JP3486046B2 - 単結晶引上装置における融液面異常検出装置 - Google Patents

単結晶引上装置における融液面異常検出装置

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JP3486046B2 JP08690496A JP8690496A JP3486046B2 JP 3486046 B2 JP3486046 B2 JP 3486046B2 JP 08690496 A JP08690496 A JP 08690496A JP 8690496 A JP8690496 A JP 8690496A JP 3486046 B2 JP3486046 B2 JP 3486046B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルツボを用いて貯
留された半導体融液より半導体単結晶を引き上げる単結
晶引上装置に関し、特に、前記ルツボ内の融液面のレベ
ルの異常を検出するための融液面異常検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン(Si)やガリウムひ素
(GaAs)等の半導体単結晶を成長する方法の一つと
して、CZ法が知られている。このCZ法は、大口径、
高純度の単結晶が無転位あるいは格子欠陥の極めて少な
い状態で容易に得られること等の特徴を有することか
ら、様々な半導体結晶の成長に用いられている方法であ
る。
【0003】近年、単結晶の大口径化、高純度化、酸素
濃度および不純物濃度等の均一化の要求に伴いこのCZ
法も様々に改良され実用に供されている。上記CZ法の
改良型の一つにいわゆる二重ルツボを用いた連続チャー
ジ型磁界印加CZ法(以下、CMCZ法と省略する)が
提案されている。この方法は、外部からルツボ内の半導
体融液に磁界を印加することにより、前記半導体融液内
の対流を抑制し極めて酸素濃度の制御性がよく単結晶化
率がよい単結晶を成長させることができ、外側のルツボ
と内側のルツボとの間に原料を連続供給し長尺の半導体
単結晶を容易に得ることができる等の特徴を有する。し
たがって、大口径かつ長尺の半導体単結晶を得るには最
も優れた方法の一つと言われている。
【0004】図4は、特開平4−305091号公報に
記載されている、上記のCMCZ法を用いたシリコンの
単結晶引上装置の一例である。この単結晶引上装置10
1は、中空の気密容器であるチャンバ102内に二重ル
ツボ103、ヒーター104、原料供給管105がそれ
ぞれ配置され、前記チャンバ102の外部にマグネット
106が配置されている。なお、後述する本発明は、C
MCZ法による単結晶引上装置に適用されるに限らず、
例えば、磁界印加を行わない連続チャージ型CZ法(C
CZ法)による単結晶引上装置や、二重ルツボではなく
1つのルツボを備えた単結晶引上装置にも適用できる。
【0005】二重ルツボ103は、略半球状の石英(S
iO2)製の外ルツボ111と、該外ルツボ111内に
設けられた円筒状の仕切り体である石英(SiO2)製
の内ルツボ112とから構成され、該内ルツボ112の
側壁には、内ルツボ112と外ルツボ111との間(原
料融解領域)と内ルツボ112の内側(結晶成長領域)
とを連通する連通孔113が複数個形成されている。
【0006】この二重ルツボ103は、チャンバ102
の中央下部に垂直に立設されたシャフト114上のサセ
プタ115に載置されており、前記シャフト114の軸
線を中心として水平面上で所定の角速度で回転する構成
になっている。そして、この二重ルツボ103内には半
導体融液(加熱融解された半導体単結晶の原料)121
が貯留されている。なお、石英製の外ルツボ111内の
半導体融液121が固化することにより、外ルツボ11
1が外方へ広がってサセプタ115も外方への力を受け
る。このため、サセプタ115が破損しないように、図
5に示すように、サセプタ115はその周方向に例えば
3つの分割部材115a,115b,115cに分割さ
れている。
【0007】ほぼ円筒状のヒーター104は、半導体の
原料をルツボ内で加熱・融解するとともに生じた半導体
融液121を保温するもので、通常、抵抗加熱が用いら
れる。原料供給手段としての原料供給管105は、その
下端開口より、所定量の半導体の原料110を外ルツボ
111と内ルツボ112との間の半導体融液121面上
に連続的に投入するものである。
【0008】上記の原料供給管105から供給される原
料110としては、例えば、多結晶シリコンのインゴッ
トを破砕機等で破砕してフレーク状にしたもの、あるい
は、気体原料から熱分解法により粒状に析出させた多結
晶シリコンの顆粒が好適に用いられ、必要に応じてホウ
素(B)(p型シリコン単結晶を作る場合)やリン
(P)(n型シリコン単結晶を作る場合)等のドーパン
トと呼ばれる添加元素がさらに供給される。また、ガリ
ウムヒ素(GaAs)の場合も同様で、この場合、添加
元素は亜鉛(Zn)もしくはシリコン(Si)等とな
る。
【0009】上記の単結晶引上装置101により、内ル
ツボ112の上方かつ軸線上に配された引上軸124に
チャック(不図示)を介して種結晶125を吊下げ、引
上軸124をその軸線回りに回転させつつ引上げるとと
もに、シャフト114を介して二重ルツボ103を上昇
させて、半導体融液121上部において種結晶125を
核として半導体単結晶126を成長させる。
【0010】ところで、上記の単結晶引上装置では、特
開昭63ー303894号公報に記載されているよう
に、単結晶を成長する前工程において、外ルツボ111
に予め多結晶シリコン塊等の多結晶原料を融解させて半
導体融液121を貯留し、外ルツボ111の上方に配さ
れた内ルツボ112を、外ルツボ111内に載置して、
二重ルツボ103を形成している。
【0011】このように多結晶原料を融解後に二重ルツ
ボ103を形成するのは、多結晶原料を完全に融解して
半導体融液121を得るために、ヒーター104によっ
て外ルツボ111内の原料を単結晶成長温度以上の温度
まで高温加熱する必要があり、この際に、予め内ルツボ
112を外ルツボ111内に形成させていると、内ルツ
ボ112に大きな熱変形が生じてしまうからである。
【0012】したがって、原料を完全に融解した後、ヒ
ーター104による加熱をある程度弱めてから内ルツボ
112を外ルツボ111に形成させることによって、初
期原料融解保持時の高温加熱を避け、内ルツボ112の
変形を抑制している。
【0013】また、内ルツボ112に形成された連通孔
113は、原料供給時に、半導体融液121を外ルツボ
111側から内ルツボ112内にのみ流入させるように
一定の開口面積以下に設定されている。この理由は、結
晶成長領域から半導体融液121が対流により原料融解
領域に戻る現象が生じると単結晶成長における不純物濃
度および融液温度等の制御が困難になってしまうためで
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、結晶成長終了後、外ルツボ111内の半導体融液
121は表面部より固化するために、外ルツボはその外
方へ広がろうとする力を受ける。このため、図6(a)
の拡大図で示すように、サセプタ115の分割部では以
下のような現象が生じる。すなわち、単結晶引上の回数
の進行に伴い、図6(b)に示すように、特に、符号1
0aで示すように、サセプタ115の分割部の摩滅が進
行し(図7の破線10dや一点鎖線10eも参照)、つ
いには、図6(c)に示すように、摩滅部10aが符号
10cで示すように破損するとともに、外ルツボ111
も符号10bで示すように破損し、外ルツボ111内の
半導体融液121が外ルツボ111から流出し、さら
に、サセプタ115の隙間10cからサセプタ115外
へ流出することになる。なお、24インチの石英製の外
ルツボを用いた場合、半導体融液の流出量は、半導体融
液の液面(融液面)が3cm程度低下すると、20kg
程度にもなる。このように、流出量が多大の場合には、
ヒーター104の電極や下軸シール部(シャフト114
とチャンバ102との接続シール部分)等が損傷し、長
期に渡り単結晶引上装置の稼動を停止せざるを得ないと
いう事態を招く。
【0015】なお、この流出量を低減するためには、目
視により内ルツボ内の半導体融液の液面を観察し、液面
のレベルが大きく下がった場合に、ヒーターへの通電を
絶つことにより、外ルツボ内の半導体融液を固化させ、
外ルツボからの半導体融液の流出を阻止していた。しか
しながら、この方法では、目視によるものなので、半導
体融液のレベルの検出精度が低い上に、オペレーターが
単結晶引上装置の近傍に絶えず居なければならず、自動
化が強く望まれていた。
【0016】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、ルツボ内の半導体融液の液
面のレベルを高精度かつ自動的に検出し、ルツボの摩滅
に起因するサセプタからの半導体融液の流出を極力防止
する、単結晶引上装置における融液面異常検出装置を提
供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の融液面異常検出装置は、気密容器と、前記気
密容器内で半導体融液を貯留するルツボと、前記ルツボ
を収容支持するための、周方向に分割されたサセプタ
と、前記ルツボを囲むように設けられたヒーターとを備
えた単結晶引上装置において、前記ルツボ内の前記半導
体融液の液面のレベルを検出するためのレベル検出手段
と、前記ヒーターと前記ヒーターに通電するための電圧
印加源との間の電路に設けられたスイッチと、前記レベ
ル検出手段による検出値を連続的に入力し、該検出値が
予め設定した設定下限値よりも小さくなりかつ検出値の
単位時間当たりの変化量が予め設定した設定変化量より
も大きくなった場合に、前記スイッチをオフにして前記
ヒーターへの通電を絶つための制御部と、を備えている
ことを特徴とするものである。
【0018】また、警報器を備え、前記レベル検出手段
による検出値が予め設定した前記設定変化量以下の範囲
内で変化した場合に、前記制御部は、前記警報器に警報
を発生させるものである。さらに、前記設定下限値は、
第1の設定下限値と該第1の設定下限値よりも小さな第
2の設定下限値とからなり、前記制御部は、前記検出値
が先ず前記第1の設定下限値よりも小さくなったら、前
記警報器に警報を発生させ、さらに、前記検出値が前記
第2の設定下限値よりも小さくなった場合には、前記ス
イッチをオフにするものである。
【0019】上記構成の請求項1に記載の本発明では、
万が一、ルツボの摩滅部が破損して、ルツボ内の半導体
融液が流出すると、ルツボ内の半導体融液の液面が急激
に減少する。レベル検出手段(例えばレーザー液面計)
は液面のレベルを連続的に検出し、この検出値が制御部
に入力される。また、制御部は検出値の単位時間当たり
の変化量を連続的に計算する。液面のレベルが予め設定
した設定下限値よりも小さくなりかつ検出値の単位時間
当たりの変化量が設定変化量よりも大きくなると、制御
部は、直ちにスイッチをオフにしてヒーターへの通電を
絶つことにより、ルツボ内の半導体融液への加熱を停止
させ、半導体融液を迅速に固化させる。これにより、ル
ツボからの半導体融液の流出を極力阻止する。本発明の
ように、レベルが設定下限値よりも小さくなり、かつそ
の変化量が設定変化量よりも大きくなった上で、ヒータ
ーへの通電を絶つことにより、CZ法のように例えば下
軸(シャフト)の移動不良により前記レベルが異常に低
下したことを認識した場合には、ヒーターへの通電を絶
たずにそのまま単結晶の成長を継続させ、単結晶引上装
置の稼動率の低下を阻止することができる。すなわち、
単に前記レベルの検出値が設定下限値よりも小さくなっ
た場合に、ヒーターへの通電を絶つものでは、半導体融
液の漏れ以外の要因、例えばCZ法のように例えば下軸
(シャフト)の移動不良により前記レベルが異常に低下
した場合にも、単結晶成長が中断されることになり、金
銭的に多大な損害を被ることになる。
【0020】請求項2に記載の発明では、液面のレベル
が設定変化量よりも小さく変化した場合には、ヒーター
への通電を絶つことなく、先ず警報を発生させる。これ
により、オペレターは単結晶引上装置を調べて、前記変
化が半導体融液の漏れに起因するものと判断した場合に
は、スイッチをオフにしてヒーターへの通電を絶ち、一
方、前記変化が半導体融液の漏れ以外の原因例えば、下
軸の駆動不良に起因するものと判断した場合には、その
まま単結晶引上装置の稼動を継続させる。
【0021】請求項3に記載の発明では、半導体融液の
レベルがある程度下がって第1の設定下限値よりも小さ
くなったら、先ず、警報を発生させてオペレーターに半
導体融液のレベル低下を知らしめる。これにより、オペ
レーターは単結晶引上装置を調べて、このレベル低下が
半導体融液の漏れに起因するものと判断した場合には、
スイッチをオフにしてヒーターへの通電を絶ち、一方、
このレベル低下が半導体融液の漏れ以外の原因例えば、
下軸の駆動不良に起因するものと判断した場合には、そ
のまま単結晶引上装置の稼動を継続させる。そして、オ
ペレーターによる前記判断が誤りである場合には、半導
体融液のレベルがさらに下がって第2の設定下限値より
も小さくなり、制御部はこの半導体融液のレベル低下を
半導体融液の漏れによるものと判断し、スイッチをオフ
にしてヒーターへの通電を絶つ。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態例につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明に係わる、
CMCZ法を用いたシリコンの単結晶引上装置の一例を
示す断面図、図2は本発明の融液面異常検出装置の制御
ブロック図、図3は融液面の変化を示すグラフである。
【0023】先ず、図1に示すように、チャンバ102
の上部には2つの透明窓部2,3が設けられており、レ
ーザー液面計1は、レーザー発振器1aから一方の透明
窓部2を介してレーザー光4aを半導体融液121に照
射し、反射したレーザー光4bを他方の透明窓部3を介
してレーザー受光器1bにより検出することにより、半
導体融液121の液面のレベルを検出できる。レーザー
光4aは、半導体単結晶126に干渉されない位置に照
射される。なお、2つの透明窓部2,3は例えば透明ガ
ラスにより構成され、また、2つの透明窓部2,3とチ
ャンバ102とのそれぞれの境界部は図示しないシール
部材でシールされている。
【0024】詳述すると、レーザー発振器1aから出射
されるレーザー光4aの入射角度θ1を自動的かつ連続
的に調整できるようになっており、また、半導体融液1
21の液面で反射されたレーザー光4b(その反射角度
θ2は入射角度θ1と等しい)をレーザー受光器1bによ
り検出することにより、前記液面のレベルを検出でき
る。上記説明から明らかなように、透明窓部2,3およ
びレーザー液面計1により、内ルツボ112内の前記半
導体融液121の液面のレベルを検出するためのレベル
検出手段が構成されている。なお、本例でのレーザー液
面計1の具体例としては、レーザー発振器(発光素子)
1aは、SPECTRA PHYSICS社製のMODEL102-4(品番)を
用い、レーザー受光器(受光素子)1bは、UNITEDDETE
CTOR TECHNOLOGY INC社製のMODEL NO.LSC-30D(品
番)を用いた。図1においてその他の構成は、図4のも
のと同一なので、同一符号を付して、その説明を省略す
る。
【0025】図2に示すように、電圧印加源5は、ヒー
ター104(図1も参照)の一対のの電極6a,6bに
電圧を印加してヒーター104に通電し、これにより、
半導体の原料をルツボ内で加熱・融解するとともに生じ
た半導体融液121を保温することができる。スイッチ
7は、ヒーター104と電圧印加源5との間の電路に設
けられて、前記電圧印加のオン・オフを行うものであ
る。このオン・オフは後述する制御部8により制御され
る他に、オペレーターの手動によっても行うことができ
る。
【0026】制御部8は、レーザー液面計1より検出値
を連続的に入力し、検出値の単位時間当たりの変化量を
連続的に計算する。また、制御部8は、この検出値が予
め設定した第2の設定下限値h2(図3参照)より小さ
くなりかつ検出値の単位時間当たりの変化量が予め設定
した設定変化量よりも大きくなった場合には、前記スイ
ッチ7をオフにして、ヒーター104への電圧印加を停
止する、すなわちヒーター104への通電を絶つ。符号
9は警報器を示し、この警報器9は、例えば単結晶引上
装置の操作パネルに設けられ、制御部8により制御され
る。すなわち、制御部8は、前記レーザー液面計1によ
る検出値の単位時間当たりの変化量を連続的に計算し、
この変化量が前記設定変化量よりも小さい場合には、警
報器9に警報を発生させる。設定変化量としては、例え
ば1.0mm/min程度を用いる。図3中の符号h1
は、前記第2の設定下限値h2よりも大きい第1の設定
下限値を示し、半導体融液121のレベルがある程度下
がって第1の設定下限値h1よりも小さくなったら、制
御部8は、先ず警報器9に警報を発っせさせるものであ
る。なお、第1の設定下限値h1および第2の設定下限
値h2しては、それぞれ3.0および10.0mm程度
が用いられる。なお、前記設定変化量、第1の設定下限
値h1および第2の設定下限値h2は予め制御部8に設定
されている。
【0027】次に、本実施形態例の融液面異常検出装置
の動作について説明する。図1乃至図3に示すように、
時刻t1において、半導体単結晶の肩部成長工程から定
径部成長工程に移り、この定径部成長工程では、半導体
融液121の液面のレベルはほぼ一定に保持される(符
号H参照)。なお、この状態では、制御部8によりスイ
ッチ7はオン状態になっており、ヒーター104への通
電が行われている。また、レーザー液面計1は、半導体
融液121の液面のレベルを連続的に検出し、その検出
値は制御部8に出力される。
【0028】ここで万が一、時刻t2において半導体融
液121のレベル低下が開始し、このレベルが時刻T1
にて第1の設定下限値h1よりも小さくなると、制御部
8は警報器9に警報を発生させる。これにより、オペレ
ーターに半導体融液121の液面の低下を知らしめ、オ
ペレーターは単結晶引上装置を調べて、この半導体融液
121の液面低下が半導体融液121の漏れに起因する
ものと判断した場合には、スイッチ7をオフにしてヒー
ター104への通電を絶ち、一方、この液面低下が半導
体融液121の漏れ以外の原因例えば、下軸(シャフト
114)の駆動不良に起因すると判断した場合には、前
記下軸(シャフト114)の移動不良の解決手段を迅速
に見出して前記下軸の駆動手段等を修理するとともに、
ヒーター104への通電を継続し、単結晶引上装置の稼
動を継続させる。なお、下軸(シャフト114)の移動
不良の解決手段を見出せずに前記下軸の駆動手段等を修
理できない場合にも、ヒーター104への通電を継続
し、単結晶の引上げが完全に完了した後に、前記下軸の
駆動手段等を修理する。
【0029】前記判断が誤認である場合、すなわち前記
半導体融液121のレベル低下が外ルツボ111の摩滅
によるものであれば(図6(c)参照)、時刻T2にて
液面のレベルが第2の設定下限値h2よりも小さくなる
と、レーザー液面計1がそれを検知し、その旨が制御部
8に入力される。これにより、制御部8は、レベルの単
位時間当たりの変化量が予め設定した設定変化量を超え
た場合に限って、スイッチ7をオフにしてヒーター10
4への通電を絶ち、外ルツボ111内の半導体融液12
1を迅速に固化させ、外ルツボ111からの半導体融液
121の流出を極力阻止する。
【0030】また、前記制御部8は、半導体融液121
の液面のレベルが前記設定変化量よりも小さく変化した
場合には、ヒーター7への通電を絶つことなく、先ず警
報を発生させる。これにより、オペレーターは単結晶引
上装置を調べて、この変化量が半導体融液121の漏れ
に起因していると判断した場合には、スイッチ7をオフ
にしてヒーター104への通電を絶ち、一方、前記変化
量が半導体融液121の漏れ以外の原因例えば、下軸
(シャフト114)の駆動不良に起因すると判断した場
合には、そのまま単結晶引上装置の稼動を継続させる。
なお、半導体融液121の液面の波立ち等に起因して、
前記液面が極めて小さく変化した場合には、警報は発生
しない。
【0031】以上のように、半導体融液121の液面を
自動的に検出して、液面が予め設定した第2の設定下限
値h2よりも下がりかつ液面の変化量が設定変化量より
も小さくなった場合に、ヒーター104への通電を絶つ
ことにより、サセプタ115からの半導体融液121の
流出を極力阻止することができる。このように、本実施
形態例は、従来のような目視により半導体融液の液面の
レベルを観察するものと比較して、液面のレベルを自動
的かつ高精度に検出し、また流出を早期に発見して流出
量を極力低減させることにより、チャンバ102内の点
検や清掃等の作業が軽減することはもちろん、電極や下
軸シール部等が破損せずに、復旧のため長期間に渡り単
結晶引上装置の稼動を停止させる必要がない。結果的
に、生産性が向上するとともに、オペレーターへの負担
も軽減される。半導体融液の流出以外が原因で液面が低
下した際には、ヒーターへの通電を絶たずに単結晶引上
げを継続させることにより、半導体単結晶の成長を中断
することを避け、金銭的な多大な損害を被ることがな
い。
【0032】単結晶引上装置としてCMCZ法を採用し
たが、他の単結晶製造方法を適用しても構わない。例え
ば、磁界印加を行わない連続チャージ型CZ法(CCZ
法)を採用したり、二重ルツボではなく1つのルツボを
備えた単結晶引上装置でもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の発明は、半導体融液の液面のレベルを自
動的かつ高精度に検出して、この半導体融液のレベル低
下が流出によるものである場合に限り、ヒーターへの通
電を絶つことにより、サセプタからの半導体融液の流出
を極力阻止することができる。このように、本発明は、
従来のような目視により半導体融液面のレベルを観察す
るものと比較して、液面のレベルを高精度に検出して、
流出量を極力低減させることにより、チャンバ内の点検
や清掃等の作業が軽減することはもちろん、電極や下軸
シール部等が破損せずに、復旧のため長期間に渡り引上
装置の稼動を停止させる必要がない。結果的に、生産性
が向上するとともに、オペレーターへの負担も軽減され
る。
【0034】請求項2に記載の発明は、上記効果の他、
半導体融液面の液面の変化量が小さい場合には、ヒータ
ーへの通電を絶つことなく、先ず警報を発生させる。こ
れにより、オペレ−ターは単結晶引上装置を調べて、こ
の変化量が半導体融液の漏れに起因すると判断した場合
には、スイッチをオフにしてヒーターへの通電を絶ち、
一方、この変化量が半導体融液の漏れ以外の原因例え
ば、下軸の駆動不良に起因すると判断した場合には、そ
のまま単結晶引上装置の稼動を継続させる。このよう
に、半導体融液の流出以外が原因で液面が低下した際に
は、ヒーターへの通電を絶たずに単結晶引上げを継続さ
せることにより、半導体単結晶の成長を中断することを
避け、金銭的な多大な損害を被ることがない。
【0035】請求項3に記載の発明は、上記効果の他、
半導体融液のレベルがある程度下がって第1の設定下限
値よりも小さくなったら、先ず、警報を発生させて、半
導体融液のレベル低下をオペレーターに知らしめる。こ
れにより、オペレーターは単結晶引上装置を調べて、こ
のレベル低下が半導体融液の漏れに起因すると判断した
場合には、スイッチをオフにしてヒーターへの通電を絶
ち、一方、このレベル低下が半導体融液の漏れ以外の原
因例えば、下軸の駆動不良に起因すると判断した場合に
は、それを認識し、単結晶引上装置の稼動を継続させ
る。そして、オペレーターの前記判断が誤りである場合
には、半導体融液のレベルがさらに下がって第2の設定
下限値よりも小さくなり、制御部はこの半導体融液のレ
ベル低下を半導体融液の漏れによるものと判断し、スイ
ッチをオフにしてヒーターへの通電を絶つ。このよう
に、オペレーターの万が一の誤認を補償できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる、CMCZ法を用いたシリコン
の単結晶引上装置の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の融液面異常検出装置の制御ブ
ロック図である。
【図3】融液面の変化を示すグラフである。
【図4】従来の単結晶引上装置の一例の断面図である。
【図5】二重ルツボおよびサセプタの平面図である。
【図6】外ルツボから半導体融液が流出する過程を説明
するための図である。
【図7】サセプタの分割部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 レーザー液面計(レベル検出手段) 1a レーザー発振器 1b レーザー受光器 2,3 透明窓部 4a,4b レーザー光 5 電圧印加源 6a,6b 電極 7 スイッチ 8 制御部 9 警報器 10a 摩滅部 101 半導体単結晶引上装置 102 チャンバ 103 二重ルツボ 104 ヒーター 105 原料供給管 106 マグネット 110 原料 111 外ルツボ 112 内ルツボ 113 連通孔 114 回転軸 115 サセプタ 115a,115b,115c 分割部材 121 半導体融液 110 原料 124 引上軸 125 種結晶 126 半導体単結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 降屋 久 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三菱マテリアルシリコン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−140794(JP,A) 特開 平6−256088(JP,A) 実開 昭64−30365(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 15/26 H01L 21/208

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密容器と、前記気密容器内で半導体融
    液を貯留するルツボと、前記ルツボを収容支持するため
    の、周方向に分割されたサセプタと、前記ルツボを囲む
    ように設けられたヒーターとを備えた単結晶引上装置に
    おいて、 前記ルツボ内の前記半導体融液の液面のレベルを検出す
    るためのレベル検出手段と、 前記ヒーターと前記ヒーターに通電するための電圧印加
    源との間の電路に設けられたスイッチと、 前記レベル検出手段による検出値を連続的に入力し、該
    検出値が予め設定した設定下限値よりも小さくなりかつ
    検出値の単位時間当たりの変化量が予め設定した設定変
    化量よりも大きくなった場合に、前記スイッチをオフに
    して前記ヒーターへの通電を絶つための制御部と、を備
    えていることを特徴とする単結晶引上装置における融液
    面異常検出装置。
  2. 【請求項2】 警報器を備え、前記レベル検出手段によ
    る検出値が予め設定した前記設定変化量以下の範囲内で
    変化した場合に、前記制御部は、前記警報器に警報を発
    生させるものである請求項1に記載の単結晶引上装置に
    おける融液面異常検出装置。
  3. 【請求項3】 前記設定下限値は、第1の設定下限値と
    該第1の設定下限値よりも小さな第2の設定下限値とか
    らなり、前記制御部は、前記検出値が先ず前記第1の設
    定下限値よりも小さくなったら、前記警報器に警報を発
    生させ、さらに、前記検出値が前記第2の設定下限値よ
    りも小さくなった場合には、前記スイッチをオフにする
    ものである請求項2に記載の単結晶引上装置における融
    液面異常検出装置。
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