JPH1086017A - 歯車の加工方法および歯車加工用バリ取り装置 - Google Patents

歯車の加工方法および歯車加工用バリ取り装置

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JPH1086017A
JPH1086017A JP26242796A JP26242796A JPH1086017A JP H1086017 A JPH1086017 A JP H1086017A JP 26242796 A JP26242796 A JP 26242796A JP 26242796 A JP26242796 A JP 26242796A JP H1086017 A JPH1086017 A JP H1086017A
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JP26242796A
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Yoshihiro Teramoto
義広 寺本
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Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】歯車加工時のシェービング加工を省略するとホ
ーニング用研削砥石が局部摩耗して歯車の仕上がり精度
が低下するし、バリ取り工具で加工歯車のバリ取りをす
る場合バリ取り工具と加工歯車との噛合を確実にする為
に装置が複雑化する。 【解決手段】加工歯車の歯端面取り後に、シェービング
加工することなく、特殊なバリ取り工具を備えたバリ取
り装置でバリ取り加工を行って歯面端部のバリを除去
し、ホーニング加工する。バリ取り工具は、内径部と環
状歯車部とこれら間に挟着した環状ゴム部材を有し、ゴ
ム部材の弾性力により加工歯車に弾性的に押圧した状態
に噛合可能に構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車の加工方法お
よび歯車加工用バリ取り装置に関し、特にシェービング
加工を省略した歯車の加工技術に関する。
【従来の技術】従来、歯車を製作する場合、鍛造と転造
により歯車素材を製作し、その歯車素材を切削加工する
ことで製作する。歯車素材から歯車を加工する従来の歯
車の加工方法について、ヘリカル歯車の場合を例として
説明する。
【0002】図16に示すように、最初にホブ盤等を用
いて歯車素材に歯切り加工を施して加工歯車とする。こ
の歯切り加工により、軸心方向両側において鋭角側歯端
に軸心方向向きのバリ100が発生する。次に歯車面取
盤を用いて歯車状の面取りカッターにより両側の鋭角側
歯端を転造することで歯端面取り加工を行う。この歯端
面取り加工によりバリ100が約90度方向変換されて
図示のように歯面101と直交する方向に向く。次にシ
ェービング加工機により、歯車状の研削砥石で加工歯車
にシェービング加工を施してバリ100を除去するとと
もに、加工歯車の表面の粗さを小さくする。次に、加工
歯車に必要な熱処理を施してから、ホーニング加工機に
より歯車状の研削砥石を用いて加工歯車にホーニング加
工を施して加工歯車の表面を平滑に仕上げる。尚、図1
6の右側に示す図は、加工歯車の歯面近傍部を歯筋方向
に沿って分断した断面図である。このことは、図17に
おいても同様である。
【0003】一方、特開平3−43118号公報には、
シェービング加工後に加工歯車に残っているバリを歯車
状のシェービングカッターを用いて除去する為のバリ取
り装置であって、加工歯車の形に応じてシェービングカ
ッターの位置と姿勢等を調整する為に、シェービングカ
ッターを切込み方向へ送る送り機構、シェービングカッ
ターの傾きを加工歯車の捩れ角の方向へ調整する傾き調
整機構、シェービングカッターの高さ位置を調整する高
さ調整機構を設け、加工歯車とシェービングカッターと
を噛合させシェービングカッターを加工歯車に押圧させ
た状態でシェービングカッターを回転させることによ
り、加工歯車のバリを取るバリ取り装置が記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図16に示し
た歯車の加工方法において、歯車の加工コストを低減す
る為に前記シェービング加工を省略することが考えられ
る。この場合、図17に示すように、歯切り加工と、歯
端面取り加工については、前記と同様である。その歯端
面取り加工の次に、シェービング加工することなくホー
ニング加工を行う場合には、歯端面取り加工後のバリ1
00によって研削砥石が局部的に摩耗するため、ホーニ
ング加工後の歯面形状が図示のようになり、歯車の歯面
101の仕上げ精度が悪化してしまう。
【0005】ところで、前記公報に記載のバリ取り装置
のシェービングカッターは、歯車状のソリットな構造で
あるので、シェービングカッターと加工歯車とを高い精
度で噛合させる必要があり、その為の種々の機構の調整
の作業が複雑化するという問題がある。そして、前記公
報には、シェービング加工を省略した歯車の加工技術に
ついては何ら記載されていない。本発明の目的は、加工
歯車に対する歯端面取り後のシェービンク加工を省略で
きる歯車の加工方法、加工歯車の歯面端部のバリを簡単
に除去できる歯車の加工方法、加工歯車の歯面端部のバ
リを除去する簡単な構造のバリ取り装置、等を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の歯車の加工方
法は、歯車を加工する方法において、歯車素材を歯切り
加工する歯切り工程と、次に歯切り加工された加工歯車
の歯端面取りを行う歯端面取り工程と、次にシェービン
グ加工することなく加工歯車の歯面端部のバリを取るバ
リ取り工程と、次に加工歯車をホーニング加工するホー
ニング加工工程とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0007】歯車を加工する際、最初に、歯切り工程に
おいて歯車素材を歯切り加工し、次に歯端面取り工程に
おいて歯切り加工された加工歯車の歯端面取りを行な
い、次にバリ取り工程においてシェービング加工するこ
となく加工歯車の歯面端部のバリを取り、次にホーニン
グ加工工程において加工歯車をホーニング加工する。以
上のように、バリ取り工程においてシェービング加工す
ることなく加工歯車の歯面端部のバリを取ってから、ホ
ーニング加工するので、シェービング加工を省略できる
し、また、歯面端部のバリによりホーニング加工用砥石
が局部摩耗することもなくなるから、加工歯車の高い仕
上がり精度を確保できる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記バリ取り工程においては、歯車状バリ取り工具
を加工歯車に噛合させて弾性的に押圧した状態で回転さ
せることにより歯面端部のバリを取ることを特徴とする
ものである。歯車状バリ取り工具を加工歯車に噛合させ
て弾性的に押圧した状態でバリを取るので、加工歯車と
バリ取り工具との噛合を確実にすることができ、バリを
確実に能率的に除去することができる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、前記バリ取り工程の後かつホーニング
加工工程の前に加工歯車を熱処理することを特徴とする
ものである。熱処理により加工歯車に歪みが生じるが、
熱処理してからホーニング加工するので、加工歯車の仕
上がり精度を確保できる。
【0010】請求項4の歯車加工用バリ取り装置は、歯
車素材を歯切り加工後その加工歯車の歯端面取りを行っ
たときに歯面端部に発生するバリを取る為のバリ取り装
置において、中心側の内径部と、この内径部に遊嵌的に
外嵌される環状歯車部と、内径部と環状歯車部間に装着
され半径方向に弾性変形可能な弾性部材とを備えた歯車
状バリ取り工具を有し、この環状歯車部を加工歯車に噛
合させて弾性的に押圧した状態で、歯車状バリ取り工具
を回転させることにより加工歯車の歯面端部のバリを取
るように構成したことを特徴とするものである。
【0011】前記歯車状バリ取り工具が、内径部と環状
歯車部とこれらの間に装着され半径方向に弾性変形可能
な弾性部材とを備えているため、弾性部材の弾性変形を
介して、環状歯車部のうちの加工歯車に噛合する部分
は、内径部に対して半径方向へ弾性的に相対移動可能で
ある。尚、環状歯車部は例えば通常の歯車に適用される
工具鋼等の材料で構成されている。
【0012】この歯車状バリ取り工具の環状歯車部を加
工歯車に噛合させて弾性的に押圧した状態で、歯車状バ
リ取り工具を多数回回転させると、加工歯車の歯面端部
に突出していたバリが転造されつつ摩耗して、バリが除
去される。そして、環状歯車部を加工歯車に対して弾性
的に押圧した状態でバリ取りするので、加工歯車とバリ
取り工具との噛合を確実にすることができ、バリを確実
に能率的に除去することができる。しかも、歯車加工用
バリ取り装置においてバリ取り工具を支持し駆動する機
構に、加工歯車とバリ取り工具との噛合を確実にする為
の手段を設ける必要がないので、歯車加工用バリ取り装
置の機構を簡単化することもできる。
【0013】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記弾性部材が、内径部と環状歯車部とに固着され
た環状のゴム部材からなることを特徴とするものであ
る。弾性部材が、内径部と環状歯車部とに固着された環
状のゴム部材からなるため、その環状のゴム部材を介し
て内径部と環状歯車部とを強力に連結できるうえ、耐久
性に優れる。請求項6の発明は、請求項4の発明におい
て、前記弾性部材が、内径部と環状歯車部との間に装着
された複数の金属製のスプリング部材からなることを特
徴とするものである。前記弾性部材が複数の金属製のス
プリング部材からなるため、安定した弾性特性となり、
製作コスト的にも有利である。
【0014】請求項7の発明は、請求項5又は請求項6
の発明において、前記歯車状バリ取り工具が、内径部に
対する環状歯車部の回転方向相対位置を調節可能な調節
機構を有することを特徴とするものである。バリ取り装
置にバリ取り工具を装着し、バリ取り工具を加工歯車に
噛合させる際に、加工歯車とバリ取り工具の噛合状態を
調整する必要が出てくるが、前記調節機構を介して内径
部に対する環状歯車部の回転方向相対位置を調節するこ
とで、加工歯車とバリ取り工具の噛合状態を調整するこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。最初に、ヘリカル歯車
を例として歯車の加工方法について説明する。まず、複
数回の鍛造加工と複数回の転造加工により、歯車素材が
製作される。この歯車素材を切削加工して歯車を製作す
る方法は、次の通りである。
【0016】図1に示すように、最初の歯切り工程にお
いて、周知のホブ盤等を用いて歯車素材に歯切り加工を
施こす。この歯切り加工した状態において、加工歯車1
の歯面2は30〜50μm程度の粗さになり、加工歯車
の軸心方向両側において鋭角側歯面2の端部には、歯筋
方向へ延びるバリ3が突出した状態になる。尚、図1の
右側には、加工歯車の歯面近傍部を歯筋に沿って分断し
た歯面形状の断面を示してある。
【0017】次に、歯端面取り加工工程において、周知
の歯車面取り盤を用いて歯車状の面取りカッターにより
加工歯車1の軸心方向両側の鋭角側歯端を転造する歯端
面取り加工を行う。この歯端面取り加工の結果、歯面2
の端部のバリ3が約90度方向変換されて図示のように
歯面2と直交する方向へ向く。次に、バリ取り加工工程
において、加工歯車1にシェービング加工を施すことな
く、図2〜図4に示す本願特有のバリ取り装置10と、
その歯車状バリ取り工具18とを用いて、前記歯面2の
端部のバリ3を除去するバリ取り加工を行う。このバリ
取り工程においては、歯車状バリ取り工具18を加工歯
車1に噛合させて弾性的に押圧した状態で回転させるこ
とにより歯面端部のバリ3を取る。このバリ取り加工の
結果、図示のように歯面2の端部のバリ3が除去され
る。尚、前記バリ取り装置10、そのバリ取り工具1
8、それらの作用については図2〜図5に基づいて後述
する。
【0018】次に、熱処理工程において、加工歯車1の
歯面2を含む全表面の硬度を高め耐摩耗性を高める為
に、加工歯車1に周知の熱処理(浸炭焼入れや浸炭浸窒
焼入れ等)を施す。次に、ホーニング加工工程におい
て、周知のホーニング加工機により歯車状の研削砥石を
用いて加工歯車1にホーニング加工を施して、加工歯車
1の歯面2を平滑に仕上げる。このホーニング加工の結
果、図示のように、加工歯車1の歯面2は1μm程度の
粗さに平滑化される。以上のようにして、歯車素材を加
工して歯車を製作することができる。
【0019】次に、前記バリ取り装置10について説明
する。図2は、バリ取り装置10の概略正面図であり、
このバリ取り装置10は、歯車面取り盤兼バリ取り装置
であり、数値制御方式のものである。このバリ取り装置
10は、ベース部11と、ワークホルダ12と、ワーク
投入部13と、ワーク搬出部14と、コラム15と、コ
ラム15に装備された鉛直姿勢のインデックス盤16
と、インデックス盤16に着脱可能に装備される3つの
面取りカッター17a〜17cと、インデックス盤16
に着脱可能に装備される歯車状バリ取り工具18と、操
作盤19と、図示外の種々機構や複数のサーボモータ等
を有する。
【0020】ワークホルダ12は、加工歯車1の両端部
を回転自在に保持するもので、種々の長さの加工歯車1
を保持可能に構成されている。インデックス盤16は、
コラム15に昇降可能に装備され、サーボモータを含む
昇降機構により高さ位置を精密に調節可能である。更
に、インデックス盤16はサーボモータを含む割り出し
機構により90度ずつ左回りと右回りの所望の回転方向
へ割り出し駆動され、3つの面取りカッター17a〜1
7cと、バリ取り工具18のうちの所望のものを、最下
の使用位置に位置決めするように構成され、また、最下
の使用位置に位置決めされた何れかの面取りカッター1
7a〜17c又はバリ取り工具18を回転駆動する回転
駆動機構も設けられている。
【0021】従って、ワークホルダ12にセットされた
加工歯車1のサイズと、最下の使用位置に位置決めされ
た何れかの面取りカッター17a〜17c又はバリ取り
工具18のサイズに応じて、インデックス盤16の高さ
位置が調節される。バリ取り加工工程においては、バリ
取り工具18が最下の使用位置に割り出され、加工歯車
1のサイズに応じてインデックス盤16の高さ位置が調
節され、バリ取り工具18が加工歯車1に噛合され、バ
リ取り工具18を加工歯車1に弾性的に押圧した状態
で、バリ取り工具18を100〜300rpmにて回転
駆動し、加工歯車1を従動回転させながら約20〜30
秒間バリ取り処理を施す。
【0022】前記バリ取り工具18について説明する。
図3、図4に示すように、バリ取り工具18は、中心側
の鋼製の内径部20と、この内径部20に遊嵌的に外嵌
される工具鋼製の環状歯車部24と、内径部20と環状
歯車部24との間に装着されてこれら両者に接着にて固
着された環状のゴム部材23とを有する。前記内径部2
0は、内径部インナ21とこの内径部インナ21に外嵌
させた内径部アウタ22とで構成されている。内径部イ
ンナ21は、小径部21aと大径部21bとを有し、内
径部アウタ22は、小径部21aに外嵌する小径対応部
22aと、大径部21bに外嵌する大径対応部22bと
を有する。前記環状歯車部24の外周部には、加工歯車
1に噛合する歯形形状の研削歯24aが形成されてい
る。
【0023】図5には、加工歯車1の諸元の一例と、そ
の加工歯車1に適用するバリ取り工具18の諸元の一例
とを示してあり、バリ取り工具18の軸心方向幅は、加
工歯車1の軸心方向幅よりも十分に大きく形成されてい
る。前記バリ取り工具18において、内径部20に対す
る環状歯車部24の回転方向相対位置を調節する為の調
節機構25が次のように構成されている。小径対応部2
2aには、周方向6等分位置に円弧状長穴26が形成さ
れ、大径部21bには周方向6等分位置にボルト穴27
が形成され、各円弧状長穴26に挿入したボルト28を
対応するボルト穴27に螺合させて固定してある。そし
て、バリ取り工具18は、ボルト28の頭部を手前側に
してインデックス盤16に装着される。従って、6つの
ボルト28を緩めて、内径部インナ21に対する内径部
アウタ22とゴム部材23と環状歯車部24の回転方向
相対位置を調節することができ、その調節後に6つのボ
ルト28を締結することで再度固定することができる。
【0024】前記バリ取り工具18の作用について説明
すると、バリ取り工具18を加工歯車1に噛合させた状
態で回転駆動すると、加工歯車1の歯面2の端部のバリ
3がバリ取り工具18の歯で押し曲げられて根本側で破
断したり、摩擦接触により摩耗したりして除去されるこ
とになる。図6(a)に示すように、バリ取り工具18
が加工歯車1に噛合してない状態では、ゴム部材23の
変形量が略零である。図6(b)に示すように、バリ取
り工具18の研削歯24aが、歯厚が比較的小さい加工
歯車1に深く噛合している状態では、ゴム部材23が僅
かに弾性変形(弾性変形量α)し、その押圧力で環状歯
車部24を加工歯車1に押圧した状態でバリ取りがなさ
れる。
【0025】図6(c)に示すように、バリ取り工具1
8の研削歯24aが、歯厚が比較的大きい加工歯車1に
浅く噛合している状態では、ゴム部材23が一層弾性変
形(弾性変形量(α+β))し、その押圧力で環状歯車
部24を加工歯車1に押圧した状態でバリ取りがなされ
る。このように、ゴム部材23の弾性力で環状歯車部2
4を加工歯車1に対して押圧した状態でバリ取りするの
で、環状歯車部24と加工歯車1との噛合が確実化し、
これら両者に作用する摩擦力も大きくなってバリ取り性
能が向上し、歯厚が異なる複数種の加工歯車1に共通の
バリ取り工具18を適用できる。但し、バリ取り工具1
8の研削歯24aを加工歯車1に深く噛合させた状態で
バリ取りすることが望ましいので、加工歯車1のサイズ
や形状に応じた複数サイズのバリ取り工具18から適宜
選択して適用される。
【0026】以上説明した歯車の加工方法及びバリ取り
装置10における作用・効果について説明する。バリ取
り工程においてシェービング加工することなく加工歯車
1の歯面端部のバリ3を取ってから、ホーニング加工す
るので、シェービング加工を省略できるし、また、歯面
端部のバリ3によりホーニング加工用研削砥石が局部摩
耗することもなくなるから、加工歯車1の高い仕上がり
精度を確保できる。このようにシェービング加工の代わ
りに、バリ取りを行うだけでよいので、仕上がり精度を
確保を確保しつつも加工歯車1の加工コストを低減でき
る。
【0027】歯車状バリ取り工具18を加工歯車1に噛
合させて弾性的に押圧した状態でバリ3を取るので、加
工歯車1とバリ取り工具18との噛合を確実にすること
ができ、バリ3を確実に除去することができ、バリ取り
の能率を高めることができる。そして、各加工歯車1の
バリ取り中に、バリ取り工具18を加工歯車1の方へ切
込み送り動作させる必要もない。熱処理してからホーニ
ング加工するので、熱処理により加工歯車に歪みが生じ
ても加工歯車1の仕上がり精度を確保できる。
【0028】しかも、このバリ取り装置10は、歯端面
取り加工を行う歯車面取り盤と兼用される装置であるの
で、設備経済的に有利である。また、加工歯車1をワー
クホルダ12にセットして歯端面取り加工を行った後、
引き続いてその加工歯車1に対してバリ取り加工を施す
ことができるので、能率的且つ経済的にバリ取り加工を
行うことができる。
【0029】バリ取り工具18の弾性部材として、内径
部20と環状歯車部24とに固着された環状のゴム部材
23を用いるため、そのゴム部材23を介して内径部2
0と環状歯車部24とを強力に連結できるうえ、耐久性
に優れる。更に、バリ取りの準備段階においてバリ取り
工具18を加工歯車1に噛合させる際に、調節機構25
を介して内径部20に対する環状歯車部24の回転方向
相対位置を調節することで、加工歯車1とバリ取り工具
18の噛合状態を最適な状態に簡単に調整することがで
きる。
【0030】次に、バリ取り装置10によりバリ取りを
実行した場合と、実行しない場合の歯面測定結果につい
て図7〜図13を参照して参考的に説明する。図7は、
ヘリカル歯車の1つの歯について、歯車の軸心と平行な
線X、左歯面と右歯面、バリ3の発生する鋭角側の歯面
端部2a,2b、軸心方向一端側Aと他端側B、歯面形
状の測定部a,b,c等を説明する図である。
【0031】図8、図9はある加工歯車1のバリ取り後
の測定部bにおける歯面形状の測定結果を示すものであ
り、図8は右歯面の歯面形状であり、図9は左歯面の歯
面形状であり、図8(a)〜(d)と図9(a)〜
(d)に付記したfの数値は切込み量(つまり、ゴム部
材23の弾性変形量に相当する)を示す。図8、図9の
縦軸1mmが2μmの粗さに相当する。図8、図9から
判るように、切込み量が大きくなる程バリ取り後の粗さ
が改善される。尚、図示してないが、バリ取りを実行し
ない加工歯車1の場合におけるバリは測定不能な程大き
なものである。
【0032】図10、図11は、シェービング加工する
ことなくバリ取り装置10でバリ取りしてからホーニン
グ加工した場合の加工歯車1の歯面形状の測定結果を示
すものであり、図10は右歯面の歯面形状であり、図1
1は左歯面の歯面形状である。図12、図13は、シェ
ービング加工とバリ取り加工とを省略してホーニング加
工した場合の加工歯車1の歯面形状の測定結果を示す比
較例であり、図12は右歯面の歯面形状であり、図13
は左歯面の歯面形状である。図10と図12とを比較す
れば、また、図11と図13とを比較すれば、バリ取り
装置10によりバリ取りした場合には、歯面形状の加工
精度が著しく改善されるのが判る。
【0033】次に、バリ取り工具18の変形例について
説明する。図14、図15に示すように、このバリ取り
工具18Aにおいては、内径部20と環状歯車部24と
の間に装着する弾性部材として、前記ゴム部材23の代
わりに8つの湾曲状板バネ30が適用される。内径部2
0の外周部には円周8等分位置に切欠き部31が形成さ
れ、各湾曲状板バネ30の端部が隣接する切欠き部31
に係合されて各湾曲状板バネ30が保持され、8つの湾
曲状板バネ30の長さ方向中央部が環状歯車部24の内
周面に当接状に配設してある。その他、前記バリ取り工
具18と同一の構成要素に同一符号を付して説明を省略
する。このバリ取り工具18Aは、前記バリ取り工具1
8と同様に作用する。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、バリ取り工程
においてシェービング加工することなく加工歯車の歯面
端部のバリを取ってから、ホーニング加工するので、シ
ェービング加工を省略できるし、また、歯面端部のバリ
によりホーニング加工用砥石が局部摩耗することもなく
なるから、加工歯車の高い仕上がり精度を確保できる。
このようにシェービング加工の代わりに、簡単なバリ取
りを行うだけでよいので、仕上がり精度を確保を確保し
つつも歯車の加工コストを低減できる。
【0035】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果の他に、歯車状バリ取り工具を加工歯車に噛合さ
せて弾性的に押圧した状態でバリを取るので、加工歯車
とバリ取り工具との噛合を確実にすることができ、バリ
を確実に除去することができ、バリ取りの能率を高める
ことができる。そして、個々の歯車のバリ取り中にはバ
リ取り工具を加工歯車の方へ切込み送りする必要もな
い。
【0036】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2と同様の効果の他に、熱処理により加工歯車に歪
みが生じても、熱処理してからホーニング加工するので
加工歯車の仕上がり精度を確保できる。
【0037】請求項4の発明によれば、加工歯車の歯面
端部のバリを簡単な構成の歯車状バリ取り工具を用いて
確実に除去することかができる。また、バリ取り工具の
環状歯車部を加工歯車に対して弾性的に押圧した状態で
バリ取りするので、加工歯車とバリ取り工具との噛合を
確実にすることができ、バリを確実に能率的に除去する
ことができる。しかも、歯車加工用バリ取り装置におい
てバリ取り工具を支持し駆動する機構に、加工歯車とバ
リ取り工具との噛合を確実にする為の手段を設ける必要
がないので歯車加工用バリ取り装置の機構を簡単化する
こともできる。
【0038】請求項5の発明によれば、請求項4と同様
の効果の他に、前記弾性部材が、内径部と環状歯車部と
に固着された環状のゴム部材からなるため、その環状の
ゴム部材を介して内径部と環状歯車部とを強力に連結で
きるうえ、耐久性に優れる。請求項6の発明によれば、
請求項4と同様の効果の他に、前記弾性部材が、内径部
と環状歯車部との間に装着された複数の金属製のスプリ
ング部材からなるため、安定した弾性特性となり、製作
コスト的にも有利である。
【0039】請求項7の発明によれば、請求項5又は請
求項6と同様の効果の他に、バリ取り装置にバリ取り工
具を装着し、バリ取り工具を加工歯車に噛合させる際
に、調節機構を介して内径部に対する環状歯車部の回転
方向相対位置を調節することで、加工歯車とバリ取り工
具の噛合状態を簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る歯車の加工工程図であ
る。
【図2】バリ取り装置の概略正面図である。
【図3】バリ取り工具の正面図である。
【図4】バリ取り工具の断面図である。
【図5】加工歯車の諸元とバリ取り工具の諸元を示す図
表である。
【図6】(a)はバリ取り工具の要部断面図、(b)は
加工歯車と深く噛合したバリ取り工具の要部断面図、
(c)は加工歯車と浅く噛合したバリ取り工具の要部断
面図である。
【図7】加工歯車の1つの歯の測定部位等の説明図であ
る。
【図8】(a)〜(d)は切込み量を変化させて加工歯
車の右歯の歯面形状を測定した測定結果を示す図であ
る。
【図9】(a)〜(d)は切込み量を変化させて加工歯
車の左歯の歯面形状を測定した測定結果を示す図であ
る。
【図10】(a)〜(c)はバリ取り後ホーニング加工
した加工歯車について測定部位を変えて右歯の歯面形状
を測定した測定結果を示す図である。
【図11】(a)〜(c)はバリ取り後ホーニング加工
した加工歯車について測定部位を変えて左歯の歯面形状
を測定した測定結果を示す図である。
【図12】(a)〜(c)はバリ取りせずにホーニング
加工した加工歯車について測定部位を変えて右歯の歯面
形状を測定した測定結果を示す図である。
【図13】(a)〜(c)はバリ取りせずにホーニング
加工した加工歯車について測定部位を変えて左歯の歯面
形状を測定した測定結果を示す図である。
【図14】変形例に係るバリ取り工具の正面図である。
【図15】図14のバリ取り工具の断面図である。
【図16】従来技術に係る歯車の加工方法の工程図であ
る。
【図17】従来技術から類推した歯車の加工方法の工程
図である。
【符号の説明】
1 加工歯車 2 歯面 3 バリ 10 バリ取り装置 18,18A バリ取り工具

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車を加工する方法において、 歯車素材を歯切り加工する歯切り工程と、 次に歯切り加工された加工歯車の歯端面取りを行う歯端
    面取り工程と、 次にシェービング加工することなく加工歯車の歯面端部
    のバリを取るバリ取り工程と、 次に加工歯車をホーニング加工するホーニング加工工程
    と、 を備えたことを特徴とする歯車の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記バリ取り工程においては、歯車状バ
    リ取り工具を加工歯車に噛合させて弾性的に押圧した状
    態で回転させることにより歯面端部のバリを取ることを
    特徴とする請求項1に記載の歯車の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記バリ取り工程の後かつホーニング加
    工工程の前に加工歯車を熱処理することを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の歯車の加工方法。
  4. 【請求項4】 歯車素材を歯切り加工後その加工歯車の
    歯端面取りを行ったときに歯面端部に発生するバリを取
    る為のバリ取り装置において、 中心側の内径部と、この内径部に遊嵌的に外嵌される環
    状歯車部と、内径部と環状歯車部間に装着され半径方向
    に弾性変形可能な弾性部材とを備えた歯車状バリ取り工
    具を有し、 この環状歯車部を加工歯車に噛合させて弾性的に押圧し
    た状態で、歯車状バリ取り工具を回転させることにより
    加工歯車の歯面端部のバリを取るように構成したことを
    特徴とする歯車加工用バリ取り装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材が、内径部と環状歯車部と
    に固着された環状のゴム部材からなることを特徴とする
    請求項4に記載の歯車加工用バリ取り装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性部材が、内径部と環状歯車部と
    の間に装着された複数の金属製のスプリング部材からな
    ることを特徴とする請求項4に記載の歯車加工用バリ取
    り装置。
  7. 【請求項7】 前記歯車状バリ取り工具が、内径部に対
    する環状歯車部の回転方向相対位置を調節可能な調節機
    構を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記
    載の歯車加工用バリ取り装置。
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