JP3483951B2 - 水置換剤 - Google Patents
水置換剤Info
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Description
分を非水溶媒に置換する水置換剤に関し、より詳しく
は、転がり軸受などの精密部品等被洗浄品を洗浄する場
合において該被洗浄品の乾燥用に使用される水置換剤に
関する。
浄する方法としては、水溶性洗浄剤で前記精密部品を洗
浄した後、すすぎ工程で部品に付着した水分を、フロン
等のフッ素系溶剤や1、1、1−トリクロロエタン等の
塩素系溶剤に界面活性剤を混入させた混合溶剤を使用し
て除去していた。
系溶剤や1、1、1-トリクロロエタン等の塩素系溶剤は大気
中のオゾン層を破壊する性質を有するため、近年、地球
環境保全の見地からその使用が規制され、将来的にはそ
の使用が全面的に禁止される方向にある。
加した水で水溶性溶剤をすすぎ、次いで、油性水切り剤
で水切りを行った後、前記油性水切り剤を乾燥させる洗
浄方法が提案されている(例えば、特開平4−1104
83号公報)。
で乾燥したり真空乾燥することにより、環境に有害な有
機溶剤を使用することなく洗浄後に付着した水分を除去
することができる。
来の洗浄方法(特開平4−110483号公報)におい
ては、熱風乾燥又は真空乾燥により洗浄後の付着水分を
除去しているため、そのための特殊な装置が必要とな
り、装置が複雑化すると共に装置の高騰化も招くという
問題点があった。
ものであって、特殊な装置を使用せず、しかも環境破壊
を生ずることなく精密部品等、被洗浄品の付着水分を除
去することができる水置換剤を提供することを目的とす
る。
するため本発明は、少なくとも非水溶媒と界面活性剤と
が含有された水置換剤において、前記非水溶媒が、50
%蒸留点が180℃以下且つ引火点が41℃以上の炭化
水素系溶剤からなり、かつ、前記非水溶媒以外の残余成
分の温度40℃における粘度が総計で11mm2/s以
下であることを特徴としており、転がり軸受洗浄工程用
として使用される。
る。
精密部品に付着した水分を除去する水置換剤としては、
水置換性が優れていることは勿論のこと、それ以外にも
乾燥性に優れていること、一回に大量の精密部品を洗浄
処理するため乾燥後の取り出し時に速やかに一個ずつ取
り出せること(すなわち被洗浄品同士が互いにべたつか
ないこと)、洗浄後の精密部品に防錆性が担保されるこ
とが要求される。
性が良好で、乾燥が早く、且つ、べたつきのない防錆皮
膜を被洗浄品の表面に形成することが望まれる。
した水分を非水溶媒に置換するものであり、その主成分
は非水溶媒であることはいうまでもないが、非水溶媒の
みでは水との置換がなされず、水置換を首尾よく行うた
めには前記非水溶媒に少量の界面活性剤を添加しなけれ
ばならないことが知られている(例えば、小池 基生
等、「水置換剤の界面特性」;金属表面技術、Vol 15,
No.10, 1964, pp. 5-11)。
性剤を添加した水置換剤について、鋭意研究を重ねた結
果、50%蒸留点が180℃以下且つ引火点が41℃以
上の炭化水素系溶剤を非水溶媒とし、かつ前記非水溶媒
を除く残余成分(界面活性剤等)の粘度が11mm2/s
(40℃)以下の水置換剤は、乾燥が早く、且つ「べた
つき」のない防錆被膜を形成する性質があるという知見
を得た。
た炭化水素系溶剤を非水溶媒とした場合は乾燥時間が長
くなり、したがって乾燥性に劣るため、生産性の低下を
招来する。また引火点が40℃以下の場合は火災や爆発
の発生原因となり、危険性が高くなる。つまり、50%
蒸留点が180℃以下且つ引火点が41℃以上の炭化水
素系溶剤を非水溶媒とすることにより、取扱上危険が生
ずるのを回避することができ、しかも環境破壊を生ずる
ことなく被洗浄品を早期に乾燥させることができる。
点が40℃以上である炭化水素系溶剤としては、具体的
には、アイソパーG(エクソン化学(株)製)、エクソ
ールD40(エクソン化学(株)製)、ソルベッソ10
0(エクソン化学(株)製)、シェルゾールA(シェル
化学(株)製)、Kソルベント(日本石油(株)製)、
日石ハイアロム2S(日本石油(株)製)等を使用する
ことができる。
ては、一般にカチオン活性剤や高級アミンまたはそのカ
ルボン酸塩等を使用することができる。具体的には、オ
レイルイミダゾリン、ポリオキシエチレンステアリルア
ミン、ステアリルプロピレンジアミン、ラウリルプロピ
レンジアミン等のアミン、又はこれらアミンのオクタン
酸、ノナン酸、C9 〜11第3級カルボン酸、cis−9
−オクタデセン酸塩等を使用することができる。
成分の粘度が11mm2/s (40℃)を越えると「べたつ
き」が生じるため、水置換後の被洗浄品がそれぞれ密着
して離れなくなったり、例えばミニアチュア軸受などの
微小部品ではべたつきのため次工程への搬入ガイド上で
停止等して、作業性に支障を来す。
余成分の粘度を11mm2/s (40℃)以下に規定した。
余成分として、より一層の耐べたつき性を向上させるた
めに所定量のスピンドル油を添加するのが好ましく、ま
た上記水置換性、乾燥性、耐べたつき性、防錆性に支障
が生じない範囲で、必要に応じて他の防錆剤、非鉄金属
防食剤等を混入するのも好ましい。
の非水溶媒に表2に示す粘度を有する界面活性剤等を所
定量混入させて表3に示す水置換剤を作成した。 (以下、余白)
0%蒸留点及び引火点が本発明の範囲内にあるエクソー
ルD40(エクソン化学(株)製)、Kソルベント(エ
クソン化学(株)製)と上記50%蒸留点及び引火点が
本発明の範囲外にある白灯油(日本石油(株)製)を使
用した。
剤、及び耐べたつき性を一層向上させるために添加され
るスピンドル油(RCスピンドル油、Eスピンドル油
(共にコスモ石油(株)製)の粘度を示している。尚、
表2中、ラウリルプロピレンジアミンについてはB型回
転粘度計により測定された絶対粘度を表示している。
を表3に示すような含有率となるように調製して水置換
剤を作成した。表3中、No.1〜7が本発明の水置換
剤を示し、No.8〜11が比較例の水置換剤を示して
いる。
としてエクソールD40(エクソン化学(株)製)、又
はKソルベント(エクソン化学(株)製)を使用し、比
較例No.8,9は白灯油(日本石油(株)製)を使用
し、比較例No.10,11はエクソールD40(エク
ソン化学(株)製)を使用している。
る非水溶媒以外の残余成分については、表3に示すのよ
うな割合(重量%)で非水溶媒中に混入させ、JIS
K2283−1980による動粘度試験方法により測定
した。
o.1〜7はいずれも粘度は11mm2/s以下であ
り、本発明の範囲を満たしているのに対し、比較例N
o.8,10,11は本発明の範囲外となっている。
水置換性、乾燥性、耐べたつき性、防錆性につ
いて試験した。
SB)を#240の研磨紙(サンドペーパー)で研磨し
た後、キシレン、温メタノール、水の順番で洗浄した。
そして、洗浄したテストピースを水に濡れた状態のま
ま、透明容器に内有された水置換剤No.1〜11中に
浸漬し、次いでテストピース表面に付着している水滴が
落下して水置換されるまでの時間を測定した。判定基準
は10秒以内に水置換が終了した場合を良(○)と判定
し、10秒以内で水置換が終了しなかった場合を不可
(×)と判定した。
ては本発明No.1〜7及び比較例No.8〜11の双
方において全て「良」の結果を得た。これは、水置換作
用を与える界面活性剤が全てのテストピースに添加され
ているため、非水溶媒の特性とは無関係に水置換性につ
いては満足する結果が得られたものと思われる。
SB)をキシレン、温メタノールの順番で洗浄し、次い
で透明容器に内有された水置換剤No.1〜11中に浸
漬し、40℃の温度雰囲気下に放置して指触により乾燥
したか否かを判断した。判定基準は10分以内に乾燥し
たものを良(○)、10〜60分で乾燥したものを可
(△)、乾燥するまで60分以上要したものを不可
(×)と判定した。
蒸留点が180℃(228℃)以上であり、乾燥に長時
間を要した。
の順番で洗浄し、次いで透明容器に内有された水置換剤
No.1〜11中に浸漬し、これら玉軸受内輪を縦に積
み重ねて24時間放置した。耐べたつき性の判定基準
は、ピンセットを使用して最上部のテストピースから1
個ずつ取る際の抵抗を定性的に評価し、1個ずつ抵抗な
しに取れた場合が良(○)、2個以上密着した状態で取
れた場合を不可(×)と判定した。
る非水溶媒以外の残余成分、すなわち界面活性剤等の粘
度が11mm2/s(40℃)以上の高粘度となったとき
は耐べたつき性が悪化することが判る。
ルの順番で洗浄し、次いで透明容器に内有された水置換
剤No.1〜11中に浸漬した後、これら玉軸受外輪を
温度30℃、湿度80%雰囲気下で3日間曝露して錆の
発生状態を観察した。防錆性の判定基準は全てのテスト
ピースに錆が発生していない場合を良(○)、1個以上
のテストピースに錆が発生した場合を不可(×)と判定
した。
は本発明No.1〜7及び比較例No.8〜11の双方
において全て「良」の結果を得た。
の乾燥性を満たすためには非水溶媒の50%蒸留点が1
80℃以下で且つ取扱いの安全性を確保するためには引
火点が41℃以上であること、及び耐べたつき性を維持
するためには非水溶媒を除いた残余成分(本実施例では
界面活性剤及びスピンドル油)の粘度が11mm2/s以
下であることを満たすことが必要十分条件であることが
判った。しかも、本発明の水置換剤は非水溶媒が炭化水
素系溶剤からなり、フロン等のフッ素系溶剤や1、1、1-ト
リクロロエタン等の塩素系溶剤を使用していないので、
環境破壊に繋がることはなく、また熱風乾燥や真空乾燥
等の大規模な装置を使用することなく洗浄後の付着水分
を除去することができる。
よれば、環境破壊等を生じることなく、水置換性に優
れ、且つ被洗浄品を早期に乾燥させることができる。
れた被膜は防錆性に優れており、且つべたつきがないた
め作業性を損なうことがない。
装置や真空乾燥装置等の特殊な装置を必要とせず、容易
且つ迅速に被洗浄品に付着した水分の除去を行うことが
できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも非水溶媒と界面活性剤とが含
有された水置換剤において、 前記非水溶媒が、50%蒸留点が180℃以下且つ引火
点が41℃以上の炭化水素系溶剤からなり、かつ、前記
非水溶媒以外の残余成分の温度40℃における粘度が総
計で11mm2/s以下であることを特徴とする転がり
軸受洗浄工程用の水置換剤。 - 【請求項2】 外径15mm以下かつ内径6mm以下の
ミニチュア転がり軸受洗浄工程用であることを特徴とす
る請求項1に記載の水置換剤。 - 【請求項3】 前記残余成分の温度40℃における粘度
が3.5mm 2 /s〜10.5mm 2 /sであることを特
徴とする請求項1又は2に記載の水置換剤。 - 【請求項4】 温度40℃における粘度が4.7mm 2
/s〜9.5mm 2 /sのスピンドル油を3重量%〜1
5重量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れ
かに記載の水置換剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22413594A JP3483951B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 水置換剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22413594A JP3483951B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 水置換剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0860191A JPH0860191A (ja) | 1996-03-05 |
JP3483951B2 true JP3483951B2 (ja) | 2004-01-06 |
Family
ID=16809099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22413594A Expired - Fee Related JP3483951B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 水置換剤 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3483951B2 (ja) |
-
1994
- 1994-08-25 JP JP22413594A patent/JP3483951B2/ja not_active Expired - Fee Related
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