JP3485824B2 - 庖丁の刃体と柄の結合方法 - Google Patents
庖丁の刃体と柄の結合方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板前や一般人が使
用する庖丁の刃体と柄の結合方法に関する。
用する庖丁の刃体と柄の結合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の庖丁、例えば出刃庖丁の刃体と柄
の結合方法について説明すると、柄は木製で、その先端
から内部に向って中子を挿入するための細長い穴をあ
け、その穴の中に刃体の中子を無理に挿入し、中子と柄
が圧接する摩擦力によって刃体と柄を結合していた。他
の方法としては、合成樹脂製の半割りの柄を製造し、中
子を挟むようにして2つの半割りの柄を合わせ、結合用
の鋲により中子と半割りの柄を結合することにより、刃
体に柄を結合していた。さらに他の方法は、合成樹脂の
射出成型によって中子に柄を成型していた。
の結合方法について説明すると、柄は木製で、その先端
から内部に向って中子を挿入するための細長い穴をあ
け、その穴の中に刃体の中子を無理に挿入し、中子と柄
が圧接する摩擦力によって刃体と柄を結合していた。他
の方法としては、合成樹脂製の半割りの柄を製造し、中
子を挟むようにして2つの半割りの柄を合わせ、結合用
の鋲により中子と半割りの柄を結合することにより、刃
体に柄を結合していた。さらに他の方法は、合成樹脂の
射出成型によって中子に柄を成型していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の庖丁は上述した
ような構成であって、構造が簡単であるために製造が容
易であってコストがかからない利点がある。また、出刃
庖丁のように手造りで製造するものは刃体を鍛造するの
で、すべての寸法が一定である機械生産と異なり中子の
寸法が製品ごとに異なる。しかし、中子の寸法が異なっ
ても木製の柄は合成樹脂に比べて柔らかいので容易に変
形することができ、柄に設けた中子挿入用の穴を一定の
寸法であけても、手造りによるサイズの異なる中子を挿
入することができる。したがって、木製の柄は手造りの
庖丁に向いていると言える。しかしながら、木製の柄は
長期間使用すると水分を吸って柄が傷み、中子が柄から
抜け出すという欠点があった。
ような構成であって、構造が簡単であるために製造が容
易であってコストがかからない利点がある。また、出刃
庖丁のように手造りで製造するものは刃体を鍛造するの
で、すべての寸法が一定である機械生産と異なり中子の
寸法が製品ごとに異なる。しかし、中子の寸法が異なっ
ても木製の柄は合成樹脂に比べて柔らかいので容易に変
形することができ、柄に設けた中子挿入用の穴を一定の
寸法であけても、手造りによるサイズの異なる中子を挿
入することができる。したがって、木製の柄は手造りの
庖丁に向いていると言える。しかしながら、木製の柄は
長期間使用すると水分を吸って柄が傷み、中子が柄から
抜け出すという欠点があった。
【0004】また、合成樹脂製の半割りの柄を用いよう
とする場合は、半割りの柄の内部に中子を納める凹部を
設けることが必要であり、中子と凹部との形状が常に一
致していないと柄と中子は結合することはできない。合
成樹脂製の半割りの柄は機械的に製造するので同じサイ
ズのものが出来上がるが、出刃庖丁のような和庖丁は手
造りで製造するために中子のサイズが少しずつ異なり一
定でない。そのために、手造りの庖丁には機械的に製造
される合成樹脂製の柄を用いることができないとう不都
合がある。さらに、合成樹脂の射出成型によって中子に
柄を成型する方法では、中子の形状や寸法が常に正確に
一定でないと成型できない。
とする場合は、半割りの柄の内部に中子を納める凹部を
設けることが必要であり、中子と凹部との形状が常に一
致していないと柄と中子は結合することはできない。合
成樹脂製の半割りの柄は機械的に製造するので同じサイ
ズのものが出来上がるが、出刃庖丁のような和庖丁は手
造りで製造するために中子のサイズが少しずつ異なり一
定でない。そのために、手造りの庖丁には機械的に製造
される合成樹脂製の柄を用いることができないとう不都
合がある。さらに、合成樹脂の射出成型によって中子に
柄を成型する方法では、中子の形状や寸法が常に正確に
一定でないと成型できない。
【0005】本発明は、以上のような従来品の不都合を
除去し、柄が中子から抜け出る虞がなく、柄が合成樹脂
で製造されたものを使用するときに、中子の形状が少し
異なっていても、中子が柄に確実に結合される庖丁を提
供することを目的とするものである。
除去し、柄が中子から抜け出る虞がなく、柄が合成樹脂
で製造されたものを使用するときに、中子の形状が少し
異なっていても、中子が柄に確実に結合される庖丁を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、刃体の中子に凹部を設け、柄の先端面から内部
にかけて中子挿入用の穴部を設け、該穴部の中に前記中
子を挿入し、金属のみを高温に加熱する装置によって柄
の外部から中子を高温に加熱して中子に触れている柄の
部分を溶かし、柄の溶けた部分が前記凹部に流れ込んだ
後、常温に戻すことを特徴とする。
発明は、刃体の中子に凹部を設け、柄の先端面から内部
にかけて中子挿入用の穴部を設け、該穴部の中に前記中
子を挿入し、金属のみを高温に加熱する装置によって柄
の外部から中子を高温に加熱して中子に触れている柄の
部分を溶かし、柄の溶けた部分が前記凹部に流れ込んだ
後、常温に戻すことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、刃体の中子は短く
形成し、一定形状に形成された金属製ジョイント部材の
表面に凹部を設け、前記中子の後端に前記ジョイント部
材を長さ方向に結合し、柄の先端面から内部にかけて、
ジョイント部材および中子挿入用の穴部を設け、該穴部
の中に前記ジョイント部材および中子を挿入し、金属の
みを高温に加熱する装置によって柄の外部からジョイン
ト部材および中子を高温に加熱してジョイント部材およ
び中子に触れている柄の部分を溶かし、柄の溶けた部分
が前記凹部に流れ込んだ後、常温に戻すことを特徴とす
る。
形成し、一定形状に形成された金属製ジョイント部材の
表面に凹部を設け、前記中子の後端に前記ジョイント部
材を長さ方向に結合し、柄の先端面から内部にかけて、
ジョイント部材および中子挿入用の穴部を設け、該穴部
の中に前記ジョイント部材および中子を挿入し、金属の
みを高温に加熱する装置によって柄の外部からジョイン
ト部材および中子を高温に加熱してジョイント部材およ
び中子に触れている柄の部分を溶かし、柄の溶けた部分
が前記凹部に流れ込んだ後、常温に戻すことを特徴とす
る。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項2にジョイ
ント部材がネジである構成が加わった庖丁の刃体と柄の
結合方法である。
ント部材がネジである構成が加わった庖丁の刃体と柄の
結合方法である。
【0009】請求項4記載の発明は、柄に挿入される中
子よりも小さな穴部を柄に設け、金属のみを高温に加熱
する装置によって合成樹脂を溶融できる温度に加熱され
た中子を前記穴部に徐々に挿入し、中子に接触した穴部
内面の合成樹脂を溶融しながら中子を穴部に一杯に挿入
した後、常温に戻すことを特徴とする。
子よりも小さな穴部を柄に設け、金属のみを高温に加熱
する装置によって合成樹脂を溶融できる温度に加熱され
た中子を前記穴部に徐々に挿入し、中子に接触した穴部
内面の合成樹脂を溶融しながら中子を穴部に一杯に挿入
した後、常温に戻すことを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、金属製の刃体と合
成樹脂を主原料とする柄の結合方法であって、刃体の中
子は短く形成し、一定形状に形成された金属製ジョイン
ト部材を前記中子の後端に長さ方向に結合し、柄に挿入
される中子およびジョイント部材よりも小さな穴部を柄
に設け、金属のみを高温に加熱する装置によって合成樹
脂を溶融できる温度に加熱されたジョイント部材および
中子を前記穴部に徐々に挿入し、ジョイント部材および
中子に接触した穴部内面の合成樹脂を溶融しながらジョ
イント部材および中子を穴部に一杯に挿入した後、常温
に戻すことを特徴とする。
成樹脂を主原料とする柄の結合方法であって、刃体の中
子は短く形成し、一定形状に形成された金属製ジョイン
ト部材を前記中子の後端に長さ方向に結合し、柄に挿入
される中子およびジョイント部材よりも小さな穴部を柄
に設け、金属のみを高温に加熱する装置によって合成樹
脂を溶融できる温度に加熱されたジョイント部材および
中子を前記穴部に徐々に挿入し、ジョイント部材および
中子に接触した穴部内面の合成樹脂を溶融しながらジョ
イント部材および中子を穴部に一杯に挿入した後、常温
に戻すことを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項5の発明の
ジョイント部材がネジである庖丁の刃体と柄の結合方法
である。
ジョイント部材がネジである庖丁の刃体と柄の結合方法
である。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項1から請求
項6の合成樹脂を主原料とした柄は、ABS樹脂に木粉
が混入された材料である庖丁の刃体と柄の結合方法であ
る。
項6の合成樹脂を主原料とした柄は、ABS樹脂に木粉
が混入された材料である庖丁の刃体と柄の結合方法であ
る。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、中子に凹部を設
けて柄の穴部に挿入し、金属加熱装置によって中子に接
している柄の部分を溶かすだけで刃体と柄を結合できる
から製造が簡単である。また、合成樹脂の柄の穴部のサ
イズが中子よりも少し大きくなると隙間があいてガタつ
くので不良品となっていたが、本発明では、溶けた柄の
部分が中子の凹部の形状に合わせて円滑に流れ込むの
で、柄の穴部が中子よりやや大きくても隙間があかず刃
体と柄の結合がガタつかない。
けて柄の穴部に挿入し、金属加熱装置によって中子に接
している柄の部分を溶かすだけで刃体と柄を結合できる
から製造が簡単である。また、合成樹脂の柄の穴部のサ
イズが中子よりも少し大きくなると隙間があいてガタつ
くので不良品となっていたが、本発明では、溶けた柄の
部分が中子の凹部の形状に合わせて円滑に流れ込むの
で、柄の穴部が中子よりやや大きくても隙間があかず刃
体と柄の結合がガタつかない。
【0014】請求項2記載の発明は、刃体の中子は短く
形成し、一定の外径を有する別体のジョイント部材の表
面に凹部を設けて、このジョイント部材を中子の後端に
結合したことが特徴である。手造りの出刃庖丁等の中子
は、後端に行くに従って徐々に細くなるように鍛造する
のであるが、手造りであるために中子が細くなって行く
変化率が刃体ごとに異なる。このために、中子の基部付
近のサイズは一定であっても、そこから中子の後端部ま
でのサイズが刃体ごとに異なるので、柄に設ける中子挿
入用の穴部を機械的に一定のサイズで切っていくことが
できない。そこで、ほぼ一定サイズの中子の基部は残し
て、サイズが一定とならない部分の代りに、一定サイズ
のジョイント部材を結合したものである。したがって、
中子に設ける穴部は一定のサイズで機械的に切ることが
できるから効率よく製品を製造できる。
形成し、一定の外径を有する別体のジョイント部材の表
面に凹部を設けて、このジョイント部材を中子の後端に
結合したことが特徴である。手造りの出刃庖丁等の中子
は、後端に行くに従って徐々に細くなるように鍛造する
のであるが、手造りであるために中子が細くなって行く
変化率が刃体ごとに異なる。このために、中子の基部付
近のサイズは一定であっても、そこから中子の後端部ま
でのサイズが刃体ごとに異なるので、柄に設ける中子挿
入用の穴部を機械的に一定のサイズで切っていくことが
できない。そこで、ほぼ一定サイズの中子の基部は残し
て、サイズが一定とならない部分の代りに、一定サイズ
のジョイント部材を結合したものである。したがって、
中子に設ける穴部は一定のサイズで機械的に切ることが
できるから効率よく製品を製造できる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明に加えて、ジョイント部材がネジであることを特徴と
している。ネジは専門の製造メ−カ−が存在するので簡
単に調達することができ、外径のサイズも種々のものが
取り揃えてある。したがって、大きさの異なる庖丁を製
造するときにも市販されているネジを使用することがで
きるから、特別品を注文する必要がなくコストがかから
ない。また、ネジは軸方向にほぼ直角に切られているか
ら、ネジ溝の中に溶けた合成樹脂が入り込めばネジは軸
方向に非常に強固に固定されることになり、出刃庖丁の
ように刃体が厚く重量の大きな刃体を柄に結合したとき
も確実に刃体と柄を結合できる。
明に加えて、ジョイント部材がネジであることを特徴と
している。ネジは専門の製造メ−カ−が存在するので簡
単に調達することができ、外径のサイズも種々のものが
取り揃えてある。したがって、大きさの異なる庖丁を製
造するときにも市販されているネジを使用することがで
きるから、特別品を注文する必要がなくコストがかから
ない。また、ネジは軸方向にほぼ直角に切られているか
ら、ネジ溝の中に溶けた合成樹脂が入り込めばネジは軸
方向に非常に強固に固定されることになり、出刃庖丁の
ように刃体が厚く重量の大きな刃体を柄に結合したとき
も確実に刃体と柄を結合できる。
【0016】請求項4記載の発明は、柄に挿入される中
子よりも小さな穴部を柄に設け、金属のみを高温に加熱
する装置によって合成樹脂を溶融できる温度に加熱され
た中子を前記穴部に徐々に挿入し、中子に接触した穴部
内面の合成樹脂を溶融しながら中子を穴部に一杯に挿入
した後、常温に戻すことを特徴とする。したがって、製
造が簡単であり、合成樹脂と中子とが隙間なく合接する
からガタつくことなく柄と中子とを確実に結合すること
ができる。中子の表面に凹部を設ければ更に強固に結合
できる。また、穴部の入口と中子の間に隙間がないから
水が内部に浸入することを確実に防止できる。
子よりも小さな穴部を柄に設け、金属のみを高温に加熱
する装置によって合成樹脂を溶融できる温度に加熱され
た中子を前記穴部に徐々に挿入し、中子に接触した穴部
内面の合成樹脂を溶融しながら中子を穴部に一杯に挿入
した後、常温に戻すことを特徴とする。したがって、製
造が簡単であり、合成樹脂と中子とが隙間なく合接する
からガタつくことなく柄と中子とを確実に結合すること
ができる。中子の表面に凹部を設ければ更に強固に結合
できる。また、穴部の入口と中子の間に隙間がないから
水が内部に浸入することを確実に防止できる。
【0017】請求項5記載の発明は、刃体の中子は短く
形成し、一定形状に形成された金属製ジョイント部材を
前記中子の後端に長さ方向に結合し、柄に挿入される中
子およびジョイント部材よりも小さな穴部を柄に設け、
金属のみを高温に加熱する装置によって合成樹脂を溶融
できる温度に加熱されたジョイント部材および中子を前
記穴部に徐々に挿入し、ジョイント部材および中子に接
触した穴部内面の合成樹脂を溶融しながらジョイント部
材および中子を穴部に一杯に挿入した後、常温に戻すこ
とを特徴とし、請求項6記載の発明は、ジョイント部材
にネジを用いたものである。これらの構成中、中子を短
く形成し、ジョイント部材あるいはネジを中子に結合し
た効果は前記請求項2および請求項3の効果と同じであ
る。更に、柄に設ける穴部は中子およびジョイント部材
よりも小さいので、合成樹脂と中子およびジョイント部
材は隙間なく合接するからガタつくことなく確実に結合
できる。また、穴部の入口と中子の間に隙間がないから
から水が内部に浸入することを確実に防止できる。
形成し、一定形状に形成された金属製ジョイント部材を
前記中子の後端に長さ方向に結合し、柄に挿入される中
子およびジョイント部材よりも小さな穴部を柄に設け、
金属のみを高温に加熱する装置によって合成樹脂を溶融
できる温度に加熱されたジョイント部材および中子を前
記穴部に徐々に挿入し、ジョイント部材および中子に接
触した穴部内面の合成樹脂を溶融しながらジョイント部
材および中子を穴部に一杯に挿入した後、常温に戻すこ
とを特徴とし、請求項6記載の発明は、ジョイント部材
にネジを用いたものである。これらの構成中、中子を短
く形成し、ジョイント部材あるいはネジを中子に結合し
た効果は前記請求項2および請求項3の効果と同じであ
る。更に、柄に設ける穴部は中子およびジョイント部材
よりも小さいので、合成樹脂と中子およびジョイント部
材は隙間なく合接するからガタつくことなく確実に結合
できる。また、穴部の入口と中子の間に隙間がないから
から水が内部に浸入することを確実に防止できる。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求
項6の発明の柄が、ABS樹脂に木粉が混入されたもの
を材料としている。この材料を用いると、あらかじめ同
じ太さおよび長さの材料を製造しておいて、柄の大きさ
を刃体の大きさに応じて、例えば鯵切り庖丁のような小
さな庖丁のときは柄が小さくなるように研削したり、柄
の表面を仕上げるために研削したときに摩擦熱が生じて
も溶融することがなく、木を削るように仕上げることが
できる。つまり、一定形状の材料は機械的に大量生産で
きる。もし、木粉の入らない合成樹脂を用いると、摩擦
熱で研削用カッタ−に樹脂が溶着しカッタ−が破損して
しまうのである。
項6の発明の柄が、ABS樹脂に木粉が混入されたもの
を材料としている。この材料を用いると、あらかじめ同
じ太さおよび長さの材料を製造しておいて、柄の大きさ
を刃体の大きさに応じて、例えば鯵切り庖丁のような小
さな庖丁のときは柄が小さくなるように研削したり、柄
の表面を仕上げるために研削したときに摩擦熱が生じて
も溶融することがなく、木を削るように仕上げることが
できる。つまり、一定形状の材料は機械的に大量生産で
きる。もし、木粉の入らない合成樹脂を用いると、摩擦
熱で研削用カッタ−に樹脂が溶着しカッタ−が破損して
しまうのである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、出刃庖丁
を例に取って図面に従って説明する。出刃庖丁であるか
ら刃体1および中子2は肉厚に形成されている。中子2
は一般の出刃庖丁よりもかなり短く形成されていて、中
子2の形状はほぼ矩形である。
を例に取って図面に従って説明する。出刃庖丁であるか
ら刃体1および中子2は肉厚に形成されている。中子2
は一般の出刃庖丁よりもかなり短く形成されていて、中
子2の形状はほぼ矩形である。
【0020】中子2の後端部にはあらかじめ切込凹部3
を形成しておく。この切込凹部3の縦幅は、その横幅、
すなわち中子2の厚みよりもやや小さくする。ジョイン
ト部材としてのネジ4はやや細長く、ほぼ全長に亘って
ネジ溝が切られている。さらに、ネジ4は、その外径が
切込凹部3の縦幅よりもわずかに大きなものを使用す
る。この理由は、ネジ4と中子2を結合するために、ま
ずネジ4が刃体1の長さ方向と同じ方向を向くように切
込凹部3内に無理に押し込んで仮止めするためである。
仮止めした後、ネジ4と中子2の接触部分を溶接により
固着する。
を形成しておく。この切込凹部3の縦幅は、その横幅、
すなわち中子2の厚みよりもやや小さくする。ジョイン
ト部材としてのネジ4はやや細長く、ほぼ全長に亘って
ネジ溝が切られている。さらに、ネジ4は、その外径が
切込凹部3の縦幅よりもわずかに大きなものを使用す
る。この理由は、ネジ4と中子2を結合するために、ま
ずネジ4が刃体1の長さ方向と同じ方向を向くように切
込凹部3内に無理に押し込んで仮止めするためである。
仮止めした後、ネジ4と中子2の接触部分を溶接により
固着する。
【0021】また、切込凹部3の横幅は縦幅よりも大き
く形成されているので、切込凹部3に嵌め込まれたネジ
4のネジ山が中子2の表面からはみ出すことがない。こ
のようにした理由は、後述するように中子2およびネジ
4を挿入するために柄に穴部を切るが、切込凹部3から
ネジ山がはみ出していると、中子を挿入する部分の穴部
6の形状が複雑になるから、これを避けるためである。
これによって、穴部6をあける作業が容易になる。ただ
し、本発明は、このような構成に限定されるものでない
ことは勿論である。
く形成されているので、切込凹部3に嵌め込まれたネジ
4のネジ山が中子2の表面からはみ出すことがない。こ
のようにした理由は、後述するように中子2およびネジ
4を挿入するために柄に穴部を切るが、切込凹部3から
ネジ山がはみ出していると、中子を挿入する部分の穴部
6の形状が複雑になるから、これを避けるためである。
これによって、穴部6をあける作業が容易になる。ただ
し、本発明は、このような構成に限定されるものでない
ことは勿論である。
【0022】中子2の下端部には底の浅い凹部7が設け
られている。これは、溶けた樹脂をこの凹部7にも流れ
込ませて中子2と柄5の結合をより強固にするためであ
る。凹部7は中子の上下両端部に1個ずつ設けるもので
あってもよい。又は中子の上端部のみに設けるものであ
ってもよい。あるいは、目打ちやグラインダ−によって
中子の側面に底の浅い凹部を多数設けてもよい。
られている。これは、溶けた樹脂をこの凹部7にも流れ
込ませて中子2と柄5の結合をより強固にするためであ
る。凹部7は中子の上下両端部に1個ずつ設けるもので
あってもよい。又は中子の上端部のみに設けるものであ
ってもよい。あるいは、目打ちやグラインダ−によって
中子の側面に底の浅い凹部を多数設けてもよい。
【0023】柄5は木粉を混入したABS樹脂で細長く
形成されている。ABS樹脂に対する木粉の割合は20
%前後が好ましいが、この数値に限定されることはなく
例えば8%から35%程度であっても差し支えない。木
粉の割合が少ないと柄を研削するときに樹脂が溶融し、
木粉の割合が多いとかなりの水分を吸うので、そのよう
な割合を避ける数値であればよい。
形成されている。ABS樹脂に対する木粉の割合は20
%前後が好ましいが、この数値に限定されることはなく
例えば8%から35%程度であっても差し支えない。木
粉の割合が少ないと柄を研削するときに樹脂が溶融し、
木粉の割合が多いとかなりの水分を吸うので、そのよう
な割合を避ける数値であればよい。
【0024】あらかじめ、一定の長さおよび太さの木粉
を混入したABS樹脂を製造しておき、これから柄に加
工する。まず、柄5の先端から研削して、ネジ4および
中子2を挿入するための穴部6を設ける。穴部6は、ネ
ジ4と中子2の一部が挿入される形状であって、やや大
きめで差し支えない。中子2は短く形成されていて形状
はほぼ同じで、ネジ4も一定のサイズのものが用いられ
るから、穴部6はあらかじめサイズを決めておいて機械
的に削ればよい。但し、請求項4乃至請求項6記載の発
明を実施するときは、穴部6の大きさは、そこに挿入さ
れるネジ4および中子2よりも少し小さくなるように形
成する。
を混入したABS樹脂を製造しておき、これから柄に加
工する。まず、柄5の先端から研削して、ネジ4および
中子2を挿入するための穴部6を設ける。穴部6は、ネ
ジ4と中子2の一部が挿入される形状であって、やや大
きめで差し支えない。中子2は短く形成されていて形状
はほぼ同じで、ネジ4も一定のサイズのものが用いられ
るから、穴部6はあらかじめサイズを決めておいて機械
的に削ればよい。但し、請求項4乃至請求項6記載の発
明を実施するときは、穴部6の大きさは、そこに挿入さ
れるネジ4および中子2よりも少し小さくなるように形
成する。
【0025】その次に、柄5を固定し、ネジ4と中子2
を穴部6に挿入して固定した後、金属のみを加熱する高
周波発振器による電磁誘導加熱によって柄5の外部から
ネジ4および中子2を加熱して、そのネジ4に接してい
るABS樹脂を溶かしてネジ溝に流れ込ませ、その後、
常温に戻す。この場合、柄の前面に溶けた樹脂がはみ出
すことがあるので、常温に戻ったときにはみ出した樹脂
を削り取る。
を穴部6に挿入して固定した後、金属のみを加熱する高
周波発振器による電磁誘導加熱によって柄5の外部から
ネジ4および中子2を加熱して、そのネジ4に接してい
るABS樹脂を溶かしてネジ溝に流れ込ませ、その後、
常温に戻す。この場合、柄の前面に溶けた樹脂がはみ出
すことがあるので、常温に戻ったときにはみ出した樹脂
を削り取る。
【0026】請求項4乃至請求項6記載の発明を実施す
るときは、ネジ4を穴部6に挿入するよりも前に、柄の
外側から高周波発振器を作動させてネジ4を加熱し、ネ
ジ4と接した樹脂を溶融させながら徐々に穴部6内に挿
入していく。挿入中にも加熱するためにネジ4が穴部6
に一杯に挿入されるまで高周波発振器を作動させて電磁
誘導加熱させる。この場合にも、柄の前面に溶けた樹脂
がはみ出すことがあるので、常温に戻ったときにはみ出
した樹脂を削り取る。
るときは、ネジ4を穴部6に挿入するよりも前に、柄の
外側から高周波発振器を作動させてネジ4を加熱し、ネ
ジ4と接した樹脂を溶融させながら徐々に穴部6内に挿
入していく。挿入中にも加熱するためにネジ4が穴部6
に一杯に挿入されるまで高周波発振器を作動させて電磁
誘導加熱させる。この場合にも、柄の前面に溶けた樹脂
がはみ出すことがあるので、常温に戻ったときにはみ出
した樹脂を削り取る。
【0027】以上の工程によって刃体1と柄5を結合し
た後、柄5の表面を研削して仕上げる。また、柄を握り
やすくするために、柄の表面に指当てような凹面を波形
に研削してもよい。
た後、柄5の表面を研削して仕上げる。また、柄を握り
やすくするために、柄の表面に指当てような凹面を波形
に研削してもよい。
【図1】 柄の内部を表した本発明の正面図
【図2】 柄の内部を表した本発明の平面図
【図3】 刃体の正面図
【図4】 刃体の中子とネジを仮止めした状態を示す一
部正面図
部正面図
【図5】 刃体の中子とネジを溶接で固着した状態を示
す一部正面図
す一部正面図
【図6】 柄の断面図
【図7】 柄とネジおよび中子が結合された状態を示す
要部断面図
要部断面図
1 刃体
2 中子
3 切込凹部
4 ネジ
5 柄
6 穴部
7 凹部
Claims (7)
- 【請求項1】 金属製の刃体と合成樹脂を主原料とする
柄の結合方法であって、刃体の中子に凹部を設け、柄の
先端面から内部にかけて中子挿入用の穴部を設け、該穴
部の中に前記中子を挿入し、金属のみを高温に加熱する
装置によって柄の外部から中子を高温に加熱して中子に
触れている柄の部分を溶かし、柄の溶けた部分が前記凹
部に流れ込んだ後、常温に戻すことを特徴とする庖丁の
刃体と柄の結合方法 - 【請求項2】 金属製の刃体と合成樹脂を主原料とする
柄の結合方法であって、刃体の中子は短く形成し、一定
形状に形成された金属製ジョイント部材の表面に凹部を
設け、前記中子の後端に前記ジョイント部材を長さ方向
に結合し、柄の先端面から内部にかけて、ジョイント部
材および中子挿入用の穴部を設け、該穴部の中に前記ジ
ョイント部材および中子を挿入し、金属のみを高温に加
熱する装置によって柄の外部からジョイント部材および
中子を高温に加熱してジョイント部材および中子に触れ
ている柄の部分を溶かし、柄の溶けた部分が前記凹部に
流れ込んだ後、常温に戻すことを特徴とする庖丁の刃体
と柄の結合方法 - 【請求項3】 ジョイント部材がネジである請求項2記
載の庖丁の刃体と柄の結合方法 - 【請求項4】 金属製の刃体と合成樹脂を主原料とする
柄の結合方法であって、柄に挿入される中子よりも小さ
な穴部を柄に設け、金属のみを高温に加熱する装置によ
って合成樹脂を溶融できる温度に加熱された中子を前記
穴部に徐々に挿入し、中子に接触した穴部内面の合成樹
脂を溶融しながら中子を穴部に一杯に挿入した後、常温
に戻すことを特徴とする庖丁の刃体と柄の結合方法 - 【請求項5】 金属製の刃体と合成樹脂を主原料とする
柄の結合方法であって、刃体の中子は短く形成し、一定
形状に形成された金属製ジョイント部材を前記中子の後
端に長さ方向に結合し、柄に挿入される中子およびジョ
イント部材よりも小さな穴部を柄に設け、金属のみを高
温に加熱する装置によって合成樹脂を溶融できる温度に
加熱されたジョイント部材および中子を前記穴部に徐々
に挿入し、ジョイント部材および中子に接触した穴部内
面の合成樹脂を溶融しながらジョイント部材および中子
を穴部に一杯に挿入した後、常温に戻すことを特徴とす
る庖丁の刃体と柄の結合方法 - 【請求項6】 ジョイント部材がネジである請求項5記
載の庖丁の刃体と柄の結合方法 - 【請求項7】 合成樹脂を主原料とした柄は、ABS樹
脂に木粉が混入された材料である請求項1、請求項2、
請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載の庖丁
の刃体と柄の結合方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1005899A JP3485824B2 (ja) | 1999-01-19 | 1999-01-19 | 庖丁の刃体と柄の結合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1005899A JP3485824B2 (ja) | 1999-01-19 | 1999-01-19 | 庖丁の刃体と柄の結合方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000202176A JP2000202176A (ja) | 2000-07-25 |
JP3485824B2 true JP3485824B2 (ja) | 2004-01-13 |
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ID=11739799
Family Applications (1)
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-
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- 1999-01-19 JP JP1005899A patent/JP3485824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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