、フッ素含有基Rfとしては、好
ましくは、−(CF)CF,−(CF
,−(CF CF,−(CFCF(C
,−(CF,−(CFCFH,
−(CFCF,−(CFCF(CF
等を挙げることができ、具体的には、下記のフッ素系
モノマーを例示できる。
【0041】
【化40】
【0042】
【化41】
【0043】
【化42】
【0044】
【化43】
【0045】
【化44】
【0046】ペリクル膜をペリクル枠に接着するのに用
いる接着剤には、前述したフッ素系ポリマーと紫外線硬
化型フッ素系モノマーに加えて、光開始剤や増感剤を併
用することもでき、これにより紫外線による重合硬化を
迅速に行うことができると共に、重合度を高めることに
よって接着強度を向上させることも可能となる。
【0047】光開始剤としては、好ましくは、2.2ジ
エトキシアセトフェノン、ダロキュア1173(Ciba S
pecialty Chemicals K.K 製)、イルガキュア369(C
ibaSpecialty Chemicals K.K 製)、イルガキュア81
9(Ciba Specialty Chemicals K.K 製)、イルガキュ
ア1700(Ciba Specialty Chemicals K.K 製)、イ
ルガキュア1850(Ciba Specialty Chemicals K.K
製)、イルガキュア184(Ciba Specialty Chemicals
K.K 製)が用いられる。
【0048】増感剤としては、ベンゾイン、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルを好
適に使用することができる。
【0049】(ペリクル膜)ペリクルに用いるペリクル
膜は、好ましくは、フッ素系ポリマーから成るものであ
り、具体的には、旭硝子(株)製のフッ素ポリマー(商
品名:CYTOP)や、デユポン社製のフッ素ポリマー
(商品名:テフロン(登録商標)AF)等を例示するこ
とができる。
【0050】このフッ素系ポリマーから成るペリクル膜
の製造は、上記フッ素系重合体をフッ素系溶媒、特にパ
ーフルオロ系の有機溶媒、例えば、パーフルオロ(2−
ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロ(2−プロ
ピルテトラヒドロピラン)、パーフルオロヒドロフラ
ン、パーフルオロオクタン等を用いて0.1乃至20重
量%、特に0.3乃至10重量%の濃度に溶解した後、
それ自体公知の流延製膜法、例えばスピンコート法、ナ
イフコート法等により行うことができ、一般にガラス板
等の平滑な基体表面に樹脂溶液を流延させて薄膜を形成
させ、熱風や赤外線照射等の手段によって乾燥させて残
存溶媒を除去するのがよい。形成される薄膜の厚みは溶
液粘度や基板の回転速度などを変化させることにより容
易に変化させることができ、一般に0.05乃至10μ
mの範囲で用いる光源の波長に対する透過率が高くなる
ように設定するのがよい。
【0051】また、ペリクル膜自体がフッ素系ポリマー
から成るものの他、ニトロセルロース等の従来公知のペ
リクル膜材料から成る薄膜にフッ素系ポリマーから成る
反射防止層を積層したペリクル膜も好適に使用すること
ができる。この場合にも、接着剤に接触する部分がフッ
素系ポリマーから成る反射防止層であっても、フッ素系
ポリマーと紫外線硬化型フッ素系モノマーとを備える上
記接着剤は優れた接着性を示し、フッ素系ポリマーから
成るペリクル膜を接着する場合と同様の効果を得ること
ができる。
【0052】(ペリクル枠)ペリクル枠としては、従来
公知のものをすべて使用することができ、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、ステンレススチール等の金属製
のものや、合成樹脂製、或いはセラミック製のものを好
ましく使用することができる。また、本発明のペリクル
は、ペリクル枠の一方の側に前述した接着剤を介してペ
リクル膜が張設され、他方の側に粘着剤を塗布するか、
或いは両面テープを貼着する等してマスク等の上に取り
付け可能となる。
【0053】
【実施例】(実施例1) (ペリクル膜の作成)環状パーフルオロエーテル基を有
する完全フッ素化物フッ素系樹脂であるサイトップ(旭
硝子(株)製商品名)をフッ素系溶剤のIL−263
(ペルフルオロトリアルキルアミン(化学式:C
2n+1N)(トクヤマ(株)製商品名)に溶解し
て6wt%の溶液を調整し、スピンコート法で膜厚0.
8μmの薄膜を作成した。
【0054】(接着剤の調整)1,1−ジフルオロエチ
レン・テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合物
(旭硝子(株)製)(極限粘度:[η]=0.30〜
0.45(dl/g))に酢酸ブチル、2−(パーフル
オロオクチル)エチルアクリレート(R−1820:ダ
イキンファインケミカル研究所(株)製商品名)を加え
溶解させる。その後、光開始剤としてダロキュア117
3(Ciba Specialty Chemicals K.K 製)、イルガキュ
ア369(Ciba Specialty Chemicals K.K 製)、2.
2ジエトキシアセトフェノン(和光純薬(株)製)を加
えて調整した。組成については、表1を参照のこと。
【0055】(ペリクルの作成)アルミニウム合金製の
ペリクル枠(縦149mm×横122mm、高さ5.8
mm、幅2mm)に、外径2.0mmφ/内径1.0m
mφの塗布針から16sec/5滴の吐出量のもと、2
0mm/secの塗布速度でペリクル枠の接着面上に接
着剤を塗布した。塗布終了60sec後、作成したペリ
クル膜を貼り付けた後、UV照射装置(東芝ライテック
(株)製;M2000L/81N(80W/cm):ス
ペクトルレンジ220〜600nm)で90sec照射
し接着剤を硬化した。続いて、ペリクル枠の外側の余分
な膜をカッターで切断しペリクルを作成した。
【0056】(ペリクル膜の接着強度、外観評価、耐光
性評価)外径1.0mmφ/内径0.65mmφの針を
用い、薄膜表面の上から距離10mm、角度65゜、圧
力0.2MPaのエアーを約2mm/secの速度で薄
膜が接着しているペリクル枠の内側に沿って吹き付け評
価(外ブロー評価)を行った。同様に、薄膜裏面の下か
ら距離10mm、角度45゜、圧力0.2MPaのエア
ーを約2mm/secの速度で薄膜が接着しているペリ
クル枠の内側に沿って吹き付け評価(内ブロー評価)を
行った。また、外観を蛍光灯下及び顕微鏡で観察し評価
した。さらに、ArFレーザ(波長193nm,1(m
J/cm)/pulse,500Hz)を、接着面に
3000J照射し、耐光性評価した。これらの結果を、
表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果から、前記の接着剤により、ペ
リクル枠に接着剤塗布後、紫外線を照射することで枠と
膜を強力に素早く、且つ外観もきれいに接着できたこと
がわかる。また、耐光性もよいことがわかる。
【0059】なお、表1の「外観評価」で、「膜面引き
つり問題無」は、使用上問題にならない軽微な引きつり
が外観上観察される場合をいう。「膜面引きつり問題
無」という評価が記載されていないものは、全く引きつ
りが認められないものである。「膜面に異常なし」は、
膜の変色等の異常がないということで、膜自体に影響が
あったかどうかの評価である。このことは、表2以下の
表においても同じである。
【0060】また、以下の実施例および比較例において
も、ペリクル膜の作成、ペリクル膜の接着強度、外観評
価については、この実施例1と同様に行ったので、以下
の実施例、比較例においては、これらの項目に関する詳
細は省略する。
【0061】(実施例2) (接着剤の調整)1,1−ジフルオロエチレン・テトラ
フルオロエチレン・プロピレン共重合物(旭硝子(株)
製)に酢酸ブチル、1H,1H,5Hオクタフルオロペン
チルアクリレート(R−5410:ダイキンファインケ
ミカル研究所(株)製商品名)を加え溶解させる。その
後、光開始剤としてダロキュア1173(Ciba Special
tyChemicals K.K 製)、イルガキュア369(Ciba Spe
cialty Chemicals K.K 製)、2.2ジエトキシアセト
フェノン(和光純薬(株)製)を加えて調整した。組成
については、表2を参照のこと。
【0062】(ペリクルの作成)アルミニウム合金製の
ペリクル枠(縦149mm×横122mm、高さ5.8
mm、幅2mm)に、外径2.0mmφ/内径1.0m
mφの塗布針から16sec/5滴の吐出量のもと、2
0mm/secの塗布速度でペリクル枠の接着面上に接
着剤を塗布した。塗布終了60sec後、作成したペリ
クル膜を貼り付けた後、UV照射装置(東芝ライテック
(株)製;M2000L/81N(80W/cm):ス
ペクトルレンジ220〜600nm)で90sec照射
し接着剤を硬化した。続いて、ペリクル枠の外側の余分
な膜をカッターで切断しペリクルを作成した。
【0063】(ペリクル膜の接着強度、外観評価、耐光
性評価)前記接着剤の評価結果を、表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2の結果から、前記の接着剤により、ペ
リクル枠に接着剤塗布後、紫外線を照射することで枠と
膜を強力に素早く、且つ外観もきれいに接着できたこと
がわかる。
【0066】(実施例3) (接着剤の調整)2,2,3,3,4,4,5,5−オ
クタフルオロヘキサン−1,6ジオール(A−741
2:ダイキンファインケミカル研究所(株)製商品名)
をエステル化し2,2,3,3,4,4,5,5−オク
タフルオロヘキサン−1,6ジアクリレート(以下DR
7412と呼ぶ)を合成した。その後、1,1−ジフル
オロエチレン・テトラフルオロエチレン・プロピレン共
重合物(旭硝子(株)製)に酢酸エチル、合成したDR7
412を加え溶解させる。その後、光開始剤としてダロ
キュア1173(Ciba Specialty Chemicals K.K
製)、イルガキュア369(Ciba Specialty Chemicals
K.K 製)、2.2ジエトキシアセトフェノン(和光純
薬(株)製)を加えて調整した。組成については、表3
を参照のこと。
【0067】(ペリクルの作成)アルミニウム合金製の
ペリクル枠(縦149mm×横122mm、高さ5.8
mm、幅2mm)に、外径2.0mmφ/内径1.0m
mφの塗布針から16sec/5滴の吐出量のもと、2
0mm/secの塗布速度でペリクル枠の接着面上に接
着剤を塗布した。塗布終了60sec後、作成したペリ
クル膜を貼り付けた後、UV照射装置(東芝ライテック
(株)製;M2000L/81N(80W/cm):ス
ペクトルレンジ220〜600nm)で90sec照射
し接着剤を硬化した。続いて、ペリクル枠の外側の余分
な膜をカッターで切断しペリクルを作成した。
【0068】(ペリクル膜の接着強度、外観評価、耐光
性評価)前記接着剤の評価結果を、表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】表3の結果から、前記の接着剤により、ペ
リクル枠に接着剤塗布後、紫外線を照射することで枠と
膜を強力に素早く、且つ外観もきれいに接着できたこと
がわかる。
【0071】(比較例1) (接着剤の調整)フッ素系モノマーではない紫外線硬化
型接着剤である3083((株)スリーボンド製商品
名)に、溶媒として酢酸ブチルを加えて調整した。組成
は、表4参照のこと。
【0072】(ペリクルの作成)アルミニウム合金製の
ペリクル枠(縦149mm×横122mm、高さ5.8
mm、幅2mm)に、外径0.7mmφ/内径0.3m
mφの塗布針から30sec/5滴の吐出量のもと、2
0mm/secの塗布速度でペリクル枠の接着面上に接
着剤を塗布した。塗布終了60sec後、作成したペリ
クル膜を貼り付けた後、UV照射装置(東芝ライテック
(株)製;M2000L/81N(80W/cm):ス
ペクトルレンジ220〜600nm)で70sec照射
し接着剤を硬化した。続いて、ペリクル枠の外側の余分
な膜をカッターで切断しペリクルを作成した。
【0073】(ペリクル膜の接着強度、外観評価、耐光
性評価)前記接着剤の評価結果を、表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】表4の結果から、前記の接着剤では、外観
良く素早く接着できたが、十分な接着強度を得ることは
出来なかったことがわかる。また、耐光性に問題がある
ことがわかる。
【0076】(比較例2) (接着剤)スリーボンド3013C((株)スリーボン
ド製商品名)を用いてペリクルを作成した。
【0077】(ペリクルの作成)アルミニウム合金製の
ペリクル枠(縦149mm×横122mm、高さ5.8
mm、幅2mm)に、外径0.7mmφ/内径0.3m
mφの塗布針から30sec/5滴の吐出量のもと、2
0mm/secの塗布速度でペリクル枠の接着面上に接
着剤を塗布した。塗布終了60sec後、作成したペリ
クル膜を貼り付けた後、UV照射装置(東芝ライテック
(株)製;M2000L/81N(80W/cm):ス
ペクトルレンジ220〜600nm)で90sec照射
し、その後、120℃の熱風乾燥器で10min加熱し
硬化させた。続いて、ペリクル枠の外側の余分な膜をカ
ッターで切断しペリクルを作成した。
【0078】(ペリクル膜の接着強度、外観評価、耐光
性評価)前記接着剤の評価結果を、表5に示す。
【0079】
【表5】
【0080】表5の結果から、前記の接着剤では、接着
するためには高い温度かける必要があるため、膜にダメ
ージを与える結果となった。更に、十分な接着強度を得
ることは出来なかった。また、耐光性に問題があること
がわかった。
【0081】(比較例3) (接着剤の調整)サイトップCTX Aタイプ(旭硝子
(株)製商品名)を、溶媒CTsolv160(ペルフ
ルオロトリアルキルアミン(化学式:C2n+1
N)(旭硝子(株)製商品名)に溶解し、9wt%濃
度に調整した。
【0082】(ペリクルの作成)アルミニウム合金製の
ペリクル枠(縦149mm×横122mm、高さ5.8
mm、幅2mm)に、外径2.0mmφ/内径1.0m
mφの塗布針から16sec/5滴の吐出量のもと、2
0mm/secの塗布速度でペリクル枠の接着面上に接
着剤を塗布した。塗布終了3時間風乾させた後、130
℃のホットプレート上に、このアルミニウム枠を接着剤
塗布面が上になるように載せ、5分後に作成した膜を接
着剤塗布面に載せて接着した。続いてペリクル枠の外側
の余分な膜をカッターで切断しペリクルを作成した。
【0083】(ペリクル膜の接着強度、外観評価)前記
接着剤の評価結果を、表6に示す。
【0084】
【表6】
【0085】表6の結果から、前記の接着剤では、接着
するためには高い温度かける必要があるため、膜にダメ
ージを与える結果となったことがわかる。更に、ペリク
ルを作成するために多くの時間と作業を必要とした。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、短波長の紫外線に対し
て充分な耐光性を備え、且つ接着時に加熱の必要のない
接着層を備えるペリクル、ペリクルの製造方法および
リクル用接着剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−248807(JP,A) 特開 平4−28772(JP,A) 特開 平3−163182(JP,A) 特開 平6−148871(JP,A) 特開 平7−56325(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/14 H01L 21/027 - 21/033 C09J 4/00 - 4/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素系ポリマーからなるペリクル膜とペ
    リクル枠とを接着するペリクル用接着剤であって、 下記一般式(1)、(2)および(3) 【化1】 【化2】 【化3】 (但し、式中、R1、R4はそれぞれ独立に水素または
    メチル基、R2、R3はそれぞれ独立に水素または水酸
    基、Rfはフッ素含有基であり、l,m,nはそれぞれ
    1乃至8の整数である。)からなる群より選ばれる1種
    以上の紫外線硬化型フッ素系モノマーと、フッ素系ポリ
    マーであって、下記式(4)、(5)および(6) 【化4】 −C 2 4 − …(4) 【化5】 −C 3 6 − …(5) 【化6】 −C 2 2 2 …(6) で表される構造単位からなる共重合体と、 を含むことを
    特徴とするペリクル用接着剤。
  2. 【請求項2】フッ素系ポリマーからなるペリクル膜と前
    記ペリクル膜を支持するペリクル枠とを備えるペリクル
    であって、前記ペリクル膜が、請求項1記載の接着剤を
    用いて前記ペリクル枠に接着されていることを特徴とす
    るペリクル。
  3. 【請求項3】フッ素系ポリマーからなるペリクル膜と前
    記ペリクル膜を支持するペリクル枠とを備えるペリクル
    の製造方法であって、 前記ペリクル膜を、請求項1記載の接着剤を用いて前記
    ペリクル枠に接着する工程を備えることを特徴とするペ
    リクルの製造方法。
JP2001390841A 2000-12-27 2001-12-25 ペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着剤 Expired - Fee Related JP3486619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390841A JP3486619B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-25 ペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000399185 2000-12-27
JP2000-399185 2000-12-27
JP2001390841A JP3486619B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-25 ペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002258465A JP2002258465A (ja) 2002-09-11
JP3486619B2 true JP3486619B2 (ja) 2004-01-13

Family

ID=26606940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001390841A Expired - Fee Related JP3486619B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-25 ペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3486619B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200617129A (en) * 2004-09-10 2006-06-01 Mitsui Chemicals Inc Adhesive
JP4921184B2 (ja) * 2007-01-19 2012-04-25 信越化学工業株式会社 ペリクルフレームへの膜接着剤の塗布方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002258465A (ja) 2002-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE60118965T2 (de) Härtbares fluoropolymer, härtbare harzzusammensetzungen diese enthaltend und antireflexionsfilm
JPH07168345A (ja) リソグラフィー用ペリクル
JPWO2004016689A1 (ja) 光硬化性含フッ素ポリマーを含む光学材料および光硬化性含フッ素樹脂組成物
JP2011252154A (ja) 非浸出接着剤系及び液浸対物系におけるその使用
US5378514A (en) Frame-supported pellicle for photolithography
EP0622680B1 (en) Frame-supported dustproof pellicle for photolithographic photomask
WO2006028227A1 (ja) 接着剤
JP3486619B2 (ja) ペリクル、ペリクルの製造方法およびペリクル用接着剤
JPH04505371A (ja) パーフルオロポリマーでコートされているペリクル
JP2016041778A (ja) 保護フィルム、フィルム積層体および偏光板
JPH08101497A (ja) ペリクル
JP6417843B2 (ja) 吸水性ポリマーシートの製造方法
JP3940086B2 (ja) フッ素置換脂環基含有(メタ)アクリル酸エステルおよびその硬化物
TWI255288B (en) A pellicle, a method for the production of the pellicle, and a adhesive agent used for the pellicle
WO2016043240A1 (ja) 保護フィルム、フィルム積層体および偏光板
JPH05507763A (ja) 反射防止層を有するペリクルフィルム
JP3429897B2 (ja) ペリクルの製造方法
JP2001356473A (ja) ペリクル
JPS6026074A (ja) 感圧性接着剤製造用の感光性樹脂組成物
JP4185232B2 (ja) リソグラフィー用ペリクル
US20180223138A1 (en) Pressure sensitive adhesive composition and pressure sensitive adhesive pattern formed therfrom
JPWO2007066481A1 (ja) α,β−不飽和エステル基を含有する含フッ素ノルボルネン誘導体または含フッ素ノルボルナン誘導体を含む硬化性含フッ素ポリマー組成物
JP3429898B2 (ja) ペリクルの製造方法
EP0818519B1 (en) Metal adhesive composition and method of bonding articles therewith
JP2002038076A (ja) 被膜形成用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3486619

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091024

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101024

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101024

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees