JP3481951B2 - 寸法的に安定な管型のプラスティック熱交換器 - Google Patents

寸法的に安定な管型のプラスティック熱交換器

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JP3481951B2
JP3481951B2 JP51307798A JP51307798A JP3481951B2 JP 3481951 B2 JP3481951 B2 JP 3481951B2 JP 51307798 A JP51307798 A JP 51307798A JP 51307798 A JP51307798 A JP 51307798A JP 3481951 B2 JP3481951 B2 JP 3481951B2
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tubes
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tubing
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ドシ,シャイルシュ.
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、熱交換器に関し、具体的には、熱可塑性組
成物から作成された管を用いて作成された管型の熱交換
器、特定の種類の部分的に芳香族のポリアミドまたはコ
ポリアミドで構成されたその主要な部分、およびこれら
の熱交換器を製造する方法に関する。
金属類を成形加工した熱交換器はよく知られており、
互いを直接接触させることなく2つの流体流の間で熱を
交換する必要がある、自動車およびその他の輸送運搬手
段、化学プロセス、空調、および冷凍のさまざまな種類
の最終用途において用いられている。金属類は、それら
が壁を通した迅速な熱伝導を提供し、および高い剛性お
よび強度の特性を有していることの利点を有する。しか
し、それらは化学的攻撃による腐食の対象である。エン
ジニアリングサーモプラスティック類、特にポリアミド
類は、高温において良好な化学的抵抗性と剛性および強
度の特性とを有する。したがって、これらの熱可塑性材
料から熱交換器を作成することが所望される。
熱可塑性物質で形成された熱交換器、およびそれらの
製造法は知られている。たとえば、米国特許第4,955,43
5号、第5,469,915号および第5,499,676号は、熱可塑性
物質で、好ましくはポリアミド類で形成された多くのパ
ネル熱交換器を開示している。米国特許第4,923,004号
および第5,078,946号は、熱可塑性物質、好ましくはポ
リアミドで形成された快適熱交換器、およびその製造方
法を開示している。
管型の熱可塑性物質の熱交換器 本発明は、熱可塑性物質で形成された管型の交換器に
関する。これらの熱交換器は、縦方向に伸びる多数の管
が空間的に離隔して配置され、およびそれらの端におい
て2つのマニホールドに一体的に結合される構造で構成
される。そのマニホールドには、第1の流体が入り、お
よび管を通して流体が流れる流体注入口、および第1の
流体が出る流体排出口を設ける。それらの管壁を越えて
第1および第2の流体の間で熱交換が容易になるように
する。第2の流体はそれらの管の外側でそれらの周囲を
流れて、それらの流体の間の直接的接触は、管壁および
マニホールドの構造により防止される。
第2の流体が封じ込めを必要とする場合には、それら
の管を包んで2つのマニホールドの間に延在し、および
第2の流体のための注入口および排出口が用いた流れの
伝達のための、熱可塑性物質の外殻(シェル)を備えて
もよい。周囲の空気の場合のように、第2の流体が封じ
込めを必要としないならば、外殻を備えることは必要で
はない。
課題の説明 ポリアミド類から作成された管を有する管型の熱交換
器は、1つの欠点を有する。水分またはアルコールのよ
うな他の極性化学薬品の吸収または脱着時に、管が寸法
変化を示す。その構造および暴露条件に依存して、これ
らの寸法変化はしばしば不均一である。すなわち、いく
つかの管がその他のものよりも大きな寸法変化を示す。
寸法変化は熱膨張/収縮により発生する可能性があり、
そして温度勾配に依存して、これらの変化も同様に不均
一となり得る。マニホールドの間に束縛されたスパンを
有する熱交換器において、より長い管は撓みおよび曲が
りを発生させて、その異なる長さに適応する。この現象
は以下のおもわしくない結果を有する。
(a) 熱交換器の劣悪な外観をもたらす。
(b) それは、外側の流体がバイパスすることができ
る管の間のギャップを作り、そして総合的な熱交換性能
を著しく減少させる。
図面の簡単な説明 外殻を持たない管型の熱交換器を、図面のその唯一の
図である図1に示し、そこで要素1はマニホールド2お
よび3の間に縦方向に配列された管である。要素4は、
そのユニットに対する構造用支持体を提供し、およびそ
の2つのマニホールドの間の管のスパンを維持するフレ
ームである。
発明の要旨 本発明は、熱交換器における使用のための管を提供
し、前記管は熱可塑性組成物で作成され、その組成物
は、モル基準において25%から65%のモノマーが芳香族
であることを有する脂肪族および芳香族モノマーから作
成された、少なくとも50重量%の部分的に芳香族の溶融
加工可能なポリアミド類またはコポリアミド類を含み、
ここでポリアミドまたはコポリアミドが65℃以上のガラ
ス転移温度を有する。
本発明は、水分または極性化学薬品の吸収および喪失
および熱膨張により使用環境において発生する可能性の
ある管の曲がることおよび撓むことが防止される、前記
管で作成された熱交換器および管型の熱交換器の製造方
法を提供する。
発明の詳細な説明 比較的高いガラス転移温度を有する部分的に芳香族の
溶融加工可能な特定の種類のポリアミド類またはコポリ
アミド類から熱交換器管を作成することにより、上記の
問題点に対する解決法を見いだした。これらのポリマー
が管材料に溶融成形され、そして急冷されたときに、そ
れらが獲得することができる総合的な結晶化度のごくわ
ずかな部分を獲得する。同様に、それらは成形プロセス
に起因する比較的高いレベルの残留応力を有する。それ
らのガラス転移温度より高い温度におけるこれらの管の
アニールは、残留応力の緩和およびその材料のさらなる
結晶化をもたらす。これらの方法は、管材料の寸法の収
縮をもたらす。
種々の観点において、本発明は以下を含む。
(a) 大部分が上記のポリアミド/コポリアミドで構
成される熱可塑性組成物から作成された管材料を用いて
管型の熱交換器を作成する工程。その管材料は、そのポ
リアミドが獲得することができる総合的な結晶化度のわ
ずかな部分のみを有し、および管成形プロセスい起因す
るかなり大きいレベルの残留応力を有することができ
る。2つのマニホールドの間の管のスパンがあらかじめ
決定された長さに固定されるように、その熱交換器は堅
いフレームを伴って作成される。
(b) ポリアミドのガラス転移温度よりも高い適当な
温度にさらすことにより、熱交換器をアニール処理にか
ける工程。より短い継続時間でアニールを終了させるた
めに、アニール温度をそのガラス転移温度よりも相当に
高くすることができる。
アニールは、ポリアミド/コポリアミドがさらに結晶
化すること、および成形プロセスによって管材料中に存
在する残留応力を緩和することをもたらす。これらのプ
ロセスの結果として、その管材料は収縮を受ける。しか
し、2つのマニホールドの間の管のスパンはあらかじめ
決定された長さに固定されているので、その収縮は集成
体中に張力を導入する。収縮量は、用いたポリアミドの
具体的な種類、およびアニール工程の前の結晶化度およ
び管材料中の残留応力に依存する。アニール時の収縮量
が、使用環境において発生することが予測されている膨
張の最大量よりも大きく、しかし得られる張力が管およ
び管とマニホールドとの結合の破壊をもたらすことがで
きるほど高くしないように、ポリマーを選択し、かつ集
成体を設計することが重要である。本発明において、ア
ニール時の収縮量が、乾燥した管が水で飽和される時に
発生する潜在的な膨張の最大量の大きさの1から5倍の
範囲であることが望ましい。同様に、アニールは全ての
管が均一に加熱されるように行われなければならない。
もしこれが達成されないならば、いくつかの管がアニー
ルされ、そしてその他の管よりもより速く収縮し、そし
てより長い管の座屈をもたらす可能性がある。
そのような熱交換器が使用に供されるときに、管は、
水分または他の極性化学薬品の吸収および/またはその
使用環境において遭遇する温度上昇に起因する膨張を受
ける。しかし、管に撓みおよび曲がりをもたらすことと
は対照的に、この膨張は、単にアニールプロセスにより
蓄積した張力のいくらかの緩和をもたらす。したがっ
て、その交換器はその外観および使用環境における熱交
換性能を維持することができる。
部分的に芳香族の溶融加工可能なポリアミド類およびコ
ポリアミド類 本発明に用いられる部分的に芳香族の溶融加工可能な
ポリアミド類およびコポリアミド類は、モル基準におい
て少なくとも25%のモノマーが本質的に芳香族であるよ
うに、ジアミン類、ジカルボン酸類またはそれらの誘導
体、アミノカルボン酸類およびラクタム類のような脂肪
族および芳香族のモノマーから形成されたポリマーであ
る。
脂肪族ジアミンの例は、ヘキサメチレンジアミン、2
−メチルペンタメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタ
ン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4
−トリメチルペンタメチレンジアミン、5−アミン−1,
3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン等である。芳香族ジア
ミンの例は、m−キシレンジアミン、p−キシレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、およびp−フェニレン
ジアミンである。
脂肪族ジカルボン酸の例は、アジピン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸等である。芳香族ジカルボン酸および
それらの誘導体の例は、テレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸ジメチル、および2,6−ナフタレンジカル
ボン酸である。
脂肪族アミノカルボン酸の例は、10−アミノデカン
酸、および4−アミノシクロヘキシル酢酸を含む。芳香
族アミノカルボン酸の例は、p−アミノ安息香酸、4−
アミノフェニル酢酸を含む。
脂肪族ラクタムの例は、カプロラクタム、ラウロラク
タム、および2環性のエンドエチレンカプロラクタムで
ある。芳香族ラクタムの例はオキシンドールである。
これらのポリアミド類およびコポリアミド類は、約65
℃以上のような高いガラス転移温度を有する。ポリマー
のガラス転移温度を解析的に決定するいくつかの方法が
ある。1つの方法は、ポリマーサンプルの動的機械的分
析(DMA)を用いる。以下のデータにおいて、動的機械
的分析(DMA)における貯蔵弾性率が勾配の変化を示す
ところの温度を用いて、ガラス転移温度を示した。
ポリアミドまたはコポリアミドを形成するのに用いら
れるモノマーの芳香族のモル含有率が、65%未満である
ことが望ましい。より高い芳香族含有率においては、そ
のポリマーの融点は、溶融成形可能にするためには高す
ぎる。同様に、そのようなポリマーは低い総体的の結晶
化度を有すると考えられ、したがってアニールにおいて
適切な収縮を示さない。
表Iは、構成するモノマー、芳香族のモル含有率、お
よび概略のガラス転移温度とともに、いくつかのそのよ
うな部分的に芳香族のポリアミド類およびコポリアミド
類を記載する。いくつかの脂肪族ポリアミド類も、比較
のために記載する。
上記の表において、以下の略語を用いた。
HMD ヘキサメチレンジアミン 2−MPMD 2−メチルペンタメチレンジアミン TPA テレフタル酸 AA アジピン酸 DMD デカメチレンジアミン DDMD ドデカメチレンジアミン Capro カプロラクタム DDDA ドデカン二酸 DDA デカン二酸 IPA イソフタル酸 MXD メタキシレンジアミン TXD トリメチルヘキサメチレンジアミン 6T HMDとTPAとから形成されたポリマー分子単位 DT 2−MPMDとTPAとから形成されたポリマー分
子単位 66 HMDとAAとから形成されたポリマー分子単位 10T DMDとTPAとから形成されたポリマー分子単位 12T DDMDとTPAとから形成されたポリマー分子単
位 6 Caproから形成されたポリマー分子単位 612 HMDとDDDAとから形成されたポリマー分子単
位 610 HMDとDDAとから形成されたポリマー分子単位 上記のポリアミド類/コポリアミド類が、それら単独
で用いられてもよいし、それらポリアミド類/コポリア
ミド類がポリマー配合物の主要部分を形成する他のポリ
マーとの組成物において用いられてもよいことに注意す
べきである。同様に、それらポリアミド類/コポリアミ
ド類を、強化材、溶融粘度向上剤、補強材、充填材およ
び他の添加剤を組み込むことにより改質して、それらの
溶融粘度、加工可能性、熱/酸化/化学安定性、物理的
特性および機械的特性を高めてもよい。たとえば、エポ
キシ、酸または酸無水物のような反応性官能基を有する
添加剤が、ポリアミドの溶融粘度を高めるのにしばしば
用いられる。前記の官能基を有するエラストマー材料が
ポリアミドの靭性特性を向上させるのにしばしば用いら
れる。ガラス繊維、微粒子鉱物等を用いて、ポリアミド
の剛性および強度特性を向上させてもよい。これらの組
成物を調製するための一般的な方法は、溶融する工程
と、押出機、好ましくは2軸スクリュー押出機中で適当
な比率の成分を混合する工程とを必要とする。
部分的に芳香族の溶融加工可能なポリアミド類またはコ
ポリアミド類から形成された管 上記の部分的に芳香族の溶融加工可能なポリアミド類
またはコポリアミド類をベースとするポリマー配合物
を、知られている技術により管材料に成形してもよい。
典型的な方法は、材料を押出機内の溶融物へと可塑化す
る工程と、適当な寸法を有する環状の開口部を有するダ
イを通してその溶融物を押出成形する工程とを必要とす
る。そのダイから出てくる溶融した管は、それが固形化
する水急冷浴に入る。小さな直径の管材料の場合におい
ては、管材料内へダイを通して空気を吹き込むことによ
りその管材料の寸法を制御することができ、および急冷
するために開放型水槽を用いることができる。あるいは
また、管材料内に吹き込まれる空気を伴いまたは伴わな
いで急冷タンク内に真空を適用する、真空サイジングが
用いられる。後者の場合において、溶融した管材料を所
望の寸法に固形化させる急冷タンクの導入口において、
プラスティック管材料の所望の外径に相当する内径を有
する短い金属の管の形態に設計された寸法設定器(size
r)が用いられる。
その高いガラス転移温度により、上記の熱可塑性ポリ
アミド類またはコポリアミド類で作成された管材料は、
そのポリアミドが獲得することができる結晶化度のわず
かな部分のみを発現させる。その管材料は同様に、管成
形プロセスに起因するかなり大きいレベルの残留応力を
有する傾向にある。アニール工程は、その管材料が完全
な結晶化度を発現させることおよび残留応力を緩和する
ことのために必要である。その管材料は、アニールにお
いて収縮を受ける。収縮の量は、用いたポリアミドの具
体的な種類、管材料の結晶化度およびアニール工程前の
残留応力の程度に依存する。本発明において用いるため
には、アニールにおける収縮の量を、その使用環境にお
いて発生することが予測される膨張の最大量より大きい
が、得られる張力が成形加工された熱交換器の管または
管とマニホールドの結合部の破壊をもたらすほど高くな
いように、ポリマー配合物を選択することおよびそれを
管材料に成形することが重要である。具体的には、アニ
ールにおける収縮の量を、乾燥した管が水で飽和される
ときに発生する可能性のある膨張の最大量の大きさの1
から5倍の範囲内にすることが望ましい。
寸法安定な管型のプラスティック熱交換器 2つのマニホールドの間に多数の管を一定の間隔を離
すようにして縦方向に配置すること、およびそれらをマ
ニホールドに一体として連接することにより、管型のプ
ラスティック熱交換器が作成される。管を、接着により
結合することあるいは溶接することのような適当な結合
技術を用いて、マニホールドに連接することができる。
本発明は以下を含む。
(a) 上記のポリアミド類/コポリアミド類をベース
とする熱可塑性組成物から作成された管材料を用いて管
型の熱交換器を作成する工程。その管材料は、そのポリ
アミドが獲得することができる総合的な結晶化度のわず
かな部分のみを有し、および管成形プロセスに起因する
かなり大きいレベルの残留応力を有してもよい。その熱
交換器は、2つのマニホールドの間の管のスパンをあら
かじめ決定された長さに固定するように、堅固なフレー
ムを有して作成される。
(b) 熱交換器を、ポリアミドのガラス転移温度より
も高い適当な温度にさらすことによるアニール処理にか
ける工程。アニールをより短い継続時間で終了させるた
めに、アニール温度をそのガラス転移温度よりも相当に
高くすることができる。
アニールは、ポリアミド/コポリアミドがさらに結晶
化すること、および成形プロセスにより管材料中に存在
する残留応力を緩和することをもたらす。これらのプロ
セスの結果として、管材料は収縮を受ける。しかし、2
つのマニホールドの間の管のスパンがあらかじめ定めら
れた長さに固定されているので、その収縮は集成体中に
張力を導入する。収縮の量は、用いたポリアミドの具体
的な種類、管材料中の結晶化度、およびアニール工程前
の残留応力に依存する。アニールにおける収縮の量を、
その使用環境において行われることが予測される膨張の
最大量より大きいが、得られた張力が作成された熱交換
器の管または管とマニホールドの結合部の破壊をもたら
すほど高くないように、ポリマー配合物を選択すること
および集成体を設計することが重要である。同様に、ア
ニールは、全ての管が均一に加熱され、したがって均一
な速度で収縮することができるような方法において行わ
れなければならない。もしこれが達成されないならば、
いくつかの管がその他のものよりも速くアニールおよび
収縮し、そしてより長い管の座屈をもたらす可能性があ
る。
そのような熱交換器が使用に供されるときに、管は、
水分または他の極性化学薬品の吸収および/または使用
環境において遭遇する温度上昇に起因する膨張を受け
る。しかし、管に撓みおよび曲がりをもたらすこととは
対照的に、この膨張は、アニールプロセスによって構築
された張力のいくらかの緩和をもたらすのみである。そ
のように、交換機はその形状および外観、および使用環
境におけるその熱交換性能を維持することができる。
ここでは、部、比率およびパーセントは、他の方法で
示されるところを除いて、重量による。
実施例1: 高分子量脂肪族ポリアミド、すなわち66、および部分
的に芳香族のコポリアミド、すなわち6T/DT(50/50)を
ベースとする材料を用いて、約3.65mmの外径および0.19
〜0.22mmの壁厚を有する熱交換器管を作成した。
66は、約48℃の低いガラス転移温度を有する。この材
料で作成された管材料は、押出成形急冷工程中にその完
全な結晶化度を本質的に獲得することが期待された。同
様に、その管材料中の残留応力レベルは比較的低いこと
が期待された。コポリアミド6T/DT(50/50)は、約15%
の官能基化されたおよび5%の官能基化されないエチレ
ンプロピレンヘキサジエンエラストマーを用いて強化さ
れた。その官能基化された強化剤は、約1.75重量%の無
水マレイン酸を用いてグラフト化された。このコポリア
ミドは、約125℃の比較的高いガラス転移温度を有す
る。その結果として、押出成形急冷工程中に、この材料
で形成された管材料は、達成することができる総合的な
結晶化度のごくわずかな部分を達成することが予測され
る。高いレベルの残留応力を有することも予想された。
アニール時にその材料が達成することができる追加の
結晶化度および管材料中の残留応力のレベルは、アニー
ル処理に関連する収縮の量を計測することにより評価す
ることができる。この目的のために、窒素雰囲気中で5
分間にわたって180℃の温度にさらすことによるアニー
ル処理に、上記材料の管材料の代表試料をさらし、そし
て室温に冷却した後にそれらの長さの変化を測定した。
同様に、サンプルを繰り返し調湿しおよび乾燥する処理
にさらし、そして乾燥状態からほぼ飽和した状態に至る
のに関連する長さの変化の平均を計算することにより、
水の吸収/喪失時のアニールされたサンプルの寸法変化
を特徴づけた。これらの結果を表2にまとめた。
それらの結果は、押出成形時に、66管材料がその結晶
化度の実質的に全てを獲得し、および比較的低いレベル
の残留応力を有し、一方、強化された6T/DT(50/50)管
材料はその獲得することが可能な結晶化度のわずかな部
分を獲得したに過ぎず、および高レベルの残留応力を有
したという予測を確認する。
強化された6T/DTポリマーで作成された管のアニール
に起因する収縮が、水分の飽和に起因して起こるであろ
う膨張の最大量の約2.7倍であることは注目に値する。
双方の材料の管材料に関して、23℃から100℃までの
温度上昇に起因する熱膨張による寸法の変化は8.3mm/m
のオーダーであると見積もられる。したがって、100℃
の温度および湿度飽和状態を含む使用環境に関して、強
化された6T/DT(50/50)管材料に対するアニールによる
収縮は、水分吸収および温度上昇の双方に起因して潜在
的に発生する可能性がある合計の膨張の大きさの約1.8
倍である。
0.71mのスパンを取っている2つのマニホールドの間
に329個の管材料部品を縦に配置することにより、66管
材料から幅約0.74m、高さ約0.33m、厚さ約0.09mの管型
の熱交換器を作成した。この交換器はアニールしなかっ
た。なぜなら、その管材料がその潜在的結晶化度の全て
を実質的に達成しており、かつその管材料中の残留応力
が比較的低いことを上記のデータを示したからである。
その管の潜在的な膨張に対抗して張力を維持するよう
に、その交換器のフレームに引張ばねを装備した。管内
部に約65℃の湯をおよびそれらの周囲に空気を循環させ
ることにより、使用の実例の環境においてそれを試験し
た。そのフレームの引張ばねにもかかわらず、数時間以
内に、その管のいくつかが、不均一な伸びに起因する撓
みおよび曲がりを発現させた。
強化された6T/DT(50/50)管材料を用いて、同等の交
換器を作成した。一方のマニホールドが0.704mに対して
内側に6.4mm移動できるように、そのフレームを設計し
た。この熱交換器には、引張ばねは装備されなかった。
作成時に、熱交換器全体をオーブン中185℃において10
分間にわたってアニールした。アニールにおいて、移動
可能な管板は許容された長さの終わりまで引っ張られ、
そして管の全ては完全にしっかりしているように感じら
れた。それらの管は座屈のいかなる兆候も示さず、アニ
ールが均一な方法で行われたことを示した。上記のよう
な使用の実例の環境において、その交換器を試験した。
約65℃の湯を昼の間中に循環させて、管が水分を吸収す
ることを可能にし、一方夜間は循環を停止して、管が乾
燥することを可能にした。その試験を21日を越えて継続
した。その試験を通して、それらの管は直線のままであ
り、かついかなる曲がりおよび撓みも発現させなかっ
た。
実施例2 部分的に芳香族のコポリアミド6T/DT(30/70)を用い
て、以下のような3つのポリマー配合物を調製した。
押出成形および急冷により、約3.65mmの外径および約
0.19〜0.22mmの壁厚を有する管を、上記材料から作成し
た。管材料の代表試料を、窒素雰囲気中205℃において
5分間にわたるアニール処理にさらして、そして実施例
1に記載したように収縮量を測定した。同様に、ほぼ乾
燥した状態からほぼ飽和状態に至る吸収に起因する寸法
変化を、実施例1に記載したように特徴づけた。これら
の測定の結果を、表3中に示す。
その結果は、これらの管におけるアニール時の収縮量
が、水分の吸収に起因して発生する可能性がある膨張の
最大量の約9から14倍であることを示す。この収縮量は
極めて大きく、そして、アニールに起因する収縮が均一
な方法で行われることおよび集成体が過剰に引張られる
ことをもたらさないことを保証するために、熱交換器の
適切に設計された構造すなわちジオメトリックス(geom
etrics)を必要とするだろう。たとえば、集成体が引張
られることが始まる前に、一方のマニホールドがあらか
じめ定められた距離を移動可能にするようにマニホール
ドおよび熱交換器のフレームの集成体を設計することに
より、これを達成することができる。
実施例3 部分的に芳香族のコポリアミド6T/DT(50/50)、脂肪
族ポリアミドN66、スチレン−無水マレイン酸共重合体
(SMA)および1.75%の無水マレイン酸を用いて官能基
化されたエチレン−プロピレン−ヘキサジエンエラスト
マー(MA−g−EPDM)か、あるいは官能基化されていな
い形態(EPDM)をベースとする強化剤を用いて、いくつ
かのポリマー配合物を調製した。部分的に芳香族のコポ
リアミド6T/DT(50/50)は、いずれの配合物でも主要部
分を形成した。
押出成形および急冷することにより、上記材料から約
3.65mmの外径および約0.19〜0.22mmの壁厚を有する管材
料を作成した。これらの管材料の代表試料を、窒素雰囲
気における約10分間にわたる190℃でのアニール処理に
さらし、そして実施例1において記載したように収縮量
を測定した。同様に、ほぼ乾燥している状態からほぼ飽
和状態への水分吸収に起因する寸法変化も、実施例1に
記載されるようにそれぞれのサンプルについて特徴づけ
た。結果を表4に示す。
その結果は、上記材料の全てが、水分の飽和により発
生する可能性のある膨張の最大量の1.2から3.7倍の範囲
内のアニールにおける収縮を示したことを示す。適当に
設計された管型の熱交換器において、これらの材料は、
ここに記載されたアニール技術により熱交換器が管に張
力を付与することを可能にし、およびしたがって熱交換
器の外観および熱交換性能を維持する。
これらの管に関する23℃から100℃までの温度の上昇
に起因する熱膨張は、8.3mm/mのオーダーであると見積
もられる。材料VIIおよびXIIの場合においては、アニー
ルによる収縮量は、水分吸収により発生する可能性のあ
る膨張の最大量よりも大きい。大きな熱膨張が予測され
ない用途においては、これらの材料は用いるのに適当で
ある。上記の大きさの熱膨張が水分飽和に起因する膨張
と同時に起こることが予測される用途においては、上記
のアニール技術によって構築された張力は、合計の膨張
に対抗して管の外観を保持するためには充分ではない。
実施例4 強化され、部分的に芳香族の実施例1のコポリアミド
(材料II)に対して、5重量%および10重量%の液晶共
重合体(LCP)、すなわちポリ(4,4'−ビフェノール/
ヒドロキノン/4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/
2,6−ナフタレンジカルボン酸/6−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸/無水酢酸)を補強材として混合することによ
り、ポリマー配合物を調製した。押出成形および急冷す
ることにより、上記材料から外径約3.65mmおよび壁厚約
0.19〜0.22mmを有する管を作成した。押出成形プロセス
中に、LCPはコポリアミドマトリックスの内部に補強す
るフィブリルを形成すると期待される。代表試料を、窒
素雰囲気中で約10分間にわたる190℃でのアニール処理
にさらし、そして実施例1に記載されているように収縮
量を測定した。同様に、ほぼ乾燥している状態からほぼ
飽和状態への水分吸収に起因する寸法変化も、実施例1
に記載されるようにそれぞれのサンプルについて特徴づ
けた。結果を表5に示す。
いかなるLCPも持たない強化された6T/DT(材料II)で
作成された管材料に対するそれよりも、アニールによる
これらの管の収縮がいくらか小さいことに注目していた
だきたい。これは、LCPの存在が急冷することの前にコ
ポリマーの結晶化を促進するので、アニール時に得られ
るさらなる結晶化の量がより小さくなることによるもの
であろう。同様に、水分吸収に起因するこれらの管の膨
張も、強化された6T/DT(材料II)で作成された管材料
に関するそれよりも小さい。これは、LCPフィブリルの
補強効果に起因すると考えられる。
その結果は、上記材料が水分吸収に起因する膨張の2.
2から2.6倍であるアニールによる収縮を示すことを示
す。同様に、LCPフィブリルの補強効果により、23℃か
ら100℃までの温度上昇に起因するこれらの材料の膨張
は、LCP補強材を持たない材料に対して見積もられてい
る8.3mm/mよりも小さいことが予測される。適当に設計
された管型の熱交換器において、これらの管材料は、こ
こで記載されたアニール技術と組み合わせて用いられ
て、その管材料に張力を付与し、したがってその熱交換
器の外観および熱交換性能を維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−33498(JP,A)) 特公 昭53−25377(JP,B2) 欧州特許出願公開291322(EP,A 1) 欧州特許出願公開469435(EP,A 1) 欧州特許出願公開277376(EP,A 1) 国際公開94/20564(WO,A1) 国際公開89/10948(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 21/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管タイプのプラスティック熱交換器を製造
    するための方法であって、前記方法が、 (a) 溶融物の押出成型によりプラスティック管を成
    形し、続いて急冷を行い、前記管が、モル基準で25%か
    ら65%のモノマーが芳香族である脂肪族および芳香族モ
    ノマーから作成された、部分的に芳香族の溶融加工可能
    なポリアミドまたはコポリアミドを少なくとも50重量%
    含む熱可塑性組成物から作成され、および前記ポリアミ
    ドまたはコポリアミドが65℃以上のガラス転移温度を有
    し; (b) 形成されたままの、急冷され、かつ未だアニー
    ルされていない管を、2つのマニホールドの間に空間的
    に離隔して縦方向に配置し、前記管の端を2つのマニホ
    ールドのそれぞれに一体的に接続し; (c) 前記熱交換器が堅固なフレームを有して、前記
    2つのマニホールドの間の管のスパンをあらかじめ定め
    られた長さに固定し;および (d) 前記熱交換器に前記ポリアミドまたはコポリア
    ミドのガラス転移温度より高い温度でアニーリング処理
    を施して、もし前記堅固なフレームがなければその管材
    料の長さを収縮させるポリアミドの結晶化をもたらすよ
    うにし、それによって前記堅固なフレームに対抗する収
    縮により前記管内に応力を発生させ、 前記収縮が、乾燥した管が水で飽和されたときに発生す
    るであろう膨張の最大量の1から5倍の大きさを有する
    熱交換器の集成体を提供すること により、水分または極性化学薬剤の吸収または喪失およ
    び熱膨張による使用環境中で発生するおそれがある管の
    撓みおよび曲がりを防止することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記ポリアミドを作成するために反応する
    成分がテレフタル酸を含むことを特徴とする請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】前記急冷が水浴中で行われることを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
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