JP3483610B2 - 折曲げ加工方法およびその装置 - Google Patents

折曲げ加工方法およびその装置

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JP3483610B2 JP06877394A JP6877394A JP3483610B2 JP 3483610 B2 JP3483610 B2 JP 3483610B2 JP 06877394 A JP06877394 A JP 06877394A JP 6877394 A JP6877394 A JP 6877394A JP 3483610 B2 JP3483610 B2 JP 3483610B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワークに折曲げ加工
を行う際、ワークを突き当てて位置決めを行うバックゲ
ージの動作を改良した折曲げ加工方法およびその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上下方向へ移動自在なラム(下部
テーブル)を作動せしめパンチとダイとの協働でワーク
に折曲げ加工を行う折曲げ加工装置としての例えばプレ
スブレーキが良く知られている。そして、このプレスブ
レーキにはワークを位置決めするバックゲージが備えら
れている。このバックゲージが前後(L軸),左右(Y
軸)および上下(Z軸)方向へ移動すると共に、バック
ゲージの突き当て部材とワークとが干渉しないプルバッ
ク機能を備えたものが、例えば特開昭63−2518号
公報などで知られている。
【0003】ワークに折曲げ加工を行う際の下部テーブ
ルの移動と、バックゲージのL軸,Y軸,Z軸の移動は
例えば図4に示されているような動きをしてワークに折
曲げ加工を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術において、図4に示されているような動きから理
解されるように、バックゲージのL軸,Y軸およびZ軸
が位置決め完了した後に、次のワークを加工すべく、下
部テーブルの上昇が可能となっている。このときのY
軸,Z軸の位置決め時間が長時間かかると作業者は待た
されることになる。位置決め時間を短時間で行う軸移動
機構の改造はコスト高となってしまう。
【0005】すなわち、バックゲージの左右,上下方向
の位置決めを待って次の加工を行うようにすると生産性
が上がらない。また、作業者もタイミングを取りにくく
疲れると共に作業リズムが乱れるといった問題があっ
た。
【0006】この発明の目的は、バックゲージの左右、
上下方向の位置決め開始をラムの動作中に行い、待たさ
れる時間を短縮し生産性の向上を図るとともに、作業者
のタイミングが取れやすくなり疲労度も軽減されるよう
にした折曲げ加工方法およびその装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の折曲げ加工方法は、前後方向、左右方向
および上下方向へ移動自在バックゲージに加工すべき
ワークを突き当てて位置決めを行った後、上下動自在な
ラムを作動させてパンチとダイとの協働でワークに折曲
げ加工を行う折曲げ加工方法において、前記折曲げ加工
のためラムが上昇または下降している動作中にバックゲ
ージを若干後退させたとき、バックゲージの前後方向移
動を停止させるとともに、次の折曲げ加工のためバック
ゲージを左右方向および上下方向へ移動開始させ、元の
位置へ復帰のためラムが下降または上昇を開始後に、次
の折曲げ加工のためバックゲージを前後方向へ移動開始
させるものである。
【0008】 この発明の折曲げ加工装置は、前後方向
(L軸)、左右方向(Y軸)および上下方向(Z軸)へ
移動自在なバックゲージに加工すべきワークに突き当て
て位置決めを行った後、上下方向(D軸)へ移動自在な
ラムを作動させてパンチとダイとの協働でワークに折曲
げ加工を行う折曲げ加工装置において、加工データに基
づき曲げプログラムを演算する曲げプログラム演算部
と、前記曲げプログラム演算部で演算された曲げプログ
ラムにより前記折曲げ加工のためラムが上昇または下降
している動作中にバックゲージを若干後退させたことを
検出するプルバック完了検出部と、前記プルバック完了
検出部からの信号により次の折曲げ加工のためバックゲ
ージをY軸,Z軸へ移動開始させるY軸制御部,Z軸制
御部と、元の位置へ復帰のためラムが下降または上昇を
開始後に、次の折曲げ加工のためバックゲージをL軸へ
移動開始させるL軸制御部と、を備えてなるものであ
る。
【0009】
【作用】以上のような折曲げ加工方法およびその装置を
採用することにより、ラムが作動してワークに折曲げ加
工を行っている間に、次の加工すべきワークの位置決め
を行うバックゲージが移動して位置決めされるから、待
たされる時間が短縮されて生産性の向上を図ることがで
きると共に、作業者のタイミングが取れやすくなり疲労
度も軽減させることができる。
【0010】
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基いて詳細
に説明する。
【0012】図3を参照するに、折曲げ加工装置として
の例えばプレスブレーキ1はサイドフレーム3R,3L
を備えており、このサイドフレーム3R,3Lの前側上
部には固定テーブルとしての上部テーブル5が設けられ
ていると共に、サイドフレーム3R,3Lの前側下部に
は例えば油圧シリンダなどにより上下方向(D軸)へ移
動自在なラムとしての下部テーブル7が設けられてい
る。
【0013】前記上部テーブル5の下部にはパンチPが
取付けられていると共に前記下部テーブル7の上部には
前記パンチPと対向してダイDが取付けられている。前
記サイドフレーム3Lにはブラケット9を介して制御装
置としてのNC装置11が設けられている。また、前記
サイドフレーム3Rと3Lとの間にはバックゲージ13
が設けられている。
【0014】このバックゲージ13は、前記下部テーブ
ル7の左右端付近に後方に突出した複数の支持体15を
備えている。そして、この支持体15はL軸用駆動モー
タ17によって駆動されるリードスクリュー19と、こ
れに平行なリニアモーションガイド21からなってい
る。このリードスクリュー19とリニアモーションガイ
ド21の上にはL軸方向(前後方向)へ移動自在な可動
台23が設けられている。この左右の可動台23間に
は、ストレッチ25が水平に渡してあり、Z軸用駆動モ
ータ27によりZ軸方向(上下方向)に調整自在となっ
ている。前記各可動台23はY軸駆動用モータ29によ
りY軸方向(左右方向)へ移動自在となっていると共
に、各可動台23には突き当て部材31が設けられてい
る。
【0015】上記構成により、各L軸用駆動モータ17
を駆動せしめることにより、各可動台23がL軸方向
(前後方向)へ移動される。また各Y軸用,Z軸用駆動
モータ29,27を駆動せしめると、各可動台23がそ
れぞれY軸方向(左右方向),Z軸方向(上下方向)へ
移動されることになる。
【0016】したがって、突き当て部材31をL軸,Y
軸およびZ軸方向へ移動せしめることによってワークの
突き当て位置が位置決めされ、この突き当て部材31に
ワークを突き当てることによりワークが位置決めされる
こととなる。
【0017】突き当て部材31にワークを突き当てて位
置決めさせた後、下部テーブル7を上下動せしめると、
パンチPとダイDとの協働でワークに折曲げ加工が行わ
れることになる。
【0018】前記NC装置11には図2に示されている
ように、バックゲージ制御部33が備えられている。こ
のバックゲージ制御部33には加工データファイル35
にファイルされた加工データを取り込んで曲げプログラ
ムを演算する曲げプログラム演算部37が設けられてい
る。この曲げプログラム演算部37に曲げ加工時のワー
クと突き当て部材31とが干渉しないように突当て部材
31を若干後退せしめたときのプルバック完了検出部3
9を介してL軸制御部41,Y軸制御部43およびZ軸
制御部45がそれぞれ接続されている。このL軸制御部
41,Y軸制御部43およびZ軸制御部45にはそれぞ
れL軸用駆動モータ17,Y軸用駆動モータ29および
Z軸用駆動モータ27が接続されている。
【0019】ワークに折曲げ加工を行う動作を図1に示
したタイムチャートを基にして説明すると、まずバック
ゲージ13の突き当て部材31が所望の位置に位置決め
されてこのバックゲージ13にワークの一辺が突き当て
られて位置決めされた状態にあるとする。
【0020】この状態において下部テーブル7を上昇せ
しめワークに曲げ加工を行っている動作中にL軸制御部
41でL軸用駆動モータ17を駆動せしめて、矢印Aで
示すごとく、突き当て部材31を若干後退せしめるプル
バック動作(ワークと突き当て部材31との干渉防止)
をtp 秒間行う。このプルバック動作の完了がプルバッ
ク完了検出部39で検出されると、矢印B,Cで示すご
とくこのプルバック完了検出部39からY軸制御部4
3,Z軸制御部45へ検出信号が送られる。
【0021】この検出信号をY軸制御部43,Z軸制御
部45よりY軸用駆動モータ29,Z軸用駆動モータ2
7が駆動されて次のワークを位置決めするためのY軸,
Z軸の移動が開始される。下部テーブル7が上昇して上
死点に達して加圧動作が行われた後、下部テーブル7の
下降が開始された後若干経過した時点で次のワークを位
置決めするためのL軸駆動モータ17が駆動されて、矢
印Dで示すごとく、L軸の移動が開始される。
【0022】下降テーブル7が下死点まで下降すると、
矢印Eで示すごとく、Y軸の移動が停止された後、矢印
F,Gで示すごとく、L軸,Z軸の移動が停止されて、
次のワークの位置決めを行う突き当て部材31の位置決
めが完了し待機位置で待機される。
【0023】このように、L軸,Y軸,Z軸の動作速度
を例えば30m/分,15m/分,0.6m/分とする
と、プルバックに要する時間は速く、また移動量も少な
い。またY軸は移動量が多く、Z軸は低速のためプルバ
ックを設定してもY軸,Z軸の移動開始を早めることに
より、次のサイクルの下部テーブル7の上昇を早く行う
ことができる。
【0024】したがって、次のワークの位置決めを行う
ために従来のY軸,Z軸の位置決めが完了する時間より
も短時間でY軸,Z軸の位置決めを行うことができ、待
たされる時間を短縮し生産性の向上を図ることができる
と共に作業者のタイミングが取れやすくなり疲労度も軽
減させることができる。
【0025】なお、この発明は、前述した実施例に限定
されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他
の態様で実施し得るものである。本実施例では上部テー
ブル5を固定テーブル,下部テーブル7をラムとした例
で説明したが、上部テーブル5をラム,下部テーブル7
を固定テーブルとして折曲げ加工を行うようにしてもよ
い。
【0026】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、この発明によれば、バックゲージの左右,上
下の位置決め開始をラムの動作中に行い、待たされる間
を短縮し生産性の向上を図ると共に、作業者のタイミン
グが取れやすくなり疲労度も軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の折曲げ加工方法の動作を示したタイ
ムチャートである。
【図2】この発明におけるバックゲージ制御部の構成ブ
ロック図である。
【図3】この発明を実施する一実施例の折曲げ加工装置
としてのプレスブレーキの斜視図である。
【図4】従来の折曲げ加工方法の動作を示したタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ(折曲げ加工装置) 5 上部テーブル(固定テーブル) 7 下部テーブル(ラム) 11 NC装置 13 バックゲージ 17 L軸用駆動モータ 27 Z軸用駆動モータ 29 Y軸用駆動モータ 31 突き当て部材 33 バックゲージ制御部 37 曲げプログラム演算部 39 プルバック完了検出部 41 L軸制御部 43 Y軸制御部 45 Z軸制御部 P パンチ D ダイ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向、左右方向および上下方向へ移
    動自在バックゲージに加工すべきワークを突き当てて
    位置決めを行った後、上下動自在なラムを作動させてパ
    ンチとダイとの協働でワークに折曲げ加工を行う折曲げ
    加工方法において、 前記折曲げ加工のため ラムが上昇または下降している動
    作中にバックゲージを若干後退させたとき、バックゲー
    ジの前後方向移動を停止させるとともに、次の折曲げ加
    工のためバックゲージを左右方向および上下方向へ移動
    開始させ、 元の位置へ復帰のためラムが下降または上昇を開始後
    に、次の折曲げ加工のためバックゲージを前後方向へ移
    動開始させる ことを特徴とする折曲げ加工方法。
  2. 【請求項2】 前後方向(L軸)、左右方向(Y軸)お
    よび上下方向(Z軸)へ移動自在なバックゲージに加工
    すべきワークに突き当てて位置決めを行った後、上下方
    向(D軸)へ移動自在なラムを作動させてパンチとダイ
    との協働でワークに折曲げ加工を行う折曲げ加工装置に
    おいて、 加工データに基づき曲げプログラムを演算する曲げプロ
    グラム演算部と、前記 曲げプログラム演算部で演算された曲げプログラム
    により前記折曲げ加工のためラムが上昇または下降して
    いる動作中にバックゲージを若干後退させたことを検出
    するプルバック完了検出部と、前記 プルバック完了検出部からの信号により次の折曲げ
    加工のためバックゲージをY軸,Z軸へ移動開始させ
    Y軸制御部,Z軸制御部と、元の位置へ復帰のためラムが下降または上昇を開始後
    に、次の折曲げ加工のため バックゲージをL軸へ移動
    始させるL軸制御部と、 を備えてなることを特徴とする折曲げ加工装置。
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