JP3480455B2 - 巻真の製造方法及び時計 - Google Patents
巻真の製造方法及び時計Info
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Description
法に係り、特に、巻真における断面角形状の角状部を成
形するための加工技術に関する。
が取り付けられ、この竜頭を引き出すことによって時刻
合わせを行ったり、カレンダー調整を行ったりすること
ができるように構成されている。竜頭は図4に示す時計
用巻真10の外端(図示せず)に取り付けられ、この時
計用巻真10は時計の時計本体内に挿入される。
成された案内穴1aに挿入される断面円形状の先端軸部
11と、つづみ車2の角孔2aに係合する断面正方形状
の角状部12とが設けられている。
計用巻真10が図示の状態から外側(図示右側)へ引き
出されると、おしどり(図示せず)及びかんぬき(図示
せず)が連動し、つづみ車2が時計本体の内側(図示左
側)に向けて移動し、歯車5に係合するように構成され
ている。ここで、竜頭を回転させると時計用巻真10も
回転し、この回転は角状部12に係合しているつづみ車
2を回転駆動するので、歯車5を回転させることがで
き、歯車5が図示しない筒車やカレンダー車を回転駆動
することにより、時刻合わせやカレンダー調整を行うこ
とができるようになっている。
は、従来、軸材に旋盤等により切削加工を施し、断面円
形状で軸線方向に外径が変動した形状とし、その後、軸
線方向の一部の外面をメタルソーなどによって四方から
切削加工することによって断面正方形状の上記角状部1
2を成形していた。
てその全長さに亘って係合可能に構成されている。巻真
10が押し込まれた状態では、つづみ車2が歯車5に係
合しておらず、つづみ車2が無負荷の状態で角状部12
の無負荷係合領域12bに角孔2aが係合しているが、
巻真10が引き出されると上述のようにつづみ車2が軸
線方向に移動し歯車5と係合するので、つづみ車2には
歯車5及びその先の被駆動部分に起因する負荷が加わ
り、このように負荷のかかった状態でつづみ車2が角状
部12の負荷駆動領域12aの回転によって回転駆動さ
れるように構成されている。
時計用巻真10の加工方法においては、角状部12の4
つの外側面をそれぞれ切削加工する必要があることから
加工時間がかかり、製造コストが増大するという問題点
がある。より具体的には、切削加工時に発生したバリの
除去作業に手間をとられる。バリの除去作業は大量処理
を可能とするバレル研磨で行われるが、このとき巻真が
主に軸線方向に変形してしまうことがあり、バレル研磨
後の選別作業にも手間をとられてしまうことがある。こ
の変形した巻真が時計に組み込まれると、リューズが回
転しづらいので時刻修正がやりにくいという操作不良を
ともなう。
の角状部12を鍛造などの塑性加工によって成形するこ
とが考えられ、具体的方法としては、例えば角状部12
の対応部分を四方から4つの加圧部材により加圧する方
法が挙げられる。しかしながら、このような塑性加工に
よって角状部12を成形しようとすると、素材の延性等
に応じて角状部12に対応する加圧部分における軸線方
向中央部に内部応力が集中し、加圧部材の平坦な加圧面
によって加圧しても、成形後の角状部12において軸線
方向中央部の外径が他の部分より大きい形状になる、す
なわち太鼓形状に成形されてしまうという問題点があ
る。
成形においては、成形前の外径が多少大きいと、成形に
よって角状部12の稜線部分にバリが生じやすく、一
方、成形前の外径が多少小さいと角状部12の稜線部が
曲面状に成形され、対向する稜線部間の距離が小さくな
ってしまうため、つづみ車2の角孔2aに対する係合が
外れやすくなるという問題点がある。特に、つづみ車2
の角孔2aは加工の困難性によって正確な正方形状の開
口断面を有していない場合が多いため、巻真10の角状
部12の断面形状の精度がわずかでも悪化すると、係合
不良が増加し、部品の歩留まりが著しく低下するという
問題点がある。
であり、その課題は、巻真の角状部を塑性加工によって
成形することにより、低コストで、しかも高い生産性を
もって巻真を製造でき、また、角状部に要求される形状
精度を確実に得ることのできる製造技術を提供すること
にある。
に本発明の巻真の製造方法は、つづみ車の角孔に係合さ
れる断面角形状の角状部を有する巻真の製造方法であっ
て、前記角状部の対応部分を予め断面円形状に形成し、
前記対応部分における軸線方向の一側に大径の第1軸部
を、他側に前記第1軸部より小径の第2軸部を設け、前
記第1軸部と前記第2軸部との間に第3軸部を設け、前
記第3軸部は、前記第1軸部から前記第2軸部へ向けて
軸線方向に外径が縮径されるように構成し、前記対応部
分に対して周囲から複数の加圧部材を押し付けて、前記
角状部が成形され、前記角状部は、その断面角形状に係
合する負荷状態の係合部材を駆動するための負荷駆動領
域と、無負荷状態の前記係合部材に係合する無負荷係合
領域とが軸線方向に連設されるものであり、前記対応部
分においては、前記第1軸部を前記負荷駆動領域の側
に、前記第2軸部を前記無負荷係合領域の側に設定する
ことを特徴とする。
の第2軸部に向けて外径が縮径されるように構成してあ
るので、第1軸部から第2軸部に向けて外径が増加しな
い部分と、外径が低減している部分の双方が存在する
か、或いは、第1軸部から第2軸部まで漸次外径が低減
していることとなる。このため、対応部分に対して周囲
から複数の加圧部材を押し付けて角状部を成形するとき
に、大径の第1軸部から小径の第2軸部へ向けて、すな
わち軸線方向の外径が小さくなっている側へ、対応部分
の素材が押し出されながら成形されることになる。した
がって、第1軸部から第2軸部へ向かう所定範囲におい
て素材の変形に伴う肉流れを均一化でき、成形加工部分
の中間部に応力が集中しにくくなるので、角状部の外形
を所定形状に成形することができるとともに、角状部の
稜線部に生ずるバリや角状部の稜線部の成形不良を防止
することができる。
無負荷係合領域とが連設されている場合、負荷駆動領域
では係合部材に負荷がかかった状態で係合部材を駆動し
なければならないため、無負荷係合領域よりもさらに高
い角状部の外形精度が要求される。本発明においては、
第1軸部を対応部分における負荷駆動領域の側に、第2
軸部を対応部分における無負荷係合領域の側にそれぞれ
形成することにより、大径の第1軸部近傍の素材が第2
軸部側へ押し出され、移動しながら成形が進むこととな
るため、第1軸部近傍から第2軸部側の所定範囲内の部
分、すなわち、角状部の負荷駆動領域の断面形状を、角
状部の無負荷係合領域の外形に較べて高精度に成形する
ことが可能になる。
記第1軸部の前記第2軸部とは反対側の部分を縮径させ
ることが好ましい。第1軸部の第2軸部とは反対側の部
分を縮径させる、すなわち外径が縮小した形状にする、
ことによって、成形時において第1軸部近傍の素材が第
2軸部とは反対側へも押し出され、移動するので、第1
軸部近傍に対応する角状部の外形精度をより高めること
ができる。
第1軸部から前記第2軸部に向けて外径を漸減させたテ
ーパ状部を前記第1軸部に隣接させて設けることが好ま
しい。第2軸部に向けて外径を漸減させることによって
形成されたテーパ状部を第1軸部に隣接させて設けるこ
とにより、成形時において第1軸部から第2軸部へ向け
て素材が押し出され、移動するときに、第1軸部から第
2軸部へ向けて漸次成形が進むので、第1軸部に相当す
る部位の第2軸部側に、テーパ状部の傾斜角に応じた範
囲で、高精度な外形精度を有する領域を設けることが可
能になる。
記第1軸部の前記第2軸部とは反対側の部分を前記テー
パ状部よりも急傾斜に若しくは段差状に縮径させること
が好ましい。第1軸部の第2軸部とは反対側をテーパ状
部よりも急傾斜に縮径させ、或いは、段差状に縮径させ
ることにより、成形時において、第1軸部近傍の素材が
第2軸部とは反対側にも押し出され、移動するので、第
1軸部近傍に対応する角状部の外径精度をより高めるこ
とができる。ここで、テーパ状部よりも急傾斜若しくは
段差状に縮径することによって第1軸部の第2軸部とは
反対側への角状部の広がりを抑制することができる。
に係る巻真の製造方法の実施形態について詳細に説明す
る。
材200及び成形後の巻真20を示す側面図である。巻
真原材200は、金属製の断面円形状の軸材からなり、
材質はステンレス鋼、工具鋼、炭素鋼などの鋼材が好ま
しい。
先端軸部210よりもやや大きな外径を備えた対応加工
部220と、対応加工部220よりやや小径の隣接基部
230とが形成されている。これらの部分は、例えば円
筒状の線材若しくは棒材を旋盤等による切削加工や転造
加工によって形成される。
角状部22に対応する部分であり、先端軸部210側か
ら順に、軸線に対して約60度の傾斜角を有する円錐面
を備えた第1テーパ状部221と、軸線に対して約35
度の傾斜角を有する円錐面を備えた第2テーパ状部22
2と、対応加工部220において最も大きな外径を有す
る円筒面を備えた第1軸部223と、第1軸部223か
ら徐々に外径が小さくなるように、約3〜7度程度の緩
やかに傾斜した円錐面を備えた第3テーパ状部224
と、第3テーパ状部224の端部と同じ外径を有する円
筒面を備えた第2軸部225と、軸線に対して約45度
の傾斜角を有する円錐面を備えた第4テーパ状部226
とが連設されている。
装置30に組み入れられ、ガイド部31によって巻真原
材200の基部が支持される。また、巻真原材200の
先端軸部210は度当たり32に押し付けられ、これに
より対応加工部220と加圧部材33の軸方向の位置が
決められる。この状態で、対応加工部220の周囲から
4つの加圧部材33をそれぞれ軸線に向けて移動させ、
所定の形状になるまで加圧し、図1に示す巻真20を成
形する。
トチャックと同様の縮径機構によってそれぞれ対応した
位置にて対応加工部220に圧力を加えるように構成さ
れている。
200の軸線方向と平行な面となるように形成されてい
る。さらに、上記加圧面はほぼ平坦面になるように形成
されている。
いては、上記対応加工部に相当する部分に断面角形状
(断面正方形状)の角状部22が形成される。また、こ
の巻真20には、上記巻真原材200の先端軸部210
とほぼ同様の先端軸部21がそのまま設けられている。
様に、負荷の加わったつづみ車に係合し、つづみ車を回
転駆動するための負荷駆動領域22aと、無負荷状態の
つづみ車に係合する無負荷係合領域22bとが設けられ
ている。
領域22bとを区別せずに同等の角断面形状になるよう
に加工を行っていた。しかし、負荷駆動領域22aにお
いては、巻真20を回転させたときにある程度大きな負
荷トルクが加わるので、図示の断面形状のように正確な
角形状に成形されていないと角状部22がつづみ車の角
孔内部を削って両者の位相ズレが生じる可能性がある。
一度角状部22とつづみ車の角孔とがずれてしまうと、
その後はより小さな負荷トルクが加わっても係合不能と
なるので、巻真20によるつづみ車の回転駆動そのもの
が不可能になってしまう。一方、無負荷係合領域22b
に係合しているつづみ車は歯車等と係合していないた
め、巻真20を回転させても角状部22とつづみ車の角
孔との間に大きなトルクが加わることはなく、多少角状
部22の角断面形状の精度が悪くても、角状部22とつ
づみ車との係合は外れにくい。
うち、長さSLの負荷駆動領域22aについては、図示
断面のようにつづみ車の角孔に僅かな公差で係合可能な
高精度の角断面形状を確保し、長さRLの無負荷係合領
域22bについては、負荷駆動領域22aよりも多少角
断面形状の精度が低くなっても、つづみ車の角孔に係合
可能でありさえすればよいという観点で、成形前の対応
加工部220を設計している。
大きな第1軸部223を角状部22の負荷駆動領域22
a側(図示の場合には左側)に形成し、第1軸部223
よりも外径の小さな第2軸部225を無負荷係合領域2
2b側(図示の場合には右側)に形成している。そし
て、第1軸部223から第2軸部225までの間を、第
2軸部225に向けて外径が増大することのないように
形成されている。この実施形態の場合には、第2軸部2
25に向けて漸次外径が減少していく形状の第3テーパ
状部224を第1軸部223に隣接して設けている。
らそれぞれ対応加工部220を加圧すると、最も外径の
大きな第1軸部223に大きな圧力が加わり、加工が進
むに従って第1軸部223からその両側に素材が移動し
ていく。特に、第3テーパ状部224においては、その
緩やかな傾斜によって第1軸部223からの素材の移動
に伴って第1軸部223とほぼ同様に第2軸部225へ
向けて漸次加工が進んでいき、やがて第3テーパ状部2
24の形成位置に相当する部位を越えて、第2軸部22
5の形成位置に相当する部位の中央部近傍までが第1軸
部223とほぼ同様に加工される。加圧部材33の材質
としては、耐磨耗性の観点から超硬合金が好ましく、第
1軸部223、第2軸部225、及び第3テーパ状部2
24と接する面は、鍛造時の肉流れをよくするため、鏡
面仕上げされていることが好ましい。また、第1軸部2
23、第2軸部225、第3テーパ状部224の表面粗
さは、JIS B 0031によるRmaxが6.3S以
下であることが好ましく、より望ましくは、3.2S以
下であることが好ましい。
全長SLに亘って高精度の角断面形状が確保され、その
角断面形状の稜線部Paの曲率半径は充分に小さくな
る。そして、図1に示す角状部の対向する稜線部間の距
離Kaは、つづみ車の角孔の対応する孔寸法とほぼ一致
する。一方、無負荷係合領域22bに相当する部位にお
いては、第1軸部223近傍の加工状態とは異なる状態
で成形が進むので、図示のように角断面形状の稜線部P
bの曲率半径はやや大きくなる。そして、図1に示す角
状部の対向する稜線部間の距離Kbは、つづみ車の角孔
の対応する孔寸法よりも或る程度小さくなる。
2軸部225、第3テーパ状部224の表面粗さを上述
のようにしたので、巻真成形後における巻真とつづみ車
の角孔とのすべりもよくなって、なめらかな操作を行う
こともできる。
よって成形を受ける対応加工部220のうち、一側(図
示左側)の外径を大きくし、他側(図示右側)の外径を
小さくして、他側に向けて外径が増加しないように構成
されていることにより、一側から他側に向けて素材が押
し出され、移動しながら、成形が進むように構成されて
いるので、成形加工時に生ずる内部応力が中間部に集中
することがなく、応力を他側に逃がしつつ成形を行うこ
とができるため、成形が開始される一側の部分から他側
に向けた所定範囲内において高い形状精度を得ることが
できる。
おいて高い断面形状精度が要求される負荷駆動領域22
aと、これよりも緩い断面形状精度で足りる無負荷係合
領域22bとが存在する場合、負荷駆動領域22aが上
記一側に対応するように構成することによって、確実に
精度上の要求を満たすことができる。
径の大きい第1軸部223における成形時の状態を順次
示す模式的な断面図である。第1軸部223は当初角状
部22の断面積よりもやや大きな断面積を備えており、
図3(a)に示すように、加圧部材33によって四方か
ら加圧が開始される。加圧部材33によって第1軸部2
23が加圧され、図3(b)に示すようにその断面形状
が変形し始めると、その断面形状が変化するだけでな
く、その加圧力によって第1軸部223に対応する部位
から周囲に素材が移動し、第1軸部223に対応する部
位の断面積は徐々に小さくなり、やがて図3(c)に示
すように、加圧部材33の動作設定に対応した所望の断
面形状になり、その断面積も所望の値にまで低下する。
このように断面積が低下しつつ角形状に加工されていく
加工過程の進行態様は第1軸部223だけでなく他の対
応加工部220の部位についても同様である。断面積の
変化態様は、後述するように当初の各部位の断面積及び
テーパ状部224の長さL3或いはその傾斜角等によっ
て変化する。
L1を、第2軸部225が長さL2をそれぞれ備えてい
るが、この長さL1、L2は適宜に設定することがで
き、例えばそれぞれの長さを0にすることも可能であ
る。
長さL3を増減することによって高い断面形状精度を得
ることのできる範囲(すなわち、図示の負荷駆動領域2
2aの長さSL)を増減することができ、また、角状部
22の稜線部Paにバリが発生するか否かを調節するこ
とができる。この角状部22の稜線部Paに発生するバ
リを抑えることにより、巻真とつづみ車の作動によって
発生する切粉が抑えられるので、時計輪列内部に切粉が
侵入して指針表示遅れや指針止まりなどの致命的な不良
を防止できる。また、バリ除去作業のためのバレル研磨
も廃止することも可能となり、あわせてバレル研磨時の
巻真の変形も防止できて、歩留まりも向上した。
積を角状部22の断面積の約130〜約150%、好ま
しくは約140%とし、第2軸部225の断面積を角状
部22の断面積の105〜125%、好ましくは約11
5%とした。このとき、第3テーパ状部224の長さL
3を、成形後の負荷駆動領域22aの長さSLの約1/
4にして、上記のように良好な結果を得た。他の条件を
そのままとし、長さL3を長さSLの約1/5未満にす
ると、負荷駆動領域22a内において、対向する稜線部
間の距離Kaがつづみ車の角孔の対応する孔寸法より或
る程度小さい部分が発生して負荷駆動領域22aの外径
精度を確保することができず、また、長さL3を長さS
Lの約1/3を越えた値とすると、第1軸部223の近
傍に相当する部位において角状部22の稜線部Paにバ
リが発生する。したがって、第3テーパ状部224の長
さL3は、負荷駆動領域22aの長さSLの約1/5〜
約1/3の範囲内であることが好ましい。
200の外形寸法は、円筒面または円錐面であるため、
寸法管理が容易となり、巻真の仕上がりの精度も向上で
きる。
領域22aにおいては、巻真20を回転させたときにあ
る程度大きな負荷トルクが加わるが、鍛造成形時の圧縮
変形率が最も大きいので機械的な強度を向上させること
ができた。そのため、従来つづみ車から小鉄車を介して
2番車を回転させながら時刻修正を行っていたが、つづ
み車から直接2番車に動力を伝達して時刻修正を行うこ
とも可能となったので、時刻修正機構の小型化も可能と
なった。あるいは、巻真の角状部の太さを細くできるの
で、時刻修正機構の薄型化が可能となった。
のみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。例えば、上記角状部の断面形状は4角形に限らず、
3角形や6角形などでもよく、任意の多角形となってい
ればよいものである。
ず、懐中時計に用いてもよい。
表示針の時刻合わせやカレンダー修正に限定されず、現
在時刻・アラーム時刻・クロノグラフなどの機能切り替
えを行う多機能時計にもちいてもよいし、デジタルクオ
ーツ時計の時刻修正や他の機能切り替えを行う場合にも
ちいてもよい。
大径の第1軸部から小径の第2軸部に向けて外径が縮径
されるように構成してあるので、対応部分に対して周囲
から複数の加圧部材を押し付けて角状部を成形するとき
に、第1軸部から第2軸部へ向けて、対応部分の素材が
押し出されながら成形されるので、第1軸部から第2軸
部へ向かう所定範囲において素材が変形しやすくなり、
角状部の外形を所定形状に成形することができるととも
に、角状部の稜線部に生ずるバリや角状部の稜線部の成
形不良を防止することができる。また、本発明において
は、第1軸部を対応部分における負荷駆動領域の側に、
第2軸部を対応部分における無負荷係合領域の側にそれ
ぞれ形成することにより、大径の第1軸部近傍の素材が
第2軸部側へ押し出され、移動しながら成形が進むこと
となるため、第1軸部近傍から第2軸部側の所定範囲内
の部分、すなわち、角状部の負荷駆動領域の断面形状
を、角状部の無負荷係合領域の外形に較べて高精度に成
形することが可能になる。
において、成形加工前の巻真原材と成形加工後の巻真と
を対比させて示す側面図である。
時の状態を示す断面図である。
面図(a)〜(c)である。
を示す拡大断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 つづみ車の角孔に係合される断面角形状
の角状部を有する巻真の製造方法であって、 前記角状部の対応部分を予め断面円形状に形成し、 前記対応部分における軸線方向の一側に大径の第1軸部
を、他側に前記第1軸部より小径の第2軸部を設け、 前記第1軸部と前記第2軸部との間に第3軸部を設け、
前記第3軸部は、前記第1軸部から前記第2軸部へ向け
て軸線方向に外径が縮径されるように構成し、 前記対応部分に対して周囲から複数の加圧部材を押し付
けて、前記角状部が成形され 前記角状部は、その断面角形状に係合する負荷状態の係
合部材を駆動するための負荷駆動領域と、無負荷状態の
前記係合部材に係合する無負荷係合領域とが軸線方向に
連設されるものであり、 前記対応部分においては、前記第1軸部を前記負荷駆動
領域の側に、前記第2軸部を前記無負荷係合領域の側に
設定することを特徴とする巻真の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記対応部分におけ
る前記第1軸部の前記第2軸部とは反対側の部分を縮径
させることを特徴とする巻真の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記第
3軸部は、前記第1軸部から前記第2軸部に向けて外径
を漸減させたテーパ状部を前記第1軸部に隣接させて設
けることを特徴とする巻真の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3において、前記対応部分におけ
る前記第1軸部の前記第2軸部とは反対側の部分を前記
テーパ状部よりも急傾斜に若しくは段差状に縮径させる
ことを特徴とする巻真の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の巻真の製造方法を用いて製造された巻真を有すること
を特徴とする時計。
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