JP3485768B2 - ローラレベラの剛性測定方法および各ロール位置の設定方法 - Google Patents
ローラレベラの剛性測定方法および各ロール位置の設定方法Info
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Description
上下に千鳥状に配置し、そのロール間に被矯正材を通し
て繰り返し曲げを与えることによって、被矯正材の反り
を平坦化し、あるいは波形状を矯正するローラレベラに
おいて、ローラレベラの剛性を用いて、矯正によるロー
ル反力に伴って発生する各ロールの変位を予測する方
法、およびそのために必要なローラレベラの剛性を測定
する方法、およびロール位置設定方法に関するものであ
る。
単純にロールにより曲げを加えるものだけでなく、被矯
正材に張力を加えた上でロールによる曲げを加えるもの
も含める。また、本明細書で単にロールという場合は、
被矯正材に直接接触して、これに曲げを加える「ワーク
ロール」を意昧し、ワークロールを支持するバックアッ
プロールと区別するときのみワークロールと呼ぶことに
する。
過程などで発生した反りを平坦化し、あるいは波形状を
矯正するために、複数本のロールを上下に千鳥状に配置
したローラレベラが用いられる。ローラレベラによる矯
正作用は、被矯正材に繰り返し曲げを加えることによっ
て、被矯正材を平坦化、あるいは所望の反りや波形状を
与えるものである。
最大加工度、出側加工度と板厚・板幅・降伏点応力とか
ら、ロール設定値である上ロール群の入側押し込み量と
出側押し込み量とを決定する方法が示されている。
には、矯正にともなって発生する反力も大きいので、ロ
ールの変形、あるいはローラレベラのハウジングのたわ
みや伸びが発生し、被矯正材をローラレベラに通してい
るときの実際のロール位置は、設定したロール位置と
は、これらの変形分だけ異なってしまう。
矯正ロールをバックアップロールによって支持したり、
ハウジングの剛性を大きくするなどの対策がなされてい
るものの、各ロールの変位を完全にゼロとすることは設
備の巨大化を招くため、困難である。
2−173027号公報には、各ロールの変位をオンラ
インで検出し、各ロール位置の補正量を演算し、設定し
た各ロール位置と矯正作業中の各ロール位置とが等しく
なるように制御する方法が示されている。
10本程度以上の矯正ロールを有し、さらに、上ロール
の上部、下ロールの下部にはロールの変位を減少させる
ためのバックアップロールが設けられることもあるた
め、各ロールの変位をオンラインで正確に把握するため
のセンサを組み込むことは、通常は困難であり、上記特
開昭62−173027号公報の技術では実用的な解決
法にはなり得ない。
して、各ロール荷重と各ロールの変位との関係式を用い
て、各ロールの変位を精度よく予測する技術が考えられ
る。以下、本明細書では、この各ロール荷重と各ロール
の変位との関係式に含まれる係数などの定数を「剛性」
と呼ぶことにする。
荷重、ロール間隙の設定値、および圧延後の厚さなどの
寸法指標の実測値を用いるか、あるいは、上下ロールを
接触させた、いわゆるキスロールによる締め込みを行な
って、荷重とロールの変位との関係を求めることが一般
に行われている。しかし、ローラレベラでは、被矯正材
に対して曲げを加えるだけで、被矯正材の厚さなどの寸
法指標は変化しない。また、圧延機では上下ロールが相
対しているため、キスロールによるロールの締め込み量
の大きさとロールの変位の大ききとが等しくなるのに対
して、ローラレベラではロールが千鳥状に配置されてい
るため、キスロールという状態をとることが不可能であ
る。
下ロール群がそれぞれ一体のハウジングで保持されてい
るため、各ロールの変位は各々のロール荷重のみなら
ず、その他のロール荷重の影響も受ける。これに対し
て、従来は、ローラレベラの各ロールの変位には、上ロ
ール群あるいは下ロール群全体にかかる荷重、あるいは
該ロール荷重のみが影響するなどといった単純な取り扱
いがされているため、各ロールの変位を予測するときの
精度は不十分であった。
に配置したローラレベラの、矯正中の各ロールの位置を
精度よく予測する方法を提供し、また、そのために必要
なローラレベラの剛性を、容易に、しかも正確に測定す
る方法を提供することを目的とする。さらに、本剛性測
定方法により求められた剛性を用いて、各ロールの変位
を予測した上で各ロールの設定位置を決定するロール設
定方法を提供することを目的とする。
に、講求項1の発明は、複数本のロールを上下に千鳥状
に配置し、そのロール間に被矯正材を通して繰り返し曲
げを与えることによって、被矯正材の反りを平坦化し、
あるいは波形状を矯正するローラレベラにおいて、上ロ
ール群と、下ロール群との間に参照試験片を挟んで各ロ
ールに矯正反力と同方向の荷重を負荷し、前記参照試験
片を剛体とみなしてその変形を無視するか、または前記
参照試験片を弾性体とみなしてその弾性変形量を弾性計
算によって補正することにより得られる、前記負荷時の
各ロールの変位と各ロールの荷重とを全ロールについて
採取し、各ロールに負荷される荷重配分を変更した複数
のロール荷重パターン下で、各ロールの設定位置と、負
荷時の各ロールの位置と、各ロール荷重とから、各ロー
ルの負荷荷重と各ロールの変位とを関係づける剛性マト
リクスを求めることを特徴としている。
トリクスを該ローラレベラの剛性の指標として用いるこ
とができる。また、各ロールの変位が直接測定できない
場合、容易かつ正確に変位を測定することができる。
法において、各ロールの負荷荷重と各ロールの変位とを
関係づける剛性マトリクスだけでなく、各ロールの設定
位置の原点補正量をもあわせて求めることを特徴として
いる。これら剛性マトリクスと各ロールの設定位置の原
点補正量とを該ローラレベラの剛性の指数として用いる
ことができる。上記請求項2の発明によれば、各ロール
の設定位置の原点調整が正確に行われていなくても負荷
時の各ロールの位置を正確に求めることができる。
2に記載した方法において、上ロール群と、下ロール群
との間に塑性体を介して参照試験片を挟んで上下ロール
に荷重を加え、前記塑性体上に残るロールの圧痕の寸法
指標を測定して、これに基づいて各ロール荷重を求める
ことを特徴としている。
2に記載した方法において、上ロール群と、下ロール群
との間にひずみゲージを貼り付けた参照試験片を挟んで
上下ロールに荷重を加え、このひずみゲージによるひず
み測定値から弾性計算により各ロール荷重を求めること
を特徴としている。上記請求項3または請求項4の発明
によれば、各ロールの負荷荷重が直接測定できない場
合、容易かつ正確に負荷荷重を測定することができる。
4のいずれか1項に記載した方法により測定したローラ
レベラの剛性とあらかじめ予測した各ロール荷重とを用
いて、各ロールの変位を予測し、この予測した各ロール
の変位に基づいて各ロールの設定位置を決定することを
特徴としている。請求項5の発明では、前記方法により
求めた正確なローラレベラの剛性を用いて各ロールの変
位を予測できるので、最適な各ロールの設定位置を決定
することができる。これにより、被矯正材を平坦化、あ
るいは被矯正材に所望の反りや波形状を与えるといった
矯正の目的に最適な各ロール位置で矯正を行うことがで
きる。
を、剛性マトリクスを用いて表現する。つまり、各ロー
ルの変位△i と各ロールの荷重Pi とを、剛性マトリク
スKijを使って次の式によって関係づける。
とを示し、nは考えているロールの総本数である。剛性
マトリクスKijは、i番目ロールの変位に及ぼすj番目
ロール荷重の影響を表す。また、式(1)において、ロ
ーラレベラの弾性変形に非線形性が含まれる場合には、
好ましくは、以下の式のように各ロールの変位△i と各
ロールの荷重Pi との関係を高次の式を用いて表現す
る。
の荷重Pi との関係式の次数に応じて任意に選択したA
からBまでの総和をとる。また、式(1)において、好
ましくは、ローラレベラの剛性を、剛性マトリクスだけ
でなく、ロール設定位置の原点補正量をも用いて表現す
る。つまり、各ロールの変位△i を、剛性マトリクスK
ijと、各ロールの設定位置の原点補正量(がた)gi と
を使って、次の式によって表現する。
ロールの位置yi と、各ロールの設定位置si との偏差
で定義される。 △i =yi −si (4) 各ロールの位置yi について、式(1)と式(4)よ
り、次式が得られる。
に、矯正作業開始前に各ロールに矯正反力と同方向の荷
重を負荷し、このときの各ロールの設定位置si 、負荷
時の各ロールの位置yi 、負荷時の各ロール荷重Pi を
採取する。ここで、各ロール荷重Pi は、測定値をその
まま用いるのではなく、力の釣り合い条件式(6)とモ
ーメントの釣り含い条件式(7)とを満足するように最
小自乗法や末定係数法などを用いて測定値を修正したも
のを用いることが好ましい。
方向座標を示す。
ルの位置yi 、負荷時の各ロール荷重Pi を採取し、こ
れらの測定値、ただし、好ましくは各ロール荷重Pi に
ついては、力の釣り合い条件式(6)とモーメントの釣
り合い条件式(7)とを満足するように修正した値を式
(5)に代入し、式(5)を剛性マトリクスKijに関し
て解くことで、剛性マトリクスKijを同定する。式
(5)を剛性マトリクスKijについて解くためには少な
くともn通りの荷重パターンに対して上記データを採取
して代入する必要があるが、それだけでは剛性マトリク
スKijは不定となり、求めることはできない。これは、
n本のロールについて、設定位置si 、実際のロール位
置yi がそれぞれ自由度nであるのに対して、各ロール
荷重Pi については、力の釣り合い条件式(6)とモー
メントの釣り合い条件式(7)とを満足するように修正
されるという拘束条件が働いて自由度がn−2となるた
めである。この問題については、例えば次のようにして
解決できる。
ールの位置のうち、ローラレベラ全体としての変形を伴
わない移動や回転のような剛体変位成分は意味がなく、
剛体変位成分を除いた相対位置のみが意味を持つので、
式(1)で計算される各ロールの変位△i を、その剛体
変位成分について任意の条件を指定してもよく、例え
ば、任意の2本のロール(例えば、最入側および最出側
ロール)の変位をゼロとした座標系を選ぶか、あるい
は、各ロールの変位△i を、最小自乗法で長さ方向の座
標に関する一次式(axi +b)と、その一次式との偏
差(△i ref )との和、すなわち△i =axi +b+△
i ref と表したときに、その一次式成分(axi 十b)
がゼロになるという拘束条件を新たに与えることによっ
て、式(5)より剛性マトリクスKijを求めることが可
能となる。
直接測定することは一般に困難である。そこで、本発明
では、この負荷時の各ロールの位置yiを、上ロール群
と下ロール群との間に参照試験片を挟み、上下ロール群
間に挟む参照試験片を剛体とみなしてその変形を無視す
るか、または参照試験片を弾性体とみなしてその弾性変
形量を弾性計算によって補正することにより、各ロール
の位置yiを求める。
ドセルがある場合には、直接測定することが可能であ
る。各ロールにロードセルがない場合は、例えば、上ロ
ール群と下ロール群との間に塑性体を介して参照試験片
を挟み、各ロール荷重を、該塑性体上に残る圧痕の深さ
あるいは面積などの寸法指標によって求める。さらに別
法では、上ロール群と下ロール群との間にひずみゲージ
を貼り付けた弾性体からなる参照試験片を挟み、該ひず
みゲージの測定値から参照試験片の変形を求め、これよ
り負荷時の各ロール荷重を弾性計算により求める。
明する。図2はローラレベラの概要を示す側面図であ
る。ローラレベラは上下それぞれに一本または複数本の
ワークロール1、一本または複数本のバックアップロー
ル2を有する上ロール群3、および下ロール群4、上ロ
ール群3を保持するハウジング5、下ロール群を保持す
るハウジング6、ハウジングポスト7とからなる。図2
に示したローラレベラの例では、矯正によって発生する
ロール反力に伴うワークロール1の変位およびたわみを
減少させるために、バックアップロール2を有している
が、バックアップロール2を有さないものもある。ま
た、矯正に際して、上ロール群3あるいは下ロール群4
を傾動してロールを押し込むことにより、ワークロール
1の設定位置を変えることができるローラレベラだけで
なく、個々のワークロール1の設定位置を直接的に、あ
るいはバックアップロール2の位置を変えることによっ
て間接的にワークロール1の設定位置を変えることがで
きるローラレベラもある。また、図6に示すように、ロ
ーラレベラ本体12のハウジング5,6外にハウジング
13で支持された抑えロール11が設置され、被矯正材
の変形に寄与している場合もある。本発明では、一体の
ハウジングに設置されているロール以外に、このような
一体のハウジングとは別個に設置されている抑えロール
11も、それが被矯正材の変形に関係している場合に
は、ロールとして含めて考えるものとする。
を変更した複数の荷重パターンでの各ロールの設定位置
si 、負荷時の各ロールの位置yi 、負荷時の各ロール
荷重Pi を採取して代入すれば、剛性マトリクスKijを
求めることができる。なお、負荷時の各ロール荷重Pi
については、力の釣り合い条件式(6)とモーメントの
釣り合い条件式(7)とを満足するように最小自乗法や
未定係数法などを用いて測定値を修正した値を用いるこ
とが好ましい。また、各ロール位置は、個々の絶対位置
である必要はなく、相対位置がわかればよい。以下、こ
こでは剛体変位成分を除くために与えるべき条件とし
て、任意の2本のロール、例えば最入側および最出側ロ
ールの変位をゼロとした座標系を選んだ場合を想定して
説明する。最入側および最出側ロールの変位をゼロとし
た座標系を選んだ場合には、式(8)に示すように、剛
性マトリクスKijは、第1列、最終列、第1行および最
終行成分がゼロとなる。
−2)個のKijの成分である。これより、未知数の数は
(n−2)2 、すなわち(n2 −4n+4)となる。
実験の荷重パターンは、少なくとも独立な条件数、すな
わち(n−2)個あればよい。このとき、実験において
得られる式の数は(n−2)×(n−2)、すなわち
(n2 −4n+4)となる。各荷重パターンにつき得ら
れた各ロールの設定位置si 、負荷時の各ロールの位置
yi 、および各ロール荷重Pi を式(5)に代入するこ
とにより、未知数Kijに関する(n2 −4n+4)元連
立方程式が得られ、これを解くことにより剛性マトリク
スKijを求めることができる。
することが困難である。そこで、本発明では、図1に示
すように参照試験片8を上ロール群3と下ロール群4と
の間に置き、この状態で各ロールを押し込むことにより
各ロールに荷重を加え、その時の各ロールの設定位置s
i、および各ロールの荷重Piを測定する。なお、参照試
験片8の断面形状は、その弾性変形量(たわみ)を計算
しやすいように、長手方向に一様であることが望まし
い。
参照試験片8の各ロールの位置における弾性変形量をδ
i 、各ロールの位置の長手方向座標をxi とすると、負
荷時の各ロールの位置yi との間で、次式が得られる。 yi =δi +α十βxi (9) ここで、α、βは、未知の剛体変位成分を表す未知定数
であり、剛性を測定するために行う実験の荷重パターン
ごとに異なるものである。上下ロール群3,4間に挟ん
だ参照試験片8を剛体とみなした場合には、各ロール位
置における弾性変形量(たわみ)δi はゼロとなり、一
方、参照試験片8を弾性体とみなした場合には、各ロー
ル位置における弾性変形量(たわみ)δi は、各ロール
荷重Pi が求められているので、不定の一次式成分(α
十βxi )を除いてはりの曲げ理論より求めることがで
きる。なお、参照試験片8との接触点での接触荷重によ
る各ロール1のへこみについても、計算により容易に得
ることができるが、通常、そのへこみ量は小さいので無
視できる。このように、上下ロール群3,4間に参照試
験片8を挟んで各ロール1に荷重をかけることにより、
負荷時の各ロールの位置yi を、不定の剛体変位成分α
十βxi を除いて求めることができ、この場合、式
(5)と式(9)より、次の方程式が得られる。
(n−2)個のKijの成分だけでなく、剛性を測定する
ために行う実験のロール荷重パターンごとに異なる未知
定数αおよびβも未知数となるが、これらは、先に述べ
たように△1 =△n =0なる条件よりただちに求められ
る。
にロードセルがある場合には、直接測定することが可能
である。しかし、各ロールにロードセルがない場合は、
例えば、上ロール群と下ロール群との間に塑性体を介し
て参照試験片を挟み、該塑性体上に残る圧痕の深さある
いは面積などの各ロール荷重との相関が明確な寸法指標
によって各ロール荷重を求めることができる。例えば、
図8に示すように、普通鋼からなる参照試験片8の表層
および裏層にアルミニウム層を貼り付け、これを上下ロ
ール群3,4間に挟んで、荷重を加えた後、参照試験片
8およびアルミニウム層を取り出し、アルミニウム層の
表面に残るロール1の圧痕の深さを測定する。この圧痕
の深さと、加えられた各ロール荷重との関係を、一般に
用いられる圧縮試験機を用いてあらかじめ求めておい
て、参照試験片8をワークロール1にて押し込んだとき
の圧痕の深さから荷重を求める。ただし、本方法の場合
には、各ロールの位置yi に対して、参照試験片8の中
心層の弾性変形δi の補正だけでなく、参照試験片8の
表層および裏層に貼り付けたアルミニウム層に残ったロ
ールの圧痕の深さの補正も必要となる。また、上ロール
群3と下ロール群4との間に、ひずみゲージを貼り付け
た弾性体からなる参照試験片を挟んで上下ロールにより
荷重を加え、このひずみから弾性計算により各ロール荷
重を求めることができる。例えば、図9に示すように、
上下ロール群3,4間に参照試験片8として弾性板を挟
み、参照試験片8の各ロール1との接触点の反対側表面
にひずみゲージを貼り付けてロールにより荷重を加える
ことにより、参照試験片8の各ロール直下での曲率を求
めることができる。参照試験片8の板厚をt、参照試験
片8の各ロール1との接触点の反対側表面に貼り付けた
ひずみゲージによる長手方向ひずみ値をεi 、各ロール
により与えられる曲率をκi とすると、次式の関係があ
る。 εi =tκi /2 (i=1〜n) (11) 各ロールでの曲率κi より、各ロールとの接触位置で参
照試験片8に働く曲げモーメントMi は、参照試験片8
の弾性係数をE、板幅をbとすると、次式で求められ
る。 Mi =Ebt3 κi /12 (12) 各ロールとの接触位置で参照試験片8に働く曲げモーメ
ントMi と各ロール荷重Pi との関係は次式で与えられ
る。
けた参照試験片8のロール荷重による変形を求め、これ
より各ロール荷重Pi を求めることができる。
して、該ロールの荷重だけでなく、その他のロールの荷
重も影響することを考慮したローラレベラの剛性、すな
わち剛性マトリクスKijを容易に、しかも正確に求める
ことができ、この剛性を用いれば、矯正に伴って発生す
る各ロール反力の予想値を式(1)に代入することによ
って、矯正に伴って発生する各ロールの変位を精度よく
予測することが可能となる。実際に被矯正材を通したと
きの各ロール反力の予測式は、種々提案されており、例
えば、「三菱重工技報」第25巻第4号(1988)第
321頁〜第326頁に示されるような計算により求め
ることができる。さらに、このような方法で各ロールの
変位を予測した上で、各ロールの設定位置を決定するこ
とにより、被矯正材を通したときの各ロール位置が、目
的とする形状の板材、形材、管材、線材等を得るために
最適となる。
けば、その後のロール摩耗やロール組み替えのように、
ロール設定位置の原点が変化したと想定される場合に対
し、剛性マトリクスKijの各成分が既知とすることによ
り、式(10)において未知数はロール設定位置の原点
補正量gi および実験のロール荷重パターンごとに異な
る未知定数αおよびβのn個となり、一方、一回の実験
によりn個の連立方程式が導出されるので、これを解く
ことによりロール設定位置の原点補正量gi を直ちに求
めて修正することもできる。
図4は本実施例で使用したバックアップロールを備えて
いないローラレベラの概要を示す側面図である。ロール
径は120mm、ロール胴長は320mm、ロールピッチは
125mmである。上ロール4本、下ロール3本を有し、
上ロールは独立に押し込むことができる。各ロールには
ロードセル10を有しており、このロードセル10によ
り各ロール荷重を測定する。上下ロール群3,4はそれ
ぞれローラレベラのハウジング5,6に固定されてお
り、それぞれのハウジング5,6はハウジングポスト7
と接続されている。本実施例で用いたローラレベラは板
材を矯正するためのものであるので、上下ロール群3,
4間に挟んだ参照試験片8として、厚み15mm、幅25
0mm、長さ500mmの普通鋼板を用いた。
し込み装置9を用いて、各ワークロール1を押し込むこ
とにより、36種類の荷重パターン下での各ロール設定
位置si 、各ロール荷重Pi を測定した。参照試験片8
の弾性変形量(たわみ)δiは、弾性計算により不定の
一次式成分を除いて求めた。これらを式(10)に代入
することにより、連立方程式を立て、この連立方程式を
解くことにより、剛性を求めた。ここで、ローラレベラ
の変形は線形であると仮定したが、ロール設定位置の原
点調整を正確に行っていなかったので、ローラレベラの
剛性を表す指標として剛性マトリクスKijだけでなく、
ロール設定位置の原点補正量gi をもあわせて求めた。
スKij、ロール設定位置の原点補正量gi を用いて予測
した各ロールの変位と、直接測定したロールの位置から
求めた各ロールの変位との比較を図5に示す。なお、従
来例として、全ロール荷重に比例して全下ロールが等量
の変位を示すという考え方と、各ロール荷重に比例し
て、各下ロールが独自の変位を示すという考え方とによ
り計算される各ロールの変位も示す。本発明により、各
ロールの変位が精度よく求められていることがわかる。
ハウジングとは別に設定されているロールを有し、それ
が被矯正材の変形に寄与している場合のものである。図
7に本実施例で使用したローラレベラの概要図を示す。
これは、ローラレベラ本体12は図4と同一であるが、
その前面および後面に抑えロール11を備えている。ま
た、上下ロール群3,4および抑えロール11の間に挟
む参照試験片8として、厚さ15mm、幅250mm、長さ
1200mmの普通鋼板を用いた。
ベラ本体に組み込まれているロール1と、抑えロール1
1とを合わせた全ロール系に対する剛性マトリクス
Kij、ロール設定位置の原点補正量gi を求めることに
より、各ロールの変位△i を精度よく求めることができ
た。
によって各ロールの変位を精度よく予測した上で、各ロ
ール位置を設定した場合の結果を示すものである。被矯
正材として、幅250mm、厚さ10mm、長さ1000mm
の普通鋼板を用いた。従来例として、これまでに用いら
れていた経験的な操業条件で矯正を行った。図10にロ
ーラレベラ前面での被矯正材の曲率とローラレベラ後面
での被矯正材の曲率(残留曲率)との関係を示す。本発
明により、ローラレベラ前面での曲率振幅に対し、ロー
ラレベラ後面での曲率振幅が狭い範囲に収束しており、
被矯正材のローラレベラ前面での曲率が様々に変化して
も平坦な板を得るという目的に対し、最適なロール設定
になっていることがわかる。
ルをそれぞれ独立に押し込むことができたので、最適な
ロール位置に対し、あらかじめ各ロールの変位分だけ余
分に各ロールを押し込んだ位置にロール設定しておくこ
とにより矯正を行ったが、各ロールを独立に押し込むこ
とができないローラレベラでは、各ロールの変位を予測
した上で矯正の目的に最適な各ロールの設定位置を決定
することも可能である。
たローラレベラの剛性を剛性マトリクスで表す本発明の
方法により、各ロールの変位を正確に予測することがで
き、ロール設定の精度が飛躍的に向上する。また、本測
定方法により求められた剛性を用いて、各ロールの変位
を予測した上で各ロールの設定位置を決定することによ
り、被矯正材を平坦化、あるいは所望の反りや波形状を
与えるという矯正の目的に最適なロール設定条件下での
矯正を行うことが可能となる。
を説明する図面である。
ール位置との関係を示す概念図である。
ベラの概要を示す側面図である。
予測精度を示したグラフである。
ロールを有するローラレベラの例の概要を示す側面図で
ある。
要図である。
いないローラレベラのロール荷重を測定するために用い
る上下ロール群間に挟む参照試験片およびアルミニウム
層の断面構造の一例を示す図面である。
いないローラレベラのロール荷重を測定するために用い
る上下ロール群間に挟む弾性体からなる参照試験片への
ひずみゲージを貼り付け方の一例を示す図面である。
合の効果を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 複数本のロールを上下に千鳥状に配置
し、そのロール間に被矯正材を通して繰り返し曲げを与
えることによって、被矯正材の反りを平坦化し、あるい
は波形状を矯正するローラレベラにおいて、上ロール群
と、下ロール群との間に参照試験片を挟んで各ロールに
矯正反力と同方向の荷重を負荷し、前記参照試験片を剛
体とみなしてその変形を無視するか、または前記参照試
験片を弾性体とみなしてその弾性変形量を弾性計算によ
って補正することにより得られる、前記負荷時の各ロー
ルの変位と各ロールの荷重とを全ロールについて採取
し、さらに、各ロールに負荷する荷重の配分を変更した
複数の荷重パターンに対して、同様に荷重と変位のデー
タを採取し、これらのデータから、各ロールの荷重と各
ロールの変位とを関連づける前記ローラレベラの剛性マ
トリクスを求めることを特徴とするローラレベラの剛性
測定方法。 - 【請求項2】 前記剛性マトリクスを求めるとともに、
各ロールの設定位置の原点補正量をも求めることを特徴
とする請求項1記載のローラレベラの剛性測定方法。 - 【請求項3】 上ロール群と、下ロール群との間に塑性
体を介して参照試験片を挟んで上下ロールに荷重を加
え、前記塑性体上に残るロールの圧痕の寸法指標を測定
して、これに基づいて各ロール荷重を求めることを特徴
とする請求項1または請求項2に記載のローラレベラの
剛性測定方法。 - 【請求項4】 上ロール群と、下ロール群との間にひず
みゲージを貼り付けた参照試験片を挟んで上下ロールに
荷重を加え、このひずみゲージによるひずみ測定値か
ら、弾性計算によって各ロール荷重を求めることを特徴
とする請求項1または請求項2に記載のローラレベラの
剛性測定方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
に記載した方法により測定したローラレベラの剛性とあ
らかじめ予測した各ロール荷重とを用いて、各ロールの
変位を予測し、この予測した各ロールの変位に基づいて
各ロールの設定位置を決定することを特徴とするローラ
レベラの各ロール位置の設定方法。
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JP26831997A JP3485768B2 (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | ローラレベラの剛性測定方法および各ロール位置の設定方法 |
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