JP4127771B2 - 建設機械のエンジン制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等の建設機械のエンジン制御装置に係わり、特にディーゼルエンジンにより油圧ポンプを回転駆動し、その吐出油により油圧アクチュエータを駆動し、必要な作業を行う建設機械のエンジン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベル等の建設機械は一般的に原動機としてディーゼルエンジンを備え、このエンジンにより油圧ポンプを回転駆動し、その吐出油により油圧アクチュエータを駆動し、必要な作業を行う。ディーゼルエンジンは燃料噴射装置により燃料噴射量を制御し、エンジン回転数を制御するものであり、燃料噴射装置にはメカニカルガバナと呼ばれる機械制御方式と電子制御方式とがある。
【0003】
メカニカルガバナはフライホイールとバネのつり合いによって燃料噴射量を調整するものであり、メカニカルガバナを備えたエンジンの出力トルク特性をエンジン回転数−エンジン出力トルク特性図で示した場合、ガバナ領域と呼ばれる燃料噴射量調整領域(レギュレーション領域)の特性は、目標回転数のそれぞれにおいて、フライホイールの慣性の影響で右下がりに傾斜した一定勾配の1本の直線で表されるものとなる。
【0004】
無負荷時、エンジンの回転数は最高回転数Nmaxにあり、負荷トルクが増大するに従ってメカニカルガバナは燃料噴射量を増大させ、エンジン出力トルクを増大させ負荷トルクとバランスさせる。また、このとき、負荷トルクの増大に伴いエンジン回転数はガバナ領域の特性線に沿って低下し、負荷トルクが最大燃料噴射量相当のトルクを越えて増大すると全負荷特性の領域となり、負荷トルクが全負荷特性の最大出力トルクを越えるとエンジンストールとなる。
【0005】
一方、電子制御方式の燃料制御システムはコンピュータにより燃料噴射装置を制御するものであり、この電子制御方式においても、例えば特開平11−101183号公報の図7、図8等に示されるように、メカニカルガバナを備えたエンジンのガバナ領域と同様な出力特性が得られるように燃料噴射量を制御するのが一般的である。つまり、電子制御方式の燃料制御システムを備えたエンジンにおいても、ガバナ領域(レギュレーション領域)の特性は、エンジン回転数−エンジン出力トルク特性図において右下がりに傾斜した一定勾配の1本の直線で表されるものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来のエンジン制御装置における燃料噴射装置においては、機械制御方式、電子制御方式のいずれも、ガバナ領域(レギュレーション領域)の特性はエンジン回転数−エンジン出力トルク特性図において右下がりに傾斜した一定勾配の1本の直線で表されるものとなる。このような燃料噴射装置を用いてエンジン回転数を制御した場合、エンジン回転数はガバナ領域の特性線に沿い負荷トルクに応じて変化するため、ガバナ領域の最大出力トルク付近のエンジン回転数に比べ無負荷時の回転数が増大し、騒音の増大及び燃費の悪化を生じる。また、車体毎に無負荷時のポンプ引きづりトルクの相違による回転数のバラツキが発生する。
【0007】
更に、ガバナ領域の特性線の勾配は一定であるため、負荷トルクの変化に対するエンジン回転数の変化割合も一定となり、無負荷時の回転数増大を抑えるため、ガバナ領域の特性線の勾配が小さくなるよう設定すると、負荷トルクの変化に対するエンジン回転数の変化割合が小さくなるため、負荷トルクの増大に対する燃料噴射制御の応答遅れが顕著となり、制御系が不安定になり易い。
【0008】
本発明の目的は、エンジン負荷トルクの大きさとエンジン回転数領域に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる建設機械のエンジン制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ディーゼルエンジンと、このエンジンにより回転駆動され、複数のアクチュエータを駆動する少なくとも1つの可変容量型の油圧ポンプと、前記エンジンの燃料噴射量を制御する電子燃料噴射装置とを備える建設機械のエンジン制御装置において、前記エンジンの基準目標回転数を指示する入力手段と、前記油圧ポンプの負荷トルクを演算する負荷演算手段と、エンジン回転数とエンジン負荷トルクに応じたレギュレーション特性を予め設定しておき、このレギュレーション特性を用い、前記入力手段で指示した基準目標回転数及び前記負荷演算手段で演算した負荷トルクに基づき燃料噴射指令値を演算し、前記電子燃料噴射装置を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記レギュレーション特性を、エンジン回転数の高速領域、中速領域、アイドル領域のそれぞれの領域に対応する複数の特性として設定し、前記入力手段で指示した基準目標回転数に応じてそれら特性の1つを選択し、この選択した特性と前記負荷演算手段で演算した負荷トルクとに基づき前記燃料噴射指令値を演算する。
【0010】
このように入力手段と負荷演算手段と制御手段を設け、エンジン回転数とエンジン負荷トルクに応じたレギュレーション特性をエンジン回転数の高速領域、中速領域、アイドル領域のそれぞれの領域に対応する複数の特性として予め設定しておき、入力手段で指示した基準目標回転数に応じてそれら特性の1つを選択し、このレギュレーション特性を用い、入力手段で指示した基準目標回転数及び負荷演算手段で演算した負荷トルクに基づき燃料噴射指令値を演算し、電子燃料噴射装置を制御することにより、そのときのエンジン負荷トルクに応じた最適のレギュレーション特性により電子燃料噴射装置を制御することができ、エンジン負荷トルクの大きさとエンジン回転数領域に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、前記選択した特性に前記入力手段で指示した基準目標回転数及び前記負荷演算手段で演算した負荷トルクを参照して前記エンジンの目標回転数を計算する第1手段と、前記目標回転数に基づき目標燃料噴射量を計算し、前記燃料噴射指令値を演算する第2手段とを有する。
【0012】
これにより制御手段は、予め設定したレギュレーション特性を用いて電子燃料噴射装置を制御することができる。
【0013】
(3)また、上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、前記レギュレーション特性を、エンジン負荷トルクの大きさに応じて勾配が異なりかつエンジン負荷トルクが増大するに従って勾配が大きくなる複数の直線の組み合わせにより設定する。
【0014】
これにより高負荷トルク領域のレギュレーション特性は最も大きな勾配を持つので、負荷トルクの増大によるエンジン回転数の減少割合が大きく、操作時に力量感が得られる。
【0015】
中負荷トルク領域のレギュレーション特性もある程度の勾配を持つので、オーバーランを少なくして燃費の良いエンジン制御が可能となるとともに、制御の安定性を確保できる。
【0016】
低負荷トルク或いは無負荷領域のレギュレーション特性は勾配が最も少ないので、油圧ポンプの引きづりトルクに係わらずエンジン回転数の変動を最小にすることができる。
【0019】
)上記()において、好ましくは、前記制御手段は、前記高速領域のレギュレーション特性を、エンジン負荷トルクの大きさに応じて勾配が異なりかつエンジン負荷トルクが増大するに従って勾配が大きくなる複数の直線の組み合わせにより設定する。
【0020】
これにより入力手段で指示した基準目標回転数が高速領域にあるときは、上記(3)で述べたように、高負荷トルク領域ではオーバーランを少なくして燃費の良いエンジン制御が可能となるとともに、制御の安定性を確保でき、中負荷トルク領域では負荷トルクの増大によりエンジン回転数が減少していき、操作時に力量感が得られ、低負荷トルク或いは無負荷領域では油圧ポンプの引きづりトルクに係わらずエンジン回転数の変動を最小にすることができる。
【0021】
)また、上記()において、好ましくは、前記アイドル領域のレギュレーション特性を、エンジン負荷トルクの大きさに係わらずエンジン回転数が一定となるよう勾配のない1本の直線により設定する。
【0022】
これによりアイドル領域では、油圧ポンプの引きづりトルクに係わらずエンジン回転数の変動を最小にすることができる。
【0023】
)また、上記(1)において、好ましくは、外部選択スイッチを更に備え、前記制御手段は、前記レギュレーション特性を、前記外部選択スイッチの選択信号に対応する複数の特性として設定する。
【0024】
これにより外部選択スイッチの操作に応じた最適のレギュレーション特性を設定し、エンジン負荷トルクや外部選択スイッチの操作に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0025】
)また、上記()において、好ましくは、前記外部選択スイッチは、前記建設機械の作業モードを指示する手段である。
【0026】
これにより作業モードが変わっても最適のレギュレーション特性により電子燃料噴射装置を制御することができ、エンジン負荷トルクの大きさと作業モードに係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0027】
)上記()において、好ましくは、前記外部選択スイッチは、前記建設機械の作業部材の種類を指示する手段である。
【0028】
これにより作業部材の種類が変わっても最適のレギュレーション特性により電子燃料噴射装置を制御することができ、エンジン負荷トルク大きさと作業部材の種類に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0029】
)更に、上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、前記レギュレーション特性をエンジン回転数及びエンジン負荷トルクのマトリックスからなる関数により定義する。
【0030】
これによりエンジン回転数とエンジン負荷トルクに応じたレギュレーション特性を設定することができる。
【0031】
10)また、上記(1)において、好ましくは、前記負荷演算手段は、前記油圧ポンプの吐出圧と傾転とに基づき前記油圧ポンプの負荷トルクを演算する。
【0032】
これにより油圧ポンプの負荷トルクを正確に求めることができ、精度の良いエンジン制御が可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0034】
まず、本発明の第1の実施の形態を図1〜図10により説明する。
【0035】
図1において、1及び2は可変容量型の油圧ポンプであり、油圧ポンプ1,2は弁装置3,4を介してアクチュエータ5,6に接続され、油圧ポンプ1,2が吐出した圧油によりアクチュエータ5,6は駆動される。アクチュエータ5,6は例えば油圧ショベルの作業フロントを構成するブーム、アーム等を動かす油圧シリンダであり、このアクチュエータ5,6が駆動されることにより所定の作業が行われる。アクチュエータ5,6の駆動指令は操作レバー装置33,34により与えられ、操作レバー装置33,34を操作することにより弁装置3,4が操作され、アクチュエータ5,6の駆動が制御される。
【0036】
油圧ポンプ1,2は例えば斜板ポンプであり、容量可変機構である斜板1a,1bの傾転をレギュレータ7,8で制御することによりそれぞれのポンプ吐出流量が制御される。
【0037】
9は固定容量型のパイロットポンプであり、油圧信号や制御用の圧油を生成するためのパイロット圧発生源となる。
【0038】
油圧ポンプ1,2及びパイロットポンプ9は原動機10の出力軸11に連結され、原動機10により回転駆動される。原動機10はディーゼルエンジンであり、電子燃料噴射装置12を備えている。また、その目標回転数はアクセル操作入力部35により指令される。
【0039】
油圧ポンプ1,2のレギュレータ7,8は、それぞれ、傾転アクチュエータ20,20と、ポジティブ傾転制御用の第1サーボ弁21,21と、入力トルク制限制御用の第2サーボ弁22,22とを備え、これらのサーボ弁21,22によりパイロットポンプ9から傾転アクチュエータ20に作用する圧油の圧力を制御し、油圧ポンプ1,2の傾転が制御される。
【0040】
油圧ポンプ1,2のレギュレータ7,8を拡大して図2に示す。各傾転アクチュエータ20は、両端に大径の受圧部20aと小径の受圧部20bとを有する作動ピストン20cと、受圧部20a,20bが位置する受圧室20d,20eとを有し、両受圧室20d,20eの圧力が等しいときはその面積差により作動ピストン20cは図示右方向に移動し、これにより斜板1a又は2aの傾転は小さくなりポンプ吐出流量が減少し、大径側の受圧室20dの圧力が低下すると、作動ピストン20cは図示左方向に移動し、これにより斜板1a又は2aの傾転が大きくなりポンプ吐出流量が増大する。また、大径側の受圧室20dは第1及び第2サーボ弁21,22を介してパイロットポンプ9の吐出管路に接続され、小径側の受圧室20eは直接パイロットポンプ9の吐出管路に接続されている。
【0041】
ポジティブ傾転制御用の各第1サーボ弁21は、ソレノイド制御弁30又は31からの制御圧力により作動する弁であり、制御圧力が高いときは弁体21aが図示右方向に移動し、パイロットポンプ9からのパイロット圧を減圧せずに受圧室20dに伝達し、油圧ポンプ1又は2の吐出流量を少なくし、制御圧力が低下するにしたがって弁体21aがバネ21bの力で図示左方向に移動し、パイロットポンプ9からのパイロット圧を減圧して受圧室20dに伝達し、油圧ポンプ1又は2の吐出流量を増大させる。
入力トルク制限制御用の各第2サーボ弁22は、油圧ポンプ1又は2の吐出圧力とソレノイド制御弁32からの制御圧力により作動する弁であり、油圧ポンプ1又は2の吐出圧力とソレノイド制御弁32からの制御圧力が操作駆動部の受圧室22a,22b,22cにそれぞれ導かれ、油圧ポンプ1又は2の吐出圧力がバネ22dの弾性力と受圧室22cに導かれる制御圧力の油圧力との差で決まる設定値より低いときは、弁体22eは図示右方向に移動し、パイロットポンプ9からのパイロット圧を減圧せずに受圧室20dに伝達し、油圧ポンプ1又は2の吐出流量を少なくし、油圧ポンプ1又は2の吐出圧力が同設定値よりも高くなるにしたがって弁体22aが図示左方向に移動し、パイロットポンプ9からのパイロット圧を減圧して受圧室20dに伝達し、油圧ポンプ1又は2の吐出流量を増大させる。また、ソレノイド制御弁32からの制御圧力が低いときは、上記設定値が大きくなり、油圧ポンプ1又は2の吐出圧力が高めの状態から油圧ポンプ1又は2の吐出流量を減少させ、ソレノイド制御弁32からの制御圧力が高くなるにしたがって上記設定値が小さくなり、油圧ポンプ1又は2の吐出圧力が低めの状態から油圧ポンプ1又は2の吐出流量を減少させる。
【0042】
ソレノイド制御弁30,31は、それぞれ、操作レバー装置33,34が中立位置にあるときにはこれらから出力される制御圧力を最高にし、操作レバー装置33,34が操作されると、その操作量が増大するに従って制御圧力が低くなるよう動作する(後述)。また、ソレノイド制御弁32はアクセル操作入力部35からのアクセル信号が示す目標回転数が高くなるに従ってこれから出力される制御圧力が低くなるよう動作する(後述)。
【0043】
以上により、操作レバー装置33,34の操作量が増大するに従って油圧ポンプ1,2の吐出流量が増大し、弁装置3,4の要求流量に応じた吐出流量が得られるよう油圧ポンプ1,2の傾転が制御されると共に、油圧ポンプ1,2の吐出圧力が上昇するに従って、またアクセル制御入力部35から入力される目標回転数が低くなるに従って油圧ポンプ1,2の吐出流量の最大値が小さく制限され、油圧ポンプ1の負荷が原動機10の出力トルクを越えないように油圧ポンプ1,2の傾転が制御される。
【0044】
図1に戻り、40はポンプコントローラであり、50はエンジンコントローラである。
【0045】
ポンプコントローラ40は、圧力センサ41,42,43,44、位置センサ45,46からの検出信号及びアクセル操作入力部35からのアクセル信号を入力し、所定の演算処理を行い、ソレノイド制御弁30,31,32へ制御電流を出力すると共に、エンジンコントローラ50にエンジン負荷トルク信号を出力する。
【0046】
操作レバー装置33,34は操作信号としてパイロット圧を生成し出力する油圧パイロット方式であり、操作レバー装置33,34のパイロット回路にはそのパイロット圧を検出するシャトル弁36,37が設けられ、圧力センサ41,42は、それぞれ、そのシャトル弁36,37により検出されたパイロット圧を検出する。また、圧力センサ43,44はそれぞれ油圧ポンプ1,2の吐出圧力を検出し、位置センサ45,46はそれぞれ油圧ポンプ1,2の斜板1a,2aの傾転を検出する。
【0047】
エンジンコントローラ50は前記アクセル操作入力部35からのアクセル信号及びポンプコントローラ40からのエンジン負荷トルク信号を入力するとともに、エンジン10の回転数を検出する回転数センサ51の検出信号を入力し、所定の演算処理を行い、燃料噴射装置12に制御電流を出力する。
【0048】
ポンプコントローラ40の処理内容を図3に機能ブロック図で示す。図3において、ポンプコントローラ40は、目標傾転演算部40a,40b、電流値演算部40c,40d、最大トルク演算部40e、電流値演算部40f、トルク演算部40g,40h、加算部40iの各機能を有している。
【0049】
目標傾転演算部40a,40bは、圧力センサ41,42からの検出信号(パイロットレバーセンサ信号P1及びP2)を入力してそれを油圧ポンプ1,2の目標傾転θ01,θ02に変換し、電流値演算部40c,40dはその目標傾転θ01,θ02を更に電流値I,Iに変換し、対応する制御電流をソレノイド制御弁30,31に出力する。
【0050】
ここで、目標傾転演算部40a,40bにおけるセンサ信号P1,P2のパイロット圧と目標傾転θ01,θ02との関係は、それぞれ、パイロット圧が高くなるに従って目標傾転θ01,θ02が増大するように設定され、電流値演算部40c,40dにおける目標傾転θ01,θ02と電流値I,Iとの関係は、それぞれ、目標傾転θ01,θ02が増大するに従って電流値I,Iが増加するように設定されており、これにより前述したように、ソレノイド制御弁30,31は、それぞれ、操作レバー装置33,34が中立位置にあるときにはこれから出力される制御圧力を最高にし、操作レバー装置33,34が操作されると、その操作量が増大するに従って制御圧力が低くなるよう動作する。
【0051】
最大トルク演算部40eは、アクセル操作入力部35からのアクセル信号SWを入力してそれを最大許容トルクTに変換し、電流値演算部40fはその最大許容トルクTを電流値Iに変換し、対応する制御電流をソレノイド制御弁32に出力する。アクセル操作入力部35はオペレータにより操作されるものであり、オペレータの使用条件に応じてアクセル信号SWが選択され、目標回転数が指令される。
【0052】
ここで、最大トルク演算部40eにおけるアクセル信号SWと最大許容トルクTとの関係は、アクセル信号が示す目標回転数が高くなるに従って最大許容トルクTが増大するように設定され、電流値演算部40fにおける最大許容トルクTと電流値Iとの関係は、最大許容トルクTが増大するに従って電流値Iが増加するように設定されており、これにより前述したように、ソレノイド制御弁32はアクセル操作入力部35からのアクセル信号が示す目標回転数が高くなるに従ってこれから出力される制御圧力が低くなるよう動作する。
【0053】
トルク演算部40gは、位置センサ45からの検出信号(油圧ポンプ1の傾転信号θ)及び圧力センサ43からの検出信号(油圧ポンプ1の吐出圧力信号PD)を入力し、トルク演算部40hは、位置センサ46からの検出信号(油圧ポンプ2の傾転信号θ)及び圧力センサ44からの検出信号(油圧ポンプ2の吐出圧力信号PD)を入力し、それぞれ以下の式により油圧ポンプ1,2の負荷トルクTr1,Tr2を計算する。
【0054】
r1=K・θ・PD
r2=K・θ・PD
(Kは定数)
加算部40iはこれらの負荷トルクTr1,Tr2を加算し、油圧ポンプ1,2の負荷トルクの合計を求める。これらの負荷トルクの合計はエンジン負荷トルクTの信号としてエンジンコントローラ50に出力される。
【0055】
エンジンコントローラ50の処理内容を図4に機能ブロック図で示す。図4において、エンジンコントローラ50は、基準目標回転数演算部50a、レギュレーション特性設定部50b、目標回転数演算部50c、目標燃料噴射量演算部50d、ガバナ指令値演算部50eの各機能を有している。
【0056】
基準目標回転数演算部50aは、アクセル操作入力部35からのアクセル信号SWを入力し、これに基づいてエンジン10の基準目標回転数Nを算出する。ここで、基準目標回転数演算部50aにおけるアクセル信号Swと基準目標回転数Nとの関係は、アクセル信号SWが増大するに従って基準目標回転数Nが増大するように設定されている。
【0057】
レギュレーション特性設定部50bは、基準目標回転数演算部50aで演算したエンジン10の基準目標回転数Nを入力し、その基準目標回転数Nに応じたレギュレーション特性を選択する。レギュレーション特性には、エンジン回転数の高速領域用、中速領域用、アイドル領域用の3種類があり、それぞれエンジン回転数とエンジン出力トルクの関数f(A1),f(A2),f(A3)としてエンジンコントローラ50の記憶部に記憶してあり、レギュレーション特性設定部50bは、入力した基準目標回転数Nが高速領域、中速領域、アイドル領域の何れにあるかを判断し、高速領域にあれば関数f(A1)を選択し、中速領域にあれば関数f(A2)を選択し、アイドル領域にあれば関数f(A3)を選択する。
【0058】
図5に本発明のレギュレーション特性の設定方法を示す。
【0059】
図5において、60はエンジン回転数−エンジン出力トルク特性のレギュレーション領域(燃料噴射量調整領域)であり、61は全負荷領域である。従来のレギュレーション領域60の特性は右下がりに傾斜した1本の直線となるよう設定されている。全負荷領域はレギュレーション領域の特性に連続するなだらかな凸状の曲線で表される。本発明においては、少なくともエンジン回転数の高速領域でのレギュレーション領域60の特性は、図示の如く、エンジン出力トルク範囲に応じて勾配の異なる複数(3本)の直線の組み合わせからなるものとして設定する。また、そのレギュレーション特性は、図示の如く、各直線の折れ曲げ点の座標値を基準点Rからの値(a,x)、(b,y)、(c,z)で表した場合、その座標値のパラメータa,b,c,x,y,zのマトリックスからなる関数f(A)により定義する。
【0060】
【数1】
Figure 0004127771
【0061】
本実施の形態では、基準点Rはレギュレーション特性線の立ち上がり点であり、この基準点Rはアクセル操作入力部35のアクセル信号(N)により与えられる(後述)。
【0062】
図6にレギュレーション特性の具体例を示す。
【0063】
図6ににおいて、本発明では、上述したようにレギュレーション特性としてエンジン回転数の高速領域用、中速領域用、アイドル領域用の3種類を設定する。これら3種類のレギュレーション特性は、それぞれ、上記の如くそれら特性を表す直線の折れ曲げ点の座標値のパラメータa,b,c,x,y,zのマトリックスからなる関数f(A1),f(A2),f(A3)により定義する。
【0064】
【数2】
Figure 0004127771
【0065】
ここで、高速領域のレギュレーション特性(関数f(A1))は、負荷トルクが増大するに従って直線の勾配が大きくなるよう設定する。つまり、低出力トルク範囲Aの直線の勾配はほぼゼロとし、直線をほぼ垂直に立て、中出力トルク範囲Bの直線の勾配はそれよりも大きくし、高出力トルク範囲Cの直線の勾配は最も大きくなるよう設定する。これにより下記の効果が得られる。
【0066】
範囲A:勾配をゼロにして垂直に立てることにより無負荷時の油圧ポンプ1,2の引きづりトルクに係わらず一定の回転を得ることができる。
【0067】
範囲B:ある程度勾配を持たせることによりオーバーランを少なくして効率(燃費)を良くすると共に、制御の安定性を確保できる。
【0068】
範囲C:勾配を最も大きくすることにより負荷トルクの増大による回転数の減少割合が増し、操作時に力量感がでる。
【0069】
中速領域のレギュレーション特性(関数f(A2))も、負荷トルクが増大するに従って直線の勾配が大きくなるよう設定する。ただし、特性は2つの直線の組み合わせとする(c=0,z=0)。つまり、低、中出力トルク範囲Dの直線の勾配はほぼゼロとし、直線をほぼ垂直に立て、高出力トルク範囲Eの直線の勾配はそれよりも大きくなるよう設定する。これにより下記の効果が得られる。
【0070】
範囲D:範囲Aと同様、無負荷時の油圧ポンプ1,2の引きづりトルクに係わらず一定の回転を得ることができる。また、ある程度の負荷トルクまではエンジン回転がダウンせず、軽快感を得ることができる。
【0071】
範囲E:範囲Cと同様、負荷トルクの増大により回転が減少していき操作時に力量感がでる。
【0072】
アイドル領域のレギュレーション特性(関数f(A3))は、図示する如く、勾配をほぼゼロにして垂直に立てた1本の直線により設定する(b=c=0,y=z=0)。これにより範囲Aと同様に、油圧ポンプ1,2の引きづりトルクによらず一定の回転を得ることができる。
【0073】
図4に戻り、目標回転数演算部50cは、基準目標回転数演算部50aで演算したエンジン10の基準目標回転数Nとレギュレーション特性設定部50bで設定したレギュレーション特性とポンプコントローラ40の加算部40iで得たエンジン負荷トルクTを入力し、エンジン10の目標回転数Nを算出する。
【0074】
目標回転数Nの算出方法の一例として、予め設定した全負荷領域61(図5参照)の特性に基準目標回転数Nを基準点Rとしてレギュレーション特性設定部50bで得たレギュレーション特性を合成し、図4の目標回転数演算部50cに示すようなエンジン回転数−エンジン出力トルク特性を設定し、次いで、この特性にエンジン負荷トルクTを参照させ、レギュレーション特性線とエンジン負荷トルクTとの交点におけるエンジン回転数を目標回転数Nとする。
【0075】
図7に目標回転数Nの算出方法の他の例を示す。目標回転数演算部50cはエンジン回転数補正値演算部50gと加算部50hを有している。エンジン回転数補正値演算部50gではレギュレーション特性設定部50bで得たレギュレーション特性にエンジン負荷トルクTを参照させ、レギュレーション特性線とエンジン負荷トルクTとの交点におけるエンジン回転数をエンジン回転数補正値Nとして求める。加算部50hでは、エンジン10の基準目標回転数Nにエンジン回転数補正値Nを加算し、その値を目標回転数Nとする。
【0076】
目標燃料噴射量演算部50dは、目標回転数Nと回転数センサ51により検出したエンジン10の実回転数Ndを入力し、目標燃料噴射量Mを演算する。目標燃料噴射量Mの算出方法の一例として、目標回転数Nから実回転数Ndを減算した回転数偏差ΔNを求め、回転数偏差ΔNに係数Kをかけて目標燃料噴射量の増分ΔMを求め、この増分ΔMを前回計算した目標燃料噴射量Mに加算し、新しい目標燃料噴射量Mを求める。これにより回転数偏差ΔNが正の値であれば目標燃料噴射量Mを増大させ、ΔNが負の値であれば目標燃料噴射量Mを減少させると共に、ΔNの絶対値が増大するに従って目標燃料噴射量Mの変化量を増大させる。
【0077】
ガバナ指令値演算部50eは、目標燃料噴射量Mに応じたガバナ指令値を演算し、電子燃料噴射装置12に対応する制御電流を出力する。
【0078】
以上のように構成した本実施の形態によれば、次のような効果が得られる。
【0079】
1.エンジン負荷トルクの大きさに係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。つまり、例えば、基準目標回転数を高速領域に設定したとき、高負荷トルク領域では負荷トルクの増大によるエンジン回転数の減少割合が大きく、操作時に力量感が得られる。中負荷トルク領域ではオーバーランを少なくして燃費の良いエンジン制御が可能となるとともに、制御の安定性を確保できる。低負荷トルク或いは無負荷領域では油圧ポンプ1,2の引きづりトルクに係わらずエンジン回転数の変動を最小にすることができる。
【0080】
2.エンジン負荷トルクの大きさとエンジン回転数領域に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。つまり、上記のように基準目標回転数を高速領域に設定したときは、高速領域に適したエンジン回転制御が行える。基準目標回転数を中速領域に設定したときは、低負荷トルク或いは無負荷時には油圧ポンプ1,2の引きづりトルクに係わらず一定の回転を得ることができる。また、ある程度の負荷トルクまではエンジン回転がダウンせず、軽快感を得ることができる。それよりも負荷トルクが増大すると、負荷トルクの増大により回転が減少していき操作時に力量感がでる。基準目標回転数をアイドル領域に設定したときは、油圧ポンプ1,2の引きづりトルクによらず一定の回転を得ることができる。
【0081】
本発明の第2の実施の形態を図8〜図10により説明する。図8中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0082】
図8において、ポンプコントローラ40Aは、圧力センサ41,42,43,44、位置センサ45,46からの検出信号及びアクセル操作入力部35からのアクセル信号に加え、外部選択スイッチ70の選択信号を入力し、所定の演算処理を行い、ソレノイド制御弁30,31,32へ制御電流を出力すると共に、エンジンコントローラ50にエンジン負荷トルク信号を出力する。
【0083】
エンジンコントローラ50Aは、アクセル操作入力部35からのアクセル信号、ポンプコントローラ40Aからのエンジン負荷トルク信号、回転数センサ51の検出信号に加え、外部選択スイッチ70の選択信号を入力し、所定の演算処理を行い、燃料噴射装置12に制御電流を出力する。
【0084】
外部選択スイッチ70は、例えば油圧ショベルの作業モードを指示する手段であり、この場合、油圧ショベルの作業モードとしては、例えば普通モード、微操作モード、重掘削モードがある。また、外部選択スイッチ70は油圧ショベルの作業フロントの作業部材であるフロントアタッチメントの種類を指示する手段であってもよく、この場合、フロントアタッチメントの種類としては、バックホーとして使用するバケット、破砕機、その他がある。
【0085】
図9にエンジンコントローラ50Aの処理内容を機能ブロック図で示す。図4に示すエンジンコントローラ50の処理内容との相違点は、レギュレーション特性設定部50bがレギュレーション特性設定部50Abに置き換わっている点である。
【0086】
レギュレーション特性設定部50Abは、基準目標回転数演算部50aで演算したエンジン10の基準目標回転数Nと外部選択スイッチ70の選択信号を入力し、その選択信号或いは選択信号と基準目標回転数Nに応じたレギュレーション特性を選択するとともに、選択信号に応じた基準目標回転数を選択する。
【0087】
外部選択スイッチ70が油圧ショベルの作業モードを指示する手段である場合、レギュレーション特性には、エンジン回転数の高速領域用、中速領域用、アイドル領域用の特性に加え、微操作モード用、重掘削モード用の特性があり、高速領域用、中速領域用、アイドル領域用の特性は関数f(A1),f(A2),f(A3)として、また微操作モード用、重掘削モード用の特性は関数f(A4),f(A5)としてエンジンコントローラ50Aの記憶部に記憶されている。
【0088】
微操作モード用のレギュレーション特性の関数f(A4)及び重掘削モード用のレギュレーション特性の関数f(A5)は、関数f(A1),f(A2),f(A3)と同様、それら特性を表す直線の折れ曲げ点の座標値のパラメータa,b,c,x,y,zのマトリックスにより表現する。
【0089】
微操作モード用の特性(関数f(A4))は例えばアイドル領域用の特性(関数f(A3))と同様に設定することができ、重掘削モード用の特性(関数f(A5))は例えば高速領域用の特性(関数f(A1))と同様に設定することができる。
【0090】
レギュレーション特性設定部50Abは、入力した外部選択スイッチ70の選択信号が普通モードを指示しているかどうかを判断し、普通モードを指示している場合、さらに入力した基準目標回転数Nが高速領域、中速領域、アイドル領域の何れにあるかを判断し、高速領域にあれば関数f(A1)を選択し、中速領域にあれば関数f(A2)を選択し、アイドル領域にあれば関数f(A3)を選択する。また、入力した外部選択スイッチ70の選択信号が微操作モードを指示している場合、微操作削モード用の関数f(A4)を選択し、重掘削モードを指示している場合は、重掘削モード用の関数f(A5)を選択する。
【0091】
また、レギュレーション特性設定部50Abは、入力した外部選択スイッチ70の選択信号が普通モードを指示している場合は、基準目標回転数演算部50aで演算した基準目標回転数Nをそのまま選択し、微操作モードを指示している場合は、微操作モード用の基準目標回転数NRaと基準目標回転数演算部50aで演算した基準目標回転数Nの小さな方を選択し、重掘削モードを指示している場合は、重掘削モード用の基準目標回転数NRbを選択する。
【0092】
これにより外部選択スイッチ70の選択信号が普通モードを指示している場合は、第1の実施の形態と同様にエンジン回転を制御することができる。
【0093】
外部選択スイッチ70の選択信号が微操作モードを指示している場合は、微操作モードに適したレギュレーション特性が設定され、エンジン回転数NRa或いはそれ以下の回転数領域で微操作モードに適したエンジン回転制御が行える。
【0094】
外部選択スイッチ70の選択信号が重掘削モードを指示している場合は、重掘削モードに適したレギュレーション特性が設定され、エンジン回転数NRbにおいて重掘削モードに適したエンジン回転制御が行える。
【0095】
本実施の形態によれば、作業モードが変わっても最適のレギュレーション特性により電子燃料噴射装置12を制御することができ、エンジン負荷トルクの大きさとエンジン回転数領域、更には作業モードに係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0096】
外部選択スイッチ70が油圧ショベルのフロントアタッチメントの種類を指示する手段である場合、レギュレーション特性には、エンジン回転数の高速領域用、中速領域用、アイドル領域用の特性に加え、破砕機用、その他用の特性があり、高速領域用、中速領域用、アイドル領域用の特性は関数f(A1),f(A2),f(A3)として、また破砕機用、その他用の特性は関数f(A4),f(A5)としてエンジンコントローラ50Aの記憶部に記憶されている。
【0097】
図10に破砕機用のレギュレーション特性の一例を示す。破砕機用のレギュレーション特性(関数f(A4))は、図示する如く、勾配をほぼゼロにした垂直に立てた1本の直線により設定する(b=c=0,y=z=0)。これにより負荷によらずエンジン回転数が一定(ポンプ流量が一定)となるため、一定の時間間隔で安定した破砕処理が行える。
【0098】
レギュレーション特性設定部50Abは、入力した外部選択スイッチ70の選択信号がバックホーとしての使用を指示しているかどうかを判断し、バックホーとしての使用を指示している場合、さらに入力した基準目標回転数Nが高速領域、中速領域、アイドル領域の何れにあるかを判断し、高速領域にあれば関数f(A1)を選択し、中速領域にあれば関数f(A2)を選択し、アイドル領域にあれば関数f(A3)を選択し、それぞれ選択した関数によりレギュレーション特性を設定する。また、入力した外部選択スイッチ70の選択信号が破砕機の使用を指示している場合、破砕機用の関数f(A4)を選択し、その他のフロントアタッチメントの使用を指示している場合は、その他用の関数f(A5)を選択する。
【0099】
また、レギュレーション特性設定部50Abは、入力した外部選択スイッチ70の選択信号がバックホーの使用を指示している場合は、基準目標回転数演算部50aで演算した基準目標回転数Nをそのまま選択し、破砕機の使用を指示している場合は、破砕機用の目標回転数NRaと基準目標回転数演算部50aで演算した基準目標回転数Nの小さな方を選択し、その他のフロントアタッチメントの使用を指示している場合は、その他用の目標回転数NRbを選択する。
【0100】
これにより外部選択スイッチ70の選択信号がバックホーとしての使用を指示している場合は、第1の実施の形態と同様にエンジン回転を制御することができる。
【0101】
外部選択スイッチ70の選択信号が破砕機の使用を指示している場合は、図10に示した破砕機に適したレギュレーション特性が設定され、エンジン回転数NRa或いはそれ以下の回転数領域で破砕機に適したエンジン回転制御が行える。
【0102】
外部選択スイッチ70の選択信号がその他のフロントアタッチメントの使用を指示している場合は、その他のフロントアタッチメントに適したレギュレーション特性が設定され、エンジン回転数NRbにおいてその他のフロントアタッチメントに適したエンジン回転制御が行える。
【0103】
本実施の形態によれば、使用するフロントアタッチメントの種類が変わっても最適のレギュレーション特性により電子燃料噴射装置12を制御することができ、エンジン負荷トルクの大きさとエンジン回転数領域、更にはフロントアタッチメントに種類に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジン負荷トルクの大きさとエンジン回転数領域に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0106】
更に、本発明によれば、エンジン負荷トルクの大きさと作業モードに係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【0107】
また、本発明によれば、エンジン負荷トルクの大きさと作業部材の種類に係わらずエンジン回転を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるエンジン制御装置の全体構成をポンプ制御装置と共に示す図である。
【図2】ポンプ制御装置のレギュレータ部分の拡大図である。
【図3】ポンプコントローラの処理内容を示す機能ブロック図である。
【図4】エンジンコントローラの処理内容を示す機能ブロック図である。
【図5】本発明のレギュレーション特性の設定方法を示す図である。
【図6】レギュレーション特性の具体例を示す図である。
【図7】基準目標回転数とレギュレーション特性とエンジン出力トルクとから目標回転数NOを算出する他の例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるエンジン制御装置の全体構成をポンプ制御装置と共に示す図である。
【図9】第2の実施の形態におけるエンジンコントローラの処理内容を示す機能ブロック図である。
【図10】第2の実施の形態における破砕機用のレギュレーション特性の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ
3,4 弁装置
4,5 油圧アクチュエータ
7,8 レギュレータ
9 パイロットポンプ
10 ディーゼルエンジン
11 出力軸
12 電子燃料噴射装置
30〜32 ソレノイド制御弁
33,34 操作レバー装置
35 アクセル操作入力部
36,37 シャトル弁
40 ポンプコントローラ
40a,40b 目標傾転演算ブロック
40c,40d 電流値演算ブロック
40e 最大トルク演算ブロック
40f 電流値変換部
40g,40H トルク演算ブロック
40i 加算部
50 エンジンコントローラ
50a 基準目標回転数演算部
50b レギュレーション特性設定部
50c 目標回転数演算部
50d 目標燃料噴射量演算部
50e ガバナ指令値演算部

Claims (10)

  1. ディーゼルエンジンと、このエンジンにより回転駆動され、複数のアクチュエータを駆動する少なくとも1つの可変容量型の油圧ポンプと、前記エンジンの燃料噴射量を制御する電子燃料噴射装置とを備える建設機械のエンジン制御装置において、
    前記エンジンの基準目標回転数を指示する入力手段と、
    前記油圧ポンプの負荷トルクを演算する負荷演算手段と、
    エンジン回転数とエンジン負荷トルクに応じたレギュレーション特性を予め設定しておき、このレギュレーション特性を用い、前記入力手段で指示した基準目標回転数及び前記負荷演算手段で演算した負荷トルクに基づき燃料噴射指令値を演算し、前記電子燃料噴射装置を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記レギュレーション特性を、エンジン回転数の高速領域、中速領域、アイドル領域のそれぞれの領域に対応する複数の特性として設定し、前記入力手段で指示した基準目標回転数に応じてそれら特性の1つを選択し、この選択した特性と前記負荷演算手段で演算した負荷トルクとに基づき前記燃料噴射指令値を演算することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  2. 請求項1記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記制御手段は、前記選択した特性に前記入力手段で指示した基準目標回転数及び前記負荷演算手段で演算した負荷トルクを参照して前記エンジンの目標回転数を計算する第1手段と、前記目標回転数に基づき目標燃料噴射量を計算し、前記燃料噴射指令値を演算する第2手段とを有することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  3. 請求項1記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記制御手段は、前記レギュレーション特性を、エンジン負荷トルクの大きさに応じて勾配が異なりかつエンジン負荷トルクが増大するに従って勾配が大きくなる複数の直線の組み合わせにより設定することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  4. 請求項記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記制御手段は、前記高速領域のレギュレーション特性を、エンジン負荷トルクの大きさに応じて勾配が異なりかつエンジン負荷トルクが増大するに従って勾配が大きくなる複数の直線の組み合わせにより設定することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  5. 請求項1記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記制御手段は、前記アイドル領域のレギュレーション特性を、エンジン負荷トルクの大きさに係わらずエンジン回転数が一定となるよう勾配のない1本の直線により設定することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  6. 請求項1記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    外部選択スイッチを更に備え、
    前記制御手段は、前記レギュレーション特性を、前記外部選択スイッチの選択信号に対応する複数の特性として設定することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  7. 請求項6記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記外部選択スイッチは、前記建設機械の作業モードを指示する手段であることを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  8. 請求項6記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記外部選択スイッチは、前記建設機械の作業部材の種類を指示する手段であることを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  9. 請求項1記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記制御手段は、前記レギュレーション特性をエンジン回転数及びエンジン負荷トルクのマトリックスからなる関数により定義することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
  10. 請求項1記載の建設機械のエンジン制御装置において、
    前記負荷演算手段は、前記油圧ポンプの吐出圧と傾転とに基づき前記油圧ポンプの負荷トルクを演算することを特徴とする建設機械のエンジン制御装置。
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