JP4274330B2 - cPSAの測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液サンプル中の免疫学的に測定可能な複合体形態の前立腺特異的抗原(PSA)の測定に関する。より特定すると、本発明は、2部位免疫測定アッセイによる複合体化PSAの測定および複合体化PSAアッセイの数値の臨床上の意義に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒト前立腺特異的抗原(PSA)はヒトカリクレインファミリーに高度にアミノ酸相同性の約33,000ダルトンの糖タンパク質であり(1,2)、トリプシンおよびキモトリプシン様活性を有するセリンプロテアーゼであることが示されている(3,4,5)。PSAは前立腺の上皮細胞から分泌され、精液中に見出だされる主要なタンパク質の1つである(6)。前立腺ガンの患者の血清中でPSAの濃度が上昇するという発見に続く多数の報告により、このタンパク質が前立腺ガン患者を治療する上で重要かつ臨床上有用なバイオマーカーであることが立証された(7,8,9,10)。最近の努力は、無症状者の前立腺ガンの早期検出のための血清PSA試験の利用に注がれている。実際、アメリカガン学会(American Cancer Society )およびアメリカ泌尿器学会(American Urological Society )は最近、50才を超えたすべての男性は毎年直腸指診(DRE)とともに血清PSAを使用してスクリーニングを受けるべきであると勧告した(11)。
【0003】
前立腺ガンの早期検出の臨床的価値はいくつかの理由によって論争の的となっている。第1に、早期段階での前立腺ガンの治療が発症集団における生存率を改善するかどうかが明白でない。この論点を目的として計画された臨床試験は現在実施中である。第2に、最近、50才を超えた男性における前立腺ガンの早期検出のために、血清PSA測定の有効性について、直腸指診(DRE)とあわせて臨床試験で測定した(12)。異常DREまたは上昇したPSA試験値のいずれかを有した1060人の患者の内、22%のみが前立腺ガンであった。これらのデータは全前立腺生検の70−80%がガンでない男性に実施されることを示している。50才を超えた男性の30−50%が剖検上前立腺ガンの徴候を示すから、上昇PSAアッセイによって標的とされる不必要な前立腺生検の数は非常に高いということができる。このことは、医療コストの増大および生検操作に関連した罹病率の増大の両方の結果を招く。
【0004】
PSAがα1-抗キモトリプシン(ACT)、α2-マクログロブリンおよび α1-抗トリプシンなどのプロテアーゼインヒビターとの複合体を形成すること を、いくつかの研究室が別々に示した(13−19)。ACT若しくはα1-抗トリ プシンとの複合体、または遊離の非複合体形態のPSAはイムノアッセイ技術によって血清中で検出可能である。実際、血清中の免疫反応性PSAの大部分はACTと複合体化し、ACTに結合したPSAおよび総血清PSA濃度間には有意な相関性が証明されている(13)。しかし、α2-マクログロブリンに結合した PSAは、このプロテアーゼとの複合体化にともなう抗体のPSAへの結合の立体障害によって、血清中で測定することができない。初期の研究において、PSA−ACTレベルおよび総PSAに対するPSA−ACTの割合は前立腺ガン診断において有用であることが示唆された(13,15,16,17)が、種々の理由(その中のいくつかについて以下に論述する)によって、PSA−ACTの血清測定の臨床上の有用性の結論を下すことは困難だった。
【0005】
Lilja,Stenmanおよび共同研究者たちは1991年に、血清PSAが遊離形態ならびにACTおよびα1-抗トリプシンとの複合体で存在することを発表した(13,18)。その後の研究において、Stenman らは、遊離プラス複合体化PSA(通常のPSAアッセイではα2-マクログロブリンとの複合体化PSAは測定さ れないが、これを総PSAと称する)と関連させたPSA−ACTの測定が、前立腺ガンの男性と良性前立腺肥大症(BPH)などの良性の前立腺疾患の男性との鑑別を改善するらしいことを表明した。しかし、PSA−ACT複合体の正確な測定は、この複合体の正確な測定における技術的問題のため、達成されていない。Stenman らは、PSA−ACT数値と総PSAの測定との相関関係は低濃度末端では良好でなく、y軸交点が上昇して、複合体化PSAの過剰回収を示すことを発見した(13および米国特許第5,501,983 号)。実際に、彼らは、試験した大部分の患者について、PSA−ACTの濃度が総PSAよりも高いことを発見した(米国特許第5,501,983号)。その後の複合体および遊離のPSAの相関関係の分析は、勾配1.12を示し、これはPSA−ACT複合体の過剰回収を示した(16)。Petterssonらは、メスの血清中で上昇したPSA−ACT数値を発見した時、この過剰回収に注目した(20)。ヘパリンの添加はメス血清における偽陽性値の率を減少させたが、前立腺ガンおよびBPH患者におけるPSA−ACT複合体の測定の最近の試みでは、複合体の有意な過剰回収が示され続けている(21)。
【0006】
PSA−ACT測定において遭遇するこの問題点のため、文献中の関心は総PSAの測定とともに複合体化していない遊離のPSAの測定に移った。総PSA値の範囲が約4−10ng/mLの場合に改善された特異性が要求されることは、現在 明白である。血清総PSAが<4.0ng/mLの場合、前立腺ガンのリスクは低い;同様に、総PSAが>10ng/mLの場合、前立腺ガンのリスクは>50%であり、前立腺生検が必要となる。診断のグレイゾーン内(一般的に2−20ng/mL、普通は 4−10ng/mL)において、ガンのリスクは高いが偽陽性の割合もまた高い。遊離 PSA/総PSA比の遡及適用(retrospective application) によって、4−10ng/mLグレイゾーンにおける総PSAの特異性をおよそ50−60%から70−80%に改善することができることが示された(22−26)。この改善された特異性の結果、不必要な生検を20−30%減少させることができる。PCT国際公開公報第96−26441号および国際公開公報第97−12245号には総PSAレベルが 2.5と20ng/mLの間の患者におけるBPHおよびガンのそれぞれの鑑別を改善するための、遊離PSA/総PSA比の使用について同様に記載されている。
【0007】
しかし、遊離PSAの測定にはそれ自体に技術上の困難性がある。第1に、診断のグレイゾーン内において、遊離PSAの割合は典型的にはかなり低く、5−30%の範囲である。したがって遊離PSAアッセイを成功させるためには、0.2−3.0ng/mLの範囲内を正確に測定しなければならない。また、遊離PSAの濃 度はBPHおよびガン患者において有意な差異がなく、遊離PSA/総PSA比はACTと複合体化したPSAの割合の増加によって減少する。その上、遊離PSAは血清中で安定ではなく、遊離PSAレベルは時間が経つと、おそらくα2 -マクログロブリンとの複合体化によって、減少することが知られている。
【0008】
この間に、こうした問題を克服するための試みにともなって、血液中のPSA−ACTの正確な測定に関連する問題のさらに別の認識が得られた。1994年、Hybritech の研究者らは、抗PSAおよび抗ACT抗体を使用したPSA−ACTのためのサンドイッチイムノアッセイの開発を報告した。彼らは、測定したPSA−ACT値が前立腺ガンの診断における改善された臨床上の特異性を証明することができないと結論づけた(27)。後に、このグループはJohns Hopkins Medical Institutionsの研究者らと共同して、抗PSA/抗ACTサンドイッチイムノアッセイ法は有意の非特異的結合およびPSA−ACTの過剰回収の難点があるという知見を報告した。彼らは、解決することなく、これらの問題がPSA−ACTの測定を臨床的に無意味なものとしていると結論づけた(28)。続いて、この共同グループは、PSA−ACT複合体に特異的なモノクローナル抗体を基礎とするPSA−ACTのサンドイッチイムノアッセイの開発を通してこの非特異的結合の問題を克服したと報告した(29,30)。しかし、彼らの臨床研究では、総PSAの測定または総PSAに対するPSA−ACTの計算上の比に比較して、PSA−ACT複合体のみの測定による前立腺ガンに対する特異性の何らかの改善を示すことができなかった(29)。ブロック試薬の使用を含む、PSA−ACT測定に関連する問題を克服するその他の研究方法が提案されてきた(31)。
【0009】
前立腺ガンの患者において、なぜACTと複合体化したPSAの割合が増大するかは不明のままであるが、ACTに対する抗体がBPH患者からの前立腺上皮を染色(stain) しないとともに、この組織においてmRNAの転写が見られないという観察に関係があるかもしれない。反対に、前立腺ガンの患者からの前立腺上皮において抗ACTの免疫反応性およびmRNA合成が検出される(32)。これらの結果は、前立腺腫瘍中で、PSAは血清中に放出される前にin situ でACTと複合体化するらしいことを示唆している。活性PSAの血流への移行には別の機構が関与するようである。健康な男性からの血清中に見られる遊離PSAはタンパク質分解によって切断され、酵素的に不活性である。しかし、腫瘍は血管原性因子を合成し、これが腫瘍組織の血管新生の増加を導く。腫瘍中では、より大きな割合の酵素的に活性なPSAが血流へ移行できるようである。この活性PSAはACTなどのプロテアーゼインヒビターと複合体化するものと予想され、これによって前立腺ガン患者からの血清中でのPSA−ACT複合体のより高い割合がもたらされると考えられる。
【0010】
したがって、前立腺ガンに関する男性患者のスクリーニングに関連して、複合体化PSAの正確な測定方法が必要であるとともに、複合体化PSAの血中レベルの臨床上の意義を評価する必要がある。
欧州特許第635,575号には、遊離PSAには結合するがPSA−ACTには結合しないモノクローナル抗体の調製について記載されている。
【0011】
PCT国際公開公報第95/18381号は、遊離PSAには結合するが複合体化PSAには結合しなし抗体の添加によって、遊離および複合体化PSAに対して等モルの応答性を提供することができるようにした、PSA測定のためのモノクローナル/ポリクローナルイムノアッセイ法に関係している。
米国特許出願番号第08/595,155号およびZhou Z,Ng PC,Very DL,Allard WJ,Yeung KK,J.Clin.Lab.Anal.(1996),10:155-159,には、モノクローナル/ポリクローナルイムノアッセイにおいて遊離および複合体化PSAに対して等モルの応答性を提供するモノクローナル抗体の調製方法が記載されている。記載されているモノクローナル抗体は、PSAに結合して、遊離PSAには結合するが複合体化PSAには結合しない抗体にPSAが結合するのを実質的に不可能にするという、独特の特性を有している。
【0012】
日本特許公告公報第62−46263号にはプロテアーゼインヒビターとの複合体化PSAの測定のためのサンドイッチイムノアッセイが記載されている。
ドイツ特許出願公開公報第4,322,342号には、総PSAに対するPSA−ACTの比率を計算するための数値を提供する目的で、単一のアッセイにおいて総PSAおよびPSA−ACTの両方を測定する方法が記載されている。
【0013】
Chichibuらは、Journal of Medicine and Pharmaceutical Science(Japan,1996)36(3):477-483,において、ビーズに結合させた抗PSAおよび酵素標識抗ACTを使用したPSA−ACTのためのサンドイッチイムノアッセイを記述している。血液サンプル中のPSA−ACTを正確に測定する能力を確定するデータは含まれていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複合体化PSA(ここではcPSAと称する)を測定するための方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、複合体化していない、すなわち遊離のPSA(fPSA)がイムノアッセイで検出されなくなるように血液サンプルを処理し、その後にイムノアッセイによって処理血液中のPSAを測定してcPSAのみを検出するものである。イムノアッセイは通常のどんな様式でも実施することができるが、より一般的には競合イムノアッセイまたは二部位イムノアッセイ(two-site immunometric assay) である。本発明は以下により詳細に記載するような各種の方法によって達成することができる。一般的に、こうした方法として、イムノアッセイ試験混合物からfPSAを物理的に除去するかまたは残存させる分離方法、およびfPSAをイムノアッセイ法において使用する抗体に基本的に結合することができなくさせることによって、アッセイから効果的にfPSAを取り去るために、fPSA中の抗原決定基または決定基群を化学的相互作用などによって修飾する方法が含まれる。
【0016】
3抗体試薬系を基礎として、特に有利な二部位イムノアッセイ法が考案された:
(a)tPSAに結合し、イムノアッセイに関与する、第1の抗PSA抗体(モノクローナルまたはポリクローナル抗体)、
(b)同じくtPSAに結合し、同じくイムノアッセイに関与するが、PSAにfPSA特異的抗体が結合した場合には実質的にPSAに結合することができない特性を有するように選択された、第2の抗PSA抗体(好ましくは、モノクロ−ナル抗体)(この第2の抗体をここでは時によって「MM1」と称する)、および
(c)fPSA特異的で、好ましくはモノクローナル抗体である、第3の抗PSA抗体。
【0017】
イムノアッセイに関与させる場合、第1および第2の抗PSA抗体の1つを検出目的で標識し(これを「標識」または「検出」抗体と称することができる)、他方を試験混合物から分離する目的で固定化するかまたは固定化することができるものにする(「捕捉」抗体)。これによって、血液サンプル中のfPSAがfPSA特異的(第3)抗体と結合して、サンプル中のfPSAを前述のMM1(第2)抗体と結合できないようにするアッセイ条件を確立することができる。2部位イムノアッセイは前述の第1および第2抗体(「標識」および「捕捉」抗体)の両者のPSAへの結合に依存するので、fPSA特異的抗体の結合は結果的にfPSA形態を2部位イムノアッセイによる検出ができないものにする。この特別の独特なアッセイ系において使用する3抗体はすべて1以上のPSAの形態に特異的である(すなわち、どれもcPSAに含まれるいかなるプロテアーゼインヒビターに対しても特異的ではない)という事実にもかかわらず、これらの抗体の特別の特性によって、cPSAの特異的測定がなされるということに留意すベきである。
【0018】
cPSA血中値の測定が前立腺ガン(CaP)の検出のための高感度で高度に特異的な方法を提供することがわかった。またcPSAアッセイはfPSAの測定が関与するアッセイに比較して分析の精度が上昇するという利点を有する。なぜならば、cPSAはPSAの主要な形態であり、fPSAとcPSAとの間のPSAの分配に影響する環境および分析因子(例えばサンプルの年令)はfPSAの測定に比較してcPSA測定の精度に対してずっと低い影響をもたらすからである。
【0019】
cPSAは主としてプロテアーゼインヒビターα1-抗キモトリプシン(ACT)と複合体化したPSAからなるので、PSA−ACT特異的アッセイもまたcPSAアッセイの有利な感度、特異性およびその他の特徴を与えることになる。図1Aは、PSAのEエピトープに対する3つの異なるモノクローナル抗体の存在下での、tPSAに関する2部位イムノアッセイにおける、fPSAの免疫反応性の阻害を示すグラフである。50ng/mLのfPSAを含有するサンプルを各抗fPSA MAbとともに30−60分間 プレインキュベートし、Bayer Immuno1TMtPSAアッセイを実施した。図1Bは2つの抗E抗体、PSA20およびME2がtPSAアッセイにおいてfPSAの免疫反応性の濃度依存性阻害を示す、同様の実験を示す。10ng/mLのfPSAを含有するサンプルをPSA20またはME2 MAbのいずれかとともに30−60分間プレインキュベートし、Bayer Immuno1tPSAアッセイを実施した。
【0020】
図2Aは、tPSAアッセイへの抗E抗体PSA20の添加がcPSAの測定のためのイムノアッセイの1フォーマットを提供することを示すグラフである。 Bayer Immuno 1 Analyzerを使用し、MAb PSA20 300μg/mlの存在下で、遊離および複合体化PSAの割合を変えた約11ng/mLの総PSAを含有するサンプルを測定した。図2Bは、ME2 MAbもまたcPSAの定量測定のためのイムノアッセイフォーマットを提供することができることを示す同様のグラフである。 Bayer Immuno 1 analyzerを使用し、MAb ME2 25μg/mLの存在下 で、遊離および複合体化PSAの比率を変えた約11ng/mlの総PSAを含有するサンプルを測定した。
【0021】
図3は自動化イムノアナライザーにおいてcPSAアッセイを自動化するために、PSA20を使用することができることを示す表である。アッセイフォーマット1は総インキュベート時間を38分とし、MAb PSA20をMM1−フルオレセインコンジュゲート(R1)に添加して使用した。アッセイフォーマット2は総インキュベート時間を78分とし、PSA MAb20とサンプルとのオンボード(on-board)プレインキュベートを使用した。すべての結果を発色率で示している。
【0022】
図4Aおよび4Bは、前立腺ガン、BPHまたは同年代の健康な対照男性の血清中の全遊離および複合体化PSAの測定結果を要約した表である。“全”で表示する非選択患者集団には、tPSA値にかかわりなく、CaP,BPH,または同年代の健康な対照男性由来の患者サンプルが含まれる。患者グループをtPSA値に従って分類する場合は、図4Aに示す分析および図4Bに示す分析のcPSA部分において、追加の患者サンプルを含ませた。この場合、下記の明細書において記載するように、診断のグレイゾーンに含ませるtPSA値によって追加のサンプルを選択した。
【0023】
図5は、前立腺ガンおよび良性前立腺疾患の男性から採取した患者サンプルに関する、好ましいcPSAアッセイを使用して得られた結果に比較した、市販のアッセイを使用して得られた結果の回帰分析のグラフである。
図6−8は、ガン、BPHおよび正常集団の男性の血清の試験から得られた、cPSAアッセイ値およびPSA−ACTアッセイ値間の相関関係を示すグラフである。
【0024】
図9は前立腺ガン、BPHまたは同年代の健康な対照男性の血清中のcPSAおよびPSA−ACTの測定結果を要約する表である。非選択集団(「全」で表示)およびtPSA値による患者グループの分類は図4Aおよび4Bに要約した研究と同一とした。
図10は、市販のtPSAアッセイ,好ましいcPSAアッセイ、およびfPSA/tPSA比の計算によって得られたアッセイ値間の、カットオフ値(すなわち正常上限値)および選択された感度における特異性の相関関係を示す表である。
【0025】
【発明の実施の形態】
本明細書で使用する場合、以下の用語は指示された意味を持つものとする。
PSAは前立腺特異的抗原を意味するものとする。
tPSAまたは総PSAとは、血液サンプル中の免疫学的に測定可能なPSA、すなわち、通常のイムノアッセイによる測定に応答することができる複合体化または遊離形態のPSA、の総量を意味するものとする。現状の知見を基準として、(ACT、α1-抗トリプシン、およびインター−αトリプシンインヒビタ ーを含む)ある種のプロテアーゼインヒビターと複合体化した血液PSAは免疫学的に測定可能であるが、α2-マクログロブリンなどの別のプロテアーゼイン ヒビターと複合体化したときには、PSAは測定不可能であると理解される。
【0026】
fPSAまたは遊離PSAとは、複合体化していない遊離のPSAを意味するものとする。
cPSAまたは複合体化PSAとは、fPSA以外のtPSAを意味するものとする。
Eエピトープとは、fPSAに結合するがcPSAには結合しない抗体のための結合部位である、PSA上のエピトープの集合を意味するものとする。
【0027】
抗E抗体とは、Eエピトープに結合する抗体、したがってfPSAの結合について特異的な抗体を意味するものとする。
抗体とは、完全イムノグロブリン、例えばIgG若しくはIgM、または抗体結合部位を含んでいるイムノグロブリン断片、例えばFab,Fab',およびF(ab')2断片、あるいはこれらの凝集体を意味するものとする。
【0028】
本発明は、血液サンプル中のfPSAを検出不可能にさせた後、イムノアッセイによってtPSAを測定することによる、血液サンプル中のcPSAを測定する方法を提供する。tPSAを測定するために各種のイムノアッセイ法を使用することができること、および血液サンプル中のfPSAを検出不可能にさせるために各種の方法を利用できることは、当業者にとって明らかであろう。
【0029】
一般的に、tPSAイムノアッセイ法は競合または非競合性のいずれかである。前者の方法は典型的には固定化または固定化し得るPSAに対する抗体(抗PSA)および標識形態のPSAを利用する。サンプルPSAおよび標識PSAは抗PSAへの結合について競合する。生成した、抗PSAに結合した標識PSA(結合画分)を結合しないまま残っているもの(非結合画分)から分離した後、結合または非結合画分のいずれかの中の標識の量を測定し、任意の通常の方法、例えば標準曲線との比較によって試験サンプル中のPSAの量に対比させることができる。
【0030】
tPSAの測定のためには非競合方法がより一般的に使用される。最も一般的な方法は2部位イムノアッセイ法(ときには「サンドイッチ」法と称される)である。イムノアッセイにおいては、2つの抗PSA抗体が使用される。抗PSA抗体の1つは標識され(ときには「検出抗体」と称される)、他方は固定化するかまたは固定化し得るものである(ときには「捕捉抗体」と称される)。当業界で知られているように、捕捉および検出抗体は試験サンプルに同時にまたは順次接触させることができる。順次法は、捕捉抗体をサンプルとともにインキュベートし、その後あらかじめ定めた時間に標識抗体を添加することによって実施される(ときには「前進(forward) 」法と称される)か、または最初に検出抗体をサンプルとともにインキュベートし、その後標識抗体を添加することもできる(ときには「逆行(reverse) 」法と称される)。1回以上の必要なインキュベーションを行なった後、アッセイを完了させるために、捕捉抗体を液体試験混合物から分離し、少なくとも1つの分離した捕捉抗体相の少なくとも一部について、または液体試験混合物に残存するものについて標識を測定する。通常は前者である。その理由は捕捉および検出抗体によって(その間に“サンドイッチ”されて)結合したPSAを含むからである。
【0031】
PSAのための典型的な2部位イムノアッセイにおいて、捕捉および検出抗体の1つまたは両方がモノクローナル抗体である。検出抗体に使用する標識は当業界で通常既知のどれをも選択することができる。普通は、標識は酵素または化学ルミネセンス部分であるが、放射性同位元素、発蛍光団、検出可能なリガンド(例えば、そのリガンドに対する標識結合相手に二次的に結合することによって検出可能なもの)などでもよい。捕捉抗体の重要な特性は、試験混合物の残余から分離される方法を提供することである。したがって、当業界で理解されているように、捕捉抗体はあらかじめ固定化または不溶化された形態でアッセイ中に導入することもできるし、または固定化し得る形態、すなわち、アッセイへの捕捉抗体の導入の後に固定化を達成することができるような形態でもよい。固定化捕捉抗体の例は、磁性粒子、ラテックス粒子、マイクロタイタープレートウェル、ビーズ、キュベットまたは他の反応容器などの固相に共有結合または非共有結合的に接着された抗体である。固定化し得る捕捉抗体の例は、リガンド部分分子、例えばハプテン、ビオチンなどで化学的に修飾された抗体であって、その後、(直接に固定化された捕捉抗体について上述したような)固定化形態のそのリガンドの結合相手、例えば抗体、アビジンなどと接触させることによって固定化することができる抗体である。
【0032】
本発明においてはいかなるイムノアッセイ方法またはフォーマットをも使用し得るものと一般的に理解されるベきであるから、上記のイムノアッセイ法およびフォーマットは例示として意図するものであって、これらに限定されるものではない。
また、特定のイムノアッセイにおいてサンプルfPSAを検出不可能にさせるために使用する方法は幅広く変更することができるものと理解される。1つの態様において、こうした方法として、イムノアッセイを実施する血液サンプル中の残余物からサンプルfPSAを単離または分離することが含まれる。こうした分離の結果、液体試験混合物からのfPSA画分の物理的分離または試験混合物中のin situ のfPSAの単離または隔離が可能である。例として、イオン交換吸着、モレキュラーシーブ濾過、親和性結合などによってfPSAを選択的に除去することができる物質のカラムまたはその他のマトリックスにサンプルを通すことによって、あるいは磁性またはラテックス粒子に固定した抗fPSAなどのfPSA特異的抗体の固定化したまたは固定化し得る形態とサンプルとを接触させることによって、fPSAを分離して検出不可能にさせることができる。
【0033】
別の態様において、fPSAがPSAイムノアッセイに関与する抗体と実質的に結合することができなくなるほどに、関連する(1またはそれ以上の)抗原決定基を変換または修飾する、物理的、化学的(生化学を含む)またはその他の方法による試験サンプルの処理によって、fPSAをイムノアッセイで検出不可能にする。その後、この結果生成した試験混合物中で直接PSAイムノアッセイを実施することができる。例をあげると、こうした処理として、加熱または冷却によるfPSAおよびcPSAの示差的変性;Eエピトープ領域に独特なペプチドに対して特異的なプロテアーゼなどの、複合体化によって保護されたcPSA決定基には影響を与えないが、fPSA抗原決定基(Eエピトープ)は変性する化学的変性剤の添加;タンパク質または脂質結合剤、基質疑似物(例えばEエピトープ領域の酵素部位によって認識される正常な基質に類似しているが、結合しても酵素的切断または反応は伴わないペプチド)などの、Eエピトープ領域に結合するかまたはこれをブロックする生化学剤の添加;などが含まれる。fPSAの所望の免疫学的不活性化を達成するための上記の方法がすべてではなく、当業者にとってはその他の有効な方法が明らかであろう。
【0034】
本発明が提供する特に独特なcPSAの測定方法として、通常の2部位イムノアッセイの巧妙な改変が含まれる。この新しい方法において、捕捉および検出抗体の1つとして、tPSAと結合する(すなわち、fPSAおよびcPSAの両方にあるエピトープに結合する)が、PSAにfPSA特異的抗体(すなわち、抗E抗体)が結合している場合には実質的にPSAに結合することができないものが選択される。この独特の抗体をここでMM1と称する。こうして、第3の抗体として抗Eを添加することによって、抗Eが結合したfPSAは実質的にMM1に結合することができなくなり、そして実質的にMM1に基づく2部位イムノアッセイにおいて検出することができなくなる。
【0035】
この特に好ましい方法において、第2抗体(MM1抗体)および第3抗体(抗E抗体)は好ましくはそれぞれ独立した単一特異的抗体(例えば、抗体画分が基本的に対象となる特定のエピトープに結合する抗体のみで構成されるように調製された、通常の抗血清法によって得られるモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)であり、最も好ましくはモノクローナル抗体である。さらに、所望ならば、抗E抗体は所望のMM1阻害を獲得するために、2以上の抗体、例えば2以上のモノクローナル抗体を含むこともできる。抗E抗体(または複数の抗体)の結合の結果として生じるfPSAに対するMM1抗体の結合阻害の所望の程度は、普通は約90%を超え、より一般的には約95%を超え、最も好ましくは約99%を超えるものと、さらに理解されるべきである。
【0036】
特に好ましいモノクローナルMM1抗体は多数の方法によって調製することができる。主として、ハイブリドーマ細胞系の選択の結果MM1の明確な結合特性を有するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマを単離するためのスクリーニング方法を使用する、通常の体細胞ハイブリダイゼーション技術を適用することによって、このモノクローナル抗体が製造される。こうしたスクリーニングのための戦略は、fPSAには接近し得るがcPSAには接近できないエピトープ、例えばEエピトープに対する別の抗体の結合をブロックするけれども、それ自体は本質的にfPSAおよびcPSAに等価に結合する抗体を選択するものである。
【0037】
体細胞ハイブリダイゼーションは現在周知の方法論であり、好適な、そして所望のすべての変更を含めて、本発明に適用することができる。一般に、骨髄腫細胞と分析物に対して免疫感作させた動物から取ったリンパ球との融合によってハイブリドーマの集団を製造する。ここで使用する宿主動物の免疫感作とは、対象とする分析物上の1以上のエピトープに結合する抗体を産生するように、その動物の免疫系をチャレンジしたことを意味する。これらの結果が、天然の分析物、合成ペプチド免疫原、表面に分析物のエピトープを発現するトランスフェクトされた細胞などを宿主動物の血流中への投与を含む(但し,これに限定されるわけではない)多数の方法のどれによっても得られることは、当業者にとって明らかであろう。同様に、クローン化されたハイブリドーマ細胞系からのモノクローナル抗体の製造および採取は当業界の通常の技術範囲であり、一般的に本発明を実施する時に、既知のどの方法も使用することができる。
【0038】
上述のように、MM1特性を有するモノクローナル抗体を製造するためにハイブリドーマをスクリーニングするための主要な基準は、(i)実質的にfPSAおよびcPSAに等価に結合するが、(ii)PSAにfPSA特異的抗体(抗E抗体)が結合した場合はPSAに実質的に結合することができない、モノクローナル抗体を製造することである。あるいは、あまり好ましくはないが、スクリーニングの基準として、(i)実質的にfPSAおよびcPSAに等価に結合するが、(ii)PSAに結合することによって、PSAをfPSAに特異的な抗体、すなわちfPSAには結合することができるがcPSAには結合することができない抗体に対して結合することができなくする、モノクローナル抗体を製造することである。上記の結果を与えるために本発明のMM1モノクローナル抗体が作用する機構は明確には理解されていない。しかし、fPSAに対するモノクローナル抗体(すなわち、抗E抗体)の結合が、エピトープに対する抗体または複数の抗体の結合に際してfPSAおよびcPSAの両方の上で利用することができるエピトープ(1つまたは複数)をブロック、マスク、妨害または変更するものと推察される。本発明において利用するMM1モノクローナル抗体の代表は、Bayer Immuno 1TMPSAアッセイ(Bayer Corporation,Tarrytown,New York,USA)において使用するMM1抗体;本出願人(Bayer Corporation )によってAmerican Type Culture Collection,Rockville,Maryland,USA,に1997年4月10日寄託され、それぞれ受託番号HB−12338およびHB−12337を指定されたハイブリドーマ細胞系 356.7.4および346.7.26によって製造されたモノクローナル抗体;および上記の抗体のいずれかと実質的に同一のエピトープに結合するモノクローナル抗体である。
【0039】
cPSAを測定するための上記の特に好ましい方法の実施に必要な試薬およびその他のアッセイ構成要素は試験キット、すなわち使用者の需要に適合する包装集合体または配合体の形態で、分析操作法をも含めて好都合に供給される。最小限、この試験キットは特定の特性を有する捕捉および検出抗体ならびに1以上の抗E抗体を含むものとなる。
【0040】
男性患者のcPSA血中値は、先行技術のtPSA値およびfPSA/tPSA比数値に比較して実質的な臨床上の意義を提供することが今回発見された。具体的には、50才を超える、CaPの患者53名、BPHの患者75名および健康な男性対照者88名を含む216名の患者からの血清サンプルを使用して最初の研究を実施した(下記、データは図4Aに示す)。この最初の研究において、tPSAの測定に比較してCaPの検出について同等の感度を提供する、cPSAアッセイの正常上限値が確立された(それぞれ88%に対して85%)。試験した全患者について、正常およびBPH集団における特異性もまた、fPSA/tPSA比に比較したcPSAと同等であった。これらの知見は、CaP患者75名および生検でCaPでないことがわかった患者225名を含む、泌尿器科に配された生検患者300名からの血清サンプルを使用した次の研究によって確認された(下記、データを図4Bに示す)。fPSA/tPSA比と関連させて使用するtPSAアッセイの感度および特異性がcPSAのみの場合と同等であるという発見は、患者集団が診断のグレイゾーンに属する場合にも正当だった。診断のグレイゾーンの正確な範囲は明確にされていないが、この研究において比較したすべての範囲において、cPSAアッセイの感度および特異性は総および遊離PSAアッセイの両方を使用して得られたものに匹敵した。これらのデータは単独試験、cPSA、が総PSAと同等の有効性で前立腺ガンを検出することができ、その上、2つのアッセイ、fPSAおよびtPSAを使用して得られることが示された改善された特異性を有することを証明している。
【0041】
上に引用した研究において、cPSAアッセイデータについて選択した正常上限値(ときにはカットオフ値と称される)は(PSA当量濃度として表現して)3.75ng/mL であった。この正常上限値は組織学的にガンと確認された男性グループにおける、tPSAアッセイでカットオフ値4.0ng/mLを使用して提供される感度と実質的に同様のCaP検出の感度(最初の研究において88%に対して85%、次の研究において83%に対して81%)を達成させるように選択した。当技術分野では、より大きなサンプル集団を試験するとcPSA値に関する最適正常上限値は幾分移動するかも知れないことはもちろん理解されるが、こうした最適正常上限値はいずれにせよ約3−4ng/mL(PSA−ACT約9−12ng/mLと同等)の間に落ち着くと予想されるはずである。正常上限値を4ng/mLより上に選択することは一般に臨床上許容できない感度数値の結果をもたらすと理解され、一方、正常上限値を3ng/mLより下に選択すると、特異性は許容し得る損失で増大した感度をもたらすものと、臨床医の中には考えるものもいる。しかし、感度のどのレベルにおいても、本発明のcPSA法は単独アッセイの結果で、従来のtPSA法に比較して有意に改善された特異性レベル、および2つのアッセイ結果の比較、例えばfPSA/tPSAに基づく最近の文献の方法に比較して同等または改善された特異性レベルを提供するものと認識される。さらに、連続tPSA測定について示された(29)ような経時的連続cPSA測定によって、無症候性男性患者における前立腺ガンの検出が増強されることが期待される。
【0042】
上に述べた前立腺ガンの検出における使用の他に、cPSAの測定は、前立腺ガンと診断された患者、特に前立腺ガンの第一次治療を受けた後における病気の経過を監視するのに有用となる。こうした患者のtPSA測定による長期的監視は再発性前立腺ガンの早期検出に有用であることが証明された。cPSAはPSAのガン特異的形態であると理解され、そして潜在的ガン細胞が遠隔転移部位を確立して増殖するにつれて血清中で増加するものと予想される形態である。したがって、cPSA血中レベルの経時変化は病状の変化と相関性があり、そして特に治療後のcPSA血中レベルの上昇は病気の再発を示すことになる。
【0043】
さらに、cPSAは主としてPSA−ACTからなっていると理解されるので、cPSA測定の臨床的意義および利点は、(図9に示すデータが得られた研究において証明されたように)PSA−ACT測定にまで拡張される。原則として、現在利用し得る計測手段で最も実施しやすいPSA−ACT測定用のイムノアッセイ方法は、抗PSA抗体と1つの抗ACT抗体またはPSA−ACT複合体に特異的な1つの抗体とを組み合わせて使用する2部位イムノアッセイである。こうした後者の抗体を獲得する方法の1つは、PSA−ACT複合体上の、例えばACTおよびPSA成分が出会う複合体表面上の点上またはその近くの立体配座エピトープに対する抗体のモノクローナル選択によるものである。しかし、現在のところ、こうした方法は十分には開発されていなく、そして/または分析実施上の問題に悩まされており、したがって、さらなる改良が生まれるまで、PSA−ACT測定にはもっと煩わしい手法が必要である。例えば、Leinonenらによって示されたように、PSA−ACT複合体をゲル濾過(モレキュラーシーブ)クロマトグラフィーによって分離し、tPSAを検出するアッセイまたはPSA−ACTに特異的なアッセイのいずれかによって測定する(15)のもよい。
【0044】
本発明を以下の実施例によって説明するが、これに限定されるわけではない。
【0045】
【実施例】
材料物質
これらの研究で使用する抗PSA抗体には遊離PSAおよびプロテナーゼインヒビターと複合体化したPSA上に発現されたエピトープを認識するモノクローナル抗体であるMM1が含まれる。この抗体をマウス腹水中で製造し、標準的操作法を使用してタンパク質Aアフィニティクロマトグラフィーによって精製した。MP2はヤギ中で製造し、固定化PSA上のアフィニティクロマトグラフィーによって精製したポリクローナル抗PSA抗体である。PSA19、PSA20、PSA30(CanAg Diagnostics AB,Gothenburg,Sweden)およびME2(Biospacific,Emeryville,CA,USA )はPSAのEエピトープを認識するモノクローナル抗体である。ACT53(CanAg Diagnostics )はACT特異的モノクローナル抗体である。遊離前立腺特異的抗原(Scripps Laboratories,San Diego,CA,USA )をヒト精液からドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって98%の純度まで精製し、10mM Tris、0.1%アジ化ナトリウムを含有する緩衝液 、pH8.0 中で保存した。PSA−ACT(Scripps Laboratories,San Diego,CA,USA )はドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって>96%の純度を示し、10mM酢酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、および0.1%アジ化ナトリウムを含有する緩衝液、pH5.6中で保存した。
【0046】
Bayer Immuno TM PSAアッセイ
Bayer Immuno1総PSA(tPSA)アッセイはPSAの捕捉用のモノクローナル抗体および検出用ポリクローナル抗体を使用するサンドイッチアッセイである。モノクローナル抗PSA抗体(MM1)はフルオレセインとコンジュゲート化(R1)し、アフィニティ−アフィニティ精製したポリクローナル抗体(MP2)はアルカリホスファターゼとコンジュゲート化(R2)している。100mM Tris−HClを含有する緩衝液、pH7.4および5%熱不活性化正常ヤギ血清(Biocell Laboratories,Carson,CA,USA)中で抗体を、R1については1.5μg/mlに、そしてR2については6.15μg/mlに希釈する。2つの抗体65μlずつをそれぞれ試験検体20μlとともに反応キュベット中で37℃で20分間インキュベー トし、生成した免疫複合体(R1−PSA−R2)をモノクローナル抗フルオレセイン抗体で被覆した磁性粒子(20μL)の添加によって捕捉する。過剰の試薬およびサンプル成分を除去するための洗浄段階の後、23mM p−ニトロフェニルホスフェート300μlを添加する。発色の程度を405および450nmでの吸光度測定によってモニターするが、この発色の程度は試験検体中のPSAの濃度に直接比例する。これ以上の詳細は J.Clin.Lab.Anal.(1996),10:155-159中に提示されている。濃度 0,2,10,25,50 および100ng/mLの遊離PSAで調製したBayer Immuno 1 SET point(登録商標)PSA検量剤(calibrator)を使用して、Bayer Immuno 1 Analyzerの検量化を実施する。標準検量線を作成するために、0点を通 る三次式に適合させるアルゴリズムを使用する。
【0047】
Bayer Immuno 1 遊離PSAアッセイ
遊離PSAの測定については、R1捕捉抗体をフルオレセインとコンジュゲート化した遊離PSA(PSA19、CanAg )特異的モノクローナル抗体とに置換することによって、上記の Bayer Immuno 1 総PSAアッセイで使用したプロトコールを適用した。このモノクローナル抗遊離PSA R1を総PSAアッセイにおいて使用したものと同一のポリクローナル抗PSAアルカリホスファターゼコンジュゲート(R2)とともに使用した。R1コンジュゲートを2.5μg/mLに希釈し、R2は6.15μg/mLで使用した。サンプル容積を1試験当たり35μlとし、添加した磁性粒子の容積を1試験当たり15μLとした以外のその他の条件はtPSAアッセイで使用したものと同様とした。
【0048】
Bayer Immuno 1 PSA−ACT法
Bayer Immuno 1PSA−ACTアッセイフォーマットは以下の変更の他は Bayer Immuno 1 tPSAアッセイのものと同一である:(1)ACT特異的モノクローナル抗体であるACT53をアルカリホスファターゼにコンジュゲートさせ、2μg/mLで検出に使用する;(2)PSA−ACTを検量剤および対照抗原として50mM MES緩衝液、6%BSA、pH5.8とともに使用する;そして(3)抗原を最初に捕捉抗体とともにインキュベートし、生成する複合体を洗浄して非結合抗原およびその他の血清成分を除去し、その後に検出抗体を添加するという2回洗浄プロトコールを使用する。
【0049】
結果
総PSAアッセイにおける遊離PSAの免疫反応性の阻害のための特異的抗体の選択および最適化
本発明は、PSAのEエピトープに対する抗体の添加によって、総PSAアッセイをPSA−プロテアーゼインヒビター複合体に特異的に実施することができるという観察に基づいている。PSA分子上のEエピトープに特異的な4つのモノクローナル抗体、PSA19、PSA20、PSA30およびME2を、総PSAアッセイにおける遊離PSAの反応性を減少させる能力について試験した。精液から精製した100%遊離PSAを使用して総PSAアッセイにおいて用いる検量剤を製造した。抗E抗体、PSA19、PSA20およびPSA30を濃度 0,10,25,50,100 および200μg/mLで50ng/mlのPSA検量剤に添加した。室温で30から60分間インキュベートした後、総PSAアッセイを使用して、これらの混合物を未知サンプルとして試験し、PSAの回収を測定した。図1Aに示すように、3つのモノクローナル抗体、PSA19、PSA20およびPSA30のそれぞれが総PSAアッセイにおいて遊離PSAの反応性の有意な阻害を示した。この遊離PSAの免疫反応性の減少は各抗体について濃度に依存するが、PSA20のみが飽和に近かった。これらの3つの抗E抗体の中で、PSA20が遊離PSAについての信号の最大の減少を与えた。
【0050】
別々の実験において、tPSAアッセイ中の遊離PSAの結合を阻害する能力について、PSA20およびME2を比較した。モノクローナル抗体を0から40μg/mlの濃度範囲で10ng/mlの検量剤に添加した。図1Bでわかるように、ME2 MAbは総PSA中の遊離PSAの結合を定量的に阻害し、6.125μg/mLよ りも低濃度で飽和に到達する。これらのデータはいくつかのEエピトープ抗体が遊離PSAへのMM1抗体の結合を阻害する能力を有することを証明している。しかし、ME2 MAbは他のEエピトープ抗体よりもずっと低い濃度でより大きな程度まで総PSAアッセイ中の遊離PSAの結合を阻害する。この阻害はEエピトープに対するME2抗体のより高い親和性によるものと考えられる。あるいは、Eエピトープは別個の微小のエピトープ特異性を有するエピトープ群の集合体を表すのかも知れない。
【0051】
Bayer Immuno 1 Analyzer での複合体化PSAの測定
総PSAアッセイへの MAb、PSA20およびME2の添加は遊離PSAに関係する大部分の免疫反応性を消失させる。複合体化PSAの定量的測定を証明するために、約11ng/mLの総PSA濃度で遊離およびACTと複合体化したPSAの各種割合の混合物を調製した。混合物の内容は遊離:複合体化PSAの比を100:0, 80:20,50:50,20:80,および0:100 とした。これらの混合物を Bay er Immuno 1 Analyzerで3つのイムノアッセイフォーマット:総PSA(tPSA)の市販アッセイ、Bayer Immuno 1遊離PSAアッセイ(fPSA)、およびBayer Immuno 1複合体化PSAアッセイ(cPSA)、を使用して測定した。Bayer Immuno 1複合体化PSAアッセイは、図2Aに示す結果について、各サンプルにPSA20MAbを最終濃度300μg/mlとなるように添加し、そしてMM1−フルオレセインコンジュゲートを1.5μg/mlから0.5μg/mlに減量した以外には、tPSAアッセイと同一とした。図2Bに示す実験については、各サンプルにMAb ME2を最終濃度25μg/mLとなるように添加し、そしてMM1−フルオレセインコンジュゲートをやはり0.5μg/mlで使用した。総PSAおよび遊離PSAの測定のために、Bayer Immuno 1総PSAアッセイ用に市販されて使用されている Bayer Immuno 1 SET point PSA検量剤で Bayer Immuno 1 Analyzerを検量化した。複合体化PSA(cPSA)を測定するために、50mM MES 、6% BSA,pH5.8中のACTと複合体化したPSAを使用して、0−100ng/mLの範囲の検量剤を調製した。
【0052】
総PSAアッセイへのMAb PSA20の添加は、複合体化PSAについてほぼ定量的反応性を有する方法を提供する(図2A)。cPSAアッセイにおける各種混合物の応答は直線性であり、総PSAおよび複合体化PSAの測定濃度は期待されたように試験したすべてのサンプルについておよそ10ng/mLの回収を与えた。同様に、MAb ME2は、遊離および複合体化PSAの割合の全範囲にわたって複合体化PSAについて定量的反応性を有する方法を提供する(図2B)。その上、MAb ME2での複合体化PSAアッセイはPSA20MAbについて必要とされる濃度(300μg/mL)に比較して著しく低い濃度のME2 MAb(25μg/mL)を使用する。これらのデータは、PSA分子上の異なるエピトープと反応する3つの抗体(MM1,MP2およびPSA20またはME2のいずれか)を組み合わせることによって、複合体化PSAを正確に測定する方法を作り上げることができることを証明している。
【0053】
cPSAアッセイの自動化
Eエピトープに対するMAbによる患者サンプルの前処理は臨床実験環境下での適用としては実用的でない。サンプルへのMAbの正確な分配は困難であって時間がかかり、またその結果として容認し得ない程度の高確率な不正確性をもたらす。したがって、cPSAアッセイの完全自動化方法が開発された。
【0054】
自動化MAb PSA20法
アッセイフォーマット1において、R1、MM1−フルオレセイン、試薬にMAb PSA20を濃度500μg/mLで添加し、アッセイは検量用にPSA−ACTを使用してtPSAと同様に実施した。このアッセイは完了まで38分を要する。アッセイフォーマット2において、反応液中でサンプルをMAb PSA20を用いて前処理する。このフォーマットにおいては、反応キュベットに患者サンプルとともにPSA20抗体を添加し、50分間インキュベートした。その後、MM1−フルオレセインを濃度0.5μg/mLで、MP2−ALPを濃度6.15μg/mLで、お よび抗フルオレセイン抗体で被覆した磁性粒子を添加し、さらに28分間インキュベートした。過剰の試薬および未反応の血清を洗浄除去した後、tPSAアッセイと同一の様式で基質を添加し、発色をモニターした。濃度範囲2ng/ml−25ng/mlにわたる遊離PSAを含有するサンプルを使用した。図3の結果は、これらの手法のいずれを使用しても、遊離PSAにともなう信号を非常に低レベルまで効果的に減少させることができることを示している。これらの結果は、この方法を Bayer Immuno 1 Analyzerで完全に自動化することができることを示唆している。
【0055】
自動化MAb ME2法
ME2 MAbはtPSAアッセイ中のfPSAへのMM1 MAbの結合を顕著な低濃度で、またPSA20 MAbよりも大きな程度で阻害する。その上、アッセイフォーマット2はより長時間を要し、そして2つの試薬カセットを必要とする。したがって、cPSAアッセイの自動化のために使用する第3の抗体としてME2 MAbを選択し、2つの方法(試薬1(R1)または試薬2(R2)のいずれかにME2を濃度50および100 ng/mL を添加)でtPSAアッセイ中に添加した。結果は、ME2をR1およびR2中に添加したとき、fPSAの反応性がそれぞれ97%および98%阻害されることを示した。これらのデータに基づき、R2試薬中にME2 MAbを最終濃度100μg/mLで使用するcPSAアッセイが方式化されることが判定された。
【0056】
血清中の複合体化PSAの測定
パイロット研究
前立腺ガン患者53名、BPH患者75名、および健康な同年代の対照者からの88サンプルを3つのアッセイ:tPSA、fPSAおよびcPSA、を使用して分析した。cPSAアッセイで試験するサンプルは25μg/mlのME2抗体で前処理し、fPSAおよびtPSAアッセイで試験するサンプルは処理しなかった。アッセイを上述のように遊離PSAまたはPSA−ACT複合体のいずれかを使用して検量化した。この試験の結果を図4Aに示す。組織学的にガンと確認された男性群のCaP検出について、tPSAアッセイで4.0ng/mLのカットオフ値を使用して得られた感度と実質的に同様の感度を達成する(88%に比較して85%)ために、3.75ng/mL(PSA当量濃度として表示)の正常値の上限を選択した。この正常上限値を使用して、この研究で試験した正常およびBPH集団の特異性もまた、陽性tPSA結果に引き続きfPSAアッセイを実施してfPSA/tPSA比を計算した2段階試験と比較したcPSAと同等であった。fPSA/tPSA比と関連させて使用するtPSAアッセイの感度および特異性がcPSAのみの場合と同等であるという発見は、患者集団が診断のグレイゾーンに分類される場合にも正当であった。診断のグレイゾーンの明確な範囲は決定されていないが、この研究で比較したすべての範囲について、cPSAアッセイの感度および特異性は総および遊離PSAアッセイの両方を使用して得られたものに匹敵した。これらのデータは、単独試験、cPSAが総PSAと同等の有効性で前立腺ガンを検出することができ、その上、2つのアッセイ、fPSAおよびtPSAを使用して得ることができることが示された、改善された特異性を有することを証明している。
【0057】
臨床研究
3つのアッセイ:tPSA(Hybritech Tandem(登録商標)PSAアッセイ、San Diego,California,USA、を使用)、fPSA(Hybritech Tandem(登録商標)遊離PSAアッセイを使用)、およびcPSA(上述の自動化MAb ME2法を使用)、を使用して、Seattle VA Hospital,Seattle,Washington,USA、において、生検患者300名(75名は前立腺ガンが確認された)からの血清サンプルを分析した。上述のように遊離PSAまたはPSA−ACT複合体のいずれかを使用して、アッセイを検量化した。この試験の結果を図4Bに表形式で、図5に回帰分析として示す。組織学的にガンと確認された男性群のCaP 検出について、tPSAアッセイで4.0ng/mLのカットオフ値を使用して得られた感度と実質的に同様の感度を達成する(83%に比較して81%)ために、3.75ng/mL(PSA当量濃度として表示)の正常値の上限を選択した。この正常上限値を使用して、この研究で試験した正常およびBPH集団の特異性もまた、2段階試験(上記、tPSA+fPSA/tPSA)と比較したcPSAと同等であった。図5において、グラフの右下象限に見られる小円データポイントは、医学的判定の基準としてtPSAではなくcPSA値を使用していたならば、生検の危険、不快感および出費を回避することができたはずの非ガン患者(117名の内34名、または29%)を表している。また、パイロット研究と同様に、fPSA/tPSA比と関連させて使用するtPSAアッセイの感度および特異性がcPSAのみの場合と同等であるという発見は、患者集団が診断のグレイゾーン層に入る場合にも正当であった(上記)。
【0058】
独立したパイロットおよび臨床研究からのデータは、単独試験、cPSAが総PSAと同等の有効性で前立腺ガンを検出することができ、その上、2つのアッセイ、fPSAおよびtPSAを使用して得ることができることが示された、改善された特異性を有することを証明している。
cPSAおよびPSA−ACT間の相関関係
cPSAアッセイにおいて複合体化PSAのどの種類が測定されるのかを決定するため、ACTと複合体化したPSAを測定するアッセイが開発された。この種類の複合体化PSAは血清中の複合体化PSAの主要な形態に相当することが報告されている。手動方法を使用するPSA−ACT測定のこれまでの試みは上述のような技術上の難点があった。したがって、Bayer Immuno 1TMシステムでPSA−ACT複合体を測定するための自動化イムノアッセイが開発された。PSA−ACTのためのこの自動化アッセイを使用してPSA−ACTについて、上述のパイロット研究と同一集団の患者を試験した。結果を図6−8に示す。ここでは、自動化PSA−ACTアッセイを使用して得られた結果を自動化cPSAアッセイを使用して得られた結果に対して回帰させている。各患者集団、すなわち正常、前立腺ガン、および良性前立腺疾患(BPH)集団について、すべての患者サンプル、および患者の試験結果の大多数を含む範囲を回帰分析した。これは少数の大きな数値に起因する回帰分析の偏りをさけるためである。いずれの場合も、回帰線の傾斜は0.93から0.98の範囲であった。これらのデータはcPSAアッセイによって測定した物質の約93−98%がPSA−ACTであることを示唆している。残存の2−7%のcPSAの生化学的性質は現在のところわかってい ない。
【0059】
選択された感度におけるPSAアッセイの特異性
cPSAアッセイで使用する正常上限値をtPSAアッセイと同様の感度を与えるようにして、決定した。このカットオフ値を使用して、cPSAアッセイが現在医療現場で使用されている方法、すなわちtPSAよりも改善された特異性を提供することが証明された。正常上限値について異なる数値を使用したcPSAアッセイの特異性も測定した。上述の臨床研究から得られたすべての結果をReceiver Operator Characteristic(ROC)分析に使用した。その後、感度レベルを80−100%の範囲に変化させてROC分析から特異性を判定した。80%未満 の感度は、現在実用されている診断方法が少なくともこの感度レベルを提供するので、ほとんど医学的価値がない。図10に示す結果は、すべての感度レベルにおいて、cPSAアッセイはtPSAより大きい特異性を提供し、2つのアッセイ、tPSAおよびfPSAの使用とほぼ同等かまたは少し良好な特異性を提供することを証明している。その上、患者サンプルが診断のグレイゾーンに入っている場合でも、特異性の改善は正当である。これらの結果は、cPSAアッセイについての正常上限値は感度および特異性の所望のレベルに応じて広い範囲から選択することができるが、約3−4ng/mLの範囲の正常上限のすべての値において、cPSAはtPSAよりも改善された特異性を、そしてfPSA/tPSA比とほぼ同等の特異性を与えることを証明している。
【0060】
以上、本発明を詳細に記述し、例示した。明らかに、これらの精神および範囲から離れることなく、本発明の多くの他の変更および改変を行なうことが可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明により、サンプル中のPSAへのfPSA特異的抗体の結合によって、イムノアッセイにおいてcPSAのみを測定することができる。cPSAの血中レベルの測定により、前立腺ガンの診断および監視の補助となる、高感度で高度に特異的な方法を提供され、そして多数の患者にとって不必要な前立腺の生検を実施する必要がなくなる。
【0062】
引用文献
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【図面の簡単な説明】
【図1】遊離PSA抗体濃度とfPSAの阻害との関係を表す図である。
【図2】遊離および複合体化PSAの相対比と測定濃度との関係を表す図である。
【図3】自動化イムノアナライザーにおいて、cPSAアッセイを自動化するためにPSA20を使用することができることを示す図である。
【図4】前立腺ガン、BPH又は同年代の健康な対照男性の血清中の全遊離及び複合体化PSAの測定結果を示す図である。
【図5】総PSA対cPSAの回帰分析の結果を表す図である。
【図6】cPSA及びPSA−ACT間の相関関係を表す図である。
【図7】cPSA及びPSA−ACT間の相関関係を表す図である。
【図8】cPSA及びPSA−ACT間の相関関係を表す図である。
【図9】前立腺ガン、BPH又は同年代の健康な対照男性の血清中のcPSA及びPSA−ACTの測定結果を示す図である。
【図10】選択された感度におけるPSAアッセイの特異性を示す図である。

Claims (18)

  1. 血液サンプル中の複合体化前立腺特異的抗原(cPSA)の測定方法であって、
    (a)血液サンプル中の総PSA(tPSA)を処理して、遊離PSA(fPSA)をイムノアッセイにおいて実質的に検出不可能にする工程、及び
    (b)処理した血液サンプル中のPSAをイムノアッセイによって測定する工程、
    を含んでなり、その結果として実質的にcPSAのみが検出可能であることを特徴とする方法。
  2. 工程(a)がfPSAを血液サンプル中の残余、すなわちfPSA以外の血液サンプルの成分、から分離することによって実施され、工程(b)が血液サンプル中の該残余について実施される、請求項1記載の方法。
  3. 前記イムノアッセイが2部位イムノアッセイである、請求項1−2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 2部位イムノアッセイにおいて使用する2つの抗体の両方がモノクローナル抗体である、請求項3記載の方法。
  5. (a)血液サンプルを以下の3つの抗PSA抗体と接触させて、液体試験混合物を形成させる工程、
    (i) 総PSA(tPSA)に結合する第1の抗PSA抗体、
    (ii) tPSAに結合するが、遊離PSA(fPSA)には結合するがcPSAには結合しない抗体がPSAに結合している場合には実質的にPSAに結合することができない、第2の抗体、
    ここで、前記第1又は第2の抗体の一方が標識され(「標識抗体」)、そして他方は液体混合物から分離するために、固定化されるか又は固定化が可能である(「捕捉抗体」)、
    (iii) fPSAには結合するがcPSAには結合しない第3の抗体、
    (前記第3の抗体のfPSAへの結合によって、fPSAがこの方法において実質的に検出不可能になる)、
    (b)液体試験混合物から前記捕捉抗体を分離する工程、及び
    (c)分離された捕捉抗体相又は液体混合物の残余中の標識を測定する工程、
    を含んでなることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記第2の抗PSA抗体がモノクローナル抗体である、請求項5記載の方法。
  7. 前記第3の抗PSA抗体がモノクローナル抗体である、請求項6記載の方法。
  8. 前記第3のモノクローナル抗体が細胞系ATCC HB−12337又はHB−12338によって産生されるモノクローナル抗体と実質的に同一のエピトープに結合する、請求項7記載の方法。
  9. 前記第1の抗PSA抗体がモノクローナル抗体である、請求項5−8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ヒト男性患者における前立腺ガンの検出補助方法であって、
    (a)ヒト男性患者から得られた血液サンプル中の複合体化前立腺特異的抗原(cPSA)の量を請求項1−9のいずれか1項に記載の方法により測定する工程、及び
    (b)患者のcPSA血中レベルが3ng/mLの正常上限値を超えているかどうかを判定する工程、
    を含んでなることを特徴とする方法。
  11. 正常上限値が3.75ng/mLである、請求項10記載の方法。
  12. 前立腺ガンと診断された男性から得られた血液サンプル中の複合体化前立腺特異的抗原(cPSA)レベルの変化を測定するために、請求項1−9のいずれか1項に記載の方法による一連のイムノアッセイを経時的に実施し、そのcPSA血中レベルの変化を病状の変化に相関させることを含む、前立腺ガンと診断された男性患者における疾病の経過を監視する方法。
  13. 前立腺ガンの治療を受けてきた患者から得られた血液サンプル中の複合体化前立腺特異的抗原(cPSA)レベルの変化を測定するために、請求項1−9のいずれか1項に記載の方法による一連のイムノアッセイを経時的に実施し、そのcPSA血中レベルの上昇が疾病の再発を示すことを含む、前立腺ガンの治療を受けてきた患者における疾病の経過を監視する方法。
  14. 以下の抗体:
    (1) 総PSA(tPSA)に結合する第1の抗PSA抗体、
    (2) tPSAに結合するが、遊離PSAには結合するがcPSAには結合しない抗体がPSAに結合している場合には実質的にPSAに結合することができない、第2の抗体、
    ここで、前記第1又は第2の抗体の一方が標識され、そして他方は水性液体混合物から分離するために、固定化されるか又は固定化が可能である、
    及び、
    (3) fPSAには結合するがcPSAには結合しない第3の抗体、
    を含む、血液サンプル中の複合体化前立腺特異的抗原(cPSA)の測定に使用するための試験キット。
  15. 前記第2の抗PSA抗体がモノクローナル抗体である、請求項14記載の試験キット。
  16. 前記第3の抗PSA抗体がモノクローナル抗体である、請求項14記載の試験キット。
  17. 前記第3のモノクローナル抗体が細胞系ATCC HB−12337又はHB−12338によって産生されるモノクローナル抗体と実質的に同一のエピトープに結合する、請求項16記載の試験キット。
  18. 前記第1の抗PSA抗体がモノクローナル抗体である、請求項14−17のいずれか1項に記載の試験キット。
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