JP3478011B2 - 軸状部品の成形方法および型構造 - Google Patents

軸状部品の成形方法および型構造

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JP3478011B2
JP3478011B2 JP20377796A JP20377796A JP3478011B2 JP 3478011 B2 JP3478011 B2 JP 3478011B2 JP 20377796 A JP20377796 A JP 20377796A JP 20377796 A JP20377796 A JP 20377796A JP 3478011 B2 JP3478011 B2 JP 3478011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の膨径部を有
する軸状部品を、単動プレスを用いた据込み加工によっ
て成形するための成形方法および型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図23(a)に示す如く、複数のリブ
(膨径部)R1,R2を備えた軸状部品Sを製造する場
合、図23(b)に示すように軸状部品Sの形状に倣う
膨径部r1,r2を備えた粗材Tを鍛造成形し、この粗
材を切削等の機械加工によって軸状部品Sの所定形状に
成形する方法が一般に採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図23
(b)の如く複数の膨径部r1,r2を備えた粗材T
は、膨径部r1と膨径部r2とに挟まれた凹部Ta、い
わゆる中ヌスミ部の成形を必要とするため、復動プレス
等を用いて鍛造成形が実施されているが、装置が特殊で
あるために生産コストの増大等を招く不都合があり、こ
の不都合を解消するには単動プレスを用いて粗材を据込
み加工により鍛造成形することが望ましい。しかし、単
動プレスによる鍛造加工では中ヌスミ部の成形を行なう
ことができないため、後の工程で中ヌスミ部を機械加工
により形成することを前提として、図23(c)に示す
如く粗材Uを余肉の多い形状とせざるを得ず、これによ
って鍛造工程における投入重量が不用意に増大してしま
う不都合を招いていた。本発明は上記実状に鑑みて、複
数の膨径部を有する軸状部品を、不用意な投入重量の増
大を招くことなく、単動プレスを用いて成形することを
可能とする、軸状部品の成形方法および型構造の提供を
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる成形方法
は、互いに隣接する複数の膨径部における1つの膨径部
を粗材に成形する工程と、1つのの膨径部が鍛造成形さ
れた粗材に、複数の膨径部の間における中ヌスミ部と1
つの膨径部とを収容する分割型を装着し、かつ分割型と
共に粗材を成形型に収容し、互いに隣接する複数の膨径
部における前記1つの膨径部以外の膨径部を成形する工
程とを含んでいる。
【0005】また、本発明に関わる型構造は、粗材に成
形された1つの膨径部と、複数の膨径部の間における中
ヌスミ部とを収容し、かつ粗材と共に成形型に収容され
る一対の分割型を備えているとともに、これら一対の分
割型を付勢手段を介して開成方向に付勢する態様で互い
に開閉自在に連結している。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づいて、本発明を詳細に説明する。図1ないし図9は、
本発明に関わる成形方法および型構造によって、トラン
スミッションシャフトの粗材(粗形材)を製造する例を
示している。
【0007】図1(a)、(b)および(c)に示す如
く、トランスミッションシャフトの粗材100は、単動
プレスにおける複数工程の冷間鍛造加工(据込み加工)
を経て成形されるものであって、鍛造加工に先立って熱
処理(焼鈍)されたストレートの丸棒は、1回目の冷間
鍛造工程において、図示していない金型装置により、図
1(a)に示す如き形状の粗材100(I) に成形され
る。
【0008】この粗材100(I) は、2回目の冷間鍛造
工程において、図示していない金型装置により、図1
(b)に示す如く略中央部分に1つの膨径部100Aを
有した形状の粗材100(II)に成形される。
【0009】次いで、この粗材100(II)は、3回目の
冷間鍛造工程において、後述する金型装置1(図3およ
び図4参照)により、図1(b)に示す如き形状、すな
わち上述した1つの膨径部100Aに隣設する他の膨径
部100Bを有し、かつこれら膨径部100Aと膨径部
100Bとの間に中ヌスミ部100Cを有する形状の粗
材100(III) に成形される。
【0010】上述した如き工程を経て鍛造成形された粗
材100(III) は、鍛造歪み取りの熱処理(焼鈍)が施
されたのち、切削加工等の適宜な機械加工によって、図
2に示す如く形状のトランスミッションシャフトTSに
成形され、粗材100(III)における1つの膨径部10
0A、および他の膨径部100Bは、各々加工されてリ
ブTSaおよびギヤTSbを構成する。
【0011】図3は、本発明に関わる成形方法を実施す
るための金型装置、詳しくは上述した3回目の冷間鍛造
工程において使用される金型装置を示しており、この金
型装置1は単動プレスにセットされた成形型としての上
型10および下型20を備えるとともに、成形型として
の下型20には後に詳述する分割型30,30が収容さ
れている。
【0012】上型10は、上型ベース11にダイケース
12を介してダイ13とアイドル型14とが取り付けら
れ、さらにピンケース15にはアクチュエータロッド1
6により動作される上側ノックアウトピン17が設けら
れている。
【0013】一方、下型20は、下型ベース(ダイベー
ス)21にダイケース22を介してホルダブロック2
3、ダイ24,25およびアイドル型26が取り付けら
れ、さらにピンケース27にはアクチュエータロッド2
8によって動作される下側ノックアウトピン29が設け
られている。
【0014】また、下型20の上部には、ホルダブロッ
ク23とダイ24とによって、有底円筒形状を成す収容
部20Aが構成されており、この収容部20Aには3回
目の冷間鍛造工程において粗材100に装着した分割型
30,30が収容される。
【0015】図4ないし図8に示す如く、分割型30,
30は互いに鏡面対象を成し、かつ互いに組み合わせる
ことで中空円筒形状を呈する一組の部材であり、これら
分割型30,30の内方面には、それぞれ粗材100(I
I)と嵌合する収容凹部31が形成されている。
【0016】この収容凹部31は、1つの膨径部100
Aに嵌合する凹部31Aと、この凹部31Aの上方に設
けられた凹部31B、および凹部31Aの下方に設けら
れた凹部31Cとを有している。
【0017】ここで、収容凹部31における凹部31B
は、粗材100(II)において3回目の冷間鍛造工程によ
り粗材100(III) の中ヌスミ部100Cを構成する範
囲の軸部100c(図4参照)と嵌合するものであり、
もって各分割型30における収容凹部31は、粗材10
0における1つの膨径部100Aと中ヌスミ部100C
とを収容するものである。
【0018】各分割型30,30における上面30A,
30Aは、粗材100(III) の膨径部100Bにおける
内側端面100Ba(図1参照)、すなわち膨径部10
0Aと対向する端面を成形するためのダイとして作用す
る。
【0019】また、各分割型30,30には、各々下方
に向かって僅かに先細りと成る態様で抜き勾配が設けら
れているとともに、各分割型30における上面30Aと
下面30Bとには、それぞれ分割型30の方向(天地)
を判別するための識別マーク32a,32bが、互いに
異なる塗色(緑色と赤色)によって焼付け塗装されてい
る。
【0020】さらに、各分割型30,30には、それぞ
れ板バネ(付勢手段)40の端部が取り付けられてお
り、この板バネ40を介して各分割型30,30は、開
成方向に付勢されかつ図8(a)および(b)に示す如
く互いに開閉自在に連結されている。また、板バネ40
とネジ41,41とは、分割型30,30が閉じている
状態において、各分割型30,30の外周に形成された
凹溝30C,30Cに没入している。
【0021】なお、図8(b)は、各分割型30,30
が開いた状態の一態様に過ぎず、各分割型30,30は
粗材100の着脱作業を容易に行ない得る様々な開度で
開き得ることは言うまでもない。また、バネ鋼の薄板
(例えば0.4mm 程度)から構成されている板バネ40
は、分割型30,30を開閉する際の操作性や耐久性を
鑑みて、バネ特性やバネの変形率等を考慮した適宜な長
さ寸法に設定し得ることは勿論である。
【0022】上述した如き構成の金型装置1によって、
1つの膨径部100Aと他の膨径部100Bとを有する
粗材100(III) を成形するべく、3回目の冷間鍛造工
程を実施する場合には、先ず図9(a)に示す如く、2
回目の冷間鍛造工程において成形された粗材100(II)
に対して、1つの膨径部100Aを収容する態様で各分
割型30,30を装着する。
【0023】ここで、各分割型30,30は、上述した
ように板バネ40を介して互いに開閉自在に連結されて
いるため、粗材100(II)に対する装着作業が容易であ
り、極めて良好な作業性を得ることができる。
【0024】粗材100(II)に分割型30,30を装着
したのち、粗材100(II)を金型装置1の下型20にセ
ットし、次いで図示していない単動プレスを動作させる
ことによって、金型装置1の上型10と分割型30,3
0との協働作用により、図9(b)に示す如く他方の膨
径部100Bが形成され、粗材100(III) が成形され
ることとなる。
【0025】このように、分割型30,30を用いるこ
とによって、単動プレスを用いて1つの膨径部100A
と他の膨径部100Bとを有する粗材100(III) 、言
い換えれば中ヌスミ部100Cを有する粗材100(II
I) を成形することができるので、中ヌスミ部の成形が
行なえないために粗材の余肉を多く成形せざるを得なか
った従来の技術に対して、鍛造工程における粗材の投入
重量の増大を未然に防止することが可能となる。
【0026】また、粗材における投入重量の増大が防止
されることにより、粗材に施されるボンデ(潤滑)のコ
スト、および鍛造工程の前後に実施される熱処理のコス
トを低減させることが可能となる。
【0027】単動プレスの動作によって粗材100(II
I) を成形したのち、上型10と下型20とを開き、分
割型30,30と共に粗材100(III) を下型20から
取り出し、次いで分割型30,30を開いて粗材100
(III) を取り出す。
【0028】ここで、上述のように各分割型30,30
は板バネ40を介して連結されているため、粗材100
(II)からの取外し作業も極めて容易に行なうことができ
る。また、板バネ40を介して連結されているので、各
分割型30,30が互いに分散することがなく、一方の
分割型30のみが紛失してしまう等の不都合もないため
に、非使用時等における分割型30の管理も極めて容易
なものとなる。
【0029】ところで、一対の分割型における連結の態
様は、上述した一枚の板バネによる構成のみならず、図
10から図17図に示す如く、様々な態様を採用するこ
とができる。なお、図10から図17図に示す構成は、
連結の態様や具体的な付勢手段が異なるものの、各々の
分割型における収容凹部等の具体的な構成は、先に説明
した分割型30と基本的に何ら変るところはない。
【0030】図10に示す分割型300,300は、互
いに嵌合した凹部と凸部とから成るヒンジ部300hを
介して開閉自在に組合わされ、さらに各々の分割型30
0に設けられたフック301には、付勢手段としてのゴ
ム索400の端部が掛止されており、これによって分割
型300,300は、図示する如く閉成している状態に
おいて、ゴム索400の弾性復帰力により矢印Oで示す
開成方向に付勢されている。
【0031】なお、付勢手段としてのゴム索400は、
耐熱性を備えたフッ素系ゴムやシリコン系ゴム材料を紐
状に成形して成るものであり、また図からも明らかなよ
うにゴム索400は各分割型300の外周面に形成され
た凹溝300aに収容されている。
【0032】また、図11に示す分割型310,310
は、蝶番311を介して開閉自在に連結されており、蝶
番311の軸ピンに巻掛けられた線バネ(付勢手段)4
10が左右のリーフを付勢することで、図示する如く閉
成している状態において、線バネ410の弾性復帰力に
より矢印Oで示す開成方向に付勢されている。
【0033】ここで、上述の如く一対の分割型を、互い
に揺動させて開閉する態様で連結した構成は、膨径部の
張出量が大きい粗材を対象とする場合に適している。一
方、膨径部の張出量が小さい粗材を対象とする場合に
は、以下の図12から図17に示す如く、一対の分割型
を互いに近接離反させて開閉する態様で連結した構成が
適している。
【0034】図12に示す分割型320,320は、板
バネ(付勢手段)420,420を介して互いに開閉自
在に連結されており、図示する如く閉成している状態に
おいて板バネ420,420が大きく湾曲することで、
分割型320,320は各板バネ420の弾性復帰力に
より矢印Oで示す開成方向に付勢されている。
【0035】図13に示す分割型330,330は、計
4本のガイドピン331を介して互いに開閉自在に連結
され、さらに分割型330,330の間には、各々のガ
イドピン331に遊嵌する態様で、計4個のコイルバネ
(付勢手段)430,430…が介装されており、図示
するように閉成している状態において、各コイルバネ4
30が圧縮されることで、分割型330,330は各コ
イルバネ430の弾性復帰力により矢印Oで示す開成方
向に付勢されている。
【0036】なお、前記ガイドピン331は、各々の分
割型330,330に対して可動、あるいは一方の分割
型330に固設、かつ他方の分割型330に対して可
動、さらには各分割型330,330に対して別々のガ
イドピンを設ける等、様々な態様を採り得ることは言う
までもない。
【0037】図14および図15に示す分割型340,
340は、左右一対のリンクアーム341,341を介
して互いに開閉自在に連結されており、また分割型34
0,340の間には、計4個のコイルバネ(付勢手段)
440,440…が介装されている。
【0038】前記リンクアーム341は、一方端部に長
孔341aを有するとともに分割型340,340にピ
ン結合されて、分割型340,340を開閉自在に連結
しており、図示する如く閉成している状態において、各
コイルバネ440が圧縮されることで、分割型340,
340は各コイルバネ440の弾性復帰力により矢印O
で示す開成方向に付勢されている。なお、前記リンクア
ーム341を、各々の分割型340,340に対して移
動し得るようピン結合することも可能である。
【0039】図16および図17に示す分割型350,
350は、合計4本のリンクアーム351,351…を
介して互いに開閉自在に連結されており、また各々の分
割型350,350の間には、計4個のコイルバネ(付
勢手段)450,450…が介装されている。
【0040】前記リンクアーム351は、一方端部に長
孔351aを有するとともに分割型350,350にピ
ン結合されて、分割型350,350を開閉自在に連結
しており、図示する如く閉成している状態において、各
コイルバネ450が圧縮されることで、分割型350,
350は各コイルバネ450の弾性復帰力により矢印O
で示す開成方向に付勢されている。なお、前記リンクア
ーム351を、各々の分割型350,350に対して移
動し得るようピン結合することも可能である。
【0041】ところで、上述した実施の態様では、1つ
の膨径部と他の膨径部との2つの膨径部を有する粗材を
成形する例を示したが、上述した如き膨径部への分割型
の装着と鍛造工程とを繰り返すことによって、2つ以上
の多くの膨径部を有する粗材を単動プレスを用いて鍛造
成形することが可能である。
【0042】さらに、図18に示す如く、1つの膨径部
を挟んで位置する2個の膨径部を、単動プレスを用いて
同時に鍛造成形することが可能であり、図18に示す金
型装置1′は、成形型としての上型10′および下型2
0′を備えるとともに、成形型としての下型20′には
後述する分割型30′,30′が収容されている。な
お、金型装置1′における具体的な構成は、金型装置1
と基本的に同一なので、金型装置1と同一の作用を為す
構成要素に対して、符号に′(ダッシュ)を付すことに
より詳細な説明は省略する。
【0043】分割型30′,30′の内方面には、粗材
110(I) の膨径部110Aに嵌合する凹部31A′
と、この凹部31A′の上方に設けられた凹部31
B′、および凹部31A′の下方に設けられた凹部31
C′とを有している。
【0044】前記凹部31B′は、図18(b)の如く
鍛造成形された粗材110(II)の軸部(中ヌスミ部)1
10bと嵌合し、また前記凹部31C′は、前記粗材1
10(II)の軸部(中ヌスミ部)110cと嵌合する。
【0045】さらに、各分割型30′の上面30u′
は、粗材110(II)の膨径部110Bにおける膨径部1
10Aと対向する端面を成形するダイとして作用し、ま
た各分割型30′の下面30l′は、粗材110(II)の
膨径部110Cにおける膨径部110Aと対向する端面
を成形するダイとして作用する。
【0046】一方、成形型としての下型20′には、分
割型30′,30′を収容するための収容部20A′が
設けられ、さらに収容部20A′の下方には粗材110
(II)の膨径部110Cを鍛造成形するための空間20
B′が画成されている。
【0047】上述した如き構成の金型装置1によって、
1つの膨径部110Aを挟んだ2つの膨径部110B,
110Cを有する粗材110(II)を鍛造成形するには、
先ず図18(a)に示す如く、粗材110(I) に対して
1つの膨径部110Aを収容する態様で分割型30′,
30′を装着し、粗材110(I) を各分割型30′と共
に金型装置1′の下型20′にセットする。
【0048】次いで、図示していない単動プレスを動作
させることにより、図18(b)に示す如く、金型装置
1′の上型10′と各分割型30′との協働作用によっ
て、上方の膨径部110Bが成形されるとともに、下型
20′と各分割型30′との協働作用によって、下方の
膨径部110Cが成形されることにより、粗材110(I
I)が鍛造成形されることとなる。
【0049】このように、分割型30′,30′を用い
ることで、単動プレスを用いて中ヌスミ部としての軸部
110b,110cを有する粗材110(II)を成形で
き、もって従来の技術に比較して鍛造工程における粗材
の投入重量の増大を防止することが可能となり、併せて
粗材に施されるボンデのコスト、および鍛造工程の前後
に実施される熱処理のコストを低減させることが可能と
なる。
【0050】上述した如く粗材110(II)を鍛造成形し
たのちは、上型10′と下型20′とを開き、各分割型
30′と共に粗材110(II)を下型20′から取り出
し、次いで分割型30′,30′を開いて粗材110(I
I)を取り出せばよい。
【0051】一方、図19に示す如くギヤTS2a、T
S2bおよびTS2cを具備して成るトランスミッショ
ンシャフトTS2の粗材(粗形材)を製造する場合、図
20(a)、(b)および(c)に示す如く、粗材12
0は先に説明した粗材100と同様に、単動プレスにお
ける複数工程の冷間鍛造加工を経て成形される。
【0052】すなわち、鍛造加工に先立って熱処理され
たストレートの丸棒を、1回目の冷間鍛造工程におい
て、図20(a)に示す如き形状の粗材120(I) に成
形し、次いで2回目の冷間鍛造工程において、図20
(b)に示す如く略中央部分に1つの膨径部120Aを
有した形状の粗材120(II)に成形する。
【0053】次いで、この粗材120(II)を、3回目の
冷間鍛造工程において、後述する金型装置1″(図21
参照)により、図20(b)に示す如き形状、すなわち
上述した1つの膨径部120Aに重なり合う膨径部12
0Bと、膨径部120Aから離隔した膨径部120Cと
を有し、さらに膨径部120Aと膨径部120Cとの間
に中ヌスミ部120Dを有する形状の粗材120(III)
に成形される。
【0054】上述した如き工程を経て鍛造成形された粗
材120(III) は、鍛造歪み取りの熱処理(焼鈍)が施
されたのち、切削加工等の適宜な機械加工により図19
に示す如き形状のトランスミッションシャフトTS2に
形成され、粗材120(III)における膨径部120A、
120Bおよび120Bは、それぞれ加工されてギヤT
S2a、TS2bおよびTS2cを構成する。
【0055】図21に示す如く、金型装置1″は上型1
0″および下型20″を備えるとともに、下型20″に
は後述する分割型30″,30″が収容されている。な
お、金型装置1″における具体的な構成は、上述した金
型装置1と基本的に同一なので、金型装置1と同一の作
用を為す構成要素に対して、符号に″(ダブルダッシ
ュ)を付すことにより詳細な説明は省略する。
【0056】分割型30″,30″の内方面には、粗材
120(II)の膨径部120Aに嵌合する凹部31A″が
設けられており、この凹部31A″は各分割型30″の
端面(上面)において解放された段部形状を呈してい
る。
【0057】また、各々の分割型30″の内方面には、
凹部31A″の下方に凹部31B″が設けられており、
この凹部31B″は図21(b)の如く鍛造成形された
粗材120(III) の軸部120a(中ヌスミ部120
D)と嵌合するものである。
【0058】さらに、各分割型30″における上面30
u″は、粗材120(III) の膨径部120Bを成形する
ダイとして作用し、また各分割型30″の下面30l″
は、粗材120(III) の膨径部120Cを成形するダイ
として作用する。
【0059】一方、成形型としての下型20″には、分
割型30″,30″を収容するための収容部20A″が
設けられ、また収容部20A″の下方には粗材120(I
II)の膨径部120Cを鍛造成形するための空間20
B″が画成されている。
【0060】上述した如き構成の金型装置1″によっ
て、粗材120(III) を鍛造成形するには、先ず図21
(a)に示す如く、分割型30″における収容部31
A″に、粗材120(II)における膨径部120Aを収容
する態様で、粗材120(II)に各分割型30″を装着
し、粗材120(II)を各分割型30″と共に金型装置
1″の下型20″にセットする。
【0061】次いで、図示していない単動プレスを動作
させることにより、図20(b)に示す如く、金型装置
1″の上型10″と各分割型30″との協働作用によっ
て、上方の膨径部120Bが膨径部120Aに重ね合わ
せて成形されるとともに、下型20″と各分割型30″
との協働作用によって、下方の膨径部120Cの成形が
行なわれ粗材120(III) が鍛造成形される。
【0062】このように、分割型30″,30″を用い
ることで、単動プレスを用いて中ヌスミ部120Dを有
する粗材120(III) を成形でき、もって従来の技術に
比較して鍛造工程における粗材の投入重量の増大を防止
することが可能となり、併せて粗材に施されるボンデの
コスト、および鍛造工程の前後に実施される熱処理のコ
ストを低減させることが可能となる。
【0063】上述した如く粗材120(III) を鍛造成形
したのち、上型10″と下型20″とを開き、各分割型
30″と共に粗材120(III) を下型20″から取り出
し、次いで分割型30″,30″を開いて粗材120(I
II) を取り出す。
【0064】ここで、上述した工程で鍛造成形された粗
材120(III) は、図22に示す如く膨径部120Aと
膨径部120Bとが、互いに重なり合う態様で成形され
ているため、粗材120(III) の外形に倣って延びる鍛
流線GFは、膨径部120Aと膨径部120Bとの重な
り部OLを迂回する態様で大きく褶曲している。
【0065】このため、粗材120(III) を適宜な機械
加工によってトランスミッションシャフトTS2に形成
する際、膨径部120Aを加工してギヤTS2aを形成
するとともに、膨径部120Bを加工してギヤTS2b
を形成しても、図22に示す如く鍛流線GFが切られず
に連続することとなり、もってギヤTS2aおよびギヤ
TS2bにおけるギヤ強度、言い換えればトランスミッ
ションシャフトTS2の機械強度が向上することとな
る。
【0066】なお、図21に示した金型装置1″におい
て、上述した金型装置1の各分割型30、あるいは金型
装置1′の各分割型30′の如く、各分割型30″の略
中央部に更に収容凹部を設け、膨径部120Aと膨径部
120Cとの間に更なる膨径部を備えた粗材を対象とし
て、鍛造成形を実施するようにも構成し得ることは勿論
である。
【0067】また、金型装置1′における各分割型3
0′の連結態様、さらに金型装置1″における各分割型
30″の連結態様は、金型装置1における各分割型30
の如く一枚の板バネを介して互いに連結する構成は勿論
のこと、図10から図17に示した如き様々な構成をも
採用し得ることは言うまでもない。
【0068】さらに、本発明に関わる成形方法および型
構成は、例示したトランスミッションシャフトの鍛造成
形のみならず、複数の膨径部を有する様々な軸状部品を
鍛造成形する際に有効に適用されるものであることは勿
論である。
【0069】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明に関わる
軸状部品の成形方法では、互いに隣接する複数の膨径部
における1つの膨径部を粗材に成形し、こののち1つの
膨径部が鍛造形成された粗材に、1つの膨径部と中ヌス
ミ部とを収容する分割型を装着し、次いで分割型と共に
粗材を成形型に収容して、前記1つの膨径部以外の膨径
部を成形している。このように、本発明に関わる軸状部
品の成形方法では、分割型を用いることによって、複数
の膨径部、言い換えれば中ヌスミ部を有する軸状部品
を、不用意な投入重量の増大を招くことなく、単動プレ
スを用いて成形することを可能としている。
【0070】また、本発明に関わる型構造では、粗材に
成形された1つの膨径部と、複数の膨径部の間における
中ヌスミ部とを収容し、かつ粗材と共に成形型に収容さ
れる一対の分割型を、付勢手段を介して開成方向に付勢
する態様で、互いに開閉自在に連結しており、これによ
って粗材に対する分割型の着脱が容易となり、極めて良
好な作業性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)および(c)は本発明の成形方
法および型構造によって鍛造成形される粗材を工程毎に
示した側面図。
【図2】本発明に関わる成形方法および型構造によって
鍛造成形された粗材から機械加工により成形された製品
を示す全体側面図。
【図3】本発明に関わる成形方法に用いられる金型装置
を示す要部断面図。
【図4】本発明の型構造における分割型を示す全体斜視
図。
【図5】本発明の型構造における分割型を示す全体斜視
図。
【図6】分割型の縦断面図。
【図7】分割型の縦断面を示す図6の VII−VII 線断面
図。
【図8】(a)および(b)は分割型の閉成および開成
状態を示す概念的平面図。
【図9】(a)および(b)は本発明に関わる成形方法
の工程を示す概念図。
【図10】(a)および(b)は本発明の型構造におけ
る分割型の他の実施例を示す要部破断平面図および全体
側面図。
【図11】(a)および(b)は本発明の型構造におけ
る分割型のさらに他の実施例を示す要部破断平面図およ
び全体側面図。
【図12】(a)および(b)は本発明の型構造におけ
る分割型のさらに他の実施例を示す要部破断平面図およ
び全体側面図。
【図13】(a)および(b)は本発明の型構造におけ
る分割型のさらに他の実施例を示す要部破断平面図およ
び要部破断側面図。
【図14】(a)および(b)は本発明の型構造におけ
る分割型のさらに他の実施例を示す要部破断平面図およ
び要部破断側面図。
【図15】図14における分割型を示す要部破断側面
図。
【図16】(a)および(b)は本発明の型構造におけ
る分割型のさらに他の実施例を示す全体平面図および要
部破断側面図。
【図17】図16における分割型を示す要部破断側面
図。
【図18】(a)および(b)は本発明に関わる成形方
法の工程の他の実施例を示す概念図。
【図19】本発明に関わる成形方法および型構造によっ
て鍛造成形された粗材から機械加工により成形された製
品を示す全体側面図。
【図20】(a),(b)および(c)は、本発明の成
形方法および型構造によって鍛造成形される粗材を工程
毎に示した側面図。
【図21】(a)および(b)は本発明に関わる成形方
法の工程の他の実施例を示す概念図。
【図22】本発明に関わる成形方法により成形された粗
材を示す要部断面側面図。
【図23】(a)は所望する棒状部品を示す概念図、
(b)は復動プレスを用いて成形された粗材を示す概念
図、(c)は単動プレスを用いて成形された従来の粗材
を示す概念図。
【符号の説明】 1,1′,1″…金型装置、 10,10′,10″…上型(成形型)、 20,20′,20″…下型(成形型)、 30,30′,30″…分割型、 300,310,320,330,340,350…分
割型、 40…板バネ(付勢手段)、 400…ゴム索(付勢手段)、 410…線バネ(付勢手段)、 420…板バネ(付勢手段)、 430,440,450…コイルバネ(付勢手段)、 100…粗材、 100A,100B…膨径部、 100C…中ヌスミ部、 110…粗材、 110A,110B,110C…膨径部、 110b,110c…軸部(中ヌスミ部)、 120…粗材、 120A,120B,120C…膨径部、 120D…中ヌスミ部、 TS,TS2…トランスミッションシャフト。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−303648(JP,A) 特開 昭56−36358(JP,A) 特開 昭47−33953(JP,A) 特開 平2−169141(JP,A) 特開 平8−1269(JP,A) 特開 昭56−95443(JP,A) 特開 昭52−144366(JP,A) 特開 昭48−34751(JP,A) 特開 昭47−32019(JP,A) 特開 昭49−102564(JP,A) 特公 昭49−20471(JP,B1) 特公 昭35−11169(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 1/00 - 13/14 B21J 17/00 - 19/04 B21K 1/00 - 31/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の膨径部を有する軸状部品を、
    単動プレスを用いた据込み加工により成形する軸状部品
    の成形方法であって、 互いに隣接する複数の膨径部における1つの膨径部を粗
    材に成形する工程と、1つの膨径部が鍛造成形された粗
    材に、複数の膨径部の間における中ヌスミ部と前記1つ
    の膨径部とを収容する分割型を装着し、かつ分割型と共
    に粗材を成形型に収容して、互いに隣接する複数の膨径
    部における前記1つの膨径部以外の膨径部を成形する工
    程と、 を含んで成ることを特徴とする軸状部品の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記1つの膨径部以外の膨径部を、
    前記分割型の両端面において成形することを特徴とする
    請求項1記載の軸状部品の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記1つの膨径部を、前記分割型の
    端面に解放して形成された段部に収容し、前記1つの膨
    径部以外の膨径部を、前記1つの膨径部と重合わせて成
    形することを特徴とする請求項1記載の軸状部品の成形
    方法。
  4. 【請求項4】 複数の膨径部を有する軸状部品を、
    単動プレスを用いた据込み加工により成形するための型
    構造であって、 粗材に成形された1つの膨径部と、複数の膨径部の間に
    おける中ヌスミ部とを収容し、かつ粗材と共に成形型に
    収容される一対の分割型を、付勢手段を介して開成方向
    に付勢する態様で、互いに開閉自在に連結して成ること
    を特徴とする型構造。
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