JP3483641B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその自動車内装部品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその自動車内装部品

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JP3483641B2
JP3483641B2 JP03205495A JP3205495A JP3483641B2 JP 3483641 B2 JP3483641 B2 JP 3483641B2 JP 03205495 A JP03205495 A JP 03205495A JP 3205495 A JP3205495 A JP 3205495A JP 3483641 B2 JP3483641 B2 JP 3483641B2
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哲央 野口
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂を自動車
内装部品に無塗装で使用する場合に必要とされる耐熱
性、耐候性、耐衝撃性、耐傷性、シボ転写性及び良好な
外観性を有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物と
該熱可塑性樹脂組成物を用いた自動車内装部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車内装部品に使用される材料には、
特に耐熱性、耐候性、耐衝撃性、耐傷性、シボ転写性及
び良好な外観性といった特性が要求されている。従来使
用されている自動車内装部品には、一般にABS樹脂に
代表されるゴム強化スチレン系樹脂にα−メチルスチレ
ン系共重合体またはマレイミド系共重合体を配合した耐
熱ABS樹脂に塗装を施したものがある。
【0003】しかし最近では、コストダウンの要求から
熱可塑性樹脂を用いた自動車内装部品に無塗装化が強く
要望されてきている。この要望に応えるために、例えば
上記の耐熱ABSを無塗装で使用すると耐候性が悪く、
またシボ転写性も悪いために光沢が高く、自動車の安全
性や質感が悪くなるので適していない。また、種々の熱
可塑性樹脂組成物が自動車用途に検討されているが、こ
れらについても自動車内装部品の無塗装材として用いる
には問題が多すぎる。例えば、耐候性に優れた樹脂とし
て知られるAAS樹脂やAES樹脂では耐熱性が低く、
内装用材料には適さない。また、ポリカーボネート樹脂
を主成分とする熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃
性には優れているが、耐傷性やシボ転写性が悪く、また
ウェルド等での外観も悪いため無塗装での使用には適さ
ない。さらに、ポリアミド樹脂とABS樹脂を主成分と
する熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、シボ転写性に優
れた樹脂組成物であるが、吸水により樹脂組成物が軟ら
かくなる性質があり、そのため傷が付き易くなるという
問題がある。また、ポリエステル樹脂とABS樹脂を主
成分とする熱可塑性樹脂組成物は、シボ転写性に優れ、
耐衝撃性においてもその改善方法(特公平6-76528 号公
報、特公平6-84462 号公報)が提案されてはいるもの
の、これらを自動車内装部品に無塗装で用いるには耐傷
性、耐候性及び耐熱性がまだ不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
したとおり自動車内装部品として無塗装で用いることの
できる熱可塑性樹脂組成物が得られていないという現状
を鑑み、自動車内装部品に無塗装で使用可能な熱可塑性
樹脂組成物を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を行った結果、芳香族ポリエス
テル樹脂、特定の組成を有するグラフト共重合体、特定
の組成を有するビニル系共重合体、エポキシ基または無
水マレイン酸基を有する特定組成の共重合体、無機充填
剤及び耐候剤を特定の割合で配合することにより、耐熱
性、耐候性、耐衝撃性、耐傷性、シボ転写性及び良好な
外観性等の特性を有し、自動車内装部品に無塗装で使用
可能な熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本
発明に到達したものである。
【0006】即ち本発明は、下記のA成分20〜50重
量%、B成分20〜40重量%、C成分5〜40重量
%、D成分0.5〜10重量%、E成分〜20重量%
及びF成分0.1〜10重量%からなることを特徴とす
る熱可塑性樹脂組成物で、各成分はそれぞれ、 A成分:芳香族ポリエステル樹脂、 B成分:ゴム状重合体10〜70重量部の存在下で、芳
香族ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単
量体20〜50重量%及びこれらの単量体と共重合可能
なビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物の
30〜90重量部を共重合してなるグラフト共重合体、 C成分:芳香族ビニル単量体45〜80重量%、シアン
化ビニル単量体0〜50重量%及びこれらの単量体と共
重合可能なビニル単量体0〜55重量%を共重合してな
るビニル系共重合体、 D成分:エポキシ基を有するビニル単量体0.5〜5重
量%または無水マレイン酸基を有するビニル単量体1〜
15重量%、芳香族ビニル単量体45〜80重量%、シ
アン化ビニル単量体0〜50重量%及びこれらの単量体
と共重合可能なビニル単量体0〜50重量%を共重合し
てなる共重合体、 E成分:無機充填材及び、 F成分:紫外線吸収剤と光安定剤を併用してなる耐候剤
からなるものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
A成分である芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカ
ルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオール
またはそのエステル形成性誘導体を重縮合反応すること
により得られる樹脂である。
【0008】芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルエーテカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸
が特に好ましい。
【0009】ジオールの例としては、エリレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェ
ノールA等が挙げられ、1,4−ブタンジオールが特に
好ましい。
【0010】本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂の
固有粘度[η]には特に規定はないが、フェノール/テ
トラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒を
用いて、温度30℃で測定したときの固有粘度[η]が
1.1〜1.4(単位dl/g)の範囲が好ましい。なお、
本発明に用いる芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリ
ブチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0011】本発明のB成分であるグラフト共重合体と
は、ゴム状重合体の存在下で、芳香族ビニル単量体、シ
アン化ビニル単量体及びこれらの単量体と共重合可能な
ビニル単量体からなる単量体混合物をグラフト共重合し
て得られるものである。
【0012】ゴム状重合体の例としては、ポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体、アクリル酸エステル共重合体等が挙げら
れる。
【0013】芳香族ビニル単量体の例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びt−ブチ
ルスチレン等が挙げられる。
【0014】シアン化ビニル単量体の例としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0015】共重合可能なビニル単量体としては、主に
アクリル系の単量体が用いられ、アクリル系単量体の具
体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、及び
オクタデシル(メタ)アクリレート等があり、これらを
単独あるいは併用して用いることができる。ここでメチ
ル(メタ)アクリレートとは、メチルアクリレートある
いはメチルメタクリレートを示すものである。
【0016】B成分のグラフト共重合体を得る重合方法
としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状
重合法等の重合法が挙げられる。
【0017】本発明で用いるグラフト共重合体は、ゴム
状重合体10〜70重量部の存在下で、芳香族ビニル単
量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量体20〜5
0重量%及びこれらの単量体と共重合可能なビニル単量
体0〜20重量%からなる単量体混合物の30〜90重
量部を共重合したものであり、特に好ましい範囲はゴム
状重合体40〜60重量部の存在下で上記単量体混合物
40〜60重量部を共重合したものである。この範囲以
外では該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性または成形加工
性が劣り好ましくない。
【0018】本発明のC成分であるビニル系共重合体と
は、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びこ
れらの単量体と共重合可能なビニル単量体を共重合して
なる共重合体である。
【0019】C成分に使用される芳香族ビニル単量体、
シアン化ビニル単量体の例としては、前記のB成分に用
いられるものとして挙げたものと同様のものが用いられ
る。また、共重合可能なビニル単量体の例としては、前
記のB成分に用いられる単量体に加え、マレイミド系単
量体も好適に用いることができる。マレイミド系単量体
としては、N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフ
ェニルマレイミド、N−パラメトキシマレイミド、N−
2−クロロフェニルマレイミド等のN−アリールマレイ
ミド単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−
ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の
N−アルキルマイミド単量体等が挙げられ、特にN−フ
ェニルマレイミドが好ましい。
【0020】C成分のビニル系共重合体を得る重合方法
としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状
重合法及びそれらの組合せによる重合法が挙げられる。
【0021】本発明で用いられるC成分のビニル系共重
合体は、芳香族ビニル単量体45〜80重量%、シアン
化ビニル単量体0〜50重量%及びこれらの単量体と共
重合可能なビニル単量体0〜55重量%を共重合したも
のであり、この範囲以外では該熱可塑性樹脂組成物の耐
衝撃性に劣り、好ましくない。
【0022】本発明のD成分である共重合体とは、エポ
キシ基を有するビニル単量体または無水マレイン酸基を
有するビニル単量体、芳香族ビニル単量体、シアン化ビ
ニル単量体及びこれらの単量体と共重合可能なビニル単
量体を共重合してなる共重合体である。
【0023】エポキシ基を有するビニル単量体の例とし
ては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル等
が挙げられ、メタクリル酸グリシジルが最も好ましい。
【0024】無水マレイン酸基を有するビニル単量体の
例としては、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、
無水1,2−ジメチルマレイン酸、無水フェニルマレイ
ン酸等が挙げられる。
【0025】芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
体及びこれらの単量体と共重合可能なビニル単量体の例
としては、前記のC成分に用いられるとして挙げた単量
体と同様のものが用いられる。
【0026】本発明で用いられるD成分の共重合体は、
エポキシ基を有するビニル単量体0.5〜5重量%また
は無水マレイン酸基を有するビニル単量体1〜15重量
%、芳香族ビニル単量体45〜80重量%、シアン化ビ
ニル単量体0〜50重量%及びこれらの単量体と共重合
可能なビニル単量体0〜50重量%を共重合したもので
あり、この範囲以外では該熱可塑性樹脂組成物の相溶性
が不十分となり耐衝撃性に劣り、好ましくない。
【0027】本発明のE成分である無機充填材とは、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、ガラスビーズ、マイカ、タル
ク、チタン酸カリウム等を言い、広く一般的に用いられ
ているものを使用することができる。なかでもタルクを
好適に用いることが出来る。
【0028】本発明のF成分である耐候剤とは、紫外線
吸収剤、光安定剤等を言い、広く一般に用いられている
ものを使用することができる。特に紫外線吸収剤と光安
定剤を併用して使用することにより優れた耐候性を得る
ことができる。
【0029】紫外線吸収剤の具体例としては、2−(5
−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−[2−ヒドロキシ−3,5ビス(α,α−ジメ
チルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2’−エチルオキ
ザックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−
ブチル−2’−エチルオキザックアシッドビスアニリ
ド、2−ヒドロキシ−4−n−オクトオキシベンゾフェ
ノン等が挙げられる。
【0030】光安定剤の具体例としては、ビス(2,
2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−
ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[[6−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,
3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキ
サメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)イミノ]]、1−[2−[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジノーβ,β,β,β
−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの
縮合物等が挙げられる。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、A成分2
0〜50重量%、B成分20〜40重量%、C成分5〜
40重量%、D成分0.5〜10重量%、E成分〜2
0重量%及びF成分0.1〜10重量%からなることを
特徴とするものである。
【0032】A成分の配合量は20〜50重量%であ
り、好ましくは30〜45重量%である。A成分の配合
量が20重量%未満ではシボ転写性や外観に劣り、50
重量%を超える範囲では耐傷性、寸法安定性に劣るので
好ましくない。
【0033】B成分の配合量は20〜40重量%であ
り、好ましくは25〜35重量%である。B成分の配合
量が20重量%未満では耐衝撃性に劣り、40重量%を
超える範囲では耐候性、耐傷性に劣るので好ましくな
い。
【0034】C成分の配合量は5〜40重量%であり、
好ましくは10〜25重量%である。さらに好ましく
は、C成分の配合量のうち、N−フェニルマレイミド等
のマレイミド系単量体を共重合した共重合体を1〜15
重量%の範囲で用いることである。C成分の配合量が5
重量%未満では耐傷性に劣り、40重量%を超える範囲
では耐衝撃性に劣るので好ましくない。
【0035】D成分の配合量は0.5〜10重量%であ
り、好ましくは1〜8重量%である。D成分の配合量が
0.5重量%未満では耐衝撃性が不十分であり、10重
量%を超える範囲では、反応量が多くなるためにゲル化
を引き起こし易くなり、そのため成形加工性に劣り、ま
た表面外観が悪くなるために好ましくない。
【0036】E成分は、特に寸法安定性を付与するため
の用途に応じて使用するものであり、その配合量は5〜
20重量%である。E成分の配合量が20重量%を超え
る範囲では耐衝撃性の低下が大きいので好ましくない。
【0037】F成分の配合量は0.1〜10重量%であ
り、好ましくは0.5〜2重量%で、さらに好ましくは
1.0〜2重量%である。F成分の配合量が0.1重量
%未満では耐光性が不十分であり、10重量%を超える
範囲では耐熱性や耐衝撃性が低下するので好ましくな
い。
【0038】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応
じて難燃剤、着色剤、滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤及びその他の助剤を添加することもできる。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、種々の公
知の混合方法を用いることにより製造可能であり、例え
ば、各原料を予めタンブラーまたはヘンシェルミキサー
のような混合機で均一に混合して、一軸または二軸押出
機等に供給して溶融混練した後、ペレットとして調製す
る方法がある。このようにして得られた本発明の熱可塑
性樹脂組成物は、例えば、射出成形、圧縮成形及び押出
成形等の成形法により、所望の成形品に成形することが
可能である。
【0040】本発明による熱可塑性樹脂組成物は、優秀
な耐熱性、耐候性、耐衝撃性、耐傷性、シボ転写性及び
良好な外観性等の特性を有しているので、この熱可塑性
樹脂組成物を成形してなる自動車内装部品は、無塗装に
よる使用が可能であり、実用的に極めて優れたものであ
る。
【0041】この熱可塑性樹脂組成物を成形してなる自
動車内装部品の具体例としては、インストルメントパネ
ル、セフティパッド、メータークラスター、メーターク
ラスターリア、グラブドア、センタクラスター、インス
トフィニッシュ、スピーカーグリル、コンソールボック
ス、コンソールアッパー、コンソールドア、レジスター
グリル、ピラーガーニッシュ、ピラーアッパー、ルーフ
サイドレール、クオーターインナー、カウルサイドトリ
ム、ピラーロアガーニッシュ、アームレスト、アームレ
ストアッパー、ドアライニング、シートバックトリム、
バニティーミラー等が挙げられるが、特にこれらの品名
に制限されるものではなく、これらに相当する品名の部
品や類似の部品にも使用することができる。
【0042】また本発明による熱可塑性樹脂組成物は、
自動車内装部品以外にも各種電気部品等にも好ましい材
料として使用することができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。また、これらはいずれも例示的なものであっ
て、本発明の内容を限定するものではない。
【0044】実施例1〜4、参考例1〜6 下記のA〜F成分を表1及び表2に示す配合比にてヘン
シェルミキサーを用いて配合し、二軸押出機によりペレ
ット化した。このペレットを用い射出成形機で試験片を
作製して各物性評価を行った。各成分の配合比及び評価
結果を表1及び表2に示す。
【0045】比較例1〜11 下記のA〜F成分及びA成分の代替としてポリアミド樹
脂とポリカーボネート樹脂を用いて表3及び表4に示す
配合比にてヘンシェルミキサーを用いて配合し、二軸押
出機によりペレット化した。このペレットを用い射出成
形機で試験片を作製して各物性評価を行った。各成分の
配合比及び評価結果を表3及び表4に示す。
【0046】A成分:熱可塑性ポリエステル樹脂(A−
1) A−1:ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱化成
(株)製、商品名NOVADUR5020S、[η]=1.2)を使
用した。
【0047】B成分:グラフト共重合体(B−1)の製
造 B−1:撹拌機を備えたオートクレーブ中に、ポリブタ
ジエンラテックス100重量部(固形分50重量%、平均
粒径0.35μ、ゲル含有率90%)、ステアリン酸ソーダ1
重量部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.1重量部、テトラソジウムエチレンジアミンテトラ
アセチックアシッド0.03重量部、硫酸第1鉄0.0
03重量部及び水200重量部を温度65℃に加熱し、
これにアクリロニトリル30重量%及びスチレン70重
量%よりなる単量体混合物50重量部、t−ドデシルメ
ルカプタン0.3重量部及びキュメンハイドロパーオキ
サイド0.2重量部からなる混合物を4時間かけて連続
的に添加し、さらに添加終了後温度65℃で2時間重合
した。重合率は96%であった。得られたラテックスに
酸化防止剤を添加した後、塩化カルシウムで凝固し、水
洗、乾燥後白色粉末状のグラフト共重合体B−1を得
た。
【0048】C成分:ビニル系共重合体(C−1〜C−
2)の製造 C−1:撹拌機を備えたオートクレーブ中に、純水10
0重量部、第3リン酸カルシウム0.6重量部を加え、
つづいて撹拌状態でスチレン75重量部、アクリロニト
リル25重量部、ターシャリーブチルパーオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエート0.05重量部、タ
ーシャリーブチルパーオキシアセテート0.05重量
部、ターシャリードデシルメルカプタン0.35重量部
を加え、窒素ガスで15分間バブリング撹拌してから密閉
し、温度100℃に昇温して5時間重合を行った。次い
で温度120℃に上昇し2.5時間保持した後、冷却し
て,常法に従い中和、脱水及び乾燥して共重合体C−1
を得た。 C−2:撹拌機を備えたオートクレーブ中にスチレン5
5重量部、アクリロニトリル10重量部、メチルエチル
ケトン5重量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した
後、温度95℃に昇温し、N−フェニルマレイミド35
重量部とt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト0.05重量部とメチルエチルケトン100重量部か
らなる溶液を9時間かけて連続的に添加した。添加後温
度110℃まで昇温し、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート0.05重量部をさらに加えて1時間
加熱した。得られた反応溶液をベント付き40mm単軸押
出機に導入し、バレル温度300℃、真空度20Torrで
操作して、ペレット状の共重合体C−2を得た。
【0049】D成分:共重合体(D−1〜D−2) D−1:撹拌機を備えたオートクレーブ中に、純水10
0重量部、第3リン酸カルシウム0.3重量部を加え、
つづいて撹拌状態でスチレン74重量部、アクリロニト
リル25重量部、メタクリル酸グリシジル1重量部、半
減期1時間を得るための分解温度が82℃である2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を添加
し、窒素ガスで15分間バブリング撹拌してから密閉
し、温度80℃に昇温して7時間重合した後、冷却し
て、常法に従い中和、脱水及び乾燥して共重合体D−1
を得た。 D−2:撹拌機を備えたオートクレーブ中にスチレン5
0重量部、メチルエチルケトン5重量部を仕込み、系内
を窒素ガスで置換した後、温度95℃に昇温し、無水マ
レイン酸10重量部とN−フェニルマレイミド40重量
部とt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
0.1重量部とメチルエチルケトン110重量部からな
る溶液を7時間かけて連続的に添加した。添加後温度1
10℃まで昇温し、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート0.1重量部をさらに加えて1時間加熱し
た。得られた反応溶液をベント付き40mm単軸押出機に
導入し、バレル温度300℃、真空度20Torrで操作し
て、ペレット状の共重合体D−2を得た。
【0050】E成分:無機充填剤(E−1) E−1:タルク(日本タルク(株)製、商品名ミクロエ
ースP−4)を使用した。
【0051】F成分:耐候剤(F−1) F−1:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(旭電化
(株)製、商品名 LA−36)とヒンダードアミン系
光安定剤(旭電化(株)製、商品名 LA−63)を重
量比1:1で混合したものを用いた。
【0052】ポリアミド樹脂:6−ナイロン(東レ
(株)製、商品名 アミランCM1017)を使用し
た。 ポリカーボネート樹脂:ポリカーボネート(帝人化成
(株)製、商品名 パンライト L−1250)を使用
した。
【0053】各物性は、次に示す測定方法に準拠して求
めた。 (1)熱変形温度(HDT):ASTM D648 (厚み1/4"、
曲げ荷重455KPa) (2)耐候性:JIS B7751 に従いカーボンアーク灯式耐
候試験機にて1000時間光照射した後のプレートと照
射前のプレートとの色差(△E*)をJIS K7105に従っ
て次の3色について測定した。なお、以下のカラーNo.
はトヨタ自動車(株)で使用されているカラ−No. であ
る。 グレー(カラー No.101B)、ブラウン(カラー No.
417B) 、ブラック(カラー No.201B) (3)落錘強度:JIS K7211 に従い、質量1kgのなす形
重錘を用いて、50%破壊高さを測定した。 (4)鉛筆硬度:JIS K5401 に従い、荷重500g で鉛
筆硬度を測定した。なお、鉛筆硬度測定には、射出成形
したシボプレート(棚沢八光社製シボNo.TH115)を使用
した。 (5)シボ転写性:射出成形したシボプレート(棚沢八
光社製シボNo.TH115) の光沢度をJIS K7105 に従って測
定し、光沢度1.8未満を○、1.8以上2.5未満を
△、2.5以上を×で表示した。 (6)表面外観:射出成形した成形品(バニティーミラ
ー)の外観を目視によって判定した。表面外観の良いも
のは○、ウェルドやフローマーク等の不良現象の目立つ
ものは×で表示した。 (7)寸法安定性:フイルムゲートの角板(金型寸法:
縦127mm ×横127 mm×厚み2mm )を射出成形し、温度2
3℃相対湿度50%の標準状態の恒温室で、その角板を
デシケーターに入れ48時間保存後、流動方向に対して
垂直方向の寸法(A)を測定した。その後、温度110
℃の恒温槽中に48時間放置後、同じ位置の寸法(B)
を測定し、寸法AとBの寸法変化が1.1mm未満のもの
を○、1.1mm以上1.3mm未満のものを△、1.3mm
以上のものを×で表示した。なお、特に寸法AとBの寸
法変化が0.9mm未満のものを◎、また熱変形をおこし
た角板も×とした。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、優秀な
耐熱性、耐候性、耐衝撃性、耐傷性、シボ転写性及び良
好な外観性等の特性を有しているため、この熱可塑性樹
脂組成物を成形してなる自動車部品は、無塗装による使
用が可能であり、産業上の利用価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 55/02 C08L 55/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 25/08 - 25/14 C08L 51/04 C08L 55/02 C08L 67/00 - 67/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のA成分20〜50重量%、B成分
    20〜40重量%、C成分5〜40重量%、D成分0.
    5〜10重量%、E成分〜20重量%及びF成分0.
    1〜10重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂
    組成物。 A成分:芳香族ポリエステル樹脂、 B成分:ゴム状重合体10〜70重量部の存在下で、芳
    香族ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単
    量体20〜50重量%及びこれらの単量体と共重合可能
    なビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物の
    30〜90重量部を共重合してなるグラフト共重合体、 C成分:芳香族ビニル単量体45〜80重量%、シアン
    化ビニル単量体0〜50重量%及びこれらの単量体と共
    重合可能なビニル単量体0〜55重量%を共重合してな
    るビニル系共重合体、 D成分:エポキシ基を有するビニル単量体0.5〜5重
    量%または無水マレイン酸基を有するビニル単量体1〜
    15重量%、芳香族ビニル単量体45〜80重量%、シ
    アン化ビニル単量体0〜50重量%及びこれらの単量体
    と共重合可能なビニル単量体0〜50重量%を共重合し
    てなる共重合体、 E成分:無機充填材及び、 F成分:紫外線吸収剤と光安定剤を併用してなる耐候
    剤。
  2. 【請求項2】 C成分のビニル系共重合体としてマレイ
    ミド系単量体を共重合した共重合体を該熱可塑性樹脂組
    成物中1〜15重量%の範囲で用いた請求項1記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の熱可塑性
    樹脂組成物を用いた自動車内装部品。
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