JP3481564B2 - フローティング支持部材及び車両用ワイパ装置 - Google Patents

フローティング支持部材及び車両用ワイパ装置

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JP3481564B2 JP2000206885A JP2000206885A JP3481564B2 JP 3481564 B2 JP3481564 B2 JP 3481564B2 JP 2000206885 A JP2000206885 A JP 2000206885A JP 2000206885 A JP2000206885 A JP 2000206885A JP 3481564 B2 JP3481564 B2 JP 3481564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフローティング支持
部材に係り、詳しくは車両用ワイパ装置のワイパフレー
ムの振動を車体に伝え難くするフローティング支持部材
と、そのフローティング支持部材を備えた車両用ワイパ
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、図5に示すように、自動車のフ
ロントガラス1の下部近傍には、ワイパ装置2が備えら
れる。ワイパ装置2には、フロントガラス1のほぼ左右
半面ずつを払拭するためのワイパブレード3,4をそれ
ぞれ先端に有する2本のワイパアーム5,6が備えられ
る。各ワイパアーム5,6の基端は、ワイパフレーム7
に固定された軸8,9によって回動可能に支持される。
各軸8,9には、被動レバー10,11の基端が回転可
能に支持される。被動レバー10,11は、対応するワ
イパアーム5,6と一体的に軸8,9の周りを回動する
ように、対応するワイパアーム5,6に連結される。
【0003】モータ12の出力軸に連結されたウォーム
13は、ウォームホイール14に噛み合う。ウォームホ
イール14の中心部には、駆動レバー15の基端が固定
される。駆動レバー15の先端は、リンクロッド16,
17を介して、前記両被動レバー10,11の先端に連
結される。
【0004】モータ12がウォーム13を介してウォー
ムホイール14を回転させると、駆動レバー15の回転
運動がリンクロッド16,17の押し出し及び引き込み
運動に変換される。すると、被動レバー10,11が軸
8,9の周りを揺動し、ワイパアーム5,6が駆動され
る。ワイパアーム5,6は、ウォームホイール14が1
回転する毎に下反転位置と上反転位置との間を1往復す
る。このワイパアーム5,6の往復運動により、ワイパ
ブレード3,4が図5に二点鎖線で示すフロントガラス
1上の範囲を払拭する。
【0005】リンクロッド16,17の押し出し及び引
き込み運動によって生じる力は、軸8,9を介してワイ
パフレーム7に作用して、ワイパフレーム7を振動させ
る。そのため、ワイパフレーム7を車体に取り付ける
際、該フレーム7と車体との間にフローティングゴム
(防振ゴム)18を配置して、該フレーム7の振動が車
体に伝達されるのを防止している。このフローティング
ゴム18は、モータ12に生じる振動も吸収する。図5
では、4つのフローティングゴム18がワイパフレーム
7の端部に配置される。
【0006】上記フローティングゴム18は、図6及び
図7に詳細に示される。フローティングゴム18は、円
筒部18bと、該円筒部18bの軸方向両端に形成され
るほぼリング状の一対の鍔部18c,18dとを備え
る。円筒部18bは、その軸心に沿って延びる挿通孔1
8aを有する。挿通孔18aには円筒状のカラー20が
挿通され、該カラー20にはボルト21が挿通される。
カラー20の軸線方向一端部はボルト21に挿通された
ワッシャ22に当接し、カラー20の軸線方向他端部は
車体19に当接する。フローティングゴム18は、前記
ワイパフレーム7に形成された貫通孔7aに嵌め込まれ
る。具体的には、両鍔部18c,18dによってワイパ
フレーム7が挟持された状態で、両鍔部18c,18d
間の円筒部18bが貫通孔7aに嵌め込まれる。ボルト
21の先端は、車体19に形成された貫通孔19aに挿
通される。ナット23がボルト21の先端に螺着される
ことによって、ワイパフレーム7がフローティングゴム
18を介して車体19に固定される。
【0007】ワイパフレーム7とワッシャ22との間に
配置される鍔部18cは、その外周縁に、断面ほぼ半円
形状をなす一対の環状突部18e,18fを有する。両
環状突部18e,18fは、フローティングゴム18の
軸方向に沿って互いに反対方向へ突出する。両環状突部
18e,18fはまた、同軸上に配置されるとともに、
同一の径を有する。一方の環状突部18eはワッシャ2
2に当接し、他方の環状突部18fはワイパフレーム7
に当接する。
【0008】ワイパフレーム7と車体19との間に配置
される鍔部18dは、前記鍔部18cと対称である。こ
の鍔部18dは、車体19に当接する環状突部18g
と、ワイパフレーム7に当接する環状突部18hとを有
する。
【0009】前記円筒部18bは、その軸方向中間部
に、ワイパフレーム7の貫通孔7aの内周面に当接する
断面ほぼ半円形状の環状突部18iを有する。円筒部1
8bの内周面には、両鍔部18c,18dとほぼ対応す
る軸方向位置において、断面ほぼ三角形状をなす一対の
環状突部18j,18kが形成される。環状突部18
j,18kは、カラー20に当接するように、径方向内
側に突出する。両環状突部18j,18kは、図6に示
すように、円筒部18bの内周面とカラー20との間に
空隙部Aを形成する。空隙部Aは、環状突部18iと対
応する円筒部18bの部分が径方向内側へ撓み変形する
ことを許容する。
【0010】上記フローティングゴム18は、ワイパフ
レーム7のY軸方向(フローティングゴム18の軸線方
向)の振動成分を、環状突部18e〜18hの弾性変形
によって減衰する。特に、環状突部18eとワッシャ2
2との接触面積、及び環状突部18gと車体19との接
触面積は小さい。そのため、ワイパフレーム7から環状
突部18f,18hを介してフローティングゴム18に
伝えられた振動は、ワッシャ22や車体19に伝播し難
い。
【0011】ワイパフレーム7のX軸方向(フローティ
ングゴム18の径方向)の振動成分は、環状突部18i
〜18kの弾性変形や空隙部Aによって減衰される。特
に、環状突部18j,18kとカラー20との接触面積
が小さいので、ワイパーフレーム7から環状突部18i
を介してフローティングゴム18に伝えられた振動は、
カラー20に伝播し難い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】近年では、車室内の更
なる静粛性を図ることが要請されている。そのような要
請を満足するためには、フローティングゴム18の防振
性能を一層向上させることが必要である。
【0013】しかしながら、環状突部18e〜18hは
同軸上に配置され且つ同一の径を有する。言い換えれ
ば、環状突部18e〜18hは、フローティングゴム1
8の軸線と平行な直線上に位置し、同一の径方向位置に
おいて、ワッシャ22、ワイパフレーム7又は車体19
に接触する。そのため、ワイパフレーム7のY軸方向の
振動が、環状突部18e〜18hを通じて車体19に伝
播され易い。そのY軸方向の振動は、環状突部18e〜
18hの弾性変形のみによって減衰される。しかし、環
状突部18e〜18hの弾性変形のみによる振動減衰効
果は、ゴム硬度に大きく依存し、更なる静粛性を図るた
めには不十分である。
【0014】図6及び図7のフローティングゴム18の
振動減衰効果について、図8(a)及び図8(b)に従
って説明する。図8(a)及び図8(b)は、ワイパフ
レーム7に振動を発生させた時の、ワイパフレーム7近
傍の車体19への振動伝達率を示すグラフである。図8
(a)はY軸方向の振動伝達率を示し、図8(b)はX
軸方向の振動伝達率を示す。図8(a)に示すように、
特に1[kHz]付近の周波数を有する振動の伝達率が
大きく、改善の余地が未だある。なお、図5に示すモー
タ12の固有振動数は500[Hz]前後であり、1
[kHz]はその固有振動数の高調波成分である。
【0015】一方、図8(b)に示すように、X軸方向
の振動伝達率は比較的小さい。これは、ワイパフレーム
7やカラー20に対する環状突部18i〜18kの接触
面積が小さく、ワイパフレーム7のX軸方向の振動がカ
ラー20に伝播し難いためである。また、突部18i〜
18kの先端が容易に弾性変形するためである。
【0016】しかし、ワイパフレーム7には、ワイパア
ーム5,6の反転時に、大きな慣性力や反力がX軸方向
に作用する。変形し易い環状突部18i〜18kは、そ
れらの慣性力や反力によってX軸方向に大きく変形し、
その結果、ワイパフレーム7上の軸8,9がフロントガ
ラス1に対してずれる。これは、ワイパブレード3,4
の払拭範囲を変化させる。
【0017】フローティングゴム18を硬度の低い(柔
らかい)ゴムで形成すると、振動減衰効果は向上する。
ところが、前述したように、ワイパアーム5,6の反転
時に生じる慣性力や反力によって、フローティングゴム
18がX軸方向(径方向)に一層変形し易くなる。
【0018】その結果、軸8,9の位置ずれに起因する
ワイパブレード3,4の払拭範囲の変化が一層大きくな
り、場合によっては、ワイパブレード3,4がオーバー
ランして車両のピラーに干渉する。
【0019】逆に、フローティングゴム18を硬度の高
い(硬い)ゴムで形成すると、ワイパアーム5,6の反
転時に生じる慣性力や反力によるフローティングゴム1
8の変形は抑制されるが、振動減衰効果は低くなる。
【0020】上記のように、フローティングゴム18の
硬度を単に変更するだけでは、振動減衰効果の向上とフ
ローティングゴム18の変形の抑制という相反する2つ
の目的を両立させることはできない。
【0021】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、第1の目的は、軸線方向の振動の
減衰効果を向上することができるフローティング支持部
材を提供することにある。
【0022】第2の目的は、前記第1の目的に加えて、
軸線方向と直交する方向の振動を吸収しながら、同方向
に作用する力に対して大きく変位しないフローティング
支持部材を提供することにある。
【0023】第3の目的は、軸線方向の振動の減衰効果
を向上することができるフローティング支持部材を備え
た車両用ワイパ装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、第1支持面を有する第1
支持体と、該第1支持面に対向する第2支持面を有する
第2支持体との間に介在され、前記第1及び第2支持体
を連結する連結部材が挿通され、被支持体をフローティ
ング状態に弾性支持するフローティング支持部材におい
て、前記連結部材を挿通するための挿通孔を有し、前記
被支持体に形成された貫通孔に嵌挿する筒部と、前記筒
部から外側に向かって延出形成され、前記第1支持面
と、それに対向する前記被支持体の第1被支持面との間
に挟持された断面略アーチ状の第1支持部と、前記筒部
から外側に向かって延出形成され、前記第2支持面と、
それに対向する前記被支持体の第2被支持面との間に挟
持された断面略アーチ状の第2支持部とを備え、前記筒
部は、前記被支持体の貫通孔の内周面に面接触する当接
部と、前記当接部の軸線方向両側に形成されて該当接部
を前記第1及び第2支持部に連結する薄肉部と、前記筒
部の軸方向両端に形成されて前記第1及び第2支持面に
当接する当接面とを備え、前記薄肉部の外周面の最小半
径は、当接面において最も半径方向外端に位置する部位
の半径よりも小さい
【0025】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のフローティング支持部材において、前記第1及び第2
支持部は環状に形成される。請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載のフローティング支持部材におい
て、前記第1及び第2支持部は、端部及び該端部より径
方向内側に位置する頂部に突部が形成される。
【0026】 請求項4に記載の発明は、請求項1〜3
のいずれか1項に記載のフローティング支持部材におい
て、前記筒部は、前記薄肉部よりも筒部の軸方向端部寄
りに位置すると共に径方向内側に突出して前記連結部材
に当接する突部を備えた。
【0027】 請求項5に記載の発明は、請求項1〜
のいずれか1項に記載のフローティング支持部材におい
て、前記当接部は、前記貫通孔の内周面の軸線方向長さ
と略同一或いはそれよりも大きい幅を有する断面略四角
形状の突部である。
【0028】
【0029】 請求項に記載の発明は、請求項
のいずれか1項に記載のフローティング支持部材におい
て、前記薄肉部の径方向厚さは、前記当接部の径方向厚
さの20%以下である。
【0030】 請求項に記載の発明は、請求項1〜
のいずれか1項に記載のフローティング支持部材を備え
た車両用ワイパ装置である。従って、請求項1に記載の
発明によれば、フローティング支持部材は、筒部及び第
1,第2支持部が備えられる。筒部は、連結部材を挿通
するための挿通孔を有し、被支持体に形成された貫通孔
に嵌挿される。第1支持部は、筒部から外側に向かって
延出形成され、第1支持部の第1支持面と、それに対向
する被支持体の第1被支持面との間に挟持される。第2
支持部は、筒部から外側に向かって延出形成され、第2
支持部の第2支持面と、それに対向する被支持体の第2
被支持面との間に挟持される。このようにすれば、被支
持体の振動時において、略アーチ状の第1,第2支持部
は、その頂部が当接する部材から受ける軸線方向の力を
各支持部の端部方向に分散する。つまり、アーチ効果に
より、軸線方向の振動の減衰効果を大きくすることがで
きる。従って、各支持体への振動の伝播を小さく抑える
ことができる。また、当接面が軸方向の力を受けたと
き、第1及び第2支持部が薄肉部を支点として撓む。そ
の結果、当接面に作用する軸方向の力の一部が、第1及
び第2支持部を薄肉部を支点として撓ませるための力と
して使用される。これは、軸方向の振動成分の減衰効果
を高める。また、第1及び第2支持部を径方向に大きく
しなくとも、それら支持部の径方向長さを極力大きくで
きる。そのため、フローティング支持部材の大型化を防
止しつつ、第1及び第2支持部材のバネ剛性を低くする
ことができる。その結果、軸方向の振動成分に基づく力
が一層効果的に分散され、軸方向の振動成分の減衰効果
がさらに高まる。
【0031】請求項2に記載の発明によれば、第1及び
第2支持部は環状に形成されるので、被支持体から入力
される振動をより多く吸収することができる。請求項3
に記載の発明によれば、第1及び第2支持部は、端部及
び該端部より径方向内側に位置する頂部に突部が形成さ
れる。このようにすれば、突部の弾性変形により振動を
減衰するとともに、突部が接触する第1及び第2支持体
との接触面積が小さくなるので、各支持体に振動が伝播
し難くなる。従って、各支持体への振動の伝播をより小
さく抑えることができる。
【0032】請求項4に記載の発明によれば、筒部は、
被支持体の貫通孔の内周面に面接触する当接部と、当接
部の軸線方向両側に形成された薄肉部と、薄肉部よりも
円筒部の軸方向端部寄りに位置し、径方向内側に突出し
て連結部材に当接する突部とが備えられる。このような
各突部により、当接部及び薄肉部が形成された筒部の内
側面と連結部材との間に空隙部が形成される。従って、
筒部の軸線方向と直交する方向の被支持体の振動を、薄
肉部が撓んで当接部が空隙部の間隔の範囲内で変位(振
動)することにより減衰することができる。又、空隙部
の間隔変位を越えるような力が当接部に作用した場合、
その力により当接部の空隙部の間隔変位から当接部自体
の弾性変形(圧縮変形)となり、しかもその力を当接部
の接触面全体で受け止めるので、該当接部が大きく変位
しない。このように、フローティング支持部材は、その
径方向において、微振動を減衰するのに有利なバネ特性
と、過大な力を受け止めるのに有利なバネ特性とを有す
る。
【0033】請求項5に記載の発明によれば、当接部
は、貫通孔の内周面の軸線方向長さと略同一或いはそれ
よりも大きい幅を有する断面略四角形状に形成された突
部である。従って、該突部に空隙部の間隔を越えるよう
な力が作用した場合、突部はその断面形状から容易に変
形しない。
【0034】
【0035】 請求項に記載の発明によれば、筒部
は、薄肉部と対応する位置において、当接部に対して大
きく括れている。そのため、筒部の軸方向と直交する方
向の振動成分によって、当接部が良好な応答性をもって
動く。その結果、微少な振動成分までもが、効果的に減
衰される。
【0036】 請求項に記載の発明によれば、ワイパ
装置の自身の作動により発生した振動はフローティング
支持部材により、特に軸線方向の振動が大きく減衰され
る。従って、ワイパ装置を支持する各支持体への振動の
伝播を小さく抑えることができる。また、径方向におい
て、微振動を減衰するのに有利なバネ特性と、過大な力
を受け止めるのに有利なバネ特性とを有するフローティ
ング支持部材を使用することにより、径方向における振
動減衰効果を向上させ、なおかつフローティング支持部
材の変形に伴うワイパ装置のオーバーランも防止するこ
とができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図4に従って説明する。尚、フローティ
ングゴムを除いて、ワイパ装置の構成は図5〜図7の従
来技術と同様であるので、図5〜図7と同様の部材につ
いては同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】図1及び図2は、本実施形態のフローティ
ング支持部材、すなわちフローティングゴム30を示
す。このフローティングゴム30は、図6及び図7に示
す従来のフローティングゴム18と同一硬度のゴム材で
形成されている。フローティングゴム30は、その中心
部にカラー20を挿通するための挿通孔30aを有する
円筒部30bと、該円筒部30bの径方向の外周側に環
状に延出形成される2つの鍔部30c,30dとを備え
ている。両鍔部30c,30dは円筒部30bの軸方向
両端付近に設けられる。フローティングゴム30は、ワ
イパフレーム7に形成された貫通孔7aに装着される。
詳しくは、ワイパフレーム7の端部は図示しないが貫通
孔7aに向かって切り欠かれており、貫通孔7aの周面
の一部が開放されている。この開放部分を通じて両鍔部
30c,30d間の円筒部30bが貫通孔7aに嵌め込
まれ、両鍔部30c,30dにてワイパフレーム7が挟
持される。フローティングゴム30は、ボルト21及び
ナット23によって車体19に支持される。
【0039】上側の鍔部30cはワイパフレーム7とワ
ッシャ22との間に配置される。鍔部30cは、断面略
アーチ状をなしている。より詳しくは、鍔部30cは、
円筒部30bに連結された基端部(半径方向内縁部)3
0mから頂部(半径方向中間部)に向かってワッシャ2
2に近づくように傾斜し、頂部から先端部(半径方向外
縁部)に向かってワイパフレーム7に近づくように傾斜
している。鍔部30cの頂部には、フローティングゴム
30の軸線方向一方(ワッシャ22に向かう方向)に突
出し且つワッシャ22の下面22aに当接する断面ほぼ
半円形状の環状突部30eが形成される。この環状突部
30eは、鍔部30cの半径方向中間部に設けられた中
間環状突部である。鍔部30cの先端部には、軸線方向
他方(ワイパフレーム7に向かう方向)に突出し且つワ
イパフレーム7の上面7bに当接する断面ほぼ半円形状
の環状突部30fが形成される。この環状突部30f
は、鍔部30cの半径方向外縁部に設けられた外縁環状
突部である。
【0040】鍔部30cとワイパフレーム7との間に
は、図1に示すように空隙部B1が形成される。中間環
状突部30eの直下に空隙部B1が位置するように、外
縁環状突部30fが中間環状突部30eよりも径方向外
側に設けられる。そのため、中間環状突部30eと対応
する鍔部30cの部分がワイパフレーム7に向かって撓
み変形することが許容される。空隙部B1は、鍔部30
cの撓み部分が逃げるための空間として働く。
【0041】下側の鍔部30dはワイパフレーム7と車
体19との間に配置される。この鍔部30dは上側の鍔
部30cと対称であり、断面略アーチ状をなす。より詳
しくは、鍔部30dは、円筒部30bに連結された基端
部(半径方向内縁部)30nから頂部(半径方向中間
部)に向かって車体19に近づくように傾斜し、頂部か
ら先端部(半径方向外縁部)に向かってワイパフレーム
7に近づくように傾斜している。鍔部30dの頂部に
は、車体19に向かって突出し且つ車体19の上面19
bに当接する断面ほぼ半円形状の環状突部30gが形成
される。この環状突部30gは、鍔部30dの半径方向
中間部に設けられた中間環状突部である。鍔部30dの
先端部には、ワイパフレーム7に向かって突出し且つワ
イパフレーム7の下面7cに当接する断面ほぼ半円形状
の環状突部30hが形成される。この環状突部30h
は、鍔部30dの半径方向外縁部に設けられた外縁環状
突部である。
【0042】鍔部30dとワイパフレーム7との間に
は、図1に示すように空隙部B2が形成される。中間環
状突部30gの直上に空隙部B2が位置するように、外
縁環状突部30hが中間環状突部30gよりも径方向外
側に設けられる。そのため、中間環状突部30gと対応
する鍔部30dの部分がワイパフレーム7に向かって撓
み変形することが許容される。空隙部B2は、鍔部30
dの撓み部分が逃げるための空間として働く。
【0043】前記円筒部30bの軸方向中間部には、径
方向外側に突出し且つワイパフレーム7の貫通孔7aの
内周面に当接する断面略四角形状の環状突部30iが形
成される。この環状突部30iは、貫通孔7aの内周面
の全体と面接触する当接面30jを有する。すなわち、
当接面30jは、フローティングゴム30の軸線と平行
な円筒面である。当接面30jの軸線方向長さは、貫通
孔7aの内周面のそれと略同一である。
【0044】円筒部30bは、環状突部30iの軸線方
向両端と対応する位置において、薄肉部30p,30g
を有する。薄肉部30p,30gはそれぞれ、環状突部
30iを鍔部30c,30dの基端に連結する連結部と
して機能する。円筒部30bの内周面には、径方向内側
に突出し且つ前記カラー20に当接する断面略三角形状
の2つの環状突部30k,30lが形成される。両環状
突部30k,30lは、両鍔部30c,30dの基端と
ほぼ対応する位置に設けられ、前記環状突部30iから
軸線方向に等間隔だけ離間している。各環状突部30
k,30lは、対応する薄肉部30p,30qよりも、
円筒部30bの軸線方向端部寄りに位置している。
【0045】図1に示すように、両環状突部30k,3
0lは、円筒部30bの内周面とカラー20との間に空
隙部Cを形成する。空隙部Cは、環状突部30iと対応
する円筒部30bの部分が径方向内側へ変形するのを許
容するための空間として働く。環状突部30iの内径寸
法r1はカラー20の外径寸法r2より若干大きい。空
隙部Cの径方向の間隔Dは、r1−r2で表される。
【0046】前記円筒部30bは、その軸方向両端に、
ワッシャ22の下面22aに当接する環状の当接面30
1bと、車体19の上面19bに当接する環状の当接面
302bとを有する。円筒部30bの両当接面301
b,302bは、鍔部30c,30dの半径方向内縁部
と対応する位置に設けられた内縁環状突部として機能す
る。図1に示される部位P1は、各薄肉部30p,30
qの外周面のうち、最も径の小さい部位(最小半径部
位)を示す。図1に示される部位P2は、円筒部30b
の各当接面301b,302bのうち、半径方向におい
て最も外端に位置する部位(最外端部位)を示す。本実
施形態では、最小半径部位P1が最外端部位P2よりも
半径方向内側に位置するように、言い換えれば、最小半
径部位P1の径r3が最外端部位P2の径r4よりも小
さくなるように、フローティングゴム30が設計及び形
成される。
【0047】本実施形態ではさらに、最小半径部位P1
は、各当接面301b,302bの半径方向中間部より
も半径方向内側に位置する。薄肉部30p,30gの径
方向厚さ、具体的には、最小半径部位P1と対応する部
分での薄肉部30p,30gの径方向厚さは、環状突部
30iの径方向厚さの20%以下である。
【0048】上記のように構成されたフローティングゴ
ム30の作用について説明する。ワイパフレーム7が振
動したとき、その振動のY軸方向(フローティングゴム
30の軸線方向)の成分の一部は、環状突部30e〜3
0hの弾性変形によって減衰される。又、中間環状突部
30e,30gと対応する鍔部30c,30dの部分
は、空隙部B1,B2の存在によって、ワイパフレーム
7に向かって容易に撓み変形することができる。そのた
め、鍔部30c,30dには、フローティングゴム30
の硬度を低くしなくとも、Y軸方向の振動成分を減衰す
るのに十分な柔軟性が与えられ、その結果、微細な振動
までもが効果的に減衰される。しかも、中間環状突部3
0e,30gは、ワッシャ22又は車体19に対して小
さい面積で接触する。そのため、Y軸方向の振動成分が
ワイパフレーム7から外縁環状突部30f,30hを介
してフローティングゴム30に入力されても、その振動
成分がワッシャ22及び車体19に伝播し難い。
【0049】更に、鍔部30c,30dが断面略アーチ
状をなしている。具体的には、基端部(半径方向内縁
部)30m,30nから頂部(半径方向中間部)までの
鍔部30c,30dの部分は、径方向外側に向かうに従
ってワイパフレーム7から離れるように、フローティン
グゴム30の軸線と直交する面に対して傾斜する。頂部
から先端部(半径方向外縁部)までの鍔部30c,30
dの部分は、径方向外側に向かうに従ってワイパフレー
ム7に近づくように、フローティングゴム30の軸線と
直交する面に対して傾斜する。そのため、ワイパフレー
ム7の振動時に中間環状突部30e,30gがワッシャ
22又は車体19から受けるY軸方向の反力は、鍔部3
0c,30dの基端部に向かう力と鍔部30c,30d
の先端部に向かう力とに分散される。言い換えれば、断
面アーチ状をなす鍔部30,30dは、Y軸方向の振動
成分に基づく力を、異なる方向の複数の力に分散して受
け止める(アーチ効果)。その結果、Y軸方向の振動成
分が一層効果的に減衰される。
【0050】加えて、各薄肉部30p,30qの最小半
径部位P1の径r3は、当接面301b,302bの最
外端部位P2の径r4よりも小さい。そのため、当接面
301b,302bがワッシャ22又は車体19からY
軸方向の振動成分に基づく力を受けたとき、当接面30
1b,302bに対する力の作用点が、薄肉部30p,
30qの最小半径部位P1よりも径方向外側になる。従
って、鍔部30c,30dは、最小半径部位P1を支点
として、ワイパフレーム7に向かって撓む。その結果、
当接面301b,302bに作用するY軸方向の力の一
部が、鍔部30c,30dを最小半径部位P1を支点と
して撓ませるための力として使用される。これは、Y軸
方向の振動成分の減衰効果を高める。特に、本実施形態
では、薄肉部30p,30qの最小半径部位P1が、当
接面301c,301dの半径方向中間部よりも半径方
向内側に位置する。そのため、最小半径部位P1を支点
とした鍔部30c,30dの撓みが一層促進され、振動
減衰効果が向上する。
【0051】薄肉部30p,30qは、上述のように比
較的小さい径r3を有し、その外周面が径方向内側に大
きく引っ込んでいる。そのため、鍔部30c,30dの
外径を大きくしなくとも、鍔部30c,30dの径方向
長さを極力大きくできる。そのため、フローティングゴ
ム30の大型化を防止しつつ、鍔部30c,30dのバ
ネ剛性を低くすることができる。その結果、Y軸方向の
振動成分に基づく力が一層効果的に分散され、Y軸方向
の振動成分の減衰効果がさらに高まる。
【0052】一方、ワイパフレーム7のX軸方向(フロ
ーティングゴム30の径方向)の振動成分は、環状突部
30k,30lの弾性変形と、環状突部30iが径方向
へ動くように薄肉部30p,30qが撓むこととによっ
て減衰される。X軸方向の振動成分によって、環状突部
30iは、空隙部Cの径方向間隔Dの範囲内で径方向へ
微少に動く。この環状突部30iの径方向への微少な動
きによって、環状突部30i自身の径方向への変形を殆
ど伴うことなく、X軸方向の振動成分が効果的に減衰さ
れる。
【0053】薄肉部30p,30qの径方向厚さは、環
状突部30iの径方向厚さの20%以下である。言い換
えれば、円筒部30bは、環状突部30iの軸方向両端
と対応する位置において、環状突部30iに対して大き
く括れている。このような薄肉部30p,30qは、X
軸方向の振動成分に対する環状突部30iの動きの応答
性を良好にする。そのため、X軸方向の微少な振動成分
までもが、効果的に減衰される。
【0054】又、環状突部30k,30lとカラー20
との接触面積が小さいので、X軸方向の振動成分がワイ
パフレーム7から環状突部30iを介してフローティン
グゴム30に入力されても、そのX軸方向の振動成分は
カラー20に伝播し難い。
【0055】図4は、図1のフローティングゴム30及
び図6のフローティングゴム18について、フローティ
ングゴム自体の振動伝達特性を比較して示すグラフであ
る。図4に示すように、図1に示される本実施形態のフ
ローティングゴム30の固有振動数f1は、図6に示さ
れる従来のフローティングゴム18の固有振動数f2よ
りも低い周波数にシフトされている。その結果、本実施
形態のフローティングゴム30は、従来のフローティン
グゴム18よりも、1[kHz]付近の振動を効果的に
減衰できることが、図4のグラフから判る。
【0056】図3(a)及び図3(b)は、本実施形態
のフローティングゴム30の振動減衰効果を示すグラフ
であり、ワイパーフレーム7からワイパフレーム7近傍
の車体19への振動伝達率を示すものである。図3
(a)及び図3(b)の何れのグラフも、図8(a)及
び図8(b)のグラフと同一の試験条件の下で得られた
結果を示す。
【0057】図3(a)と図8(a)との比較から明ら
かなように、本実施形態では、従来技術よりも、Y軸方
向の振動伝達率が振動周波数のほぼ全域に亘って低減さ
れる。特に、1[kHz]付近では、振動伝達率が大幅
に低減される。更に、図3(b)と図8(b)との比較
から明らかなように、X軸方向についても、本実施形態
では従来技術よりも、振動伝達率が振動周波数のほぼ全
域に亘って低減される。
【0058】環状突部30iの当接面30jは円筒面で
あり、その全体がワイパフレーム7の貫通孔7aの内周
面に面接触している。従って、前述のように、X軸方向
の微少な振動成分は、環状突部30i自身の径方向への
変形を殆ど伴うことなく、環状突部30k,30lの弾
性変形と、環状突部30iの径方向への動きとによって
減衰される。
【0059】一方、ワイパアーム5,6の反転時には、
大きな慣性力や反力がワイパフレーム7にX軸方向へ作
用する。これらのX軸方向の力は、カラー20に接触す
る環状突部30k,30lを変形させて、環状突部30
iの内周面をカラー20に当接させる。このとき、環状
突部30iの内周面は、カラー20に対して、軸線方向
に沿った比較的広い範囲で当接する。そのため、環状突
部30iがカラー20に当接した状態では、言い換えれ
ば、環状突部30iが空隙部Cの間隔Dだけ径方向へ変
位した状態では、環状突部30iはX軸方向の力によっ
て容易に変形しない。環状突部30iは、カラー20に
当接した状態でX軸方向の力を更に受けたとき、そのX
軸方向の力を自身の弾性変形(圧縮変形)によって吸収
して、ワイパフレーム7のX軸方向への動きを阻止す
る。そのため、ワイパフレーム7上の軸8,9(図5参
照)がフロントガラス1に対して大きくずれることはな
く、この軸ずれによるワイパブレード3,4の払拭範囲
の変化(例えばワイパブレード3,4のオーバーラン)
が抑制される。
【0060】上記のように、環状突部30iを間隔Dの
範囲内で移動させる程度の径方向力がフローティングゴ
ム30に作用したときと、環状突部30iを間隔Dを越
えて変位させ得る程の径方向力がフローティングゴム3
0に作用したときとでは、フローティングゴム30は、
その径方向(X軸方向)に関して、異なるバネ特性を発
揮する。言い換えれば、フローティングゴム30には、
X軸方向の微少振動を減衰するのに有利なバネ特性と、
X軸方向の過大な力を受け止めるのに有利なバネ特性と
が与えられている。このような非線形バネ特性を有する
フローティングゴム30を使用することにより、振動減
衰効果の向上とフローティングゴム30の変形に伴うワ
イパフレーム7の位置ずれの抑制という相反する2つの
目的を両立させることができる。
【0061】加えて、前述したように、薄肉部30p,
30qの外周面が径方向内側に大きく引っ込んでいるの
で、薄肉部30p,30qの径方向厚さを環状突部30
iの径方向厚さに対して十分に小さくして、微振動に対
する環状突部30iの径方向移動の応答性を高めること
ができる。これは、振動減衰効果の向上とワイパフレー
ム7の位置ずれの抑制とに貢献する。
【0062】本実施の形態によれば、以下の効果を奏す
る。 (1)断面略アーチ状をなす鍔部30c,30dは、ワ
イパフレーム7のY軸方向の振動成分に基づく力を、複
数の異なる方向の力に分散して、外縁環状突部30f,
30hで受け止められる力を小さくする。さらに、Y軸
方向の力の一部は、中間環状突部30e,30gが空隙
部B1,B2に向かって撓み変形することによって吸収
される。その結果、Y軸方向の振動成分の減衰効果を大
きくすることができる。従って、ワイパフレーム7から
車体19及びワッシャ22への振動の伝播を抑えること
ができる。
【0063】(2)鍔部30c,30dを断面略アーチ
状としたので、該鍔部30c,30dとワイパフレーム
7との間に空隙部B1,B2が形成される。この空隙部
B1,B2によって、中間環状突部30e,30gと対
応する鍔部30c,30dの部分がワイパフレーム7に
向かって容易に撓み変形することができる。
【0064】(3)鍔部30c,30dは、その基端部
(半径方向内縁部)30m,30nから頂部に向かうに
従ってワイパフレーム7から離間するように傾斜する。
従って、例えば、基端部と頂部との間の鍔部の部分が軸
線方向と直交する面と平行な場合と比較して、Y軸方向
の振動成分が効率よく分散される。そのため、十分なア
ーチ効果を得ることができる。
【0065】加えて、各薄肉部30p,30qの最小半
径部位P1の径r3が、円筒部30bに設けられた当接
面301b,302bの最外端部位P2の径r4よりも
小さいので、Y軸方向の振動成分の減衰効果が一層高ま
る。
【0066】(4)鍔部30c,30dは環状に形成さ
れているので、ワイパフレーム7から入力される振動を
より多く吸収することができる。しかも、周方向におい
て一様な特性を有するので、装着に際して向きを気にす
る必要がない。
【0067】(5)鍔部30c,30dの突部30e〜
30hは、自身の弾性変形によって振動を効果的に減衰
する。また、突部30e,30gはワッシャ22及び車
体19に対して小さな面積で接触するので、ワッシャ2
2及び車体19に振動が伝播し難くなる。従って、ワイ
パフレーム7からワッシャ22及び車体19への振動の
伝播をより抑えることができる。
【0068】(6)ワイパフレーム7のX軸方向(フロ
ーティングゴム30の径方向)の振動成分を、環状突部
30k,30lの弾性変形と、環状突部30iが径方向
へ動くように薄肉部30p,30qが撓むこととによっ
て、効果的に減衰することができる。
【0069】又、環状突部30k,30lとカラー20
との接触面積が小さいので、環状突部30iを介して入
力された振動がカラー20へ伝播され難い。フローティ
ングゴム30は、X軸方向において非線形バネ特性を有
するので、X軸方向における振動減衰効果を向上させ、
なおかつフローティングゴム30の変形に伴うワイパフ
レーム7の位置ずれも抑制することができる。
【0070】尚、本発明の実施の形態は、以下のように
変更されてもよい。 ○鍔部30c,30dは平面から見て円形状をなしてい
なくともよく、それ以外の形状をなしていても良い。
又、鍔部30c,30dは、その断面形状が略アーチ状
であれば、円周方向に連続した環状部材でなくともよ
い。
【0071】○図1とは逆に、半径方向中間部の突部3
0e,30gがワイパフレーム7に当接し、半径方向外
縁部の突部30f,30hがワッシャ22又は車体19
に当接するように、鍔部30c,30dを形成してもよ
い。
【0072】○ワッシャ22がボルト21に一体形成さ
れてもよい。 ○突部30e〜30hは断面半円形状でなくともよく、
それ以外の形状でもよい。又、突部30e〜30hを省
略してもよい。
【0073】○突部30k,30lは断面三角形状でな
くともよく、それ以外の形状でもよい。又、突部30
k,30lを省略してもよい。 ○突部30iは断面四角形状でなくともよく、それ以外
の形状でもよい。但し、突部30iがワイパフレーム7
の貫通孔7aの内周面全体に面接触することが好まし
い。
【0074】○突部30iの軸方向長さは、貫通孔7a
の軸方向長さよりも大きくても良い。 ○防振部材30として、ゴムに代えて樹脂材料を用いて
もよい。
【0075】○ワイパフレーム7を車体19にボルト2
1以外の連結部材で連結するようにしてもよい。 ○図1のフローティングゴム30は、ワイパ装置2と車
体19との間の振動伝達を抑制するために利用された
が、振動を生じる部材とその振動発生部材に連結される
部材との間に設けられるのであれば、あらゆる装置のた
めの防振部材として利用できる。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項に記載の
発明によれば、軸線方向の振動の減衰効果を向上するこ
とができるフローティング支持部材を提供することがで
きる。また、軸線方向の振動の減衰効果を一層高めるこ
とができる。
【0077】 請求項4,5に記載の発明によれば、軸
線方向と直交する方向の振動を吸収しながら、同方向に
作用する力に対して大きく変位しないフローティング支
持部材を提供することができる。
【0078】 求項に記載の発明によれば、筒部の
軸線と直交する方向の微少な振動までをも、効果的に減
衰することができる。
【0079】 請求項に記載の発明によれば、軸線方
向の振動の減衰効果を向上することができるフローティ
ング支持部材を備えた車両用ワイパ装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のフローティングゴム取付状態を
示す断面図である。
【図2】 フローティングゴムの取付を説明するための
分解図である。
【図3】 フローティングゴムの振動減衰効果を示す説
明図である。
【図4】 フローティングゴム自体の振動伝達特性を示
す説明図である。
【図5】 車両用ワイパ装置の説明図である。
【図6】 従来のフローティングゴム取付状態を示す断
面図である。
【図7】 フローティングゴムの取付を説明するための
分解図である。
【図8】 フローティングゴムの振動減衰効果を示す説
明図である。
【符号の説明】
7…被支持体としてのワイパフレーム、7a…貫通孔、
7b…第2被支持面としての上面、7c…第1被支持面
としての下面、19…第1支持体としての車体、19b
…第1支持面としての上面、20…連結部材を構成する
カラー、21…連結部材を構成するボルト、22…第2
支持体としてのワッシャ、22a…第2支持面としての
下面、30…フローティング支持部材としてのフローテ
ィングゴム、30a…挿通孔、30b…筒部としての円
筒部、30d,30c…第1,第2支持部としての鍔
部、30e〜30h,30k,30l…突部としての環
状突部、30i…当接部としての環状突部、30p,3
0q…薄肉部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−79300(JP,A) 実開 昭61−28914(JP,U) 実開 昭61−6409(JP,U) 実開 平4−26859(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/00 - 15/08 F16F 1/00 - 6/00 B60S 1/00 - 1/68

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1支持面(19b)を有する第1支持
    体(19)と、該第1支持面(19b)に対向する第2
    支持面(22a)を有する第2支持体(22)との間に
    介在され、前記第1及び第2支持体(19,22)を連
    結する連結部材(20,21)が挿通され、被支持体
    (7)をフローティング状態に弾性支持するフローティ
    ング支持部材において、 前記連結部材(20,21)を挿通するための挿通孔
    (30a)を有し、前記被支持体(7)に形成された貫
    通孔(7a)に嵌挿する筒部(30b)と、 前記筒部(30b)から外側に向かって延出形成され、
    前記第1支持面(19b)と、それに対向する前記被支
    持体(7)の第1被支持面(7c)との間に挟持された
    断面略アーチ状の第1支持部(30d)と、 前記筒部(30b)から外側に向かって延出形成され、
    前記第2支持面(22a)と、それに対向する前記被支
    持体(7)の第2被支持面(7b)との間に挟持された
    断面略アーチ状の第2支持部(30c)とを備え 前記筒部(30b)は、前記被支持体(7)の貫通孔
    (7a)の内周面に面接触する当接部(30i)と、前
    記当接部(30i)の軸線方向両側に形成されて該当接
    部(30i)を前記第1及び第2支持部(30d,30
    c)に連結する薄肉部(30p,30q)と、前記筒部
    (30b)の軸方向両端に形成されて前記第1及び第2
    支持面(19b,22a)に当接する当接面(302
    b,301b)とを備え、前記薄肉部(30p,30
    q)の外周面の最小半径(r3)は、当接面(302
    b,301b)において最も半径方向外端に位置する部
    位の半径(r4)よりも小さい ことを特徴とするフロー
    ティング支持部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフローティング支持部
    材において、 前記第1及び第2支持部(30d,30c)は環状に形
    成されることを特徴とするフローティング支持部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のフローティング
    支持部材において、 前記第1及び第2支持部(30
    d,30c)は、端部及び該端部より径方向内側に位置
    する頂部に突部(30e〜30h)が形成されることを
    特徴とするフローティング支持部材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフ
    ローティング支持部材において、 前記筒部(30b)は、前記薄肉部(30p,30q)
    よりも筒部(30b)の軸方向端部寄りに位置すると共
    径方向内側に突出して前記連結部材(20,21)に
    当接する突部(30k,30l)を備えたことを特徴と
    するフローティング支持部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜のいずれか1項に記載のフ
    ローティング支持部材において、 前記当接部(30i)は、前記貫通孔(7a)の内周面
    の軸線方向長さと略同一或いはそれよりも大きい幅を有
    する断面略四角形状の突部(30i)であることを特徴
    とするフローティング支持部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜のいずれか1項に記載のフ
    ローティング支持部材において、前記薄肉部(30p,30q)の径方向厚さは、前記当
    接部(30i)の径方向厚さの20%以下である ことを
    特徴とするフローティング支持部材。
  7. 【請求項7】 請求項〜6のいずれか1項に記載のフ
    ローティング支持部材(30)を備えたことを特徴とす
    車両用ワイパ装置
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