JP3484815B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JP3484815B2
JP3484815B2 JP10267795A JP10267795A JP3484815B2 JP 3484815 B2 JP3484815 B2 JP 3484815B2 JP 10267795 A JP10267795 A JP 10267795A JP 10267795 A JP10267795 A JP 10267795A JP 3484815 B2 JP3484815 B2 JP 3484815B2
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幸太郎 矢野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブマトリック
ス型液晶表示装置を構成するための電界効果型の薄膜ト
ランジスタ(Thin Film Transistor:以下、「TFT」
と略称する。)の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、TFTのチャネル半導体膜として
用いられるシリコン薄膜としてアモルファスシリコン
(以下「a−Si」という)膜や多結晶シリコン(以下
「poly−Si」という)膜などがあるが、これらの
形成方法としては、水素化珪素ガスを用いた熱CVD
(Chemical Vapor Deposition )法、プラズマCVD
法、光CVD法等が利用されており、一般にはa−Si
膜ではプラズマCVD法(Spear,W.E.ら:Solid State C
om.,17 巻(1975 年)第1193頁参照)、poly−Si
膜では熱CVD法(Kern,Wら:J.Vac.Sci.Technol.,14
(5)巻(1977 年)第1082頁参照)あるいはa−Si膜を
熱アニールまたはレーザーアニールにより多結晶化する
方法が広く用いられ、TFTにおけるチャネル半導体膜
として用いられるシリコン薄膜形成法として利用されて
いる。
【0003】また、高次の水素化珪素を用いたCVD法
としては、高次水素化珪素ガスを大気圧以上の圧力下で
熱分解する方法(特公平4−62073号公報参照)、
環状水素化珪素ガスを熱分解する方法(特公平5−46
9号公報参照)、分岐水素化珪素を用いる方法(特開昭
60−26665号公報参照)、トリシラン以上の高次
の水素化珪素ガスを480℃以下で熱CVDを行なう方
法(特公平5−56852号公報参照)等が提案されて
いる。そして、液体状の水素化珪素を用いる例として
は、ガス状の原料を冷却した基板上に液状化して吸着さ
せ、化学的に活性な原子状の水素(H)と反応させてシ
リコン系の薄膜を堆積させる方法(特開平1−2966
11号公報参照)が知られている。原子状の水素は、一
般には水素ガス(H2 ガス)をマイクロ波放電等の方法
により分解して得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のC
VD法を用いてTFTを製造する場合には、以下のよう
な問題点がある。気相反応を用いるため気相で粒子が
発生し装置の汚染、デバイスの歩留まり低下等の問題を
生じる。膜形成速度が小さくスループットが低い。ま
たプラズマCVD法においては高周波発生装置等複雑
で高価な装置が必要となる。高価な高真空装置が必要
である。得られたTFTにゲート電圧を印加した時の
オン電流の変動や、ゲート電圧を長時間印加した後のし
きい値電圧の変動やオン電流の劣化等のデバイス上の問
題点がある。
【0005】また、上記従来の液体状水素化珪素を用い
るシリコン薄膜形成法には、以下のような問題点があ
る。原料の気化と冷却を続けて行なうため塗布法と比
較して気化や冷却のための複雑で高価な装置が必要であ
り、また膜厚の制御も困難である。塗布膜への成膜エ
ネルギーが原子状の水素からのみ与えられるため膜形成
速度が遅く、さらにTFT用としての所定の特性を持つ
シリコン薄膜を得るためには加熱アニールが必要であり
スループットが悪い、という問題点がある。本発明は、
上記の問題点を解決するためになされたものであり、容
易かつ確実にシリコン薄膜を形成しうる薄膜トランジス
タの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願の第1の発明に係る薄膜トランジスタの製造方
法は、基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネル半導
体膜としてのシリコン薄膜、ソース電極、及びドレイン
電極を有して構成される薄膜トランジスタの製造方法に
おいて、前記チャネル半導体膜としてのシリコン薄膜
を、前記基板上にSim2m+2あるいはSin2n(た
だし、m、nはm≧5、n≧4であるような整数)を含
有する液体状の水素化珪素を塗布した後、昇温過程を含
む熱履歴を経させ、塗布膜内で分解反応させることによ
り形成するように構成される。
【0007】上記本願の第1の発明に係る薄膜トランジ
スタの製造方法において、前記液体状の水素化珪素を塗
布する際の、前記基板の温度を室温以上とするように構
成してもよい。また、上記本願の第1の発明に係る薄膜
トランジスタの製造方法において、前記昇温過程におけ
る到達温度を550℃未満とし、前記シリコン薄膜とし
てアモルファスシリコン薄膜を形成するように構成して
もよい。また、上記本願の第1の発明に係る薄膜トラン
ジスタの製造方法において、前記昇温過程における到達
温度を550℃以上とし、前記シリコン薄膜として多結
晶シリコン薄膜を形成するように構成してもよい。
【0008】また、本願の第2の発明に係る薄膜トラン
ジスタの製造方法は、基板、ゲート電極、ゲート絶縁
膜、チャネル半導体膜としてのシリコン薄膜、ソース電
極、及びドレイン電極を有して構成される薄膜トランジ
スタの製造方法において、前記チャネル半導体膜として
のシリコン薄膜を、前記基板上にSim2m+2あるいは
Sin2n(ただし、m、nはm≧5、n≧4であるよ
うな整数)を含有する液体状の水素化珪素を塗布した
後、原子状の水素を基板上に導入しながら昇温過程を含
む熱履歴を経させ、塗布膜内で分解反応させることによ
り形成するように構成される。
【0009】上記本願の第2の発明に係る薄膜トランジ
スタの製造方法において、前記液体状の水素化珪素を塗
布する際の、前記基板の温度を室温以上とするように構
成してもよい。また、上記本願の第2の発明に係る薄膜
トランジスタの製造方法において、前記昇温過程におけ
る到達温度を550℃未満とし、前記シリコン薄膜とし
てアモルファスシリコン薄膜を形成するように構成して
もよい。
【0010】また、上記本願の第2の発明に係る薄膜ト
ランジスタの製造方法において、前記昇温過程における
到達温度を550℃以上とし、前記シリコン薄膜として
多結晶シリコン薄膜を形成するように構成してもよい。
上記本願の第2の発明に係る薄膜トランジスタの製造方
法において、前記原子状の水素が、水素ガスのマイクロ
波放電により、あるいは水素ガスへの紫外線の照射によ
り、あるいは水素ガスと加熱した金属表面との接触によ
り生成されるように構成してもよい。
【0011】
【作用】上記構成を有する本願の第1の発明によれば、
TFTに用いる基板上にSim2m+2あるいはSin
2n(ただし、m、nはm≧5、n≧4であるような整
数)を含有する液体状の水素化珪素を塗布した後、昇温
過程を含む熱履歴を経させ、この熱エネルギーにより塗
布膜内で上記水素化珪素を分解反応させることにより、
基板上にTFT材料としての特性を有するシリコン薄膜
を形成することができる。
【0012】また、上記構成を有する本願の第2の発明
によれば、塗布した液体状の水素化珪素を昇温過程を含
む熱履歴を経させて塗布膜内で分解反応させる際に、原
子状の水素を基板上に導入することにより、得られるT
FTの特性をさらに優れたものとすることができる。こ
の本願第2の発明の場合においても、原料の水素化珪素
の分解は熱エネルギーによって行なわれ、原子状の水素
の導入は得られるシリコン薄膜の電子材料としての特性
をより優れたものとするために行われるものであり、活
性な原子状の水素のみを成膜エネルギー源に用いる他の
従来の方法とは本質的に異なる。したがって、TFT製
造におけるシリコン薄膜の形成方法として一定温度に加
熱保持された基板上への気相からの堆積方法を用いる従
来のCVD法等と比較して、容易かつ確実にシリコン薄
膜を形成しうる薄膜トランジスタの製造方法を提供する
ことができる。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明の第1実施例である薄膜トランジスタ
製造装置(以下、「TFT製造装置」と略称する。)の
構成を示す図である。図1に示す第1実施例の装置は、
後述する原子状の水素を利用する方法を採用せずに熱分
解によりシリコン薄膜を形成する製造方法を実施するた
めの装置である。
【0014】図に示すように、このTFT製造装置10
0は、液塗布室101と、シリコン薄膜形成室102を
備えており、これらは基板105を搬送可能な搬送路1
03と搬送路103を開閉可能なゲートバルブ103G
により接続されている。上記の液塗布室101には、上
記の基板105を載置し回転させながら水素化珪素液を
塗布するためのスピナー104が設置されている。スピ
ナー104は、回転軸104Aにより回転駆動可能なよ
うに構成されている。また、液塗布室101には、室内
に水素化珪素液を送る水素化珪素液パイプ107と、開
閉により液供給量の調節を行うための水素化珪素液調節
バルブ107Vと、水素化珪素液量計107Mからなる
水素化珪素導入系が設けられるほか、室内に不活性ガス
を送る不活性ガスパイプ108と開閉によりガス供給量
の調節を行なうための不活性ガス調節バルブ108V
と、不活性ガス流量計108Mからなる不活性ガス導入
系が設けられ、さらに排気パイプ110と排気バルブ1
10Vからなる排気系が設けられている。
【0015】また、シリコン薄膜形成室102には、室
内に不活性ガスを送る不活性ガスパイプ109と、開閉
によりガス供給量の調節を行うための不活性ガス調節バ
ルブ109Vと、不活性ガス流量計109Mからなる不
活性ガス導入系が設けられ、さらに排気パイプ111と
排気バルブ111Vからなる排気系が設けられている。
また、シリコン薄膜形成室102には、上記基板105
を載置するための基板台106が設けられている。
【0016】次に、上記のTFT製造装置100におけ
るTFTの製造方法について説明する。まず、上記基板
105をスピナー104上に固定し、上記の不活性ガス
パイプ108と排気パイプ110とを併用して液塗布室
101内の空気を不活性ガスで置換する。その後、水素
化珪素液量計107Mにより監視しながら所定量の水素
化珪素液を直下の基板105上に滴下する。その後、ス
ピナー104を所定の回転数、および所定時間回転さ
せ、基板105表面に所定の水素化珪素塗布膜を形成す
る。
【0017】次に、不活性ガスパイプ109と排気パイ
プ111とを併用してシリコン薄膜形成室102内の空
気を不活性ガスで置換する。その後、水素化珪素液が塗
布された上記基板105は、上記の搬送路103とゲー
トバルブ103Gを通ってシリコン薄膜形成室102内
へ搬送され、基板台106上に載置され保持される。基
板台106にはヒーター等の図示しない加熱手段が設け
られており、基板105はその後所定の基板温度に到達
するまで昇温され保持される。所定の基板温度に到達し
た後は、上記の加熱手段による加熱を停止し、基板10
5は室温付近にまで降温される。その後、基板105は
シリコン薄膜形成室102から取り出されるか、あるい
は、次の処理工程等へと搬送されるが、その前に、上記
の不活性ガスパイプ109と排気パイプ111とを併用
し、シリコン薄膜形成室102内に残留している水素化
珪素等の未反応の原料を排出しつつ室内を不活性ガスで
置換する。上記のような工程により、基板105上に液
体状の水素化珪素を塗布した後、加熱手段により昇温
し、昇温過程を含む熱履歴を経させて塗布膜内で分解反
応をさせ、基板105上にTFT材料としての特性を満
足するシリコン薄膜を形成することができる。
【0018】次に本発明の第2実施例について説明す
る。図2は本発明の第2実施例であるTFT製造装置の
構成を示す図である。図2に示す第2実施例の装置は、
上記の第1実施例とは異なり、塗布された水素化珪素の
熱分解を行なう際に、原子状の水素を利用する方法を採
用するものであり、特に、原子状の水素を水素ガスのマ
イクロ波放電により得る方法を採用し、かつ熱分解によ
りシリコン薄膜を形成する製造方法を実施するための装
置である。図に示すように、このTFT製造装置200
は、液塗布室201と、シリコン薄膜形成室202を備
えており、これらは基板205を搬送可能な搬送路20
3と搬送路203を開閉可能なゲートバルブ203Gに
より接続されている。また、シリコン薄膜形成室202
には、原子状水素生成管213が接続されている。
【0019】上記の液塗布室201には、上記の基板2
05を載置し回転させながら水素化珪素液を塗布するた
めのスピナー204が設置されている。スピナー204
は、回転軸204Aにより回転駆動可能なように構成さ
れている。また、液塗布室201には、室内に水素化珪
素液を送る水素化珪素液パイプ207と、開閉により液
供給量の調節を行うための水素化珪素液調節バルブ20
7Vと、水素化珪素液量計207Mからなる水素化珪素
導入系が設けられるほか、室内に不活性ガスを送る不活
性ガスパイプ208と開閉によりガス供給量の調節を行
なうための不活性ガス調節バルブ208Vと、不活性ガ
ス流量計208Mからなる不活性ガス導入系が設けら
れ、さらに排気パイプ210と排気バルブ210Vから
なる排気系が設けられている。
【0020】また、シリコン薄膜形成室202には、室
内に不活性ガスを送る不活性ガスパイプ209と、開閉
によりガス供給量の調節を行うための不活性ガス調節バ
ルブ209Vと、不活性ガス流量計209Mからなる不
活性ガス導入系が設けられ、さらに排気パイプ211と
排気バルブ211Vからなる排気系が設けられている。
そして、上記の原子状水素生成管213には、生成管内
に水素ガスを送る水素ガスパイプ212と、開閉により
水素ガス供給量の調節を行うための水素ガス調節バルブ
212Vと、水素ガス流量計212Mからなる水素ガス
導入系が接続され、原子状水素生成管213内に導入さ
れた水素ガスを原子状水素化するためのマイクロ波発生
装置214が設けられている。また、シリコン薄膜形成
室202には、上記基板205を載置するための基板台
206が設けられている。
【0021】次に、上記のTFT製造装置200におけ
るTFTの製造方法について説明する。まず、上記基板
205をスピナー204上に固定し、上記の不活性ガス
パイプ208と排気パイプ210とを併用して液塗布室
201内の空気を不活性ガスで置換する。その後、水素
化珪素液量計207Mにより監視しながら所定量の水素
化珪素液を直下の基板205上に滴下する。その後、ス
ピナー204を所定の回転数、および所定時間回転さ
せ、基板205表面に所定の水素化珪素塗布膜を形成す
る。
【0022】次に、不活性ガスパイプ209と排気パイ
プ211とを併用してシリコン薄膜形成室202内の空
気を不活性ガスで置換する。その後、水素化珪素液が塗
布された上記基板205は、上記の搬送路203とゲー
トバルブ203Gを通ってシリコン薄膜形成室202内
へ搬送され、基板台206上に載置され保持される。基
板台206にはヒーター等の図示しない加熱手段が設け
られており、基板205はその後所定の基板温度に到達
するまで昇温され保持される。第2実施例においては、
上記第1実施例と異なり、この際同時に上記の水素ガス
導入系から水素ガスが原子状水素生成管213内に導入
され、この水素ガスはマイクロ波発生装置214により
マイクロ波エネルギーを付与されて放電し、原子状の水
素を発生させる。このようにして発生した原子状の水素
は、シリコン薄膜形成室202内の基板205上に導入
される。
【0023】上記のようにして所定の基板温度に到達し
た後は、上記の加熱手段による加熱を停止し、基板20
5は室温付近にまで降温される。その後、基板205は
シリコン薄膜形成室202から取り出されるか、あるい
は、次の処理工程等へと搬送されるが、その前に、上記
の不活性ガスパイプ209と排気パイプ211とを併用
し、シリコン薄膜形成室202内に残留している水素化
珪素等の未反応の原料を排出しつつ室内を不活性ガスで
置換する。上記のような工程により、基板205上に液
体状の水素化珪素を塗布した後、原子状の水素を基板上
に導入しながら昇温し、昇温過程を含む熱履歴を経させ
て塗布膜内で分解反応をさせ、基板205上にTFT材
料としての特性を満足するシリコン薄膜を形成すること
ができる。
【0024】次に本発明の第3実施例について説明す
る。図3は本発明の第3実施例であるTFT製造装置の
構成を示す図である。図3に示す第3実施例の装置は、
上記の第1実施例とは異なり、塗布された水素化珪素の
熱分解を行なう際に、原子状の水素を利用する方法を採
用するものであり、特に、原子状の水素を水素ガスに紫
外線を照射することにより得る方法を採用し、かつ熱分
解によりシリコン薄膜を形成する製造方法を実施するた
めの装置である。図に示すように、このTFT製造装置
300は、液塗布室301と、シリコン薄膜形成室30
2を備えており、これらは基板305を搬送可能な搬送
路303と搬送路303を開閉可能なゲートバルブ30
3Gにより接続されている。また、シリコン薄膜形成室
302には、原子状水素生成室313が接続されてい
る。
【0025】上記の液塗布室301には、上記の基板3
05を載置し回転させながら水素化珪素液を塗布するた
めのスピナー304が設置されている。スピナー304
は、回転軸304Aにより回転駆動可能なように構成さ
れている。また、液塗布室301には、室内に水素化珪
素液を送る水素化珪素液パイプ307と、開閉により液
供給量の調節を行うための水素化珪素液調節バルブ30
7Vと、水素化珪素液量計307Mからなる水素化珪素
導入系が設けられるほか、室内に不活性ガスを送る不活
性ガスパイプ308と開閉によりガス供給量の調節を行
なうための不活性ガス調節バルブ308Vと、不活性ガ
ス流量計308Mからなる不活性ガス導入系が設けら
れ、さらに排気パイプ310と排気バルブ310Vから
なる排気系が設けられている。
【0026】また、シリコン薄膜形成室302には、室
内に不活性ガスを送る不活性ガスパイプ309と、開閉
によりガス供給量の調節を行うための不活性ガス調節バ
ルブ309Vと、不活性ガス流量計309Mからなる不
活性ガス導入系が設けられ、さらに排気パイプ311と
排気バルブ311Vからなる排気系が設けられている。
そして、上記の原子状水素生成室313には、生成室内
に水素ガスを送る第1水素ガスパイプ319および32
0と、開閉により水素ガス供給量の調節を行うための第
1水素ガス調節バルブ319Vおよび320Vと、第1
水素ガス流量計319Mと、水銀溜315と、ヒーター
316とからなる第1水素ガス導入系が接続されるとと
もに、上記原子状水素生成室313内に水素ガスを送る
第2水素ガスパイプ318と、開閉により水素ガス供給
量の調節を行うための第2水素ガス調節バルブ318V
と、第2水素ガス流量計318Mとからなる第2水素ガ
ス導入系が接続され、原子状水素生成室313内に導入
された水素ガスを原子状水素化するための紫外線ランプ
312および合成石英板314が設けられている。ま
た、シリコン薄膜形成室302には、上記基板305を
載置するための基板台306が設けられている。
【0027】次に、上記のTFT製造装置300におけ
るTFTの製造方法について説明する。まず、上記基板
305をスピナー304上に固定し、上記の不活性ガス
パイプ308と排気パイプ310とを併用して液塗布室
301内の空気を不活性ガスで置換する。その後、水素
化珪素液量計307Mにより監視しながら所定量の水素
化珪素液を直下の基板305上に滴下する。その後、ス
ピナー304を所定の回転数、および所定時間回転さ
せ、基板305表面に所定の水素化珪素塗布膜を形成す
る。
【0028】次に、不活性ガスパイプ309と排気パイ
プ311とを併用してシリコン薄膜形成室302内の空
気を不活性ガスで置換する。その後、水素化珪素液が塗
布された上記基板305は、上記の搬送路303とゲー
トバルブ303Gを通ってシリコン薄膜形成室302内
へ搬送され、基板台306上に載置され保持される。基
板台306にはヒーター等の図示しない加熱手段が設け
られており、基板305はその後所定の基板温度に到達
するまで昇温され保持される。第3実施例においては、
この際同時に上記の第1水素ガス導入系の第1水素ガス
パイプ319から水素ガスが水銀溜315内へ導入さ
れ、水銀溜315内に貯留されている水銀316がヒー
ター317により加熱されて発生した水銀微量蒸気分と
混合され、第1水素ガスパイプ320を経て原子状水素
生成室313内に導入される。この水素ガスは紫外線ラ
ンプ312から合成石英板314を通して照射される紫
外線により紫外線エネルギーが付与され光化学反応によ
り励起分解され、原子状の水素を発生させる。このよう
にして発生した原子状の水素は、シリコン薄膜形成室3
02内の基板305上に導入される。
【0029】上記のように微量の水銀蒸気を混合させる
と、原子状の水素を効率良く得ることができ、一般に
「水銀増感法」と呼ばれている。水銀蒸気分量は、水銀
溜315の外側に設置されたヒーター317によって制
御される。また、上記の第1水素ガス導入系の水素ガス
の濃度は、上記の第1水素ガスパイプ320に合流する
第2水素ガス導入系から導入される水素ガスによって希
釈するようにしてもよいし、水銀溜を経由させずに第2
水素ガス導入系から直接に水素ガスを原子状水素生成室
313へ導入してもよい。
【0030】上記のようにして所定の基板温度に到達し
た後は、上記の加熱手段による加熱を停止し、基板30
5は室温付近にまで降温される。その後、基板305は
シリコン薄膜形成室302から取り出されるか、あるい
は、次の処理工程等へと搬送されるが、その前に、上記
の不活性ガスパイプ309と排気パイプ311とを併用
し、シリコン薄膜形成室302内に残留している水素化
珪素等の未反応の原料を排出しつつ室内を不活性ガスで
置換する。上記のような工程により、基板305上に液
体状の水素化珪素を塗布した後、原子状の水素を基板上
に導入しながら昇温し、昇温過程を含む熱履歴を経させ
て塗布膜内で分解反応をさせ、基板305上にTFT材
料としての特性を満足するシリコン薄膜を形成すること
ができる。
【0031】次に本発明の第4実施例について説明す
る。図4は本発明の第4実施例であるTFT製造装置の
構成を示す図である。図4に示す第4実施例の装置は、
塗布された水素化珪素の熱分解を行なう際に、原子状の
水素を利用する方法を採用するものであり、特に、水素
ガスとタングステンフィラメントを加熱した表面との接
触により原子状の水素を得る方法を採用し、かつ熱分解
によりシリコン薄膜を形成する製造方法を実施するため
の装置である。図に示すように、このTFT製造装置4
00は、液塗布室401と、シリコン薄膜形成室402
を備えており、これらは基板405を搬送可能な搬送路
403と搬送路403を開閉可能なゲートバルブ403
Gにより接続されている。また、シリコン薄膜形成室4
02には、原子状水素生成管413が接続されている。
【0032】上記の液塗布室401には、上記の基板4
05を載置し回転させながら水素化珪素液を塗布するた
めのスピナー404が設置されている。スピナー404
は、回転軸404Aにより回転駆動可能なように構成さ
れている。また、液塗布室401には、室内に水素化珪
素液を送る水素化珪素液パイプ407と、開閉により液
供給量の調節を行うための水素化珪素液調節バルブ40
7Vと、水素化珪素液量計407Mからなる水素化珪素
導入系が設けられるほか、室内に不活性ガスを送る不活
性ガスパイプ408と開閉によりガス供給量の調節を行
なうための不活性ガス調節バルブ408Vと、不活性ガ
ス流量計408Mからなる不活性ガス導入系が設けら
れ、さらに排気パイプ410と排気バルブ410Vから
なる排気系が設けられている。
【0033】また、シリコン薄膜形成室402には、室
内に不活性ガスを送る不活性ガスパイプ409と、開閉
によりガス供給量の調節を行うための不活性ガス調節バ
ルブ409Vと、不活性ガス流量計409Mからなる不
活性ガス導入系が設けられ、さらに排気パイプ411と
排気バルブ411Vからなる排気系が設けられている。
そして、上記の原子状水素生成室413には、生成室内
に水素ガスを送る水素ガスパイプ412と、開閉により
水素ガス供給量の調節を行うための水素ガス調節バルブ
412Vと、水素ガス流量計412Mからなる水素ガス
導入系が接続され、原子状水素生成管413内に導入さ
れた水素ガスを原子状水素化するためのタングステンフ
ィラメント414が設けられている。また、シリコン薄
膜形成室402には、上記基板405を載置するための
基板台406が設けられている。
【0034】次に、上記のTFT製造装置400におけ
るTFTの製造方法について説明する。まず、上記基板
405をスピナー404上に固定し、上記の不活性ガス
パイプ408と排気パイプ410とを併用して液塗布室
401内の空気を不活性ガスで置換する。その後、水素
化珪素液量計407Mにより監視しながら所定量の水素
化珪素液を直下の基板405上に滴下する。その後、ス
ピナー404を所定の回転数、および所定時間回転さ
せ、基板405表面に所定の水素化珪素塗布膜を形成す
る。
【0035】次に、不活性ガスパイプ409と排気パイ
プ411とを併用してシリコン薄膜形成室402内の空
気を不活性ガスで置換する。その後、水素化珪素液が塗
布された上記基板405は、上記の搬送路403とゲー
トバルブ403Gを通ってシリコン薄膜形成室402内
へ搬送され、基板台406上に載置され保持される。基
板台406にはヒーター等の図示しない加熱手段が設け
られており、基板405はその後所定の基板温度に到達
するまで昇温され保持される。この第4実施例において
は、この際同時に上記の水素ガス導入系から水素ガスが
原子状水素生成管413内に導入され、この水素ガスは
通電等によって加熱されたタングステンフィラメント4
14の表面と接触して分解し、原子状の水素を発生させ
る。このようにして発生した原子状の水素は、シリコン
薄膜形成室402内の基板405上に導入される。上記
において、タングステンフィラメントには限定されず、
フィラメント状のコイルであれば他の金属製のものでも
よい。
【0036】上記のようにして所定の基板温度に到達し
た後は、上記の加熱手段による加熱を停止し、基板40
5は室温付近にまで降温される。その後、基板405は
シリコン薄膜形成室402から取り出されるか、あるい
は、次の処理工程等へと搬送されるが、その前に、上記
の不活性ガスパイプ409と排気パイプ411とを併用
し、シリコン薄膜形成室402内に残留している水素化
珪素等の未反応の原料を排出しつつ室内を不活性ガスで
置換する。上記のような工程により、基板405上に液
体状の水素化珪素を塗布した後、原子状の水素を基板上
に導入しながら昇温し、昇温過程を含む熱履歴を経させ
て塗布膜内で分解反応をさせ、基板405上にTFT材
料としての特性を満足するシリコン薄膜を形成すること
ができる。
【0037】上記の第2実施例ないし第4実施例の方法
によれば、塗布した液体状の水素化珪素を、昇温過程を
含む熱履歴を経させて塗布膜内で分解反応させる際に、
原子状の水素を基板上に導入することにより、得られる
TFTの特性を第1実施例の方法により形成されたもの
よりもさらに優れたものとすることができる。この第2
実施例ないし第4実施例の方法においても、原料の水素
化珪素の分解は熱エネルギーによって行われ、原子状の
水素の導入は得られるシリコン薄膜の電子材料としての
特性をより優れたものとするために行われるものであ
り、活性な原子状の水素のみを成膜エネルギー源に用い
る他の従来の方法とは本質的に異なる。
【0038】次に、上記各実施例により得られるTFT
の構造例について図を参照しつつ説明する。図5は、逆
スタガー型のTFT10を示したものであり、ガラス基
板等の絶縁基板11上に、ゲート電極12として高ドー
プのpoly−Si、Al、Cr、Ni、Mo、Ta、
Ti、W等の半導体や金属の膜を蒸着法やスパッタリン
グ法等により形成し、その上にゲート絶縁膜13として
窒化シリコン薄膜、酸化シリコン薄膜、Ta25 膜等
をCVD法、プラズマCVD法、熱酸化法、陽極酸化法
等により形成する。このゲート絶縁膜13の上に、上記
各実施例に示す液体状態の水素化珪素の熱分解法による
シリコン薄膜14を形成する。そして、次に、金属膜、
あるいはn+ シリコン薄膜と金属膜の二重構造膜などに
よるソース電極15とドレイン電極16とを形成する。
上記各膜のパターニングはフォトリソグラフィー等によ
り行なう。
【0039】図6に示すものは、スタガー型のTFT2
0であり、上記図1の場合と同様に、ガラス基板等の絶
縁基板21上に、上記各実施例に示す液体状態の水素化
珪素の熱分解法によるシリコン薄膜24を形成する。次
に、このシリコン薄膜24の上に、金属膜、あるいはn
+ シリコン薄膜と金属膜の二重構造膜などによるソース
電極25とドレイン電極26とを形成する。そして、こ
れらの上に、ゲート絶縁膜23として窒化シリコン薄
膜、酸化シリコン薄膜、Ta25 膜等をCVD法、プ
ラズマCVD法、熱酸化法、陽極酸化法等により形成
し、このゲート絶縁膜23上にゲート電極22として高
ドープのpoly−Si、Al、Cr、Ni、Mo、T
a、Ti、W等の半導体や金属の膜を蒸着法やスパッタ
リング法等により形成する。上記各膜のパターニングも
フォトリソグラフィー等により行なう。
【0040】図7は、コプレーナー型のTFT30を示
したものであり、各層は図5に示す逆スタガー型TFT
10とほぼ同様にして形成するが、一般にソース電極3
5としては金属膜が、ドレイン電極36としては画素電
極としてITO膜が用いられる。また、上記図5に示す
逆スタガー型TFT10とは異なり、ソース電極35と
ドレイン電極36の下には高ドープのpoly−Si等
によるソース膜37とドレイン膜38が形成される。こ
の型はpoly−SiTFTで利用される場合が多い。
【0041】図8は、低抵抗シリコン基板42がゲート
電極を兼ねた構造のTFT40を示したもので、ゲート
絶縁膜43は低抵抗シリコン基板の表面熱酸化等により
形成される。この型のTFTはTFT材料としてのシリ
コン薄膜の評価用として用いられる場合が多い。上記の
各形式のTFTにおいて、チャネル半導体膜としてのシ
リコン薄膜14、24、34、44については、上記第
1実施例ないし第4実施例において説明したシリコン薄
膜形成方法によって形成される。
【0042】次に、上記の各実施例において、TFTの
シリコン薄膜を形成するための出発物質に用いる液体状
の水素化珪素について説明する。水素化珪素とは、一般
式Sim2m+2、あるいはSin2nで表されるもので
ある。ただし、上記におけるm、nはm≧3、n≧4で
あるような整数である。具体的には、一般式Sim
2m+2で表されるものとしては、トリシラン(Si3
8 )、ノーマルテトラシラン(n−Si410)、イソ
テトラシラン(iso−Si410)、ノーマルペンタ
シラン(n−Si512)、イソペンタシラン(iso
−Si512)、ネオペンタシラン(neo−Si5
12)、ノーマルペンタシラン(n−Si614)、ノー
マルヘプタシラン(n−Si716)、ノーマルオクタ
シラン(n−Si818)、ノーマルノナシラン(n−
Si920)などが挙げられ、上記のものの異性体も含
まれる。
【0043】また、一般式Sin2nで表わされるもの
としては、シクロテトラシラン(Si48 )、シクロ
ペンタシラン(Si510)、シクロヘキサシラン(S
612)、シクロヘプタシラン(Si714)などが
挙げられ、上記のものの異性体も含まれる。さらに、以
上に挙げた一般式Sim2m+2、あるいはSin2n
表されるもの(ただし、m、nはm≧3、n≧4である
ような整数)を混合したような混合物も含まれる。以上
に挙げた水素化珪素のうち代表的なものの沸点を表1に
示す。
【0044】
【表1】
【0045】なお、使用する液体中には、モノシラン
(SiH4 )およびジシラン(Si26 )を含有して
も構わない。ただし、上記各実施例の液体状の水素化珪
素は、常温で蒸気圧が大気圧以下であることが取扱い上
好ましい。また以上に挙げた水素化珪素は、水素化珪素
を可溶でかつ反応性のない溶媒に溶解した溶液の状態で
塗布液として用いることもできる。上記各実施例におい
ては、塗布する液体状の水素化珪素中にはm、nがm≧
5、n≧4なる整数であるようなSim2m+2あるいは
Sin2nが含まれていることが必要である。上記した
もののうち、トリシラン、テトラシランは、塗布液成分
としては有用であるが、それらのみでは沸点が比較的高
く、また分解温度も比較的高いため、上記各実施例の目
的を達成する際に困難を生じる場合があるからである。
【0046】またm、nがm≧5、n≧4なる整数であ
るようなSim2m+2あるいはSin2nの含有量は、
好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは2%以
上である。0.5%未満の場合には、塗布液成分として
は有用であるが、それらのみでは沸点が比較的高く、ま
た分解温度も比較的高いため、上記各実施例の目的を達
成する際に困難を生じる場合があるからである。また電
気特性のより優れたシリコン薄膜を得るためにも、m、
nがm≧5、n≧4なる整数であるようなSim2m+2
あるいはSin2nがより多く含まれていることが好ま
しく、また昇温熱履歴を経させる過程においてシリコン
薄膜形成前にm、nの値の小さい水素化珪素類を減少せ
しめることが好ましい。
【0047】次に、上記各実施例内の各工程についてさ
らに詳細に説明する。上記各実施例では、一般に行われ
ているCVD法のようにガス状の水素化珪素を供給する
のではなく、液体状の水素化珪素を基板に塗布した後、
昇温し、昇温熱履歴を経させることによりシリコン薄膜
を形成させる。まず、液塗布室101、201、30
1、401におけるシリコン薄膜形成工程において、最
初に基板上に液体状の水素化珪素を薄膜状に塗布する。
塗布の方法として、上記各実施例においては「スピンコ
ート法」を採用しているが、これには限定されず、液体
状水素化珪素中に基板を浸漬した後に基板を引き上げる
ことにより塗布を行う「ディップコート法」、あるい
は、液体状水素化珪素を霧状にして基板上に噴霧するこ
とにより塗布を行う「スプレー法」等の一般的塗布方法
を用いてもかまわない。
【0048】また、水素化珪素液の塗布は、一般には基
板の温度が室温以上の温度で行われる。基板の温度が室
温であるとは、基板に加熱あるいは冷却を加えない状態
の基板の温度をいう。室温より低い温度では、上記の
m、nの数によってm、nの値が大きいときに凝固する
場合があり、またm、nの値が小さいときに冷却装置が
さらに必要となる、等の問題点が生じる場合があるから
である。また室温以上であっても、m、nの値が大きい
ときに凝固する場合があるが、この場合は、用いる水素
化珪素液の凝固温度より高い温度に基板を加熱して塗布
を行なえばよい。また水素化珪素液塗布は、シリコン薄
膜形成室中で行なうか、あるいは上記実施例で示したよ
うなシリコン薄膜形成室外で不活性ガス雰囲気中で行な
って、その後シリコン薄膜形成室中に搬送する形式のい
ずれでもよい。また、上記各実施例のようなスピンコー
ト法を用いる場合のスピナーの回転数は、形成する薄膜
の厚み、塗布液組成により決まるが一般には100 〜1000
0 r.p.m.(回転数/秒)、好ましくは200 〜6000
r.p.m.が用いられる。
【0049】シリコン薄膜を形成する際の、昇温過程に
おける到達温度は、使用する水素化珪素の種類とその蒸
気圧によって異なる。上記各実施例において得られるシ
リコン薄膜はa−Si膜あるいはpoly−Si膜であ
るが、一般に到達温度が約550℃未満の温度ではa−
Si膜が得られ、到達温度が約550℃以上の温度では
poly−Si膜が得られる。a−Si膜を得たい場合
は、好ましくは200℃〜550℃、より好ましくは2
50℃〜500℃を到達温度とする。到達温度が200
℃未満の場合は、水素化珪素の分解が十分に進行せず、
十分な厚さのシリコン薄膜を形成できない場合があるか
らである。上記各実施例の特徴の一つは、分解反応が塗
布膜内で行なわれる点が挙げられるが、ここで言う塗布
膜内とは、塗布された液体状の膜の内部及び表面とその
数分子層内での近傍を称する。また昇温過程における加
熱方法は所定の温度が得られればいかなる方法でも構わ
ないが、一般には上記各実施例のように基板台ヒーター
加熱あるいは赤外線ランプ加熱等の方法が用いられる。
【0050】なおpoly−Si膜を得たい場合は、上
記各実施例で得られるa−Si膜をさらに約550℃以
上の温度で加熱する方法、あるいはa−Si膜をエキシ
マーレーザー等の高エネルギー光で処理する方法、等に
よってもpoly−Si膜を得ることは可能である。上
記第1実施例では、熱分解によりTFT材料としての特
性をもつシリコン薄膜が形成できるが、上記第2実施例
ないし第4実施例のように、液体状の水素化珪素を熱分
解させる際に原子状の水素を基板上に導入することによ
り、さらに優れたTFT材料としての特性をもつシリコ
ン薄膜を得ることができる。化学的に活性な原子状の水
素は、液体状の水素化珪素が熱分解してシリコン薄膜が
形成される際に、形成途中の膜中の珪素原子と水素原子
との結合、あるいは珪素原子と珪素原子との結合と反応
し、熱分解のみの場合と比較してさらに優れたTFT材
料としての特性をもったシリコン薄膜を形成することが
できる。
【0051】上記第2実施例ないし第4実施例におい
て、基板上に塗布した液体状の水素化珪素と反応させる
原子状の水素は次のようにして発生させて基板上に導入
する。すなわち例えば水素(H2 )ガスをマイクロ波等
の高周波放電により得るか、あるいは、水素ガスに紫外
線等の高エネルギー線を照射することにより得るか、あ
るいは水素ガスと、タングステン等の金属を加熱した表
面との接触により得る等の方法があげられる。
【0052】またシリコン薄膜を形成する際のシリコン
薄膜形成室内の圧力は、原子状の水素を基板上に導入し
ない第1実施例の場合は、いかなる圧力をも用いること
ができるが、常圧ないし0.1気圧程度の微加圧が装置
設計上および操作上好ましい。また原子状の水素を基板
上に導入する第2実施例ないし第4実施例の場合は、原
子状の水素が基板上に導入されればいかなる圧力でも構
わないが、原子状の水素の寿命の関係から好ましくは
0.001〜760Torr(mmHg)、より好まし
くは0.1〜50Torrを採用することが望ましい。
以下に、上記第1実施例ないし第4実施例の装置および
方法を用いてシリコン薄膜を形成した実験例を示す。下
記実験例において使用した液体状の水素化珪素の組成を
表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】下記実験例1〜13において得られたTF
Tに関して次の特性の測定を行なった。その結果を表3
に示す。 電子移動度(cm2 /volt・秒) オン電流(ドレイン電圧:5V、ゲート電圧:20V
におけるドレイン電流(A)) オフ電流(ドレイン電圧:5V、ゲート電圧:0Vに
おけるドレイン電流(A)) オン電流保持率(オンの状態を20時間保持した後
のオン電流/オン直後のオン電流)
【0055】
【表3】
【0056】(1)実験例1 液体状の水素化珪素として表2のNo.1の組成のもの
を用い、実験装置として上記図1に示す第1実施例の装
置を使用した。基板105として100nm(ナノメー
タ)の熱酸化膜を形成したシリコン単結晶n型ウエハー
を用い、まず液塗布室101中でヘリウムガス雰囲気、
室温、常圧下で基板105上に水素化珪素液No.1を
水素化珪素液量計107Mで計量しながら0.2cc滴
下し、スピナー104にて500r.p.m.で3秒間
回転し、その後2000r.p.m.で10秒間回転し
塗布膜を形成した。
【0057】次に、ヘリウムで置換されたシリコン薄膜
形成室102内の基板台106の上に基板105を搬送
設置する。次に不活性ガス流量計110Mによりヘリウ
ムガスにて圧力を常圧に調整した後、ヘリウムガスを2
00cc/分で流しながら、基板台106の温度を室温
から450℃まで昇温した後30分間保持し、基板10
5上にシリコン薄膜を形成させた。その後室温まで放冷
し、次にヘリウムガスで系内を置換した後に基板105
を取り出した。この結果、TFT用に十分なシリコン薄
膜が形成された。次にAl蒸着によりソース電極45お
よびドレイン電極46を形成し、図8の型のTFTを作
成した。この時のチャネル長は100μm(マイクロメ
ータ)、チャネル幅は200μmとした。
【0058】(2)実験例2 液体状の水素化珪素として表2のNo.2の組成のもの
を用いたほかは実験例1と同じ条件にしてTFTを作成
した。この結果、TFT用に十分なシリコン薄膜が形成
された。
【0059】(3)実験例3 液体状の水素化珪素として表2のNo.3の組成のもの
を用いたほかは実験例1と同じ条件にしてTFTを作成
した。この結果、TFT用に十分なシリコン薄膜が形成
された。
【0060】(4)実験例4 昇温過程における到達温度を350℃としたことのほか
は実験例1と同じ条件にしてTFTを作成した。この結
果、TFT用に十分なシリコン薄膜が形成された。
【0061】(5)実験例5 昇温過程における到達温度を500℃としたことのほか
は実験例1と同じ条件にしてTFTを作成した。この結
果、TFT用に十分なシリコン薄膜が形成された。
【0062】(6)実験例6 実験例1と同じ条件にして基板105上にシリコン薄膜
を形成させた後、保持温度の450℃からさらに700
℃まで昇温し、700℃で60分間保持した後室温まで
放冷し、次にヘリウムガスで系内を置換した後に基板1
05を取り出した。この結果、TFT用に十分なシリコ
ン薄膜が形成された。次に実験例1と同じ条件にして電
極を形成しTFTを作成した。
【0063】(7)実験例7 絶縁基板11としてコーニング7059ガラスを用い、
その上にゲート電極12としてCrをスパッタリングに
より堆積させ、ゲート絶縁膜13として窒化シリコン薄
膜をSiH4 とNH3 のプラズマCVD法により堆積さ
せたものを基板105として用いた他は、実験例1と同
じにしてシリコン薄膜を形成した。この結果、TFT用
に十分なシリコン薄膜が形成された。基板105を取り
出した後n+ −a−SiをSiH4 とPH3 のプラズマ
CVD法により堆積させた後、Al蒸着し、次にフォト
リソグラフィーによりソース電極15およびドレイン電
極16を形成し図5の型のTFTを形成した。この時の
チャネル長は10μm、チャネル幅は50μmとした。
【0064】(8)実験例8 液体状の水素化珪素として表2のNo.1の組成のもの
を用い、実験装置として図2に示す第2実施例の装置を
使用した。基板205として100nmの熱酸化膜を形
成したシリコン単結晶n型ウエハーを用い、まず液塗布
室201中でヘリウムガス雰囲気、室温、常圧下で基板
205上に水素化珪素液No.1を水素化珪素液量計2
07より0.2cc滴下しスピナー204にて500
r.p.m.で3秒間回転し、その後2000r.p.
m.で10秒間回転し塗布膜を形成した。
【0065】次にヘリウムで置換されたシリコン薄膜形
成室202内の基板台206の上に基板205を搬送設
置する。次に水素ガス流量計212Mより計量しながら
水素ガスを100cc/分で流し排気パイプ211等に
より圧力を1Torrに調整した後、マイクロ波発生装
置214より放電電力100W(2.45GHz)にて
放電を起こさせ、発生した原子状の水素を基板205上
に導入した。次に基板台206の温度を室温から300
℃まで昇温した後30分間保持し、基板205上にシリ
コン薄膜を形成させた。放電を止めた後に水素ガスを流
したまま300℃で20分間保持した後室温まで放冷
し、次にヘリウムガスで系内を置換した後に基板205
を取り出した。この結果、TFT用に十分なシリコン薄
膜が形成された。次にAl蒸着によりソース電極45お
よびドレイン電極46を形成し図8の型のTFTを作成
した。この時のチャネル長は100μm、チャネル幅は
200μmとした。
【0066】(9)実験例9 液体状の水素化珪素として表2のNo.2の組成のもの
を用いたほかは実験例8と同じ条件にしてTFTを作成
した。この結果、TFT用に十分なシリコン薄膜が形成
された。
【0067】(10)実験例10 液体状の水素化珪素として表2のNo.3の組成のもの
を用いたほかは実験例8と同じ条件にしてTFTを作成
した。この結果、TFT用に十分なシリコン薄膜が形成
された。
【0068】(11)実験例11 液体状の水素化珪素として表2のNo.1の組成のもの
を用い、実験装置として図3に示す第3実施例の装置を
使用した。基板305として100nmの熱酸化膜を形
成したシリコン単結晶n型ウエハーを用い、まず液塗布
室301中でヘリウムガス雰囲気、室温、常圧下で基板
305上に水素化珪素液No.1を水素化珪素液量計3
07Mにより計量しながら0.2cc滴下し、スピナー
304にて500r.p.m.で3秒間回転し、その後
2000r.p.m.で10秒間回転し塗布膜を形成し
た。
【0069】次にヘリウムで置換されたシリコン薄膜形
成室302内の基板台306の上に基板305を搬送設
置する。次にヒーター317により水銀溜315中の水
銀316の温度を70℃にコントロールした後、水素ガ
ス流量計319Mより計量しながら水素ガスを200c
c/分で流し、排気パイプ311等により圧力を3To
rrに調整した後、原子状水素生成室313で紫外線ラ
ンプ312により紫外線を照射して発生した原子状の水
素を基板305上に導入した。次に基板台306の温度
を室温から300℃まで昇温した後30分間保持し、基
板305上にシリコン薄膜を形成させた。照射を止めた
後に第1水素ガス導入系319等からを第2水素ガス導
入系318等に切り替え、水素ガスを200cc/分で
流したまま300℃で20分間保持した後室温まで放冷
し、次にヘリウムガスで系内を置換した後に基板305
を取り出した。この結果、TFT用に十分なシリコン薄
膜が形成された。次にAl蒸着によりソース電極45お
よびドレイン電極46を形成し図8の型のTFTを作成
した。この時のチャネル長は100μm、チャネル幅は
200μmとした。
【0070】(12)実験例12 液体状の水素化珪素として表2のNo.1の組成のもの
を用い、実験装置として図4に示す第4実施例の装置を
使用した。基板405として100nmの熱酸化膜を形
成したシリコン単結晶n型ウエハーを用い、まず液塗布
室401中でヘリウムガス雰囲気、室温、常圧下で基板
405上に水素化珪素液No.1を水素化珪素液量計4
08Mにより計量しながら0.2cc滴下し、スピナー
404にて500r.p.m.で3秒間回転し、その後
2000r.p.m.で10秒間回転し塗布膜を形成し
た。
【0071】次にヘリウムで置換されたシリコン薄膜形
成室402内の基板台406の上に基板405を搬送設
置する。水素ガス流量計412Mより計量しながら水素
ガスを100cc/分で流し、排気パイプ411等によ
り圧力を3Torrに調整した後、原子状水素生成管4
13でタングステンコイル414に100V、0.4A
通電して発生した原子状の水素を基板405上に導入し
た。次に基板台406の温度を室温から300℃まで昇
温した後30分間保持し、基板405上にシリコン薄膜
を形成させた。通電を止めた後に水素ガスを200cc
/分で流したまま300℃で20分間保持した後室温ま
で放冷し、次にヘリウムガスで系内を置換した後に基板
405を取り出した。この結果、TFT用に十分なシリ
コン薄膜が形成された。次にAl蒸着によりソース電極
45およびドレイン電極46を形成し図8の型のTFT
を作成した。この時のチャネル長は100μm、チャネ
ル幅は200μmとした。
【0072】(13)実験例13 実験例8と同じにして基板205上にシリコン薄膜を形
成させた後、保持温度の300℃からさらに700℃ま
で昇温し、700℃で60分間保持した。放電を止めた
後に水素ガスを流したまま700℃で20分間保持した
後室温まで放冷し、次にヘリウムガスで系内を置換した
後に基板205を取り出した。この結果、TFT用に十
分なシリコン薄膜が形成された。次に実験例8と同じ条
件にして電極を形成しTFTを作成した。
【0073】(14)実験例14 液体状の水素化珪素として表2のNo.4の組成のもの
を用いた他は実験例1と同じ条件にして行なったが、T
FT用に十分なシリコン薄膜は形成できなかった。以上
の各実験例1〜13で作成したTFT膜をオージェ分光
法によって測定した結果、シリコンの薄膜であることが
確認された。また、薄膜X線回折測定により、実験例1
〜5、及び8〜12ではシリコン薄膜としてのa−Si
膜であることが、実験例6及び13ではpoly−Si
膜であることが確認された。なお、本発明は、上記実施
例に限定されるものではない。上記実施例は、例示であ
り、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と
実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するも
のは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包
含される。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、上記構成を有する
本願の第1の発明によれば、TFTに用いる基板上にS
m2m+2あるいはSin2n(ただし、m、nはm≧
5、n≧4であるような整数)を含有する液体状の水素
化珪素を塗布した後、昇温過程を含む熱履歴を経させ、
この熱エネルギーにより塗布膜内で上記水素化珪素を分
解反応させることにより、基板上にTFT材料としての
特性を有するシリコン薄膜を形成することができる。
【0075】また、上記構成を有する本願の第2の発明
によれば、塗布した液体状の水素化珪素を、昇温過程を
含む熱履歴を経させて塗布膜内で分解反応させる際に、
原子状の水素を基板上に導入することにより、得られる
TFTの特性をさらに優れたものとすることができる。
この本願第2の発明の場合においても、原料の水素化珪
素の分解は熱エネルギーによって行われ、原子状の水素
の導入は得られるシリコン薄膜の電子材料としての特性
をより優れたものとするために行われるものであり、活
性な原子状の水素のみを成膜エネルギー源に用いる他の
従来の方法とは本質的に異なる。したがって、TFT製
造におけるシリコン薄膜の形成方法として一定温度に加
熱保持された基板上への気相からの堆積方法を用いる従
来のCVD法等と比較して、容易かつ確実にシリコン薄
膜を形成しうる薄膜トランジスタの製造方法を提供する
ことができ、TFTの製造方法に広く利用できる、とい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である薄膜トランジスタ製
造装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例である薄膜トランジスタ製
造装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施例である薄膜トランジスタ製
造装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4実施例である薄膜トランジスタ製
造装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1ないし図5に示す薄膜トランジスタ製造装
置により形成される逆スタガー型薄膜トランジスタの構
成例を示す断面図である。
【図6】図1ないし図5に示す薄膜トランジスタ製造装
置により形成されるスタガー型薄膜トランジスタの構成
例を示す断面図である。
【図7】図1ないし図5に示す薄膜トランジスタ製造装
置により形成されるコプレーナー型薄膜トランジスタの
構成例を示す断面図である。
【図8】図1ないし図5に示す薄膜トランジスタ製造装
置により形成される低抵抗シリコン基板がゲート電極を
兼ねた構造の薄膜トランジスタの構成例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10 逆スタガー型TFT 100 薄膜トランジスタ 101 液塗布室 102 シリコン薄膜形成室 103 搬送路 103G ゲートバルブ 104 スピナー 104A 回転軸 105 基板 106 基板台 107 水素化珪素液パイプ 107M 水素化珪素液量計 107V 水素化珪素液調節バルブ 108 不活性ガスパイプ 108M 不活性ガス流量計 108V 不活性ガス調節バルブ 109 不活性ガスパイプ 109M 不活性ガス流量計 109V 不活性ガス調節バルブ 11 絶縁基板 110 排気パイプ 110V 排気バルブ 111 排気パイプ 111V 排気バルブ 12 ゲート電極 13 ゲート絶縁膜 14 シリコン薄膜 15 ソース電極 16 ドレイン電極 20 スタガー型TFT 200 薄膜トランジスタ 201 液塗布室 202 シリコン薄膜形成室 203 搬送路 203G ゲートバルブ 204 スピナー 204A 回転軸 205 基板 206 基板台 207 水素化珪素液パイプ 207M 水素化珪素液量計 207V 水素化珪素液調節バルブ 208 不活性ガスパイプ 208M 不活性ガス流量計 208V 不活性ガス調節バルブ 209 不活性ガスパイプ 209M 不活性ガス流量計 209V 不活性ガス調節バルブ 21 絶縁基板 210 排気パイプ 210V 排気バルブ 211 排気パイプ 211V 排気バルブ 212 水素ガスパイプ 212M 水素ガス流量計 212V 水素ガス調節バルブ 213 原子状水素生成管 214 マイクロ波発生装置 22 ゲート電極 23 ゲート絶縁膜 24 シリコン薄膜 25 ソース電極 26 ドレイン電極 30 コプレーナー型TFT 300 薄膜トランジスタ 301 液塗布室 302 シリコン薄膜形成室 303 搬送路 303G ゲートバルブ 304 スピナー 304A 回転軸 305 基板 306 基板台 307 水素化珪素液パイプ 307M 水素化珪素液量計 307V 水素化珪素液調節バルブ 308 不活性ガスパイプ 308M 不活性ガス流量計 308V 不活性ガス調節バルブ 309 不活性ガスパイプ 309M 不活性ガス流量計 309V 不活性ガス調節バルブ 31 絶縁基板 310 排気パイプ 310V 排気バルブ 311 排気パイプ 311V 排気バルブ 312 紫外線ランプ 313 原子状水素生成室 314 合成石英板 315 水銀溜 316 水銀 317 ヒーター 318 第2水素ガスパイプ 318M 第2水素ガス流量計 318V 第2水素調節バルブ 319 第1水素ガスパイプ 319M 第1水素ガス流量計 319V 第1水素調節バルブ 32 ゲート電極 320 第1水素ガスパイプ 320V 第1水素調節バルブ 33 ゲート絶縁膜 34 シリコン薄膜 35 ソース電極 36 ドレイン電極 37 ソース膜 38 ドレイン膜 40 低抵抗シリコン基板がゲート電極を兼ねた構造の
TFT 400 薄膜トランジスタ 401 液塗布室 402 シリコン薄膜形成室 403 搬送路 403G ゲートバルブ 404 スピナー 404A 回転軸 405 基板 406 基板台 407 水素化珪素液パイプ 407M 水素化珪素液量計 407V 水素化珪素液調節バルブ 408 不活性ガスパイプ 408M 不活性ガス流量計 408V 不活性ガス調節バルブ 409 不活性ガスパイプ 409M 不活性ガス流量計 409V 不活性ガス調節バルブ 410 排気パイプ 410V 排気バルブ 411 排気パイプ 411V 排気バルブ 412 水素ガスパイプ 412M 水素ガス流量計 412V 水素ガス調節バルブ 413 原子状水素生成管 414 タングステンフィラメント 42 絶縁基板兼ゲート電極 43 ゲート絶縁膜 44 シリコン薄膜 45 ソース電極 46 ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/786 (72)発明者 川崎 計二 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭 和電工株式会社化学品研究所内 (56)参考文献 特開 平5−144741(JP,A) 特開 平2−251135(JP,A) 特開 平6−191821(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/205 C23C 16/44 C23C 18/12 C30B 29/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板、ゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネ
    ル半導体膜としてのシリコン薄膜、ソース電極、及びド
    レイン電極を有して構成される薄膜トランジスタの製造
    方法において、前記チャネル半導体膜としてのシリコン
    薄膜を、前記基板上にSim2m+2あるいはSin
    2n(ただし、m、nはm≧5、n≧4であるような整
    数)を含有する液体状の水素化珪素を塗布した後、原子
    状の水素を基板上に導入しながら昇温過程を含む熱履歴
    を経させ、塗布膜内で分解反応させることにより形成す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】前記シリコン薄膜を形成する際の液体状の
    水素化珪素を塗布する際の、前記基板の温度を室温以上
    とすることを特徴とする請求項に記載薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  3. 【請求項3】前記シリコン薄膜を形成する際の昇温過程
    における到達温度を550℃未満とし、前記シリコン薄
    膜としてアモルファスシリコン薄膜を形成することを特
    徴とする請求項に記載薄膜トランジスタの製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記シリコン薄膜を形成する際の昇温過程
    における到達温度を550℃以上とし、前記シリコン薄
    膜として多結晶シリコン薄膜を形成することを特徴とす
    る請求項に記載薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】前記原子状の水素は、水素ガスのマイクロ
    波放電により、あるいは水素ガスへの紫外線の照射によ
    り、あるいは水素ガスと加熱した金属表面との接触によ
    り生成されることを特徴とする請求項に記載薄膜ト
    ランジスタの製造方法。
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