JP3480440B2 - 溶剤分離装置およびこの溶剤分離装置を用いたドライクリーニング装置、溶剤分離方法 - Google Patents

溶剤分離装置およびこの溶剤分離装置を用いたドライクリーニング装置、溶剤分離方法

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JP3480440B2 JP2000308380A JP2000308380A JP3480440B2 JP 3480440 B2 JP3480440 B2 JP 3480440B2 JP 2000308380 A JP2000308380 A JP 2000308380A JP 2000308380 A JP2000308380 A JP 2000308380A JP 3480440 B2 JP3480440 B2 JP 3480440B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃液中に含まれる
塩素系有機溶剤を選択的に分離回収するための溶剤分離
装置、およびこれを用いたドライクリーニング装置、溶
剤分離方法であって、処理効率に優れた溶剤分離装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩素系有機溶剤は、優れた洗浄
性、安定性、不燃性を有することから、優秀な洗浄剤と
して広く用いられてきた。近年、大気汚染防止法におい
て、塩素系有機物が有害大気汚染物質として、優先取組
物質、自主管理物質などに指定されて以来、ドライクリ
ーニング装置などの洗浄装置から廃出される廃液や、排
ガス中に含有される塩素系有機物の排出量を、排出基準
値(0.1mg/l)以下に抑えるための様々な方法が
採られてきた。
【0003】ところで、ドライクリーニング装置などの
洗浄装置から廃出される廃液には水分が混入しており、
塩素系有機溶剤を回収するにはその水分を分離する必要
がある。従来、塩素系有機溶剤と水を分離する方法は、
これらの物質の比重差を利用する方法が一般的である。
塩素系有機溶剤と水の混合物からなる廃液を容器内に静
置すると、両者は二層に分離し、水よりも比重の大きい
塩素系有機溶剤は、水よりも下層に沈降する。このよう
に下層に沈降した塩素系有機溶剤を排出して、水と分離
する。
【0004】しかしながら、廃液中に塩素系有機溶剤が
微小な粒状態で分散している場合、完全に分離すること
は困難であり、塩素系有機溶剤が水中に含まれたまま排
出されてしまう。また、廃液を回収して、回収容器内で
廃液の流入、排出を繰り返すと、二層に分離していた塩
素系有機溶剤と水が、再び分散状態となり、そのままの
状態で排出されてしまう。このように、塩素系有機溶剤
と水との比重の差を利用した分離方法では、廃液中の塩
素系有機物含有濃度を、上記排出基準以下にすることが
できない。また、上記塩素系有機物の排出規制が年々強
化されているため、より優れた分解処理効率を発揮し得
る廃液処理方法および廃液処理装置が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、廃液中に含まれる塩素系有機溶剤、特に微小
な粒状態で分散した塩素系有機溶剤を選択的に分離回収
可能で、処理効率に優れた溶剤分離装置およびこの溶剤
分離装置を用いたドライクリーニング装置、溶剤分離方
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の溶剤分離装置は、塩素系
有機溶剤と水の混合物を導入する導入部と、前記混合物
を分離する撥水性および/または親油性の多孔質材から
なる分離部材を有する分離部と、該分離部で分離された
水を排出する排水部と、該分離部に空気を供給する供給
部と、空気および/または気化した塩素系有機溶剤を排
出する排気部を有するものである。
【0007】また、請求項2記載の溶剤分離装置は、
記排水部が前記分離部の下部に設けられ、前記排気部が
前記分離部の上部に設けられているものである。
【0008】また、本発明の請求項3記載の溶剤分離装
置は、前記分離部によって隔てられた内槽と外槽とを有
し、前記供給部が前記外槽の一端に設けられ、前記導入
部が前記内槽の一端に設けられ、前記排気部が前記外槽
の他端に設けられ、前記排水部が前記内槽の他端に設け
られているものである。
【0009】また、本発明の請求項記載の溶剤分離装
置は、前記分離部材の形状が、膜状、板状、管状、容器
状または顆粒状であるものである。
【0010】そして、本発明の請求項記載のドライク
リーニング装置は、請求項1ないしのいずれかに記載
の溶剤分離装置を用いるものである。
【0011】本発明の請求項6記載の溶剤分離方法は、
塩素系有機溶剤と水の混合物を導入部に導入する工程
と、前記混合物を撥水性および/または親油性の多孔質
材からなる分離部材を有する分離部で塩素系有機溶剤と
水とに分離する工程と、該分離部で分離された水を排水
部から排出する工程と、前記導入部から空気を導入して
分離部に空気を供給する工程と、前記空気および/また
は気化した塩素系有機溶剤を排気部から排気することに
より前記分離部材を再生する工程とを含むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の溶剤分離装置は、塩素系有機溶剤と水の混合物
を導入する導入部と、前記混合物を分離する撥水性およ
び/または親油性の多孔質材からなる分離部材を有する
分離部と、該分離部で分離された水を排出する排水部
と、該分離部に空気を供給する供給部と、空気および/
または気化した塩素系有機溶剤を排出する排気部を有す
るものである。
【0013】本発明で用いられる分離部材をなす多孔質
材は、撥水性および/または親油性のポリオレフィン系
樹脂またはフッ素系樹脂の焼結体からなるものである。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(以下、
「PE」と略す。)、ポリプロピレン(以下、「PP」
と略す。)、超高分子量ポリエチレン(以下、「UHP
E」と略す。)などが挙げられる。また、フッ素系樹脂
としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PT
FE」と略す。)などが挙げられる。本発明で用いられ
る多孔質材を形成する樹脂としては、平均分子量10万
〜500万のUHPEが好ましい。また、本発明で用い
られる多孔質材は連続気孔を有しており、その孔径が1
0〜300μm、好ましくは20〜100μmとなって
おり、空孔率が5〜50%、好ましくは10〜30%と
なっている。
【0014】本発明で用いられる分離部材の形状は、図
1に示すように、膜状、板状、管状、容器状または顆粒
状となっている。図1に示す、(a)膜状または板状、
(b)管状、(c)容器状の分離部材の大きさは、溶剤
分離装置の大きさに応じて適宜決定されるが、その厚み
は2〜10mm、好ましくは5〜10mmとなってい
る。図1に示す、(d)顆粒状の分離部材は、外径1〜
10mm、長さ3〜10mmの円柱状となっている。
【0015】この分離部材の表面に塩素系有機溶剤と水
の混合物が触れると、塩素系有機溶剤が分離部材の表面
に吸着され、塩素系有機溶剤は、その表面張力により分
離部材内に拡散する。また、分離部材は撥水性および/
または親油性の樹脂からなるため、水はその内部に浸透
することができず、塩素系有機溶剤と水を分離すること
が可能となる。また、本発明で用いられる分離部材は、
その自重に相当する量の塩素系有機溶剤を吸着すること
が可能である。したがって、想定される塩素系有機溶剤
の一回分の処理量に応じて、適宜、分離部材の使用量を
決定すればよい。
【0016】図は、本発明の請求項1、請求項3およ
び請求項4に記載された溶剤分離装置の例を示す図で
あり、(a)は断面図を、(b)は側部図を示す。この
溶剤分離装置30は、処理槽21に、ドライクリーニン
グ装置などの洗浄装置から廃出される廃液を導入する導
入部22と、塩素系有機溶剤を気化するための空気を分
離部に供給する供給部23と、廃液を塩素系有機溶剤と
水に分離する多孔質材からなる分離部材を有する分離部
24と、分離された水を排出する排水部25と、気化し
た塩素系有機溶剤を排出する排気部26有するものであ
る。また、処理槽21が、分離部24によって、内槽2
7と外槽28に隔てられた構造となっている。処理槽2
1は、円柱状の容器であり、耐食性、耐薬品性などに優
れたポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ステンレスな
どを素材とするか、またはこれらを内壁面に被覆した容
器が用いられる。また、処理槽21の大きさは、溶剤の
処理量に応じて、適宜決定される。また、導入部22、
供給部23、排水部25および排気部26は、フッ素系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン(登録商標)系樹
脂などの耐食性、耐薬品性などに優れた高分子物質ある
いはステンレスなどの金属によって形成されている管、
またはこれらを内壁面に被覆した管が用いられている。
また、分離部24は、厚さ2〜10mmの円筒状の多孔
質材からなる分離部材を有する。この分離部材の大きさ
は、溶剤の処理量、処理槽21の大きさに応じて適宜決
定されるが、溶剤との接触面積を大きくするためには長
いものが好ましい。
【0017】導入部22から処理槽21の内槽27内に
導入された廃液は、分離部24の分離部材に触れると、
廃液中の塩素系有機溶剤のみが分離部24の分離部材に
拡散し、外槽28へと浸透する。供給部23から外槽2
8内に供給された空気と、塩素系有機溶剤が触れると、
該溶剤が気化し、排気部26から排出される。塩素系有
機溶剤を気化して処理槽21外に排出するために、供給
部23から供給される空気は、大気をそのまま供給して
もよいが、気化効率を上げるために、処理槽21内に供
給する前に乾燥したり、加熱することが好ましい。空気
を加熱する場合の温度は、回収される塩素系有機溶剤の
沸点に応じて、その沸点と同等またはそれ以上に加熱す
ることが好ましい。この例の溶剤分離装置30では、廃
液の導入、塩素系有機溶剤の分離・気化・排出、水およ
び/または水に溶解している塩素系有機溶剤の排出、分
離部24を構成する多孔質材の再生を連続的に行うこと
が出来るため、効率よく溶剤分離をすることが可能であ
る。
【0018】図は、本発明の請求項1、請求項2およ
び請求項4に記載された溶剤分離装置の例を示す断面
図である。溶剤分離装置40は、処理槽31の上面にド
ライクリーニング装置などの洗浄装置から廃出される廃
液を導入する導入部32を設け、処理槽31の内部に廃
液を塩素系有機溶剤と水および/または水に溶解してい
る塩素系有機溶剤に分離する多孔質材からなる分離部材
を有する分離部33を設け、分離部33で分離され気化
した塩素系有機溶剤を排出する排気部34を処理槽31
の側部でかつ分離部33よりも上部に設け、分離された
水および/または水に溶解している塩素系有機溶剤を排
出する排水部35を処理槽31の底面に設け、塩素系有
機溶剤を揮発させるための空気を分離部33に供給する
供給部36を、分離部33よりも下部でかつ処理槽31
の側部に設けたものである。処理槽31は、円柱状、略
四角柱状などの形状の容器であり、耐食性、耐薬品性な
どに優れたポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ステン
レスなどを素材とするか、またはこれらを内壁面に被覆
した容器が用いられる。また、処理槽31の大きさは、
溶剤の処理量に応じて、適宜決定される。また、導入部
32、排水部34、供給部35および排気部36は、フ
ッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン(登録商
標)系樹脂などの耐食性、耐薬品性などに優れた高分子
物質あるいはステンレスなどの金属によって形成されて
いる管、またはこれらを内壁面に被覆した管が用いられ
ている。また、分離部33は、直径1〜10mm、長さ
3〜10mmの円柱状の顆粒状多孔質材からなる分離部
材を、処理槽31内に充填してなるものである。分離部
材を充填する量は、溶剤の処理量、処理槽31の大きさ
に応じて適宜決定される。
【0019】導入部32から処理槽31内に導入された
廃液は、処理槽31の上部から廃液を顆粒状の分離部材
に散布することにより、廃液中の塩素系有機溶剤は分離
部33を構成する分離部材の表面、内部に拡散し易くな
る。廃液が分離部材に触れると、廃液中の塩素系有機溶
剤のみが分離部材に吸着され、吸着されない水および/
または水に溶解している塩素系有機溶剤は排水部35か
ら排出される。また、処理槽31の下部に設けられた供
給部36から分離部33に空気を供給すると、分離部3
3を構成する多孔質材に吸着された塩素系有機溶剤が気
化して、排気部34から排出される。塩素系有機溶剤を
気化して処理槽31外に排出するために、供給部36か
ら分離部33に供給される空気は、大気をそのまま供給
してもよいが、気化効率を上げるために、処理槽31内
に供給する前に乾燥したり、加熱することが好ましい。
空気を加熱する場合の温度は、回収される塩素系有機溶
剤の沸点に応じて、その沸点と同等またはそれ以上に加
熱することが好ましい。
【0020】また、この例の溶剤分離装置40では、廃
液の導入、塩素系有機溶剤の分離・気化・排出、水およ
び/または水に溶解している塩素系有機溶剤の排出、分
離部33を構成する分離部材の再生を連続的に行うこと
が出来るため、効率よく溶剤分離をすることが可能であ
る。
【0021】次に、図に、本発明の溶剤分離装置を用
いたドライクリーニング装置の廃液処理装置の一例を示
す。この例のドライクリーニング装置の廃液処理装置
は、溶剤分離装置20と、ドライクリーニング装置から
廃出された廃液を一時回収する廃液タンク41と、溶剤
分離装置20で分離され、気化された塩素系有機溶剤を
光酸化分解する光酸化分解処理部42と、後処理部43
と、気化処理部60とから構成されている。
【0022】以下に、この例の廃液処理装置を用いた廃
液処理工程を示す。先ず、ドライクリーニング装置から
排出された廃液が、廃液タンク41に回収される。次
に、この廃液を、廃液供給部44、導入部12を通して
溶剤分離装置20に導入する。分離部13で、廃液中に
分散している塩素系有機溶剤が多孔質材からなる分離部
材に吸着され、水および/または水に溶解している塩素
系有機溶剤が吸着されずに、排出部14から気化処理部
60に排出される。次に、気化処理部60の圧縮空気供
給部52から、曝気槽51内に圧縮空気を供給し、廃液
中に含まれる塩素系有機溶剤を気化する。気化した溶剤
ガスは、排出部14、溶剤分離装置20、導入部12、
気化ガス供給部45を通って光酸化分解処理部42に導
入される。また、圧縮空気供給部52から供給された圧
縮空気によって、分離部材に吸着している塩素系有機溶
剤も気化し、導入部12、気化ガス供給部45を通って
光酸化分解処理部42に導入される。気化した塩素系有
機溶剤ガスは、光酸化分解処理部42で光酸化分解さ
れ、この光酸化分解反応によって生じた塩素系ガスなど
を含む分解生成ガスが、分解生成ガス供給部46より後
処理部43に導入され、後処理部43において吸収、吸
着、中和され、無害な塩類へと変換される。
【0023】この例の気化処理部60では、曝気方式が
用いられている。図に示すように、この気化処理部6
0は、曝気槽51に、溶剤分離装置20から排出される
廃液を導入し、かつ曝気後の溶剤ガスを排出するための
排出部14と、圧縮空気を供給するための圧縮空気供給
部52と、圧縮空気を廃液内に分散するための散気部5
3と、曝気処理後の排液を排出するための排液出口部5
4とが設けられている。ここで、廃液とは、無害化する
ために本発明の廃液処理装置に投入される被処理溶液を
示し、排液とは、該廃液処理装置によって無害化処理が
施され、装置外に排出される処理済溶液を示す。
【0024】曝気槽51は、被処理溶液の処理量に応じ
て、その大きさを適宜決定され、耐食性、耐薬品性、撥
水性などに優れたフッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂な
どの高分子物質あるいはステンレスなどの金属を素材と
したもの、あるいはこれらを槽内壁にコーティングした
ものなどが用いられる。また、曝気槽51の内部には、
曝気効率を向上させるために、噴流式、プロペラ式など
の攪拌装置が設置されている。
【0025】また、圧縮空気供給部52から供給される
曝気時に用いられる圧縮空気の供給源としては、クリー
ニング業や洗浄業の工場などで一般的に配備されている
ものを用いることができる。また、気化ガス供給部45
は、耐食性に優れたフッ素系樹脂やポリエチレン系、ナ
イロン系樹脂などの高分子物質で形成されており、光酸
化分解処理部42に接続されている。光酸化分解処理部
42は、気化ガス供給部45から供給された気化ガスが
流通するガス流通管路内に、ガス中の有機物を光酸化分
解させる光触媒顆粒体が充填された光触媒反応部と、光
触媒顆粒体に紫外線光を照射する紫外線光源を有する人
工光照射部とを備えるものである。
【0026】上記光触媒顆粒体としては、塩素系有機ガ
スや塩素系ガスなどを吸着する無機物粉体と、光触媒粒
子とを、混合してなるものが用いられる。上記無機物粉
体の具体例としては、例えば、ケイ酸カルシウム、炭酸
カルシウム、炭酸ナトリウム、石灰、カオリンクレー、
ワラストナイト、タルク、ネフェリンシナイト、ゼオラ
イト、活性炭などが挙げられ、これらの中から1種もし
くは2種以上が混合して用いられる。上記光触媒粒子と
しては、光、例えば、近紫外線の照射などにより活性化
され、これに接触する有機物の光酸化分解反応を促進す
ることができるものが用いられ、具体的には、Ti
、CdS、SrTiO、Feなどが挙げら
れる。これらの中でも、性能に優れ、安価なコストのT
iOが最も好適に用いられる。
【0027】上記光触媒顆粒体における光触媒粒子の含
有量は、10〜95重量%、好ましくは30〜70重量
%程度、さらに好ましくは40〜60重量%程度とす
る。光触媒粒子の含有量が10重量%未満であると、光
酸化分解処理能力が低下し、塩素系有機ガスが未分解の
まま排出される可能性がある。含有量が95重量%を超
えると、光触媒顆粒体の塩素系有機ガス吸着保持力が低
下し、高濃度の塩素系有機ガスが短時間で投入された場
合に、塩素系有機ガスが捕捉されずに、未分解のまま排
出される恐れがある。
【0028】また、上記光触媒顆粒体は、粒状に圧縮成
形したものが好適に用いられる。この光触媒顆粒体の具
体的な形状としては、球状、樽状、短棒状、楕円球状、
タブレット状(略円柱状)などが挙げられる。また、光
触媒顆粒体には、穴を形成しても良いし、表面突起を形
成しても良い。
【0029】上記光触媒顆粒体の粒径は、1〜20m
m、好ましくは2〜10mm程度であり、その平均粒径
は、4〜8mm程度、好ましくは5〜7mm程度である
のが望ましい。粒径が1mm未満であると、目詰まりを
生じ易くなり、光触媒反応部におけるガス流通量が減少
するため、光酸化分解処理効率が低下する傾向にある。
粒径が20mmを超えると、光触媒顆粒体の比表面積
(単位重量当たりの表面積)が小さくなり、また、紫外
線光源から照射された光がガス流通管路の中心まで届き
難くなり、光触媒顆粒体の受光効率が低下するため、光
酸化分解処理効率が低下する傾向にある。
【0030】後処理部43は、耐食性に優れたポリエチ
レン系樹脂、フッ素系樹脂、ステンレスなどを素材とす
る、またはこれらを内壁面に被覆した容器などが用いら
れる。後処理部43には、分解生成ガス供給部46より
供給される分解生成ガスを、吸収、吸着、中和するため
の処理剤が注入されている。上記処理剤としては、例え
ば、亜硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、重炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カ
ルシウム、石灰、アンモニア、苛性ソーダ、重曹、アル
カリイオン水、水などの中から選択される1種、または
2種以上を含むアルカリ性イオン水などが用いられる。
これらの処理剤の形態は、液相に限らず、粉体状の流動
床であっても良く、また、それらの複合形であっても構
わない。
【0031】このような構造の廃液処理装置にあって
は、気化処理部60によって廃液中より気化された塩素
系有機ガスを含む気化ガスを、光酸化分解処理部42に
よって光酸化分解し、これによって生じた塩素系ガスを
含む分解生成ガスを後処理部43によって無害な塩類に
変換することができるように構成されているため、処理
後の排液、排ガス中に含まれる塩素系有機物、および2
次副産物である塩素系ガスの排出量を、排出基準内に抑
制することができ、環境汚染の抑制に貢献し得るもので
ある。また、ドライクリーニング装置などからの廃液中
に含まれる塩素系有機物を、気化処理部60において気
化させてから、光酸化分解処理部42において光酸化分
解させるように構成されているため、廃液をそのまま光
酸化分解させる場合よりも、光酸化分解処理効率を向上
させることができ、処理に要する時間やコストを削減で
きるものである。
【0032】また、光触媒顆粒体として、塩素系有機ガ
スや塩素系ガスなどを吸着する無機物粉体と光触媒粒子
との混合物を用いることによって、塩素系有機ガスなど
が光触媒顆粒体に吸着保持された状態で光酸化分解され
ることになるため、光酸化分解処理効率に優れ、未分解
の塩素系有機物が光酸化分解処理部43の外部に排出さ
れることがないものである。
【0033】以下、具体例を示す。かかる具体例は、本
発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するも
のではなく、本発明の範囲で任意に変更が可能である。
本実験例では、図に示す廃液処理装置を用いた。この
廃液処理装置を構成する溶剤分離装置20では、処理槽
11として、底面の外径80mm、高さ140mmの円
柱状のものを用いた。また、処理槽11内に、平均分子
量10万〜500万の超高分子ポリエチレンの焼結体か
らなり、空孔径10〜300μm、空孔率10〜50%
の多孔質材からなる分離部材を充填した。また、廃液ま
たは廃液から分離された塩素系有機溶剤を気化するため
の空気を処理槽内に導入する導入部12として、内径4
mm、外径6mmのナイロン製管を用いた。また、塩素
系有機溶剤が分離された廃液または気化した塩素系有機
溶剤を排出する排出部14として、内径4mm、外径6
mmのテフロン製管を用いた。さらに、溶剤分離装置2
0で塩素系有機溶剤が分離された廃液を曝気処理するた
めに、曝気槽51を有する気化処理装部60を用いた。
【0034】溶剤分離装置20内に、塩素系有機溶剤の
パークロロエチレン(以下、「PCE」と略す。)濃度
が200mg/lである廃液を10l注入し、多孔質材
と接触させて、その後の廃液中のPCE濃度を測定し
た。結果を溶剤分離過程後として、表1に示す。次に、
曝気量20l/分、曝気槽内圧2kg/cmとなるよ
うに調整しながら、60分間曝気処理を行い、15分毎
に廃液中のPCE濃度を測定した。比較として、溶剤分
離装置20を用いずに曝気処理のみを行った場合の廃液
中のPCE濃度を測定した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果から、溶剤分離装置20で処理
した後の廃液を曝気処理すると、該装置で処理せずに曝
気処理した場合よりも、PCE濃度を大幅に低減するこ
とができることが分かる。したがって、廃液中に溶解せ
ずに微小な粒状態で分散しているPCEを、溶剤分離装
置20の多孔質材からなる分離部材によりほぼ完全に吸
着することが可能であることが分かる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の溶剤分離
装置にあっては、廃液の導入、塩素系有機溶剤の分離・
気化・排出、水の排出、溶剤分離部を構成する多孔質材
からなる分離部材の再生を連続的に行うことが出来るた
め、効率よく溶剤分離をすることができる。また、本発
明の溶剤分離装置にあっては、塩素系有機溶剤と水との
濡れ性の差を利用して、多孔質材に塩素系有機溶剤を吸
着させるため、廃液中に微小な粒状態で分散している塩
素系有機溶剤であっても、吸着、分離することが可能で
ある。また、一旦、分離部材に吸着した塩素系有機溶剤
は、再度廃液中に分散することはない。したがって、塩
素系有機溶剤と水の分離が完全に行われるため、溶剤分
離装置から排出される水には塩素系有機溶剤が混入する
ことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いられる多孔質材からなる分離部
材を示す概略図である。
【図2】 本発明の溶剤分離装置の例を示す断面図で
ある。
【図3】 本発明の溶剤分離装置の例を示す断面図で
ある。
【図4】 本発明の溶剤分離装置を用いたドライクリー
ニング装置の廃液処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
11,21,31…処理槽、12,22,32…導入
部、13,24,33…分離部、25,35…排水部、
20,30,40…溶剤分離装置、14…排出部、2
3,36…供給部、26,34…排気部、27…内層、
28…外層、41…廃液タンク、42…光酸化処理部、
43…後処理部、44…廃液供給部、45…気化ガス供
給部、46…分解生成ガス供給部、51…曝気槽、52
…圧縮空気供給部、53…散気部、54…排液出口部、
60…気化処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 剛 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−92785(JP,A) 特開 平10−5755(JP,A) 特開 昭63−134007(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 17/00 - 17/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素系有機溶剤と水の混合物を導入する
    導入部と、前記混合物を分離する撥水性および/または
    親油性の多孔質材からなる分離部材を有する分離部と、
    該分離部で分離された水を排出する排水部と、該分離部
    に空気を供給する供給部と、空気および/または気化し
    た塩素系有機溶剤を排出する排気部を有することを特徴
    とする溶剤分離装置。
  2. 【請求項2】 前記排水部が前記分離部の下部に設けら
    れ、前記排気部が前記分離部の上部に設けられている
    とを特徴とする請求項1記載の溶剤分離装置。
  3. 【請求項3】 前記分離部によって隔てられた内槽と外
    槽とを有し、前記供給部が前記外槽の一端に設けられ、
    前記導入部が前記内槽の一端に設けられ、前記排気部が
    前記外槽の他端に設けられ、前記排水部が前記内槽の他
    端に設けられていることを特徴とする請求項1記載の溶
    剤分離装置。
  4. 【請求項4】 前記分離部材の形状は、膜状、板状、管
    状、容器状または顆粒状であることを特徴とする請求項
    ないし3のいずれかに記載の溶剤分離装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないしのいずれかに記載の溶
    剤分離装置を用いることを特徴とするドライクリーニン
    グ装置。
  6. 【請求項6】 塩素系有機溶剤と水の混合物を導入部に
    導入する工程と、前記混合物を撥水性および/または親
    油性の多孔質材からなる分離部材を有する分離部で塩素
    系有機溶剤と水とに分離する工程と、該分離部で分離さ
    れた水を排水部から排出する工程と、前記導入部から空
    気を導入して分離部に空気を供給する工程と、前記空気
    および/または気化した塩素系有機溶剤を排気部から排
    気することにより前記分離部材を再生する工程とを含む
    ことを特徴とする溶剤分離方法。
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