JP3477141B2 - 円筒形状物品の外観検査装置 - Google Patents

円筒形状物品の外観検査装置

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JP3477141B2
JP3477141B2 JP2000085306A JP2000085306A JP3477141B2 JP 3477141 B2 JP3477141 B2 JP 3477141B2 JP 2000085306 A JP2000085306 A JP 2000085306A JP 2000085306 A JP2000085306 A JP 2000085306A JP 3477141 B2 JP3477141 B2 JP 3477141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビン、缶、プラス
チック容器や、喫味用物品若しくはその部品等の実質的
に円筒形状の外周面を有する物品からなる被検査体を連
続的に検査するための外観検査装置に関する。この外観
検査装置は、被検査体の外周面上に現れる欠陥、例え
ば、汚れや穴を画像処理により自動的に検出し、被検査
体の良否を判定するために使用される。
【0002】
【従来の技術】ビン、缶、プラスチック容器を生産する
工程、或いはこれ等に充填物を導入すると共にラベルを
貼付する工程や、たばこやたばこ用フィルタ等の喫味用
物品若しくはその部品を生産する工程において、これら
を被検査体とする外観検査が必要となる。現在では、生
産性の向上の観点から、この種の外観検査には、画像処
理により自動的に検査を行う装置が使用される。画像処
理を利用した自動外観検査装置は、一般的に、被検査体
の搬送機構、カメラ及びコンピュータの組合わせにより
構成される。
【0003】コンピュータによる被検査体の良否の判定
方法として、予めコンピュータ内に取込んだ標準品また
は優良品の画像(標準画像)と被検査体の画像(検出画
像)とを比較する方法が知られている。標準画像と相違
する部分が検出画像にある場合、被検査体は不良と判定
され、標準画像と検出画像とが一致する場合、被検査体
は良品と判定される。このような標準画像を用いる方法
によれば、検査対象物の外周面に文字や記号などが表記
されていても、この文字や記号などを考慮して検査を行
なうことができる。
【0004】しかし、標準画像と検出画像とを比較する
方法では、標準画像の画像範囲に対応して検出画像の取
込み開始点と取込み終了点が常に一致していなければな
らない。このため、被検査体の形状は所定箇所の検出画
像を撮像できるような直方体形状などのものが好まし
い。従って、逆に、喫味用物品若しくはその部品ように
円筒形状の被検査体では、被検査体の自動搬送を行ない
ながら、検出画像の取込み開始点を標準画像の開始点と
一致させることは難しい。
【0005】かかる観点から、特許第2756386号
は、カメラで撮像された画像の輝度成分から得られる画
像濃度を所定の範囲で加算して、この画像濃度の加算値
と予設定のしきい値とを比較して被検査体の良否を判定
する方法を開示する。この特許の方法では、直線状に配
列された多数の回転ローラにより円筒形状の被検査体が
検査位置まで搬送されて回転される。検査位置におい
て、被検査体の外周面は6つの画像に分割されて撮像さ
れる。画像処理において、画像は多数のウインドウに分
割され、ウインドウ毎に輝度値が検出され、また、ウイ
ンドウ毎に文字等に対応する部分のマスキングが行われ
る。
【0006】特許第2756386号の方法は、しか
し、被検査体の搬送機構が提供できる被検査体の回転速
度や、画像処理方法における信号処理速度の限界から、
達成できる処理速度は高々200本/分程度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点に基づいてなされたものであり、より高速
で且つ確実な検査が可能な円筒形状物品の外観検査装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点は、
実質的に円筒形状の外周面を有する物品からなる複数の
被検査体を連続的に検査するための外観検査装置であっ
て、前記被検査体を検査位置に順次搬入すると共に前記
検査位置において前記被検査体を自転させるための自転
駆動機構と、前記検査位置において自転する前記被検査
体の外周面を撮像するための撮像部材と前記撮像部材に
より得られる前記被検査体の外周面の画像に基づいて前
記被検査体の良否を判定するための制御部と、を具備
し、前記自転駆動機構は、前記被検査体を前記検査位置
に順次搬入及び搬出するための外周面を有すると共に第
1方向に回転されるドラムと、ここで、前記ドラムの前
記外周面には、前記被検査体を前記検査位置に順次搬入
するため、前記ドラムの回転軸に沿って延在する第1溝
と、前記被検査体を前記検査位置から順次搬出するた
め、前記ドラムの回転軸に沿って延在する第2溝と、前
記第1及び第2溝の溝ペアの間に配設された案内面と、
が形成されることと、前記ドラムの前記第1溝内に前記
被検査体を順次供給するための手段と、前記ドラムに対
向して配設され、前記ドラムの外周面と協働して前記被
検査体を順次前記検査位置に係留した状態で自転させる
ための外周面を有すると共に前記第1方向に回転される
ローラと、ここで、前記ローラの前記外周面は、前記検
査位置において前記被検査体が前記ドラムの前記第1溝
から前記第2溝へ移動しながら自転するように、前記被
検査体の前記外周面に接触することと、前記ローラの前
記外周面から解放された直後の前記被検査体の自走自転
を停止させるため、前記検査位置において前記ドラムと
対向するように配設された前記ローラとは別体のブレー
キ部材と、を具備することを特徴とする。
【0009】本発明の第2の視点は、第1の視点の装置
において、前記被検査体の前記外周面に接触する前記ブ
レーキ部材の表面の摩擦係数は、前記被検査体の前記外
周面に接触する前記ローラの前記外周面の表面の摩擦係
数よりも低く、前記ブレーキ部材の前記表面は、前記検
査位置にある前記被検査体の前記外周面に常に接触する
ことを特徴とする。
【0010】本発明の第3の視点は、第1または第2の
視点の装置において、前記ローラの前記外周面は、前記
ローラの円周方向に沿って溝を有し、前記ブレーキ部材
は、前記溝内に位置するように配置されることを特徴と
する。
【0011】本発明の第4の視点は、第1乃至第3のい
ずれかの視点の装置において、前記ローラの前記外周面
には、前記検査位置において前記被検査体が前記ドラム
の前記第1溝から前記第2溝へ移動しながら自転するよ
うに、前記被検査体の前記外周面に接触する凸部と、前
記被検査体が前記第2溝に着座するのに対応して、前記
被検査体を前記凸部から解放させるための凹部とが、そ
の円周方向に沿って形成されることを特徴とする。
【0012】本発明の第5の視点は、第1乃至第4のい
ずれかの視点の装置において、前記ドラム上に、複数組
の前記第1溝、前記第2溝、及び前記案内面の組合わせ
が配設されることを特徴とする。
【0013】本発明の第6の視点は、第5の視点の装置
において、前記被検査体は、円筒形状で且つ長手方向に
沿ってシーム部を有する喫味用物品若しくはその部品で
あることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1はたばこTを被検査体とする
本発明の実施の形態に係る外観検査装置10の全体を示
す概略側面図である。
【0015】装置10のケーシング11の一側端には、
多数のたばこTをプールするためのホッパ14が配設さ
れる。ホッパ14の入口には、ベルトコンベア12が接
続され、これによりたばこTが外部から搬入される。ホ
ッパ14の出口には、図中矢印で示すように、反時計方
向に回転するホッパドラム22が配設される。
【0016】ホッパドラム22の外周面上には、細かい
ピッチで多数のたばこ支持溝22aが回転軸方向に延び
るように形成される。ホッパ14内において、たばこT
は、アジテータローラ16により、ホッパドラム22の
外周面に向かって掻き落とされる。更に、たばこTは、
ホッパ14から搬出される際、リフューザローラ18に
より、ホッパドラム22の溝22a内に1本ずつ着座す
るように整理される。ホッパドラム22に対向してガイ
ド23が配設され、たばこTはホッパドラム22とガイ
ド23との間で反時計方向に案内され、ドランスファー
ドラム24に引継がれる。
【0017】ドランスファードラム24の外周面上に
は、細かいピッチで多数のたばこ支持溝24aが回転軸
方向に延びるように形成される。ドランスファードラム
24に対向してガイド25が配設され、たばこTはドラ
ンスファードラム24とガイド25との間で時計方向に
案内され、第1及び第2ローリングドラム26、28に
引継がれる。
【0018】第1及び第2ローリングドラム26、28
は、ドランスファードラム24上に細かいピッチで支持
されたたばこTを、後述するチェッキングドラム34上
の広いピッチに適合させるように、たばこTの支持ピッ
チを順に調整するために使用される。
【0019】第1ローリングドラム26の外周面上に
は、ドランスファードラム24より幾分広いピッチで多
数のたばこ支持溝26aが回転軸方向に延びるように形
成される。第1ローリングドラム26に対向してガイド
27が配設され、たばこTは第1ローリングドラム26
とガイド27との間で反時計方向に案内され、第2ロー
リングドラム28に引継がれる。
【0020】第2ローリングドラム28の外周面上に
は、更に広いピッチで多数のたばこ支持溝28aが回転
軸方向に延びるように形成される。各溝28aは第2ロ
ーリングドラム28内に配設されたサクション機構に接
続され、たばこTはサクション機構により溝28a上に
吸着された状態で時計方向に案内され、チェッキングド
ラム34に引継がれる。
【0021】チェッキングドラム34及びこれに対向し
て配設されたキッカローラ36は、たばこTを検査位置
IPに順次搬入すると共に該検査位置IPにおいてたば
こTを自転させるための自転駆動機構32を構成する。
自転駆動機構32の上方には、たばこTの外周面を撮像
するための撮像部材即ちカメラ52が配設される。カメ
ラ52は、撮像信号に基づいてたばこTの良否を判定す
るための制御部54に接続される。検査位置IPにおけ
る撮像終了後のたばこTは、チェッキングドラム34か
らエジェクタドラム42に引継がれる。
【0022】エジェクタドラム42は、不良と判定され
たたばこTを排出するために使用される。エジェクタド
ラム42の外周面上には、広いピッチで多数のたばこ支
持溝42aが回転軸方向に延びるように形成される。各
溝42aはエジェクタドラム42内に配設されたサクシ
ョン機構に接続され、たばこTはサクション機構により
溝42a上に吸着された状態で時計方向に案内される。
また、エジェクタドラム42に対向してガイド43が配
設される。エジェクタドラム42のサクション機構は、
ガイド43と協働して、溝42a上のたばこTを個々に
独立して排除することができるように構成される。これ
により、エジェクタドラム42の回転中に不良品のたば
こTが排出され、良品のたばこTのみがキャリアドラム
44に引継がれる。
【0023】キャリアドラム44の外周面上には、広い
ピッチで多数のたばこ支持溝44aが回転軸方向に延び
るように形成される。キャリアドラム44に対向してガ
イド45が配設され、たばこTはキャリアドラム44と
ガイド45との間で反時計方向に案内され、ベルトコン
ベア46を介して装置10外に搬出される。
【0024】ドラム24〜28の下方で、装置ケーシン
グ11内には、落下したたばこTを排出するためのベル
トコンベア38が配設される。また、ケーシング11の
上部には、始動、停止等の装置10の操作を行うための
操作盤48が配設される。
【0025】図2及び図3はたばこTの自転駆動機構3
2の詳細を示す側面図及び斜視図である。
【0026】自転駆動機構32のチェッキングドラム3
4は、図1において反時計方向に回転され、その外周面
62により、たばこTを検査位置IPに対して順次搬入
及び搬出する。具体的には、図2及び図3図示の如く、
チェッキングドラム34の外周面62には、たばこTを
検査位置IPに順次搬入するため、チェッキングドラム
34の回転軸に沿って延在する多数の第1溝64が形成
される。また、チェッキングドラム34の外周面62に
は、たばこTを検査位置IPから順次搬出するため、チ
ェッキングドラム34の回転軸に沿って延在する多数の
第2溝66が形成される。第1及び第2溝64、66の
溝ペアの夫々の間には多数の案内面68が規定される。
第1及び第2溝64、66はチェッキングドラム34内
に配設されたサクション機構69に接続され、たばこT
はサクション機構69により第1及び第2溝64、66
上に吸着された状態で回転方向に案内される。
【0027】自転駆動機構32のキッカローラ36は、
図1においてチェッキングドラム34と同じく反時計方
向に回転され、その外周面72により、チェッキングド
ラム34の外周面62と協働してたばこTを順次検査位
置IPに係留した状態で自転させる。具体的には、図2
及び図3図示の如く、キッカローラ36の外周面72に
は、検査位置IPに係留された状態でたばこTがチェッ
キングドラム34の第1溝64から第2溝66へ移動し
ながら案内面68上で自転するように、たばこTの外周
面に接触してたばこTを駆動する3つの凸部74が形成
される。即ち、チェッキングドラム34及びキッカロー
ラ36の回転速度は、案内面68と凸部74との周速度
が同一となるように設定される。また、キッカローラ3
6の外周面72には、たばこTが第2溝66に着座する
のに対応して、たばこTを凸部74から解放させるため
の3つの凹部76が形成される。凸部74及び凹部76
は、円周方向に沿って交互に形成される。
【0028】キッカローラ36の凸部74は、キッカロ
ーラ36の軸方向に沿って2つの部分74a、74bに
分割される。凸部74の2つの部分74a、74bの接
触表面は、摩擦係数の高い層75、例えば布により被覆
される。
【0029】キッカローラ36の凸部74から解放され
た直後のたばこTの自走自転を停止させるため、検査位
置IPにおいてチェッキングドラム34と対向するよう
に、キッカローラ36とは別体のブレーキ部材78が配
設される。ブレーキ部材78によりたばこTの自走自転
を防止することにより、検査後のたばこTを第2溝66
内に確実に着座させることが可能となる。
【0030】ブレーキ部材78は、凸部74の2つの部
分74a、74bの間に配置される。ブレーキ部材78
は金属板からなり、その表面は検査位置IPにあるたば
こTの外周面に常に接触する。しかし、ブレーキ部材7
8は、キッカローラ36の凸部74より低い圧力でたば
こTの周面に接し、しかもブレーキ部材78の接触表面
は平滑で、その摩擦係数は凸部74の層75の表面より
も低い。従って、ブレーキ部材78がたばこTの外周面
に常に接触していても、たばこTの自転動作を損ねるこ
とはない。
【0031】図4は検査用の画像を取込むためのカメラ
52と、その画像信号を処理するための制御部54との
関係を示すブロック図である。
【0032】図4図示の如く、カメラ52は制御部54
のCPU82に接続される。CPU82には、たばこT
の自転開始に基づいてたばこTの外周面の撮像を開始す
るための信号を発生するためのイニシエータ84と、キ
ッカローラ36の回転角度を検出するためにキッカロー
ラ36のシャフトに取付けられたエンコーダ86とが接
続される。更に、CPU82には、カメラ52からの信
号に基づいて形成される面画像をモニタするためのディ
スプレイ88が接続される。なお、本検査装置10は高
速処理であり、検査位置IPは連続照明されるため、照
明機器89はCPU82により制御されない。
【0033】カメラ52は、検査位置IPにおいて自転
するたばこTの外周面を多数の長手方向に沿うライン画
像に分割して撮像し、制御部54に送る。制御部54
は、ライン画像を長手方向と直角な方向に沿って並べる
ことによりたばこTの外周面の全体を表す面画像を得る
と共に、面画像に基づいてたばこTの良否を判定する。
【0034】図5はライン画像92と面画像94との関
係を示す概念図である。
【0035】例えば、1本のたばこTのため、200本
のライン画像92が撮像され、これらを長手方向(ディ
スプレイ88のモニタ画面の水平方向)と直角な方向に
沿って並べることによりたばこTの外周面の全体を表す
面画像94が形成される。200本のライン画像92
は、1本のたばこTの外周面の約1.4倍の周囲長に相
当し、従って、1本のたばこTの外周面は、約143本
のライン画像92で形成される。本発明が対象とする喫
味用物品若しくはその部品においては、被検査体の直径
は6〜10mmの範囲にあるため、被検査体の外周面
は、20〜1000本のライン画像に分割して撮像する
ようにする。また、ディスプレイ88のモニタ画面は水
平方向が512画素からなり、従って、ライン画像92
の夫々も、長手方向に沿う列数が多数である画素により
形成される。
【0036】図6は、CPU82において、上述のよう
に構成される面画像94を用いてたばこTの良否判定を
行うための信号処理の手順を示すフローチャートであ
る。図7(a)〜(f)は信号処理の手順の概念を視覚
的に示す図である。
【0037】先ず、工程S1において、ディスプレイ8
8のモニタ画面102全体の信号をグレー処理し、モニ
タ画面全体に対して256階調の濃淡を表す信号を得
る。
【0038】次に、工程S2において、各画素で得られ
る濃淡の信号を垂直方向に沿って加算し、加算された濃
淡の信号の水平方向における変化率(微分処理)に基づ
いて、モニタ画面102内においてたばこTの外周面1
04を表す画像部分を同定する。即ち、たばこTの外周
面104は、バックグランド105に比べて明度が高い
ため、たばこTの外周面104の左右両端の境界を見出
すことができる(図7(a))。
【0039】次に、工程S3において、たばこTの外周
面104の画像部分内で、各画素で得られる濃淡の信号
を水平方向に沿って加算し、加算された濃淡の信号の垂
直方向における変化率(微分処理)に基づいて、たばこ
Tのシーム部106を表す画像部分を同定する。シーム
部106の基となる、たばこの巻き紙のラップ部108
は他の部分に比べ明度が高いため、これに隣接するシー
ム部106は、濃淡の変化率に基づいて容易に同定する
ことができる(図7(a))。
【0040】次に、工程S4において、濃淡の信号から
シーム部106に該当する信号を除外する(図7
(b))。このようにして得られた、シーム部106を
除くたばこTの外周面104を表す画像部分内の濃淡の
信号、即ち判定用信号LSに基づいて、染み107aの
ような、一般的に面積が大きく且つ明度があまり低くな
い(良好な部分の明度より少しだけ落ちる)欠陥と、穴
107bのような、一般的に面積が小さく且つ明度がか
なり低い欠陥を検出する。染み107aのような欠陥の
場合、あまり汚れていず且つ面積が小さい場合は不良と
判断する必要はない。一方、穴107bのような欠陥の
場合、面積が小さい場合でも不良と判断する必要があ
る。
【0041】染み107aのような欠陥を検出するた
め、工程S5において、たばこTの外周面104の判定
用信号LSを、あまり低くない明度に相当する第1明度
しきい値LT1(例えば、最初のモデルに基づいて定め
る)と比較する。第1明度しきい値LT1より下の信号
(明度が低い)を有する領域が存在しない場合、たばこ
Tを良品と判断する。
【0042】第1明度しきい値LT1より下の信号(明
度が低い)を有する領域が存在する場合(図7
(c))、工程S6において、その領域の面積RA1、
例えば画素数を第1面積しきい値AT1と比較する。そ
の領域の面積RA1が第1面積しきい値AT1より大き
い場合(図7(d))、たばこTを不良品と判断し、エ
ジェクタドラム42においてこれを排除する。逆に、そ
の領域の面積が第1面積しきい値より小さい場合、次の
工程S7に移行する。
【0043】穴107bのような欠陥を検出するため、
工程S7において、たばこTの外周面104の判定用信
号LSを、かなり低い明度に相当する第2明度しきい値
LT2(例えば、最初のモデルに基づいて定める:LT
2<LT1)と比較する。第2明度しきい値LT2より
下の信号(明度が低い)を有する領域が存在しない場
合、たばこTを良品と判断する。
【0044】第2明度しきい値LT2より下の信号(明
度が低い)を有する領域が存在する場合(図7
(e))、工程S8において、その領域の面積RA2、
例えば画素数を第2面積しきい値AT2(AT2<AT
1)と比較する。その領域の面積RA2が第2面積しき
い値AT2より大きい場合(図7(f))、たばこTを
不良品と判断し、エジェクタドラム42においてこれを
排除する。その領域の面積が第2面積しきい値より小さ
い場合、たばこTを良品と判断する。
【0045】なお、上記信号処理においては、要点を明
確にするため、たばこTの外周面104に定型の文字や
記号が記載されている場合については言及していない。
しかし、定型の文字等は予めパターンが分かっているの
で、これらについても、濃淡の信号の変化率(微分処
理)に基づいてこれらに位置を同定し、たばこTの外周
面104の判定用信号LSから除外することができる。
【0046】図1図示の外観検査装置10を使用して上
述の方法によりたばこの外観検査を行ったところ、3,
000本/分以上の処理速度を達成することができた。
この高速の検査処理速度は、チェッキングドラム34、
キッカローラ36、及びブレーキ部材78からなる自転
駆動機構32によりたばこTを高速自転駆動すると共
に、制御部54におけるカメラ52からの信号の処理を
簡易化及び高速化することにより可能となったものであ
る。このため、ここでは、2組の画像メモリを使用し、
これらを順次切替えながら、カメラ52からの画像信号
を一方の画像メモリに転送している間に、制御部54で
もう一方の画像メモリの画像を検査するという並列処理
を行った。
【0047】なお、上記実施の形態においては、自転駆
動機構32や制御部54における信号処理は、単一のユ
ニットとして形成された外観検査装置10に適用され
る。しかし、これらの特徴は、喫味用物品若しくはその
部品の生産ラインの一部をなす外観検査部として適用す
ることも可能である。
【0048】図8は円筒形状で且つ長手方向に沿って本
体自体若しくはラベル等に起因してシーム部が現れる外
周面を有する缶C(或いはビン)を被検査体とする本発
明の別の実施の形態に係る外観検査装置10Xの全体を
示す概略側面図である。
【0049】本装置10Xは、被検査体がたばこTでは
なく缶Cであり、且つ構造が簡易化されている点で図1
図示の装置10と相違する。しかし、本装置10Xは、
先の装置10と共通点が多いため、略同一の機能及び構
成を有する構成要素については、同一符号を付し、詳細
な説明は省略して、相違点の説明のみを行う。
【0050】本装置10Xの一側端には、搬入コンベア
11が接続され、これにより缶Cが外部から搬入され
る。コンベア11の終端には、フィードドラム29が配
設され、コンベア11から缶Cが一つずつフィードドラ
ム29上に供給される。フィードドラム29には、その
内部のサクション機構に接続された複数の溝29aを有
し、缶Cは、溝29a上に吸着された状態で反時計方向
に案内され、チェッキングドラム34に引継がれる。
【0051】検査位置IPにおいて缶Cを自転させるた
めの自転駆動機構32を構成するチェッキングドラム3
4及びキッカローラ36、並びに缶Cの自走自転を停止
させるためのブレーキ部材78は、実質的に図1図示の
装置10の対応の部材と同じ構成を有する。但し、チェ
ッキングドラム34の第1及び第2溝64、66、並び
に案内面68の数や、キッカローラ36の凸部74及び
凹部76(図2及び図3参照)の数は、図1図示の装置
10のそれ等よりも少なくなっている。また、チェッキ
ングドラム34には、缶Cを保持するための3枚のフィ
ン61が付設されている。
【0052】自転駆動機構32の側方には、缶Cの外周
面を撮像するための撮像部材即ちラインセンサカメラ5
2が配設される。カメラ52は、先の実施の形態で述べ
たような画像処理を行うための画像処理部53aや、信
号の処理を行う信号処理部53b等を含む制御部54に
接続される。自転駆動機構32の側方には、また、検査
位置IPを連続照明するため、電源90に接続された照
明機器89が配設される。
【0053】検査位置IPにおける撮像終了後の缶C
は、チェッキングドラム34から搬出コンベア47に引
継がれる。コンベア47の途中には、対象缶Cの有無を
検出すると共に制御部54へ検出信号を送るためのセン
サ48と、制御部54からの排除信号により駆動され、
缶Cを選択的に排除するための排除プッシャ49が配設
される。制御部54の制御下で、プッシャ49により不
良品がコンベア47上から排除され、良品の缶Cのみが
コンベア47により次工程に向けて搬出される。
【0054】図9は円筒形状で且つ長手方向に沿って本
体自体若しくはラベル等に起因してシーム部が現れる外
周面を有する容器Pを被検査体とする本発明の更に別の
実施の形態に係る外観検査装置10Yの全体を示す概略
平面図である。
【0055】本装置10Yの一側端には、搬入コンベア
111が接続され、これにより容器Pが外部から搬入さ
れる。コンベア111の終端には、供給プッシャ118
が配設され、プッシャ118により、容器Pが一つずつ
押出され、ローラコンベア128上に供給される。ロー
ラコンベア128は、円筒形状のチェッキングドラム1
34を包囲する円形の軌道を形成するように配設され
る。ローラコンベア128は、チェッキングドラム13
4と同じ回転速度で回転し、チェッキングドラム134
と協働して、容器Pを検査位置IPに順次搬入する。
【0056】検査位置IPを挟むように、チェッキング
ドラム134に対向して自転ローラ136が配設され
る。チェッキングドラム134及び自転ローラ136に
より検査位置IPにおいて容器Pを自転させるための自
転駆動機構132が構成される。なお、自転駆動機構1
32の詳細については後述する。自転駆動機構132の
側方には、缶Cの外周面を撮像するための撮像部材即ち
ラインセンサカメラ52が配設される。カメラ52は、
先の実施の形態で述べたような画像処理を行うための画
像処理部53aや、信号の処理を行う信号処理部53b
等を含む制御部54に接続される。自転駆動機構132
の側方には、また、検査位置IPを連続照明するため、
電源90に接続された照明機器89が配設される。
【0057】検査位置IPにおける撮像終了後の容器P
は、チェッキングドラム134及びローラコンベア12
8により、供給位置と概ね反対側の位置まで搬送された
後、搬出コンベア147に引継がれる。コンベア147
の途中には、対象容器Pの有無を検出すると共に制御部
54へ検出信号を送るためのセンサ148と、制御部5
4からの排除信号により駆動され、容器Pを選択的に排
除するための排除プッシャ149が配設される。制御部
54の制御下で、プッシャ149により不良品がコンベ
ア147上から排除され、良品の容器Pのみがコンベア
147により次工程に向けて搬出される。
【0058】次に、自転駆動機構132の詳細を説明す
る。
【0059】自転駆動機構132のチェッキングドラム
134は、図9において反時計方向に回転され、ローラ
コンベア128と協働して、容器Pを検査位置IPに対
して順次搬入及び搬出する。具体的には、チェッキング
ドラム134の外周面162は、ラバー等の柔軟素材に
より形成される。外周面162は、チェッキングドラム
134の回転軸に沿って延在する4枚のフィン161に
より、4つの領域に均等に分割される。各領域の上流側
には、容器Pを検査位置IPに搬入するため、チェッキ
ングドラム134の回転軸に沿って延在する第1溝16
4が形成される。また、各領域の下流側には、容器Pを
検査位置IPから搬出するため、チェッキングドラム1
34の回転軸に沿って延在する第2溝166が形成され
る。第1及び第2溝164、166の溝ペアの間には案
内面168が規定される。第1溝164はチェッキング
ドラム134内に配設されたサクション機構に接続さ
れ、容器Pはサクション機構により第1溝164上に吸
着された状態で回転方向に案内される。
【0060】自転駆動機構132の自転ローラ136
は、図9においてチェッキングドラム134と同じく反
時計方向に回転される。自転ローラ136の外周面17
2も、ラバー等の柔軟素材により形成される。自転ロー
ラ136は、その外周面172により、チェッキングド
ラム134の外周面162と協働して容器Pを順次検査
位置IPに係留した状態で自転させる。この時、容器P
はチェッキングドラム134の第1溝164から第2溝
166へ移動しながら案内面168上で自転する。即
ち、チェッキングドラム134及び自転ローラ136の
回転速度は、案内面168と外周面172との周速度が
同一となるように設定される。
【0061】自転ローラ136は、図3図示のキッカロ
ーラ36と異なり円周方向に沿って交互に形成された凸
部74と凹部76とを有しておらず、滑らかな円弧表面
を有する。しかし、軸方向の中心においては、図3図示
のキッカローラ36と同様、円周方向に延びる溝を有す
る。この溝内に位置するように、自転ローラ136とは
別体のブレーキ部材178が配設される。
【0062】即ち、ブレーキ部材178は、検査位置I
Pにおいてチェッキングドラム134と対向するように
配置される。ブレーキ部材178は、チェッキングドラ
ム134の第1溝164から容器Pを掻き出すと共に、
第2溝166に容器Pが係合することにより自転ローラ
136の外周面172から解放された直後の容器Pの自
走自転を停止させるために使用される。ブレーキ部材1
78により容器Pの自走自転を防止することにより、検
査後の容器Pを第2溝166内に確実に着座させること
が可能となる。
【0063】ブレーキ部材178は、ブレーキ部材17
8は金属板からなり、その表面は検査位置IPにある容
器Pの外周面に常に接触する。しかし、ブレーキ部材1
78は、自転ローラ136の外周面172より低い圧力
で容器Pの周面に接し、しかもブレーキ部材178の接
触表面は平滑で、その摩擦係数は外周面172の表面よ
りも低い。従って、ブレーキ部材178が容器Pの外周
面に常に接触していても、容器Pの自転動作を損ねるこ
とはない。
【0064】なお、図9図示の実施の形態において、案
内面168上での容器Pの自転は、容器Pの全周の半分
程度しか行わず、従って、容器Pの外観検査は、特定の
領域のみを行うようなものとなっている。しかし、案内
面168の長さを大きく設定すれば、容器Pの外観検査
をその全周に亘って行うようにすることができる。
【0065】以上、本発明の好適な実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、より高速で且つ確実な
検査が可能な円筒形状物品の外観検査装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】たばこを被検査体とする本発明の実施の形態に
係る外観検査装置の全体を示す概略側面図。
【図2】たばこの自転駆動機構の詳細を示す側面図。
【図3】たばこの自転駆動機構の詳細を示す斜視図。
【図4】検査用の画像を取込むためのカメラと、その画
像信号を処理するための制御部との関係を示すブロック
図。
【図5】ライン画像と面画像との関係を示す概念図。
【図6】CPUにおいてたばこの良否判定を行うための
信号処理の手順を示すフローチャート。
【図7】(a)〜(f)は信号処理の手順の概念を視覚
的に示す図。
【図8】缶(或いはビン)を被検査体とする本発明の別
の実施の形態に係る外観検査装置の全体を示す概略側面
図。
【図9】容器を被検査体とする本発明の更に別の実施の
形態に係る外観検査装置の全体を示す概略平面図。
【符号の説明】
32、132…自転駆動機構 34、134…チェッキングドラム 36、136…キッカローラ若しくは自転ローラ 52…カメラ 54…制御部 64、164…第1溝 66、166…第2溝 68、168…案内面 69…サクション機構 74…凸部 76…凹部 78、178…ブレーキ部材 82…CPU 84…イニシエータ 86…エンコーダ 88…ディスプレイ 92…ライン画像 94…面画像 104…たばこの外周面 106…シーム部 107a…染み 107b…穴 108…ラップ部 IP…検査位置 C…缶 P…容器 T…たばこ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−174649(JP,A) 特開 平10−52247(JP,A) 特開 平6−70737(JP,A) 特開 平6−66728(JP,A) 特開 平5−176744(JP,A) 特許2756386(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00 300 G01B 11/24 G01N 21/952 A24C 5/34

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に円筒形状の外周面を有する物品か
    らなる複数の被検査体を連続的に検査するための外観検
    査装置であって、 前記被検査体を検査位置に順次搬入すると共に前記検査
    位置において前記被検査体を自転させるための自転駆動
    機構と、 前記検査位置において自転する前記被検査体の外周面を
    撮像するための撮像部材と前記撮像部材により得られる
    前記被検査体の外周面の画像に基づいて前記被検査体の
    良否を判定するための制御部と、を具備し、前記自転駆
    動機構は、 前記被検査体を前記検査位置に順次搬入及び搬出するた
    めの外周面を有すると共に第1方向に回転されるドラム
    と、ここで、前記ドラムの前記外周面には、前記被検査
    体を前記検査位置に順次搬入するため、前記ドラムの回
    転軸に沿って延在する第1溝と、前記被検査体を前記検
    査位置から順次搬出するため、前記ドラムの回転軸に沿
    って延在する第2溝と、前記第1及び第2溝の溝ペアの
    間に配設された案内面と、が形成されることと、 前記ドラムの前記第1溝内に前記被検査体を順次供給す
    るための手段と、 前記ドラムに対向して配設され、前記ドラムの外周面と
    協働して前記被検査体を順次前記検査位置に係留した状
    態で自転させるための外周面を有すると共に前記第1方
    向に回転されるローラと、ここで、前記ローラの前記外
    周面は、前記検査位置において前記被検査体が前記ドラ
    ムの前記第1溝から前記第2溝へ移動しながら自転する
    ように、前記被検査体の前記外周面に接触することと、 前記ローラの前記外周面から解放された直後の前記被検
    査体の自走自転を停止させるため、前記検査位置におい
    て前記ドラムと対向するように配設された前記ローラと
    は別体のブレーキ部材と、を具備することを特徴とする
    円筒形状物品の外観検査装置。
  2. 【請求項2】前記被検査体の前記外周面に接触する前記
    ブレーキ部材の表面の摩擦係数は、前記被検査体の前記
    外周面に接触する前記ローラの前記外周面の表面の摩擦
    係数よりも低く、前記ブレーキ部材の前記表面は、前記
    検査位置にある前記被検査体の前記外周面に常に接触す
    ることを特徴とする請求項1に記載の円筒形状物品の外
    観検査装置。
  3. 【請求項3】前記ローラの前記外周面は、前記ローラの
    円周方向に沿って溝を有し、前記ブレーキ部材は、前記
    溝内に位置するように配置されることを特徴とする請求
    項1または2に記載の円筒形状物品の外観検査装置。
  4. 【請求項4】前記ローラの前記外周面には、前記検査位
    置において前記被検査体が前記ドラムの前記第1溝から
    前記第2溝へ移動しながら自転するように、前記被検査
    体の前記外周面に接触する凸部と、前記被検査体が前記
    第2溝に着座するのに対応して、前記被検査体を前記凸
    部から解放させるための凹部とが、その円周方向に沿っ
    て形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の円筒形状物品の外観検査装置。
  5. 【請求項5】前記ドラム上に、複数組の前記第1溝、前
    記第2溝、及び前記案内面の組合わせが配設されること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の円筒形
    状物品の外観検査装置。
  6. 【請求項6】前記被検査体は、円筒形状で且つ長手方向
    に沿ってシーム部を有する喫味用物品若しくはその部品
    であることを特徴とする請求項5に記載の円筒形状物品
    の外観検査装置。
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