JP3485653B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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聡 冨岡
裕志 八藤後
博司 野口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、室内を冷暖房するた
めの空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のものは、例えば、特開平6−1
8062号公報に記載された空気調和機がある。この公
報には、圧縮機と四方弁と室外熱交換器と減圧装置と室
内熱交換器とを配管接続して冷暖房運転可能な冷凍回路
を構成し、前記室外熱交換器と減圧装置とをつなぐ配管
とレシーバタンクとを配管で接続した空気調和機が示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した空気調和機で
は、冷房運転時において、暖房運転時より冷媒の循環量
が少いので余剰の液冷媒がレシーバタンクに溜められる
ようになっている。しかし、この構成では、暖房運転時
に冷媒が余るときは余剰の液冷媒を溜めることができな
い。暖房運転時に余剰冷媒が発生しないように冷媒回路
中の冷媒の充填量を少な目にすると、冷媒配管が長いと
き(室内機と室外機とをつなぐ冷媒配管が長いとき)は
冷媒を追加して充填しなければならないので、この方法
は望ましくない。
【0004】この発明は、冷房運転時及び暖房運転時に
おいて、適正な冷媒の循環量に調節できる空気調和機を
提供するものである。
【0005】
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、第1の発明は、 圧縮機と四方弁と室外熱交換器と減
圧装置と室内熱交換器とを配管接続して冷暖房運転可能
な冷凍回路を構成すると共に、この冷凍回路に分岐路を
備えて複数の室内熱交換器を接続可能とした空気調和機
において、第1及び第2のレシーバタンクを備え、前記
室外熱交換器及び減圧装置をつなぐ配管と前記第1レシ
ーバタンクとを配管で接続し、前記室内熱交換器及び減
圧装置をつなぐ配管と前記第2レシーバタンクとを配管
で接続したものである。
【0007】
【0008】 また、第2の発明は、圧縮機と四方弁と
室外熱交換器と減圧装置と室内熱交換器とを配管接続し
て冷暖房運転可能な房冷凍回路を構成した空気調和機に
おいて、第1及び第2のレシーバタンクを備え、前記室
外熱交換器及び減圧装置をつなぐ配管と前記第1レシー
バタンクとを配管で接続し、前記室内熱交換器と減圧装
置とをつなぐ配管と前記第2レシーバタンクとを接続用
配管で接続し、前記減圧装置及び前記室内熱交換器をつ
なぐ配管と前記接続用配管とを、補助減圧装置を有する
配管で接続したものである。
【0009】
【作用】この第1の発明による空気調和機では、冷房運
転時の余剰冷媒は第1レシーバタンクに溜まり、暖房時
の余剰冷媒は第2レシーバタンクに溜まるとともに、複
数の室内ユニットを接続可能なように分岐路を備えて
るため、分岐路を備えていないものに比べて冷媒が多く
充填されていても、第1及び第2レシーバタンクに冷媒
が溜まり、循環量が調節される
【0010】
【0011】
【0012】 第2の発明による空気調和機では、
房運転時の余剰冷媒は第1レシーバタンクに溜まり、暖
房時の余剰冷媒は第2レシーバタンクに溜まるととも
に、補助減圧装置があるので、冷房運転時に冷媒が減圧
装置をバイパスすることが防止され、かつ冷房運転時に
第1レシーバタンクに溜まらなかった余剰冷媒が第2レ
シーバタンクに溜まる。
【0013】
【実施例】この発明の実施例を図面に基き説明する。図
において、1は複数の室内機2A,2Bと単一の室外機
3が配管4A,4B,5A,5Bで接続されて構成され
る分離型の空気調和機で、2室を冷暖房できるものであ
る。
【0014】6は能力可変型の圧縮機、7はマフラー、
8は冷暖運転の際に切り換えられる四方弁、9は室外熱
交換器、10はストレーナ、11は電動膨張弁(減圧装
置)、12A,12Bは分流用の電動膨張弁、13A,
13Bはストレーナ、14A,14Bはサービスバル
ブ、15A,15Bは接続部、16A,16Bは室内熱
交換器、17A,17Bは接続部である。18A,18
Bはサービスバルブ、19はマフラー、20はアキュム
レータである。21は圧縮機6と四方弁8とをつなぐ配
管、22は四方弁8と室外熱交換器9とをつなぐ配管、
23は室外熱交換器9と電動膨張弁11とをつなぐ配
管、24,25Aは配管で、電動膨張弁11と電動膨張
弁12Aとをつなぐものである。25Bは配管で、配管
24と電動膨張弁12Bとをつなぐものである。26
A,26Bはそれぞれ電動膨張弁12A,12Bとサー
ビスバルブ12A,14Bとをつなぐ配管、27A,2
7B,28A,28Bは補助冷媒配管、29A,29
B,30は配管、31は四方弁8とアキュムレータ20
とをつなぐ配管である。
【0015】32は配管21と配管23とをつなぐバイ
パス管で、圧縮機側のバイパス管32Aと室外側熱交換
器側のバイパス管32Bとで構成されている。33はこ
のバイパス管32に設けた開閉弁(電磁弁)、34はバ
イパス管に設けられた第1レシーバタンク、35はレシ
ーバタンクの下端部、36は第2レシーバタンク、37
はこのタンクの下端部38と配管とをつなぐ接続用配
管、39,40は開閉弁(電磁弁),逆止弁でそれぞれ
接続用配管に設けられている。接続用配管37は、配管
24と開閉弁39とをつなぐ部分37Aと、開閉弁39
と逆止弁40とをつなぐ部分37Bと、逆止弁40と第
2レシーバタンク36とをつなぐ部分37との3つの部
分から構成されている。41は配管と配管とをつなぐ配
管で、補助減圧装置42(内径0.9ミリメートルで長
さ600ミリメートルのキャピラリーチューブ)が設け
られている。43,44は、この補助減圧装置の両側に
配置されたストレーナで、補助減圧装置42にごみなど
がつまらないようにするためのものである。
【0016】尚、室外熱交換器9に室外空気を供給する
ための室外ファン、室内熱交換器16A,16Bに室内
空気を供給するための室内ファン、圧縮機6と四方弁8
と電動膨張弁11,12A,12Bと開閉弁33,39
とを制御する制御装置、短配管と長配管とで切換えられ
るスイッチ(室外機に設けられており、工事作業者の行
った作業内容により、作業者自身により切換えられる)
は図示しない。
【0017】第1レシーバタンク34は、約230cc
(約250グラム)の液冷媒を溜めることができ、同様
に第2レシーバタンク36も、約230cc(約250
グラム)の液冷媒を溜めることができるような容量に設
定されている。
【0018】尚、この空気調和機において、短配管で冷
房運転時(第1運転)の必要とする冷媒の循環量は約2
260グラム弱、長配管で冷房運転時(第2運転)の必
要とする冷媒の循環量は約2260グラム、短配管で暖
房運転時(第3運転)の必要とする冷媒の循環量は約2
510グラム、短配管で暖房運転時(第4運転)の必要
とする冷媒の循環量は約2760グラムである。このた
め、この空気調和機には一番多く冷媒を必要とする前記
第4運転で必要とする冷媒(約2760グラム)が充填
されている。このため、第1運転では約500グラム、
第2運転では約500グラム弱、第3運転では約250
グラムの冷媒が余ることになる。
【0019】前述した短配管とは、配管4A,4B,5
A,5Bの長さの合計が20メートル未満、長配管とは
配管4A,4B,5A,5Bの長さの合計が20メート
ル以上35メートル以内のことである。
【0020】このように構成された空気調和機1では、
配管の長さの合計や、冷房運転あるいは暖房運転かによ
って冷媒の流れや、必要とする冷媒の循環量が異なる。
【0021】最初に、短配管で、かつ、冷房運転時(第
1運転)の場合について説明する。圧縮機6から吐出さ
れた冷媒は、マフラー7、四方弁8、室外熱交換器9、
電動膨張弁11の順に流れ、配管24から配管25A,
25Bへと分流する。配管25A,25Bに流れる冷媒
は、それぞれ電動膨張弁12A,12B、ストレーナ1
3A,13B、サービスバルブ14A,14B、室内熱
交換器16A,16B、サービスバルブ18A,18
B、配管29A,29Bへと流れ、配管29A,29B
に流れる冷媒は、配管30で合流し、マフラー19、四
方弁8、アキュムレータ20と流れ、圧縮機6に戻る。
この第1運転時に、制御装置により電磁弁39は閉じら
れているので、冷媒は配管24から配管37Aには流れ
ないようになっている。第1運転時は、冷媒の循環量が
一番少ない運転のため、余剰の液冷媒は、第1レシーバ
タンク34に管32Bを通って溜まってくる。また、第
1レシーバタンクに溜まらなかった余剰の液冷媒は、配
管41,37Cを通って第2レシーバタンク36に溜ま
る。最終的には、負荷や温度条件にもよるが、第1レシ
ーバタンク34及び第2レシーバタンク36で合計約5
00グラム(約460cc)の冷媒が溜まる。このた
め、適正な循環量に冷媒の量が調節され、余剰冷媒が冷
凍回路中に溜まって能力を低下させるような不都合を防
止できる。また、バイパス管32Bを第1レシーバタン
ク34の下端部35と配管23とをつなぐ管として使用
できるので、空気調和機1の構造を簡単にすることがで
きる。
【0022】次に、長配管で、かつ、冷房運転時(第2
運転)の場合について説明する。冷媒の流れは特に第1
運転と変わらないので説明は省略する。余剰の液冷媒
は、第1レシーバタンク34と第2レシーバタンク36
に溜まる。冷媒は、負荷や温度条件にもよるが、第1レ
シーバタンク及び第2レシーバタンクで約500グラム
弱(約460cc弱)の冷媒が貯溜されるようになって
いる。このため、適正な循環量に冷媒の量が調節され、
余剰冷媒が冷凍回路中に溜まって能力を低下させるよう
な不都合を防止できる。
【0023】次に、短配管で、かつ、暖房運転時(第3
運転)の場合について説明する。圧縮機6から吐出され
た冷媒は、マフラー8、四方弁8、マフラー19、室内
熱交換器16A,16B、サービスバルブ14A,14
B、ストレーナ13あ、13B、電動膨張弁12A,1
2Bの順に流れ、配管12A,12Bから配管24へと
合流する。配管24を流れる冷媒は、電動膨張弁11、
ストレーナ10、室外熱交換器9、四方弁8、アキュム
レータ20と流れ、圧縮機6に戻る。この第3運転時
に、制御装置により電磁弁39は開かれているので、余
剰の液冷媒は、配管37A、電磁弁39、配管37B、
逆止弁40、配管37Cと流れ、第2レシーバタンク3
6に溜まる。余剰の液冷媒は250グラムであるので、
この第2レシーバタンク36にほぼ満杯に溜まると、冷
媒の循環量はほぼ適正な量に調整されたことになる。
【0024】次に、長配管で、かつ、暖房運転時(第4
運転)の場合について説明する。この場合、第3運転と
異なるのは、電磁弁39が閉じられている点で、この点
に関する事項について説明する。電磁弁39が閉じられ
ているので、液冷媒はこの電磁弁39で第2レシーバタ
ンク36への流れは規制されている。このため、液冷媒
が第2レシーバタンク36内に溜まるようなことはな
い。また、この第4運転では、冷媒の循環量は適正量に
なっているので、余分の冷媒はほとんどなく、タンク3
6にはほとんど液冷媒は溜まらない。
【0025】尚、この実施例では、第1〜第4運転を全
て説明したが、空気調和機が設置されると配管の長さが
変わることはないので、実際には第1運転と第3運転の
みが同時に運転可能で、第2運転は第4運転とのみが同
時に運転可能である。
【0026】更に、暖房運転の継続により、室外熱交換
器9に霜が付着したことを、図示しない検知器が検知す
ると制御装置により電磁弁33が開かれて、高温の冷媒
が室外熱交換器9に流れてこの室外熱交換器の霜を溶か
す運転(除霜運転)が行われる。
【0027】以上説明したように、この発明の空気調和
機では、冷媒の循環量が調節されるため、冷媒を追加充
填したり、余剰冷媒を抜き取るような作業を行わなくて
も良い。特に、引っ越しや、室内機の移設によって長い
配管に変えなければならないような場合にも冷媒を追加
充填する必要がなく、また、短い配管に変えなければな
らないような場合でも、余剰の冷媒を抜き取る作業をす
る必要がなく、冷媒の循環量が調節される。
【0028】また、レシーバタンクと配管との接続部は
タンクの下端部であるため、圧縮機の冷凍機油がレシー
バタンクに冷媒と共に運ばれても、再び冷凍サイクル中
に戻り易く、圧縮機に再び戻るようになっている。
【0029】
【発明の効果】この第1及び第2の発明による空気調和
機では、冷房運転時の余剰冷媒は第1レシーバタンクに
溜まり、暖房時の余剰冷媒は第2レシーバタンクに溜ま
るので、冷媒を一番多く必要とする冷房運転時であり且
つ配管が長い時の量を充填しておくことにより、余剰冷
媒があっても、この余剰冷媒がレシーバタンクに溜ま
り、冷媒の追加の充填や余剰の冷媒を抜くことがなく冷
媒の循環量が調節されるので、冷媒の追加充填や余剰冷
媒の抜き取りを行うことの必要をなくすことができる。
【0030】 特に第1の発明による空気調和機では、
複数の室内ユニットを接続可能なように分岐路を備えて
いるため、冷媒が多く充填されていても、第1及び第2
レシーバタンクに冷媒が溜まり、循環量が調節される。
【0031】
【0032】 第2の発明による空気調和機では、特
に、冷房運転時に第1レシーバタンクに溜まらなかった
余剰冷媒が第2レシーバタンクに溜まるので、冷媒が非
常に多く充填されているような場合でも適正な冷媒の循
環量に調節され、空気調和機で適正な能力を発揮させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気調和機を示す冷媒回路図であ
る。
【図2】冷房運転時の空気調和機の要部冷媒回路図であ
る。
【図3】暖房運転時であり且つ短配管時の空気調和機の
要部冷媒回路図である。
【図4】暖房運転時であり且つ長配管時の空気調和機の
要部冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 空気調和機 6 圧縮機 7 四方弁 9 室外熱交換器 11 減圧装置 16A,16B 室内熱交換器 18A,18B サービスバルブ(分岐路) 32 バイパス管 33 開閉弁 34 第1レシーバタンク 36 第2レシーバタンク 37 接続用配管 42 補助減圧装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 博司 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 杉本 信太郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−18062(JP,A) 特開 昭60−138364(JP,A) 実開 昭61−151167(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 385

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と四方弁と室外熱交換器と減圧装
    置と室内熱交換器とを配管接続して冷暖房運転可能な冷
    凍回路を構成すると共に、この冷凍回路に分岐路を備え
    て複数の室内熱交換器を接続可能とした空気調和機にお
    いて、第1及び第2のレシーバタンクを備え、前記室外
    熱交換器及び減圧装置をつなぐ配管と前記第1レシーバ
    タンクとを配管で接続し、前記室内熱交換器及び減圧装
    置をつなぐ配管と前記第2レシーバタンクとを配管で接
    続したことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 圧縮機と四方弁と室外熱交換器と減圧装
    置と室内熱交換器とを配管接続して冷暖房運転可能な房
    冷凍回路を構成した空気調和機において、第1及び第2
    のレシーバタンクを備え、前記室外熱交換器及び減圧装
    置をつなぐ配管と前記第1レシーバタンクとを配管で接
    続し、前記室内熱交換器と減圧装置とをつなぐ配管と前
    記第2レシーバタンクとを接続用配管で接続し、前記減
    圧装置及び前記室外熱交換器をつなぐ配管と前記接続用
    配管とを、補助減圧装置を有する配管で接続したことを
    特徴とする空気調和機。
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