JP3478000B2 - 計 器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両その他各種産
業機器用計器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、車両用燃料計器は、表示
板と、この表示板の裏面に沿い設けられた導光板と、こ
の導光板にその外周から光を入射する光源と、導光板の
裏面側に設けた計器本体と、発光指針とを備えたものが
ある。ここで、発光指針は、その軸部にて、表示板及び
導光板の各貫通穴部を通し計器本体の回動軸に軸支され
ている。また、この発光指針は、その軸部から表示板の
表面に沿い互いに逆方向に延出する指針部及び後端部と
を有している。

【０００３】さらに、この発光指針は、その軸部近傍に
て指針部から表示板の貫通穴部を通し導光板の貫通穴部
内に延出するストッパと、指針部及び後端部の間に設け
られて指針部及びその裏面側を臨む傾斜状反射壁とを有
している。また、表示板が、透明の表示板本体と、この
表示板本体の表面に設けられて目盛りパターンを打ち抜
き形成した遮光層とから構成されており、これら遮光層
及び表示板本体が、表示板の貫通穴部を構成する各貫通
穴部の内周縁にて、発光指針の後端部側にて導光板の貫
通穴部の内周縁よりも内側へ突出して、共に、ストッパ
の回動範囲を目盛りパターンに合わせて規制する規制部
を備えている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
燃料計器では、導光板からその貫通穴部内に出射する光
が、ストッパを通り指針部内に進入し反射壁により反射
されて指針部内を先端に向けて進行しその表面を発光さ
せる。一方、導光板からその貫通穴部内に出射する光
が、発光指針の後端部に進入しようとしても、この光
は、遮光層が上記規制部にて邪魔されてしまう。

【０００５】このため、発光指針の後端部には導光板の
貫通穴部内の光が届きにくい。従って、発光指針の表面
の輝度が、指針部に比べて後端部において著しく低くな
り、その結果、発光指針の表面全長に亘る輝度にむらを
招き、見にくいという不具合がある。そこで、本発明
は、以上のようなことに対処するため、導光性発光指針
の指示範囲を、この発光指針のストッパと表示板の規制
部との係合により規制するようにした計器において、当
該規制部の光学的構成に工夫を凝らすことにより、発光
指針の表面全長に亘る輝度のばらつきを抑制することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１及び２に記載の発明によれば、表示板が、
透明の表示板本体と、この表示板本体の表面に設けられ
て目盛りパターンを打ち抜き形成した遮光層とからな
り、この遮光層及び表示板本体が、表示板の貫通穴部を
構成する貫通穴部をそれぞれ有する。また、表示板本体
が、その貫通穴部の内周縁にて、発光指針の後端部側に
て導光板及び遮光層の各貫通穴部の内周縁よりも内側へ
突出してストッパの回動範囲を目盛りパターンに合わせ
て規制する規制部を備える。

【０００７】そして、導光板からその貫通穴部内に出射
する光が、ストッパを通り指針部内に進入し傾斜状反射
壁により反射されて指針部内をその先端に向けて進行し
その表面を発光させるとともに、表示板本体の規制部を
通り後端部内に進入してその表面を発光させる。これに
よれば、表示板本体の規制部は透明であり、この規制部
には遮光層が存在しないから、導光板からその貫通穴部
内に出射する光が、透明の規制部を透過して発光指針の
後端部内に容易に進入する。このため、導光板の貫通穴
部から後端部への進入光量が適正に確保される。従っ
て、後端部の表面の輝度が、指針部の表面の輝度とほぼ
同様の値に上がる。その結果、発光指針全長の輝度のば
らつきが抑制され得る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１乃至図３に基づいて説明する。図１は、車両用燃料計
器に本発明が適用された例を示しており、この燃料計器
は、例えば、水温計器、車速計器及び回転速度計器と共
に、当該車両のインストルパネルに配設されている。な
お、燃料計器と水温計器は、互いに、車速計器及び回転
速度計器を挟んで位置している。

【０００９】燃料計器は、文字板１０と、この文字板１
０の裏面に沿い装着した導光板２０と、この導光板２０
の外周側に配設した光源３０と、導光板２０の裏面側に
配設した計器本体４０と、この計器本体４０により導光
板２０の円形状貫通穴部２１及び文字板１０の貫通穴部
１１を介し軸支した長手状の発光指針５０と、遮光材料
からなる切り割り状キャップ６０とにより構成されてい
る。

【００１０】文字板１０は、図１及び図２にて示すごと
く、透光性樹脂材料からなる文字板本体１０ａと、この
文字板本体１０ａの表面に沿い印刷材料により印刷形成
した印刷層１０ｂとにより構成されている。文字板本体
１０ａは貫通穴部１２を有し、一方、印刷層１０ｂは貫
通穴部１３を有しており、これら両貫通穴部１２、１３
が、上述した文字板１０の貫通穴部１１を構成してい
る。

【００１１】ここで、印刷層１０ｂの貫通穴部１３は、
図２にて示すごとく、導光板２０の貫通穴２１と同一内
径にて円形状に形成されている。一方、文字板本体１０
ａの貫通穴部１２は、図２にて示すごとく、貫通穴１３
よりも小径の円形穴部１２ａにこの円形穴部の内周面を
貫通穴部１３の内周面まで扇形状に切り欠いて一体に形
成した扇形穴部１２ｂとにより構成されている。また、
扇形穴部１２ｂの周方向両端に位置する両内壁１２ｃ
は、後述する発光指針５０のストッパ５０ｂにより係止
される。この場合、文字板本体１０ａにおいて貫通穴部
１３に対応する位置からその内側へ突出している部分
が、文字板本体１０ａにおいて両内壁１２ｃを有する規
制部Ｈを構成する。

【００１２】印刷層１０ｂは、図３にて示すごとく、文
字板本体１０ａの表面に沿い導光板２０の貫通穴部２１
の内周面の半径方向外側の領域にて透光性白色印刷材料
により形成した白色印刷層１４と、この白色印刷層１４
の表面及び中空部内周面に沿い黒色印刷材料により形成
した黒色印刷層１５とにより構成されている。ここで、
印刷層１０ｂの貫通穴部１３の内周面は、白色印刷層１
４の中空部内周面に沿う黒色印刷層１５の中空部内周面
１５ａに相当する。

【００１３】また、黒色印刷層１５には、燃料の残量を
表す目盛りパターン１５ｂ等が、図２にて示すごとく、
打ち抜きにより形成されている。導光板２０は、適宜な
支持部材により、計器本体１０に支持されており、この
導光板２０の外周縁部には、光導入部２２が、光源３０
に対向する位置まで下方に向け湾曲して延出している。

【００１４】これにより、導光板２０は、光源３０から
の光を光導入部２２から導入し、この導入光を、文字板
１０の裏面に一様に出射するとともに、貫通穴部２１内
にその内周面から出射する。このことは、文字板１０
が、導光板２０からの光を受けて目盛りパターン１５ｂ
を透過させるとともに、空所５４の反射壁５４ｂが、後
述する指針本体５０ａの回動中心部５１及び後端部５３
内に進入する導光板２０の貫通穴部２１内からの光を後
端側指針部５３に向け反射する。なお、光源３０は、導
光板２０の光導入部２２と共にこの導光板２０の横方向
外側に位置している。

【００１５】計器本体４０は、光源３０と共に、回路基
板（図示しない）上に配設されており、この計器本体４
０の回動軸４１は、導光板２０の貫通穴部２１の中心及
び文字板１０の円形穴部１２ａの中心を通り文字板１０
の表面側へ延出している。発光指針５０は、目盛り板１
０及び導光板２０を介し、計器本体１０に組み付けられ
ている。この発光指針５０は、透明の導光樹脂材料によ
り長手状に形成した指針本体５０ａを備えており、この
指針本体５０ａは、その回動中心部５１の筒状ボス５１
ａにより、計器本体４０の回動軸４１に軸支されてい
る。

【００１６】ここで、指針本体５０ａは、その回動中心
部５１から半径方向に先端側に向け直線状に延出する指
針部５２と、回動中心部５１から指針部５２とは逆方向
に延出する後端部５３とを備えている。指針本体５０ａ
の回動中心部５１内には、断面逆台形形状の空所５４が
指針本体５０ａの幅方向に開口して形成されており、こ
の空所５４には、指針部５２及び後端部５３の長手方向
及び文字板１０の貫通穴部１１側を臨むように、傾斜状
の両反射壁５４ａ、５４ｂが形成されている。

【００１７】また、発光指針５０は、ストッパ５０ｂを
備えており、このストッパ５０ｂは、指針部５２側にて
回動中心部５１からボス５１ａに沿い文字板１０の貫通
穴部１３及び扇形穴部１２ｂを通り導光板２０の貫通穴
部２１内に延出している。しかして、このストッパ５０
ｂは、指針本体５０ａの回動に伴い、扇形穴部１２ｂ内
にて円周方向に回動し、この扇形穴部１２ｂの両内壁１
２ｃのいずれか一方に係止して指針本体５０ａの回動を
停止する。つまり、ストッパ５０ｂは、発光指針５０、
即ち指針部５２による指示範囲を両内壁１２ｃ間の円弧
状範囲に特定する役割を果たす。

【００１８】また、ストッパ５０ｂは、その先端にて、
導光板２０の貫通穴部２１の内周面及び文字板１０の扇
形穴部１２ｂを臨む傾斜状反射壁５５を備えており、こ
のストッパ５０ｂは、導光板２０から貫通穴部２１内に
出射する光を導入して反射壁５５により反射し指針本体
５０ａの回動中心部５１内に入射させる。これにより、
回動中心部５１内に入射した光は、空所５４の反射壁５
４ａにより反射されて指針部５２内に進む。

【００１９】キャップ６０は、その切り割り部６１に
て、指針本体５０ａの回動中心部５１近傍に位置する両
側壁及び後端側指針部５３の両側壁及び後壁に嵌装され
ている。このように構成した本実施の形態では、光源３
０から導光板２０内にその光導入部２２を通り入射した
光は表示板１０に向け出射して表示板１０の目盛りパタ
ーン１５ｂを透過するとともに導光板２０の貫通穴部２
１内に出射する。

【００２０】すると、この貫通穴部２１内に出射した光
が、ストッパ５０ｂ内に入射して反射壁５１により反射
されて指針部５２の基部に進入する。ついで、この進入
光が反射壁５４ａにより反射されて指針部５２内をその
先端に向けて進行する。これにより、指針部５２の表面
が発光する。また、貫通穴部２１内に出射した光が、表
示板本体１０ａの規制部Ｈを介し後端部５３内に入射
し、反射壁５４ｂにより反射されて後端部５３の後端に
向けて進行する。これにより、後端部５３の表面が発光
する。

【００２１】この場合、表示板本体の規制部Ｈは透明で
あり、この規制部Ｈには印刷層１０ｂが存在しないか
ら、導光板２０からその貫通穴部２１内に出射する光
が、透明の規制部Ｈを透過して発光指針の後端部内に容
易に進入する。このため、導光板の貫通穴部から後端部
への進入光量が適正に確保される。従って、後端部の表
面の輝度が、指針部の表面の輝度とほぼ同様の値に上が
る。その結果、発光指針全長の輝度のばらつきが抑制さ
れ得る。よって、発光指針５０により指示が、見易くな
る。

【００２２】なお、本発明の実施にあたっては、図４に
て示すごとく、白色印刷層１４を図４にて示すごとく規
制部Ｈの表面まで形成して実施してもよい。また、本発
明の実施にあたっては、表示板本体１０ａの貫通穴部の
開口面形状は、上記実施の形態にて述べた形状に限定す
ることなく、適宜変更して実施してもよい。

【００２３】また、本発明の実施にあたっては、白色印
刷層１４は、透明属層等の各種の透光層であってもよ
い。また、本発明の実施にあたっては、車両用計器の指
針に限ることなく、各種産業機器の計器用指針に本発明
を適用して実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した車両用燃料計器の一実施の形
態を示す概略断面図である。

【図２】図１の燃料計器の部分破断拡大分解斜視図であ
る。

【図３】図１の符号Ａにより示す部分の拡大断面図であ
る。

【図４】上記実施の形態の変形例を示す要部断面図であ
る。

【符号の説明】

１０…表示板、１０ａ…表示板本体、１０ｂ…印刷層、
１４…白色印刷層、１５…黒色印刷層、１１、１３、２
１…貫通穴部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01D 11/28 G01D 11/16 G01D 13/28 G12B 11/04

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示板（１０）と、 この表示板の裏面に沿い設けられた導光板（２０）と、 この導光板にその外周から光を入射する光源（３０）
   と、 前記導光板の裏面側に設けた計器本体（４０）と、 この計器本体の回動軸（４１）に前記表示板及び導光板
   の各貫通穴部（１１、２１）を通し軸支された軸部（５
   １ａ）と、この軸部から前記表示板の表面に沿い互いに
   逆方向に延出する指針部（５２）及び後端部（５３）
   と、前記軸部近傍にて前記指針部から前記表示板の貫通
   穴部を通し前記導光板の貫通穴部内に延出するストッパ
   （５０ｂ）と、前記指針部及び後端部の間に設けられて
   前記指針部及びその裏面側を臨む傾斜状反射壁（５４
   ａ）とを有する導光性発光指針（５０）と、 前記発光指針のうち前記ストッパ、軸部及び指針部以外
   の部分の周壁を外部から遮光するキャップ（６０）とを
   備え、 前記表示板が、透明の表示板本体（１０ａ）と、この表
   示板本体の表面に設けられて目盛りパターン（１５ｂ）
   を打ち抜き形成した遮光層（１０ｂ）とからなり、 この遮光層及び前記表示板本体が、前記表示板の貫通穴
   部を構成する貫通穴部（１２、１３）をそれぞれ有し、 前記表示板本体が、その貫通穴部の内周縁にて、前記発
   光指針の後端部側にて前記導光板及び遮光層の各貫通穴
   部の内周縁よりも内側へ突出して前記ストッパの回動範
   囲を前記目盛りパターンに合わせて規制する規制部を備
   えて、 前記導光板からその貫通穴部内に出射する光が、前記ス
   トッパを通り前記指針部内に進入し前記傾斜状反射壁に
   より反射されて前記指針部内をその先端に向けて進行し
   その表面を発光させるとともに、前記表示板本体の規制
   部を通り前記後端部内に進入てその表面を発光させるよ
   うにした計器。
2. 【請求項２】 前記遮光層が、前記表示板本体の表面全
   体に設けた透光層部（１４）と、この透光層部の表面に
   前記規制部を除く範囲にて設けられて前記目盛りパター
   ンを打ち抜き形成した遮光層部（１５）から構成されて
   いることを特徴とする請求項１に記載の計器。