JP3486392B2 - 蒸気ドラム - Google Patents
蒸気ドラムInfo
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- JP3486392B2 JP3486392B2 JP2000224431A JP2000224431A JP3486392B2 JP 3486392 B2 JP3486392 B2 JP 3486392B2 JP 2000224431 A JP2000224431 A JP 2000224431A JP 2000224431 A JP2000224431 A JP 2000224431A JP 3486392 B2 JP3486392 B2 JP 3486392B2
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- steam
- steam drum
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば発電用ボイ
ラに備えられ、火炉等から出てきた蒸気の気液分離に用
いられる蒸気ドラムに関する。
ラに備えられ、火炉等から出てきた蒸気の気液分離に用
いられる蒸気ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の蒸気ドラムの一例につい
て、図12を参照しながら以下に説明する。なお、同図
は、従来の蒸気ドラムの一例を、その軸線方向に垂直な
断面より見た断面図である。同図に示すように、この蒸
気ドラムは、中空円筒形状のケースである蒸気ドラム本
体1と、該蒸気ドラム本体1内にその両横腹より気液混
合の蒸気(以下、気液混合蒸気MXと称する)を導入す
る導入管2,・・・と、これら導入管2,・・・より取り込ま
れた気液混合蒸気MXを液体(以下、水Wと称する)及
び蒸気(以下、蒸気Sと称する)に遠心分離するサイク
ロンセパレータ3,・・・と、分離された水Wを下方に排
出する下降管ノズル4,・・・と、蒸気Sに混入している
ミスト(図示せず)を慣性衝突分離させる一対のミスト
分離器5a,5aからなるスクラバ5,・・・と、蒸気S
を蒸気ドラム本体1の外部に導出する蒸気管ノズル6,
・・・とを備えた概略構成を有している。
て、図12を参照しながら以下に説明する。なお、同図
は、従来の蒸気ドラムの一例を、その軸線方向に垂直な
断面より見た断面図である。同図に示すように、この蒸
気ドラムは、中空円筒形状のケースである蒸気ドラム本
体1と、該蒸気ドラム本体1内にその両横腹より気液混
合の蒸気(以下、気液混合蒸気MXと称する)を導入す
る導入管2,・・・と、これら導入管2,・・・より取り込ま
れた気液混合蒸気MXを液体(以下、水Wと称する)及
び蒸気(以下、蒸気Sと称する)に遠心分離するサイク
ロンセパレータ3,・・・と、分離された水Wを下方に排
出する下降管ノズル4,・・・と、蒸気Sに混入している
ミスト(図示せず)を慣性衝突分離させる一対のミスト
分離器5a,5aからなるスクラバ5,・・・と、蒸気S
を蒸気ドラム本体1の外部に導出する蒸気管ノズル6,
・・・とを備えた概略構成を有している。
【0003】そして、この蒸気ドラムにおいては、蒸気
ドラム本体1内に取り込んだ気液混合蒸気MXを、まず
サイクロンセパレータ3,・・・を通すことによって水W
と蒸気Sとに分離させた後、更に蒸気Sをスクラバ5,
・・・を通してこれに混入しているミストを分離除去す
る。このようにして水分の除去がなされた後の蒸気S
は、蒸気管ノズル6,・・・より蒸気ドラム本体1の外部
に導出される。また、分離除去された前記水W及びミス
トは、下降管ノズル4,・・・より下方に排出される。
ドラム本体1内に取り込んだ気液混合蒸気MXを、まず
サイクロンセパレータ3,・・・を通すことによって水W
と蒸気Sとに分離させた後、更に蒸気Sをスクラバ5,
・・・を通してこれに混入しているミストを分離除去す
る。このようにして水分の除去がなされた後の蒸気S
は、蒸気管ノズル6,・・・より蒸気ドラム本体1の外部
に導出される。また、分離除去された前記水W及びミス
トは、下降管ノズル4,・・・より下方に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
蒸気ドラムにおいては、図13に示すように、サイクロ
ンセパレータ3,・・・から導出された蒸気Sがミスト分
離器5a,5aの取り入れ口5a1,5a1に入り込む
際の流れが、急な曲がりを生じるようになっていた。こ
のような急なカーブで蒸気Sが入り込むようになってし
まうと、取り入れ口5a1,5a1内の下部に流れの淀
みST(流れの剥離)が発生するため、この淀みST分
だけ、有効流路面積A1が実際の取り入れ口5a1,5
a1の開口面積A2よりも狭められてしまうため、ミス
ト分離器5a,5aにおけるミスト分離効率が低下して
しまう不具合が発生していた。
蒸気ドラムにおいては、図13に示すように、サイクロ
ンセパレータ3,・・・から導出された蒸気Sがミスト分
離器5a,5aの取り入れ口5a1,5a1に入り込む
際の流れが、急な曲がりを生じるようになっていた。こ
のような急なカーブで蒸気Sが入り込むようになってし
まうと、取り入れ口5a1,5a1内の下部に流れの淀
みST(流れの剥離)が発生するため、この淀みST分
だけ、有効流路面積A1が実際の取り入れ口5a1,5
a1の開口面積A2よりも狭められてしまうため、ミス
ト分離器5a,5aにおけるミスト分離効率が低下して
しまう不具合が発生していた。
【0005】この不具合の詳細について、図14,15
を参照しながら説明する。なお、図14は、ミスト分離
器5a,5aを示す斜視図であり、図15は、同ミスト
分離器5a内を流れる蒸気Sの流速を許容流速で割った
比である流速比VRの分布を示す図であって、横軸をミ
スト分離器の長手方向の奥行き位置Zとし、縦軸を前記
流速比VRとして示したグラフである。
を参照しながら説明する。なお、図14は、ミスト分離
器5a,5aを示す斜視図であり、図15は、同ミスト
分離器5a内を流れる蒸気Sの流速を許容流速で割った
比である流速比VRの分布を示す図であって、横軸をミ
スト分離器の長手方向の奥行き位置Zとし、縦軸を前記
流速比VRとして示したグラフである。
【0006】図14に示すように、一方のミスト分離器
5aの長手方向の一端z1側から中央z2,そして他端
z3側に向かう軸を奥行位置Z、ミスト分離器5aの厚
み寸法をtとする。そして、ミスト分離器5aの厚み寸
法tを8等分して各等分位置における蒸気Sの流速をV
1、許容流速(ミスト分離器5a内を流れる際に、効率
よくミスト分離が行える限界の流速)をV2とし、これ
らの比V1/V2を流速比VRとして表した場合、各等
分割位置における流速比VRは、1に近くかつ1以下で
あることが好ましい。
5aの長手方向の一端z1側から中央z2,そして他端
z3側に向かう軸を奥行位置Z、ミスト分離器5aの厚
み寸法をtとする。そして、ミスト分離器5aの厚み寸
法tを8等分して各等分位置における蒸気Sの流速をV
1、許容流速(ミスト分離器5a内を流れる際に、効率
よくミスト分離が行える限界の流速)をV2とし、これ
らの比V1/V2を流速比VRとして表した場合、各等
分割位置における流速比VRは、1に近くかつ1以下で
あることが好ましい。
【0007】ところが、実際の各等分位置における流速
比VRの分布は、図15に示すようになり、最下層位置
t1では前述したように淀みSTが発生しているので流
速比VRが極めて小さく、流れが逆流していることを示
すマイナス値となる。一方、最上層位置t8では、前述
したように有効流路面積A1が実際の取り入れ口5a1
の開口面積A2よりも狭められてしまうので、流速比V
Rが1を越えてしまっている。流速比VRが1を越えて
しまうということは、ミストが十分に取りきれていない
うちに蒸気Sがミスト分離器5aを通過してしまうとい
うことを意味しており、したがって、前述したように、
ミスト分離器5a,5aにおけるミスト分離効率(すな
わちスクラバ5のミスト分離効率)が低下してしまう不
具合が発生することとなる。
比VRの分布は、図15に示すようになり、最下層位置
t1では前述したように淀みSTが発生しているので流
速比VRが極めて小さく、流れが逆流していることを示
すマイナス値となる。一方、最上層位置t8では、前述
したように有効流路面積A1が実際の取り入れ口5a1
の開口面積A2よりも狭められてしまうので、流速比V
Rが1を越えてしまっている。流速比VRが1を越えて
しまうということは、ミストが十分に取りきれていない
うちに蒸気Sがミスト分離器5aを通過してしまうとい
うことを意味しており、したがって、前述したように、
ミスト分離器5a,5aにおけるミスト分離効率(すな
わちスクラバ5のミスト分離効率)が低下してしまう不
具合が発生することとなる。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、スクラバにおけるミスト分離効率の向上を達成でき
る蒸気ドラムの提供を目的とする。
で、スクラバにおけるミスト分離効率の向上を達成でき
る蒸気ドラムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項
1記載の蒸気ドラムは、気液混合蒸気を取り入れて蒸気
及び水に分離するセパレータと、該セパレータで分離さ
れた前記蒸気を取り入れてミストを分離除去する一対の
ミスト分離器を有するスクラバとを備えた蒸気ドラムに
おいて、前記各ミスト分離器のいずれか一方もしくは両
方には、前記蒸気を取り入れる取り入れ口の下部に整流
体が設けられ、前記蒸気が、前記整流体を避けて迂回す
るようにカーブを描きながら前記ミスト分離器内に流れ
込むことを特徴とする。上記請求項1記載の蒸気ドラム
によれば、セパレータからミスト分離器に向かう蒸気
は、従来のように急激な曲がりを伴って流れ込むのでは
なく、整流体を避けて迂回するように緩やかなカーブを
描きながらミスト分離器内に流れ込む。これにより、従
来のような流れの淀みをミスト分離器内に発生させる恐
れを低減させることができる。
決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項
1記載の蒸気ドラムは、気液混合蒸気を取り入れて蒸気
及び水に分離するセパレータと、該セパレータで分離さ
れた前記蒸気を取り入れてミストを分離除去する一対の
ミスト分離器を有するスクラバとを備えた蒸気ドラムに
おいて、前記各ミスト分離器のいずれか一方もしくは両
方には、前記蒸気を取り入れる取り入れ口の下部に整流
体が設けられ、前記蒸気が、前記整流体を避けて迂回す
るようにカーブを描きながら前記ミスト分離器内に流れ
込むことを特徴とする。上記請求項1記載の蒸気ドラム
によれば、セパレータからミスト分離器に向かう蒸気
は、従来のように急激な曲がりを伴って流れ込むのでは
なく、整流体を避けて迂回するように緩やかなカーブを
描きながらミスト分離器内に流れ込む。これにより、従
来のような流れの淀みをミスト分離器内に発生させる恐
れを低減させることができる。
【0010】請求項2記載の蒸気ドラムは、請求項1記
載の蒸気ドラムにおいて、前記整流体が、円柱形状もし
くは半円柱形状の棒材であることを特徴とする。上記請
求項2記載の蒸気ドラムによれば、請求項1と同様の作
用を得ることができる。
載の蒸気ドラムにおいて、前記整流体が、円柱形状もし
くは半円柱形状の棒材であることを特徴とする。上記請
求項2記載の蒸気ドラムによれば、請求項1と同様の作
用を得ることができる。
【0011】請求項3記載の蒸気ドラムは、請求項1記
載の蒸気ドラムにおいて、前記整流体が、四角柱形状の
棒材であることを特徴とする。上記請求項3記載の蒸気
ドラムによれば、請求項1と同様の作用を得ることがで
きる。
載の蒸気ドラムにおいて、前記整流体が、四角柱形状の
棒材であることを特徴とする。上記請求項3記載の蒸気
ドラムによれば、請求項1と同様の作用を得ることがで
きる。
【0012】請求項4記載の蒸気ドラムは、請求項1記
載の蒸気ドラムにおいて、前記整流体が、板材であるこ
とを特徴とする。上記請求項4記載の蒸気ドラムによれ
ば、請求項1と同様の作用を得ることができる。
載の蒸気ドラムにおいて、前記整流体が、板材であるこ
とを特徴とする。上記請求項4記載の蒸気ドラムによれ
ば、請求項1と同様の作用を得ることができる。
【0013】請求項5記載の蒸気ドラムは、気液混合蒸
気を取り入れて蒸気及び水に分離するセパレータと、該
セパレータで分離された蒸気を取り入れてミストを分離
除去する一対のミスト分離器を有するスクラバとを備え
た蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器が、配置高
さが互いに異なる段違い配置とされていることを特徴と
する。上記請求項5記載の蒸気ドラムによれば、セパレ
ータに近い、低い高さ配置を有する一方のミスト分離器
に対して、他方のミスト分離器は、セパレータからの距
離寸法(高さ寸法)を十分に確保することができ、この
他方のミスト分離器に対してセパレータから流れ込む蒸
気が、従来のような急激な曲がりを伴って流れ込むので
はなく、緩やかなカーブを描きながら流れ込むことがで
きるようになるので、従来のような流れの淀みを内部に
発生させる恐れを低減させることができる。
気を取り入れて蒸気及び水に分離するセパレータと、該
セパレータで分離された蒸気を取り入れてミストを分離
除去する一対のミスト分離器を有するスクラバとを備え
た蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器が、配置高
さが互いに異なる段違い配置とされていることを特徴と
する。上記請求項5記載の蒸気ドラムによれば、セパレ
ータに近い、低い高さ配置を有する一方のミスト分離器
に対して、他方のミスト分離器は、セパレータからの距
離寸法(高さ寸法)を十分に確保することができ、この
他方のミスト分離器に対してセパレータから流れ込む蒸
気が、従来のような急激な曲がりを伴って流れ込むので
はなく、緩やかなカーブを描きながら流れ込むことがで
きるようになるので、従来のような流れの淀みを内部に
発生させる恐れを低減させることができる。
【0014】請求項6記載の蒸気ドラムは、請求項5記
載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器のいずれ
か一方もしくは両方には、請求項1〜4のいずれかに記
載の前記整流体が備えられていることを特徴とする。上
記請求項6記載の蒸気ドラムによれば、請求項5の段違
い配置構成によるミスト分離効率向上と、請求項1の整
流体を備えた構成によるミスト分離効率向上との相乗効
果により、より効果的なミスト分離効率向上を得ること
ができる。
載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器のいずれ
か一方もしくは両方には、請求項1〜4のいずれかに記
載の前記整流体が備えられていることを特徴とする。上
記請求項6記載の蒸気ドラムによれば、請求項5の段違
い配置構成によるミスト分離効率向上と、請求項1の整
流体を備えた構成によるミスト分離効率向上との相乗効
果により、より効果的なミスト分離効率向上を得ること
ができる。
【0015】請求項7記載の蒸気ドラムは、気液混合蒸
気を取り入れて蒸気及び水に分離するセパレータと、該
セパレータで分離された蒸気を取り入れてミストを分離
除去する一対のミスト分離器を有するスクラバとを備え
た蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器間に、外形
高さ寸法が互いに異なる外形高さ寸法差を設け、これら
ミスト分離器のうち、一方よりも他方により多くの前記
蒸気を流れ込ませることを特徴とする。上記請求項7記
載の蒸気ドラムによれば、一方のミスト分離器に比較し
て大きい外形高さ寸法を有する他方のミスト分離器は、
その流路面積が比較的大きくされているので、内部を流
れる蒸気の流速を低下させることができる。また、この
広い流路面積を有する他方のミスト分離器の方に、より
多くの蒸気が流れ込むようになるので、前記一方のミス
ト分離器に流れ込む蒸気の流量を減らして流速を低く抑
えることができるようになる。
気を取り入れて蒸気及び水に分離するセパレータと、該
セパレータで分離された蒸気を取り入れてミストを分離
除去する一対のミスト分離器を有するスクラバとを備え
た蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器間に、外形
高さ寸法が互いに異なる外形高さ寸法差を設け、これら
ミスト分離器のうち、一方よりも他方により多くの前記
蒸気を流れ込ませることを特徴とする。上記請求項7記
載の蒸気ドラムによれば、一方のミスト分離器に比較し
て大きい外形高さ寸法を有する他方のミスト分離器は、
その流路面積が比較的大きくされているので、内部を流
れる蒸気の流速を低下させることができる。また、この
広い流路面積を有する他方のミスト分離器の方に、より
多くの蒸気が流れ込むようになるので、前記一方のミス
ト分離器に流れ込む蒸気の流量を減らして流速を低く抑
えることができるようになる。
【0016】請求項8記載の蒸気ドラムは、請求項7記
載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器のいずれ
か一方もしくは両方には、請求項1〜4のいずれかに記
載の前記整流体が備えられていることを特徴とする。上
記請求項8記載の蒸気ドラムによれば、請求項7の外形
高さ寸法差によるミスト分離効率向上と、請求項1の整
流体を備えた構成によるミスト分離効率向上との相乗効
果により、より効果的なミスト分離効率向上を得ること
ができる。
載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器のいずれ
か一方もしくは両方には、請求項1〜4のいずれかに記
載の前記整流体が備えられていることを特徴とする。上
記請求項8記載の蒸気ドラムによれば、請求項7の外形
高さ寸法差によるミスト分離効率向上と、請求項1の整
流体を備えた構成によるミスト分離効率向上との相乗効
果により、より効果的なミスト分離効率向上を得ること
ができる。
【0017】請求項9記載の蒸気ドラムは、請求項7ま
たは8記載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器
が、配置高さが互いに異なる段違い配置とされているこ
とを特徴とする。上記請求項9記載の蒸気ドラムによれ
ば、請求項7の外形高さ寸法差構成に対してさらに段違
い配置構成を組み合わせた場合には、それぞれの効果の
組み合わせによる相乗効果により、より効果的なミスト
分離効率向上を得ることができる。また、請求項8の外
形高さ寸法差構成に及び整流体付加構成に対してさらに
段違い配置構成を組み合わせた場合においても、同様
に、それぞれの効果の組み合わせによる相乗効果によ
り、より効果的なミスト分離効率向上を得ることができ
る。
たは8記載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト分離器
が、配置高さが互いに異なる段違い配置とされているこ
とを特徴とする。上記請求項9記載の蒸気ドラムによれ
ば、請求項7の外形高さ寸法差構成に対してさらに段違
い配置構成を組み合わせた場合には、それぞれの効果の
組み合わせによる相乗効果により、より効果的なミスト
分離効率向上を得ることができる。また、請求項8の外
形高さ寸法差構成に及び整流体付加構成に対してさらに
段違い配置構成を組み合わせた場合においても、同様
に、それぞれの効果の組み合わせによる相乗効果によ
り、より効果的なミスト分離効率向上を得ることができ
る。
【0018】請求項10記載の蒸気ドラムは、請求項1
〜9のいずれかに記載の蒸気ドラムにおいて、前記整流
体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違い配置、もし
くは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法差が、前記蒸
気ドラムの軸線方向の複数カ所に分けて設けられている
ことを特徴とする。上記請求項10記載の蒸気ドラムに
よれば、蒸気ドラムの軸線方向において、蒸気流速分布
のばらつきが特に生じやすい箇所に応じた各位置に対し
て集中的に蒸気流速調整手段(前記整流体、もしくは前
記各ミスト分離器間の段違い配置、もしくは前記各ミス
ト分離器間の外形高さ寸法差)を設けることにより、効
果的にミスト分離効率向上を得ることができる。
〜9のいずれかに記載の蒸気ドラムにおいて、前記整流
体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違い配置、もし
くは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法差が、前記蒸
気ドラムの軸線方向の複数カ所に分けて設けられている
ことを特徴とする。上記請求項10記載の蒸気ドラムに
よれば、蒸気ドラムの軸線方向において、蒸気流速分布
のばらつきが特に生じやすい箇所に応じた各位置に対し
て集中的に蒸気流速調整手段(前記整流体、もしくは前
記各ミスト分離器間の段違い配置、もしくは前記各ミス
ト分離器間の外形高さ寸法差)を設けることにより、効
果的にミスト分離効率向上を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の蒸気ドラムの各実施の形
態についての説明を、図面を参照しながら以下に行う
が、本発明がこれらに限定解釈されるものでないこと
は、もちろんである。
態についての説明を、図面を参照しながら以下に行う
が、本発明がこれらに限定解釈されるものでないこと
は、もちろんである。
【0020】まず、本発明の第1の実施の形態を、図1
〜図3を参照しながら以下に説明する。なお、図1は、
本実施の形態の蒸気ドラムを示す図であって、その軸線
方向に垂直な断面より見た断面図である。また、図2
は、同蒸気ドラムのミスト分離器を示す図であって、図
1のB部の拡大図である。また、図3は、同蒸気ドラム
のミスト分離器内を流れる蒸気の流速を許容流速で割っ
た比である流速比VRの分布を、図14で示したと同じ
座標系によって示した図であり、横軸をミスト分離器の
長手方向の奥行き位置Zとし、縦軸を前記流速比VRと
して示したグラフである。
〜図3を参照しながら以下に説明する。なお、図1は、
本実施の形態の蒸気ドラムを示す図であって、その軸線
方向に垂直な断面より見た断面図である。また、図2
は、同蒸気ドラムのミスト分離器を示す図であって、図
1のB部の拡大図である。また、図3は、同蒸気ドラム
のミスト分離器内を流れる蒸気の流速を許容流速で割っ
た比である流速比VRの分布を、図14で示したと同じ
座標系によって示した図であり、横軸をミスト分離器の
長手方向の奥行き位置Zとし、縦軸を前記流速比VRと
して示したグラフである。
【0021】図1に示すように、本実施の形態の蒸気ド
ラムは、中空円筒形状のケースである蒸気ドラム本体1
1と、該蒸気ドラム本体11内にその両横腹より気液混
合の蒸気(以下、気液混合蒸気MXと称する)を導入す
る導入管12,・・・と、これら導入管12,・・・より取り
入れた気液混合蒸気MXを液体(以下、水Wと称する)
及び蒸気(以下、蒸気Sと称する)に遠心分離するサイ
クロンセパレータ13,・・・(セパレータ)と、分離さ
れた水Wを下方に排出する下降管ノズル14,・・・と、
サイクロンセパレータ13,・・・で分離された蒸気Sを
取り入れて、これに混入しているミスト(図示せず)を
慣性衝突分離させる一対のミスト分離器15a,15a
からなるスクラバ15,・・・と、蒸気Sを蒸気ドラム本
体11の外部に導出する蒸気管ノズル16,・・・とを備
えた概略構成を有している。そして、各ミスト分離器1
5a,15aは、図2に示すように、その配置高さが所
定寸法H1だけ互いに異なる段違い配置とされている。
ラムは、中空円筒形状のケースである蒸気ドラム本体1
1と、該蒸気ドラム本体11内にその両横腹より気液混
合の蒸気(以下、気液混合蒸気MXと称する)を導入す
る導入管12,・・・と、これら導入管12,・・・より取り
入れた気液混合蒸気MXを液体(以下、水Wと称する)
及び蒸気(以下、蒸気Sと称する)に遠心分離するサイ
クロンセパレータ13,・・・(セパレータ)と、分離さ
れた水Wを下方に排出する下降管ノズル14,・・・と、
サイクロンセパレータ13,・・・で分離された蒸気Sを
取り入れて、これに混入しているミスト(図示せず)を
慣性衝突分離させる一対のミスト分離器15a,15a
からなるスクラバ15,・・・と、蒸気Sを蒸気ドラム本
体11の外部に導出する蒸気管ノズル16,・・・とを備
えた概略構成を有している。そして、各ミスト分離器1
5a,15aは、図2に示すように、その配置高さが所
定寸法H1だけ互いに異なる段違い配置とされている。
【0022】前記蒸気ドラム本体11は、その軸線にお
いて水平配置される密封円筒管であり、その両腹部(両
側部)には、前記軸線方向に沿って複数本の前記導入管
12,・・・が貫通配管されている。また、蒸気ドラム本
体11の下側部には、前記軸線方向に沿って複数本の前
記下降管ノズル14,・・・が配置固定されており、蒸気
ドラム本体11内の底部に溜まった水W及び前記ミスト
の混合水を外部に排出可能となっている。また、蒸気ド
ラム本体11の上側部には、複数本の前記蒸気管ノズル
16,・・・が配置固定されており、蒸気ドラム本体11
内においてスクラバ15,・・・でミスト分離された後の
蒸気Sを、外部に導出できるようになっている。
いて水平配置される密封円筒管であり、その両腹部(両
側部)には、前記軸線方向に沿って複数本の前記導入管
12,・・・が貫通配管されている。また、蒸気ドラム本
体11の下側部には、前記軸線方向に沿って複数本の前
記下降管ノズル14,・・・が配置固定されており、蒸気
ドラム本体11内の底部に溜まった水W及び前記ミスト
の混合水を外部に排出可能となっている。また、蒸気ド
ラム本体11の上側部には、複数本の前記蒸気管ノズル
16,・・・が配置固定されており、蒸気ドラム本体11
内においてスクラバ15,・・・でミスト分離された後の
蒸気Sを、外部に導出できるようになっている。
【0023】なお、符号11a,11bは、蒸気ドラム
本体11の内部空間を複数に仕切る仕切板を示してい
る。すなわち、仕切板11aは、サイクロンセパレータ
13,・・・が水Wを排出する空間と蒸気Sを排出する空
間とを仕切っており、これらが再び混じり合うことのな
いように気密が保たれている。また、仕切板11bは、
スクラバ15,・・・が前記ミストを排出する空間と蒸気
Sを排出する空間とを仕切っており、これらが再び混じ
り合うことのないように気密が保たれている。
本体11の内部空間を複数に仕切る仕切板を示してい
る。すなわち、仕切板11aは、サイクロンセパレータ
13,・・・が水Wを排出する空間と蒸気Sを排出する空
間とを仕切っており、これらが再び混じり合うことのな
いように気密が保たれている。また、仕切板11bは、
スクラバ15,・・・が前記ミストを排出する空間と蒸気
Sを排出する空間とを仕切っており、これらが再び混じ
り合うことのないように気密が保たれている。
【0024】前記サイクロンセパレータ13,・・・は、
上述したように、これに接続された導入管12,・・・よ
り気液混合蒸気MXを内部に取り入れた後、これを遠心
分離によって水Wと蒸気Sとに分離する機能を有してい
る。そして、除去された水Wを仕切板11aで仕切られ
た下方空間に排出するとともに、蒸気Sを仕切板11a
で仕切られた上方空間に送り出すようになっている。
上述したように、これに接続された導入管12,・・・よ
り気液混合蒸気MXを内部に取り入れた後、これを遠心
分離によって水Wと蒸気Sとに分離する機能を有してい
る。そして、除去された水Wを仕切板11aで仕切られ
た下方空間に排出するとともに、蒸気Sを仕切板11a
で仕切られた上方空間に送り出すようになっている。
【0025】前記ミスト分離器15a,15aは、それ
ぞれ、複数枚の波板(図示せず)を縦方向に配置したも
のを、双方で通気可能な容器内に収容したものである。
そして、この容器の一端側より前記ミストが混入した蒸
気Sを取り込むと、前記ミストのみが前記波板に付着し
て結露するので、蒸気Sからの前記ミストの分離がなさ
れるようになっている。そして、分離された前記ミスト
は、仕切板11bの下方空間に滴下し、前記サイクロン
セパレータ13,・・・で除去された水Wと共に下降管ノ
ズル14から排出されるようになっている。一方、前記
ミストが除去された後の乾燥した蒸気Sは、仕切板11
bの上方空間より蒸気管ノズル16を通って蒸気ドラム
本体11の外部に導出されるようになっている。
ぞれ、複数枚の波板(図示せず)を縦方向に配置したも
のを、双方で通気可能な容器内に収容したものである。
そして、この容器の一端側より前記ミストが混入した蒸
気Sを取り込むと、前記ミストのみが前記波板に付着し
て結露するので、蒸気Sからの前記ミストの分離がなさ
れるようになっている。そして、分離された前記ミスト
は、仕切板11bの下方空間に滴下し、前記サイクロン
セパレータ13,・・・で除去された水Wと共に下降管ノ
ズル14から排出されるようになっている。一方、前記
ミストが除去された後の乾燥した蒸気Sは、仕切板11
bの上方空間より蒸気管ノズル16を通って蒸気ドラム
本体11の外部に導出されるようになっている。
【0026】以上説明の構成を有する蒸気ドラムにおい
ては、蒸気ドラム本体11内に取り込んだ気液混合蒸気
MXを、まずサイクロンセパレータ13,・・・を通すこ
とによって水Wと蒸気Sとに分離させた後、更に蒸気S
をスクラバ15,・・・を通してこれに混入している前記
ミストを分離除去する。このようにして水分の除去がな
された後の蒸気Sは、蒸気管ノズル16,・・・より蒸気
ドラム本体11の外部に導出される。また、分離除去さ
れた前記水W及びミストは、下降管ノズル14,・・・よ
り下方に排出される。
ては、蒸気ドラム本体11内に取り込んだ気液混合蒸気
MXを、まずサイクロンセパレータ13,・・・を通すこ
とによって水Wと蒸気Sとに分離させた後、更に蒸気S
をスクラバ15,・・・を通してこれに混入している前記
ミストを分離除去する。このようにして水分の除去がな
された後の蒸気Sは、蒸気管ノズル16,・・・より蒸気
ドラム本体11の外部に導出される。また、分離除去さ
れた前記水W及びミストは、下降管ノズル14,・・・よ
り下方に排出される。
【0027】そして、本実施の形態の蒸気ドラムでは、
前述したように、各ミスト分離器15a,15aが段違
い配置とされているので、従来の蒸気ドラムのような流
れの淀みが生じにくくなっている。すなわち、サイクロ
ンセパレータ13,・・・に近い、低い高さ配置を有する
一方のミスト分離器15a(図2の紙面右側の方)に対
して、他方のミスト分離器15a(図2の紙面左側の
方)は、サイクロンセパレータ13,・・・からの距離寸
法(高さ寸法)を前記所定寸法H1分だけより高く確保
することができ、この他方のミスト分離器15aに対し
てサイクロンセパレータ13,・・・から流れ込む蒸気S
が、従来のような急激な曲がりを伴って取り入れ口15
a1に流れ込むのではなく、緩やかなカーブを描きなが
ら流れ込むことができるようになる。したがって、従来
のような流れの淀みを内部に発生させる恐れを低減させ
ることができるのである。
前述したように、各ミスト分離器15a,15aが段違
い配置とされているので、従来の蒸気ドラムのような流
れの淀みが生じにくくなっている。すなわち、サイクロ
ンセパレータ13,・・・に近い、低い高さ配置を有する
一方のミスト分離器15a(図2の紙面右側の方)に対
して、他方のミスト分離器15a(図2の紙面左側の
方)は、サイクロンセパレータ13,・・・からの距離寸
法(高さ寸法)を前記所定寸法H1分だけより高く確保
することができ、この他方のミスト分離器15aに対し
てサイクロンセパレータ13,・・・から流れ込む蒸気S
が、従来のような急激な曲がりを伴って取り入れ口15
a1に流れ込むのではなく、緩やかなカーブを描きなが
ら流れ込むことができるようになる。したがって、従来
のような流れの淀みを内部に発生させる恐れを低減させ
ることができるのである。
【0028】以上説明の本実施の形態の蒸気ドラムは、
各ミスト分離器15a,15aを、その配置高さが互い
に異なる段違い配置とする構成を採用した。この構成に
よれば、従来のような流れの淀みを前記他方のミスト分
離器15aの内部に発生させる恐れを低減させることが
できるので、この他方のミスト分離器15a内の有効流
路面積を狭めてしまう恐れを防止することが可能とな
り、図3に示すように、流速比VRを1以下に抑える
(すなわち、内部を流れる蒸気Sの流速を許容流速以下
に抑える)ことができる上に、従来(図15参照)より
も、最下層位置t1から最上層位置t8にかけて流速比
VRのばらつきが生じず、逆流も生じないようになって
いる。したがって、十分にミスト分離を行うことが可能
となり、前記他方のミスト分離器15aにおけるミスト
分離効率の向上が達成可能となる。これにより、スクラ
バ15全体としてのミスト分離効率を向上させることが
可能となる。
各ミスト分離器15a,15aを、その配置高さが互い
に異なる段違い配置とする構成を採用した。この構成に
よれば、従来のような流れの淀みを前記他方のミスト分
離器15aの内部に発生させる恐れを低減させることが
できるので、この他方のミスト分離器15a内の有効流
路面積を狭めてしまう恐れを防止することが可能とな
り、図3に示すように、流速比VRを1以下に抑える
(すなわち、内部を流れる蒸気Sの流速を許容流速以下
に抑える)ことができる上に、従来(図15参照)より
も、最下層位置t1から最上層位置t8にかけて流速比
VRのばらつきが生じず、逆流も生じないようになって
いる。したがって、十分にミスト分離を行うことが可能
となり、前記他方のミスト分離器15aにおけるミスト
分離効率の向上が達成可能となる。これにより、スクラ
バ15全体としてのミスト分離効率を向上させることが
可能となる。
【0029】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図4を参照しながら以下に説明を行う。なお、図4
は、本実施の形態の蒸気ドラムの要部を説明する図であ
って、図1のB部に相当する部分の拡大図である。本実
施の形態は、上記第1の実施の形態に比較して、各ミス
ト分離器が前記段違い配置をもたない代わりに、一方の
ミスト分離器25aに比較して他方のミスト分離器25
aの外形高さ寸法を高くした点が特に異なっているの
で、この相違点を中心に説明し、その他同一構成要素に
は同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
て、図4を参照しながら以下に説明を行う。なお、図4
は、本実施の形態の蒸気ドラムの要部を説明する図であ
って、図1のB部に相当する部分の拡大図である。本実
施の形態は、上記第1の実施の形態に比較して、各ミス
ト分離器が前記段違い配置をもたない代わりに、一方の
ミスト分離器25aに比較して他方のミスト分離器25
aの外形高さ寸法を高くした点が特に異なっているの
で、この相違点を中心に説明し、その他同一構成要素に
は同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0030】本実施の形態の蒸気ドラムの各ミスト分離
器25a,25aは、それぞれ、複数枚の波板(図示せ
ず)を縦方向に配置したものを、双方で通気可能な容器
内に収容したものである。そして、この容器の一端側よ
り、前記ミストが混入した蒸気Sを取り込むと、前記ミ
ストのみが前記波板に付着して結露するので、蒸気Sか
らの前記ミストの分離がなされるようになっている。そ
して、分離された前記ミストは、仕切板11bの下方空
間に滴下し、前記サイクロンセパレータ13,・・・で除
去された水Wと共に前記下降管ノズル14から排出され
るようになっている。一方、前記ミストが除去された後
の乾燥した蒸気Sは、仕切板11bの上方空間より前記
蒸気管ノズル16を通って蒸気ドラム本体11の外部に
導出されるようになっている。
器25a,25aは、それぞれ、複数枚の波板(図示せ
ず)を縦方向に配置したものを、双方で通気可能な容器
内に収容したものである。そして、この容器の一端側よ
り、前記ミストが混入した蒸気Sを取り込むと、前記ミ
ストのみが前記波板に付着して結露するので、蒸気Sか
らの前記ミストの分離がなされるようになっている。そ
して、分離された前記ミストは、仕切板11bの下方空
間に滴下し、前記サイクロンセパレータ13,・・・で除
去された水Wと共に前記下降管ノズル14から排出され
るようになっている。一方、前記ミストが除去された後
の乾燥した蒸気Sは、仕切板11bの上方空間より前記
蒸気管ノズル16を通って蒸気ドラム本体11の外部に
導出されるようになっている。
【0031】そして、本実施の形態の蒸気ドラムでは、
前述したように、各ミスト分離器25a,25a間に、
外形高さ寸法H2,H3が互いに異なる外形高さ寸法差
△Hを設けた構成を採用している。すなわち、図4の視
線で見た場合に、蒸気ドラム本体11の内壁面に近い外
側のミスト分離器25aの外形高さ寸法H3に比較し
て、蒸気ドラム本体11の内側のミスト分離器25aの
外形高さ寸法H2が、△H分だけ高くなっている。これ
により、前記内側のミスト分離器25aは、その内部流
路が比較的広くされた構成となっている。
前述したように、各ミスト分離器25a,25a間に、
外形高さ寸法H2,H3が互いに異なる外形高さ寸法差
△Hを設けた構成を採用している。すなわち、図4の視
線で見た場合に、蒸気ドラム本体11の内壁面に近い外
側のミスト分離器25aの外形高さ寸法H3に比較し
て、蒸気ドラム本体11の内側のミスト分離器25aの
外形高さ寸法H2が、△H分だけ高くなっている。これ
により、前記内側のミスト分離器25aは、その内部流
路が比較的広くされた構成となっている。
【0032】以上に説明したように、本実施の形態の蒸
気ドラムは、各ミスト分離器25a,25a間に、外形
高さ寸法が互いに異なる外形高さ寸法差△Hを設けた構
成を採用した。この構成によれば、一方のミスト分離器
25a(図4の紙面右側)に比較して大きい外形高さ寸
法H2を有する他方のミスト分離器25a(図4の紙面
左側)は、その流路面積が比較的大きくされているの
で、内部を流れる蒸気Sの流速を低下させることがで
き、ミスト分離器25a内を流れる時間を稼いでミスト
分離を十分に行わせることが可能となる。
気ドラムは、各ミスト分離器25a,25a間に、外形
高さ寸法が互いに異なる外形高さ寸法差△Hを設けた構
成を採用した。この構成によれば、一方のミスト分離器
25a(図4の紙面右側)に比較して大きい外形高さ寸
法H2を有する他方のミスト分離器25a(図4の紙面
左側)は、その流路面積が比較的大きくされているの
で、内部を流れる蒸気Sの流速を低下させることがで
き、ミスト分離器25a内を流れる時間を稼いでミスト
分離を十分に行わせることが可能となる。
【0033】さらには、この広い流路面積を有する他方
のミスト分離器25aの方により多くの蒸気Sが流れ込
むようになり、前記一方のミスト分離器25aに流れ込
む蒸気Sの流速を低く抑えることができるので、この一
方のミスト分離器25aにおいても、蒸気Sが内部を流
れる時間を稼いでミスト分離を十分に行わせることが可
能となる。これらにより、スクラバ25,・・・全体とし
てのミスト分離効率を向上させることが可能となる。
のミスト分離器25aの方により多くの蒸気Sが流れ込
むようになり、前記一方のミスト分離器25aに流れ込
む蒸気Sの流速を低く抑えることができるので、この一
方のミスト分離器25aにおいても、蒸気Sが内部を流
れる時間を稼いでミスト分離を十分に行わせることが可
能となる。これらにより、スクラバ25,・・・全体とし
てのミスト分離効率を向上させることが可能となる。
【0034】次に、本発明の第3の実施の形態につい
て、図5及び図6を参照しながら以下に説明を行う。な
お、図5は、本実施の形態の蒸気ドラムの要部を説明す
る図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図であ
る。また、図6は、同蒸気ドラムのミスト分離器内を流
れる蒸気の流速を許容流速で割った比である流速比VR
の分布を、図14で示したと同じ座標系によって示した
図であり、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位置
Zとし、縦軸を前記流速比VRとして示したグラフであ
る。本実施の形態は、上記第1の実施の形態に比較し
て、各ミスト分離器が前記段違い配置を持たない代わり
に、整流体(後述)を設けた点が特に異なっているの
で、この相違点を中心に説明し、その他同一構成要素に
は同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
て、図5及び図6を参照しながら以下に説明を行う。な
お、図5は、本実施の形態の蒸気ドラムの要部を説明す
る図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図であ
る。また、図6は、同蒸気ドラムのミスト分離器内を流
れる蒸気の流速を許容流速で割った比である流速比VR
の分布を、図14で示したと同じ座標系によって示した
図であり、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位置
Zとし、縦軸を前記流速比VRとして示したグラフであ
る。本実施の形態は、上記第1の実施の形態に比較し
て、各ミスト分離器が前記段違い配置を持たない代わり
に、整流体(後述)を設けた点が特に異なっているの
で、この相違点を中心に説明し、その他同一構成要素に
は同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0035】本実施の形態の蒸気ドラムの各ミスト分離
器35a,35aは、それぞれ、複数枚の波板(図示せ
ず)を縦方向に配置したものを、双方で通気可能な容器
内に収容したものである。そして、この容器の一端側よ
り、前記ミストが混入した蒸気Sを取り込むと、前記ミ
ストのみが前記波板に付着して結露するので、蒸気Sか
らの前記ミストの分離がなされるようになっている。そ
して、分離された前記ミストは、仕切板11bの下方空
間に滴下し、前記サイクロンセパレータ13,・・・で除
去された水Wと共に前記下降管ノズル14から排出され
るようになっている。一方、前記ミストが除去された後
の乾燥した蒸気Sは、仕切板11bの上方空間より前記
蒸気管ノズル16を通って蒸気ドラム本体11の外部に
導出されるようになっている。
器35a,35aは、それぞれ、複数枚の波板(図示せ
ず)を縦方向に配置したものを、双方で通気可能な容器
内に収容したものである。そして、この容器の一端側よ
り、前記ミストが混入した蒸気Sを取り込むと、前記ミ
ストのみが前記波板に付着して結露するので、蒸気Sか
らの前記ミストの分離がなされるようになっている。そ
して、分離された前記ミストは、仕切板11bの下方空
間に滴下し、前記サイクロンセパレータ13,・・・で除
去された水Wと共に前記下降管ノズル14から排出され
るようになっている。一方、前記ミストが除去された後
の乾燥した蒸気Sは、仕切板11bの上方空間より前記
蒸気管ノズル16を通って蒸気ドラム本体11の外部に
導出されるようになっている。
【0036】そして、図5に示すように、本実施の形態
の各ミスト分離器35a,35aの両方には、蒸気Sを
取り入れる取り入れ口35a1,35a1の下端に、整
流体36,36がそれぞれ一体に固定されている。そし
て本実施の形態では、これら整流体36,36として円
柱形状の棒材(同図の紙面垂直方向に軸線を有する棒体
であり、内部に空間のない中実である)が採用されてい
る。また、各整流体36,36は、それぞれの曲面R
が、取り入れ口35a1,35a1の下端面に段差を生
じることなくスムーズに連続するガイド曲面をなしてい
る。なお、本実施の形態のミスト分離器35a,35a
は、互いに等しい外形高さ寸法を有している。
の各ミスト分離器35a,35aの両方には、蒸気Sを
取り入れる取り入れ口35a1,35a1の下端に、整
流体36,36がそれぞれ一体に固定されている。そし
て本実施の形態では、これら整流体36,36として円
柱形状の棒材(同図の紙面垂直方向に軸線を有する棒体
であり、内部に空間のない中実である)が採用されてい
る。また、各整流体36,36は、それぞれの曲面R
が、取り入れ口35a1,35a1の下端面に段差を生
じることなくスムーズに連続するガイド曲面をなしてい
る。なお、本実施の形態のミスト分離器35a,35a
は、互いに等しい外形高さ寸法を有している。
【0037】以上説明の本実施の形態の蒸気ドラムによ
れば、前記サイクロンセパレータ13,・・・からミスト
分離器35a,35aに向かう蒸気Sは、従来のように
急激な曲がりを伴って流れ込むのではなく、整流体3
6,36を避けて迂回するように緩やかなカーブを描き
ながらミスト分離器35a,35a内に流れ込めるの
で、従来のような流れの淀みを各ミスト分離器35a,
35a内に発生させる恐れを低減させることができる。
したがって、ミスト分離器35a,35a内の有効流路
面積を狭めてしまう恐れを防止することが可能となり、
図6に示すように、流速比VRを1以下に抑える(すな
わち、内部を流れる蒸気Sの流速を許容流速以下に抑え
る)ことができる上に、従来(図15参照)よりも、最
下層位置t1から最上層位置t8にかけて流速比VRが
ばらつきを生じず、逆流も生じないようになっている。
したがって、十分にミスト分離を行うことが可能とな
り、ミスト分離器35a,35aの両方におけるミスト
分離効率の向上が達成可能となる。これにより、スクラ
バ35全体としてのミスト分離効率を向上させることが
可能となる。
れば、前記サイクロンセパレータ13,・・・からミスト
分離器35a,35aに向かう蒸気Sは、従来のように
急激な曲がりを伴って流れ込むのではなく、整流体3
6,36を避けて迂回するように緩やかなカーブを描き
ながらミスト分離器35a,35a内に流れ込めるの
で、従来のような流れの淀みを各ミスト分離器35a,
35a内に発生させる恐れを低減させることができる。
したがって、ミスト分離器35a,35a内の有効流路
面積を狭めてしまう恐れを防止することが可能となり、
図6に示すように、流速比VRを1以下に抑える(すな
わち、内部を流れる蒸気Sの流速を許容流速以下に抑え
る)ことができる上に、従来(図15参照)よりも、最
下層位置t1から最上層位置t8にかけて流速比VRが
ばらつきを生じず、逆流も生じないようになっている。
したがって、十分にミスト分離を行うことが可能とな
り、ミスト分離器35a,35aの両方におけるミスト
分離効率の向上が達成可能となる。これにより、スクラ
バ35全体としてのミスト分離効率を向上させることが
可能となる。
【0038】なお、本実施の形態では、整流体36,3
6として中実の円柱形状のものを採用したが、これに限
らず、例えば図7〜図9に例示するようにその他の形状
のものを採用しても良い。なお、これら図7〜図9は、
図5のC部に相当する部分の拡大図を示している。
6として中実の円柱形状のものを採用したが、これに限
らず、例えば図7〜図9に例示するようにその他の形状
のものを採用しても良い。なお、これら図7〜図9は、
図5のC部に相当する部分の拡大図を示している。
【0039】まず図7(a)〜図7(e)の変形例につ
いて説明する。図7(a)は、中実の整流体36の代わ
りに、中空円柱形状の整流体37を採用している。ま
た、この整流体37は、その曲面Rが、取り入れ口35
a1の下端面に段差を生じることなくスムーズに連続す
るガイド曲面をなしている。したがって、サイクロンセ
パレータ13からの蒸気Sは、この曲面Rに沿って下か
ら取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35
a内に入り込むようになっている。この構成において
も、前記整流体36と同様の作用効果を得ることが可能
である。さらに、この変形例においては、中空の整流体
37を採用している関係上、蒸気ドラムの軽量化にも貢
献可能であるという効果を備えている。
いて説明する。図7(a)は、中実の整流体36の代わ
りに、中空円柱形状の整流体37を採用している。ま
た、この整流体37は、その曲面Rが、取り入れ口35
a1の下端面に段差を生じることなくスムーズに連続す
るガイド曲面をなしている。したがって、サイクロンセ
パレータ13からの蒸気Sは、この曲面Rに沿って下か
ら取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35
a内に入り込むようになっている。この構成において
も、前記整流体36と同様の作用効果を得ることが可能
である。さらに、この変形例においては、中空の整流体
37を採用している関係上、蒸気ドラムの軽量化にも貢
献可能であるという効果を備えている。
【0040】図7(b)は、円柱形状の整流体36の代
わりに、中実の半円中形状の整流体38を採用してい
る。また、この整流体38は、その曲面Rが、取り入れ
口35a1の下端面に段差を生じることなくスムーズに
連続するガイド曲面をなしている。したがって、サイク
ロンセパレータ13からの蒸気Sは、この曲面Rに沿っ
て下から取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離
器35a内に入り込むようになっている。この構成にお
いても、前記整流体36と同様の作用効果を得ることが
可能である。さらに、この変形例においては、半円中形
状の整流体37を採用している関係上、蒸気ドラムの軽
量化にも貢献可能であるという効果を備えている。
わりに、中実の半円中形状の整流体38を採用してい
る。また、この整流体38は、その曲面Rが、取り入れ
口35a1の下端面に段差を生じることなくスムーズに
連続するガイド曲面をなしている。したがって、サイク
ロンセパレータ13からの蒸気Sは、この曲面Rに沿っ
て下から取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離
器35a内に入り込むようになっている。この構成にお
いても、前記整流体36と同様の作用効果を得ることが
可能である。さらに、この変形例においては、半円中形
状の整流体37を採用している関係上、蒸気ドラムの軽
量化にも貢献可能であるという効果を備えている。
【0041】図7(c)は、中実かつ円柱形状の整流体
36の代わりに、中空半円柱形状の整流体39を採用し
ている。また、この整流体39は、その曲面Rが、取り
入れ口35a1の下端面に段差を生じることなくスムー
ズに連続するガイド曲面をなしている。したがって、サ
イクロンセパレータ13からの蒸気Sは、この曲面Rに
沿って下から取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト
分離器35a内に入り込むようになっている。この構成
においても、前記整流体36と同様の作用効果を得るこ
とが可能である。さらに、この変形例においては、中空
かつ半円柱形状の整流体38を採用している関係上、蒸
気ドラムの軽量化にも貢献可能であるという効果を備え
ている。
36の代わりに、中空半円柱形状の整流体39を採用し
ている。また、この整流体39は、その曲面Rが、取り
入れ口35a1の下端面に段差を生じることなくスムー
ズに連続するガイド曲面をなしている。したがって、サ
イクロンセパレータ13からの蒸気Sは、この曲面Rに
沿って下から取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト
分離器35a内に入り込むようになっている。この構成
においても、前記整流体36と同様の作用効果を得るこ
とが可能である。さらに、この変形例においては、中空
かつ半円柱形状の整流体38を採用している関係上、蒸
気ドラムの軽量化にも貢献可能であるという効果を備え
ている。
【0042】図7(d)は、円柱形状の整流体36の代
わりに、半円中形状の整流体40を、その平坦面におい
て取り入れ口35a1の下端面に密接固定させた構成と
なっている。また、この整流体40は、その曲面Rが、
取り入れ口35a1の下端面に連続するガイド曲面をな
している。したがって、サイクロンセパレータ13から
の蒸気Sは、この曲面Rに沿って下から取り入れ口35
a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り込むよ
うになっている。この構成においても、前記整流体36
と同様の作用効果を得ることが可能である。さらに、こ
の変形例においては、半円中形状の整流体40を採用し
ている関係上、蒸気ドラムの軽量化にも貢献可能である
という効果を備えている。また、平坦面において固定す
るので、ミスト分離器35aに対する固定を強固にし
て、整流体40の脱落が生じにくくされている。
わりに、半円中形状の整流体40を、その平坦面におい
て取り入れ口35a1の下端面に密接固定させた構成と
なっている。また、この整流体40は、その曲面Rが、
取り入れ口35a1の下端面に連続するガイド曲面をな
している。したがって、サイクロンセパレータ13から
の蒸気Sは、この曲面Rに沿って下から取り入れ口35
a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り込むよ
うになっている。この構成においても、前記整流体36
と同様の作用効果を得ることが可能である。さらに、こ
の変形例においては、半円中形状の整流体40を採用し
ている関係上、蒸気ドラムの軽量化にも貢献可能である
という効果を備えている。また、平坦面において固定す
るので、ミスト分離器35aに対する固定を強固にし
て、整流体40の脱落が生じにくくされている。
【0043】図7(e)は、中実の円柱形状の整流体3
6の代わりに、中空半円中形状の整流体41を、その平
坦面において取り入れ口35a1の下端面に密接固定さ
せた構成となっている。また、この整流体41は、その
曲面Rが、取り入れ口35a1の下端面に連続するガイ
ド曲面をなしている。したがって、サイクロンセパレー
タ13からの蒸気Sは、この曲面Rに沿って下から取り
入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に
入り込むようになっている。この構成においても、前記
整流体36と同様の作用効果を得ることが可能である。
さらに、この変形例においては、中空の半円中形状の整
流体41を採用している関係上、蒸気ドラムの軽量化に
も貢献可能であるという効果を備えている。また、平坦
面において固定するので、ミスト分離器35aに対する
固定を強固にして、整流体41の脱落が生じにくくされ
ている。
6の代わりに、中空半円中形状の整流体41を、その平
坦面において取り入れ口35a1の下端面に密接固定さ
せた構成となっている。また、この整流体41は、その
曲面Rが、取り入れ口35a1の下端面に連続するガイ
ド曲面をなしている。したがって、サイクロンセパレー
タ13からの蒸気Sは、この曲面Rに沿って下から取り
入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に
入り込むようになっている。この構成においても、前記
整流体36と同様の作用効果を得ることが可能である。
さらに、この変形例においては、中空の半円中形状の整
流体41を採用している関係上、蒸気ドラムの軽量化に
も貢献可能であるという効果を備えている。また、平坦
面において固定するので、ミスト分離器35aに対する
固定を強固にして、整流体41の脱落が生じにくくされ
ている。
【0044】次に、図8(a)〜図8(d)の変形例に
ついて説明する。図8(a)は、円柱形状の整流体36
の代わりに、四角柱形状の棒材を、整流体42として採
用している。そして、サイクロンセパレータ13からの
蒸気Sは、この整流体42の周囲に沿って下から取り入
れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入
り込むようになっている。この構成においても、前記整
流体36と同様の作用効果を得ることが可能である。さ
らには、平坦面において固定されているので、ミスト分
離器35aに対する固定を強固にして、整流体42の脱
落が生じにくくされている。
ついて説明する。図8(a)は、円柱形状の整流体36
の代わりに、四角柱形状の棒材を、整流体42として採
用している。そして、サイクロンセパレータ13からの
蒸気Sは、この整流体42の周囲に沿って下から取り入
れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入
り込むようになっている。この構成においても、前記整
流体36と同様の作用効果を得ることが可能である。さ
らには、平坦面において固定されているので、ミスト分
離器35aに対する固定を強固にして、整流体42の脱
落が生じにくくされている。
【0045】図8(b)は、中実の円柱形状の整流体3
6の代わりに、中空の四角柱形状の棒材を、整流体43
として採用している。そして、サイクロンセパレータ1
3からの蒸気Sは、この整流体42の周囲に沿って下か
ら取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35
a内に入り込むようになっている。この構成において
も、前記整流体36と同様の作用効果を得ることが可能
である。さらには、平坦面において固定されているの
で、ミスト分離器35aに対する固定を強固にして、整
流体43の脱落が生じにくくされている。
6の代わりに、中空の四角柱形状の棒材を、整流体43
として採用している。そして、サイクロンセパレータ1
3からの蒸気Sは、この整流体42の周囲に沿って下か
ら取り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35
a内に入り込むようになっている。この構成において
も、前記整流体36と同様の作用効果を得ることが可能
である。さらには、平坦面において固定されているの
で、ミスト分離器35aに対する固定を強固にして、整
流体43の脱落が生じにくくされている。
【0046】図8(c)は、円柱形状の整流体36の代
わりに、中実の四角柱形状の棒材を整流体44として採
用し、かつ取り入れ口35a1よりも、その蒸気流入方
向上流側に向かって突出した位置に固定された構成とな
っている。そして、サイクロンセパレータ13からの蒸
気Sは、この整流体44の周囲に沿って下から取り入れ
口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り
込むようになっている。この構成においても、前記整流
体36と同様の作用効果を得ることが可能である。さら
には、取り入れ口35a1より離れた位置で流れの矯正
を予め行えるので、より淀みが生じにくい構造となって
いる。
わりに、中実の四角柱形状の棒材を整流体44として採
用し、かつ取り入れ口35a1よりも、その蒸気流入方
向上流側に向かって突出した位置に固定された構成とな
っている。そして、サイクロンセパレータ13からの蒸
気Sは、この整流体44の周囲に沿って下から取り入れ
口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り
込むようになっている。この構成においても、前記整流
体36と同様の作用効果を得ることが可能である。さら
には、取り入れ口35a1より離れた位置で流れの矯正
を予め行えるので、より淀みが生じにくい構造となって
いる。
【0047】図8(d)は、円柱形状の整流体36の代
わりに、中空四角柱形状の棒材を整流体45として採用
し、かつ取り入れ口35a1よりも、その蒸気流入方向
上流側に向かって突出した位置に固定された構成となっ
ている。そして、サイクロンセパレータ13からの蒸気
Sは、この整流体45の周囲に沿って下から取り入れ口
35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り込
むようになっている。この構成においても、前記整流体
36と同様の作用効果を得ることが可能である。さらに
は、取り入れ口35a1より離れた位置で流れの矯正を
予め行えるので、より淀みが生じにくい構造となってい
る。また、中空の整流体45を採用している関係上、蒸
気ドラムの軽量化にも貢献可能であるという効果を備え
ている。
わりに、中空四角柱形状の棒材を整流体45として採用
し、かつ取り入れ口35a1よりも、その蒸気流入方向
上流側に向かって突出した位置に固定された構成となっ
ている。そして、サイクロンセパレータ13からの蒸気
Sは、この整流体45の周囲に沿って下から取り入れ口
35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り込
むようになっている。この構成においても、前記整流体
36と同様の作用効果を得ることが可能である。さらに
は、取り入れ口35a1より離れた位置で流れの矯正を
予め行えるので、より淀みが生じにくい構造となってい
る。また、中空の整流体45を採用している関係上、蒸
気ドラムの軽量化にも貢献可能であるという効果を備え
ている。
【0048】次に、図9(a),(b)の変形例につい
て説明する。図9(a)は、円柱形状の整流体36の代
わりに、板材を整流体46として採用し、かつ取り入れ
口35a1よりも、その蒸気流入方向上流側に向かって
突出した位置に水平配置状態に固定した構成となってい
る。そして、サイクロンセパレータ13からの蒸気S
は、この整流体46の周囲に沿って下から取り入れ口3
5a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り込む
ようになっている。この構成においても、前記整流体3
6と同様の作用効果を得ることが可能である。さらに
は、取り入れ口35a1より離れた位置で流れの矯正を
予め行えるので、より淀みが生じにくい構造となってい
る。
て説明する。図9(a)は、円柱形状の整流体36の代
わりに、板材を整流体46として採用し、かつ取り入れ
口35a1よりも、その蒸気流入方向上流側に向かって
突出した位置に水平配置状態に固定した構成となってい
る。そして、サイクロンセパレータ13からの蒸気S
は、この整流体46の周囲に沿って下から取り入れ口3
5a1へと回り込み、ミスト分離器35a内に入り込む
ようになっている。この構成においても、前記整流体3
6と同様の作用効果を得ることが可能である。さらに
は、取り入れ口35a1より離れた位置で流れの矯正を
予め行えるので、より淀みが生じにくい構造となってい
る。
【0049】図9(b)は、円柱形状の整流体36の代
わりに、板材を整流体47として採用し、かつ取り入れ
口35a1に連続するように垂直配置状態に固定した構
成となっている。そして、サイクロンセパレータ13か
らの蒸気Sは、この整流体47の周囲に沿って下から取
り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内
に入り込むようになっている。この構成においても、前
記整流体36と同様の作用効果を得ることが可能であ
る。
わりに、板材を整流体47として採用し、かつ取り入れ
口35a1に連続するように垂直配置状態に固定した構
成となっている。そして、サイクロンセパレータ13か
らの蒸気Sは、この整流体47の周囲に沿って下から取
り入れ口35a1へと回り込み、ミスト分離器35a内
に入り込むようになっている。この構成においても、前
記整流体36と同様の作用効果を得ることが可能であ
る。
【0050】なお、以上説明の第1〜第3の実施の形態
及びその各種変形例の構成は、それぞれ単独で用いても
良いし、例えば図10,11に例示するように、各構成
を組み合わせた構成を採用しても良いことは、もちろん
である。なお、図10は、上記第1の実施の形態の構成
と、上記第3の実施の形態の構成とを組み合わせた場合
を示す図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。また、図11は、上記第2の実施の形態の構成
と、上記第3の実施の形態の構成とを組み合わせた場合
を示す図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。
及びその各種変形例の構成は、それぞれ単独で用いても
良いし、例えば図10,11に例示するように、各構成
を組み合わせた構成を採用しても良いことは、もちろん
である。なお、図10は、上記第1の実施の形態の構成
と、上記第3の実施の形態の構成とを組み合わせた場合
を示す図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。また、図11は、上記第2の実施の形態の構成
と、上記第3の実施の形態の構成とを組み合わせた場合
を示す図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。
【0051】まず図10について説明すると、上記第1
の実施の形態で説明した段違い配置のミスト分離器15
a,15aの両方に、上記第3の実施の形態で説明した
整流体36,36を固定したものである。この構成によ
れば、段違い配置に伴う内側のミスト分離器15a内の
蒸気流速低下によるミスト分離効率向上の効果と、整流
体36,36の付加に伴う蒸気流速低下によるミスト分
離効率向上の効果との、二つの効果による相乗効果によ
り、より高いミスト分離効率の向上が達成可能となる。
これにより、スクラバ15全体としてのミスト分離効率
をより向上させることが可能となる。
の実施の形態で説明した段違い配置のミスト分離器15
a,15aの両方に、上記第3の実施の形態で説明した
整流体36,36を固定したものである。この構成によ
れば、段違い配置に伴う内側のミスト分離器15a内の
蒸気流速低下によるミスト分離効率向上の効果と、整流
体36,36の付加に伴う蒸気流速低下によるミスト分
離効率向上の効果との、二つの効果による相乗効果によ
り、より高いミスト分離効率の向上が達成可能となる。
これにより、スクラバ15全体としてのミスト分離効率
をより向上させることが可能となる。
【0052】次に、図11について説明すると、上記第
2の実施の形態で説明した外形高さ寸法差△Hを有する
各ミスト分離器25a,25aの両方に、上記第3の実
施の形態で説明した整流体36,36を固定したもので
ある。この構成によれば、外形高さ寸法差△Hに伴う各
ミスト分離器25a,25a内の蒸気流速低下によるミ
スト分離効率向上の効果と、整流体36,36の付加に
伴う蒸気流速低下によるミスト分離効率向上の効果と
の、二つの効果による相乗効果により、より高いミスト
分離効率の向上が達成可能となる。これにより、スクラ
バ25全体としてのミスト分離効率をより向上させるこ
とが可能となる。
2の実施の形態で説明した外形高さ寸法差△Hを有する
各ミスト分離器25a,25aの両方に、上記第3の実
施の形態で説明した整流体36,36を固定したもので
ある。この構成によれば、外形高さ寸法差△Hに伴う各
ミスト分離器25a,25a内の蒸気流速低下によるミ
スト分離効率向上の効果と、整流体36,36の付加に
伴う蒸気流速低下によるミスト分離効率向上の効果と
の、二つの効果による相乗効果により、より高いミスト
分離効率の向上が達成可能となる。これにより、スクラ
バ25全体としてのミスト分離効率をより向上させるこ
とが可能となる。
【0053】なお、これら図10及び図11の組み合わ
せに限らず、その他の組み合わせ(例えば、図11で説
明した組み合わせに、さらに上記第1の実施の形態で説
明した段違い配置の構成を付加するなど)を採用しても
良い。また、上記第1〜第3の実施の形態及びその各種
変形例及び組み合わせ例は、上記ドラムの軸線方向の全
てのミスト分離器に対して設けるものとしても良いが、
例えば、ミスト分離器における前記淀みの問題が特に起
こりやすい箇所が判っている場合には、その特定箇所に
対応した位置にのみ設けるものとしても良い。すなわ
ち、前記整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違
い配置、もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法
差を、不具合箇所に応じて、蒸気ドラムの軸線方向(長
手方向)の複数カ所に分けて設ける構成も採用可能であ
る。この構成によれば、各ミスト分離器の延在方向にお
いて、蒸気流速分布のばらつきが特に生じやすい箇所に
応じた各位置に対して集中的に蒸気流速調整手段(前記
整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違い配置、
もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法差)を設
けることにより、効果的にミスト分離効率向上を得るこ
とが可能となる。
せに限らず、その他の組み合わせ(例えば、図11で説
明した組み合わせに、さらに上記第1の実施の形態で説
明した段違い配置の構成を付加するなど)を採用しても
良い。また、上記第1〜第3の実施の形態及びその各種
変形例及び組み合わせ例は、上記ドラムの軸線方向の全
てのミスト分離器に対して設けるものとしても良いが、
例えば、ミスト分離器における前記淀みの問題が特に起
こりやすい箇所が判っている場合には、その特定箇所に
対応した位置にのみ設けるものとしても良い。すなわ
ち、前記整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違
い配置、もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法
差を、不具合箇所に応じて、蒸気ドラムの軸線方向(長
手方向)の複数カ所に分けて設ける構成も採用可能であ
る。この構成によれば、各ミスト分離器の延在方向にお
いて、蒸気流速分布のばらつきが特に生じやすい箇所に
応じた各位置に対して集中的に蒸気流速調整手段(前記
整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違い配置、
もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法差)を設
けることにより、効果的にミスト分離効率向上を得るこ
とが可能となる。
【0054】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の蒸気ドラムは、
各ミスト分離器のいずれか一方もしくは両方の、蒸気を
取り入れる取り入れ口の下部に、整流体を設け、蒸気
が、整流体を避けて迂回するようにカーブを描きながら
ミスト分離器内に流れ込む構成を採用した。この構成に
よれば、セパレータからミスト分離器に向かう蒸気は、
従来のように急激な曲がりを伴って流れ込むのではな
く、整流体を避けて迂回するように緩やかなカーブを描
きながらミスト分離器内に流れ込めるので、従来のよう
な流れの淀みをミスト分離器内に発生させる恐れを低減
させることができる。したがって、ミスト分離器内の有
効流路面積を狭めてしまう恐れを防止して、内部を流れ
る蒸気の流速を許容流速以下に抑えることができるの
で、十分にミスト分離を行うことが可能となり、ミスト
分離器におけるミスト分離効率の向上が達成可能とな
る。これにより、スクラバ全体としてのミスト分離効率
を向上させることが可能となる。
各ミスト分離器のいずれか一方もしくは両方の、蒸気を
取り入れる取り入れ口の下部に、整流体を設け、蒸気
が、整流体を避けて迂回するようにカーブを描きながら
ミスト分離器内に流れ込む構成を採用した。この構成に
よれば、セパレータからミスト分離器に向かう蒸気は、
従来のように急激な曲がりを伴って流れ込むのではな
く、整流体を避けて迂回するように緩やかなカーブを描
きながらミスト分離器内に流れ込めるので、従来のよう
な流れの淀みをミスト分離器内に発生させる恐れを低減
させることができる。したがって、ミスト分離器内の有
効流路面積を狭めてしまう恐れを防止して、内部を流れ
る蒸気の流速を許容流速以下に抑えることができるの
で、十分にミスト分離を行うことが可能となり、ミスト
分離器におけるミスト分離効率の向上が達成可能とな
る。これにより、スクラバ全体としてのミスト分離効率
を向上させることが可能となる。
【0055】また、請求項2記載の蒸気ドラムは、整流
体が、円柱形状もしくは半円柱形状の棒材である構成を
採用した。この構成によれば、請求項1の効果を確実に
得ることが可能となる。また、請求項3記載の蒸気ドラ
ムは、整流体が、四角柱形状の棒材である構成を採用し
た。この構成によれば、請求項1の効果を確実に得るこ
とが可能となる。また、請求項4記載の蒸気ドラムは、
整流体が、板材である構成を採用した。この構成によれ
ば、請求項1の効果を確実に得ることが可能となる。
体が、円柱形状もしくは半円柱形状の棒材である構成を
採用した。この構成によれば、請求項1の効果を確実に
得ることが可能となる。また、請求項3記載の蒸気ドラ
ムは、整流体が、四角柱形状の棒材である構成を採用し
た。この構成によれば、請求項1の効果を確実に得るこ
とが可能となる。また、請求項4記載の蒸気ドラムは、
整流体が、板材である構成を採用した。この構成によれ
ば、請求項1の効果を確実に得ることが可能となる。
【0056】また、請求項5記載の蒸気ドラムは、各ミ
スト分離器を、その配置高さが互いに異なる段違い配置
とする構成を採用した。この構成によれば、セパレータ
に近くて、低い高さ配置を有する一方のミスト分離器に
対して、他方のミスト分離器は、セパレータからの距離
寸法(高さ寸法)を十分に確保することができ、この他
方のミスト分離器に対してセパレータから流れ込む蒸気
が、従来のような急激な曲がりを伴って流れ込むのでは
なく、緩やかなカーブを描きながら流れ込むことができ
るので、従来のような流れの淀みを内部に発生させる恐
れを低減させることができる。したがって、この他方の
ミスト分離器内の有効流路面積を狭めてしまう恐れを防
止して、内部を流れる蒸気の流速を許容流速以下に抑え
ることができるので、十分にミスト分離を行うことが可
能となり、他方のミスト分離器におけるミスト分離効率
の向上が達成可能となる。これにより、スクラバ全体と
してのミスト分離効率を向上させることが可能となる。
スト分離器を、その配置高さが互いに異なる段違い配置
とする構成を採用した。この構成によれば、セパレータ
に近くて、低い高さ配置を有する一方のミスト分離器に
対して、他方のミスト分離器は、セパレータからの距離
寸法(高さ寸法)を十分に確保することができ、この他
方のミスト分離器に対してセパレータから流れ込む蒸気
が、従来のような急激な曲がりを伴って流れ込むのでは
なく、緩やかなカーブを描きながら流れ込むことができ
るので、従来のような流れの淀みを内部に発生させる恐
れを低減させることができる。したがって、この他方の
ミスト分離器内の有効流路面積を狭めてしまう恐れを防
止して、内部を流れる蒸気の流速を許容流速以下に抑え
ることができるので、十分にミスト分離を行うことが可
能となり、他方のミスト分離器におけるミスト分離効率
の向上が達成可能となる。これにより、スクラバ全体と
してのミスト分離効率を向上させることが可能となる。
【0057】また、請求項6記載の蒸気ドラムは、各ミ
スト分離器のいずれか一方もしくは両方に、請求項1〜
4のいずれかに記載の整流体を備える構成を採用した。
この構成によれば、前記他方のミスト分離器に対してセ
パレータから流れ込む蒸気を、より緩やかなカーブを描
きながら流れ込ませることができるので、スクラバ全体
としてのミスト分離効率をより確実に向上させることが
可能となる。
スト分離器のいずれか一方もしくは両方に、請求項1〜
4のいずれかに記載の整流体を備える構成を採用した。
この構成によれば、前記他方のミスト分離器に対してセ
パレータから流れ込む蒸気を、より緩やかなカーブを描
きながら流れ込ませることができるので、スクラバ全体
としてのミスト分離効率をより確実に向上させることが
可能となる。
【0058】また、請求項7記載の蒸気ドラムは、各ミ
スト分離器間に、外形高さ寸法が互いに異なる外形高さ
寸法差を設け、これらミスト分離器のうち、一方よりも
他方により多くの蒸気を流れ込ませる構成を採用した。
この構成によれば、一方のミスト分離器に比較して大き
い外形高さ寸法を有する他方のミスト分離器は、その流
路面積が比較的大きくされているので、内部を流れる蒸
気の流速を低下させることができ、ミスト分離器内を流
れる時間を稼いでミスト分離を十分に行わせることが可
能となる。さらには、この広い流路面積を有する他方の
ミスト分離器の方により多くの蒸気が流れ込むようにな
り、前記一方のミスト分離器に流れ込む蒸気の流速を低
く抑えることができるので、この一方のミスト分離器に
おいても、蒸気が内部を流れる時間を稼いでミスト分離
を十分に行わせることが可能となる。これらにより、ス
クラバ全体としてのミスト分離効率を向上させることが
可能となる。
スト分離器間に、外形高さ寸法が互いに異なる外形高さ
寸法差を設け、これらミスト分離器のうち、一方よりも
他方により多くの蒸気を流れ込ませる構成を採用した。
この構成によれば、一方のミスト分離器に比較して大き
い外形高さ寸法を有する他方のミスト分離器は、その流
路面積が比較的大きくされているので、内部を流れる蒸
気の流速を低下させることができ、ミスト分離器内を流
れる時間を稼いでミスト分離を十分に行わせることが可
能となる。さらには、この広い流路面積を有する他方の
ミスト分離器の方により多くの蒸気が流れ込むようにな
り、前記一方のミスト分離器に流れ込む蒸気の流速を低
く抑えることができるので、この一方のミスト分離器に
おいても、蒸気が内部を流れる時間を稼いでミスト分離
を十分に行わせることが可能となる。これらにより、ス
クラバ全体としてのミスト分離効率を向上させることが
可能となる。
【0059】また、請求項8記載の蒸気ドラムは、各ミ
スト分離器のいずれか一方もしくは両方に、請求項1〜
4のいずれかに記載の整流体を備える構成を採用した。
この構成によれば、外形高さ寸法差に伴う各ミスト分離
器内の蒸気流速低下によるミスト分離効率向上の効果
と、整流体の付加に伴う蒸気流速低下によるミスト分離
効率向上の効果との、二つの効果による相乗効果によ
り、より高いミスト分離効率の向上が達成可能となる。
これにより、スクラバ全体としてのミスト分離効率をよ
り向上させることが可能となる。
スト分離器のいずれか一方もしくは両方に、請求項1〜
4のいずれかに記載の整流体を備える構成を採用した。
この構成によれば、外形高さ寸法差に伴う各ミスト分離
器内の蒸気流速低下によるミスト分離効率向上の効果
と、整流体の付加に伴う蒸気流速低下によるミスト分離
効率向上の効果との、二つの効果による相乗効果によ
り、より高いミスト分離効率の向上が達成可能となる。
これにより、スクラバ全体としてのミスト分離効率をよ
り向上させることが可能となる。
【0060】また、請求項9記載の蒸気ドラムは、請求
項7または8記載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト
分離器を、配置高さが互いに異なる段違い配置とする構
成を採用した。この構成によれば、請求項7の外形高さ
寸法差構成に対してさらに段違い配置構成を組み合わせ
た場合には、それぞれの効果の組み合わせによる相乗効
果により、より効果的なミスト分離効率向上を得ること
が可能となる。また、請求項8の外形高さ寸法差構成及
び整流体付加構成に対してさらに段違い配置構成を組み
合わせた場合においても、同様に、それぞれの効果の組
み合わせによる相乗効果により、より効果的なミスト分
離効率向上を得ることが可能となる。
項7または8記載の蒸気ドラムにおいて、前記各ミスト
分離器を、配置高さが互いに異なる段違い配置とする構
成を採用した。この構成によれば、請求項7の外形高さ
寸法差構成に対してさらに段違い配置構成を組み合わせ
た場合には、それぞれの効果の組み合わせによる相乗効
果により、より効果的なミスト分離効率向上を得ること
が可能となる。また、請求項8の外形高さ寸法差構成及
び整流体付加構成に対してさらに段違い配置構成を組み
合わせた場合においても、同様に、それぞれの効果の組
み合わせによる相乗効果により、より効果的なミスト分
離効率向上を得ることが可能となる。
【0061】また、請求項10記載の蒸気ドラムは、請
求項1〜9のいずれかに記載の蒸気ドラムにおいて、前
記整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違い配
置、もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法差
を、蒸気ドラムの軸線方向の複数カ所に分けて設ける構
成を採用した。この構成によれば、各ミスト分離器の延
在方向において、蒸気流速分布のばらつきが特に生じや
すい箇所に応じた各位置に対して集中的に蒸気流速調整
手段(前記整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段
違い配置、もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸
法差)を設けることにより、効果的にミスト分離効率向
上を得ることが可能となる。
求項1〜9のいずれかに記載の蒸気ドラムにおいて、前
記整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違い配
置、もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法差
を、蒸気ドラムの軸線方向の複数カ所に分けて設ける構
成を採用した。この構成によれば、各ミスト分離器の延
在方向において、蒸気流速分布のばらつきが特に生じや
すい箇所に応じた各位置に対して集中的に蒸気流速調整
手段(前記整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段
違い配置、もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸
法差)を設けることにより、効果的にミスト分離効率向
上を得ることが可能となる。
【図1】 本発明の蒸気ドラムの第1の実施の形態を説
明する図であって、その軸線に垂直な断面より見た断面
図である。
明する図であって、その軸線に垂直な断面より見た断面
図である。
【図2】 同蒸気ドラムのミスト分離器を示す図であっ
て、図1のB部の拡大図である。
て、図1のB部の拡大図である。
【図3】 同蒸気ドラムのミスト分離器内を流れる蒸気
の流速を許容流速で割った比である流速比の分布を示す
図であって、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位
置とし、縦軸を前記流速比として示したグラフである。
の流速を許容流速で割った比である流速比の分布を示す
図であって、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位
置とし、縦軸を前記流速比として示したグラフである。
【図4】 本発明の蒸気ドラムの第2の実施の形態を説
明する図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。
明する図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。
【図5】 本発明の蒸気ドラムの第3の実施の形態を説
明する図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。
明する図であって、図1のB部に相当する部分の拡大図
である。
【図6】 同蒸気ドラムのミスト分離器内を流れる蒸気
の流速を許容流速で割った比である流速比の分布を示す
図であって、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位
置とし、縦軸を前記流速比として示したグラフである。
の流速を許容流速で割った比である流速比の分布を示す
図であって、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位
置とし、縦軸を前記流速比として示したグラフである。
【図7】 同蒸気ドラムの変形例であって、(a)〜
(e)は、それぞれ図5のC部に相当する部分の拡大図
である。
(e)は、それぞれ図5のC部に相当する部分の拡大図
である。
【図8】 同蒸気ドラムの変形例であって、(a)〜
(d)は、それぞれ図5のC部に相当する部分の拡大図
である。
(d)は、それぞれ図5のC部に相当する部分の拡大図
である。
【図9】 同蒸気ドラムの変形例であって、(a),
(b)は、それぞれ図5のC部に相当する部分の拡大図
である。
(b)は、それぞれ図5のC部に相当する部分の拡大図
である。
【図10】 上記第1の実施の形態の構成と、上記第3
の実施の形態の構成とを組み合わせた場合を示す図であ
って、図1のB部に相当する部分の拡大図である。
の実施の形態の構成とを組み合わせた場合を示す図であ
って、図1のB部に相当する部分の拡大図である。
【図11】 上記第2の実施の形態の構成と、上記第3
の実施の形態の構成とを組み合わせた場合を示す図であ
って、図1のB部に相当する部分の拡大図である。
の実施の形態の構成とを組み合わせた場合を示す図であ
って、図1のB部に相当する部分の拡大図である。
【図12】 従来の蒸気ドラムの一例を説明する図であ
って、その軸線に垂直な断面より見た断面図である。
って、その軸線に垂直な断面より見た断面図である。
【図13】 同蒸気ドラムのミスト分離器を示す図であ
って、図12のA部の拡大図である。
って、図12のA部の拡大図である。
【図14】 同ミスト分離器を示す斜視図である。
【図15】 同ミスト分離器内を流れる蒸気の流速を許
容流速で割った比である流速比の分布を示す図であっ
て、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位置とし、
縦軸を前記流速比として示したグラフである。
容流速で割った比である流速比の分布を示す図であっ
て、横軸をミスト分離器の長手方向の奥行き位置とし、
縦軸を前記流速比として示したグラフである。
13・・・サイクロンセパレータ(セパレータ)
15a,25a,35a,・・・ミスト分離器
15,25,35・・・スクラバ
15a1,35a1・・・取り入れ口
36,37,38,39,40,41,42,43,4
4,45,46、47・・・整流体 H2,H3・・・外形高さ寸法 H1・・・外形高さ寸法差 MX・・・気液混合蒸気 S・・・蒸気 W・・・水
4,45,46、47・・・整流体 H2,H3・・・外形高さ寸法 H1・・・外形高さ寸法差 MX・・・気液混合蒸気 S・・・蒸気 W・・・水
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 井坂 勝幸
長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重
工業株式会社 長崎造船所内
(56)参考文献 特開 平9−96209(JP,A)
特開 平10−249120(JP,A)
特開 平10−128024(JP,A)
実開 平1−111906(JP,U)
実開 昭61−141510(JP,U)
実開 昭58−27606(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F22B 37/22
B01D 45/06
B01D 45/12
F22B 37/26
Claims (10)
- 【請求項1】 気液混合蒸気を取り入れて蒸気及び水に
分離するセパレータと、該セパレータで分離された前記
蒸気を取り入れてミストを分離除去する一対のミスト分
離器を有するスクラバとを備えた蒸気ドラムにおいて、 前記各ミスト分離器のいずれか一方もしくは両方には、
前記蒸気を取り入れる取り入れ口の下部に整流体が設け
られ、 前記蒸気が、前記整流体を避けて迂回するようにカーブ
を描きながら前記ミスト分離器内に流れ込む ことを特徴
とする蒸気ドラム。 - 【請求項2】 請求項1記載の蒸気ドラムにおいて、 前記整流体は、円柱形状もしくは半円柱形状の棒材であ
ることを特徴とする蒸気ドラム。 - 【請求項3】 請求項1記載の蒸気ドラムにおいて、 前記整流体は、四角柱形状の棒材であることを特徴とす
る蒸気ドラム。 - 【請求項4】 請求項1記載の蒸気ドラムにおいて、 前記整流体は、板材であることを特徴とする蒸気ドラ
ム。 - 【請求項5】 気液混合蒸気を取り入れて蒸気及び水に
分離するセパレータと、該セパレータで分離された蒸気
を取り入れてミストを分離除去する一対のミスト分離器
を有するスクラバとを備えた蒸気ドラムにおいて、 前記各ミスト分離器は、配置高さが互いに異なる段違い
配置とされていることを特徴とする蒸気ドラム。 - 【請求項6】 請求項5記載の蒸気ドラムにおいて、 前記各ミスト分離器のいずれか一方もしくは両方には、
請求項1〜4のいずれかに記載の前記整流体が備えられ
ていることを特徴とする蒸気ドラム。 - 【請求項7】 気液混合蒸気を取り入れて蒸気及び水に
分離するセパレータと、該セパレータで分離された蒸気
を取り入れてミストを分離除去する一対のミスト分離器
を有するスクラバとを備えた蒸気ドラムにおいて、 前記各ミスト分離器間に、外形高さ寸法が互いに異なる
外形高さ寸法差を設け、これらミスト分離器のうち、一
方よりも他方により多くの前記蒸気を流れ込ま せること
を特徴とする蒸気ドラム。 - 【請求項8】 請求項7記載の蒸気ドラムにおいて、 前記各ミスト分離器のいずれか一方もしくは両方には、
請求項1〜4のいずれかに記載の前記整流体が備えられ
ていることを特徴とする蒸気ドラム。 - 【請求項9】 請求項7または8記載の蒸気ドラムにお
いて、 前記各ミスト分離器は、配置高さが互いに異なる段違い
配置とされていることを特徴とする蒸気ドラム。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の蒸気
ドラムにおいて、 前記整流体、もしくは前記各ミスト分離器間の段違い配
置、もしくは前記各ミスト分離器間の外形高さ寸法差
は、前記蒸気ドラムの軸線方向の複数カ所に分けて設け
られていることを特徴とする蒸気ドラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000224431A JP3486392B2 (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 蒸気ドラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000224431A JP3486392B2 (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 蒸気ドラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002039503A JP2002039503A (ja) | 2002-02-06 |
JP3486392B2 true JP3486392B2 (ja) | 2004-01-13 |
Family
ID=18718396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000224431A Expired - Fee Related JP3486392B2 (ja) | 2000-07-25 | 2000-07-25 | 蒸気ドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3486392B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7273667B2 (ja) * | 2019-09-12 | 2023-05-15 | シャープ株式会社 | 蒸気発生装置、ハウジング部材、家電機器及び加熱調理器 |
-
2000
- 2000-07-25 JP JP2000224431A patent/JP3486392B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002039503A (ja) | 2002-02-06 |
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