JP3481706B2 - 肝細胞癌判定用マーカー及び該マーカーを用いる肝細胞癌の判定方法 - Google Patents
肝細胞癌判定用マーカー及び該マーカーを用いる肝細胞癌の判定方法Info
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- JP3481706B2 JP3481706B2 JP34020794A JP34020794A JP3481706B2 JP 3481706 B2 JP3481706 B2 JP 3481706B2 JP 34020794 A JP34020794 A JP 34020794A JP 34020794 A JP34020794 A JP 34020794A JP 3481706 B2 JP3481706 B2 JP 3481706B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は肝細胞癌を生化学的な
検査法によって判定する方法に関する。詳しくは、Gl
a不全血液凝固第VII因子を本態とする肝細胞癌判定用
マーカー及び該マーカーの存在を確認することにより肝
細胞癌を判定する方法に関する。
検査法によって判定する方法に関する。詳しくは、Gl
a不全血液凝固第VII因子を本態とする肝細胞癌判定用
マーカー及び該マーカーの存在を確認することにより肝
細胞癌を判定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術並びに発明が解決しようとする課題】肝臓
に原発する悪性腫瘍には、肝細胞に発生する肝細胞癌
と、胆管上皮細胞に発生する胆管癌の二型が存在する
が、両者の混合型とみるべきものもある。また、幼少児
に発生する肝癌は肝細胞癌の一種ではあるが、成人型の
ものとは異なり、一種の過誤牙腫とみられ、肝牙腫と呼
ばれる。成人型肝細胞癌の80〜90%には肝硬変症が
先行するといわれ、肝炎ウイルスとの因果関係が深い。
肝臓に発生する癌の約半数は他の臓器に発生した癌が肝
臓に転移したもので、特に胃、腸管、膵臓、胆道などに
原発した癌が門脈血流によって肝臓に転移する場合が多
い。
に原発する悪性腫瘍には、肝細胞に発生する肝細胞癌
と、胆管上皮細胞に発生する胆管癌の二型が存在する
が、両者の混合型とみるべきものもある。また、幼少児
に発生する肝癌は肝細胞癌の一種ではあるが、成人型の
ものとは異なり、一種の過誤牙腫とみられ、肝牙腫と呼
ばれる。成人型肝細胞癌の80〜90%には肝硬変症が
先行するといわれ、肝炎ウイルスとの因果関係が深い。
肝臓に発生する癌の約半数は他の臓器に発生した癌が肝
臓に転移したもので、特に胃、腸管、膵臓、胆道などに
原発した癌が門脈血流によって肝臓に転移する場合が多
い。
【0003】現在、α1フェトプロティン(以下、AFP
と称することがある)が判定に有効な肝細胞癌の腫瘍マ
ーカーとして臨床的に汎用されている。AFPとは、電
気泳動的にα1-グロブリン領域に泳動される胎児性タン
パク質の意であり、1956年に胎児血清のα1領域に
母体血清には観られない血漿タンパク質成分として見出
された。AFPは沈降定数4.5S,分子量約7万の一
本鎖のタンパク質で、約4%の糖を含み、等電点は4.
7で血清アルブミンと非常に類似した物理化学的性状を
示す。その後1960年代の初めに、胎生期に特有なタ
ンパク質と思われていたAFPが肝細胞癌患者の血清中
に出現してくることが認められ、肝細胞癌のマーカーと
して注目されるに至った("肝癌" 服部 信著、"生化学
辞典"第1版 東京化学同人)。
と称することがある)が判定に有効な肝細胞癌の腫瘍マ
ーカーとして臨床的に汎用されている。AFPとは、電
気泳動的にα1-グロブリン領域に泳動される胎児性タン
パク質の意であり、1956年に胎児血清のα1領域に
母体血清には観られない血漿タンパク質成分として見出
された。AFPは沈降定数4.5S,分子量約7万の一
本鎖のタンパク質で、約4%の糖を含み、等電点は4.
7で血清アルブミンと非常に類似した物理化学的性状を
示す。その後1960年代の初めに、胎生期に特有なタ
ンパク質と思われていたAFPが肝細胞癌患者の血清中
に出現してくることが認められ、肝細胞癌のマーカーと
して注目されるに至った("肝癌" 服部 信著、"生化学
辞典"第1版 東京化学同人)。
【0004】また、1984年にLiebmanらが、肝細胞
癌の腫瘍マーカーとしてPIVKA-IIが有用であるこ
とを報告(New Eng.J.Med.,310:p.1427-1431(1984))して
以来、PIVKA-IIの有用性が臨床的に注目されるよ
うになった。PIVKA-IIとは、プロトロンビン前駆
物質およびプロトロンビン前駆物質のグルタミン酸残基
についてのγカルボキシル化体(γカルボキシルグルタ
ミン酸:Gla)に関して、当該カルボキシル化の程度が
不完全なものを言う。これに対して、プロトロンビン前
駆物質のグルタミン酸残基についてのカルボキシル化体
に関して、当該カルボキシル化の程度が完全なものを正
常プロトロンビン(血液凝固第II因子)という。従って、
PIVKA-IIとは正常プロトロンビンのγ-カルボキシ
グルタミン酸残基についての脱カルボキシル化体である
ということもできる。他方、PIVKA-IIは生理的、
臨床的にはビタミンKの不足する状態あるいはビタミン
K拮抗剤の投与によってビタミンK作用の抑制された状
態に出現することが判明している。即ち、プロトロンビ
ン前駆物質はそのグルタミン酸残基がビタミンK及びカ
ルボキシラーゼの存在下においてカルボキシル化され、
活性体正常プロトロンビンになるのであるが、ビタミン
Kの不足状態あるいは抑制状態においては当該カルボキ
シル化が不完全となり、その結果PIVKA-IIが血液
中に出現する。PIVKA-IIとはProtein Induced by
Vitamin K Absence or Antagonist-IIの略称であり、こ
れは上記生理的観点に基づいて命名されたものである。
癌の腫瘍マーカーとしてPIVKA-IIが有用であるこ
とを報告(New Eng.J.Med.,310:p.1427-1431(1984))して
以来、PIVKA-IIの有用性が臨床的に注目されるよ
うになった。PIVKA-IIとは、プロトロンビン前駆
物質およびプロトロンビン前駆物質のグルタミン酸残基
についてのγカルボキシル化体(γカルボキシルグルタ
ミン酸:Gla)に関して、当該カルボキシル化の程度が
不完全なものを言う。これに対して、プロトロンビン前
駆物質のグルタミン酸残基についてのカルボキシル化体
に関して、当該カルボキシル化の程度が完全なものを正
常プロトロンビン(血液凝固第II因子)という。従って、
PIVKA-IIとは正常プロトロンビンのγ-カルボキシ
グルタミン酸残基についての脱カルボキシル化体である
ということもできる。他方、PIVKA-IIは生理的、
臨床的にはビタミンKの不足する状態あるいはビタミン
K拮抗剤の投与によってビタミンK作用の抑制された状
態に出現することが判明している。即ち、プロトロンビ
ン前駆物質はそのグルタミン酸残基がビタミンK及びカ
ルボキシラーゼの存在下においてカルボキシル化され、
活性体正常プロトロンビンになるのであるが、ビタミン
Kの不足状態あるいは抑制状態においては当該カルボキ
シル化が不完全となり、その結果PIVKA-IIが血液
中に出現する。PIVKA-IIとはProtein Induced by
Vitamin K Absence or Antagonist-IIの略称であり、こ
れは上記生理的観点に基づいて命名されたものである。
【0005】AFPとPIVKA-IIの検出は肝細胞癌
の判定においては相補的である。つまりAFP陰性例を
PIVKA-II陽性でカバーし、逆にPIVKA-II陰性
例をAFPでカバーする例が多い("肝癌" 服部 信
著)。相補的なAFPとPIVKA-IIの検出の出現によ
り、1970年代の肝細胞癌の判定スクーニング率に比
較すると現在のスクリーニング率は確実に高くなった。
しかし、AFPとPIVKA-IIの両者を併用しても、
肝細胞癌の判定スクリーニング率は60〜70%であ
り、なお満足できる状況ではない。
の判定においては相補的である。つまりAFP陰性例を
PIVKA-II陽性でカバーし、逆にPIVKA-II陰性
例をAFPでカバーする例が多い("肝癌" 服部 信
著)。相補的なAFPとPIVKA-IIの検出の出現によ
り、1970年代の肝細胞癌の判定スクーニング率に比
較すると現在のスクリーニング率は確実に高くなった。
しかし、AFPとPIVKA-IIの両者を併用しても、
肝細胞癌の判定スクリーニング率は60〜70%であ
り、なお満足できる状況ではない。
【0006】肝癌細胞の腫瘍マーカーとしてのPIVK
A-IIに関する知見を契機に、PIVKA-II以外のGl
a不全血液凝固関連因子について、これらが肝細胞癌に
特異的な新しい腫瘍マーカーに成り得るかどうかが検討
されたが、可能性は示唆されたものの単一で良好な肝細
胞癌スクリーニング用マーカーとなり得るものは見いだ
されていない(1988年度日本消化器病学会大会)。
A-IIに関する知見を契機に、PIVKA-II以外のGl
a不全血液凝固関連因子について、これらが肝細胞癌に
特異的な新しい腫瘍マーカーに成り得るかどうかが検討
されたが、可能性は示唆されたものの単一で良好な肝細
胞癌スクリーニング用マーカーとなり得るものは見いだ
されていない(1988年度日本消化器病学会大会)。
【0007】かかる状況に鑑み、本願発明者らはGla
不全血液凝固関連因子の一種であるPIVKA-VIIが他
の肝細胞癌のマーカーよりも特異性の高いマーカーと成
り得るかどうかを検討した。PIVKA-VIIは、Gla
不全血液凝固第VII因子である。血液凝固第VII因子は、
Glaドメイン、第1及び第2EGF様ドメイン、セリ
ンプロテアーゼドメインから構成され、分子量約50,
000を有する外因系血液凝固に主要な役割を演ずる一
本鎖糖蛋白質である。Glaドメインにはヒトでは10
個のGla残基を含み、実際には、例えば血液中におい
ては前述の定義に属しながらカルボキシル化の程度の異
なる複数の物質が混在した状態で存在しており、当該混
在物質群についてこれを包括的にPIVKA-VIIと呼
ぶ。
不全血液凝固関連因子の一種であるPIVKA-VIIが他
の肝細胞癌のマーカーよりも特異性の高いマーカーと成
り得るかどうかを検討した。PIVKA-VIIは、Gla
不全血液凝固第VII因子である。血液凝固第VII因子は、
Glaドメイン、第1及び第2EGF様ドメイン、セリ
ンプロテアーゼドメインから構成され、分子量約50,
000を有する外因系血液凝固に主要な役割を演ずる一
本鎖糖蛋白質である。Glaドメインにはヒトでは10
個のGla残基を含み、実際には、例えば血液中におい
ては前述の定義に属しながらカルボキシル化の程度の異
なる複数の物質が混在した状態で存在しており、当該混
在物質群についてこれを包括的にPIVKA-VIIと呼
ぶ。
【0008】その結果、驚いたことに生物学的試料中の
PIVKA-VIIの存在はAFP陽性かつPIVKA-II
陽性患者では100%、AFP陰性PIVKA-II陽性
患者でも100%の陽性率を示した。さらに、AFP及
びPIVKA-II両マーカー陰性患者(6例)においても
5例(83%)の患者で陽性を示した。なお、肝細胞癌以
外の肝臓疾患である肝炎(B型,C型肝炎)及び肝硬変例
については全て陰性であった。また、正常人についても
陰性を示した。これらの結果から、発明者らはPIVK
A-VIIが肝細胞癌に特異的であり、肝細胞癌患者を極め
て高い確立でスクリーニング可能な腫瘍マーカーである
ことを見出し、この知見を基に本願発明を完成した。
PIVKA-VIIの存在はAFP陽性かつPIVKA-II
陽性患者では100%、AFP陰性PIVKA-II陽性
患者でも100%の陽性率を示した。さらに、AFP及
びPIVKA-II両マーカー陰性患者(6例)においても
5例(83%)の患者で陽性を示した。なお、肝細胞癌以
外の肝臓疾患である肝炎(B型,C型肝炎)及び肝硬変例
については全て陰性であった。また、正常人についても
陰性を示した。これらの結果から、発明者らはPIVK
A-VIIが肝細胞癌に特異的であり、肝細胞癌患者を極め
て高い確立でスクリーニング可能な腫瘍マーカーである
ことを見出し、この知見を基に本願発明を完成した。
【0009】肝細胞癌の進展の測定や肝細胞癌の判定
に、肝細胞癌マーカーとしてPIVKA-VIIが有用であ
ることは以下に述べる方法で確認することができる。血
漿または血清等の生物学的試料中のPIVKA-VIIの存
否を確認する方法としては、酵素免疫測定法、放射免疫
測定法、ウェスタンブロット法、凝集法、免疫比濁法、
免疫拡散法等免疫学的測定方法を用いてPIVKA-VII
を直接的もしくは間接的に検出する。また、高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて抗体カラムとゲルろ過、イオ
ン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、
等電点クロマトグラフィー及びキャピラリー電気泳動等
の生化学的分析方法を組み合わせてPIVKA-VIIを検
出し、本願発明を達成することもできる。
に、肝細胞癌マーカーとしてPIVKA-VIIが有用であ
ることは以下に述べる方法で確認することができる。血
漿または血清等の生物学的試料中のPIVKA-VIIの存
否を確認する方法としては、酵素免疫測定法、放射免疫
測定法、ウェスタンブロット法、凝集法、免疫比濁法、
免疫拡散法等免疫学的測定方法を用いてPIVKA-VII
を直接的もしくは間接的に検出する。また、高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて抗体カラムとゲルろ過、イオ
ン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、
等電点クロマトグラフィー及びキャピラリー電気泳動等
の生化学的分析方法を組み合わせてPIVKA-VIIを検
出し、本願発明を達成することもできる。
【0010】しかしながら、PIVKA-VIIを正確に、
かつ簡便に測定することができ、とりわけ臨床検査の場
において多数の生物学的試料を同時に処理することので
きる実用的な方法の観点から、二抗体サンドイッチ法に
基づく酵素免疫測定法及び放射免疫測定法が推奨され
る。血液凝固第VII因子には反応せずPIVKA-VIIに
対してのみ反応性を有するモノクーナル抗体を調製し、
二抗体サンドイッチ法に基づく酵素免疫測定法もしくは
放射免疫測定法における固相抗体あるいは標識抗体とし
て使用し、PIVKA-VIIを直接的に定性あるいは定量
的に検出する方法。あるいは、血液凝固第VII因子及び
PIVKA-VIIが混在する生物学的試料に対して、両者
に反応性を有する抗体を用いた系で先ず両者を総合的に
測定し、次に血液凝固第VII因子のみに反応する抗体を
用いた第二の測定系で同じ生物学的試料を測定して二つ
の測定値の差によって間接的に定性あるいは定量的にP
IVKA-VIIを検出する方法等が実際上可能であり、P
IVKA-VIIの存在を検出するという究極の目的が達成
されさえすれば、本願発明はいずれの方法に限定される
ものではない。
かつ簡便に測定することができ、とりわけ臨床検査の場
において多数の生物学的試料を同時に処理することので
きる実用的な方法の観点から、二抗体サンドイッチ法に
基づく酵素免疫測定法及び放射免疫測定法が推奨され
る。血液凝固第VII因子には反応せずPIVKA-VIIに
対してのみ反応性を有するモノクーナル抗体を調製し、
二抗体サンドイッチ法に基づく酵素免疫測定法もしくは
放射免疫測定法における固相抗体あるいは標識抗体とし
て使用し、PIVKA-VIIを直接的に定性あるいは定量
的に検出する方法。あるいは、血液凝固第VII因子及び
PIVKA-VIIが混在する生物学的試料に対して、両者
に反応性を有する抗体を用いた系で先ず両者を総合的に
測定し、次に血液凝固第VII因子のみに反応する抗体を
用いた第二の測定系で同じ生物学的試料を測定して二つ
の測定値の差によって間接的に定性あるいは定量的にP
IVKA-VIIを検出する方法等が実際上可能であり、P
IVKA-VIIの存在を検出するという究極の目的が達成
されさえすれば、本願発明はいずれの方法に限定される
ものではない。
【0011】以下に、本願発明の生物試料中のPIVK
A-VIIの存否を確認するに際しての好適な実施態様であ
る二抗体サンドイッチ法を利用する酵素免疫測定法を例
示し、その概説を試みる。
A-VIIの存否を確認するに際しての好適な実施態様であ
る二抗体サンドイッチ法を利用する酵素免疫測定法を例
示し、その概説を試みる。
【0012】直接的PIVKA-VII検出系
測定系全体の構成要素は固相、固相コート用抗体(第一
抗体)、標準抗原または被検血漿、標識用抗体(第二抗
体)、酵素及び基質である。固相としてはエンザイムイ
ムノアッセイ用のマイクロタイタープレートのウエルを
用いればよい。測定に先立ち、モノクローナル抗PIV
KA-VII抗体を細胞融合法によるハイブリドーマより調
製し、これを第一抗体として例えば炭酸緩衝液(pH8.
5)のような好適な緩衝液に溶解し、例えばポリスチロ
ール製エンザイムイムノアッセイ用ウエルに入れ、4℃
で一夜靜置すれば固相表面はコートされる。次に、未コ
ート部分のブロッキングとして、牛血清アルブミンをリ
ン酸緩衝液に溶解してウエルに加え同様に静置して牛血
清アルブミンをコートする。
抗体)、標準抗原または被検血漿、標識用抗体(第二抗
体)、酵素及び基質である。固相としてはエンザイムイ
ムノアッセイ用のマイクロタイタープレートのウエルを
用いればよい。測定に先立ち、モノクローナル抗PIV
KA-VII抗体を細胞融合法によるハイブリドーマより調
製し、これを第一抗体として例えば炭酸緩衝液(pH8.
5)のような好適な緩衝液に溶解し、例えばポリスチロ
ール製エンザイムイムノアッセイ用ウエルに入れ、4℃
で一夜靜置すれば固相表面はコートされる。次に、未コ
ート部分のブロッキングとして、牛血清アルブミンをリ
ン酸緩衝液に溶解してウエルに加え同様に静置して牛血
清アルブミンをコートする。
【0013】標準抗原または被検血漿をコートされたウ
エルに加えて反応させ、引続き洗浄する。標識用抗体
(第二抗体)としては適当な抗ヒト凝固第VII因子抗体を
選択すればよく、例えば抗ヒト凝固第VII因子ウサギI
gGが用いられ得る。第二抗体に標識される酵素として
は、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダー
ゼ、ペルオキシダーゼ等を使用することができる。測定
に先立ち、グルタールアルデヒドに代表される結合剤に
よって、第二抗体に酵素を結合させコンジュゲートと
し、本願発明測定方法の実施のための試薬の一部として
予め準備しておく。基質は選択した酵素に応じて適宜使
用すればよい。例えば、酵素としてアルカリホスファタ
ーゼを選択した場合はp-ニトロフェニルホスフェート
を使用することができる。
エルに加えて反応させ、引続き洗浄する。標識用抗体
(第二抗体)としては適当な抗ヒト凝固第VII因子抗体を
選択すればよく、例えば抗ヒト凝固第VII因子ウサギI
gGが用いられ得る。第二抗体に標識される酵素として
は、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダー
ゼ、ペルオキシダーゼ等を使用することができる。測定
に先立ち、グルタールアルデヒドに代表される結合剤に
よって、第二抗体に酵素を結合させコンジュゲートと
し、本願発明測定方法の実施のための試薬の一部として
予め準備しておく。基質は選択した酵素に応じて適宜使
用すればよい。例えば、酵素としてアルカリホスファタ
ーゼを選択した場合はp-ニトロフェニルホスフェート
を使用することができる。
【0014】測定は二抗体サンドイッチ法を利用する酵
素免疫測定法における通常の手順に従って行なう。即
ち、第一抗体をコートしたウエルに標準抗原または被検
血漿を加えてインキュベートし、続いて酵素標識抗体を
加えてインキュベートし、最後に基質を加えてインキュ
ベート後、反応を停止してから基質の反応量を分光光度
計によって測定する。なお、本検出系においては第一抗
体と第二抗体の種類を逆にすることも可能である。即ち
第一抗体に抗ヒト凝固第VII因子抗体を、第二抗体にモ
ノクローナル抗PIVKA-VII抗体を用いることもでき
る。
素免疫測定法における通常の手順に従って行なう。即
ち、第一抗体をコートしたウエルに標準抗原または被検
血漿を加えてインキュベートし、続いて酵素標識抗体を
加えてインキュベートし、最後に基質を加えてインキュ
ベート後、反応を停止してから基質の反応量を分光光度
計によって測定する。なお、本検出系においては第一抗
体と第二抗体の種類を逆にすることも可能である。即ち
第一抗体に抗ヒト凝固第VII因子抗体を、第二抗体にモ
ノクローナル抗PIVKA-VII抗体を用いることもでき
る。
【0015】間接的PIVKA-VII検出系
基本的な構成並びに手順は直接的検出系と同じである
が、構造的に類似する血液凝固第VII因子とPIVKA-
VIIの双方に反応性を有する抗体を用いて両者を総合的
に検出する測定系(A)と、血液凝固第VII因子のみを選
択的に検出し得る測定系(B)の二つからなり、測定系
(A)の数値から測定系(B)の数値を減じた値を指標とし
てPIVKA-VIIの存否を確認する。直接的検出系に比
較してより煩雑な操作を要求されるが、PIVKA-VII
の多様性を考慮すると実際的な数値が得られることが期
待される。
が、構造的に類似する血液凝固第VII因子とPIVKA-
VIIの双方に反応性を有する抗体を用いて両者を総合的
に検出する測定系(A)と、血液凝固第VII因子のみを選
択的に検出し得る測定系(B)の二つからなり、測定系
(A)の数値から測定系(B)の数値を減じた値を指標とし
てPIVKA-VIIの存否を確認する。直接的検出系に比
較してより煩雑な操作を要求されるが、PIVKA-VII
の多様性を考慮すると実際的な数値が得られることが期
待される。
【0016】本願発明によって、肝細胞癌の進行度や発
病の危険性を知るための簡便性並びに正確性を満足する
検査方法が提供される。以下に実施例により本発明を詳
述するが、本発明は該実施例によって何等限定されるも
のではない。
病の危険性を知るための簡便性並びに正確性を満足する
検査方法が提供される。以下に実施例により本発明を詳
述するが、本発明は該実施例によって何等限定されるも
のではない。
【0017】
【実施例】調製例 1
(ヒト血液凝固第VII因子の調製)新鮮凍結血漿を37℃
で迅速に融解した後、4℃で緩やかに撹拌しながら、1
/10容の塩化バリウムを滴加し、2時間放置した。4
℃で4,000rpm、5分間遠心処理を行ない沈澱を回収
して、Tris-塩酸緩衝液に懸濁した。この溶液を3
0%〜70%の硫酸アンモニウム塩析沈澱を行ない、得
られた沈澱を再懸濁後、DEAE-セファローズクロマ
トグラフィーを行なった。pH6.0のリン酸緩衝液で
0.05M〜0.5Mの塩化ナトリウムの濃度勾配で血液
凝固第VII因子を含有する画分を得た。当該画分を透析
後、QAE-セファデックスカラムに通液し、洗浄後塩
化カルシウム含有緩衝液で溶出した。さらにセファデッ
クスG-100カラムでゲル濾過処理し、精製後、アミ
コンの限外濾過器で濃縮した。精製した血液凝固第VII
因子はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で単
一バンドを示した。
で迅速に融解した後、4℃で緩やかに撹拌しながら、1
/10容の塩化バリウムを滴加し、2時間放置した。4
℃で4,000rpm、5分間遠心処理を行ない沈澱を回収
して、Tris-塩酸緩衝液に懸濁した。この溶液を3
0%〜70%の硫酸アンモニウム塩析沈澱を行ない、得
られた沈澱を再懸濁後、DEAE-セファローズクロマ
トグラフィーを行なった。pH6.0のリン酸緩衝液で
0.05M〜0.5Mの塩化ナトリウムの濃度勾配で血液
凝固第VII因子を含有する画分を得た。当該画分を透析
後、QAE-セファデックスカラムに通液し、洗浄後塩
化カルシウム含有緩衝液で溶出した。さらにセファデッ
クスG-100カラムでゲル濾過処理し、精製後、アミ
コンの限外濾過器で濃縮した。精製した血液凝固第VII
因子はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で単
一バンドを示した。
【0018】調製例 2
(ヒト血液凝固第VII因子に対するポリクローナル抗体の
調製)ヒト血液凝固第VII因子に対するポリクローナル抗
体を調製するために、常法に従い、調製例1で得られた
ヒト血液凝固第VII因子をフロイントの完全アジュバン
ト(DIFCO社製)と混合し、ウサギの皮下に初回投与し以
後2〜3週間毎にフロイントの不完全アジュバントと混
合したヒト血液凝固第VII因子を皮下投与して、抗ヒト
血液凝固第VII因子抗血清を調製した。抗ヒト血液凝固
第VII因子抗体は、先ず、抗血清からプロテインAゲル
(Pharmacia-LKB)によるアフィニティークロマトグラフ
ィーで常法により精製し、さらにヒト血液凝固第VII因
子に対する特異抗体を調製するために、ヒト血液凝固第
VII因子を結合させたゲル(2mgヒト血液凝固第VII因子
/mlゲル)によるアフィニティークロマトグラフィーを
行なった。
調製)ヒト血液凝固第VII因子に対するポリクローナル抗
体を調製するために、常法に従い、調製例1で得られた
ヒト血液凝固第VII因子をフロイントの完全アジュバン
ト(DIFCO社製)と混合し、ウサギの皮下に初回投与し以
後2〜3週間毎にフロイントの不完全アジュバントと混
合したヒト血液凝固第VII因子を皮下投与して、抗ヒト
血液凝固第VII因子抗血清を調製した。抗ヒト血液凝固
第VII因子抗体は、先ず、抗血清からプロテインAゲル
(Pharmacia-LKB)によるアフィニティークロマトグラフ
ィーで常法により精製し、さらにヒト血液凝固第VII因
子に対する特異抗体を調製するために、ヒト血液凝固第
VII因子を結合させたゲル(2mgヒト血液凝固第VII因子
/mlゲル)によるアフィニティークロマトグラフィーを
行なった。
【0019】調製例 3
(ヒト血液凝固第VII因子に対するモノクローナル抗体の
調製)調製例1で得られた精製ヒト血液凝固第VII因子の
50μgを50μlの生理食塩水に溶解し、アジュバント
としてフロイントの完全アジュバント(DIFCO社製)10
0μlを加えて油中水滴型としたものを基礎免疫抗原と
した。また、追加免疫抗原として前述の精製ヒト血液凝
固第VII因子50μgを50μlの生理食塩水に溶解し調
製したものを用いた。7週齢のBALB/Cマウス(雌)
を用い、基礎免疫原を接種後、追加免疫用抗原を60日
目に免疫したマウスより得られた脾臓細胞を、通常の方
法によりマウスミエローマ細胞(P3-X63-Ag8-U1)と融合
させクローニングして血液凝固第VII因子特異性モノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマ5種を得た。各
々をマウス腹腔内で増殖させることによってハイブリド
ーマを大量に調製し、これより各モノクローナル抗体
(クローンNo.1〜5)を得た。
調製)調製例1で得られた精製ヒト血液凝固第VII因子の
50μgを50μlの生理食塩水に溶解し、アジュバント
としてフロイントの完全アジュバント(DIFCO社製)10
0μlを加えて油中水滴型としたものを基礎免疫抗原と
した。また、追加免疫抗原として前述の精製ヒト血液凝
固第VII因子50μgを50μlの生理食塩水に溶解し調
製したものを用いた。7週齢のBALB/Cマウス(雌)
を用い、基礎免疫原を接種後、追加免疫用抗原を60日
目に免疫したマウスより得られた脾臓細胞を、通常の方
法によりマウスミエローマ細胞(P3-X63-Ag8-U1)と融合
させクローニングして血液凝固第VII因子特異性モノク
ローナル抗体を産生するハイブリドーマ5種を得た。各
々をマウス腹腔内で増殖させることによってハイブリド
ーマを大量に調製し、これより各モノクローナル抗体
(クローンNo.1〜5)を得た。
【0020】得られたモノクローナル抗体の抗原特異性
をELISA法を用いて検討したところ、全てのクロー
ンは、2価のカルシウムイオンの存在下で、ヒト血液凝
固第VII因子のみに結合し、他のビタミンK依存性凝固
因子(プロトロンビン、凝固第IX因子、凝固第X因子、プ
ロテインC、プロテインS)およびウシ血清アルブミン
との反応性は示さなかった。なお、金属キレート剤を用
いて系からカルシウムイオンを除去すると、クローンN
o.3〜5のヒト血液凝固第VII因子に対する反応性は消
失し、これらが金属イオン依存的に凝固第VII因子に反
応していることが判明した。クローンNo.3のモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマは、工業技術院微
生物工業技術研究所(微工研:現、工業技術院生命工学工
業技術研究所)に10834号(FERM P-1083
4)の寄託番号で寄託されている。
をELISA法を用いて検討したところ、全てのクロー
ンは、2価のカルシウムイオンの存在下で、ヒト血液凝
固第VII因子のみに結合し、他のビタミンK依存性凝固
因子(プロトロンビン、凝固第IX因子、凝固第X因子、プ
ロテインC、プロテインS)およびウシ血清アルブミン
との反応性は示さなかった。なお、金属キレート剤を用
いて系からカルシウムイオンを除去すると、クローンN
o.3〜5のヒト血液凝固第VII因子に対する反応性は消
失し、これらが金属イオン依存的に凝固第VII因子に反
応していることが判明した。クローンNo.3のモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマは、工業技術院微
生物工業技術研究所(微工研:現、工業技術院生命工学工
業技術研究所)に10834号(FERM P-1083
4)の寄託番号で寄託されている。
【0021】実施例 1
(測定系の構築)ヒト凝固第VII因子を認識するポリクロ
ーナル抗体を用いたサンドイッチELISAを構築し、
ヒト凝固第VII因子とGla不全の凝固第VII因子の両物
質を検出できる測定系を作製し、この測定から得られる
凝固第VII因子値をA%とした。 96穴マイクロプレ
ートに調製例2で得られたヒト凝固第VII因子特異的ポ
リクローナル抗体を10μg/mlの濃度で100μlを加
え、4℃で16時間インキュエートすることで一次抗体
を固相化した。次に、4倍希釈したブロックエース溶液
200μlを加え同様にインキュベーションしてウエル
をマスキングした。このように調製したプレートに、
0.1%BSA(ウシ血清アルブミン)、5mM塩化カルシ
ウム、100mMベンズアミジンを含有するTBS緩衝
液で希釈した血漿検体を100μl加え、37℃で2時
間インキュベートした。その後、0.05%Tween20と
5mM塩化カルシウムを含有するTBS緩衝液で4回洗
浄し、次に二次抗体としてHRP(Horse Radish Peroxi
dase)ラベルしたヒト凝固第VII因子特異的ポリクローナ
ル抗体を0.1%BSAと5mM塩化カルシウムを含有す
るTBS緩衝液で10μg/mlに希釈した溶液を100
μl添加して37℃で2時間インキュベートした。反応
終了後、再度洗浄し、OPDA(Ortho Phenilen DiAmin
e)基質を添加して、常法により発色させた。3N硫酸で
反応を停止し、波長492nmでの吸光度で発色量を測定
した。
ーナル抗体を用いたサンドイッチELISAを構築し、
ヒト凝固第VII因子とGla不全の凝固第VII因子の両物
質を検出できる測定系を作製し、この測定から得られる
凝固第VII因子値をA%とした。 96穴マイクロプレ
ートに調製例2で得られたヒト凝固第VII因子特異的ポ
リクローナル抗体を10μg/mlの濃度で100μlを加
え、4℃で16時間インキュエートすることで一次抗体
を固相化した。次に、4倍希釈したブロックエース溶液
200μlを加え同様にインキュベーションしてウエル
をマスキングした。このように調製したプレートに、
0.1%BSA(ウシ血清アルブミン)、5mM塩化カルシ
ウム、100mMベンズアミジンを含有するTBS緩衝
液で希釈した血漿検体を100μl加え、37℃で2時
間インキュベートした。その後、0.05%Tween20と
5mM塩化カルシウムを含有するTBS緩衝液で4回洗
浄し、次に二次抗体としてHRP(Horse Radish Peroxi
dase)ラベルしたヒト凝固第VII因子特異的ポリクローナ
ル抗体を0.1%BSAと5mM塩化カルシウムを含有す
るTBS緩衝液で10μg/mlに希釈した溶液を100
μl添加して37℃で2時間インキュベートした。反応
終了後、再度洗浄し、OPDA(Ortho Phenilen DiAmin
e)基質を添加して、常法により発色させた。3N硫酸で
反応を停止し、波長492nmでの吸光度で発色量を測定
した。
【0022】次に、ヒト凝固第VII因子を認識するポリ
クローナル抗体を1次抗体としてコートし、2次抗体と
して調製例3で得られたヒト凝固第VII因子のみ認識
し、Gla不全の凝固第VII因子は認識しないモノクロ
ーナル抗体を用いてサンドイッチELISAを構築し、
ヒト凝固第VII因子は検出するがGla不全の凝固第VII
因子は検出しない測定系を作製した。この測定から得ら
れる凝固第VII因子値をB%とした。操作手順は前記に
準ずる。
クローナル抗体を1次抗体としてコートし、2次抗体と
して調製例3で得られたヒト凝固第VII因子のみ認識
し、Gla不全の凝固第VII因子は認識しないモノクロ
ーナル抗体を用いてサンドイッチELISAを構築し、
ヒト凝固第VII因子は検出するがGla不全の凝固第VII
因子は検出しない測定系を作製した。この測定から得ら
れる凝固第VII因子値をB%とした。操作手順は前記に
準ずる。
【0023】各々のELISAでGla不全凝固第VII
因子(PIVKA-VII)が検出されるかどうかを確認し
た。凝固第VII因子のGla領域の1〜30番目のアミ
ノ酸配列のペプチドにおいてGla残基をGluに変換
したGla不全合成凝固第VII因子ペプチドを合成し、
上記2種のELISAで該Gla不全合成凝固第VII因
子ペプチドが検出されるかどうかを確認したところ、二
次抗体にポリクローナル抗体を用いたELISA(系A)
ではGla不全ペプチドが検出されたが、モノクローナ
ル抗体を用いたELISA(系B)では検出されることは
なかった。これは、系Aでは凝固第VII因子とPIVK
A-VIIの両者を検出するが、凝固第VII因子特異的モノ
クローナル抗体を用いた系BではPIVKA-VIIは検出
しないことを意味する。そこで、系Aで得られる凝固第
VII因子値をA%とし、系Bでの凝固第VII因子値をB%
として、PIVKA-VII値はA%−B%から得られる値
とし、正常人の場合0〜6%を示すことから、上記A%
−B%値が7%以上をPIVKA-VII陽性の基準とし
た。なお、凝固第VII因子値100%は正常人プール標
準血漿を用いた。
因子(PIVKA-VII)が検出されるかどうかを確認し
た。凝固第VII因子のGla領域の1〜30番目のアミ
ノ酸配列のペプチドにおいてGla残基をGluに変換
したGla不全合成凝固第VII因子ペプチドを合成し、
上記2種のELISAで該Gla不全合成凝固第VII因
子ペプチドが検出されるかどうかを確認したところ、二
次抗体にポリクローナル抗体を用いたELISA(系A)
ではGla不全ペプチドが検出されたが、モノクローナ
ル抗体を用いたELISA(系B)では検出されることは
なかった。これは、系Aでは凝固第VII因子とPIVK
A-VIIの両者を検出するが、凝固第VII因子特異的モノ
クローナル抗体を用いた系BではPIVKA-VIIは検出
しないことを意味する。そこで、系Aで得られる凝固第
VII因子値をA%とし、系Bでの凝固第VII因子値をB%
として、PIVKA-VII値はA%−B%から得られる値
とし、正常人の場合0〜6%を示すことから、上記A%
−B%値が7%以上をPIVKA-VII陽性の基準とし
た。なお、凝固第VII因子値100%は正常人プール標
準血漿を用いた。
【0024】実施例 2
(肝細胞癌患者血漿を用いたPIVKA-VIIの検出)上記
のELISAを用いて実際に、肝細胞癌患者の血漿中に
含まれるPIVKA-VII量を測定した。また、対照測定
検体として、正常人、肝炎患者(B型、C型)、肝硬変患
者の血漿についても調べ、結果を表1に示した。表1に
示した結果から明らかなように、PIVKA-VIIは、肝
細胞癌に特異的に陽性を示した。
のELISAを用いて実際に、肝細胞癌患者の血漿中に
含まれるPIVKA-VII量を測定した。また、対照測定
検体として、正常人、肝炎患者(B型、C型)、肝硬変患
者の血漿についても調べ、結果を表1に示した。表1に
示した結果から明らかなように、PIVKA-VIIは、肝
細胞癌に特異的に陽性を示した。
【0025】
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平7−313186(JP,A)
特開 平4−217996(JP,A)
特開 平7−209297(JP,A)
特開 平7−20127(JP,A)
臨床病理,1992年,第40巻第7号,p
783−788
Pediatric Researc
h,1985年,Vol.19, No.4,
p357−357
Journal of Hepato
logy,1987年,Vol.4,p357
−363
肝臓,1990年,Vol.31, No.
1,p110
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01N 33/48 - 33/98
Claims (5)
- 【請求項1】 Gla不全血液凝固第VII因子を本態
とする肝細胞癌判定用マーカー。 - 【請求項2】 生物学的試料中のGla不全血液凝固第
VII因子の存否を確認し、該物質の存在により陽性と
判断することを特徴とする肝細胞癌の判定方法。 - 【請求項3】 生物学的試料中のGla不全血液凝固第
VII因子を測定するにあたり、酵素免疫測定法、放射
免疫測定法、ウェスタンブロット法、凝集法、免疫比濁
法および免疫拡散法より選択される測定方法により構成
される請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 生物学的試料中のGla不全血液凝固第
VII因子を測定するにあたり、二抗体サンドイッチ法
を利用する酵素免疫測定法を用い、Gla不全血液凝固
第VII因子と反応するが正常血液凝固第VII因子と
は反応しないモノクローナル抗Gla不全血液凝固第V
II因子抗体を使用することを特徴とするGla不全血
液凝固第VII因子の測定方法。 - 【請求項5】 生物学的試料中のGla不全血液凝固第
VII因子を測定するにあたり、二抗体サンドイッチ法
を利用する酵素免疫測定法に基づき正常血液凝固第VI
I因子とGla不全血液凝固第VII因子の双方に反応
性を有する抗体を用いて両者を総合的に検出する測定系
(A)と、正常血液凝固第VII因子と反応するがGl
a不全血液凝固第VII因子とは反応しないモノクロー
ナル抗正常血液凝固第VII因子抗体を使用する正常血
液凝固第VII因子のみを選択的に検出し得る測定系
(B)の二つの測定系を構築し、測定系(A)の測定値
から測定系(B)の測定値を減じた値を指標としてGl
a不全血液凝固第VII因子を測定する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34020794A JP3481706B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 肝細胞癌判定用マーカー及び該マーカーを用いる肝細胞癌の判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34020794A JP3481706B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 肝細胞癌判定用マーカー及び該マーカーを用いる肝細胞癌の判定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08184594A JPH08184594A (ja) | 1996-07-16 |
JP3481706B2 true JP3481706B2 (ja) | 2003-12-22 |
Family
ID=18334737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34020794A Expired - Fee Related JP3481706B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 肝細胞癌判定用マーカー及び該マーカーを用いる肝細胞癌の判定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3481706B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4597741B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2010-12-15 | 株式会社Mcbi | タンパク質、部分タンパク質および/もしくは部分ペプチド、またはそれらのプロファイルに基づく体外診断システム |
CN104634974B (zh) | 2009-03-05 | 2017-08-08 | 独立行政法人产业技术综合研究所 | 肝内胆管癌的检出、辨别方法 |
US9796761B2 (en) | 2009-07-14 | 2017-10-24 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Glycan markers as measure of disease state of hepatic diseases |
CN104374919B (zh) | 2009-07-14 | 2017-01-18 | 独立行政法人产业技术综合研究所 | 糖蛋白的测定方法、试剂及糖链标记物 |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP34020794A patent/JP3481706B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
Journal of Hepatology,1987年,Vol.4,p357−363 |
Pediatric Research,1985年,Vol.19, No.4,p357−357 |
肝臓,1990年,Vol.31, No.1,p110 |
臨床病理,1992年,第40巻第7号,p783−788 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08184594A (ja) | 1996-07-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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