JP2004305958A - 水溶液の処理方法及び水溶液の処理装置 - Google Patents

水溶液の処理方法及び水溶液の処理装置 Download PDF

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Mitsumasa Okada
光正 岡田
Wataru Nishijima
渉 西嶋
Yoichi Nakano
陽一 中野
Kiyokazu Okawa
清和 大川
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Abstract

【課題】有機塩素化合物により汚染された水溶液を処理する際に、再生炉等の大型装置を使用せず、有機塩素化合物を吸着した活性炭等の吸着剤を簡易な手段により再生する方法を含む、有機塩素化合物を含有する水溶液の処理方法を提供すること。
【解決手段】トリクロロエチレン等の有機塩素化合物を含有する水溶液を吸着塔10に導入し、有機塩素化合物を粒状活性炭等の吸着剤11に吸着させる工程と、予め酢酸水溶液調製タンク30において濃度40容量%以上に調製された酢酸水溶液を吸着塔10内に導入し、吸着剤11に吸着させた有機塩素化合物を酢酸水溶液中に脱着させる工程と、脱着させた有機塩素化合物を含有する酢酸水溶液をオゾン反応槽20に導入し、酢酸水溶液中の有機塩素化合物をオゾン分解させる工程と、を含む有機塩素化合物を含有する水溶液の処理方法及び水溶液の処理装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水溶液の処理方法に関し、より詳しくは、有機塩素化合物を低濃度で含有する水溶液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境省の調査によれば、例えば、地下水や埋め立て地浸出水等の自然界における環境水への有機塩素化合物の汚染が広がり、今なお顕在化している。特に、飲料水として用いられる地下水中に、ドライクリーニング又は精密機器洗浄剤として使用されているトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の汚染が拡がり、大きな社会問題となっている。
【0003】
ところで、有機塩素化合物の処理手段としては、例えば、微生物学的処理手段、化学的処理手段、物理化学的手段等の多くの方法が提案されている。これらの方法においては、通常、有機塩素化合物を含有する水溶液を直接活性炭に吸着させる方法、又は、揚水曝気により揮発した有機塩素化合物を気相中で活性炭に吸着させる方法等の活性炭吸着法により有機塩素化合物を濃縮する操作が行われる。
【0004】
このような活性炭吸着法により有機塩素化合物を吸着させた活性炭の大部分は、焼却炉で焼却後、産業廃棄物として埋め立て処分がなされているが、一方、吸着処理後の活性炭を再利用する方法も提案され、一部実施されている。例えば、有機塩素化合物を吸着した活性炭をヘレショフ型竪型多段炉等の再生炉により再生する際に、乾燥段階、炭化段階及び最終ガス化段階で生成する排ガスを固体触媒に接触させ、ガス中に含まれる有機塩素化合物を酸化分解する方法等が挙げられる(特許文献1)。この方法により再生された活性炭は、有機塩素化合物の吸着用として再利用が可能になると共に大気中へ有害な有機塩素化合物を揮散させることを抑制出来るとされている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−316106号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、有機塩素化合物を吸着した活性炭を再生炉中で数百℃の温度に長時間晒す必要があることから、活性炭の損失が極めて大きいという問題がある。さらに、極めて高価な再生炉設備が必要であり、また固体触媒設備も別途必要となる。
【0007】
また、通常、環境水が有機塩素化合物で汚染された場所には活性炭吸着塔のみが設置され、再生炉等のこれらの設備は、別の異なる場所に設けられるのが一般的である。そのため、活性炭吸着塔において使用され吸着能力が低下した活性炭の交換、有機塩素化合物を吸着した活性炭及び再生された活性体の運搬、という煩雑な作業が必要になる。さらに、活性炭の交換の頻度を考慮すると、活性炭吸着塔は大型なものが必要とされる。
【0008】
このように、本発明は、従来、有機塩素化合物を吸着した活性炭を再利用する際に浮き彫りになった問題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、有機塩素化合物により汚染された水溶液を処理する際に、再生炉等の大型装置を使用せず、有機塩素化合物を吸着した活性炭等の吸着剤を簡易な手段により再生する方法を含む、有機塩素化合物を含有する水溶液の処理方法及び水溶液の処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明においては、吸着剤に吸着された有機塩素化合物を酢酸を用いて脱着させる方法を採用している。即ち、本発明が適用される水溶液の処理方法は、水溶液中に含まれる有機塩素化合物を吸着剤に吸着させる吸着工程と、吸着工程により吸着剤に吸着された有機塩素化合物を酢酸水溶液中に脱着させる脱着工程と、脱着工程により酢酸水溶液中に脱着された有機塩素化合物を分解する分解工程と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
具体的には、吸着工程における吸着剤が、粒状活性炭又は芳香族系合成吸着剤であることが好ましい。また、脱着工程において使用される酢酸水溶液の濃度が、好ましくは40容量%以上、特に好ましくは50容量%以上であることを特徴とすれば、この濃度に調製された酢酸水溶液を使用することにより、吸着剤に吸着した有機塩素化合物の脱着率が飛躍的に向上する。
【0011】
また、酢酸水溶液を使用して脱着工程により有機塩素化合物が脱着された吸着剤は、吸着工程において再度使用することができる。さらに、有機塩素化合物が分解された酢酸水溶液は、脱着工程において再度使用することができる。酢酸水溶液中に含有された有機塩素化合物としては、トリクロロエチレンが好ましい。
【0012】
そして、本発明が適用される水溶液の処理方法は、脱着された有機塩素化合物を含む酢酸水溶液中にオゾンガスを導入し、この酢酸水溶液中において有機塩素化合物をオゾン分解する分解工程を有することを特徴とすれば、例えば、トリクロロエチレン等の有機塩素化合物のオゾン分解の効率が、純水中と比較して、大幅に増大する。
【0013】
一方、本発明が適用される水溶液の処理装置は、有機塩素化合物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔と、この吸着剤に吸着された有機塩素化合物を脱着する酢酸水溶液を吸着塔に導入すると共に、酢酸水溶液を調製する酢酸水溶液調製タンクと、吸着塔にて酢酸水溶液中に脱着された有機塩素化合物をオゾン分解するオゾン反応槽と、を有することを特徴とするものである。とりわけ、吸着塔に充填される吸着剤は、吸着塔の全高に対して3分の1乃至3分の2になるように吸着塔に充填されることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本実施の形態が適用される水溶液の処理方法について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される水溶液の処理方法を説明するための図である。図1に示された水溶液処理装置100は、水溶液中に含有された有機塩素化合物を吸着するための吸着塔10と、酢酸水溶液中に脱着させた有機塩素化合物をオゾン分解させるオゾン反応槽20と、酢酸水溶液を調製する酢酸水溶液調製タンク30と、を有し、脱着させた有機塩素化合物を含有する酢酸水溶液をオゾン反応槽20に導入するためのオゾン反応槽導入管21と、有機塩素化合物をオゾン分解させた酢酸水溶液を酢酸水溶液調製タンク30に供給するための反応残液供給管31と、酢酸水溶液調製タンク30において適当な濃度に調製された酢酸水溶液を吸着塔10に供給するための酢酸水溶液供給管14と、によりそれぞれ連結されている。
【0015】
吸着塔10は、充填された吸着剤11と、吸着塔10に有機塩素化合物を含有する水溶液を供給する被処理水供給管12と、吸着塔10に水を供給するための水供給管13と、吸着剤11により有機塩素化合物が吸着処理された水を排出するための処理水排出管15と、排水を排出するための排水排出管16と、を有する。オゾン反応槽20は、オゾン反応槽20においてオゾン分解されて発生したガスを排出するためのガス排出管24と、ガス排出管24により排出されたガスを処理し大気中に放出するための排ガス処理ユニット25と、を有する。酢酸水溶液調製タンク30は、酢酸水溶液調製タンク30に新たに酢酸を供給するための新酢酸供給管32と、酢酸希釈用水供給管33とを有する。
【0016】
初めに、水溶液中に含まれる有機塩素化合物を吸着剤11に吸着させる工程について説明する。有機塩素化合物を含有する水溶液は、ポンプ(図示せず)を介し被処理水供給管12を経由して吸着塔10に供給される。吸着塔10に供給された水溶液は、吸着塔10に充填された吸着剤11と接触し、水溶液中に含まれる有機塩素化合物が吸着剤11に吸着される。吸着塔10において有機塩素化合物が吸着剤11により吸着処理された処理水は、処理水排出管15を経由して吸着塔10外に排出される。吸着塔10において有機塩素化合物を吸着剤11に吸着させる方法は特に限定されないが、好ましくは、密閉型円筒状の吸着塔10内に吸着剤11を充填し、被処理水を下向流で通水する。この操作により、吸着剤11の利用効率を上げることが出来ると共に、処理液中の有機塩素化合物濃度を極めて低減させることが出来る。
【0017】
吸着塔10に充填される吸着剤11の種類は、含有された有機塩素化合物の性状および濃度等に応じて適宜選択され特に限定されないが、通常、粒状活性炭、スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体等の芳香族系合成吸着剤等が使用される。粒状活性炭は合成吸着剤と比べて相対的に脱着性能に劣るものの吸着性能に優れている。一方、合成吸着剤は吸着性能では劣るものの脱着性能に優れている。吸着剤11の充填量は、処理すべき被処理水の量および含有される有機塩素化合物濃度、吸着剤単位容量当たりの吸着量によって適宜決定され、特に限定されないが、通常、吸着塔10の全高に対して3分の1乃至3分の2になるように充填される。吸着塔10の上部に空塔部分を予め設けることにより、例えば、懸濁物質等が被処理水と共に吸着塔10に入り、吸着剤11による吸着処理に支障を来した場合に、吸着塔10下部から水及び/又は空気を導入して吸着剤11を洗浄することが可能となる。
【0018】
尚、吸着塔10は、上方部に分散機構、下方部に集液機構を有した密閉円筒状のものが好ましい。又、連続的に被処理液を処理する必要がある場合は、吸着塔10とは別に、吸着塔をもう1塔設置する。有機塩素化合物を含有する水溶液の吸着塔10への供給は、所定の計画処理量に達するか、または、処理水排出管15から排出された処理水中に有機塩素化合物が漏洩し始めた点で停止される。
【0019】
次に、吸着剤11に吸着された有機塩素化合物を酢酸水溶液中に脱着し、吸着剤11を再生させる工程について説明する。有機塩素化合物は吸着剤11に疎水的吸着をしていることから、単に水のみでは脱着できず、適当な有機溶媒が必要である。本実施の形態においては、有機溶媒として酢酸水溶液を使用することにより、後工程であるオゾンによる有機塩素化合物の分解効率が飛躍的に向上する。
【0020】
尚、有機溶媒として汎用性の高いメタノール等のアルコール類は、オゾンとの反応性が高く溶媒自体が分解するため、有機塩素化合物の効率的な分解が期待できない。我々の検討によれば、例えば、有機塩素化合物の一種であるクロロフェノール類のオゾン分解については、アセトン、アセトニトリル、および酢酸メチルに対して、酢酸は最もオゾン分解速度が高い有機溶媒であるとの結果を得た。酢酸等のカルボン酸は、オゾンとの反応性が低く、それ自体酸性であることから、オゾンの自己分解に伴うヒドロキシラジカルの生成による非選択的な分解を免れる。従って、酢酸水溶液中の有機塩素化合物を選択的にオゾン分解することが可能である。
【0021】
吸着剤11から有機塩素化合物を脱着させる工程は、例えば、吸着塔10内に所定量の酢酸水溶液を注入し、次いで空気等のガスを用いて混合攪拌して有機塩素化合物を液相側に脱着させ、次いで水を使って吸着塔10内の液相部分を置換し塔外に流出した脱着液を回収する方法、または所定量の酢酸水溶液を下向流若しくは上向流で連続的に吸着塔10内に注入し脱着液を回収する方法があるが、何れを採用してもよい。
【0022】
本実施の形態が適用される水溶液の処理方法においては、先ず、酢酸水溶液調製タンク30において、適当な濃度に調製された所定量の酢酸水溶液が、ポンプ(図示せず)を介し酢酸水溶液供給管14を経由して吸着塔10に供給される。酢酸水溶液の酢酸濃度は特に限定されないが、通常、40容量%以上、好ましくは50%容量以上に調製される。次いで、空気等のガスを吸着塔10内に供給し、吸着剤11と酢酸水溶液とを混合攪拌し、吸着剤11に吸着された有機塩素化合物を酢酸水溶液側に脱着させる。尚、図示していないが、吸着塔10に供給される酢酸水溶液又水は、吸着塔10に対して上向流に供給してもよい。
【0023】
また、吸着塔10内に連続的に酢酸水溶液を供給しながら、吸着剤11に吸着された有機塩素化合物の脱着操作を行うことも可能である。この場合、酢酸水溶液供給管14を経由して吸着塔10に供給された酢酸水溶液は、吸着塔10内を下向流で降下し、吸着剤11と連続的に接触しながら有機塩素化合物が脱着される。
【0024】
所定量の酢酸水溶液を供給し、吸着剤11に吸着された有機塩素化合物の脱着処理が終了した後に、水供給管13を経由して吸着塔10内に水を供給し、吸着塔10内の酢酸水溶液を吸着塔10外に排出し、オゾン反応槽導入管21を経由してオゾン反応槽20に導入する。又、吸着塔10外に排出された液体のうち、有機塩素化合物を含まない水又は低濃度酢酸水溶液は、排水排出管16を経由して排出される。尚、有機塩素化合物を含まない水等は、酢酸水溶液を吸着塔10に供給する前に吸着塔10内部の水相部分を吸着塔10外に排出してもよい。
【0025】
有機塩素化合物を脱着処理により脱着させた吸着剤11は、適当量の水で洗浄後、有機塩素化合物の吸着処理用として繰り返し使用することが出来る。尚、吸着処理用として繰り返し使用する前に、水酸化ナトリウム水溶液を用いたアルカリ洗浄操作と、次いで水洗浄操作を適宜行ってもよい。これらの操作により、吸着剤11の吸着能力の低下を抑制でき、長寿命化を図ることが出来る。
【0026】
続いて、酢酸水溶液中に脱着された有機塩素化合物を分解させる工程について説明する。吸着剤11から脱着された有機塩素化合物を含む酢酸水溶液は、オゾン反応槽導入管21を経由してオゾン反応槽20に導入される。オゾン反応槽20に導入された有機塩素化合物を含む酢酸水溶液は、オゾン供給管22を経由してオゾン反応槽20内に導入されたオゾンにより分解される。
【0027】
オゾンは、適当なオゾン発生器(図示せず)により発生させ、オゾン反応槽20内に導入されたオゾンは、オゾン供給管22の先端に接続されたオゾン散気管23からバブリングされる。オゾンと接触した酢酸水溶液中の有機塩素化合物は、オゾンにより強制酸化処理され、塩素ガスと炭酸ガスとに分解され、これらの生成ガスは未反応のオゾンと共に、ガス排出管24を経由して、排ガス処理ユニット25に導入され、無害化された後、大気中に放出される。酢酸水溶液中における有機塩素化合物のオゾン分解の効率は、例えば、トリクロロエチレンの場合は、純水中と比較して、4〜48%増大する。尚、オゾン反応槽20内で有機塩素化合物が分解処理された酢酸水溶液は、反応残液供給管31を経由して酢酸水溶液調製タンク30に導入される。
【0028】
本実施の形態が適用される水溶液の処理方法において、本発明者等は、酢酸水溶液中に含まれる、例えば、トリクロロエチレンをオゾンにより分解処理を行うと、その分解処理の結果により得られた塩素生成物のほぼ全量が塩素ガスであることを見出した。この塩素ガスを、定法により酢酸水溶液から気液分離した後に回収した酢酸は、吸着塔10内に充填された吸着剤11に吸着された有機塩素化合物を脱着させるために再利用することが出来る。
【0029】
尚、酢酸水溶液は、酢酸水溶液調製タンク30において、新酢酸供給管32から導入された酢酸と、酢酸希釈用水供給管33から導入された希釈用水と、オゾン反応槽20においてオゾン分解反応処理がなされ反応残液供給管31を介して導入された酢酸水溶液とを適当に混合し、所定の酢酸濃度に調製した後、吸着塔10に酢酸水溶液供給管14を介して供給される。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本実施の形態を、より具体的に説明する。尚、本実施の形態は、実施例に限定されるものではない。
(有機塩素化合物濃度の測定方法)
JIS K0125に準拠し、水素炎イオン化検出器(GC−FID:島津GC14B)及び電子捕獲型検出器(GC−ECD:島津GC14B)を装備したガスクロマトグラフを用いたヘッドスペースGC法で行った。測定試料中のTCEの濃度が、GC−FIDのTCE検出限界(0.3mg/l)以下の場合は、GC−ECDを用いた。
【0031】
(粒状活性炭(GAC)に吸着したトリクロロエチレン(TCE)の脱着処理)容量204mlのガラス製フランビン中に、酢酸(試薬特級:片山化学製)と超純水により調製した酢酸水溶液200mlを満たし、次に、TCEを3.0mg/gになるように予め吸着させたGAC(カルゴン社製Filtrasorb400:粒子径1.0〜1.4mm)0.5gを加え、ガラス栓により密閉した。続いて、このガラス製フランビンを、恒温振盪器により、30±0.5℃、140rpmで120分間攪拌し、酢酸水溶液中にTCEを脱着させた。
【0032】
(酢酸水溶液中のトリクロロエチレン(TCE)のオゾン分解)
容量10mlのガラス製フランビンに酢酸水溶液100mlを満たし、オゾン発生器(富士電機製POX−10)を用いて10mg/lのオゾンガスを20ml/分で供給し、溶存オゾン濃度を5mg/lに調製した。オゾン曝気後、TCE飽和水溶液(1.03mg/l)0.1mlを添加し、ガラス栓で密栓し、スターラーを用いて緩やかに攪拌しながら、30±0.5℃で酢酸水溶液中に溶存したオゾンによるTCEの分解を行った。
【0033】
(吸着剤の繰り返し吸脱着処理)
容量50mlのバイアルビン中に酢酸50mlを満たし、次に、蒸留水と2,4−ジクロロフェノール(2,4−DCP)により調製した水溶液中に長時間浸漬して、2,4−DCP平衡濃度1μg/l時に吸着される2,4−DCP量を予め吸着させた吸着剤2.5gを、バイアルビン中に加え、テフロンコートのブチルゴムセプタムとアルミ栓により密栓した。続いて、このバイアルビンを、恒温振盪器により、20±0.5℃、120rpmで24時間振盪し、酢酸中に2,4−DCPを脱着させた吸着剤を蒸留水で洗浄した後自然乾燥させ、再び、2,4−DCP平衡濃度1μg/l時に吸着される2,4−DCP量を吸着させ、上記と同様な操作を5回繰り返し、2,4−DCPの脱着率を求めた。
【0034】
(実施例1)
表1に示す濃度に調製した酢酸水溶液を用いて、粒状活性炭(GAC)に吸着したトリクロロエチレン(TCE)の脱着処理を行い、TCE脱着率を測定した。TCE脱着率は、GACの脱着処理を120分間行った後、酢酸水溶液中のTCE脱着量を、GACに吸着させた初期のTCE吸着量で除した値を脱着率として求めた。また、酢酸水溶液中に脱着させたTCEのオゾン分解を行い、単位オゾン当たりのTCEの分解量を測定した。結果を表1及び図2に示す。
【0035】
【表1】
Figure 2004305958
【0036】
表1及び図2の結果から、酢酸水溶液中の酢酸濃度の増大に伴い、粒状活性炭(GAC)に吸着させたTCEの脱着率が飛躍的に増大し、酢酸水溶液濃度40vol%において、TCE脱着率が0.7を示し、酢酸水溶液濃度50vol%以上において、GACに吸着させたTCEが全量脱着され、GACが再生されることが分かる。また、酢酸水溶液中において行ったオゾン分解は、純水(酢酸濃度0%)と比較して4〜48%増大し、酢酸の存在により有機塩素化合物のオゾン分解が効率良く行われたことが分かる。
【0037】
(実施例2)
表2に示した3種類の吸着剤(粒状活性炭(GAC)、SP850、SP207)の繰り返し吸脱着処理をそれぞれ行い、繰り返し吸脱着処理後の2,4−ジクロロフェノール(2,4−DCP)の脱着率を求めた。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 2004305958
【0039】
(1)SP850:三菱化学(株)製芳香族系合成吸着剤セパビーズSP850比表面積1000m/g
(2)SP207:三菱化学(株)製芳香族系修飾型合成吸着剤セパビーズSP207、比表面積630m/g
【0040】
表2の結果から、2,4−ジクロロフェノール(2,4−DCP)を吸着させた吸着剤に対して、酢酸を用いて繰り返し吸脱着処理を行うと、2,4−DCPは全量脱着し、これらの吸着剤は再生利用が可能であることが分かる。
【0041】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、有機塩素化合物を吸着した吸着剤を簡易な手段により再生する方法を含む、有機塩素化合物を含有する水溶液の処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による有機塩素化合物を含有する水溶液の処理方法を説明するための図である。
【図2】実施例1における酢酸水溶液による粒状活性炭(GAC)に吸着したトリクロロエチレン(TCE)の脱着率の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10…吸着塔、11…吸着剤、12…被処理水供給管、13…水供給管、14…酢酸水溶液供給管、15…処理水排出管、16…排水排出管、20…オゾン反応槽、21…オゾン反応槽導入管、22…オゾン供給管、23…オゾン散気管、24…ガス排出管、25…排ガス処理ユニット、30…酢酸水溶液調製タンク、31…反応残液供給管、32…新酢酸供給管、33…酢酸希釈用水供給管、100…水溶液処理装置

Claims (9)

  1. 水溶液中に含まれる有機塩素化合物を吸着剤に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着剤に吸着された前記有機塩素化合物を酢酸水溶液中に脱着させる脱着工程と、
    前記酢酸水溶液中に脱着された前記有機塩素化合物を分解する分解工程と、
    を有することを特徴とする水溶液の処理方法。
  2. 前記吸着工程における前記吸着剤が、粒状活性炭又は芳香族系合成吸着剤であることを特徴とする請求項1記載の水溶液の処理方法。
  3. 前記脱着工程における前記酢酸水溶液の濃度が、40容量%以上であることを特徴とする請求項1記載の水溶液の処理方法。
  4. 前記脱着工程により前記有機塩素化合物が脱着された前記吸着剤を、前記吸着工程において再度使用することを特徴とする請求項1記載の水溶液の処理方法。
  5. 前記分解工程により前記有機塩素化合物が分解された前記酢酸水溶液を、前記脱着工程において再度使用することを特徴とする請求項1記載の水溶液の処理方法。
  6. 前記有機塩素化合物が、トリクロロエチレンであることを特徴とする請求項1記載の水溶液の処理方法。
  7. 前記分解工程が、脱着された前記有機塩素化合物を含む前記酢酸水溶液中にオゾンガスを導入し、当該有機塩素化合物をオゾン分解することを特徴とする請求項1記載の水溶液の処理方法。
  8. 有機塩素化合物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔と、
    前記吸着剤に吸着された前記有機塩素化合物を脱着する酢酸水溶液を当該吸着塔に導入すると共に、当該酢酸水溶液を調製する酢酸水溶液調製タンクと、
    前記吸着塔にて前記酢酸水溶液中に脱着された前記有機塩素化合物をオゾン分解するオゾン反応槽と、
    を有することを特徴とする水溶液の処理装置。
  9. 前記吸着塔は、当該吸着塔の全高に対して3分の1乃至3分の2になるように前記吸着剤が充填されることを特徴とする請求項8記載の水溶液の処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015528519A (ja) * 2012-08-09 2015-09-28 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company 殺生物剤を有するコーティング組成物
JP2017000992A (ja) * 2015-06-15 2017-01-05 東洋紡株式会社 水処理システム
JP2020124701A (ja) * 2019-01-31 2020-08-20 同▲済▼大学 水中の塩化物を除去する方法

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