JP3481277B2 - 電気−液圧トランスミッション装置 - Google Patents

電気−液圧トランスミッション装置

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JP3481277B2 JP27645793A JP27645793A JP3481277B2 JP 3481277 B2 JP3481277 B2 JP 3481277B2 JP 27645793 A JP27645793 A JP 27645793A JP 27645793 A JP27645793 A JP 27645793A JP 3481277 B2 JP3481277 B2 JP 3481277B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液圧(油圧等)アク
チュエータと電気的制御によって吐出圧を可変できる可
変容量ポンプとを組み合わせた電気−液圧トランスミッ
ション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気−液圧トランスミッ
ション装置としては、例えば図7に示すようなものがあ
る。これは、液圧アクチュエータ1の一対の作動液供給
・排出ポートPa,Pbを、比例電磁式方向流量制御弁
2とシーケンス弁3を介して可変容量ポンプ4の吐出ポ
ートPoと連通させ、制御装置(サーボアンプ)5と圧
力センサ6,容量センサ7,及びサーボバルブ8によっ
て、可変容量ポンプ4を圧力フィードバック制御及び容
量フィードバック制御するようにしたものである。そし
て、図中に一点鎖線で囲んで示す部分が、電気ダイレク
ト制御ポンプを構成している。
【0003】この電気−液圧トランスミッション装置
は、可変容量ポンプ4の容量を制御することによって液
圧アクチュエータ1への作動液(油)の供給流量を制御
し、比例電磁式方向流量制御弁2によって液圧アクチュ
エータ1の作動方向を制御することができる。これらに
より、液圧アクチュエータ1が負荷Mを駆動する際の動
作速度を制御しようとするものである。
【0004】また、射出成形機の金型開閉に用いられる
場合のように、一般に液圧アクチュエータには慣性負荷
が連結されるため、その制動時には比例電磁式方向流量
制御弁2によってメータアウト制御して制動加速度を得
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電気−液圧トランスミッション装置にあって
は、次のような問題があった。 (1)液圧アクチュエータの速度制御の精度が低い。 (2)制動時にショックが発生する。 (3)液圧アクチュエータが発生する推進力の最低値が
高い。 (4)ダミー負荷としてシーケンス弁が必要になる(な
いと暴走する)。
【0006】そこで、これらの問題について説明する。 (1)の問題は、制御対象が可変容量ポンプの容量であ
るため、液圧アクチュエータの受圧面積差や液圧回路中
のもれ流量等の影響で速度制御の精度が低い。 (2)の問題は、液圧アクチュエータの負荷装置や液圧
回路の容量等の影響によって、可変容量ポンプの容量変
化速度と比例電磁式方向流量制御弁のシフト速度との間
に一義的な関係を与えないとショックが発生する。しか
し、これを調整するのは非常に困難である。
【0007】(3)の問題は、ここに用いる可変容量ポ
ンプは、自己の吐出圧力をその容量可変装置の操作力と
するため、これに必要な圧力より低い圧力で圧力保持す
ることができず、そのため、その圧力を受ける液圧アク
チュエータの推進力も、あまり低くすることができな
い。そのため、しばしば金型接合時の破損等を発生す
る。
【0008】(4)の問題は、(3)と同様な理由によ
り、液圧アクチュエータの負荷が極端に軽いとき、可変
容量装置の操作力が不足して制御不能となるためシーケ
ンス弁を付加しなければならず、動力損失が発生する。
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、
電気−液圧トランスミッション装置におけるこれらの問
題を全て解決できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明による電気−液
圧トランスミッション装置は、上記の目的を達成するた
め、液圧アクチュエータと、該液圧アクチュエータの一
対の作動液供給・排出ポートに各々吐出ポートを連通す
る2台の可変容量ポンプと、各可変容量ポンプの吐出圧
力をそれぞれ電気指令信号に比例させるように制御する
可変容量ポンプの圧力制御装置と、液圧アクチュエータ
の出力軸の変位速度又は変位を測定するセンサと、上記
出力軸への変位速度又は変位指令値と上記センサの出力
とを一致させるように電気信号を出力する液圧アクチュ
エータ制御装置とを備え、その液圧アクチュエータ制御
装置の出力を上記可変容量ポンプの圧力制御装置へ操作
量を示す電気指令信号として入力させるようにしたもの
である。
【0010】 さらに、上記液圧アクチュエータが、前
進時と後退時の受圧面積が異なるものであり、その受圧
面積比の逆数を上記一対の作動液供給・排出ポートの制
御圧力比とする。あるいは、その受圧面積比を上記一対
の作動液供給・排出ポートにそれぞれ連通する2台の可
変容量ポンプの最大吐出量比とする。そして、上記2台
の可変容量ポンプを、それぞれその可変範囲が正方向と
負方向に及び、且つその主軸を共有するポンプにするの
が望ましい。
【0011】また、これらの電気−液圧トランスミッシ
ョン装置において、2台の可変容量ポンプの各吐出ポー
トと液圧アクチュエータの一対の作動液供給・排出ポー
トとの間に、上記2台の可変容量ポンプの吐出流量を合
流する方向制御弁を設けるとよい。
【0012】
【作用】液圧アクチュエータ制御装置に、その変位速度
又は変位指令がステップ的に入力されると、各可変容量
ポンプの圧力制御装置には昇圧/降圧指令が入力され、
(各々、同一の圧力指令に対し制御する圧力と連通する
液圧アクチュエータの受圧面積を乗じた積が等しくなる
ように制御するため)液圧アクチュエータはその圧力指
令に比例した推力を発生し得るので、これが負荷を加速
する。
【0013】そして、上記変位速度又は変位指令に対
し、負荷の運動方程式に従って液圧アクチュエータの変
位速度又は変位の計測値が合う処で整定する。また、従
来の問題点としてあげた(1)(2)の問題点に対し
て、、液圧アクチュエータの供給・排出ポートの各々の
圧力を制御することにより、フェイルセーフ機能,力の
制限,負圧の回避等を行なうことも可能である。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1はこの発明の一実施例である電気−液圧ト
ランスミッション装置の電気・液圧回路の構成図であ
り、図2はその液圧アクチュエータと可変容量ポンプを
断面にして示す要部構成図である。
【0015】図1において、10はシリンダ10aとピ
ストン10bからなる液圧アクチュエータであり、その
シリンダの両端部に形成された一対の作動液供給・排出
ポートA,Bに各々可変容量ポンプ11,12の吐出ポ
ートを連通させている。この可変容量ポンプ11,12
は、電動機(電気モータ)13によって回転される主軸
14を共有し、それぞれその可変範囲が正方向と負方向
に及ぶポンプであるが、その詳細は図2によって後述す
る。
【0016】21,22はサーボアンプによる圧力制御
装置、23,24は圧力センサ、25,26はサーボ弁
であり、圧力制御装置21は、圧力センサ23によって
検出される液圧アクチュエータ10のポートAに通じる
可変容量ポンプ11の吐出ラインL1の圧力検出信号
を、後述する電気指令信号に比例させるように制御信号
を出力してサーボ弁25を制御し、それによって吐出ラ
インL1から可変容量ポンプ11の操作用シリンダ11
1への供給液圧を制御する。
【0017】同様に、圧力制御装置22は、圧力センサ
24によって検出される液圧アクチュエータ10のポー
トBに通じる可変容量ポンプ12の吐出ラインL2の圧
力検出信号を、後述する電気指令信号に比例させるよう
に制御信号を出力してサーボ弁26を制御し、それによ
って吐出ラインL2から可変容量ポンプ12の操作用シ
リンダ121の供給液圧を制御する。27はタンクであ
る。
【0018】液圧アクチュエータ10は、そのピストン
10bに固設した出力軸(ピストンロッド)10cよっ
て負荷装置30を移動させるが、その出力軸10cの変
位を検出するセンサとしてのポテンショメータ31と、
その検出信号Vdと出力軸10cの変位指令値としての
電気信号Vinとを入力して、前者を後者に一致させるよ
うに電気信号Vuを出力する液圧アクチュエータ制御装
置(サーボアンプ)32とを設けている。なお、ポテン
ショメータ31の検出信号Vdを時間で微分すれば変位
速度となり、その場合は電気信号Vinを変位速度指令値
とする。
【0019】 そして、その電気信号Vuを、加算器3
3を介してバイアス圧力発生用の電気信号Vbに加算し
て、可変容量ポンプ11の圧力制御装置21へ操作量を
示す電気指令信号として入力させると共に、減算器34
を介してバイアス圧力発生用の電気信号Vbから減算
し、さらに乗算器35で受圧面積比Kを乗じて、可変容
量ポンプ12の圧力制御装置22へ操作量を示す電気指
令信号として入力させるようにしている。
【0020】 ここで、乗算器35が乗じる受圧面積比
Kは、液圧アクチュエータ10内のピストン10bの両
側の受圧面積比であり、図1において左端面の受圧面積
をA1,右端面の受圧面積をA2とすると、K=A1/
A2である。
【0021】次に、可変容量ポンプ11,12の具体的
な構造例を図2によって説明する。前述のように、この
2台の可変容量ポンプ11,12は、図1に示した電動
機13によって回転される主軸14を共有しており、そ
の主軸14は共通のポンプハウジング15に軸受16,
17を介して回転自在に支持されている。
【0022】ポンプハウジング15には、可変容量ポン
プ11の吐出ポートである高圧ポートH1とタンクポー
トT1、操作用シリンダ111とバイアス用シリンダ1
12、及び可変容量ポンプ12の吐出ポートである高圧
ポートH2とタンクポートT2、操作用シリンダ121
とバイアス用シリンダ122が形成されている。
【0023】また、主軸14には、可変容量ポンプ11
のシリンダブロック113と可変容量ポンプ12のシリ
ンダブロック123が一体に回転するように固着されて
いる。そのシリンダブロック113には、多数のピスト
ン114が主軸14に並行にその中心を円心とする同一
円上に等角度間隔で出没自在に嵌挿されている。同様
に、シリンダブロック123にも、多数のピストン12
4が主軸14に並行にその中心を円心とする同一円上に
等角度間隔で出没自在に嵌挿されている。
【0024】ピストン114,124の先端部はそれぞ
れ球状に形成され、可変容量ポンプ11の各ピストン1
14の先端部は、リング状のシュー115に揺動自在に
嵌合し、主軸14に傾転自在に取り付けられた斜板11
6に押しつけられ、その斜板116はシュー15との当
接面と反対側の面に、操作用シリンダ111とバイアス
用シリンダ112の各ピストン111a,112bの先
端部が、主軸14を挾んで反対側で当接している。
【0025】同様に、可変容量ポンプ12の各ピストン
124の先端部は、リング状のシュー125に揺動自在
に嵌合し、主軸14に傾転自在に取り付けられた斜板1
26に押しつけられ、その斜板126はシュー125と
の当接面と反対側の面に、操作用シリンダ121とバイ
アス用シリンダ122の各ピストン121a,122b
の先端部が、主軸14を挾んで反対側で当接している。
【0026】そして、可変容量ポンプ11のバイアス用
シリンダ112は高圧ポートH1に直接連通している
が、操作用シリンダ111はサーボ弁25を介して高圧
ポートH1に連通している。しかし、操作用シリンダ1
11のピストン111aの受圧面積をバイアス用シリン
ダ112のピストン112aの受圧面積より大きくして
おり、圧力制御装置21によってサーボ弁25を制御す
ることにより、斜板116を主軸14に直交する吐出容
量「0」の状態から図で右旋方向に傾転する正方向と、
左旋方向に傾転する負方向の両方向へ傾転可能である。
【0027】同様に、可変容量ポンプ12のバイアス用
シリンダ122は高圧ポートH2に直接連通している
が、操作用シリンダ121はサーボ弁26を介して高圧
ポートH2に連通している。しかし、操作用シリンダ1
21のピストン121aの受圧面積をバイアス用シリン
ダ122のピストン122aの受圧面積より大きくして
おり、圧力制御装置22によってサーボ弁26を制御す
ることにより、斜板126を主軸14に直交する吐出容
量「0」の状態から図で右旋方向に傾転する正方向と、
左旋方向に傾転する負方向の両方向へ傾転可能である。
【0028】そして、これらの可変容量ポンプ11,1
2は、斜板116,126が正方向に傾転すると、主軸
14の回転によってシリンダブロック113,123が
回転したとき、それぞれ高圧ポートH1,H2から作動
液を吐出し、斜板116,126の傾転角度が大きい程
その吐出量が増加する。
【0029】逆に、斜板116,126が負方向に傾転
すると、主軸14の回転によってシリンダブロック11
3,123が回転したとき、それぞれ高圧ポートH1,
H2から作動液を吸入してタンクポートT1,T2から
吐出し、斜板116,126の傾転角度が大きい程その
吸入量が増加する。
【0030】そして、液圧アクチュエータ10のピスト
ン10bを前進させるときには、図示のように圧力制御
装置21には増圧指令が、圧力制御装置22には減圧指
令が、各々図1に示した液圧アクチュエータ制御装置3
2の出力信号Vuに応じた電気指令信号として入力され
る。
【0031】それによって、圧力制御装置21の出力信
号はサーボ弁25の開度を中立状態より小さくする信号
となり、可変容量ポンプ11の操作用シリンダ111内
の液圧が低下し、斜板116が図2に示すように正方向
に傾転する。一方、圧力制御装置22の出力信号はサー
ボ弁25の開度を中立状態より大きくする信号となり、
可変容量ポンプ12の操作用シリンダ121内の液圧が
上昇し、斜板126が図示すように負方向に傾転する。
【0032】その結果、作動液(油)の流れは図中に矢
印で示すようになり、液圧アクチュエータ10ポートA
に作動液が供給され、ポートBから作動液が排出され
て、ピストン10bは前進する。また、このとき、シリ
ンダブロック113から主軸14に対して回転方向に抗
するトルクが発生し、シリンダブロック123からは回
転を補助するトルクが発生する。すなわち、従来のメー
タアウト制御による背圧力(ポートBの圧力)は、全て
動力の損失になっていたが、この装置ではこの背圧力を
電動機13のトルク補助という形態で回収できるため、
動力損失が著しく軽減される。
【0033】液圧アクチュエータ10のピストン10b
を後退させるときには、これとは逆に、圧力制御装置2
1には減圧指令が、圧力制御装置22には増圧指令が、
各々図1に示した液圧アクチュエータ制御装置32の出
力信号Vuに応じた電気指令信号として入力される。
【0034】それによって、可変容量ポンプ11の操作
用シリンダ111内の液圧が上昇して斜板116が負方
向に傾転し、可変容量ポンプ12の操作用シリンダ12
1内の液圧が低下して、斜板126が正方向に傾転す
る。その結果、作動液の流れは図2中に矢印で示す方向
と反対になり、液圧アクチュエータ10のポートBに作
動液が供給され、ポートAから作動液が流出して、ピス
トン10bは後退する。
【0035】このときも、シリンダブロック123から
主軸14に対して回転方向に抗するトルクが発生する
が、シリンダブロック113からは回転を補助するトル
クが発生し、液圧アクチュエータ10内に発生する背圧
力(ポートAの圧力)を電動機13のトルク補助という
形態で回収できる。
【0036】ここで、図1を参照してこの電気−液圧ト
ランスミッション装置の負荷装置に及ぼす力について説
明する。前述のように液圧アクチュエータ10内のピス
トン10bの図で左端面の受圧面積をA1,右端面の受
圧面積をA2とし、吐出ラインL1の液圧をP1,吐出
ラインL2の液圧をP2とすると、液圧アクチュエータ
10が慣性質量mの負荷装置30に及ぼす力F(ベクト
ル)は、前進方向を正として次式で表わされる。 F=A1・P1−A2・P2
【0037】これが慣性質量mに対する外力であるか
ら、仮にmには粘性が働らかないとすれば、単位質量当
りの力x(ベクトル)は次式により得られる。 x=(A1・P1−A2・P2)/m ここでA1,A2,mは一定である。
【0038】したがって、液圧アクチュエータ10の速
度を制御するときは、この液圧P1,P2に対して一次
積分系の制御をすればよく、また変位を制御するときに
は、二次積分系の制御をすればよいことになる。そこ
で、P1,P2をどのように制御するかについては、下
記のように考えられる。
【0039】A1=KA2 としたとき、バイアス圧P
b,操作量Uに対し、 P1=Pb+U,P2=K(Pb−U) となるように、各ポート圧を制御すると、 F=A1(Pb+U)−(A1/K)・K(Pb−U) =2A1・U となる。
【0040】A1は一定値であるから、Fすなわちx
は、液圧アクチュエータ制御装置(サーボアンプ)32
の出力電気信号Vuによる操作量Uに比例するため、こ
の制御は線形的に行なわれるものとなる。
【0041】次に、一例として液圧アクチュエータ10
の変位速度制御について説明する。図3において、
(a)は液圧アクチュエータ変位速度指令、(b)はそ
れに追従する液圧アクチュエータ速度の波形図であり、
(c)はこのような制御をすることを目的としたときの
液圧アクチュエータ推力の波形、(d)はそれを発生す
るための各作動液供給・排出ポートA,Bの圧力波形を
それぞれ示している。
【0042】まず、一定速度指令時には各ポートA,B
は、それぞれバイアスレベルBL1,BL2に制御され
ており、液圧アクチュエータ10のピストン10bの各
受圧面積に作用して釣り合いが保たれている。
【0043】次に、加速指令が入力されると、一方のポ
ートAには昇圧指令が、他方のポートBには降圧指令が
それぞれ入力され、その結果、液圧アクチュエータ10
の推力は前進方向に発生し、負荷装置30は加速され
る。そして、液圧アクチュエータ10のピストン10b
の速度が指令値に近付いたとき、各ポートA,Bの圧力
指令はバイアスレベルBL1,BL2に戻り、加速度を
発生しなくなり一定速度を維持する(整定する)。
【0044】減速指令が入力されると、加速指令と反対
の推力を発生するように、一方のポートAには降圧指令
が、他方のポートBには昇圧がそれぞれ入力され、その
結果、液圧アクチュエータ10の推力は後退方向に発生
し、負荷装置30は減速される。そして、液圧アクチュ
エータ10のピストン10bの速度が指令値に近付いた
とき、各ポートA,Bの圧力指令はバイアスレベルBL
1,BL2に戻り、減速度を発生しなくなり一定速度を
維持する(整定する)。
【0045】また、以上に説明した通り、バイアスレベ
ルの圧力に拘らず、液圧アクチュエータ10の最小推力
はゼロにすることが可能である。
【0046】 図4は、液圧アクチュエータ10の変位
制御を行なった場合の波形図であり、(a)は液圧アク
チュエータ変位指令、(b)はそれに追従する液圧アク
チュエータ変位、(c)は液圧アクチュエータ推力、
(d)はそれを発生するための各作動液供給・排出ポー
トA,Bの圧力をそれぞれ示している。この場合も、そ
の動作としては前述した速度制御の場合と略同様である
ので、その説明は省略する。
【0047】ここで、液圧アクチュエータ制御装置32
への入力がゼロで、且つ液圧アクチュエータ10に外力
が加えられない状態で、任意の釣合圧力比は液圧アクチ
ュエータ10の各ポート側のピストンの受圧面積比の逆
数に比例する。同様に、加/減速の指令に対する発生推
力の線形性を保つために、この比率を用いて制御するこ
とが望ましい。
【0048】 各ポートA,Bの吸排流量比は、受圧面
積比によって決定されるため、動力損失を軽減する目的
で、この受圧面積比に比例した最大吐出量比を有する可
変容量ポンプを各ポートA,Bに接続するとよい。
【0049】また、図5に示すように、2台の可変容量
ポンプ11,12の各吐出ポートと液圧アクチュエータ
10の一対の作動液供給・排出ポートA,Bとの間に、
2台の可変容量ポンプ11,12の吐出流量を合流(差
動)する方向制御弁40を設けることにより、高精度の
制御を必要としないとき、高速で作動させることが可能
になる。この例では、ソレノイド(SOL)40aがO
FFの図示の状態では液圧アクチュエータ10のピスト
ン前進制御/後退制御ができ、ソレノイド40aをON
にすると、前進高速送りになる。
【0050】すなわち、ソレノイド40aをONにする
と図6に示す油圧回路が形成される。これは、一般に差
動回路と呼ばれる油圧回路であり、液圧アクチュエータ
10におけるピストン10aの前進に必要な流量が、図
示のように可変容量ポンプ11の吐出流量q1と、可変
容量ポンプ12の吐出流量q2と、液圧アクチュエータ
10の前室からの排出流量q3の和(q1+q2+q3)に
よって供給されることになる。
【0051】ここで、差動液供給・排出ポートA,B間
に通路圧損があるため、P2>P1(P1:後室内の液
圧,P2:前室内の液圧)となり、差動液が前室から後
室へ流量q3 で流れ込む。P2>P1であっても、ピス
トン10bの後室側の受圧面積A1が前室側の受圧面積
A2より大きく、P1・A1>P2・A2であればピス
トン10bは前進する。
【0052】そして、その前進時に供給される液量が、
ソレノイド40aがOFFの図5に示した状態の場合は
1のみであるのに対し、前述のようにq1+q2+q3
なるので高速移動する。しかし、その押す力は前室の差
動液をタンクに戻す場合に比べてはるかに弱くなる。し
たがって、与えられたシリンダサイズと対比して極く軽
い負荷を高速移動させる場合にこの方式が用いられる。
【0053】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば以下に列挙する効果が得られる。 (1) 液圧アクチュエータの変位速度又は変位を高精度に
制御できる。 (2) 制動時のショックが少ない。 (3) 液圧アクチュエータの最小推進力をゼロにできる。 (4) 回路効率が格段に向上し、省エネルギ性に優れる。 (5) 作動油の劣化が極めて少なくなる。 (6) 液圧回路の構成は極めて簡素である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施例である電気−液圧ト
ランスミッション装置の電気・液圧回路の構成図であ
る。
【図2】同じくその液圧アクチュエータと可変容量ポン
プを断面にして示す要部構成図である。
【図3】図1及び2に示した実施例による液圧アクチュ
エータ10の変位速度制御の一例を説明するための波形
図である。
【図4】同じく液圧アクチュエータ10の変位制御の一
例を説明するための波形図である。
【図5】この発明の他の実施例の要部のみを示す液圧回
路図である。
【図6】図5の実施例においてソレノイド40aをON
にした時の動作説明図である。
【図7】従来の電気−液圧トランスミッション装置の一
例を示す電気・液圧回路の構成図である。
【符号の説明】
10:液圧アクチュエータ 10a:シリンダ 10b:ピストン 10c:出力軸(ピストンロッド) 11,12:可変容量ポンプ 13:電動機 14:主軸 15:ハウジング 16,17:軸受 21,22:圧力制御装置 23,24:圧力センサ 25,26:サーボ弁 27:タンク 30:負荷装置 31:ポテンショメータ(変位を測定するセンサ) 32:液圧アクチュエータ制御装置 33:加算器 34:減算器 35:乗算器 40:方向制御弁 111,121:操作用シリンダ 111a,121a:操作用ピストン 112,122:バイアス用シリンダ 112a,122a:バイアス用ピストン 113,123:シリンダブロック 114,124:ピストン 115,125:シュー 116,126:斜板 A,B:作動液供給・排出ポート L1,L2:吐出ライン H1,H2:高圧ポート(吐出ポート) T1,T2:タンクポート

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧アクチュエータと、該液圧アクチュ
    エータの一対の作動液供給・排出ポートに各々吐出ポー
    トを連通する2台の可変容量ポンプと、 前記各可変容量ポンプの吐出圧力をそれぞれ電気指令信
    号に比例させるように制御する可変容量ポンプの圧力制
    御装置と、 前記液圧アクチュエータの出力軸の変位速度又は変位を
    測定するセンサと、前記出力軸への変位速度又は変位指
    令値と前記センサの出力とを一致させるように電気信号
    を出力する液圧アクチュエータ制御装置とを備え、 該液圧アクチュエータ制御装置の出力を前記可変容量ポ
    ンプの圧力制御装置へ操作量を示す電気指令信号として
    入力させるようにし、 前記液圧アクチュエータが、前進時と後退時の受圧面積
    が異なるものであり、その受圧面積比の逆数を、前記一
    対の作動液供給・排出ポートの制御圧力比とした ことを
    特徴とする電気−液圧トランスミッション装置。
  2. 【請求項2】 液圧アクチュエータと、該液圧アクチュ
    エータの一対の作動液供給・排出ポートに各々吐出ポー
    トを連通する2台の可変容量ポンプと、 前記各可変容量ポンプの吐出圧力をそれぞれ電気指令信
    号に比例させるように制御する可変容量ポンプの圧力制
    御装置と、 前記液圧アクチュエータの出力軸の変位速度又は変位を
    測定するセンサと、前記出力軸への変位速度又は変位指
    令値と前記センサの出力とを一致させるように電気信号
    を出力する液圧アクチュエータ制御装置とを備え、 該液圧アクチュエータ制御装置の出力を前記可変容量ポ
    ンプの圧力制御装置へ操作量を示す電気指令信号として
    入力させるようにし、 前記液圧アクチュエータが、前進時と後退時の受圧面積
    が異なるものであり、その受圧面積比を、前記一対の作
    動液供給・排出ポートにそれぞれ連通する2台の可変容
    量ポンプの最大吐出量比としたことを特徴とする電気−
    液圧トランスミッション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電気−液圧トラン
    スミッション装置において、前記2台の可変容量ポンプ
    が、それぞれその可変範囲が正方向と負方向に及び、且
    つその主軸を共有するポンプであることを特徴とする電
    気−液圧トランスミッション装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至のいずれか一項に記載の
    電気−液圧トランスミッション装置において、 前記2台の可変容量ポンプの各吐出ポートと前記液圧ア
    クチュエータの一対の作動液供給・排出ポートとの間
    に、前記2台の可変容量ポンプの吐出流量を合流する方
    向制御弁を設けたことを特徴とする電気−液圧トランス
    ミッション装置。
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