JP3483552B2 - 新規時計遺伝子プロモーター - Google Patents

新規時計遺伝子プロモーター

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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、体内時計遺伝子のプロモーター、前記プロ
モーター及びレポーター遺伝子を含むコンストラクト、
前記コンストラクトを含む細胞、前記コンストラクトを
組み込んだトランスジェニック動物、並びに体内時計遺
伝子の発現及び/または発現振動を制御する物質のスク
リーニング方法に関する。 背景技術 多くの生物が約24時間の概日リズムを生みだす機構
を体内に有することが知られている(文献1)。哺乳類
において、概日リズム発振機構は、睡眠覚醒リズム、血
圧、体温、及び一部のホルモン分泌リズムを制御してい
る(文献2,文献3)。概日リズムに起因する疾患とし
て、睡眠覚醒リズム障害(DSPS、非24時間行動)、季
節性うつ病、時差症候群(JET−LAG)、昼夜交代勤務労
働者における睡眠障害、痴呆老人にみられる夜間徘徊、
及びせん妄などが報告されている(文献4〜文献7)。
更に、社会問題となっている不登校又は不出社の一部
は、概日リズム障害に起因するとの報告がある(文献
8)。高齢化と社会構造のグローバル化が進むことによ
り、今後リズム障害患者の増加が予想されるが、確実な
リズム障害改善薬が存在しないのが実状である。一方、
早朝に5000ルクス程度の光を数時間見続けることを
含む高照度光療法は、痴呆老人の夜間徘徊、せん妄、あ
るいはDSPSなどのリズム障害の症状に対し、良好な治療
療効果を示すとの報告がある(文献6,文献7,文献9
〜文献12)。しかしながら、高ルクスの光源の前に長
時間にわたって拘束される高照度光療法は、患者とその
介護者にとって苦痛あるいは負担であることから、この
光療法を代替する薬剤への期待は高い。 組織破壊及び組織移植実験から、哺乳類のリズムセン
ターは視交叉上核(SCN)に存在することが1972年
に明らかにされた(文献13,文献14)。しかし、リ
ズム発振の分子メカニズムについては近年まで不明であ
った(文献15)。一方、遺伝学的手法からショウジョ
ウバエのリズム変異体[ピリオド(Period)変異体]が
作出され、続いて、ショウジョウバエのピリオド遺伝子
がクローニングされた(文献16,文献17)。ショウ
ジョウバエにおいて、翻訳されたピリオドタンパク質
(PERIOD)は核内へ移行し、自身の発現転写を抑制する
こと(ネガティブフィードバック機構)によって、約2
4時間の発現振動が達成されており、これによって最終
的に概日リズム表現型(行動、羽化)が現われると考え
られている(文献18,文献19)。一方、哺乳類にお
いては、1997年に、ショウジョウバエピリオド遺伝
子のホモログとして、ヒト及びマウスのピリオド1遺伝
子(Period1;Per1)がそれぞれクローニングされた
(文献20,文献21)。その後、マウスのピリオド2
遺伝子(Period2;Per2)(文献22,文献23)及
びマウスのピリオド3遺伝子(Period3;Per3)(文
献24,文献25)がクローニングされた。この他、哺
乳類時計遺伝子として、マウスのクロック遺伝子(Cloc
k)(文献26)及びマウスのビーマル1遺伝子(Bmal
1)(文献27)が報告されている。このようにリズム
発振機構について、現在は分子レベルでの理解が可能で
ある。実際に、クロック遺伝子、ビーマル1遺伝子が時
計遺伝子の概日振動に重要であること(文献44、文献
45)、クロック遺伝子でコードされるタンパク質、ビ
ーマル1遺伝子でコードされるタンパク質は時計遺伝子
のCACGTG型E-boxに結合し、該時計遺伝子の転写を活性
化すること、即ち、クロック、ビーマル1による転写活
性化にはCACGTG型E-box配列が必須であること(文献2
7)が明らかにされている。 2000年に、マウスの時計遺伝子であるピリオド1
遺伝子(mPer1)の上流配列をルシフェラーゼ遺伝子に
つないだDNAをラットに導入したトランスジェニックラ
ット(mPer1:lucトランスジェニックラット)が報告
された(文献28)。極微弱発光計数装置(フォトマ
ル)を用いてルシフェラーゼ活性をリアルタイムに測定
することで、視交叉上核のみならず、体の末梢組織でも
またピリオド1が発現振動していることが報告されてい
る(文献28)。また、ピリオド1遺伝子の上流配列を
ルシフェラーゼ遺伝子につないだDNAをラットに導入し
たトランスジェニックマウス(mPer1:lucトランスジ
ェニックマウス)についても同様の結果が報告されてい
る(文献43)。 ピリオド遺伝子の3つのホモログのうち、ピリオド2
遺伝子は人為的遺伝子変異マウスにおいて概日リズムが
消失することから、リズム発振に重要な役割を持つこと
が示唆されている(文献29)。また、体内リズム疾患
の一つである睡眠相前進症候群(ASPS)を示す1家系の
原因はピリオド2遺伝子の点突然変異であることが報告
された(文献30)。このようにピリオド2遺伝子は遺
伝子変異マウスがリズム異常を示すだけでなく、ヒトの
リズム疾患にも関与することまで証明された遺伝子であ
る。 ピリオド2遺伝子の上流領域に関する唯一の報告は、
マウス配列についてのWO01/07654であり、当
該特許には、マウスのピリオド2転写制御配列と定義し
てDNA配列が記載され、Per2制御配列−レポーター遺伝
子を含む細胞を供給、試験化合物を導入、レポーター遺
伝子の転写をアッセイすることからなるピリオド2転写
阻害化合物を同定する方法について述べられている。し
かしながら、マウスピリオド2転写制御配列と記載され
ている前記DNA配列を現実に取得したという具体的な実
施例はなく、取得できるように記載されてもいない。ま
た、転写開始点を決定した、あるいは転写活性を測定し
たという具体的な実施例もない。更に、開示されたDNA
配列には塩基が特定できていない箇所があり、ピリオド
2遺伝子の上流配列に関する配列情報は具体的に開示さ
れていなかった。 なお、ピリオド1遺伝子上流配列の解析については数
々の報告があるが、ピリオド1とピリオド2は染色体上
の位置も異なり、共通する特徴的な配列もないので、ピ
リオド2プロモーター配列を推定する情報とはならなか
った。 体内時計遺伝子の発現を制御することを作用機序とす
る、リズム障害改善薬として有用な物質を得るためのス
クリーニングに用いるツール、及び、体内時計遺伝子の
発現を制御する物質のスクリーニング方法が待望されて
いる。 発明の開示 本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ヒトピリオド
2遺伝子の転写活性を制御する領域であり、発現振動に
寄与する領域であるヒトピリオド2遺伝子プロモーター
配列を初めて決定し、前記プロモーター及びレポーター
遺伝子を含むコンストラクト、並びに前記コンストラク
トを含む細胞を取得した。また、マウスピリオド2遺伝
子プロモーター配列を決定し、前記プロモーター及びレ
ポーター遺伝子を含むコンストラクト、並びに前記コン
ストラクトを含む細胞を取得した。更に、前記コンスト
ラクトを組み込んだトランスジェニック動物を作製し
た。次いで、マウスに由来する本発明のピリオド2プロ
モーターにはCACGTG型E−box配列が含まれていないにも
関わらず、意外にも、マウスビーマル1遺伝子でコード
されるタンパク質とマウスクロック遺伝子でコードされ
るタンパク質とからなるヘテロダイマー(BMAL1/CLOCK
ヘテロダイマー)によりピリオド2遺伝子が転写活性化
および発現振動することを見出した。また、本遺伝子プ
ロモーター活性を簡便に検出することができる系を構築
した。この結果、ピリオド2遺伝子プロモーター、該プ
ロモーター及びレポーター遺伝子を含むコンストラク
ト、前記コンストラクトを含む細胞、並びに前記コンス
トラクトを組み込んだトランスジェニック動物を、体内
時計遺伝子の発現及び/又は発現振動を制御する物質で
あるリズム障害改善薬をスクリーニングするために有用
なツールとして提供し、また、簡便なリズム障害改善薬
スクリーニング方法を提供し、本発明を完成した。な
お、本明細書中、コンストラクトとは、目的となる機能
を有するようにDNAを組み合わせて構築したDNAからなる
構築物をいう。 ピリオド遺伝子のホモログの一つであるマウスピリオ
ド1遺伝子の第一エクソンの上流には5箇所のCACGTG型
E-boxが存在しており、基本転写活性領域は、これら5
箇所のCACGTG型E-boxを含まない第一エクソン周辺配列
と第一イントロン中のヒト・マウス間で保存されている
領域にある。BMAL1/CLOCKヘテロダイマーはCACGTG型E-b
oxに結合してマウスピリオド1遺伝子の転写を活性化す
るが、CACGTG型E-boxを含まない基本転写活性領域は、B
MAL1/CLOCKヘテロダイマーによる転写活性を殆んど増強
しない(文献27)。また、マウスピリオド1遺伝子の
5箇所のCACGTG型E-boxに変異を入れると、基本転写活
性と同程度の転写活性になる(文献34)。これらのこ
とから、BMAL1/CLOCKヘテロダイマーはCACGTG型E-boxを
介してマウスピリオド1遺伝子の転写活性化を引き起こ
すと考えられている。一方、ビーマル1ノックアウトマ
ウスでは、恒暗条件下でピリオド1及びピリオド2遺伝
子の概日振動が消失することが報告され(文献44)、
クロック遺伝子のミュータントマウスは、恒暗条件下で
ピリオド1及びピリオド2遺伝子の概日振動が極度に減
弱することが報告されている(文献45)。即ち、ビー
マル1及びクロックが振動に重要であることが明らかと
なっている。これらのことからすると、前記WO01/
07654でマウスのピリオド2転写制御配列と定義さ
れたDNA配列(即ち、本発明のDNA塩基配列である配列番
号1で表される塩基配列の第4415番目〜第7931
番目の塩基からなる配列の一部(第6050番目〜77
61番目)に相当するが、数箇所において配列が不一致
である配列)はCACGTG型E-boxを含んでいないため、単
なる基本転写活性領域を示しているにすぎない。また同
様にCACGTG型E-boxを含まない本発明のピリオド2遺伝
子のDNAが、BMAL1/CLOCKヘテロダイマーによる転写活性
増強を示すとは考えられず、更には、発現振動に寄与す
るとは予想もされなかった。しかしながら、意外にも、
CACGTG型E-boxを含まない本発明のDNAがBMAL1/CLOCKヘ
テロダイマーによる転写活性増強を示し、更には発現振
動に寄与すること、すなわち発現振動に必須な領域であ
ることを見出し、発現振動を測定する簡便な系を構築し
た。即ち、CACGTG型E-boxを含むマウスピリオド2遺伝
子配列(即ち本明細書のpCH1)よりも、本発明のピリオ
ド2プロモーターの方が高い活性を示したことから、本
発明のDNAを用いることにより、より検出の容易な系が
構築でき、より有用なリズム改善薬を得る方法を提供
し、本発明を完成した。 即ち本発明は、 [1]ベーサルのプロモーター活性を保持し、かつBMAL1/
CLOCKヘテロダイマーにより転写活性化されるプロモー
ター活性を示す、下記(a)、(b)、(c)、
(d)、又は(e)に記載の塩基配列を含むDNA、 (a)配列番号1で表される塩基配列における第746
3番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (b)配列番号1で表される塩基配列における第641
7番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (c)配列番号1で表される塩基配列における第524
9番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (d)配列番号1で表される塩基配列における第441
5番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (e)配列番号2で表される塩基配列における第382
0番目〜第6068番目の塩基からなる配列。 [2] [1]の(a)、(b)、(c)、(d)、又は
(e)に記載の塩基配列からなるDNA、 [3] [1]または[2]に記載のDNAとレポーター遺伝子と
を含むコンストラクト、 [4] [3]に記載のコンストラクトを含む細胞、 [5] [4]に記載の細胞と被検物質とを接触させる工
程、及び レポーター活性を測定する工程 を含むことを特徴とする、ピリオド2遺伝子の発現を制
御する物質のスクリーニング法、 [6] [3]に記載のコンストラクトを導入したトランス
ジェニック動物、 [7]前記動物がラットである[6]に記載のトランスジェ
ニック動物、 [8] [4]に記載の細胞、あるいは[6]または[7]に記
載のトランスジェニック動物の視交叉上核切片若しくは
末梢組織に被検物質を作用させる工程、及び 発現振動を測定する工程 を含むことを特徴とする、ピリオド2遺伝子の発現及び
/又は発現振動を制御する物質のスクリーニング法、 [9] [6]又は[7]に記載のトランスジェニック動物に
被検物質を投与し、前記動物の視交叉上核の発現振動を
測定する工程 を含むことを特徴とする、ピリオド2遺伝子の発現及び
/又は発現振動を制御する物質のスクリーニング法、 [10]ピリオド2遺伝子の発現及び/又は発現振動を制
御する物質が、リズム障害改善用である、[5]、[8]、
又は[9]のいずれか一項に記載のスクリーニング法 に関する。 図面の簡単な説明 図1は、マウスピリオド2遺伝子及びヒトピリオド2遺
伝子(hPer2)上流を比較した結果を示すグラフであ
る。 図2は、マウスとヒトとの間で高度に保存されている6
つの領域の塩基配列を示す説明図である。 図3は、マウスピリオド2遺伝子上流領域のベーサルの
プロモーター活性を示すグラフである。 図4は、マウスピリオド2遺伝子上流領域を含むベクタ
ーpCH3に対する、転写因子BMAL1/CLOCKヘテロダイマー
の作用を示すグラフである。 図5は、測定開始から10日間にわたる視交叉上核切片
における自動発光測定の結果を示すグラフである。 図6は、図5に示すグラフを、縦軸方向にのみ拡大し、
その一部を示すグラフである。 図7は、測定開始から10日間にわたる肝臓片における
自動発光測定の結果を示すグラフである。 図8は、測定開始から10日間にわたる肺片における自
動発光測定の結果を示すグラフである。 図9は、測定開始から10日間にわたる眼球における自
動発光測定の結果を示すグラフである。 図10は、測定開始から4日間にわたるpCH3導入培養細
胞における自動発光測定の結果を示すグラフである。 図11は、測定開始から5日間にわたるpTM15導入培養
細胞における自動発光測定の結果を示すグラフである。 図12は、マウスピリオド2遺伝子上流領域のベーサル
活性、及び同領域を含むベクターに対する転写因子BMAL
1/CLOCKヘテロダイマーの作用を示すグラフである。 図13は、測定開始から6日間にわたるpCH3-D3導入培
養細胞における自動発光測定の結果を示すグラフであ
る。 発明を実施するための最良の形態 以下、本発明を詳細に説明する。 [本発明のDNA] 本発明のDNAは、(a)配列番号1で表される塩基配
列における第7463番目〜第7931番目の塩基から
なる配列、(b)配列番号1で表される塩基配列におけ
る第6417番目〜第7931番目の塩基からなる配
列、(c)配列番号1で表される塩基配列における第5
249番目〜第7931番目の塩基からなる配列、
(d)配列番号1で表される塩基配列における第441
5番目〜第7931番目の塩基からなる配列、又は、
(e)配列番号2で表される塩基配列における第382
0番目〜第6068番目の塩基からなる配列を含み、ピ
リオド2遺伝子プロモーター活性を示す。 本明細書において「ピリオド2遺伝子プロモーター活
性」とは、配列番号1で表される塩基配列における第4
415番目〜第7931番目の塩基からなる配列からな
るDNAとしてのベーサルのプロモーター活性が少なくと
も保持されており(すなわち、配列番号1で表される塩
基配列における第4415番目〜第7931番目の塩基
からなる配列からなるDNAのベーサルなプロモータ活性
の少なくとも50%の活性を有しており、好ましくはDN
Aのベーサルなプロモータ活性と実質的に同じである
か、あるいは、優れており)、しかも、BMAL1/CLOCKヘ
テロダイマーにより、転写活性化される(即ち発現振動
に寄与する)プロモーター活性を意味する。 ここで、「ベーサルのプロモーター活性」とは、何も
刺激しない状態で所定時間(例えば、48時間)経過し
たときのプロモーター活性を意味し、「何も刺激しない
状態」とは、具体的には、実施例3に示すように、BMAL
1/CLOCKヘテロダイマー不在下の状態を意味する。ま
た、前記「BMAL1/CLOCKヘテロダイマー」は、ピリオド
1遺伝子、ピリオド2遺伝子、及びピリオド3遺伝子の
各転写を制御する転写因子である。 あるDNAが「ピリオド2遺伝子プロモーター活性」を
示すか否かの判定方法は、特に限定されるものではない
が、例えば、実施例3に示すように、BMAL1/CLOCKヘテ
ロダイマー不在下の状態でベーサルのプロモーター活性
を測定することにより、配列番号1で表される塩基配列
における第4415番目〜第7931番目の塩基からな
る配列からなるDNAのプロモータ活性と実質的に同じで
あるか、あるいは、優れていることを確認し、更に、実
施例3に記載の条件下で、用量依存的なBMAL1/CLOCKヘ
テロダイマーによる転写活性化を示すか否かを確認する
ことにより、判定することができる。 本発明の好ましいDNAとしては、例えば、配列番号1
で表される塩基配列における第7463番目〜第793
1番目の塩基からなる配列、配列番号1で表される塩基
配列における第6417番目〜第7931番目の塩基か
らなる配列、配列番号1で表される塩基配列における第
5249番目〜第7931番目の塩基からなる配列、配
列番号1で表される塩基配列における第4415番目〜
第7931番目の塩基からなる配列からなるDNA、又は
配列番号2で表される塩基配列における第3820番目
〜第6068番目の塩基からなる配列からなるDNAなど
を挙げることができるが、配列番号1で表される塩基配
列における第7463番目〜第7931番目の塩基から
なる配列、配列番号1で表される塩基配列における第6
417番目〜第7931番目の塩基からなる配列、配列
番号1で表される塩基配列における第5249番目〜第
7931番目の塩基からなる配列、配列番号1で表され
る塩基配列における第4415番目〜第7931番目の
塩基からなる配列からなるDNA、又は配列番号2で表さ
れる塩基配列における第3820番目〜第6068番目
の塩基からなる配列を含み、ピリオド2遺伝子プロモー
ター活性を示すDNAであれば本発明のDNAに含まれる。 配列番号1で表される塩基配列における第4415番
目〜第7931番目の塩基からなる配列は、後述の実施
例1に示すように、マウスピリオド2の上流領域であ
り、また、後述の実施例3に示すように、ピリオド2遺
伝子プロモーター活性を示す。 配列番号2で表される塩基配列における第3820番
目〜第6068番目の塩基からなる配列からなるDNA
は、後述の実施例1に示すように、ヒトピリオド2の上
流領域である。マウス遺伝子の実験結果(後述の実施例
1及び実施例3)から、マウスのプロモーター活性を示
したDNA(すなわち、配列番号1で表される塩基配列に
おける第4415番目〜第7931番目の塩基からなる
配列からなるDNA)は、ヒト/マウス間の7つの保存領
域の内、第一イントロン側の保存領域(IV、V、VI
及びVII)を除いたDNAであることが判明した。従っ
て、ヒト/マウス間の7つの保存領域の内、第一イント
ロン側の保存領域(IV、V、VI及びVII)を除い
たDNAに対応するヒトのDNA、すなわち、配列番号2で表
される塩基配列における第3820番目〜第6068番
目の塩基からなる配列からなるDNAも、ピリオド2遺伝
子プロモーター活性を有すると考えられる。 本発明のDNAは、特に限定されるものではないが、例
えば、(1)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を利用す
ることにより、あるいは、(2)ファージライブラリー
をスクリーニングすることにより、調製することができ
る。 (1)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法 PCR法を利用して本発明のDNAを調製する場合には、ま
ず、配列番号1又は2で表される各塩基配列の情報に基
づいて、本発明のDNAを増幅することのできるプライマ
ーセットを設計する。 マウスピリオド2遺伝子プロモーターである、配列番
号1で表される塩基配列における第4415番目〜第7
931番目の塩基からなる配列を含む本発明のDNAの場
合には、配列番号1で表される塩基配列の情報に基づい
て、配列番号1で表される塩基配列における第4415
番目〜第7931番目の塩基からなる配列を含むが、保
存領域IV(第8534番目)以降を含まないように、
増幅するプライマーセットを設計する。また、ヒトピリ
オド2遺伝子プロモーターである、配列番号2で表され
る塩基配列における第3820番目〜第6068番目の
塩基からなる配列を含む本発明のDNAの場合には、配列
番号2で表される塩基配列の情報に基づいて、配列番号
2で表される塩基配列における第3820番目〜第60
68番目の塩基からなる配列を含むが、保存領域IV
(第6531番目)以降を含まないように、増幅するプ
ライマーセットを設計する。 設計した前記プライマーセットと、鋳型であるゲノム
DNAとを用いてPCRを実施することにより、本発明のDNA
を得ることができる。 (2)ファージライブラリースクリーニング法 ファージライブラリー(例えば、Maniatis, T.
ら,”Molecular Cloning−A Laboratory Manua
l”,Cold Spring Harbor Laboratory, NY, 1982)
をスクリーニングすることにより本明のDNAを調製する
場合には、まず、配列番号1又は2で表される各塩基配
列の情報に基づいて、本発明のDNAを含むファージクロ
ーンをスクリーニングすることのできるプローブを設計
する。 マウスピリオド2遺伝子プロモーターである、配列番
号1で表される塩基配列における第4415番目〜第7
931番目の塩基からなる配列を含む本発明のDNAの場
合には、配列番号1で表される塩基配列における第44
15番目〜第7931番目の塩基からなる配列の情報に
基づいて、プローブを設計する。また、ヒトピリオド2
遺伝子プロモーターである、配列番号2で表される塩基
配列における第3820番目〜第6068番目の塩基か
らなる配列を含む本発明のDNAの場合には、配列番号2
で表される塩基配列における第3820番目〜第606
8番目の塩基からなる配列の情報に基づいて、プローブ
を設計する。 設計した前記プローブを使用して、ファージライブラ
リーをスクリーニングすることにより、本発明のDNAを
含むファージクローンを得ることができる。得られたフ
ァージクローンを、適当な制限酵素で処理した後、適当
な精製手段(例えば、アガロースゲル電気泳動法)を用
いて所望のDNA断片を精製することにより、本発明のDNA
を得ることができる。 [本発明のコンストラクト及び細胞] 本発明のコンストラクトは、本発明のDNAとレポータ
ー遺伝子とを含む。前記レポーター遺伝子としては、細
胞内において遺伝子発現の指標として使用することので
きる公知のレポータータンパク質をコードする遺伝子を
用いることができる。前記レポータータンパク質として
は、例えば、ルシフェラーゼ、分泌型アルカリホスファ
ターゼ(SEAP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、クロラ
ムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、
β−グルクロニダーゼ(GUS)、β−D−ガラクトシダー
ゼ、又はエクオリンなどを挙げることができる。本発明
のコンストラクトにおいては、レポーター遺伝子とし
て、ルシフェラーゼ遺伝子を用いることが好ましい。 本発明のコンストラクトでは、本発明のDNAの下流で
あって、しかも、本発明のDNAのプロモーター活性の調
節下にあるように、レポーター遺伝子を配置する限り、
本発明のDNA及びレポーター遺伝子の配置位置は限定さ
れるものではない。また、本発明のコンストラクトは、
本発明のDNAとレポーター遺伝子とを少なくとも含む限
り、特に限定されるものではないが、ベクター領域を更
に含むことが好ましい。 本発明のコンストラクトは、特に限定されるものでは
ないが、本発明のDNA及びレポーター遺伝子に加え、ベ
クター領域を更に含む本発明のコンストラクトは、例え
ば、本発明のDNAを適当なレポーターベクター(すなわ
ち、レポーター遺伝子を含むベクター)のマルチクロー
ニングサイトに導入することにより調製することができ
る。前記レポーターベクターとしては、例えば、ルシフ
ェラーゼをコードする遺伝子を含むベクターpGL3−bas
ic(プロメガ社)、SEAPをコードする遺伝子を含むベク
ターpSEP2−basicベクター(クロンテック社)、ある
いは、GFPの不安定型をコードする遺伝子を含むベクタ
ーpd1EGFP(クロンテック社)を挙げることができる。 より具体的には、PCR法を利用して得られた本発明のD
NAを、レポーターベクターのマルチクローニングサイト
に導入することにより、本発明のコンストラクトを調製
することができる。 あるいは、ファージライブラリーをスクリーニングす
ることにより得られたファージクローンを、適当な制限
酵素で処理した後、適当な精製手段(例えば、アガロー
スゲル電気泳動法)を用いて精製した本発明のDNAを、
所望に応じて平滑末端化した後、レポーターベクターの
マルチクローニングサイトに導入することにより、本発
明のコンストラクトを調製することができる。例えば、
ヒトピリオド2遺伝子プロモーターである、配列番号2
で表される塩基配列における第3820番目〜第606
8番目の塩基からなる配列を含むファージクローンの場
合には、そのファージクローンを適当な制限酵素(例え
ば、第3513番目の位置で切断する制限酵素Aor51HI
と、第6447番目の位置で切断する制限酵素PshBIと
の組み合わせ)で処理した後、適当な精製手段(例え
ば、アガロースゲル電気泳動法)を用いて精製すること
により、2935bpのDNA断片を取得し、このDNA断片を
平滑末端化した後、レポーターベクターのマルチクロー
ニングサイトに導入することにより、ヒトピリオド2遺
伝子プロモーターを含む本発明のコンストラクトを調製
することができる。本発明のDNAを含むデリーションコ
ンストラクトは、例えば、上記手段で得た本発明のDNA
のうち、より長いDNAを適当な制限酵素で処理した後、
適当な精製手段を用いて精製することにより、所望のDN
A断片を取得し、セルフライゲーションすることにより
得ることができる。より具体的には実施例10に記載の
方法により得ることができる。 本発明の細胞は、本発明のコンストラクトを含む。本
発明の細胞は、特に限定されるものではないが、適当な
宿主細胞(好ましくは真核生物)を、本発明のコンスト
ラクト(好ましくは、本発明のDNA及びレポーター遺伝
子に加え、ベクター領域を更に含む本発明のコンストラ
クト)で形質転換することにより、調製することができ
る。 真核生物の宿主細胞には、脊椎動物、昆虫、及び酵母
等の細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、例えば、マ
ウスNIH3T3細胞、サルCOS細胞(文献37)、チャイニ
ーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)のジヒドロ葉酸レダ
クターゼ欠損株(文献38)、マウスL細胞、マウスA9
細胞、又はサルBS-C-1細胞などを挙げることができ、マ
ウスNIH3T3細胞を用いることが好ましい。 本発明のコンストラクトは、例えば、DEAE−デキスト
ラン法(文献39)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法
(文献40)、市販のトランスフェクション試薬[例え
ば、リポフェクタミン2000(GIBCO−BRL社)、FuGE
NETM6 Transfection Reagent(Roche Diagnostics
社)]を用いた方法、あるいは、電気パスル穿孔法(文
献41)等により、宿主細胞に取り込ませることができ
る。 本発明の細胞は、常法に従って培養することができ
る。前記培養に用いることのできる培地としては、採用
した宿主細胞に応じて慣用される各種の培地を適宜選択
することができる。例えば、NIH3T3細胞の場合には、DM
EM(Dulbecco' s modified Eagle' s miedium)に、
グルコース(最終濃度=4.5g/L)と子ウシ血清(最終濃
度=10%)とを加えた培地を使用することができる。 [本発明のトランスジェニック動物] 本発明のトランスジェニック動物は、本発明のコンス
トラクトが導入されている限り、特に限定されるもので
はないが、例えば、導入するDNAとして、本発明のコン
ストラクトを使用すること以外は、従来公知の方法(例
えば、文献35)に基づいて作製することができる。具
体的には、例えば、後述の実施例4に記載の手順に基づ
いて作製することができる。 なお、本明細書において「動物」とは、ヒトを除く動
物(すなわち、非ヒト動物)を意味し、例えば、ヒトを
除く哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌ、ネコ、
サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、イルカ、又
はウマ)、鳥類(例えば、ニワトリ又はウズラ)、両生
類(例えば、カエル)、爬虫類、又は昆虫(例えば、シ
ョウジョウバエ)などを挙げることができるが、ラット
又はマウスが好ましく、特にはラットが好ましい。 [本発明のスクリーニング方法] 本発明のスクリーニング法では、本発明の細胞、本発
明のトランスジェニック動物の視交叉上核切片又は末梢
組織、あるいは、本発明のトランスジェニック動物それ
自体を用いて実施することができる。スクリーニングに
使用する被検物質としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、市販の化合物(ペプチドを含む)、ケミ
カルファイルに登録されている種々の公知化合物(ペプ
チドを含む)、コンビナトリアル・ケミストリー技術
(文献31)によって得られた化合物群、微生物の培養
上清、植物や海洋生物由来の天然成分、動物組織抽出
物、あるいは、本発明のスクリーニング法により選択さ
れた化合物(ペプチドを含む)を化学的又は生物学的に
修飾した化合物(ペプチドを含む)を挙げることができ
る。 本発明の細胞を用いる本発明のスクリーニング法で
は、本発明の細胞と被検物質とを接触させ、レポーター
活性を測定(すなわち、レポーターアッセイ)すること
により、ピリオド2遺伝子の発現を制御する物質、すな
わち、転写活性を修飾する物質を選択することができ
る。 本発明の細胞と被検物質とを接触させる場合には、コ
ンストラクトを一時的あるいは安定的に導入された細胞
を調製し、薬物(即ち被検物質)刺激を行なう。薬物
(即ち被検物質)刺激から一定時間後にレポーターアッ
セイを行なうことでピリオド2遺伝子の発現制御を可能
とする物質をスクリーニングすることができる。 レポーターアッセイは、使用するレポータータンパク
質の種類に応じて、公知のアッセイ方法により実施する
ことができる。例えば、レポータータンパク質としてホ
タルルシフェラーゼを使用する場合には、その基質とし
て、化学発光基質ルシフェリンを用いることができ、シ
ーパンジー(sea pansy)ルシフェラーゼを使用する場
合には、その基質として、化学発光基質セランテラジン
を用いることができる。また、SEAPを使用する場合に
は、その基質として、化学発光基質CSPD[disodium 3-
(4-methoxyspiro(1,2-dioxetane-3,2‘−(5’-chol
oro)tricyclo[3.3.1.13.7]decan)-4-yI)phenyl p
hosphate]又は蛍光基質MUP(4-methylunbelliferyl p
hosphate)を用いることができる。レポーターアッセイ
としては、ルシフェラーゼアッセイが好ましく、ルシフ
ェラーゼアッセイは、好ましくは、後述の実施例3に記
載の条件で実施することができる。 ピリオド2遺伝子の発現を促進する物質及び抑制する
物質のいずれもが、リズム障害改善薬として有用であ
り、ピリオド2遺伝子の発現を抑制する物質をスクリー
ニングするためには、BMAL1/CLOCKヘテロダイマーのよ
うな公知のピリオド2遺伝子の転写活性化因子共存下で
アッセイを行なうことにより、スクリーニングが可能で
ある。昼の同調因子は、ピリオド2遺伝子の転写を促進
する又は転写阻害を解除する(結果的に転写促進)よう
な性質を持ち、昼に作用させるとリズムを同調させるこ
とができ、夜に作用させると位相変位をおこす。また、
夜の同調因子は、ピリオド遺伝子の転写を抑制する、又
は、転写促進を解除する(結果的に転写を抑制)ような
性質を持ち、夜に作用させるとリズムを同調させること
ができ、昼に作用させると、位相変位を起こすことを確
認している。従って、ピリオド2遺伝子の転写を促進す
る薬物であれば昼に飲めば、リズムを同調させることが
でき、逆に、ピリオド2の転写を抑制する薬物であれば
夜に飲めば、リズムを同調させることができる。 本発明の細胞、又はトランスジェニック動物の視交叉
上核切片若しくは末梢組織を用いる本発明のスクリーニ
ング法では、本発明の細胞、又はトランスジェニック動
物の視交叉上核切片若しくは末梢組織に被検物質を作用
させ、発現振動を測定することにより、ピリオド2遺伝
子の発現を制御する物質を選択することができる。 mPer1:lucトランスジェニックラットにおいて、培
養下の視交叉上核切片あるいは末梢組織からの発光量を
極微弱発光計数装置(フォトマル)を用いて自動計測す
ることで24時間ごとの発光振動曲線が得られるとの報
告がある(文献28)。この方法を用いて、ピリオド2
遺伝子プロモーター活性を示すDNAとレポーター遺伝子
を含むコンストラクトを導入したトランスジェニック動
物の視交叉上核切片又は末梢組織における発光の振動を
自動計測し、発光振動が安定した頃、一方では、被検物
質(例えば、本発明の細胞を用いる本発明のスクリーニ
ング法でスクリーニングされてきた体内リズム改善薬候
補等の被検物質)を、前記トランスジェニック動物の視
交叉上核切片又は末梢組織に作用させ、他方では、コン
トロールとして、被検物質の溶媒[例えば、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)などだけを視交叉上核切片又は末梢
組織に作用させ、自動計測を継続する。トランスジェニ
ック動物としては、トランスジェニックラットが好まし
い。被検物質(例えば、体内リズム障害を改善する候補
の被検物質)処理群から得られた発光振動曲線と、コン
トロールの未処理群から得られた発光振動曲線とを比較
することで、位相変位(振動ピーク又はボトムの位置変
化)即ち発現振動を評価することができる。このように
して、理想の位相変位を示す物質をスクリーニングする
ことにより、ピリオド2遺伝子の発現及び/又は発現振
動を制御する物質を選択することができる。また、視交
叉上核切片や末梢組織の替わりに、本発明の細胞、即ち
マウスピリオド2遺伝子の上流配列をレポーター遺伝子
につないだDNAを導入した細胞を用い、細胞群を同調さ
せることにより上記スクリーニングを行うことができ
る。細胞群は、高濃度の血清あるいはデキサメサゾン
(DEX)で刺激することによって同調させることができ
るが、好ましくは実施例6に記載の方法で同調させるこ
とができる。 例えば、後述の実施例5に記載した方法で、マウスピ
リオド2遺伝子の上流配列をルシフェラーゼ遺伝子につ
ないだDNAをラットに導入したトランスジェニックラッ
ト(mPer2:lucトランスジェニックラット)の視交叉
上核切片又は末梢組織(例えば、肝臓、腎臓、肺又は眼
球)に対する自動発光測定を行ない、被検物質処理群か
ら得られた発光振動曲線と、未処理群(コントロール)
から得られた発光振動曲線とを比較することで、位相変
位を評価し、ピリオド2遺伝子の発現及び/又は発現振
動を制御する物質を選択することができる。実施例5に
記載の方法で行なう場合は、視交叉上核切片について、
発現振動が認められる測定開始3〜9日目のいずれかの
時において、一方はコントロールとして溶媒(例えば、
DMSO等)のみを添加した新しい培地に交換し、他方は溶
媒(DMSO等)に溶解した被検物質を添加した新しい培地
に交換し、被検物質添加後の振動をコントロールと比較
することにより、被検物質のリズムに対する作用を評価
することが可能である。また、末梢組織についても、例
えば、肝臓、肺、及び眼球は、それぞれ、振動が認めら
れる測定開始4〜5日目の間、測定開始1〜5日目の
間、及び測定開始1〜3日目の間に、同様に被検物質を
含む培地に交換すること(コントロールは溶媒のみ)に
よって、被検物質のスクリーニングが可能である。 また、後述の実施例5に示すように、末梢組織では、
数回の振動リズムを示した後、細胞間脱同調により減衰
した(図7〜図9参照)が、この減衰を抑制する薬剤を
スクリーニングすることにより、高齢者の減弱した活動
リズム及び/又は睡眠リズムを改善する作用を示す薬物
を得ることが可能となる。 なお、大きな末梢組織(例えば、肝臓又は肺等)をス
クリーニングに用いる場合は、末梢組織片を用いること
が好ましい。 本発明のトランスジェニック動物を用いる本発明のス
クリーニング法では、本発明のトランスジェニック動物
に被検物質を投与し、前記動物の視交叉上核の発現振動
を測定することにより、ピリオド2遺伝子の発現及び/
又は発現振動を制御する物質を選択することができる。 具体的には、被検物質(例えば、本発明の細胞を用い
る本発明のスクリーニング法でスクリーニングされてき
た体内リズム改善薬候補等の被検物質)を、ピリオド2
プロモーター活性を示すDNAとレポーター遺伝子を含む
コンストラクトを導入したトランスジェニック動物に投
与する。レポータータンパク質としてルシフェラーゼを
使用する場合には、頭頂部から視交叉上核近傍へ細管を
通してルシフェリンを供給し、同時に視交叉上核直上に
挿入した微小光ファイバーで個体を生かしたまま、連続
的に発光を測定する方法(文献42)を用いることで、
リズムセンター視交叉上核の振動への作用を評価して化
合物のスクリーニングをすることが可能である。 実施例 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、
特に断らない限り、公知の方法(例えば、Maniatis, T.
ら,“Molecular Cloning−A Laboratory Manua
l”,Cold Spring Harbor Laboratory, NY, 1982;
及びHille, B. , lonic Channels of Excitable Me
mbranes, 2nd Ed. , Sinauer Associates Inc. , M
A, 1992)に従って実施した。 (実施例1) 《マウス及びヒトピリオド2上流のDNA配列取得と比較
解析》 マウスピリオド2の上流配列取得は、マウスゲノムDN
Aファージライブラリーを用いたスクリーニングと、ゲ
ノムウォーカーキット(クロンテック社)とを用いて行
なった。 はじめに、マウスピリオド2遺伝子(GenBank AF036
893)の既報の配列から、マウスピリオド2遺伝子のcDN
Aにおける第218番目〜第723番目の間を増幅する
ことのできるプライマーセット、すなわち、配列番号3
で表される塩基配列[マウスピリオド2遺伝子のcDNA
(GenBank AF036893)の第218番目〜第239番目
の配列]からなるフォワードプライマーと、配列番号4
で表される塩基配列[マウスピリオド2遺伝子のcDNA
(GenBank AF036893)の第702番目〜723番目の
配列に対して相補的な配列]からなるリバースプライマ
ーとを作成し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行なっ
た。なお、前記PCRは、酵素としてTaqポリメラーゼ(Am
pliTaq Gold;アプライドバイオシステムズ社)を用
い、95℃(10分間)の保温の後、94℃(15秒
間)と60℃(30秒間)と72℃(1分間)とからな
るサイクルを40回繰り返すことにより実施した。 得られた増幅断片(505bp)をプローブとして、マ
ウスゲノムDNAのファージライブラリー(クロンテック
社)からスクリーニングを行なった。その結果、第二エ
クソンから上流6.0kbのマウスピリオド2遺伝子の第
一イントロンを含むクローンを得た。取得したファージ
DNAに対して、DNAシーケンス試薬(BigDye Terminator
Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit;ア
プライドバイオシステムズ社)を用い、マニュアルに従
ってシーケンス反応を実施した後、DNAシーケンサー(A
BI PRISM 377;アプライドバイオシステムズ社)
でDNA塩基配列を解析したところ、配列番号1で表され
る塩基配列の第10104番目〜第17004番目の塩
基からなる配列が得られた。 続いて、ファージのDNA配列から更に上流の配列を取
得するため、ゲノムウォーカーキット(クロンテック
社)を用いて、上流配列の取得を進めた。ゲノムウォー
カーキットの鋳型としては、キット付属のライブラリー
MDL1〜MDL5を使用し、PCRの酵素としては、Taq DNA
ポリメラーゼ(Advantage Genomic polymerase Mi
x;クロンテック社)を使用した。 最初に、プライマーセットとして、キット付属のAP1
と、配列番号5で表される塩基配列(配列番号1で表さ
れる塩基配列の第13005番目〜第13034番目の
塩基からなる配列に対して相補的な配列)からなるファ
ーストプライマーとを使用し、5%ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)存在下で、94℃(2秒間)と72℃(3分
間)とからなるサイクルを7回、続いて、94℃(2秒
間)と67℃(3分間)とからなるサイクルを36回繰
り返し、最後に67℃で4分間保温することにより、PC
Rを実施した。続いて、得られた反応生成物の50倍希
釈液1μLを鋳型として使用し、キット付属のAP2と、配
列番号6で表される塩基配列(配列番号1で表される塩
基配列の第12429番目〜第12458番目の塩基か
らなる配列に対して相補的な配列)からなるセカンドプ
ライマーとをプライマーセットとして使用し、94℃
(2秒間)と72℃(3分間)とからなるサイクルを5
回、続いて、94℃(2秒間)と67℃(3分間)とか
らなるサイクルを24回繰り返し、最後に67℃で4分
間保温することにより、PCRを実施した。 前記の2段階PCRにより得られた増幅バンドのシーク
エンシング解析を行なうことにより、配列番号1で表さ
れる塩基配列の第9874番目〜第12458番目の塩
基からなる配列が得られた。この配列に基づいて、更に
上流の配列を得るためのプライマーセット、すなわち、
配列番号7で表される塩基配列(配列番号1で表される
塩基配列の第10103番目〜第10132番目の塩基
からなる配列に対して相補的な配列)からなるファース
トプライマーと、配列番号8で表される塩基配列(配列
番号1で表される塩基配列の第10021番目〜第10
050番目の塩基からなる配列に対して相補的な配列)
からなるセカンドプライマーとを作製した。 配列番号5で表される塩基配列からなるファーストプ
ライマー及び配列番号6で表される塩基配列からなるセ
カンドプライマーの代わりに、配列番号7で表される塩
基配列からなるファーストプライマー及び配列番号8で
表される塩基配列からなるセカンドプライマーを用いる
こと以外は、前記の2段階PCRを繰り返し、得られた増
幅バンドのシークエンシング解析を行なうことにより、
配列番号1で表される塩基配列の第9146番目〜第1
0050番目の塩基からなる配列が得られた。 以下、順次、更なる上流の配列を得るために、前記の
操作、すなわち、ファーストプライマー及びセカンドプ
ライマーの作製、2段階PCR、並びに得られた増幅バン
ドのシークエンシング解析を繰り返した。各2段階PCR
に使用したファーストプライマーとセカンドプライマー
との組み合わせは、 配列番号9で表される塩基配列(配列番号1で表される
塩基配列の第9355番目〜第9384番目の塩基から
なる配列に対して相補的な配列)からなるファーストプ
ライマーと 配列番号10で表される塩基配列(配列番号1で表され
る塩基配列の第9307番目〜第9336番目の塩基か
らなる配列に対して相補的な配列)からなるセカンドプ
ライマーとの組み合わせ; 配列番号11で表される塩基配列(配列番号1で表され
る塩基配列の第7838番目〜第7857番目の塩基か
らなる配列に対して相補的な配列)からなるファースト
プライマーと 配列番号12で表される塩基配列(配列番号1で表され
る塩基配列の第7818番目〜第7837番目の塩基か
らなる配列に対して相補的な配列)からなるセカンドプ
ライマーとの組み合わせ;及び 配列番号13で表される塩基配列(配列番号1で表され
る塩基配列の第2234番目第2263番目の塩基から
なる配列に対して相補的な配列)からなるファーストプ
ライマーと 配列番号14で表される塩基配列(配列番号1で表され
る塩基配列の第2134番目〜第2163番目の塩基か
らなる配列に対して相補的な配列)からなるセカンドプ
ライマーとの組み合わせ であり、この順に使用した。 なお、配列番号9で表される塩基配列からなるファー
ストプライマーと配列番号10で表される塩基配列から
なるセカンドプライマーとの組み合わせを用いた2段階
PCRにより増幅されたDNAバンドのシークエンシング解析
の結果得られた、配列番号1で表される塩基配列の第8
918番目〜第9336番目の塩基からなる配列に基づ
いて設計したプライマーを用いた2段階PCRでは、更な
る上流の配列が取得できなかった。そこで、更に上流配
列を取得するために、第一エクソンの配列に基づいて設
計した配列番号11で表される塩基配列からなるファー
ストプライマーと配列番号12で表される塩基配列から
なるセカンドプライマーとの組み合わせを用いて、2段
階PCRを実施した。 これまでの解析の結果、配列番号1で表される塩基配
列の第1番目〜第17004番目の塩基からなる配列
(但し、第7858番目〜第9145番目の塩基からな
る配列を除く)が得られた。前記の第7858番目〜第
9145番目の塩基からなる未決定配列に相当する第一
エクソンと第一イントロンとの間のギャップを埋めるた
めに、鋳型としてマウスゲノムDNAを使用し、酵素とし
てTaq DNAポリメラーゼ(Advantage Genomic polyme
rase Mix;クロンテック社)を使用し、2段階のPCR
[ネスティド(nested)PCR]を実施した。第1回目のP
CRは、プライマーセットとして、配列番号15で表され
る塩基配列(配列番号1で表される塩基配列の第751
6番目〜7545番目の塩基からなる配列)からなるフ
ォワードプライマーと、配列番号16で表される塩基配
列(配列番号1で表される塩基配列の第9063番目〜
9092番目の塩基からなる配列に対して相補的な配
列)からなるリバースプライマーとを使用し、5%DMSO
存在下で、95℃で1分間保温した後、95℃(15秒
間)と60℃(30秒間)と68℃(5分間)とからな
るサイクルを35回繰り返し、最後に68℃で10分間
保温することにより、実施した。第2回目のPCRは、プ
ライマーセットとして、配列番号17で表される塩基配
列(配列番号1で表される塩基配列の第7556番目〜
7585番目の塩基からなる配列)からなるフォワード
プライマーと、配列番号18で表される塩基配列(配列
番号1で表される塩基配列の第8977番目〜9006
番目の塩基からなる配列に対して相補的な配列)からな
るリバースプライマーとを使用すること以外は、第1回
目のPCRと同じ条件で実施した。 前記の2段階PCRの結果、1.4kbpのDNA断片が得ら
れ、その配列解析により、第一エクソンと第一イントロ
ンとの間のギャップを埋めることができた。 以上の解析の結果を全てまとめると、配列番号1で表
される塩基配列が得られた。配列番号1で表される塩基
配列には、第一エクソン(第7736番目〜第7857
番目)及び第二エクソン(第16158番目〜第163
96番目)と、第一イントロン(第7858番目〜第1
6157番目)とが含まれており、マウスピリオド2の
翻訳開始点は、第二エクソン(第16176番目)に存
在することが明らかとなった。また、転写開始点は、第
7736番目に存在する(後述の実施例2参照)。 マウスとヒトとの遺伝子上流の配列比較を行なった場
合、遺伝子発現制御に重要な領域は種間で保存されてい
ることが予想されることから、ヒトピリオド2遺伝子
(GenBank NM_003894)の上流配列の取得を試みた。ド
ラフトシーケンスをネット[BLAST2;National Cente
r for Biotechnology Information(NCBI)]上で検
索した結果、ヒトピリオド2遺伝子の上流領域を含むク
ローン(GenBank ACO13400.5;188.2kbp;フェーズ
1)を見出した。 このドラフトシーケンスクローンACO13400.5は、第一
イントロンと第二エクソンとの間にギャップがあったた
め、ヒトゲノムDNA(クロンテック社)を鋳型として、P
CRを実施した。前記PCRは、プライマーセットとして、
配列番号19で表される塩基配列(配列番号2で表され
る塩基配列の第14577番目〜第14606番目の塩
基からなる配列)からなるフォワードプライマーと、配
列番号20で表される塩基配列[配列番号2で表される
塩基配列の第15855番目〜第15884番目の塩基
からなる配列に対して相補的な配列]からなるリバース
プライマーとを使用し、酵素として、Taq DNAポリメラ
ーゼ(AmpliTaq Gold;アプライドバイオシステムズ
社)を使用し、95℃で10分間保温した後、94℃
(15秒間)と60℃(30秒間)と72℃(2分間)
とからなるサイクルを40回繰り返すことにより実施
し、ギャップを含むDNA断片(約1.2kbp)のDNA配列
を解析した。 一方、その後、新しいクローン(GenBank ACO12485.1
3;168.7kbp;フェーズ3完全配列)がネット上に登録さ
れたことを見出したので、前述のマウスのゲノム配列
17004bpに相当する領域を、クローンGenBank ACO1
2485.13 から17112bp(GenBank ACO12485.13の3
5354番目から52465番目に対して相補的な配
列)抽出し配列番号2として示した。得られたヒトピリ
オド2遺伝子の上流配列の解析から、マウスと同様にヒ
トの翻訳開始点も第二エクソンに存在することが明らか
となった。以上、マウスピリオド2遺伝子及びヒトピリ
オド2遺伝子の約17kbpにおよぶ第二エクソンから上
流約17kbpの配列情報を取得した。 取得したマウスピリオド2遺伝子及びヒトピリオド2
遺伝子の約17kbpにおよぶ上流領域付近の配列情報に
対し、相同性比較(解析条件はデフォルト値)を、NCBI
のBLAST2 SEQUENCES(http://www. ncbi. nlm. ni
h. gov/blast/bl2seq/bl2.html)VERSION BLASTN
2.2.1 AUG-1-2001プログラムにて解析した。Expec
tがe−3以下の確度の高い領域を保存性があるとした。
その解析結果を図1に示す。図1に示すように、ヒトと
マウスとの間には、第一エクソンの前後に断片的に保存
された領域(I〜VII)が7つ存在することが明らか
となった。 図2に、保存された領域内のそれぞれの配列を示す。
図2において、記号「H」はヒトの配列を示し、記号
「M」はマウスの配列を示し、ヒト配列とマウス配列と
の間の「縦棒」は、ヒト及びマウスの両方で塩基の種類
が一致した箇所を表す。 以上の解析の結果を全てまとめると、配列番号2で表
される塩基配列には、第一イントロン(第6069番目
〜第16461番目)と第二エクソン(第16462番
目〜第16710番目)とが含まれており、ヒトピリオ
ド2の翻訳開始点は、第16481番目に存在すること
が明らかとなった。 ゲノムDNAを鋳型とするPGRにより、上流領域DNA断片
を取得した場合には、遺伝子変異が生じる可能性があ
る。マウスゲノムのファージライブラリー(クロンテッ
ク社)のマニュアルに従って、1×106のファージか
ら、変異のない上流領域DNA断片を含むファージのクロ
ーニングを試みた。 プローブ調製のために、先に得られたマウスピリオド
2遺伝子の上流の配列情報を基に、配列番号17で表さ
れる塩基配列からなるプライマーと、配列番号18で表
される塩基配列からなるプライマーとを設計した。PCR
は、鋳型としてマウスゲノムDNA(クロンテック社)を
使用し、酵素としてTaq DNAポリメラーゼ(Advantage
Genomic DNA polymerase Mix;クロンテック社)を
使用し、95℃で1分間保温した後、95℃(15秒
間)と60℃(30秒間)と68℃(2分間)とからな
るサイクルを35回繰り返すことにより実施し、1.4
kbのDNA断片を取得した。 得られたDNA断片をプラスミド(pBluescript;STRATA
GENE社)のEcoRV部位にクローニングし、増幅した。こ
のプラスミドに制限酵素Not I/Sal I処理を行ない、ア
ガロースゲル電気泳動によりプローブ用DNA断片を取得
した。次いで、プローブ用DNA断片を、ラベリングキッ
ト(BcaBESTラベリングキット:宝酒造株式会社)のマ
ニュアルに従って、[α−32P]dCTP(Amersham Pharm
acia Biotech社)を用いて標識した。このプローブを
用いたマウスゲノムファージライブラリーのスクリーニ
グの結果、ヒトとマウスとの間の6つの保存領域を含む
クローンを取得した。マニュアルに従って、このファー
ジクローンを大量調製し、上流領域を含むファージDNA
を、ファージDNA抽出キット(QIAGEN社)を用いて調製
した。 7つの保存領域を含むDNA断片を取得するため、得ら
れたファージゲノムを制限酵素EcoT22I/Nhe Iで切
り出し、アガロースゲル電気泳動を行うことにより、
6.4kbのDNA断片のバンドを抽出精製した。前記DNA断
片の塩基配列は、配列番号1で表される塩基配列の第4
415番目〜第10877番目の塩基からなる配列であ
る。精製したDNA断片をDNAブランティングキット(宝酒
造株式会社)にて平滑末端化を行なった。 ルシフェラーゼベクターpGL3−basic(プロメガ社;
以下、pGL3−bと略称する)は、プロモータ配列を持た
ないレポーターベクターであり、上流断片のプロモータ
活性を評価することができる。このベクターpGL3−bを
制限酵素Sma I で切断した後に、先に平滑末端化したマ
ウス上流断片を組み込むことにより、ベクターpCH1を作
製した。次いで、前記ベクターpCH1に対して制限酵素Xh
o I/SnaB I処理を行なった後、アガロースゲル電気泳
動でDNA断片を除き、セルフライゲーションを行なうこ
とにより、ベクターpCH1から第一イントロン側の保存領
域(IV、V、VI、VII)を除いたベクターpCH3を
作製した。前記ベクターpCH3の内、マウスピリオド2遺
伝子の上流域部分の配列は、配列番号1で表される塩基
配列の第4415番目〜第7931番目の塩基からなる
配列に該当する。 (実施例2) 《マウスピリオド2の転写開始点の同定》 前記実施例1で取得したマウスピリオド2遺伝子上流
領域断片を含むベクターpCH1及びベクターpCH3が、プロ
モーター領域を含むか否かは、転写開始点を含んでいる
かを調べることで確かめることができる。転写開始点同
定のため、オリゴキャップ法により作製されたマウス全
脳のcDNAライブラリー(文献32,文献33)を用い
て、キャップ部位の同定を試みた。
【0051】 キャップ部位には配列番号21で表される塩基配列か
らなるアダプターがついているので、前記アダプターに
対しては、配列番号22で表される塩基配列(配列番号
21で表される塩基配列の第1番目〜第21番目の塩基
からなる配列)からなるプライマー及び配列番号23で
表される塩基配列(配列番号21で表される塩基配列の
第11番目〜第30番目の塩基からなる配列)からなる
プライマーを作製した。一方、マウスピリオド2遺伝子
に対しては、配列番号24で表される塩基配列[マウス
ピリオド2遺伝子のcDNA(GenBank AFO36893)の第4
39番目〜第459番目の塩基からなる配列に対して相
補的な配列]からなるプライマー、配列番号25で表さ
れる塩基配列[マウスピリオド2遺伝子のcDNA(GenBan
k AFO36893)の第377番目〜第398番目の塩基か
らなる配列に対して相補的な配列]からなるプライマ
ー、及び配列番号26で表される塩基配列[マウスピリ
オド2遺伝子のcDNA(GenBank AFO36893)の第300
番目〜第319番目の塩基からなる配列に対して相補的
な配列]からなるプライマーを作製した。 配列番号22で表される塩基配列からなるプライマー
及び配列番号24で表される塩基配列からなるプライマ
ーを用いる第1回目のPCRと、配列番号23で表される
塩基配列からなるプライマー及び配列番号25で表され
る塩基配列からなるプライマーを用いる第2回目のPCR
とからなるネスティドPCRを実施したところ、キャップ
部位を含む414bpのDNA断片が得られた。また、配列
番号22で表される塩基配列からなるプライマー及び配
列番号24で表される塩基配列からなるプライマーを用
いる第1回目のPCRと、配列番号23で表される塩基配
列からなるプライマー及び配列番号26で表される塩基
配列からなるプライマーを用いる第2回目のPCRとから
なるネスティドPCRを実施したところ、キャップ部位を
含む335bpのDNA断片が得られた。 これらのDNA断片に対するシークエンス解析の結果、
転写開始点は、翻訳開始点(配列番号1で表される塩基
配列の第16176番目の塩基)から8440bp上流
(配列番号1で表される塩基配列の第7736番目の塩
基)に存在することが明らかとなった。このことから、
構築したベクターpCH1及びベクターpCH3に転写開始点が
含まれ、ベクターpCH1は、マウスピリオド2遺伝子の−
3321〜+3142(転写開始点を「+1」する)の
塩基を有し、ベクターpCH3は、マウスピリオド2遺伝子
の−3321〜+196の塩基を有することを確認し
た。 (実施例3) 《マウスピリオド2上流領域のプロモータ活性とエンハ
ンサー活性の解析》 マウス培養細胞NIH3T3を、ルシフェラーゼアッセイの
前日に、6ウェルプレートに1ウェル当たり1×105
ずつ撒いた。トランスフェクション試薬としてリポフェ
クタミン2000(GIBCO−BRL社)を用い、各種レポーター
ベクター1μgとインターナルコントロールベクター(P
RL−SV40;プロメガ社)20ngとを用いて、マニュア
ルに従ってトランスフェクションを行なった。前記レポ
ーターベクターとしては、前記実施例1で取得したベク
ターpCH1及びベクターpCH3、ネガティブコントロールと
してプロモーター活性を有しないベクターpGL3−b(プ
ロメガ社)、そして、ポジティブコントロールとして、
ルシフェラーゼの上流にSV40プロモーターが連結され
ているベクターpGL3−promoter(プロメガ社;以下、p
GL3−pと略称する)を使用した。 なお、インターナルコントロールベクター(PRL−SV
40)以外のベクター(すなわち、ベクターpGL3−b、
ベクターpCH1、ベクターpCH3、及びベクターpGL3−p)
に含まれるルシフェラーゼ遺伝子が、ホタル由来である
のに対して、インターナルコントロールベクター(PRL
−SV40)に含まれるルシフェラーゼ遺伝子は、シーパ
ンジー(sea pansy)由来である。 トランスフェクションから48時間経過後に、細胞を
リン酸緩衝用液(PBS)で1回洗浄した後、アッセイキ
ット(ピッカジーンデュアルレポーターアッセイキッ
ト;ニッポンジーン社)を用いて、マニュアルに従って
アッセイを行なった。発光測定は、マイクロタイタール
ミノメーターML3000(Dynatech Labratories社)を用
いて行なった。 結果を図3に示す。図3において「BLK」は、トラン
スフェクションを実施していない宿主細胞における発光
量を意味する。また、図3に示す「ルシフェラーゼ相対
活性(標準化)」は、インターナルコントロールベクタ
ー(PRL−SV40)に由来するルシフェラーゼ発現量に
基づいて、標準化した値を意味する。図3に示すよう
に、ベクターpCH1のベーサルのプロモーター活性は、低
い活性(ベクターpGL3−pの7%)であったのに対し、
ベクターpCH3は、ベクターpGL3−pの55%のプロモー
ター活性を示した。 保存された7つの領域(I〜VII)の内、第一エク
ソン上流の3つの保存領域(I、II、及びIII)を
含むベクターpCH3が機能的であるかどうかを評価するた
め、ピリオドの転写活性化因子であるBMAL1/CLOCKヘテ
ロダイマーにより転写活性化されるか否かを検討した。 すなわち、ベクターpCH3(10ng)と一緒に、pCI−n
eo−Baml 1及びpCI−neo−Clockを、それぞれ、25n
g、50ng、又は250ngずつ加えて、リポフェクタミ
ン2000(GIBCO−BRL社)を用いてトランスフェクション
を行なった。なお、前記ベクターpCI−neo−Baml 1及び
ベクターpCI−neo−Clockは、pCI−neoベクター(プロ
メガ社)に、それぞれ、マウスビーマル1又はマウスク
ロックを導入したもの(文献34)であり、マウスビー
マル1及びマウスクロックは、培養細胞内で構成的に発
現される。また、前記トランスフェクションの際には、
インターナルコントロールとしてpRL−CMV(プロメガ
社)0.5ngを加え、更に、トランスフェクションする
DNAが全量で1μgになるように、pCI−neoベクター(プ
ロメガ社)で調整した。 トランスフェクションから48時間経過後に、前記操
作と同様に、アッセイキット(ピッカジーンデュアルレ
ポーターアッセイキット;ニッポンジーン社)を用いて
発光測定を行なった。 結果を図4に示す。図4における「BLK」は、図3に
示す「BLK」と同じ意味である。図4に示すように、用
量依存的なBMAL1/CLOCKヘテロダイマーによる転写活性
化を確認した。この結果から、構築したマウスピリオド
2遺伝子上流を含むルシフェラーゼベクターが機能的で
あることが判明した。 (実施例4) 《mPer2:lucトランスジェニックラットの作製》 前記実施例3で実施したイン・ビトロの実験結果か
ら、ベクターpCH3がピリオド2遺伝子本来の発現を示す
のに充分な要素を含むことが考えられることから、これ
を用いてmPer2:Lucトランスジェニックラットの作製
を試みた。 まず、遺伝子導入ラットを作製するにあたり、ベクタ
ー自身に由来する配列(例えば、複製開始Ori及びアン
ピシリン耐性遺伝子など)を制限酵素Sall/Mlul処理に
続くアガロースゲル電気泳動により除いた。目的の断片
の精製は、ゲルバンド精製キット(QlAquick;QIAGEN
社)を用いて行ない、フェノール/クロロホルム処理を
実施した後、滅菌TEバッファー[10mmol/L−Tris−C
l(pH8.0),1mmol/L−EDTA(pH8.0)]100
μLに溶解することによりDNA溶液(濃度=75ng/μ
L)を調製した。前記DNA断片には、配列番号1で表され
る塩基配列の第4415番目〜第7931番目の塩基か
らなる配列と、ルシフェラーゼをコードする遺伝子とが
含まれる。 トランスジェニックラットを作製するため、日本チャ
ールスリバーからWistarラットを購入した。トランスジ
ェニックラットの作製操作は、基本的には公知方法(文
献35)に基づいて実施し、ラット前核期受精卵への注
入用DNA溶液のマイクロインジェクションは、以下の要
領で行なった。 すなわち、性成熟した8週齢のWistarラットを、明暗
サイクル12時間(4:00〜16:00を明時間とし
た)、温度23±2℃、及び湿度55±5%の条件下で
飼育し、膣スメアにより雌の性周期を観察して、ホルモ
ン処理日を選択した。まず、雌ラットに妊馬血清性性腺
刺激ホルモン[PMS全薬(pregnant mare serum gonad
otropin;PMSG);日本ゼンヤク社]150IU/kgを腹
腔内投与して過剰排卵処理を行ない、その48時間後に
ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン[プベローゲン(human c
horionic gonadotropin;hCG);三共臓器社]75IU
/kgを投与した後、雄との同居により交配を行なった。
hCG投与から32時間経過後に、卵管灌流により前核期
受精卵を採取した。卵管灌流及び卵の培養にはmKRB液
(文献36)を使用した。採取した受精卵を、0.1%
ヒアルロニダーゼ(Hyaluronidase Typel−S;シグマ
社)を含むmKRB液中で、37℃にて5分間の酵素処理を
行ない、卵丘細胞を除去した後、mKRB液で3回洗浄して
酵素を除去し、DNA注入操作までCO2−インキュベーター
内(5%CO2,37℃,飽和湿度)に保存した。このよ
うにして準備したラット受精卵の雄性前核に、先に調製
したDNA溶液を注入した。525個の胚に注入操作を実
施し、生き残った431個の胚の内、形態的正常胚42
0個を偽妊娠誘起した仮親雌の卵管内に移植した。 ラットに外来DNA(ルシフェラーゼ遺伝子を含む)が
導入されたか否かを調べるために、ルシフェラーゼ遺伝
子に対するPCRプライマーとして、配列番号27で表さ
れる塩基配列[クローニングベクターpGL3−b(GenBan
k U47295)の第410番目〜第432番目の塩基から
なる配列]からなるプライマー及び配列番号28で表さ
れる塩基配列[クローニングベクターpGL3−b(GenBan
k U47295)の第980番目〜第1000番目の塩基か
らなる配列に対して相補的な配列]からなるプライマー
を設計した。これらのプライマーを用いたPCRにより増
幅されるDNA産物(591bp)の有無により、外来DNA
(ルシフェラーゼ遺伝子を含む)の導入を確認すること
ができる。 420個の胚移植により65匹のラットが生まれた。
3週齢時に、産子の尾の先1cm程度を小直剪刀にて切断
し、リシス溶液800μLを加えて55℃恒温槽内で一
晩振とうすることによって尾を溶解した。なお、前記リ
シス溶液は、リシスバッファー[最終濃度として、Tris
−HCl(pH8.0)が50mmol/Lであり、EDTA(pH8.
0)が100mmol/Lであり、NaClが100mmol/Lであ
り、SDSが1%である溶液]の中に、アクチナーゼEとプ
ロテアーゼKとを、最終濃度がともに10mg/mLになる
ように溶解して調製した。 続いて、フェノール処理を2度行ない、遠心後の上部
水層を採取し、イソプロパノールの入ったチューブに移
した。混和後、現れた糸状ゲノムDNAを、加工したガラ
ス製のマイクロピペットの先で巻き取り、それを70%
エタノールで5分間、続いて100%エタノールに5分
間つけ、最後にTEをつけて溶解し、各個体のゲノムDNA
の調製を行なった。 各個体ゲノムDNAを鋳型としたPCRは、Taq DNAポリメ
ラーゼ(ロッシュダイアグノスティック社)を用い、9
4℃で1分間保温した後、94℃(30秒)と57℃
(30秒)と72℃(60秒)とからなるサイクルを4
0回繰り返すことにより実施した。その結果、生まれた
65匹のラットの内、8匹がmPer2:Lucトランスジェ
ニックラットであることが明らかとなった。 更に、7週齢時に、8匹のmPer2:Lucトランスジェ
ニックラットの尾の先5mm程度を小直剪刀により切断し
た。切断面にルシフェリン溶液を塗り、切断面を上にし
て極微弱発計数装置[フォトマル(型名LM−300Y2) ;
浜松フォトニクス社]で発光量を測定した。なお、前記
ルシフェリン溶液は、フェノールレッドを含まないDMEM
培地(cat. 13000-054;GIBCO−BRL社)に、HEPES(pH
7.2;最終濃度=10mmol/L)、ペニシリン抗生物
質(最終濃度=25U/mL)、ストレプトマイシン抗生
物質(最終濃度=25μg/mL)、炭酸水素ナトリウム
(NaHCO3;最終濃度=0.3g/L)、及びルシフェリン
[Cat. E1601(プロメガ社);最終濃度=0.1mmol/
L]を加えて調製した。 その結果、8匹中、4匹のラットの尾が、それぞれ9
23cps、4392cps、1122cps、及び865cpsを
示した。これらの発光量は、コントロール(野生型ラッ
トの尾)の100cps前後に比べて、有意な発光量であ
り、ルシフェラーゼが生体内で機能するmPer2:Lucト
ランスジェニックラット4匹を取得したことを確認し
た。 これらの4匹のメスのトランスジェニックラット(F
O)の内、尻尾の発光量が最も高かったライン(439
2cps)と野生型のオスとを交配させ、F1ラット11匹
を取得した(オス5匹及びメス6匹)。 (実施例5) 《mPer2:lucトランスジェニックラットの視交叉上核
切片及び末梢組織(肝臓片、肺片、及び眼球)に対する
自動発光測定の実施》 実施例4で取得したF1ラットは、野生型とヘテロ・
トランスジェニックラットとの交配であるため、その嫡
出子F1には、野生型と、ヘテロのトランスジェニック
ラットとが含まれる。本実施例で実験に供するトランス
ジェニックラットを、前記F1ラットの中から選択する
ために、前記F1ラット(すなわち、実施例4で取得し
た尻尾の発光量が最も高かったラインと野生型との交配
から得たF1ラット)の尻尾を6週齢時に切断し、実施
例4と同様にして発光を示すかどうかを検討した。その
結果、有意な発光を示すF1のトランスジェニックラッ
トは8匹であることが明らかとなった(オス4匹及びメ
ス4匹)。この8匹のトランスジェニックラットの内、
1匹のメス(7週齢)から、以下に示す手順に従って、
リズムセンターである視交叉上核切片と、末梢組織(肝
臓片、肺片、及び眼球)とをそれぞれ調製し、リアルタ
イム振動測定を実施した。 まず、視交叉上核切片の調製については、以下のよう
にして実施した。すなわち、ジエチルエーテルによりト
ランスジェニックラットを麻酔し、頸椎脱臼による屠殺
の後、光による入力を遮断するため、両眼を切除し、全
脳の摘出を行なった。全脳の内、余分な側頭部、前頭葉
部、及び小脳をメス刃で切除し、氷冷したスライサー台
に接着剤(アロンアルファ201;東亞合成株式会社)
にて固定した。スライサー台に固定した脳に、ハンクス
バッファー[最終濃度として、1×Hanks Buffer(GIB
CO−BRL社;cat. 14060-057)及び10mmol/L−HEPES
(pH7.2)(GIBCO−BRL社;cat. 15630-080)]を加
えて満たし、氷冷しながらスライサー(Microslicer D
TK−1000;堂阪イーエム株式会社)にて、切片(400
μm厚)調製を行なった。視交叉上核を含む切片を実体
顕微鏡(SMZ645;ニコン社)観察にて選択した。更に、
実体顕微鏡下で、この切片から第三脳室下の視交叉上核
だけを、メス刃を用いて切り取ることにより、視交叉上
核切片の調製を行なった。 一方、ルシフェリンを含む測定用培地[フェノールレ
ッド不含のDMEM(Dulbecco' s modified Eagle' s m
edium;GIBCO−BRL社;cat. 13000-054)の中に、最終
濃度が10mmol/L−HEPES(pH7.2)(GIBCO−BRL
社;cat.15630-080)、0.1mmol/Lルシフェリン・カ
リウム塩(プロメガ社)、抗生物質(25U/mLペニシ
リン及び25μg/mLストレプトマイシン;GIBCO−BRL
社)、及び0.3g/L−NaHCO3(和光純薬株式会社)と
なるように調製した]1.2mLを35mmディッシュの中
に加え、その培地中にメンブレンフィルター(MiliCell
CM;ミリポア社;cat. PICMORG50)を浮かべた。下から
培地が供給される、このメンブレンフィルターの上に、
先に調製した視交叉上核切片を乗せ、培養中に培地が乾
燥しないように、35mmディッシュの上にスライドガラ
スカバー(40mm×50mm;松浪硝子工業株式会社)を
乗せ、その間をシリコングリースコンパウンド(東レ・
ダウコーニングシリコーン株式会社)を塗ることによっ
て密封した。このようにして準備した視交叉上核切片入
り35mmディッシュを、コンピューターに接続した極微
弱発計数装置(LM−300Y2;浜松フォトニクス社)内に
セットし、自動発光測定(リアルタイムモニター)を実
施した。自動発光測定は20日間にわたって継続し、そ
の間に1回だけ(測定開始から10日目)測定用培地を
交換した。 末梢組織については、トランスジェニックラットから
肝臓、肺、及び眼球をそれぞれ摘出した。その後、肝臓
及び肺については、メス刃により約1mm角の組織片を調
製し、以下の測定を行なった。一方、眼球については、
摘出したそのままの組織を用いて以下の測定を行なっ
た。視交叉上核切片の培養に使用したのと同じ前記ルシ
フェリン含有測定用培地の中へ、成長促進剤B−27添
加物(50×)[B−27 Supplement(50×);GIB
CO−BRL社]を最終濃度が2%(1×)になるように加
えた培地を調製し、この中に直接、末梢組織(肝臓片、
肺片、又は眼球)を入れ、カバーガラスで密封し、視交
叉上核切片と同様に極微弱発計数装置により自動発光測
定を実施した。自動発光測定は20日間にわたって継続
し、その間に1回だけ(測定開始から10日目)測定用
培地を交換した。 視交叉上核切片における最初の10日間(すなわち、
測定開始から10日間経過後まで)の自動発光測定の結
果を図5及び図6に示し、末梢組織(肝臓片、肺片、及
び眼球)における最初の10日間の自動発光測定の結果
をそれぞれ、図7、図8、及び図9に示す。図5〜図9
において、横軸は、測定開始からの日数(測定開始日を
0日とした)を表わし、縦軸は発光量(cpm)を表わ
す。なお、図6は、図5に示すグラフを、縦軸方向にの
み拡大し、その一部を示すグラフである。 図5及び図6に示すように、視交叉上核切片の発光量
は、測定開始から3日目の約9時間後には振動ピークを
示し、その後、約24時間ごとの振動リズムが認められ
た。なお、この振動は、測定開始から20日目まで継続
した。 肝臓片の発光量は、図7に示すように、測定開始3日
目の約18時間後と、4日目の約18時間後に振動のピ
ークを示したが、その後の振動は減衰により認められな
かった。また、測定開始10日目の培地交換によって、
4回まで振動リズムが回復したことから、振動リズムの
減衰は細胞の死滅によるものではなく、細胞間の脱同調
によるものであると考えられる。 肺片の発光量は、図8に示すように、急激な変化を伴
いながらも測定開始日から計5回の振動リズムが認めら
れた。 眼球の発光量は、図9に示すように、測定開始1日目
の約14時間後をピークとする振動リズムがみられ、そ
の後、振幅は小さいものの3回の振動リズムが認められ
た。 以上、視交叉上核及び末梢組織(肝臓、肺、及び眼
球)は、各組織ごとに振動位相や振動の継続回数に差異
はあるものの、全ての組織において約24時間の振動リ
ズムが認められた。本発明のトランスジェニックラッ
ト、又はその視交叉上核切片若しくは末梢組織を用いた
ピリオド2遺伝子発現自動モニター系により、ピリオド
2遺伝子の発現を制御する物質のスクリーニングが可能
となると考えられる。 (実施例6) 《培養細胞系におけるマウスピリオド2プロモーターの
振動誘導能確認》 ラット培養細胞Rat-1を高濃度のウマ血清あるいはDEX
で刺激すると、細胞群が同調し、時計遺伝子および時計
遺伝子に制御される遺伝子群がいっせいに24時間間隔
の発現振動を開始し数日に渡って継続し、その後減衰す
ることが報告されている(文献2)。 マウスピリオド2遺伝子上流領域をルシフェラーゼベ
クターに連結した、前述のpCH3コンストラクトを、Rat-
1細胞にトランジェントに導入し、その後DEX刺激を行
い、ルシフェラーゼを含む培地に交換して、そこからの
発光を、前述の極微弱発光計測装置にてリアルタイムに
計測することを試みた。具体的な方法を以下に記述す
る。まず、Rat-1細胞(ATCCより購入:Designation=
Rat1−R12;ATCC Number=CRL−2210)を、225c
m2フラスコ(イワキ社)の中で10%FBS(Fetal Bovine
Serum;JRHバイオサイエンス社)を含む培地[フェノ
ールレッドを含むDMEM(cat. 11965-092)の中に、最終
濃度が抗生物質(100U/mLペニシリン及び100μg
/mLストレプトマイシン;GIBCO−BRL社)となるように
調製した]2mL存在下、5%CO2、37度環境下で培養維持
した。トランスフェクション前日に、35mm ディッシ
ュ(ファルコン社)に、1ウェルあたり、1.2×10
6の細胞数になるようにRat-1細胞を撒き、5%FBSを含む
前記培地2mLにて培養を継続した。翌日、1マイクログ
ラムのpCH3コンストラクトをトランスフェクション試薬
であるリポフェクタミン2000(GIBCO−BRL社)を用い、
添付のマニュアルに従ってトランスフェクションした。
トランスフェクションの3時間後に、新鮮な10%FBSを
含む前記培地2mLに交換し培養を継続した。トランスフ
ェクション16時間後に、最終濃度0.1マイクロmol/L
のDEX(SIGMA社;cat. D-8893)を含む前記培地(10%F
BS含む)に交換して刺激を開始した。DEX刺激2時間後
にルシフェリンを含む測定用培地(最終濃度0.1ミリmol
/Lのルシフェリン・カリウム塩(プロメガ社)を含む
前記培地(10%FBSを含む))2mLに交換した。ルシフェ
リンを含む測定用培地添加後、スライドガラスカバーを
のせ、シリコングリースコンパウンドにて密封し、コン
ピューターに接続した極微弱発計数装置内にセットし
て、自動発光測定(リアルタイムモニター)を実施し
た。 結果を図10に示す。図10の横軸は、測定開始から
の日数(測定開始日を0日とした)を表わし、縦軸は発
光量(cpm)を表わす。図10のように、24時間ごと
の発光の振動が観察された。このことから、我々がクレ
ームするマウスピリオド2遺伝子上流領域(配列番号1
で表される塩基配列の第4415番目〜7931番目)
は、培養細胞においても振動能を有することが確認され
た。したがって、この領域を用いることで、培養細胞に
おいて振動を変化させる物質のスクリーニングが可能で
あると考えられる。 (実施例7) 《ルシフェラーゼベクターにヒトピリオド2上流配列を
連結したコンストラクトpTM15の構築》 実施例3および、実施例5のマウスプロモーター活性
の解析結果から、7つの保存領域のうち、振動に十分で
あると考えられるのは、I〜IIIの領域であると示唆
された。そこでヒトのI〜IIIの領域(配列番号2で
表される塩基配列の第3820番目〜6068番目)を
含むDNA断片を取得するために、鋳型としてヒトゲノムD
NA(クロンテック社)を使用し、酵素としてTaqポリメ
ラーゼ(Advantage−GC Genomic polymerase Mix;ク
ロンテック社)を使用し、PCRを実施した。PCRは、配列
番号29で表される塩基配列(配列番号2で表される塩
基配列の第3644番目〜3671番目の塩基からなる
配列)からなるフォワードプライマーと、配列番号30
で表される塩基配列(配列番号2で表される塩基配列の
第6402番目〜6429番目の塩基からなる配列に対
して相補的な配列)からなるリバースプライマーとを使
用し、94℃で1分間保温した後、94℃(15秒間)
と58℃(30秒間)と68℃(4分間)とからなるサ
イクルを35回繰り返し、最後に68℃で10分間保温
することにより、実施した。PCRの結果、2.8kbpのDN
A断片が得られた。一般的に、Taqポリメラーゼにより増
幅されたPCR断片は3’末端にヌクレオチドAが付加され
ることから、Aが付加されたDNA断片を効率よくクローニ
ングするために、ルシフェラーゼベクターpGL3−basic
のSma IサイトにヌクレオチドTを付加したクローニング
ベクターの作製を試みた。すなわちpGL3−basicを制限
酵素Sma I で処理して切断した後、1%アガロースゲル
で電気泳動を行い、ゲルから切断されたベクターを抽出
し、Taqポリメラーゼ(ロッシュダイアグノスティック
社)を含むPCR反応液に加えて70度で2時間保温し、S
ma I 切断部位へのオリゴヌクレオチドT付加を行った。
このようにして作製したPGL3−basic TAベクターは、P
CR断片を効率よくSma I 部位にクローニングできる。PG
L3−basic TAベクターに先述のPCRにより取得した2.
8kbpのPCR断片を組み込むことによって、レポーターベ
クターpTM15を作製した。ベクターpTM15の内、ヒトピリ
オド2遺伝子の上流域部分の配列は、配列番号2で表さ
れる塩基配列の第3644番目〜6429番目の塩基か
らなる配列に該当し、保存領域I〜III(配列番号2
で表される第3820番目〜第6068番目)を含む。 (実施例8) 《ヒトピリオド2の転写開始点の同定》 実施例2において、マウスピリオド2の転写開始点がI
〜III保存領域内に存在すること明らかにしたが、ヒ
トピリオド2の転写開始点に関する情報はない。そこ
で、ヒトピリオド2の転写開始点同定のため、オリゴキ
ャップ法により作製されたヒト小脳のcDNAライブラリー
(ソースとなるTotal RNAはクロンテック社(cat. 6403
5-1)から入手;文献32,文献33)を用いて、キャ
ップ部位の同定を試みた。すなわち、配列番号22で表
される塩基配列からなるプライマー及び、配列番号31
で表される塩基配列[ヒトピリオド2遺伝子のcDNA(Ge
nBank NM_003894.1)の第480番目〜501番目の塩
基からなる配列に対して相補的な配列]からなるプライ
マーを用いる第1回目のPCRと、配列番号23で表され
る塩基配列からなるプライマー及び配列番号32で表さ
れる塩基配列[ヒトピリオド2遺伝子のcDNA(GenBank
NM_003894.1)の第122番目〜第143番目の塩基
からなる配列に対して相補的な配列]からなるプライマ
ーを用いる第2回目のPCRとからなるネスティドPCRを実
施したところ、キャップ部位を含む209bpと323bp
の二つのDNA断片が得られた。これら2つのDNA断片に対
するシークエンス解析の結果、ヒトピリオド2遺伝子の
第一エクソンは二種類(便宜的にエクソン1A、エクソ
ン1Bとする)存在し、これが第二エクソン(配列番号
2で表される塩基配列の第16462番目〜16710
番目)にそれぞれ独立して連結することが明らかとなっ
た。エクソン1Aは配列番号2で表される塩基配列の第
5625番目〜5773番目であり、エクソン1Bは配
列番号2で表される塩基配列の第5806番目〜606
8番目である。このように、ヒトピリオド2遺伝子の転
写開始点は二つ存在し、配列番号2で表される塩基配列
の第5625番目(エクソン1A)と第5806番目
(エクソン1B)に存在することを明らかにした。この
ことから、構築したベクターベクターpTM15に転写開始
点が含まれることを確認した。 (実施例9) 《培養細胞系における、ヒトピリオド2プロモーターの
振動誘導能確認》 実施例6と同様の方法により、培養細胞におけるヒト
ピリオド2プロモーターベクターpTM15の振動誘導能を
調べた結果、図11に示す有意な振動を確認した。図1
1の横軸は、測定開始からの日数(測定開始日を0日と
した)を、縦軸は発光量(cpm)を表わす。我々がクレ
ームするヒトピリオド2遺伝子上流領域(配列番号2で
表される第3820番目〜6068番目)を含むDNA断
片が培養細胞においても振動能を示したことから、この
領域を用いることで、培養細胞において振動を変化させ
る物質のスクリーニングが可能であると考えられる。 (実施例10) 《ルシフェラーゼベクターにマウスピリオド2上流配列
を連結したデリーションコンストラクトの作製》 実施例 1で取得したマウスピリオド2遺伝子上流領域
断片で第一エクソン上流の3つの保存領域(I、II、
及びIII)を含むベクターpCH3(配列番号1で表
される塩基配列の第4415番目から第7931番目の
塩基からなる配列を含む)が、実施例3の図3に示すよ
うに強いプロモーター活性を有し、且つ、図4に示すよ
うにピリオドの転写活性化因子であるBAML1/CLOCKヘテ
ロダイマーにより転写活性化されることが明らかとなっ
ている。マウスピリオド2遺伝子のベーサルプロモータ
ー活性に重要な領域及びBMAL1/CLOCKヘテロダイマーに
よる転写活性化に重要な領域が、3つの保存領域のどこ
に存在するのかを明らかにするために保存領域デリーシ
ョンコンストラクトを作製して検討した。まず、保存領
域I,II,及びIII(それぞれ、配列番号1で表さ
れる塩基配列の第5932番目から第6043番目の、
第6087番目から第6179番目の、及び第7518
番目から第7735番目の塩基からなる配列に該当す
る)を全て含むより短い塩基配列からなるデリーション
コンストラクトを作製した。前記ベクターpCH3に対
して制限酵素Mlui/BalI処理を行ない、切断し
たDNA断片をアガロースゲル電気泳動により除去し
た。このようにしてデリーションDNA断片を欠失させ
たものについてセルフライゲーションを行なうことによ
り、ベクターpCH3からベクターpCH3−D1を作
製した。ベクターpCH3−D1の内、マウスピリオド
2遺伝子の上流領域部分の配列は、配列番号1で表され
る塩基配列の第5249番目〜第7931番目の塩基か
らなる配列(転写開始点を「+1」とすると-2487〜
+196の塩基配列)に該当する。次いで、保存配列I
及びIIを欠失させたデリーションコンストラクトを作
製した。ベクターpCH3に対して制限酵素MluI/
EcoRI処理処理を行ない、切断したDNA断片をア
ガロースゲル電気泳動により除去した。このようにして
デリーションDNA断片を欠失させたものについてセル
フライゲーションを行なうことにより、ベクターpCH
3からベクターpCH3−D2を作製した。ベクターp
CH3−D2の内、マウスピリオド2遺伝子の上流領域
部分の配列は、配列番号1で表される塩基配列の第64
17番目〜第7931番目の塩基からなる配列(転写開
始点を「+1」とすると-1319〜+196の塩基配列)
に該当する。更に、主に保存領域IIIのみを含むベク
ターを構築するために、ベクターpCH3に対して制限
酵素MluI/BstXI処理を行ない、切断したDN
A断片をアガロースゲル電気泳動により除去した。この
ようにしてデリーションDNA断片を欠失させたものに
ついてセルフライゲーションを行なうことにより、ベク
ターpCH3からベクターpCH3−D3を作製した。
ベクターpCH3−D3の内、マウスピリオド2遺伝子
の上流領域部分の配列は、配列番号1で表される塩基配
列の第7463番目〜第7931番目の塩基からなる配
列(転写開始点を「+1」とすると-273〜+196の塩
基配列)に該当する。 (実施例11) 《マウスピリオド2上流領域デリーションコンストラク
トのプロモータ活性とエンハンサー活性の解析》 マウス培養細胞NIH3T3を、ルシフェラーゼアッ
セイの前日に、6ウェルプレートに1ウェル当たり1×
105ずつ撒いた。トランスフェクション試薬としてリ
ポフェクタミン2000(GIBCO−BRL社)を用
い、各種レポーターベクター1μgとインターナルコン
トロールベクター(PRL−SV40;プロメガ社)2
0ngとを用いて、マニュアルに従ってトランスフェクシ
ョンを行なった。前記レポーターベクターとしては、前
記実施例10で取得したベクターpCH3−D1、ベク
ターpCH3−D2、ベクターpCH3−D3、ネガテ
ィブコントロールとしてプロモーター活性を有しないベ
クターpGL3−b(プロメガ社)、そして、ポジティ
ブコントロールとして、ベクターpCH3を使用した。 なお、インターナルコントロールベクター(PRL−
SV40)以外のベクター(すなわち、ベクターpCH
3−D1、ベクターpCH3−D2、ベクターpCH3
−D3及びベクターpCH3)に含まれるルシフェラー
ゼ遺伝子が、ホタル由来であるのに対して、インターナ
ルコントロールベクター(PRL−SV40)に含まれ
るルシフェラーゼ遺伝子は、シーパンジー(sea p
ansy)由来である。 トランスフェクションから48時間経過後に、細胞を
リン酸緩衝用液(PBS)で1回洗浄した後、アッセイ
キット(ピッカジーンデュアルレポーターアッセイキッ
ト;ニッポンジーン社)を用いて、マニュアルに従って
アッセイを行なった。発光測定は、マイクロタイタール
ミノメーターML3000(Dynatech Lab
oratories社)を用いて行なった。 結果を図12に示す。図12において「BLK」は、
トランスフェクションを実施していない宿主細胞におけ
る発光量を意味する。また、図12に示す「ルシフェラ
ーゼ相対活性(標準化)」は、インターナルコントロー
ルベクター(PRL−SV40)に由来するルシフェラ
ーゼ発現量に基づいて、標準化した値を意味する。図1
2に示すように、ベクターpCH3−D1、ベクターp
CH−D2のベーサルのプロモーター活性は、ベクター
pCH3の約60%のプロモーター活性を示した。ベク
ターpCH3−D3のベーサルのプロモーター活性は、
ベクターpCH3の約80%のプロモーター活性を示し
た。以上のことからマウスピリオド2のベーサルプロモ
ーター活性を担う領域は、配列番号1で表される塩基配
列の第7463番目〜第7931番目の塩基からなる配
列の中に存在することが示唆された。この領域中に転写
開始点及び保存領域IIIが含まれることを考慮する
と、保存領域IIIがベーサルプロモーター活性の発現
に重要であると考えられる。 次に、ピリオド2が転写活性化因子BMAL1/CLOCKヘテ
ロダイマーによって転写活性化を受けるために必要な領
域について検討した。 前記ベクターpCH3−D1、ベクターpCH3−D
2、ベクターpCH3−D3或いはベクターpCH3の
10ngと一緒にpCI−neo−Bmal1及びpCI
−neo−Clockを、それぞれ250ngずつ加え
て、リポフェクタミン2000(GIBCO−BRL
社)を用いてトランスフェクションを行なった。トラン
スフェクションの際には、インターナルコントロールと
してpRL−CMV(プロメガ社)0.5ngを加え、更
に、トランスフェクションするDNAが全量で1μgに
なるように、pCI−neoベクター(プロメガ社)で
調整した。 トランスフェクションから48時間経過後に、前記操
作と同様に、アッセイキット(ピッカジーンデュアルレ
ポーターアッセイキット;ニッポンジーン社)を用いて
発光測定を行なった。 結果を図12に示す。図12における「BLK」は、
図4に示す「BLK」と同じ意味である。図12に示す
ように、ベクターpCH3−D1、ベクターpCH3−
D2、ベクターpCH3−D3及びベクターpCH3
は、全てビーマル1 遺伝子及びクロック遺伝子のコトラ
ンスフェクションにより転写がそれぞれおよそ5.0
倍、5.6倍、7.1倍及び5.6倍活性化されたこと
から、BMAL1/CLOCKヘテロダイマーにより転写活性化を
受けたものと考えられた。この結果から、マウスピリオ
ド2が転写活性化因子BMAL1/CLOCKヘテロダイマーによ
って転写活性化を受けるのに重要な配列は、配列番号1
で表される塩基配列の第7463番目〜第7931番目
の塩基からなる配列の中に存在することが示唆された。
この領域中に保存領域IIIが含まれることから保存領
域IIIの中に、BMAL1/CLOCKヘテロダイマーが機能す
るための応答配列が存在するものと考えられる。 (実施例12) 《マウスピリオド2上流領域デリーションコンストラク
トの振動誘導能の解析》 実施例6と同様の方法により、実施例10で作成した
ベクターpCH3−D3を用いて培養細胞における振動
誘導能を調べた結果、図13に示す有意な振動を確認し
た。図13の横軸は、測定開始からの日数(測定開始日
を0日とした)を、縦軸は発光量(cpm)を表わす。マ
ウスピリオド2遺伝子上流領域のうち保存領域IIIの
みを含むDNA断片(配列番号1で表される塩基配列の
第7463番目〜第7931番目の塩基からなる配列に
該当する)が、培養細胞において振動能を示したことか
ら、マウスピリオド2の保存領域IIIの中に発現振動
に重要な配列が存在すると考えられ、この領域を用いる
ことで、培養細胞において振動を変化させる物質のスク
リーニングが可能であると考えられる。 産業上の利用可能性 本発明のピリオド2遺伝子プロモーター、前記プロモ
ーター及びレポーター遺伝子を含む本発明のコンストラ
クト、本発明の細胞、本発明のトランスジェニック動
物、又はその視交叉上核切片若しくは末梢組織を用い
て、体内時計遺伝子の発現を制御する物質のスクリーニ
ング系を構築することができる。前記スクリーニング系
により選択された物質は、概日リズム疾患(例えば、概
日リズム異常に起因する、睡眠傷害、うつ病、又は老年
性痴呆患者の行動異常)を改善する薬剤の候補物質とし
て有用である。 <文献リスト> 1. J. C. Dunlap, Cell, 96, 271-90(1999). 2. A. Balsalobreら,Science, 289, 2344−7(200
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cial Sequence」の説明を記載する。具体的には、配列
表の配列番号21の配列で表される塩基配列は、オリゴ
キャップのアダプター配列である。配列表の配列番号2
2の配列で表される塩基配列は、配列表の配列番号21
の配列で表される塩基配列における第1番目〜第21番
目の塩基からなる配列である。配列表の配列番号23の
配列で表される塩基配列は、配列表の配列番号21の配
列で表される塩基配列における第11番目〜第30番目
の塩基からなる配列である。配列表の配列番号27の配
列で表される塩基配列は、クローニングベクターpGL3
−b(GenBank U47295)の第410番目〜第432番目
の塩基からなる配列である。配列表の配列番号28の配
列で表される塩基配列は、クローニングベクターpGL3
−b(GenBank U47295)の第980番目〜第1000番
目の塩基からなる配列に対して相補的な配列である。 以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業
者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。 SEQUENCE LISTING 〈110〉Yamanouchi Pharmaceutical Co., Ltd. 〈120〉Novel clock gene promoter 〈130〉Y0212PCT 〈150〉JP 2001-107467 〈151〉2001-04-05 〈150〉JP 2001-183087 〈151〉2001-06-18 〈150〉JP 2001-383743 〈151〉2001-12-17 〈160〉32 〈210〉1 〈211〉17004 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉1 〈210〉2 〈211〉17112 〈212〉DNA 〈213〉Homo sapiens 〈400〉2 〈210〉3 〈211〉22 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉3 〈210〉4 〈211〉22 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉4 〈210〉5 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉5 〈210〉6 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉6 〈210〉7 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉7 〈210〉8 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉8 〈210〉9 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉9 〈210〉10 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉10 〈210〉11 〈211〉20 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉11 〈210〉12 〈211〉20 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉12 〈210〉13 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉13 〈210〉14 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉14 〈210〉15 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉15 〈210〉16 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉16 〈210〉17 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉17 〈210〉18 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉18 〈210〉19 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Homo sapiens 〈400〉19 〈210〉20 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Homo sapiens 〈400〉20 〈210〉21 〈211〉30 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈220〉 〈223〉Description of Artificial Sequence: an adap
tor sequence of an oligo cap 〈400〉21 〈210〉22 〈211〉21 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈220〉 〈223〉Description of Artificial Sequence: the seq
uence of the 1st to 21st bases in the base sequenc
e of SEQ ID No: 21 〈400〉22 〈210〉23 〈211〉20 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈220〉 〈223〉Description of Artificial Sequence: the seq
uence of the 11th to 30th bases in the base sequen
ce of SEQ ID No: 21 〈400〉23 〈210〉24 〈211〉21 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉24 〈210〉25 〈211〉22 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉25 〈210〉26 〈211〉20 〈212〉DNA 〈213〉Mus sp. 〈400〉26 〈210〉27 〈211〉23 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈220〉 〈223〉Description of Artificial Sequence: the seq
uence of the 410th to 432nd bases in cloning vecto
r pGL3-b(GenBank U47295) 〈400〉27 〈210〉28 〈211〉21 〈212〉DNA 〈213〉Artificial Sequence 〈220〉 〈223〉Description of Artificial Sequence: the seq
uence complementary to the sequence of the 980th t
o 1000th bases in cloning vector pGL3-b(GenBank U
47295) 〈400〉28 〈210〉29 〈211〉28 〈212〉DNA 〈213〉Homo sapiens 〈400〉29 〈210〉30 〈211〉28 〈212〉DNA 〈213〉Homo sapiens 〈400〉30 〈210〉31 〈211〉22 〈212〉DNA 〈213〉Homo sapiens 〈400〉31 〈210〉32 〈211〉22 〈212〉DNA 〈213〉Homo sapiens 〈400〉32
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 5/00 A 早期審査対象出願 (56)参考文献 国際公開01/07654(WO,A1) Science,2001 Feb., Vol.291, pp.1040−1043 Nature,2001 Feb., V ol.409, p.684 Cell,1997, Vol.91, p p.1055−1064 Science,1998, Vol. 280, pp.1584−1589 Genomics,2000, Vol. 65, pp.224−233 Cell,1999, Vol.96, p p.57−68 和光純薬時報,1998, Vol.66, No.3, pp.10−13 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C12Q 1/02 A01K 67/027

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベーサルのプロモーター活性を保持し、か
    つBMAL1/CLOCKヘテロダイマーにより転写活性化される
    プロモーター活性を示す、下記(a)、(b)、
    (c)、(d)、又は(e)に記載の塩基配列を含むDN
    A。 (a)配列番号1で表される塩基配列における第746
    3番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (b)配列番号1で表される塩基配列における第641
    7番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (c)配列番号1で表される塩基配列における第524
    9番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (d)配列番号1で表される塩基配列における第441
    5番目〜第7931番目の塩基からなる配列。 (e)配列番号2で表される塩基配列における第382
    0番目〜第6068番目の塩基からなる配列。
  2. 【請求項2】請求の範囲1の(a)、(b)、(c)、
    (d)、又は(e)に記載の塩基配列からなるDNA。
  3. 【請求項3】請求の範囲1または2に記載のDNAとレポ
    ーター遺伝子とを含むコンストラクト。
  4. 【請求項4】請求の範囲3に記載のコンストラクトを含
    む細胞。
  5. 【請求項5】請求の範囲4に記載の細胞と被検物質とを
    接触させる工程、及び レポーター活性を測定する工程 を含むことを特徴とする、ピリオド2遺伝子の発現を制
    御する物質のスクリーニング法。
  6. 【請求項6】請求の範囲3に記載のコンストラクトを導
    入したトランスジェニック動物。
  7. 【請求項7】前記動物がラットである請求の範囲6に記
    載のトランスジェニック動物。
  8. 【請求項8】請求の範囲4に記載の細胞、あるいは請求
    の範囲6又は請求の範囲7に記載のトランスジェニック
    動物の視交叉上核切片若しくは末梢組織に被検物質を作
    用させる工程、及び 発現振動を測定する工程 を含むことを特徴とする、ピリオド2遺伝子の発現及び
    /又は発現振動を制御する物質のスクリーニング法。
  9. 【請求項9】請求の範囲6又は請求の範囲7に記載のト
    ランスジェニック動物に被検物質を投与し、前記動物の
    視交叉上核の発現振動を測定する工程 を含むことを特徴とする、ピリオド2遺伝子の発現及び
    /又は発現振動を制御する物質のスクリーニング法。
  10. 【請求項10】ピリオド2遺伝子の発現及び/又は発現
    振動を制御する物質が、リズム障害改善用である、請求
    の範囲5、請求の範囲8、又は請求の範囲9のいずれか
    一項に記載のスクリーニング法。
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Science,1998, Vol.280, pp.1584−1589
Science,2001 Feb., Vol.291, pp.1040−1043
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