JP3478918B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

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智明 山ノ井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電解コンデンサ
電極用アルミニウム箔に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサ用電極材と
して一般に用いられるAl箔には、その実効面積を拡大
して単位面積当たりの静電容量を増大するため、通常、
電気化学的あるいは化学的エッチング処理が施される。
【0003】しかし、箔を単にエッチング処理するのみ
では十分な静電容量が得られない。このため、一般的に
は箔圧延後の最終焼鈍工程において、立方体方位を多く
有する集合組織にして箔のエッチング特性を向上させる
べく、450℃程度以上の高温加熱処理が施されてい
る。また、箔の化学組成に関しては、微量元素を添加す
ることが行われている(特開昭57−110646号
等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の高温加
熱処理を施したアルミニウム箔、あるいは微量元素を添
加したアルミニウム箔は、昨今の電解コンデンサの高静
電容量化の要求に対して十分な満足を得るものではなか
った。
【0005】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、静電容量を増大し得る電解コンデ
ンサ電極用アルミニウム箔の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者は鋭意研究の結果、アルミニウム箔組成にC
uおよびAgを添加し、さらに各種微量元素を添加する
ことで、エッチングによる拡面率を増大させ、高静電容
量箔が得られることを見出した。
【0007】この発明は、かかる知見に基いてなされた
ものであって、アルミニウム純度が99.9%以上で、
かつCuを5ppm以上100ppm以下およびAgを
15ppm以上300ppm以下を含有するとともに、
50ppm≦3.75×CCu+CAg≦450ppm
(但、CCuはCu含有量、CAgはAg含有量)なる関係
を満たすこと、あるいはさらにZn:1〜50ppm、
Ga:1〜50ppm、Fe:5〜60ppm、Si:
5〜80ppmのうちの1種以上を含有するを要旨とす
る。
【0008】この発明に係るアルミニウム箔のアルミニ
ウム純度に99.9%以上を必要とするのは、99.9
%未満の純度では、エッチング時にエッチングピットの
成長が多くの不純物の存在によって阻害され、本発明範
囲のCuおよびAgの存在によってもなお均一な深いト
ンネル状のエッチングピットを形成できず、従って静電
容量の高いアルミニウム箔を得ることができないからで
ある。好ましくはアルミニウム純度を99.95%以上
とするのが良い。
【0009】アルミニウム箔中のAgは、エッチング時
にピットを高密度かつ均一に分布させるために必要な元
素である。即ち、一般にエッチング初期には箔表面に存
在する表面の凹凸や油、ロールコーティングなどの付着
物、あるいはそれらが変質したものから発生する不均一
な局部溶解ピットが発生し、エッチングピット密度の不
均一性(疎・密)を生じ、著しい場合には表面がクレー
ター状に溶解する。この不均一性はエッチング終了後も
残り、静電容量低下の原因となっている。そこで、この
ような不具合点を防止するために、これら表面に存在す
るエッチングピットの不均一要因を制御する試みが行わ
れているが、発明者らは、この点について鋭意研究の結
果、Agがエッチングピットの局部性をなくすととも
に、高密度に形成させる効果を有することを知見した。
Ag含有量が15ppm未満ではこのような効果が乏し
いが、300ppmを越えると最終焼鈍後の(100)
結晶面の占有率が低下するため、高静電容量箔を得るこ
とができない。なお、(100)結晶面の占有率が95
%以上であるとき静電容量の増大を図ることができる
が、Ag含有量が上記範囲内であれば95%以上を達成
できる。そこで、Ag含有量は、15ppm以上300
ppm以下とする必要がある。Ag含有量の特に好まし
い下限値は20ppm、好ましい上限値は200ppm
である。
【0010】また、Cuは、Alマトリックス中に固溶
することにより、箔の溶解性を増してエッチングピット
の成長を促進して深いエッチピットを形成し、静電容量
を増大させる。Cu含有量は5ppm未満では前記効果
が乏しく、また100ppmを越えると局部溶解性が強
まり、エッチピットの均一分布を妨げる。そのため、C
u含有量は5〜100ppmとする必要があり、好まし
い下限値は15ppm、特に好ましい下限値は20pp
m、好ましい上限値は60ppmである。
【0011】さらに、Cu含有量とAg含有量との間に
は、エッチピット密度と深さとの適正化を図り最も高い
静電容量を得るための相関関係がある。そこで、この発
明においては、これら2元素の含有量の範囲をそれぞれ
単独で定めるとともに、下記式を満たす範囲に限定して
いる。
【0012】 50ppm≦3.75×CCu+CAg≦450ppm 但、CCuはCu含有量、CAgはAg含有量 従って、この発明におけるCu、Agの含有量は図1に
示す範囲となる。
【0013】また、請求項2の電解コンデンサ電極用ア
ルミニウム箔において、微量元素Zn、Ga、Fe、S
iは、下記に詳述するようにそれぞれに箔のエッチング
特性の向上に寄与する。これらの元素は1種以上の存在
により、上述のMgとともに相乗的に静電容量の増大を
図ることができる。なお、これらの微量元素はそれぞれ
単独で添加しても良いし、また任意の2種以上を添加し
ても良く、それぞれの作用に応じた相乗的効果が得られ
る。
【0014】Znは、Alマトリックス中に固溶するこ
とにより、箔の溶解性を増してエッチングピットの成長
を促進し、静電容量を増大させる。Zn含有量は1pp
m未満では前記効果が乏しく、一方50ppmを越える
と局部溶解性が強まって、エッチピットの均一分布を妨
げる。そのため、Zn含有量は、1〜50ppmが好ま
しく、特に好ましい下限値は8ppm、特に好ましい上
限値は20ppmである。
【0015】Gaは、結晶粒界または亜粒界に偏析しや
すく、単独ではエッチピットの不均一分布をもたらす元
素であるが、Agが亜粒界のサイズを細かくするため、
Ag存在下ではエッチピットの均一分散性を高める効果
がある。Ga含有量は、1ppm未満では前記効果に乏
しく、一方50ppmを越えると局部溶解性が強まり、
エッチピットの均一分布を妨げる。そのため、Ga含有
量は1〜50ppmが好ましく、特に好ましい下限値は
8ppm、特に好ましい上限値は20ppmである。
【0016】Fe、Siは、マトリックス中でAlとの
化合物を形成しやすく、これらの元素の分散状態を制御
することにより、Agの濃度分布を均一にすることがで
き、ひいてはエッチピット分布を均一にすることができ
る。このような効果においてFe、Siは均等物であ
り、少なくとも1種を含有すれば良い。しかし、含有量
が多いとエッチング時の過溶解の原因となり静電容量が
低下する。そのため、Fe含有量は5〜60ppmが好
ましく、特に好ましい下限値は10ppm、特に好まし
い上限値は30ppmである。また、Si含有量は5〜
80ppmが好ましく、特に好ましい下限値は15pp
m、特に好ましい上限値は40ppmである。
【0017】
【実施例】次に、この発明の電解コンデンサ電極用アル
ミニウム箔の具体的実施例について説明する。
【0018】まず、表1に示す各種組成のアルミニウム
鋳塊を面削した後、熱間圧延、冷間圧延(中間焼鈍を含
む)を施し、さらに最終焼鈍を行い、最終的に厚さが1
00μmのアルミニウム箔を作製した。
【0019】次に、各アルミニウム箔について、以下の
条件でエッチングを実施したのち、得られたアルミニウ
ム箔を5%ホウ酸液中で250Vに化成したときの静電
容量を測定した。その結果を、比較例13の静電容量を
100%としたときの相対比較にて表1に示す。
【0020】 [エッチング条件] 前処理 液組成:0.01%NaOH,液温:40℃, 時間:50秒 一次エッチング 液組成:5%HCl+10%H2 SO4 、液温:70℃ 電流密度:直流20A/dm2 、時間:100秒 二次エッチング 液組成:5%HCl、液温:80℃、 電流密度:直流5A/dm2 、時間:8分
【表1】
【0021】表1の結果から、表面に本発明範囲のCu
およびAgを含有する本発明実施品は、本発明範囲を逸
脱する比較品に較べて静電容量を増大し得ることを確認
し得た。また、Zn、Ga、Fe、Siを所定範囲で添
加することにより、相乗的に静電容量の増大しうること
も確認し得た。
【0022】
【発明の効果】この発明に係る電解コンデンサ電極用ア
ルミニウム箔は、基本的に、アルミニウム純度が99.
9%以上で、かつCuを5ppm以上100ppm以下
およびAgを15ppm以上300ppm以下を含有す
るとともに、50ppm≦3.75×CCu+CAg≦45
0ppm(但、CCuはCu含有量、CAgはAg含有量)
なる関係を満たすことを特徴とするものであるから、エ
ッチピットの密度を高めるととも深さを大きくし、かつ
均一に分散させ、エッチング処理により極めて大きな拡
面率を得ることができる。従って、大きな静電容量を有
し電気的特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウ
ム箔となしうる。
【0023】また、上記のCuおよびAgの他に、Z
n:1〜50ppm、Ga:1〜50ppm、Fe:5
〜60ppm、Si:5〜80ppmのうちの1種以上
の含有によって、さらにエッチング特性が向上し、相乗
的に大きな静電容量を有し電気的特性に優れた電解コン
デンサ電極用アルミニウム箔となしうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔組成におけるCuおよびAgの含有量を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山ノ井 智明 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニ ウム株式会社内 (72)発明者 粟屋 庫太 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニ ウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−110646(JP,A) 特開 昭57−162322(JP,A) 特開 平1−214108(JP,A) 特開 平4−124806(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/045

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム純度が99.9%以上で、
    かつCuを5ppm以上100ppm以下およびAgを
    15ppm以上300ppm以下を含有するとともに、
    50ppm≦3.75×CCu+CAg≦450ppm
    (但、CCuはCu含有量、CAgはAg含有量)なる関係
    を満たすことを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミ
    ニウム箔。
  2. 【請求項2】 アルミニウム純度が99.9%以上で、
    かつCuを5ppm以上100ppm以下およびAgを
    15ppm以上300ppm以下を含有するとともに、
    50ppm≦3.75×CCu+CAg≦450ppm
    (但、CCuはCu含有量、CAgはAg含有量)なる関係
    を満たし、さらにZn:1〜50ppm、Ga:1〜5
    0ppm、Fe:5〜60ppm、Si:5〜80pp
    mのうちの1種以上を含有することを特徴とする電解コ
    ンデンサ電極用アルミニウム箔。
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JP4919724B2 (ja) * 2006-07-21 2012-04-18 東洋アルミニウム株式会社 印刷回路用アルミニウム合金箔
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